PowerPoint プレゼンテーション

15 

Loading.... (view fulltext now)

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

Frontier Management Industrial Research

産 業 調 査 通信

vol.35.May 2018

(2)

 経営全般 松 岡 真 宏 『「同族企業は強い」は本当なのか?』  テクノロジー関連業界 栗 山 史 『次世代自動車産業のKey Word=CASE』  中国担当 中 村 達 『スタバの中国マーケティング』  先端領域 本 橋 陽 介 『仮想通貨のスケーラビリティ問題とその先』  メディア・エンターテインメント業界 福田 聡一郎 『DAZNはJリーグ観客動員増に貢献したのか?』  機械業界 水 野 英 之 『中国の製造業の高度化の波は継続』  小売業界 山 手 剛 人 『小売業決算にみる企業間競争のパラダイムシフト』  ASEAN担当 毛 利 剛 実 『米国為替報告書』 産業調査コラム p.5 今月のトピックス p.2  電子デバイス・材料業界 村 田 朋 博 『電子部品産業の本を出版』

目次

(3)

2

今月のトピックス

© 2018 Frontier Management Inc.

(4)

電子デバイス・材料業界:『電子部品産業の本を出版』

 大和証券㈱、㈱大和総研、モルガン・スタンレー証券 会社を経て、2009年にフロンティア・マネジメント㈱ 入社。  大和証券㈱、㈱大和総研では、通信機器、半導体、半 導体製造装置、ソフトウエア産業の調査を担当、モル ガン・スタンレー証券会社では、電子部品の調査を開 始、産業アナリストとして17年の経験を有する。  2001年に日経アナリストランキングで1位になるなど、 各種ランキングで上位に名を連ねる。 村田 朋博 Tomohiro Murata マネージング・ディレクター 主な著書 『電子部品だけがなぜ強い』(日本経済新聞出版社 2011年) 『経営危機には給料を増やす!』(日本経済新聞出版社 2013年) 『電子部品 営業利益率20%のビジネスモデル』(日本経済新聞出版社 2016年) 『この本を読まずに死ぬな!人生を変える珠玉の15冊』(静山堂書店 2018年) 『図解入門業界研究最新電子部品産業の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム 2018年) WSTSによれば、世界の半導体出荷金額は、2017年に前年 比+22%と大きく伸長し、2018年も+10%と予想されている。 一部メモリーの価格低下はみられるものの、依然として強気の 見方が大勢を占めている。 さて、弊社は、「図解入門業界研究 最新 電子部品産業の動 向とカラクリがよ~くわかる本」を株式会社秀和システムから 出版する。対象となる読者は、電子部品産業について学びたい 人、例えば就職活動中の学生である。 電子部品産業は一般の人にはなじみがなく、そのため、採用 活動ではどうしても知名度のある産業、企業に劣後してしまう。 しかしながら、優秀な人財の採用が産業、企業の将来を左右す ることは論を俟たない。 弊社としては、本書によって電子部品産業の優れた技術力、 経営力を広く知らしめ、優秀な学生の採用の一助になればと考 えている。採用および新入社員の教育にご活用いただければ幸 いである。 主な内容は以下の通りである。 電子部品産業概況 電子部品産業はハイテク産業の雄 経営者と理念 主な電子部品と技術 電子部品を用いる製品の今までとこれから 電子部品の主要企業

(5)

参考:世界 半導体市場統計

情報はよWSTS『Historical Billings Report』より入手

© 2018 Frontier Management Inc. 4

0 20 40 60 80 100 120 2007 年 1Q 2008 年 1Q 2009 年 1Q 2010 年 1Q 2011 年 1Q 2012 年 1Q 2013 年 1Q 2014 年 1Q 2015 年 1Q 2016 年 1Q 2017 年 1Q 2018 年 1Q 世界 北南米 欧州 日本 アジア (billion US$)

(6)

5

産業調査コラム

(7)

経営全般:『「同族企業は強い」は本当なのか?』

 野村総合研究所、バークレイズ証券会社、UBS証券会 社、㈱産業再生機構を経て、2007年にフロンティア・ マネジメント㈱設立。  10年以上にわたり流通業界を中心に証券アナリストと して活動。㈱産業再生機構においては、地方百貨店で ある津松菱やうすい百貨店の事業再生に関与し、カネ ボウおよびダイエーの案件では、取締役として事業再 生に関与。  1999年に国内外の複数のアナリストランキングにおい て、小売部門でトップランキングを獲得。 松岡 真宏 Masahiro Matsuoka 代表取締役 主な著書 『小売業の最適戦略』(㈱日本経済新聞社 1998年) 『百貨店が復活する日』(㈱日経BP社 2000年) 『問屋と商社が復活する日』(㈱日経BP社 2001年) 『逆説の日本企業論』(㈱ダイヤモンド社 2003年) 『私的整理計画策定の実務』共著(㈱商事法務 2011年) 『流通業の「常識」を疑え!』共著(㈱日本経済新聞出版社 2012年) 『ジャッジメントイノベーション』共著(㈱ダイヤモンド社 2013年) 『時間資本主義の到来』(㈱草思社 2014年) 『「時間消費」で勝つ!』共著(㈱日本経済新聞出版社 2015年) 『宅配がなくなる日 同時性解消の社会論』共著(㈱日本経済新聞出版社 2017年) ジャーナリズムでは、折に触れて同族企業の強さが指摘され る。4月14日号の週刊ダイヤモンドでも、『オーナー社長最強 列伝』という特集が組まれた。上場オーナー企業と非オーナー 企業のROAなどを比較して前者の優位性に軍配を上げ、外国人 投資家が熱視線を送っていると報じている。 この種のアプローチは社会科学として、論理的なのであろう か?そもそも、一部の例外を除き、ほぼ全ての企業はオーナー 企業として産声をあげる。設立後10年を超えて存続できる企業 は10%にも満たない。この意味で、市場から退出する企業のほ とんどはオーナー企業であり、“オーナー企業だから強い”と恒 等式的には全く言えない。 収益を伸長させて上場に漕ぎ着けたオーナー企業も、その後、 自身の経営の失策や、リーマンショックなど外生的な要因で、 業績が悪化する局面を迎える。その際、金融機関・投資ファン ド・事業会社などの支援を受け、オーナー会社は組織としての 維持存続を模索する。経営責任をとってオーナー経営者が退任 する過程で初めて、サラリーマン社長なるものや非オーナー企 業がこの世に産み出されてくる。 オーナー企業と非オーナー企業とは異種科生物ではなく、連 続的で不可逆的な時間経過の産物に過ぎない。オーナー企業が 非オーナー企業よりも利益率が高いのは、非オーナー企業とい う成虫(例えばトンボ)に変態するという転換点を迎えていな い幼虫(同ヤゴ)だからなのである。

(8)

テクノロジー関連業界:『次世代自動車産業のKey Word=CASE』

栗山 史 Hitoshi Kuriyama 産業調査部長 Connectivity、Autonomous、Sharing、Electric Mobility、 の4つの頭文字を合わせ「CASE」。次世代自動車産業のKey Wordだ。1908年発売の「T型フォード」で本格化し、100年 かけ成立した現自動車産業におけるビジネスモデルが、CASE で大変革期を迎えているとの認識がようやく広がりつつある。 資源から中古車販売までを含む自動車産業は約600兆円(ダ ブルカウント含む)、自動車・トラック(約300兆円)の約2 倍と推測。600兆円に対する営業利益額は37~40兆円、6.5~ 7.0%の営業利益率と試算され、この規模はどんな業界から見 ても魅力的。巨額の市場・利益の変革を巡り、既存/新規プレ イヤの多大な知能や資金が投下されている。 地域・国毎で市場構造や状況は異なり、変革の困難さを理路 整然と語る既得権益者も多いが、環境・高齢化対策など社会的 ニーズに加え、新技術・アイディアを持つエンジニア・デザイ ナーや投資家とユーザーが、不屈の意志で変革をもたらそう。 1980年代から変革期に入ったデジタルAV/IT産業は、30年を かけて既得権益者を駆逐し、ユーザーへ多大なメリットを及ぼ しつつ新たな産業を多数起こして発展した。 現在の自動車産業は、既得権益者にメリットが大きい形で 100年をかけ効率化された印象があるが、変革はユーザーメ リットを極大化する方向で進むと思われる。収益構造は現在の ハード寄りから、サービスよりに変わっていくと想像している。

© 2018 Frontier Management Inc. 7

 大和証券㈱、ゴールドマン・サックス証券会社、メリ ルリンチ日本証券㈱、アライアンス・バーンスタイン ㈱等を経て、2012年にフロンティア・マネジメント㈱ に入社。  22年間、一貫してテクノロジー関係のアナリスト業務 に従事。家電業界、総合電機、電子部品、精密機器、 ゲーム業界等、国内テクノロジー関連企業をほぼ網羅。 その他、医薬品・小売り・繊維・サービス等の生活関 連産業、電子素材等を含む川上のテクノロジー関連業 界、汎用化学等へも調査対象を拡大。  1994年以降、日経金融新聞「アナリスト人気ランキン グ」や米国「Institutional Investor」誌等のアナリス トランキングでは、ほぼトップ3の座を継続。

(9)

中国担当:『スタバの中国マーケティング』

中村 達 Toru Nakamura マネージング・ディレクター 昨年12月にコト消費のスターバックス・リザーブ・ロースタ リーが上海にオープンした。今後本社シアトル、上海、そして NY、東京等とオープンしていく。上海店の規模はシアトルの 約2倍で2,800㎡、店舗内に生豆ローストマシーンを設置。 AR でロースト状況の確認もできる。店内だけでなく中国の店舗に 焙煎豆の供給を行う。店内にはバリスタを配置し、ハンドド リップ、サイフォンなどでのコーヒー提供。提携しているミラ ノ プリンチのベーカリー製品、茶、アルコール提供そして関 連グッズの販売を行っている。 スターバックスの米国開業が1971年。日本、中国では各 1995年、1999年。店舗数は米13,930店、日1,218店、中 2,936店(同社’17年アニュアルレポートより) 日本含め他地域で合弁から行うケースは見られる中、中国で も政府指示もあり合弁事業で開業。地域別の合弁事業を独資化 していき昨年華東地区の合弁パートナー台湾統一実業から13億 米ドルで50%買取をし、大陸の独資化を果たした。 同社シュルツ会長は「中国市場は10年以内に米国市場を超 す」と発言。従来店だけでは同市場ニーズに対応出来ないと判 断。小規模専門店、安価提供店の「第三の波」への対抗として 「リザーブ」ブランド店をいち早く中国で展開。1年強で100 店超の開業しバリスタによる品種、淹れ方の差を提供。二線、 三線都市(内陸 中規模都市)での新店は「リザーブ」にて消 費者に大都市でなくても最新サービスを与え、新消費者層の取 り込みを行っている。 これだけ市場性を判断し投資の集中を行う日本企業はあるだ ろうか。

© 2018 Frontier Management Inc. 8

 ㈱トーメン(現、豊田通商㈱)に入社、食料本部勤務。 Tomen Corporation do Brasil ltda.サンパウロ本社、 Tomen(America)Corp.シカゴ支店、㈱トーメン食 料本部、東棉(北京)駐在事務所に勤務。東棉(北 京)(大連)駐在事務所所長、東棉天津有限公司 総 経理を経て豊田通商㈱との合併。豊田通商(天津)有 限公司 副総経理に就任。豊田通商㈱食料本部食品部、 食料事業部に勤務。その後、サンヨー食品㈱海外事業 部勤務。2014年にフロンティア・マネジメント㈱に入 社。  豊田通商㈱入社後は、食料本部にて畜産、食品、食糧 トレーディング、同海外法人にてマネジメント、現地 でのトレーディング、新規ビジネス開発業務に従事。  豊田通商㈱食品部部長としては、投資案件立案や実行 に従事するとともに、各関連企業取締役として企業運 営を行う。  サンヨー食品㈱では、海外事業部部長として米国、中 国事業管理を行う。

(10)

先端領域: 『仮想通貨のスケーラビリティ問題とその先』

本橋 陽介 Yosuke Motohashi マネージング・ディレクター 合意形成アルゴリズムとしてPoW(注1)を採用している ビットコインが、大量のコンピュータリソースと電気代を必要 とすることはよく知られている。これらリソースは全世界のマ イニングプール(注2)から供給されているのだが、執筆時点 ではその上位をBTC.com(28.8%)、Antpool(13.6%)と 中国企業が占めている。中国は化石燃料、なかでも石炭による 発電比率が高い(IEAによれば全体の約75%)国家である。理 想的な非中央集権型の経済システムを追求した結果であったと しても、最終的に石炭発電量が増加する、というのは地球資源 の最適な分配、という観点からは正当化できそうもない。 そしてこうした資源大量消費こそがビットコインの処理能力 を制限し、送金手数料(マイニング報酬)を高騰させ、ペイメ ントシステムとしての流動性喪失を招いている。結果として、 ビットコイン自身も決済手段としては認知されず、投機対象に なっている、というわけだ。何とも皮肉な話である。 現在こうした課題(スケーラビリティ)の克服に向け、様々 な技術開発が進んでいる。シャーディングのようなノード分散 処理や、ASICによる計算能力の向上、データセンタにおける 電力消費抑制技術がその代表格である。こういった本質的で 「深い」技術レイヤーが整備されることが、仮想通貨に真の権 威を与え、仮想通貨「以外」のアプリケーションを産み出すた めには不可欠だろう。筆者はそれまでいま暫く時間を要しそう だと考えている。 (注1)Proof of Workの略。ブロックチェーン上に記録された取引が「本当に正し い取引」であると認められるための合意 (注2)採掘者であるマイナー(Miner)複数人が協力して設備を保有し、得られた ビットコインを各マイナーの貢献度に応じて分配する仕組み

© 2018 Frontier Management Inc. 9

 2001年にアクセンチュア㈱に入社。2012年にフロン ティア・マネジメント㈱に入社。  アクセンチュア㈱では、製造・流通業のコンサルタン トとして、構想立案から業務プロセスの導入・定着化 及びIT導入までを一貫して支援。上海オフィスとの協 働プロジェクトなどに関与。全社予算管理、マーチャ ンダイジング改革、経営効率改善、事業再構築、全社 ITマネジメント、サプライチェーンマネジメント等に 経験を持つ。  フロンティア・マネジメント㈱では、化学、材料、電 子部品、機械、自動車OEM・自動車部品、エレクトロ ニクスなど製造業中心に、長期ビジョンや新規事業探 索などの戦略策定及び実行支援、中期経営計画策定な どを責任者として推進。その他、教育、エンタテイン メント、金融など各種サービス産業への戦略策定支援 や中央省庁委託事業等に従事。  M&Aアドバイザーとして、エレクトロニクスメーカや 住宅メーカー、電子部品材料、自動車部品企業等にお けるM&A戦略策定やビジネスDDなどのエクゼキュー ションに関与し、日立製作所による日立セキュリティ サービス株式の綜合警備保障(ALSOK)への譲渡など を担当。 コンサルティング部門における人工知能、IoTなど先 進テクノロジー領域におけるリサーチ、知見蓄積やデ リバリーメソッド開発のリーダー。

(11)

メディア・エンターテインメント業界: 『DAZNはJリーグ観客動員増に貢献したのか?』

福田 聡一郎 Soichiro Fukuda シニア・アナリスト スポーツのネット動画配信サービス「DAZN」(ダゾーン、 英Perform社提供)は、国内で順調な加入者拡大を見せている。 2016年8月に配信開始となったDAZNは、Jリーグと、10年間 の放送権取得に関し2,100億円という巨額契約を締結し、J1か らJ3までの全試合を生中継する他、F1や野球といった他のス ポーツ配信も行っている。NTTドコモとの提携もあり、2017 年央には国内加入者が100万人を突破、2018年3月にはドコモ 向けサービスのみで100万人を突破した。一方で、長年Jリー グを放送してきた衛星放送事業者スカパーJSATは、Jリーグ中 継からの完全撤退を余儀なくされている。 それでは、DAZNの全チーム/全試合中継はJリーグの観客動 員数に如何なる影響を与えたのであろうか? 2017年末のJリーグのブリーフィングでは、2017年のJ1観 客動員数が、2016年比で約28万人増の約578万人(過去最高 は2009年の581万人)に達したと報告された。巨額契約によ るチームへの配分金の増加、それによる注目選手の獲得、ネッ ト配信を前提としたフレキシブルな試合運営などの要因も挙げ られるが、DAZNというネット配信を通じたサッカーファンの Jリーグコンテンツへの接触機会増大が、“生で試合を見たい” という誘因になったことが大きな要因と考えられよう。 このように、グローバルネット動画配信事業者がコンテンツ 制作資金を供出し、新たなエコシステムを構築する例はアニメ 業界等でも見られるが、国内の動画配信事業者を交えて、新た な制作資金の出し手によるコンテンツビジネスの変革に今後も 注目していきたい。

© 2018 Frontier Management Inc. 10

 三井信託銀行㈱(現、三井住友信託銀行㈱)、興銀証 券㈱(現、みずほ証券㈱)、日興ソロモン・スミス バーニー証券会社(現、シティグループ証券)、マイ クロソフト㈱(現、日本マイクロソフト㈱)、日興シ ティグループ証券㈱(現、シティグループ証券)、 フィールズ㈱を経て、2016年にフロンティア・マネジ メント㈱に入社。  1998年から2016年までの18年間、アナリスト業務お よび事業会社にて、一貫してエンターテインメント業 界に携わる。セルサイド・アナリストとしては、エン ターテインメント業界の他、メディア業界、インター ネット業界、ITサービス業界のリサーチも担当。  2003年から2005年に在籍したマイクロソフト㈱では、 同社のゲーム機Xbox360の日本ローンチ戦略、および オンラインサービス「Xbox Live」のマーケティング 戦略を担当。2014年から2016年に在籍したフィール ズ㈱では、IR、およびゲーム系子会社管理を担当。

(12)

機械業界: 『中国の製造業の高度化の波は継続』

水野 英之 Hideyuki Mizuno シニア・アナリスト 日本工作機械工業会が公表した2018年3月の工作機械受注は、 前年比28%増の1,828億円と単月ベースでの過去最高を更新し、 2017年度ベースでも同38%増の1兆7,803億円と過去最高 (07年度の1兆5,939億円)を10年振りに更新した。自動車、 電機業界の旺盛な設備投資を受けて、日本、中国、東南アジア、 北米、欧州など全ての地域で拡大した。 また、中国での生産設備の高度化を背景とした日本の工作機 械への需要拡大などに伴い、海外受注の構成比は、前回のピー ク時の07年度55%から、17年度には61%にまで上昇した。 中国では、工場の自動化ニーズも旺盛で、ファクトリーオー トメーションの需要も拡大基調を維持している。 4月12日に、 安川電機が19/2期決算の予想を公表し、主力のサーボモータ、 インバータ、ロボットともに19/2期も売上成長が続くとの見 方を示した。同社の中国での受注は、旧正月明けも絶好調での スタートとなった他、足元は調整感がでているスマートフォン 関連向け売上も2018年後半には回復するとの強気の見方を示 している。 工作機械など設備機器メーカーは、良好な受注環境が続いて いるが、中国に依存している面も強い。中国での生産工程の高 度化・自動化の波は継続しそうだが、中国での自動車、家電、 スマートフォンなどの生産活動が停滞した場合には、機械設備 産業の受注が落ち込む可能性があることには留意が必要となろ う。

© 2018 Frontier Management Inc. 11

 日興証券株式会社(現、SMBC日興証券株式会社)に 入社し、同年、日興リサーチセンターに出向。INGベ アリング証券会社(現、マッコーリーキャピタル証券 会社、メリルリンチ日本証券を経て、2016年フロン ティア・マネジメント㈱に入社。  1987年から2016年までの29年間、セルサイドアナリ ストの経験を有する。1992年からは日興リサーチセン ター、INGベアリング証券会社(現、マッコーリー キャピタル証券会社)、メリルリンチ日本証券にて、 機械業界を約24年間にわたって担当した。

(13)

小売業界: 『小売業決算にみる企業間競争のパラダイムシフト』

2月末で決算期末を迎える企業が多い小売セクターでは、早 くも2017年度決算の発表がピークを迎えている。その中でも 業績好調が光っていたのは、専門店業界の双璧をなすファース トリテイリングとニトリであった。 8月決算企業であるファストリは上半期業績を発表した格好 だが、日本の会計基準で営業利益に当たる事業利益は前年比 41%増の1,819億円に達した。また、ニトリの通期決算も営業 利益が9%増の933億円と、2018年度での1,000億円の大台到 達を視野に入れた。2社とも過去最高益を更新、ニトリに至っ ては今回で31期連続の増収増益という記録も打ち立てている。 この2社の強さを支えてきたのはモノづくりにおけるコスト 競争力や品質管理である。これは前世代の勝ち組企業が得意と していた店舗オペーションのローコスト化だけでは成し得ない 領域の差別化戦略だ。 しかし、ファストリとニトリはさらにその先、モノづくりで の差別化を超克する「消費者の体験価値」における差別化に対 しても貪欲に取り組んでいる点は見過ごしてはならない。EC サイトやアプリ、それと連動した店頭企画や物流サービスの刷 新など、その取り組みは枚挙に暇がない。 小売業界における企業間競争は、①店舗オペレーションの省 力化、②モノ作りでの差別化、③消費者の体験価値の向上と、 パラダイムがシフトしている。小売業の経営者は自社が抱える 経営課題がどのステージにおけるものであるかチェックしてみ てはいかがであろうか。

© 2018 Frontier Management Inc. 12

山手 剛人 Taketo Yamate シニア・アナリスト  1999年にウォーバーグ・ディロン・リード証券会社 (現UBS証券会社)に入社。2003年に同社株式調査 部で小売セクター担当のシニア・アナリストに就任。 2010年にクレディ・スイス証券会社に移籍。小売セク ター担当のアナリストと消費関連産業の調査グループ リーダーを兼務。2017年にフロンティア・マネジメン ト(株)に入社。  1999年から2017年までの18年間、消費産業(小売、 食品、消費財)の産業・企業調査に従事。50社以上の 上場企業の株式格付を担当。  UBS証券会社では2002年に史上最年少でシニア・アナ リスト(食品、消費財セクター担当)に就任。 日経 ヴェリタス「人気アナリストランキング」では継続的 に上位にランクイン(最高順位は2010年の総合小売セ クターで2位)。 『宅配がなくなる日 同時性解消の社会論』共著(㈱日本経済新聞出版社 2017年) 主な著書

(14)

ASEAN担当: 『米国為替報告書』

毛利 剛実 Takemi Mori シニア・ディレクター 4月13日、米国財務省が為替報告書を公表した。毎年4月と 10月に、財務省が貿易相手国の通貨政策を分析するもので、貿 易相手国の為替政策が恣意的に自国通貨安を助長し輸出増を企 図しているのではないかと、毎回監視対象国を公表することで 注目されている。昨年10月公表の監視対象国は、中国・日本・ 韓国・ドイツ・スイスと、米国から見た貿易赤字国として、近 時トランプ大統領が不公平と批判する国と当然に符合する。 監視対象国となる基準とは、対象国が①対米貿易黒字が年 200億㌦超、②経常収支の黒字がGDPの3%超、③一方的な為 替介入による外貨買いがGDPの2%超、のうち2つに該当した 際に指定されるとの内容。近時一部のメディアやアナリストか ら、これにASEAN諸国も監視対象国に入る可能性があるとの ことで、筆者も注目していた。同報告書にASEAN諸国が入っ たことはこれまでなかったが、近年は技術革新に加え、いわゆ る「チャイナ・プラス・ワン」効果もあって、タイ・ベトナ ム・マレーシアの対米輸出が増大していた。とくにタイは 2017年度に対米貿易黒字が初めて200億㌦超、且つ経常黒字 がGDPの11%と基準を大幅に超えていた。 4月報告書で監視対象国として指定されたのは6か国と、前回 より1か国増えたが、ここにASEANの国名はなかった(前回5 か国は継続)。指定されない背景説明は行われていないものの 次回10月までの予備軍的な位置づけか。他方、興味深いのは今 回追加された「インド」である。近年日本からのインド進出へ の関心も非常に高く、今後のトランプ大統領からの対インド戦 略にもASEAN同様に注目したい。

© 2018 Frontier Management Inc. 13

 ㈱日本興業銀行(現、㈱みずほ銀行)に入行、香港上 海銀行(東京支店)、独立系マーチャントバンクを経 て、2014年フロンティア・マネジメント㈱に入社。  企業調査部門で小売業種を担当、1997年のアジア通貨 危機後のアジア進出日系企業の財務支援プロジェクト を主目的とし、1998年~2006年までタイを中心とし た東南アジア域内で、通貨スワップや現地通貨建て起 債環境整備などに関与。  香港上海銀行では、コマーシャルバンキング部門で日 系企業・アジア企業のカバレッジを担当。  ベンチャーキャピタルとアドバイザリー業務を行う独 立系マーチャントバンクでは、燃料小売ベンチャーの 事業再生や、映像コンテンツ運営ベンチャーの知財 カーブアウト(英国ファンドへの売却)などをアレン ジ。

(15)

ディスクレーマー

本資料は、閲覧者の参考に資することを唯一の目的として作成、提出されたものであり、他の一切の目的のために作成されたものではありません。 本資料は、現時点で一般に入手可能な公開情報を、弊社においてその正確性および網羅性等を独自に検証することなく作成されており、具体的案件 の検討の基礎となる各前提事実、仮定およびその他情報等に関して弊社が対外的に意見を表明するものではありません。法律、会計、税務等の専門 領域に関する検討に関しましては、弁護士、公認会計士、税理士等の各専門家にご相談・ご確認されますようお願い致します。 本資料の著作権はフロンティア・マネジメント株式会社に帰属します。

Updating...

関連した話題 :