SGホールディングス株式会社 〒601-8104 京都市南区上鳥羽角田町68番地 URL.http://www.sg-hldgs.co.jp
13
号 2009年8月 Special Report――――――――――― 1∼2 佐川グローバルロジスティクスの中国展開 Financial Data――――――――――――― 3 SGホールディングス2008年度決算 News Topics ――――――――――― 4∼5 「信書便」、ハーフパンツの採用、他 Business Angle―――――――――― 6∼7 佐川グローバルロジスティクス Portrait／Column ――――――――――― 8 機密文書リサイクル便専用BOX開発担当者､他 Contents の操作のみで完結するサービスです。 SGLはネットプライス社から得た 情報をもとに、同社の倉庫にある日 本企業の商品をSGHグループが連携 し中国の届け先まで配送します。具 体的には国内輸送は佐川急便㈱が、 輸出手続きはSGLが行います。また 中国での輸入通関は上海保利佐川物 流有限公司が担当し、配送は上海市 内の場合は上海大衆佐川物流有限公 司が、それ以外の中国国内への配送 は S G L が提携している中国速逓局 （中国郵政子会社）が担当します。 （次ページに続く） SGホールディングスグループでロジスティクス事業を担う佐川グ ローバルロジスティクス㈱（SGL）は、㈱ネットプライスドットコム （ネットプライス社）とアリババ㈱がサービスを開始した「中国向けオ ンライン貿易サービス」で、このほど日中間一貫輸送業務を受託しま した。また7月には、中国の現地子会社・保利佐川物流有限公司が深 圳に建設していた「蛇口物流センター」が本格稼働するなど、中国で の事業を活発化させています。今回はSGLの中国展開を紹介します。 SGLがこのほど受託した「中国向 けオンライン貿易サービス」は、ギャ ザリング事業（共同購入方式のイン ターネットショッピング）を軸に独 創的なネット流通事業を展開するネ ットプライス社とアリババ㈱が協働 展開しているものです。日本から商品 を仕入れたいバイヤー（中国企業や 個人事業主）と、中国へ日本製商品を 卸したいサプライヤー（日本企業）を 繋ぎ、日中間の貿易取引の際に発生す る国際間決済や国際物流などの煩わ しい手続き全てをインターネット上「中国向けオンライン貿易サービス」で
日中間の一貫輸送業務を受託
◆
「中国向けオンライン貿易サービス」の物流トータルサポート
日 本 の サ プ ラ イ ヤ ー 企 業 ネ ッ ト プ ラ イ ス 運 営 倉 庫 中 国 の バ イ ヤ ー 企 業 中国速逓局 （中国郵政子会社） 広州 青島 上海 上海上海大衆佐川急便物流有限公司 上海保利佐川物流有限公司 深圳保利佐川物流有限公司 北京、大連、天津、青島、広州に 分公司を設置 天津天津保利佐川国際貿易有限公司 香港佐川急便（香港）有限公司 SGLを業務委託先とさせていただ いたのは、そのチャレンジ精神です。 もちろん、日本の物流会社として最初 に宅配便事業で中国へ本格進出した実 績もあり、非常に信頼しています。し かし、それ以上に私どもが重視したの は、「共にチャレンジしていただける かどうか」ということです。価値観の 違う国、文化、習慣の中で「お客様の ために最高の品質で荷物を届ける」と いう想いと、「出来ない理由を言わず、 常に出来る方法を考え続ける」SGL の姿勢が他社には感じられない部分で あり大きな決定打となりました。多く の日本企業は国内での販売激減に直面 していますが、海外では日本商品のニ ーズは高く、販路開拓について数多く のお問い合わせをいただいています。 今後も多くの障害を乗り越えて、共に 成長していければと願っております。 株式会社ネットプライスドットコム グローバル本部 EXPORTプロジェクト エグゼクティブプロデューサー 鳴 澤 淳氏 （物流）トータルサポートサービス （国内配送） （輸出手続） （輸入通関） （上海市内の配送） （上海市以外の配送） （中国国内輸送） 大連 北京 天津 深圳 現地法人所在地 分公司所在地 香港 佐川急便 SGL 上海保利佐川 上海大衆佐川佐川
佐川
グローバルロジスティクス
グローバルロジスティクス
の
の
中国展開
中国展開
７月から本格稼働した「蛇口物流 センター」（中国・深圳）は、近年注 目を集めている深圳・蛇口港に近接、 その利便性を活かし検品や検針をは じめ、物流加工から保管や輸出手続 きなど、日本への小口一貫輸送業務 を行うことができます。検品・検針 は中国検験検疫局の認可を得た日系 の検品事業者が行うため、中国のコ ストで日本の品質レベルの第三者検 品が可能です。また輸出商品への値 札付け・ピッキング・パッキング・荷 札貼りなどの物流加工を施し、小口 配送においては日本国内の佐川急便 ネットワークにつなげることでワ ン・ストップ・ロジスティクスを実現 します。 SGLは子会社を通じ、中国国内で トラック輸送業務をはじめ、倉庫事 業やフォワーディング事業、通関事 業、宅配便事業（上海地区のみ）を展 開していますが、今後は日本のSRC （佐川物流センター）で長年培ってき た物流加工ノウハウを中国にトラン スプラント（移植）し、 特に世界有数のコンテナ 取り扱い量を誇る港湾が 位置する中国沿岸部（青 島・上海・深圳・広州・香 港）を重点地域とした物流加工事業 を、積極的に展開していく計画です。 現在、アパレルなど中国で生産さ れた製品の大部分はコンテナで日本 に輸送され、日本国内の物流センタ ーで物流加工されたのち、小売店舗 などに配送されています。 S G L は母体のひとつである旧・佐 川物流サービス発足より30年近く物 流加工業務を手掛けており、アパレ ル、化粧品、医療機器、電子部品、 小売りチェーンなど幅広い業種業態 にサービスを提供した実績がありま す。これまでに蓄積した物流加工に 関するノウハウを活かし、国内で提 供している物流加工と同等の品質・ サービスを生産地側である中国で提 供します。 これにより物流加工におけるコス トを抑制し、中国の生産拠点から日 本の消費者までのトータル物流コス トの低減が可能となることから、メ ーカーや流通事業者など出荷人のコ スト削減に向けた提案を推進する方 針です。 また、日本向けだけでなく、中国国 内の消費者をターゲットに販売を展 開するメーカーに対しても、高品質 な物流加工サービスならびに中国各 地への輸配送サービスを提供します。 （上）中国・深圳市に開設した蛇口物流センター （下）物流センター内での作業風景
中国で物流加工事業を展開
現地コストで高品質なサービスを提供
佐川
佐川
グローバルロジスティクス
グローバルロジスティクス
の
の
中国展開
中国展開
◆
日中間国際一貫輸送の一例
中 国 国 内 作 業 日 本 国 内 作 業 不合格品 検品・仕分け 送り状発行・荷札貼付 合格品 ○○A店 ○○B店 ※監管倉庫：輸出通関手続を行った貨物を保 管する輸出保税倉庫 ○○A店 ○○B店 各 店 舗 出荷前に不良品は返品 コ ン テ ナ 詰 め 海 上 輸 送 工場 SGL 店 舗 ご と に 梱 包 輸 出 手 続 き 輸入手続き 横浜港・東京港 佐川急便 配 達 出 荷 上 海 保 利 佐 川 物 流 運 営 倉 庫 監 管 倉 庫※2009年3月期決算
今年２月には納品代行業大手の㈱ワ ールドサプライを子会社化し、佐川急 便とのシナジー構築を進めています。 ロジスティクス事業は、現場別の 収支管理や生産性管理、提案力の強 化などを推進したほか、関東地区と 名古屋地区に新規物流施設を開設し、 物流加工、航空貨物、国際物流など ロジスティクス事業を担う機能を集 約。国内外一貫物流サービスが提供 できる体制整備を進めています。 その他の事業では、金融事業は「e-コレクト」加盟店の拡大に注力し、 通販市場拡大に伴う決済需要の取り 込みを図っています。システム事業 は、「スキャニング」事業で大口顧客 を獲得し、販売管理システムなどの 開発案件を受注。車両販売・整備事業 は、整備工場である高松店と札幌店 をリニューアルオープンし、一般個 人向けにも対応できるようにしまし た。不動産事業は、CRE戦略＊ を展 開し、昨年12月より賃貸物件を取得 するなど、順調に推移しています。 ■2010年3月期見通し 今後、デリバリー事業はさらに品質 の向上、商品の充実に注力し、次のス テップへ向けた事業基盤の構築を着 実に展開します。また、ロジスティク ス事業は、「3PL」（サード・パーティ・ロ ジスティクス）に一層注力するほか、海 外法人のネットワークを活かしたサ ービス展開など、営業拡張のための 体制を整備。その他の事業は、着実 に事業基盤を構築していきます。こ の結果、2010年 3月期の業績見通し は、営業収益 8,900億円、営業利益 300億円、経常利益260億円、当期純 利益110億円を予想しています。 S G ホールディングスグループの 2009年3月期の連結業績は、営業収益 8,872億円（前年同期比0.2％減）、営 業利益220億円（同39.7％減）、経常利 益182億円（同42.2％減）、当期純利 益42億円でした。なお、ギャラクシー エアラインズの事業撤退損失を含む 特別損失を134億円計上したものの、 当期純利益は前年に比べ 632億円の 改善となりました。 デリバリー事業は、国内景気低迷 の影響にもかかわらず、「飛脚宅配便」 の取扱個数は堅調に推移。新商品で は、「CO2排出権付き飛脚宅配便」や 「飛脚機密文書リサイクル便」などを リリースしたほか、業務とコスト構 造の効率化を図りました。そのほか、景気低迷の中、飛脚宅配便の取扱個数は微増を確保
当期純利益は08年3月期に比べて大幅に改善
当期実績（2008年4月∼2009年3月） 営業収益 営業利益 経常利益 当期純利益 2009年3月期連結決算 （単位：億円） 8,872 220 182 42 2010年3月期予想（2009年4月∼2010年3月） 8,900 300 260 110「e-コレクト」の取扱個数が1億個を突破 「飛脚クール便」も前期比2桁増
「e-コレクト」の決済金額と取扱個数 ービス「飛脚クール便」も13.1％増（3,297万個）と付 加価値サービスが個数を伸ばしました。佐川急便では、 昨今の“通販市場の拡大”や“巣ごもり消費”などを受け、 産地直送品の取り寄せが増え、決済方法として「e-コレ クト」の利用機会が増加したものと考えています。 当社は佐川急便と専用の集 荷システムを構築し、カタロ グギフトのグルメ商品を大量 にお届けしています。このた び北海道の逸品をお届けした いとの想いから、「北海道七 つ星ギフト」を東急エージェ ンシーの企画でカタログギフトに掲載しました。グルメギフトに大 切なのは輸送の品質です。私たちはワンランク上のグルメのギフト 通販ビジネスを佐川急便とともに構築してまいります。 リンベルのカタログと 「北海道七つ星ギフト」 のロゴマーク リンベル株式会社 営業企画部 広報宣伝担当 庄司 寛康氏 グルメギフトの商品を飛脚クール便でお届けします 佐川急便の2009年3月期の「飛脚宅配便」取扱個数は、 10億6,110万個で前年比1.1％増と堅調に推移しました。 サービス別では代金引換サービス「 e-コレクト」が同 11.6％増の1億535万個に達し、2000年のサービス開始 以来、初めて１億個を突破しました。また、保冷宅配便サ ＊CRE戦略：企業不動産を重要な経営資源として捉 え、総合的・戦略的に再構築することにより、バラン スシート上の不動産資産の価値を高め、企業価値の 向上を図る戦略 億円 万個 15,000 12,000 9,000 6,000 3,000 0 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 3月期 決済金額 取扱個数佐川急便は、このほど宅配専用自 転車を開発しました。関西圏に導入 を進めており、今後は全国に広げて いく予定です。 この宅配専用自転車は、電動アシ スト付き三輪車にコンテナを取り付 けた自転車で、雨天でも走行できる ように樹脂製の透明なルーフを装着。 左右には広角ミラーも取り付けてい ます。後部のアルミ製コンテナには、 80kgまで荷物を積めます。この 荷重に耐えられるように一般の 自転車の約２倍の太さのタイヤ を採用。電動アシスト付きなの で、重い荷物の配達や坂道での 走行も負担がかからず、「ご飯一 杯分のカロリーで 3 0 k m はこげ る」という“低燃費”が魅力です。 佐川急便では、環境負荷低減への 取り組みとして、2 0 1 2 年度までに CO2総排出量を2002年度比で 6 ％削 減するという目標を設定し、CO2な どの排出量が少ない天然ガストラッ クを続々と導入しているほか、環境 負荷の小さい鉄道や船舶などに輸送 を切り替えるモーダルシフトを推進 し、太陽光発電システムを導入した 施設を建設するなど、さまざまな活 動を行っています。 今回の導入もその一環で、排ガス がなく、小回りが効き、渋滞緩和や 駐車場問題にも有効な自転車配達を 推進していく方針です。
国内宅配便業界で初めて「ハーフパンツ」を導入
セールスドライバーもクールビズに対応
ていた制服の改善による労働環境の 改善要望などを受け、昨年夏に東京 地区でハーフパンツ着用のトライア ルを実施しました。その結果、セー ルスドライバーの評判も良く、熱中 症予防などの労務環境の改善につな がることや、お客さまから「爽やか である」「スポーティである」など良 好な印象を得られたことから、今回、 対象範囲を全国のセールスドライバ ーにまで広げ、本格的な導入を開始 しました。 ハーフパンツは、伸縮性のある薄 手の生地を採用し、動きやすさと清 涼感、力強さを重視したほか、ポリ エステル 100％の生地を採用するこ とで速乾性を追求。また、デザイン 面では、サイドに「青／白ライン」 を入れることで、上着の制服（ポロ シャツ）とイメージを統一。細めに カットすることでスポーティなイメ ージを残し、さらに作業性と清潔感 を持たせました。 なお、ハーフパンツの着用は、7 月 1 日から 9 月 3 0 日までの夏季期間限 定となっています。 宅配専用自転車の仕様 全長：約2.5m、幅：90cm コンテナ積載量は80kg、鍵付きで防犯対 策も万全。電動アシストを採用しており、 坂道などではターボシステムに切り替えが 可能。ギヤは６段変速。左右ブレーキには 自走防止機能が装備されており、２つある 後輪を左右別々にロックすることができ る。現在、関西圏に50台以上が導入され ている。 佐川急便㈱は、セールスドライバ ーの夏季制服として、7 月 1 日から国 内宅配便業界で初めて「ハーフパン ツ」を導入しました。 佐川急便では、2005年から管理職、 事務部門スタッフを中心にクールビ ズに取り組んできましたが、近年の クールビズ推進の高まりや、かねて よりドライバーからの意見であがっ関西圏で宅配専用自転車を導入
環境保全、渋滞緩和、駐車場問題などに有効
受 取 人 を 確 認 お客様が当社へ依頼商品を発送していた だくときに、以前は商品と一緒に身分証の コピーを送付してもらい、本人確認を行っ ていました。しかし、昨今の個人情報に対 する意識の高まりから、身分証のコピーを 送付することに抵抗感を示す人が増え、申 し込みを頂いてもキャンセルとなることが 増えていました。その点、「受取人確認配 達サービス」は、宅配キットの配達時に玄 関先で本人確認を行うので、お客様の抵抗 感も軽減し、申 し込みのキャン セル率が低減し ました。またユ ーザーへの利便 性向上にもつな がっています。 る信書便物を送達する「３号役務」が あり、佐川急便ではこのうち「１号」 と「３号」を商品化し、「飛脚特定信 書便」として展開しています。 この特定信書便事業は、代金引換 サービス「 e-コレクト」などと組み 合わせることで、新たなサービスを 生み出すことが可能です。たとえば 保険会社が保険内容の証書を配達す る際に、「e-コレクト」を利用して初
「飛脚特定信書便」事業を本格展開
「e-コレクト」と連動させて市場拡大を図る
回保険料の代金を収受することで、 保険の契約処理をスムーズにするこ とができます。また、住民票や戸籍 謄本、医療関係の診断書、学校の卒 業証書や、旅行会社の申込書などを 配達する際に、旅行代金を「 e-コレ クト」で収受することも可能です。 佐川急便では、特定信書便を展開 することで、新たな市場開拓に繋げ ていきたいと考えています。 佐川急便は、今年３月に総務省よ り参入許可を取得した特定信書便事 業を７月から本格的に開始しました。 特定信書便には、長さ・幅・厚さの 合計が90cmを超えるか、重量が4kg を超える信書便物を送達する「１号役 務」のほか、信書便物が差し出された 時から３時間以内に当該信書便物を 送達する「２号役務」、そして１冊の 料金（送料）が1,000円（税込）を超え「受取人確認配達サービス」の需要が拡大
宅配リサイクル業界でもサービス向上に有効
ードの配送以外にも需要が広がって います。宅配オークション出品代行サ ービス「宅オク」を運営しているネ ットオフ・マーケティング㈱では、古 物営業法＊が定める本人確認の手段と してこのサービスを採用しています。 「宅オク」は、出品希望者がサイト で申し込みを行うと、商品梱包用の 宅配キットを配達。その際に「受取 人確認配達サービス」によって、出 品希望者の本人確認を行います。こ うして商品をオークションに出品し、 落札されると銀行口座に代金が支払 われる仕組みとなっています。 佐川急便では、「宅オク」に用いる 専用のダンボールとして、環境に配 慮したオリジナルのリターナルBOX も提案しています。 書 状 請求書の類 会議招集通知 許可証の類 証明書の類 ダイレクト メール 信 書 に 該 当 す る 文 書 手紙 納品書、領収書、見積書、願書、申込書、申告書、 依頼書、 契約書、照会書、回答書、承諾書 結婚式等の招待状、業務を報告する文書 免許証、認定書、表彰状 印鑑証明書、納税証明書、戸籍謄本、住民票の写し ・文書自体に受取人が記載されている文書 ・商品の購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に 差し出す趣旨が明らかな文書が記載されている文書 長さ 幅 厚 さ 1号役務 長さ・幅・厚さの合計が 90cmを超えるか、重量 が4kgを超える信書便物 3号役務 1 冊の料金が 1,000 円を超える信書便物 「飛脚特定信書便」の専用シール ネットオフ・マーケティング株式会社 「宅オク」の事業責任者 中村俊夫 氏 ＊古物営業法では、古物商がインターネットを利用した非 対面取引で古物を買い受ける場合に、公的証書などで本人 確認を行うことを定めている。 佐川急便が2007年10月にサービス を開始した「受取人確認配達サービ ス」は、昨年３月に施行された「犯罪 収益移転防止法」に対応した確認方 法を追加し、クレジットカード配送サ ービスとして2008年4月より新しく 展開しています。このサービスでは、 配達時に荷受人の名前・住所を運転免 許証などの公的証書で確認し、公的証 書の記号・番号、生年月日を携帯端末 機に入力して配達します。 安全で効率的な本人確認が可能で あることから、最近ではクレジットカ 佐 川 急 便 の 取 り 扱 い ◆宅配オークション出品代行サービスの流れ ユーザー WEBで 申し込み 宅配キット を配送 佐川急便 ユーザー 商品を 梱包 「宅オク」 へ配送 佐川急便 宅オク 宅オク オークショ ンへ出品 銀行口座 へ支払い￥
旧・佐川通関㈱を吸収合併、そして 2007年に旧・佐川物流サービス㈱と 合併して誕生しました。このように SGLは新しい会社ですが、母体とな った企業のさまざまな機能を複合的 にお客様に提供しています。 ――SGホールディングスグループに おけるSGLの役割を教えてください。 荒木 SGホールディングスグループ はデリバリー事業を中核としていま すが、それに次ぐ事業の育成が中期 経営計画の大きな方針となっており、 第２の柱事業としてロジスティクス 事業を位置づけています。当社はそ のロジスティクス事業の領域すべて を担っています。 ――具体的な事業内容は？ 荒木 大きく分けて３つあります。 １つは物流加工事業や倉 庫業などを中心とした物 流事業。２つ目は国内の 航空宅配事業や航空一般 混載事業などの航空貨物 最近は企業の物流機能を外部委託 する傾向が高まっており、「3PL（サ ード・パーティ・ロジスティクス）」と 呼ばれる物流業務委託事業の需要も 増えています。こうした中で、佐川 グローバルロジスティクス㈱（以下 SGL）は、保管および物流加工から 国際輸送、国際宅配便まで、多彩な サービスでソリューションを提供し ています。今回は、SGLの荒木秀夫 社長に、事業の動向と今後の展望を 聞きました。 ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ＊ ―― SGLの成り立ちを教えてくださ い。 荒木 当社は、2005年に旧・佐川航 空㈱と佐川急便㈱の国際事業本部国 際営業部が統合し、さらに2006年に 事業。そして３つ目は国際航空およ び海上貨物輸送事業や、エクスプレ ス事業、通関業などの国際事業です。 さらに、海外の現地法人でもこれら の事業を行っています。いずれも佐 川急便と連携し、海外拠点から日本 の販売拠点までの輸送や物流加工を ワン・ストップで請け負うほか、通関 や輸入工程管理などのフォワーディ ング業務と合わせて複合一貫輸送体 制を構築しており、物流のトータル ソリューションを提供しています。
国内外一貫物流サービスを提供するソリューション企業を目指す
佐川グローバルロジスティクス㈱の概要 所在地 東京都品川区勝島1−1−1 代 表 代表取締役社長 荒木 秀夫 創 業 1980年9月 資本金 28億7,610万円 従業員 1,608名（2009年6月現在） 主な事業 国内外一貫物流サービスの提供海外法人を含めた輸送体制で
ワン・ストップ・ロジスティクスを提案
物流事業 ・物流加工 ・センター運営 ・ITシステム 国内航空貨物事業 ・飛脚航空便 ・飛脚クール便 ・オーダーメイド輸送 海外法人 ・現地物流事業 ・現地航空貨物事業 ・現地国際事業 佐川グローバルロジスティクス株式会社 荒木 秀夫社長の略歴 1956年1月1日生まれ（53歳）神奈川県出身 1980年3月 明治学院大学経済学部卒 1982年10月 東京佐川急便㈱入社 2000年7月 佐川急便㈱ 本社営業本部 部長 2002年6月 佐川急便㈱ 執行役員 九州支社長 2006年6月 佐川急便㈱ 取締役 執行役員 関東支社 副支社長 2008年6月 佐川急便㈱ 取締役 執行役員 営業担当 2009年4月 佐川グローバルロジスティクス㈱ 代表取締役社長に就任佐川グローバルロジスティクス株式会社 代表取締役社長
荒 木
あらき秀 夫
ひでお 国際事業 ・sgx（国際宅配便） ・フォワーディング ・通関福岡の大型物流センターが本格稼働
「SGLの現場力の強化」を目指す
――物流業務委託事業（3PL）の需要 が高まっていますね？ 荒木 経営環境の変化を受け、企業 は持てる経営資源をコア事業に集中 し、経営の効率化を図ることが求め られています。このため物流機能を アウトソーシングする企業が増えて おり、今や物流改革による販売機会 の増加、物流コストの低減により、 経営効率を高めることが、企業経営 の重要なファクターとなっています。 それだけに、お客様の物流業務を包 括的に受託し、環境の変化をよく見 据え、全体最適の観点からソリュー ションを追求することが、当社の重 要なミッションだと考えています。 ―― SGLの強みは何ですか？ 荒木 当社は、母体の１つである 旧・佐川物流サービスの設立以来、30 年近くにわたって物流加工サービス を提供してきました。こうして培っ た高い品質とノウハウを蓄積してい ることが、当社の大きな強みとなっ ています。また、ASEAN地域を中 心に海外拠点網を整備しており、特 に中国に対してはいち早く現地法人 を設立するなど、積極的に展開して いることも大きな特徴です。 現在、アパレル製品などはほとん どが中国で生産されていますが、日 本に輸出される製品の多くは、日本 の通関を経てから物流センターで物 流加工され、各地の小売店などに送 られています。メーカーなどは原材 料を含め、できるだけコストを抑え、 低価格で高品質な商品を市場に提供 できるよう努力をしています。 これに対して当社は、中国の生産 拠点から日本の消費者まで商品を届 けるために必要な物流コストを、トー タルで低減するための提案を行って います。例えばこれまで蓄積した物 流加工ノウハウを中国にトランスプ ラント（移植）することで、日本で行 っている物流加工と同じ品質レベル のサービスを中国のコストで提供す ることが可能です。また、商品の検 品・検針をはじめ、ピッキングや梱包、 方面別仕分け、宅配用荷札貼りを中 国ですべて済ませて日本に輸送し、 通関後すぐに佐川急便のネットワー クで全国に発送することもできます。 こうした機能を今後、青島から香港 までの中国沿岸部を重点的に強化・ 拡大していきたいと考えています。 ――今後の抱負を聞かせてください。 荒木 私は今年４月に社長に就任し て以来、国内および海外の拠点を見て 回りました。そうした中で実感した のはお客様、特に海外の日系企業の お客様が、SGHグループと取引する ことで大きな「安心感」を持ってい ただいていることです。この安心感 に加え、高い品質のサービスを提供し ていくことで、お客様から「信頼」 を得ていきたいと思っています。物流加工ノウハウをトランスプラントし
中国で事業拡大を目指す
佐川グローバルロジスティクス（SGL）の荒木秀 夫社長は、「現場力の強化を早急に図り、お客様から 『SGLの現場はすごい』と評価されるような会社に していきたい」と語っています。 SGLでは、今後、日本国内でも物流スペースを拡 大させていきたいと考えており、そのためにも「提 案」や「改善」などを積極的に行い、作業現場の采 配を担当する「現場責任者」を1年かけて育てていく 計画です。 物流加工においては、臨時社員の時間管理から庫 内作業の工程管理まで、現場を取り仕切る「現場責 任者」としての役割は非常に 大きなものがあります。現在、 全国に30歳前後の「現場責任 者」を 120名以上配置し、既 に教育カリキュラムもスター トさせました。 7 月より本 格稼働した福 岡物流センタ ーは、アジア のゲートウェ イ で あ る 九 州・福岡圏で 福岡空港、福 岡 I C 、 博 多 港の近隣に位 置する絶好の ロケーション にあり、輸出入および国内物流に対応した複合物流 機能による高品質なサービスを提供します。 現場責任者3則 『 提 案 』 『 改 善 』 『労働環境』 所 在 地 福岡県糟屋郡粕屋町酒殿304-1 敷地面積 16,742.78㎡ 延床面積 33,330.12㎡ 鉄筋コンクリート造4階建てご感想をぜひお寄せください。 Mail：pr@sagawa-exp.co.jp でここまで頑張ってこれました」（道下愛子さん） 「職場の皆さんには、試合や練習に対して何かと配慮していただ き、非常に助けられています。試合の応援に来て下さるお客様 や同僚もおり、大変励みになっています」（近藤朋香キャプテン） 仕事とサッカーを両立するために最も重要なことは「日々 の体調管理」と語るメンバーですが、チームメイトが常に近 くにいることで、お互い支え合うことができ、充実した毎日 を過ごすことができているようです。
