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Vol.2 , No.2(1954)025花山 勝道「雜阿含經の原型に關する考察-別譯雜阿含經原型との比較について-」

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Academic year: 2021

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(1)

別 繹 雑 阿 含 経 原 型 と の 比 較 に つ い て 花 山 勝 道 雑 阿 含 経 が 有 す る 問 題 は、 藪 多 い が、 そ の 中 今 蝕 で は 特 に、 薙 阿 含 輕 の 編 纂 の 様 式 及 び 組 織 に つ い て、 次 の 三 つ の 黙 を 取 り 上 げ る。 (1) 現 在 吾 々 が 手 に す る こ と が 出 來 る 難 阿 含 経 は、 古 來 よ り ﹁雑 ( 1 ) 多 な 内 容 の 経 ﹂ 或 は ﹁ 無 形 式 な 輕 典 ﹂ と 見 倣 さ れ て 來 た 檬 で あ る。 尤 も 現 在 の 難 阿 含 経 ( 五 十 巻、 劉 宋 求 那 蹟 陀 羅 課 ) は、 形 式 に 於 て 非 常 に 無 秩 序 ・ 無 組 織 的 で あ る が、 果 し て 難 阿 含 経 は 當 初 か ら 現 在 の 檬 な 飢 難 無 形 式 な 組 織 で あ つ た か 否 か。 (2) 難 阿 含 纏 の 内 容 に つ い て 記 述 し て い る と こ ろ の 鍮 伽 論 の 所 読 や、 根 本 読 一 切 有 部 毘 奈 耶 難 事 が 記 載 す る 難 阿 含 経 の 組 織 内 容 と、 現 在 の 難 .阿 含 輕 の 組 織 内 容 は 如 何 な る 關 係 に あ る か。 或 は 全 然 別 個 の も の で あ る か 否 か。 (3) 現 在 漢 謬 に 傳 つ て い る 他 の 難 阿 含 経、 印 ち 別 謬 難 阿 含 経 十 六 雀 と の 關 係、 及 び 南 方 傳 の 相 鷹 部 (Samyutta nikaya ) と の 翼 比 に よ つ て 薙 阿 含 経 の 組 織 に つ い て 如 何 な る こ と が 解 る か。 難 阿 含 経 の 原 型 に 關 す る 考 察 は、 推 論 の 都 合 上 こ N で は 第 三 の 問 題 か ら 始 め る。 漢 繹 十 六 巻 の 別 謬 難 阿 含 経 ( 失 謬 ) は、 元 來 二 十 雀 の 組 織 で あ つ た と 考 え ら れ る。 そ の 理 由 は、(1) 漣 録 に よ り、(2) 他 の 藏 版 に よ り、(3) 別 謬 難 阿 含 輕 内 の 記 録 に よ る、 三 つ の 理 由 か ら で あ る。 鄙 ち、 古 來 よ り 輕 録 者 た ち は 法 経 以 下 全 て の 経 録 者 が ﹁ 別 繹 難 阿 含 輕 二 十 巻 ﹂ ( 1 ) を 記 録 し、 又 高 麗 版 以 外 の 版 刻 で あ る 宋 ・ 元 ・ 明 の 三 藏 版 及 び 契 丹 ( 3 ) 藏 版 は、 別 課 薙 阿 含 経 を 二 十 巻 に 組 織 分 類 し、 更 に 別 繹 難 阿 含 経 自 身 ( 4 ) の 中 に 記 録 せ ら れ て い る 擾 頽 (uddana ) を 整 理 す る こ と に よ つ て、 別 課 難 阿 含 経 十 六 巻 は 高 麗 版 編 纂 者 の 改 修 に な る も の で、 元 來 は 二 十 巻 で あ つ た こ と が 到 明 す る。 細 論 は こ 玉 で は 避 け る が、 更 に 内 容 を 大 別 し て、 初 講 ( 偶 丈 纏 ) と 二 講 ( 散 丈 経 ) の 形 式 に 分 類 す る こ と が 出 來 る。 五 十 雀 難 阿 含 輕 と 比 較 し て、 量 的 に は 約 三 分 の 一 程 度 の 屯 の で あ る が、 そ の 一 致 す る 部 分 に 於 て は 著 し い 相 似 を 示 し、 難 阿 含 経 め 巻 三 十 二 以 下 が 大 膿 之 に 相 當 す る。 鼓 で 五 十 巻 難 阿 含 経 に つ い て み る な ら ば、 巻 三 入 以 下 の 十 三 巻 を 一 鷹 偶 碩 品 (

Samyutta nikaya: sagatha vagga

に 相 當 す る ) と 考 ( 5 ) え る こ と が 出 來 る。 こ の 中 巻 四 一、 雀 四 三、 雀 四 七 の 三 巻 は 散 文 謹 で あ る か ら 偶 頚 品 の 内 容 と し て 相 礁 し く な い の で 一 鷹 除 き、 残 り 十 巻 を 偶 頽 晶 の 内 容 と す べ き で あ る。 一 方 巻 一 か ら 巻 三 七 ま で の 中 で、 偶 文 膿 で あ つ て 偶 頽 品 の 内 容 に 相 懸 し い ﹁巻 ﹂ が あ る か 否 か を 調 べ て み る と、 丁 度 霧 四、 巻 二 二、 雀 三 六 の 三 巻 を 見 出 す こ と が 出 來 る。 こ の 三 巻 及 び 先 の 十 巻 を 合 し た 十 三 雀 を、 別 課 難 阿 含 輕 の ( 6 ) ﹁ 初 諦 ﹂ と 比 較 し て み れ ば、 爾 者 の 關 係 が 明 瞭 と な る。 即 ち 別 難 阿 含 経 め 初 講 に 含 ま れ て い る 二 八 一 経 の 中、 一二 輕 を 除 い た 煮 皿く が、 難 阿 含 経 の 偶 頽 品 中 の 経 に 一 致 す る。 更 に 難 阿 含 輕 の 配 列 の 順 序 を 一 部 整 理 す れ ば、 爾 者 の 組 織 が 全 く 同 じ で あ る こ と が 解 る。 印 ち 総 四 一 の 位 置 に 巻 四 六 を、 聡 四 三 の 位 置 に 雀 四 を、 雀 四 六 の 位 置 に 雀 三 難 阿 含 経 の 原 型 に 關 す る 考 察 ( 花 山 ) 一 三 九

(2)

-492-薙 阿 含 輕 の 原 型 に 關 す る 考 察 ( 花 山 ) 一 四 〇 六 を、 雀 四 七 の 位 置 に 雀 二 二 を 配 置 す れ ば、 別 繹 雑 阿 含 経 の 初 論 の 組 織 と 全 く 等 し い こ と を 明 か に す る こ と が 出 來 る。 こ 玉 で 最 も 注 意 す べ き は、 難 阿 含 経 の 各 輕 の 移 動 が、 ﹁ 雀 ﹂ を 軍 位 と し て 行 は れ 得 る こ と で あ る。 こ の 事 審 ば、 難 阿 含 経 の 組 織 が、 ﹁ 巻 ﹂ を 輩 位 と し て そ の 配 列 順 序 を 線 し て い る と い ふ ヒ ソ ト を 與 え て く れ る。 第 三 に 難 阿 含 経 の 内 容 を 記 録 し て い る 五 種 類 の 文 戯 ⋮を 墨 げ る こ と が 出 來 る。 第 一 四 分 律、 第 二 摩 詞 櫓 紙 径 昌、 第 三 喩 伽 論、 第 四 根 本 説 一 切 有 部 毘 奈 耶 難 事、 第 五 パ ー り 所 読 で あ る。 第 一 及 び 第 二 の 文 献 が 示 す 薙 阿 含 経 の 内 容 は、 現 存 す る 雑 阿 含 経 の 中、 偶 頽 晶 及 び 聖 道 品 が 一 部 濁 立 し て 難 阿 含 輕 と 構 せ ら れ て い た こ と を 意 味 す る。 し か し こ れ は、 こ れ ら の 文 獄 が 忠 實 に 難 阿 含 経 の 内 容 を 記 載 し た、 と 考 え た 上 で 言 え る こ と で あ ろ う。 第 三 の 文 鰍 で あ る 喩 伽 論 は、 極 め て 詳 細 に 雑 阿 含 輕 の 内 容 を 記 載 し て い る。 帥 ち(1) 如 來 及 弟 子(2) 蕗 塵 界(3) 縁 起(4) 道(5) 八 衆(6) 結 集 の 六 品 に 頒 け る。 こ の 中(1) の 如 來 及 弟 子 の 項 を、(3) と(4) と 間 及 び(4) と(5) の 間 に 位 置 さ せ れ ば、 現 存 難 阿 含 経 と ほ 虻 等 し い 内 容 と 考 え る こ と が 出 來 る。 第 四 の 根 本 読 山 切 有 部 毘 奈 耶 難 事 は、 現 存 難 阿 含 輕 と ほ 黛 等 し い 内 容 を 記 録 し て い る。 印 ち(1) 蕊(2) 塵 界(3) 縁 起(4) 聲 聞(5) 佛(6) 聖 道(7) 伽 他 の 毛 品 に 頒 け る。 第 五 め 南 方 傳 は 部 派 的 に 異 り 初 品 にsagatha vagga, を 置 き、 五 晶 に 分 類 す る。 結 論 と し て 次 の 黙 を 言 う こ と が 出 來 る。 (1) 雑 阿 含 輕 は 元 來 組 織 整 然 と し た 相 懸 部 経 で あ つ て、 現 在 の 如 き 絹 織 の 混 鰍 は、 何 れ か の 疇 代 に、 何 等 か の 理 由 に よ つ て、 ﹁ 雀 ﹂ の 配 列 順 序 を 混 謝 し、 そ の ま & 現 在 に 傳 え ら れ る に 到 つ た も の で あ る。 (2) 喩 伽 論 及 び 毘 奈 耶 難 事 が 記 載 す る 雑 阿 含 輕 の 内 容 は、 現 存 雑 阿 含 纒 の 原 型 と 組 織 に 於 て 類 似 し、 三 者 は 同 系 或 は 類 似 の 部 派 の 傳 雇 岡あつたと み 誠浮 きスられる。 (3) 相 鷹 部 ( Samyutta nikaya ) のsagatha vagga、 別 謬 難 阿 含 経 の 初 舗、 及 び 難 阿 含 経 の 偶 頽 晶 は、 三 者 一 致 の 輕 を 比 較 的 多 激 保 有 し、 就 中 別 課 雑 阿 含 輕 と 雑 阿 含 輕 と の 一 致 部 分 は、 組 織 に 於 て 全 く 同 じ で あ る。 爾 者 は 極 く 近 親 部 派 の 所 傳 に 成 つ た も の で あ ろ。 1 雑 阿 含 纏 五 十 巻 ︹ 五 秩 ︺ 宋 天 竺 三 藏 求 那 践 陀 羅 課 ︹輩 重 合 課 ︺ 右 此 部 輕。 説 事 既 難。 故 無 品 次 諦 等 差 別。 ︹ 曾 肇 長 阿、 含 序 云 雑 含 四 分 十 論 ︺ 開 元 録 第 十 三、 ( 大 正55, 610. c )。 2 大 正55: 130. b. 154. b. 186 c.815. c. 9 0 5. a. 9 0 8. C. 3 大 正 大 藏 輕 本 経 の 脚 註 参 照。 4 一特 に ﹂ 次 の 掻 り頽 一 に 注 音 心 ﹁ 幡 陳 如 曾 利 龍 脇 及 羅聡 幅 民 不 樂 及 欲 結 串 離 及 僑 慢 し ( 大 正2, 462. a ) 5 雑 阿 含 経 中 の 分 謙 楓、 ﹁ 雑 因 論 第 三 品 之 四 ﹂ ( 大 正2, 108. c ). ﹁難 因 講 第 三 之 五 ﹂ ( 大 正2, 116 )、 ﹁弟 子 所 読 諦 第 四 品 ﹂ ( 大 正2, 126. c )、 ﹁ 第 五 謙 溢 晶 第 一 ﹂ ( 大 正2, 170. c ) の 四 が 残 る の み。 蝕 で 言 ふ ﹁ 偏 頒 晶 ﹂ は 假 名。 別 課 雑 阿 含 輕 で は、 ﹁ 集 偶 願 品 ﹂ ( 大 正2, 453. b, 第213 経 参 照 ) 6 ﹁ 初 諦 ﹂ は、 原 型 二 十 巻 の 別 課 雑 阿 含 纏 の 巻 一 よ り 巻 十 二、 及 rび 巻 二 十 の 十 三 巻 を い う。 7 ( 現 行 巷 次 ) ⋮38 39 40 41 42 43 44 45 ( 訂 正 原 型 ) 38 39 40 41 42 43 44 45 36 8 ﹁ 原 始 的 傳 承 と 部 派 的 傳 承 ﹂ ( ﹁ 丈 化 ﹂6, 11. 昭14, 11 山 田 龍 城 教 授 ) 容 照。

参照

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