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日本家政学会誌 Vol. ₇₂ No. ₃ 162~171(₂₀₂₁) Vol. No. 資料 昭和 50 年代前半の 栄養と料理 に掲載された夕食献立の献立構成と料理の特徴 森久瞳 ₁ ₃, 木村留美 ₂*, 杉山寿美 Menu Composition and Cooking Characteri

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₄₄ Copyright © 2021 The Japan Society of Home Economics

資 料

昭和50年代前半の「栄養と料理」に掲載された

夕食献立の献立構成と料理の特徴

森久  瞳

,木村 留美

*,杉山 寿美

Menu Composition and Cooking Characteristics of

Dinner Menus in Eiyo to Ryori from 1975 to 1980

Hitomi MORIHISA₁, Rumi KIMURA* and Sumi SUGIYAMA

The present study focused on the Japanese diet, touted for its health benefits, from ₁₉₇₅ to ₁₉₈₀, and exam-ined menu composition and cooking characteristics of dinner menus published in the magazine Eiyo to Ryori (Nutrition and Cookery).

The results revealed that ₄₆.₉% of the menus were ichiju-nisai menus and ₁₉.₈% were ichiju-sansai menus. The staple foods were white rice (₅₅.₆%), seasoned rice (₁₈.₅%) and bread (₁₆.₁%), and white rice was often combined in ichiju-nisai and ichiju-sansai menus. As for soups, ₅₆.₈% were Japanese soups such as miso soup or sumashi jiru (clear soups), ₂₉.₆% were Western soups and ₁₃.₆% were Chinese soups. Japanese soups were featured in ₇₉.₆% of ichiju-sansai menus. The main ingredient of the first dish (the main dish) was fish and seafood (₃₆.₀%), and meat (₄₇.₇%). Ichiju-nisai menus often featured meat, while ichiju-sansai menus frequently featured fish and seafood. The main ingredients of the second and third dishes were vegetables (₆₇.₄%), and salads were frequently featured in both nisai (two side dishes) and ichiju-nisai menus. In other words, the combination of dishes differed depending on menu planning. It was revealed that ichiju-sansai menus often combined white rice, fish and seafood, aemono (dishes tossed in a seasoned dressing) and nimono (dishes simmered in broth) other than salads.

Key words: ichiju-sansai 一汁三菜,menu composition 献立構成,the late ₁₉₇₀'s 昭和₅₀年代前半, Japanese food culture 日本の食文化,Eiyo to Ryori 栄養と料理

所属機関名: 1県立広島大学非常勤講師,2広島国際大学,3県立広島大学大学院総合学術研究科

1Prefectural University of Hiroshima, 2Hiroshima International University, 3Graduate School of Comprehensive Scientific

Research, Prefectural University of Hiroshima 原稿受付:2020年 6 月25日  原稿受理:2020年12月16日 * To whom correspondence should be addressed  E-mail:r-kimu@hirokoku-u.ac.jp

1.緒 言

 我が国の伝統的な食事様式は飯に汁と菜が組み合わさ れ一汁二菜,一汁三菜等と表現される₁)₂).この食事様式 はユネスコ無形文化遺産に「和食:日本人の伝統的な食 文化」として登録されており,一汁三菜を基本とする日 本の食事スタイルは理想的な栄養バランスの要因とされ ている₃).そして,「第 ₃ 次食育推進基本計画」において も,栄養バランスに配慮した食生活の実践のために,主 食,主菜,副菜を組み合わせた食事を ₁ 日 ₂ 回以上ほぼ 毎日食べている国民,若い世代の割合を増加させること が目標とされている₄)  主食,主菜,副菜を組み合わせた食事と健康との関係 については,主食,主菜,副菜の揃った食事回数の多い 人ほど,「日本人の食事摂取基準」に示された栄養素量に 摂取栄養素量が合致しており,必要な栄養素の十分な摂 取と関連があることが報告されている₅).また,我が国 の伝統的な食事に,洋風料理が取り入れられた昭和₅₀年 (₁₉₇₅年)頃の食事の健康への有益性が,マウスの老化遅 延,肥満抑制等から報告され,様々な食品をバランスよ く摂取することの有益性も示唆されている₆)₇)  これらのことから,高等学校における教育においても, 必要な栄養素を摂取し,健康を維持・増進するための食 事として,主食,主菜,副菜を組み合わせた一汁二菜, 一汁三菜献立が例示され₈)₉),大学の管理栄養士課程にお ける調理学,給食経営管理論でも,主食,主菜,副菜を

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(163) ₄₅ 組み合わせた一汁二菜,一汁三菜献立を基本として,作 成した一定期間の献立に対して,肉類や魚介類等の各食 品群の使用量や使用頻度を検討することが指導されてい る₁₀)~₁₃).しかしながら,料理やその組み合わせ方は時代 と共に変化するために,それぞれの食品をどのような料 理とし,その料理をどのように組み合わせて献立とする のか,また,作成された献立をどのような基準で評価す るのかは,生徒・学生,教員の食経験に委ねられ,明確 に説明することは困難である.すなわち,主食,主菜, 副菜を組み合わせた一汁二菜,一汁三菜献立について, 「日本人の食事摂取基準」に示されたエネルギーや栄養素 の量と比較して作成・評価することは可能であるが,主 食,主菜,副菜の組み合わせを食文化やおいしさの視点 から評価することは困難であり,どのような組み合わせ が我が国の伝統的な食事様式に基づいたそれぞれの時代 の普通の献立であるのかを明確に判断できない状況にあ る.『日本人の長寿を支える「健康な食事」』においても, 「健康な食事」は栄養バランスのみでなく,食文化やおい しさやたのしみ等の様々な要因から構成されていると記 されていることから₁₄),時代の変化も念頭におきつつも, 食事を料理の組み合わせという視点から検討することが 必要であると考えられる.  そこで,本研究では,一汁二菜,一汁三菜等の我が国 の伝統的な献立構成を維持しつつ,健康に有益であると されている昭和₅₀年頃の食事に着目し,昭和₅₀年代前半 の「栄養と料理(女子栄養大出版部)」の『献立カレン ダー』の献立について,どのような料理がどのように組 み合わされているのかを検討した.なお,「栄養と料理」 は,昭和₁₀年に創刊され₈₅年間刊行され続けている料理 雑誌であり,我が国の料理の変化を検討するための資料 として用いられている雑誌である₁₅)~₁₈)

2.調査方法

 昭和₅₀~₅₅年の「栄養と料理」の『献立カレンダー』 に掲載された夕食₁,₅₁₁献立を対象とし,行事食などの特 別献立,鍋や焼肉のように卓上で調理を行う料理を含む 献立は除外した.なお,夕食献立と同様に,朝食,昼食 献立も検討すべきであるが,朝食,昼食,夕食献立の特 性が異なることから₁₅)₁₉)₂₀),朝食,昼食,夕食献立の特 徴を分けて検討すべきと考え,本研究では夕食のみを対 象とした.対象とした献立について献立構成(一菜,二 菜,三菜,一汁一菜,一汁二菜,一汁三菜献立)ごとに, 主食の種類(白飯,味付き飯,パン,めん,その他)や おかず(菜)の主材料(魚介類,肉類,野菜類等),料理 様式(和風,洋風,中華風)を集計した₂₁)~₂₃)  主食については,白飯と味付き飯は組み合わされる料 理が異なると考えられたため₂₀),区分して集計し,総菜 パンはその他として集計した.また,味付き飯は「主 食+おかず(菜)」とも考えられるが,含まれるおかず (菜)の重量が異なるために,本研究では「主食+おかず (菜)」としては集計せず,主食として集計した.  おかず(菜)については, ₁ 品目のおかず, ₂ , ₃ 品 目のおかずとして集計し,複数のおかずを含む二菜,三 菜,一汁二菜,一汁三菜献立では,魚や肉などを多く含 むおかずを ₁ 品目のおかずとした. ₁ 品目のおかず, ₂ , ₃ 品目のおかずは,調理法(なま物(刺身),焼き物・炒 め物・揚げ物,煮物・蒸し物,和え物,サラダ)毎に分 類した.サラダは料理名であり,調理法としては和え物 であるが, ₂ , ₃ 品目のおかずの組み合わせを検討する ために,料理名にサラダという語が含まれているものを 和え物でなくサラダとして別に分類した₂₄).また,果物 そのものはおかずとして含めず,果物を用いた料理のみ をおかずに含めた.なお,三菜献立と一汁三菜献立では, ₁ 品目のおかずを除くと, ₁ 献立から ₂ つのおかずが抽 出されるが, ₂ 品目と ₃ 品目のおかずを明確に区分する ことが不可能であったため,あわせて検討することとし た.  データの集計および統計処理は,Microsoft Excel ₂₀₁₀および IBM SPSS Statistics₂₅を用い,χ² 検定を行 い,有意な差が認められた場合には残差分析を行った. 有意水準は ₅ %とした.

3.調査結果

(1)献立構成  表 ₁ に,昭和₅₀~₅₅年の「栄養と料理」の献立構成を 献立例とともに示した.一汁二菜が₄₆.₉%,一汁三菜が ₁₉.₈%で あ り,一 汁 二 菜 と 一 汁 三 菜 で 全 体 の ₂/₃ (₆₆.₇%)を占めていた. (2)献立構成と主食と汁  表 ₂ に,表 ₁ に示した₁,₅₁₁献立のうち,主食と汁の み,主食がない等の₁₁献立を除いた₁,₅₀₀献立について, それぞれの献立構成における主食を示した.₁,₅₀₀献立全 体では,主食を白飯とする献立が₅₅.₆%,味付き飯 ₁₈.₅%,パン₁₆.₁%,めん₄.₀%であった.献立構成ごと に組み合される主食に有意な差が認められ(p<₀.₀₁), 汁 が 組 み 合 わ さ れ て い な い 一 菜 献 立 で は 味 付 き 飯 (₆₅.₂%),二菜献立ではパン(₃₃.₈%),三菜献立では白 飯(₇₀.₃%)が多く,菜の数で主食が異なっていた.ま た,汁が組み合わされた一汁一菜献立では味付き飯 (₅₃.₄%),一汁二菜,一汁三献立では白飯(それぞれ ₆₀.₀%,₈₂.₉%)が多かった.すなわち,おかずが多く, 汁が組み合わされた三菜,一汁二菜,一汁三菜献立では, 白飯を主食とする献立が多かった.汁については,汁が

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(164) ₄₆ 組み合わされた₁,₁₃₈献立全体では,和風が₅₆.₈%,洋風 が₂₉.₆%,中華風が₁₃.₆%であった.また,汁の料理様 式は献立構成ごとで有意な差が認められ(p<₀.₀₁),和 風の汁は一汁三菜献立に多く(₇₉.₆%),洋風の汁は一汁 一菜,一汁二菜献立に多かった(₃₈.₉%,₃₅.₉%). (3)献立構成と 1 品目のおかず(菜)  表 ₃ に,献立構成ごとの ₁ 品目のおかず(菜)の主材 料,料理様式について示した.全体では,おかずの主材 料は魚介類が₃₆.₀%,肉類が₄₇.₇%であり,料理様式は 和風が₃₉.₈%,洋風が₄₀.₅%であった.献立構成ごとで みると,主材料,料理様式に有意な差が認められ(いず れも p<₀.₀₁),一菜献立で野菜類(₈₄.₁%),二菜献立 で肉類(₆₉.₇%),洋風(₇₄.₅%)のおかずが多かった. 汁が組み合わされた一汁一菜献立では野菜類(₃₆.₆%), 一汁二菜献立では肉類(₅₂.₁%)のおかずが多く,一汁 三菜献立では魚介類(₅₄.₈%),和風(₆₂.₅%)のおかず が多かった.一方,魚介類は,一菜,二菜,一汁一菜献 立で少なく(それぞれ₄.₃%,₁₄.₅%,₁₇.₆%),和風の お か ず は,一 菜,二 菜 献 立 で 少 な か っ た(₂₆.₁%, ₁₇.₂%).  主食の種類(白飯,味付き飯,パン)ごとでの比較で 表 1  昭和50~55年の「栄養と料理」に掲載された夕食の献立構成(%(献立数)) n=₁,₅₁₁ 献立例 一菜献立 ₄.₆ (₆₉) ・チキンカレー,グリーンサラダ・カレーピラフ,グリーンサラダ 二菜献立 ₉.₆ (₁₄₅) ・フランスパン,鶏肉と野菜のスープ煮,グリーンサラダ・パン,ボルシチ,レタスとセロリのサラダ 三菜献立 ₉.₈ (₁₄₈) ・白飯,水餃子,五目豆,辣白菜・白飯,鶏肉とピーマンの炒め物,ナスのはさみ揚げ,たたきキュウリの酢の物 一汁一菜献立 ₈.₇ (₁₃₁) ・散らし寿司,すまし汁,小松菜のゴマ和え・ピラフ,コンソメスープ,グリーンサラダ 一汁二菜献立 ₄₆.₉ (₇₀₈) ・白飯,シジミの味噌汁,天ぷら,小松菜のお浸し・白飯,ポタージュスープ,ハンバーグステーキ,グリーンサラダ 一汁三菜献立 ₁₉.₈ (₂₉₉) ・白飯,かき玉汁,アジの塩焼き,つまみ菜のお浸し,さつま芋の煮物・白飯,すり流し汁,刺身,青菜のお浸し,揚げ出し豆腐 その他₁) ₀.₇ (₁₁) ・散らし寿司,ハマグリの潮汁 ・お茶漬け ₁)その他:主食と汁のみ,主食なし等 表 2  献立構成ごとの主食,汁の料理様式(%(献立数)) 全体 一菜献立 二菜献立 三菜献立 一汁一菜献立 一汁二菜献立 一汁三菜 主食 n=₁,₅₀₀ n=₆₉ n=₁₄₅ n=₁₄₈ n=₁₃₁ n=₇₀₈ n=₂₉₉ 白飯 ₅₅.₆(₈₃₄) ₀ (₀)- ₁₈.₆(₂₇)₇₀.₃(₁₀₄)₂₂.₉(₃₀)₆₀.₀(₄₂₅)₈₂.₉(₂₄₈)+ 味付き飯₁) ₁₈.₅(₂₇₈) ₆₅.₂(₄₅)₂₀.₇(₃₀) ₈.₁ (₁₂)₅₃.₄(₇₀)₁₂.₇ (₉₀)₁₀.₄ (₃₁)- パン ₁₆.₁(₂₄₁) ₂.₉ (₂)- ₃₃.₈(₄₉)₁₂.₈ (₁₉) ₁₄.₅(₁₉) ₁₉.₄(₁₃₇)₅.₀ (₁₅)- めん ₄.₀ (₆₀) ₂₉.₀(₂₀)+ ₁₄.₅(₂₁)₂.₀ (₃) ₇.₆(₁₀)₀.₇ (₅)₀.₃ (₁)- その他₂) ₅.₈ (₈₇) ₂.₉ (₂) ₁₂.₄(₁₈)₆.₈ (₁₀)  ₁.₅ (₂)₇.₂ (₅₁)₁.₃ (₄)- 汁 n=₁,₁₃₈ ― ― ― n=₁₃₁ n=₇₀₈ n=₂₉₉ 和風 ₅₆.₈(₆₄₆) ― ― ― ₅₁.₁(₆₇) ₄₈.₂(₃₄₁)- ₇₉.₆(₂₃₈)+ 洋風 ₂₉.₆(₃₃₇) ― ― ― ₃₈.₉(₅₁)+ ₃₅.₉(₂₅₄)+ ₁₀.₇ (₃₂)- 中華風 ₁₃.₆(₁₅₅) ― ― ― ₉.₉(₁₃) ₁₆(₁₁₃)+ ₉.₇ (₂₉)- ₁)味付き飯:炊き込み飯,丼物,寿司,カレ-ライス等,₂)その他:粥,総菜パン等 +, -: χ² 検定の結果,献立構成で有意な差が認められたことから,残差分析を行った.は有意に件数が多いこと,は有意に件 数が少ないことを示す(p<₀.₀₅).

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(165) ₄₇ は,主食の種類によっておかずの主材料,料理様式に有 意な差が認められ,白飯では魚介類(₄₄.₈%),パンでは 肉類(₆₇.₆%)のおかずが多く(p<₀.₀₁),また,白飯, 味付き飯では和風(₄₉.₅%,₅₆.₁%),パンでは洋風 (₉₈.₈%)のおかずが多かった(p<₀.₀₁).さらに,白飯 では,献立構成ごとの料理様式にも有意な差が認められ, 和風のおかずは,一汁三菜献立(₆₄.₁%)で,洋風のお かずは,二菜,三菜献立(₃₃.₃%,₂₆.₉%)で,中華風 のおかずは一汁二菜献立(₃₉.₁%)で多かった.  表 ₄ に,献立構成ごとの ₁ 品目のおかずの調理法を示 した.全体では,おかずの調理法は焼き物・炒め物・揚 げ物が₅₆.₆%,煮物・蒸し物が₃₀.₈%であった.献立構 表 3  献立構成ごとの 1 品目のおかずの主材料,料理様式(%(献立数)) 全体 一菜献立 二菜献立 三菜献立 一汁一菜献立 一汁二菜献立 一汁三菜献立 全体 n=₁,₅₀₀ n=₆₉ n=₁₄₅ n=₁₄₈ n=₁₃₁ n=₇₀₈ n=₂₉₉ 魚介類  ₃₆.₀(₅₄₀) ₄.₃ (₃)- ₁₄.₅ (₂₁)₄₂.₆(₆₃) ₁₇.₆(₂₃)₃₇.₆(₂₆₆) ₅₄.₈(₁₆₄)+ 肉類 ₄₇.₇(₇₁₅) ₅.₈ (₄)- ₆₉.₇(₁₀₁)₅₄.₇(₈₁) ₃₂.₈(₄₃)₅₂.₁(₃₆₉)₃₉.₁(₁₁₇)- 野菜類 ₉.₁(₁₃₆) ₈₄.₁(₅₈)+ ₄.₈ (₇) ₀ (₀)₃₆.₆(₄₈)₂.₇ (₁₉)₁.₃ (₄)- その他 (卵類,豆類,いも類) ₇.₃(₁₀₉) ₅.₈ (₄) ₁₁.₀ (₁₆) ₂.₇ (₄)- ₁₃.₀(₁₇)+ ₇.₆ (₅₄) ₄.₇ (₁₄) 和風 ₃₉.₈(₅₉₇) ₂₆.₁(₁₈)- ₁₇.₂ (₂₅)₄₁.₂(₆₁) ₄₅.₈(₆₀) ₃₄.₇(₂₄₆) ₆₂.₅(₁₈₇)+ 洋風 ₄₀.₅(₆₀₇) ₆₆.₇(₄₆)+ ₇₄.₅(₁₀₈)₃₇.₂(₅₅) ₄₅.₀(₅₉) ₄₀.₃(₂₈₅) ₁₈.₁ (₅₄)- 中華風 ₁₉.₇(₂₉₆) ₇.₂ (₅)- ₈.₃ (₁₂) ₂₁.₆(₃₂) ₉.₂(₁₂) ₂₅.₀(₁₇₇)₁₉.₄ (₅₈)  白飯 n=₈₃₄ ― n=₂₇ n=₁₀₄ n=₃₀ n=₄₂₅ n=₂₄₈ 魚介類 ₄₄.₈(₃₇₄)+ ₁₈.₅ (₅) ₄₂.₃(₄₄) ₃₃.₃(₁₀) ₄₁.₄(₁₇₆) ₅₅.₄(₁₃₉) 肉類 ₄₈.₄(₄₀₄) ― ₇₀.₄ (₁₉) ₅₆.₇(₅₉) ₆₀.₀(₁₈) ₅₀.₄(₂₁₄) ₃₇.₉ (₉₄) 野菜類 ₁.₁ (₉)- ₀ (₀) ₀ (₀) ₃.₃ (₁) ₀.₉ (₄) ₁.₆ (₄) その他 (卵類,豆類,いも類) ₅.₆ (₄₇)- ― ₁₁.₁ (₃) ₁.₀ (₁) ₃.₃ (₁) ₇.₃ (₃₁) ₄.₄ (₁₁) 和風 ₄₉.₅(₄₁₃)+ ₄₀.₇ (₁₁) ₄₄.₂(₄₆) ₅₀.₀(₁₅) ₄₂.₈(₁₈₂)₆₄.₁(₁₅₉)+ 洋風 ₁₈.₆(₁₅₅)- ₃₃.₃ (₉)₂₆.₉(₂₈)₂₃.₃ (₇) ₁₈.₁ (₇₇) ₁₃.₇ (₃₄)- 中華風 ₃₁.₉(₂₆₆)+ ₂₅.₉ (₇) ₂₈.₈(₃₀) ₂₆.₇ (₈) ₃₉.₁(₁₆₆)₂₂.₂ (₅₅)- 味付き飯 n=₂₇₈ n=₄₅ n=₃₀ n=₁₂ n=₇₀ n=₉₀ n=₃₁ 魚介類 ₂₅.₉ (₇₂)- ₂.₂ (₁) ₂₀.₀ (₆) ₇₅.₀ (₉) ₁₀.₀ (₇) ₃₅.₆ (₃₂) ₅₄.₈ (₁₇) 肉類 ₂₄.₅ (₆₈)- ₂.₂ (₁) ₅₀.₀ (₁₅) ₈.₃ (₁) ₁₂.₉ (₉) ₃₃.₃ (₃₀) ₃₈.₇ (₁₂) 野菜類 ₃₄.₉ (₉₇)+ ₈₈.₉(₄₀) ₁₃.₃ (₄) ₀ (₀) ₅₄.₃(₃₈) ₁₆.₇ (₁₅) ₀ (₀) その他 (卵類,豆類,いも類) ₁₄.₇ (₄₁)+ ₆.₇ (₃) ₁₆.₇ (₅) ₁₆.₇ (₂) ₂₂.₉(₁₆) ₁₄.₄ (₁₃) ₆.₅ (₂) 和風 ₅₆.₁(₁₅₆)+ ₁₃.₃ (₆) ₂₆.₇ (₈) ₇₅.₀ (₉) ₆₂.₉(₄₄) ₆₈.₉ (₆₂) ₈₇.₁ (₂₇) 洋風 ₃₇.₄(₁₀₄) ₈₄.₄(₃₈) ₆₆.₇ (₂₀) ₁₆.₇ (₂) ₃₂.₉(₂₃) ₂₂.₂ (₂₀) ₃.₂ (₁) 中華風 ₆.₅ (₁₈)- ₂.₂ (₁) ₆.₇ (₂) ₈.₃ (₁) ₄.₃ (₃) ₈.₉ (₈) ₉.₇ (₃) パン n=₂₄₁ n= ₂ n=₄₉ n=₁₉ n=₁₉ n=₁₃₇ n=₁₅ 魚介類 ₂₆.₁ (₆₃)- ₀ (₀) ₁₄.₃ (₇) ₂₆.₃ (₅) ₂₆.₃ (₅) ₂₉.₂ (₄₀) ₄₀.₀ (₆) 肉類 ₆₇.₆(₁₆₃)+ ₁₀₀ (₂) ₇₇.₆ (₃₈) ₇₃.₇(₁₄) ₆₃.₂(₁₂) ₆₄.₂ (₈₈) ₆₀.₀ (₉) 野菜類 ₀.₈ (₂)- ₀ (₀) ₀ (₀) ₀ (₀) ₁₀.₅ (₂) ₀ (₀) ₀ (₀) その他 (卵類,豆類,いも類) ₅.₄ (₁₃) ₀ (₀) ₈.₂ (₄) ₀ (₀) ₀ (₀) ₆.₆ (₉) ₀ (₀) 和風 ₀.₈ (₂)- ₀ (₀) ₀ (₀) ₅.₃ (₁) ₀ (₀) ₀.₇ (₁) ₀ (₀) 洋風 ₉₈.₈(₂₃₈)+ ₁₀₀ (₂) ₁₀₀ (₄₉) ₉₄.₇(₁₈) ₁₀₀(₁₉) ₉₈.₅(₁₃₅) ₁₀₀ (₁₅) 中華風 ₀.₄ (₁)- ₀ (₀) ₀ (₀) ₀ (₀) ₀ (₀) ₀.₇ (₁) ₀ (₀) +, -: χ² 検定の結果,主食の種類,献立構成で有意な差が認められた場合,残差分析を行った.は有意に件数が多いこと, 有意に件数が少ないことを示す(p<₀.₀₅). 表 4  献立構成ごとの 1 品目のおかずの調理法による分類(%(献立数)) 全体 n=₁,₅₀₀ 一菜献立 n=₆₉ 二菜献立 n=₁₄₅ 三菜献立 n=₁₄₈ 一汁一菜献立 n=₁₃₁ 一汁二菜献立 n=₇₀₈ 一汁三菜献立 n=₂₉₉ なま物(刺身) ₃.₉ (₅₉) ₀ (₀) ₀.₇ (₁)- ₄.₁ (₆) ₀.₈ (₁)₃.₀ (₂₁) ₁₀.₀ (₃₀)+ 焼き物・炒め物・揚げ物 ₅₆.₆(₈₄₉) ₇.₂ (₅)- ₂₆.₉(₃₉)₅₂.₀(₇₇)₄₂.₀(₅₅)₆₈.₆(₄₈₆)₆₂.₅(₁₈₇)+ 煮物・蒸し物 ₃₀.₈(₄₆₂) ₈.₇ (₆)- ₆₅.₅(₉₅)₄₃.₉(₆₅)₂₁.₄(₂₈)₂₆.₄(₁₈₇)₂₇.₁ (₈₁) 和え物(サラダを除く) ₃.₈ (₅₇) ₂₀.₃(₁₄)+ ₄.₈ (₇) ₀ (₀)₁₈.₃(₂₄)₁.₆ (₁₁)₀.₃ (₁)- サラダ ₄.₉ (₇₃) ₆₃.₈(₄₄)+ ₂.₁ (₃)  ₀ (₀)₁₇.₆(₂₃)₀.₄ (₃)₀ (₀)- +, -: χ² 検定の結果,献立構成で有意な差が認められたことから,残差分析を行った.は有意に件数が多いこと,は有意 に件数が少ないことを示す(p<₀.₀₅).

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(166) ₄₈ 成ごとで調理法に有意な差が認められ(p<₀.₀₁),焼き 物・炒め物・揚げ物は一汁二菜,一汁三菜献立に多く (₆₈.₆%,₆₂.₅%),煮物・蒸し物は二菜,三菜献立に多 かった(₆₅.₅%,₄₃.₉%).また,サラダ,和え物(サラ ダを除く)は一菜,一汁一菜献立に,刺身は一汁三菜献 立(₁₀.₀%)に多かった.  表 ₅ に, ₁ 品目のおかずの料理名を献立構成ごとに示 した(一菜,二菜,三菜,一汁一菜献立は ₂ 回以上,一 汁二菜,一汁三菜献立は ₃ 回以上掲載されていた料理の み).一菜献立では,「グリーンサラダ」が₁₁.₆%と多く 組み合わされ,二菜献立では「鶏肉と野菜のスープ煮」 「ボルシチ」「ビーフシチュー」等の肉類と野菜類と汁を 含む洋風料理が多く組み合わされていた.汁が組み合わ された一汁一菜,一汁二菜献立では,「天ぷら」が最も多 く,一汁一菜献立では「ハンバーグステーキ」「グリーン サラダ」,一汁二菜献立では,「ハンバーグステーキ」 「シューマイ」「ポテトコロッケ」も多かった.一汁三菜 献立は,「アジの塩焼き」「アジのたたき」「刺身」等の魚 料理が多く組み合わされていた. (4)献立構成と 2 ,3 品目のおかず(菜)  表 ₆ に,献立構成ごとの ₂ ,₃ 品目のおかず(菜)の 主材料,料理様式を示した.なお,三菜,一汁三菜献立 では,一献立から ₂ つのおかず( ₁ 品目のおかずを除く, ₂ ,₃ 品目のおかず)が抽出されるため,料理数は献立 数の ₂ 倍となる.全体では,おかずの主材料は野菜類が ₆₇.₄%,豆類やいも類等のその他が₂₅.₂%であり,料理 様式は和風が₅₇.₃%,洋風が₂₈.₃%であった.献立構成 ごとの主材料,料理様式に有意な差が認められ(いずれ も p<₀.₀₁),野菜類のおかずは,二菜,一汁二菜献立 (₇₇.₂%,₇₃.₇%)で多く,その他のおかずは,三菜,一 汁三菜献立(₃₀.₄%,₂₉.₃%)で多かった.また,和風 のおかずは一汁三菜献立(₇₈.₉%)で,洋風のおかずは 二菜献立(₆₉.₇%)で多かった.  主食の種類(白飯,味付き飯,パン)ごとでは,おか ずの主材料には有意な差は認められなかったが,料理様 式では有意な差が認められ(p<₀.₀₁),白飯,味付き飯 で和風(₆₉.₇%,₇₈.₂%)が,パンで洋風(₉₆.₁%)の おかずが多かった.さらに,白飯では,献立構成ごとの 料理様式に有意な差が認められ,和風のおかずは,一汁 三菜献立で多く(₈₂.₃%),洋風のおかずは二菜,一汁二 菜献立で(₂₅.₉%,₁₃.₄%),中華風のおかずは一汁二菜 献立で多かった(₃₀.₈%).  表 ₇ に,献立構成ごとの ₂ , ₃ 品目のおかずの調理法 を示した.全体では,和え物(サラダを除く)が₄₀.₉%, サラダが₂₃.₅%であり,これらで₆₄.₄%を占めていた. また,献立構成ごとで調理法に有意な差が認められ(p< ₀.₀₁),サラダは二菜,一汁二菜献立で多く(₅₈.₆%, ₃₅.₅%),三菜,一汁三菜献立では少なかった(₁₃.₉%, ₅.₅%).三菜,一汁三菜献立では,一献立から ₂ つのお かず( ₁ 品目のおかずを除く, ₂ ,₃ 品目のおかず)が 抽出され,料理数が献立数の ₂ 倍となるために,料理数 表 5  献立構成ごとの 1 品目のおかずの料理名(%(献立数)) 一菜献立 n=₆₉ 二菜献立n=₁₄₅ 一汁一菜献立n=₁₃₁ 一汁二菜献立n=₇₀₈ 一汁三菜献立n=₂₉₉ グリーンサラダ ₁₁.₆(₈)カキのクリームシチュー ₁.₄(₂)天ぷら ₅.₃(₇)天ぷら ₂.₄(₁₇)ハンバーグステーキ ₁.₇(₁₂)アジの塩焼き ₂.₆(₈) トマトときゅうりのサラダ ₂.₉(₂)天ぷら ₁.₄(₂)ハンバーグステーキ ₂.₃(₃)魚のから揚げ野菜あんかけ ₀.₇ (₅)シューマイ ₁.₃ (₉)アジのたたき ₂.₀(₆) トマトのサラダ ₂.₉(₂)鶏肉と野菜のスープ煮 ₄.₁(₆)ポークチャップ ₁.₅(₂)刺身 ₀.₇ (₅)春巻き ₁.₁ (₈)刺身 ₂.₀(₆) ヨーグルトサラダ ₂.₉(₂)ボルシチ ₃.₄(₅)ミートローフ ₁.₅(₂)サンマの塩焼き ₀.₄ (₃)酢豚 ₁.₀ (₇)サバの味噌煮 ₁.₇(₅) レタスとセロリのサラダ ₂.₉(₂)ビーフシチュー ₂.₈(₄)豚肉の生姜焼き ₁.₅(₂)トビウオの塩焼き ₀.₄ (₃)レバーソテー ₀.₉ (₆)サンマの塩焼き ₁.₃(₄) 三菜献立 n=₁₄₈ ミートボールシチュー ₂.₈(₄)八宝菜 ₁.₅(₂)サバの味噌煮 ₀.₄ (₃)チキンカツ ₀.₇ (₅)タカベの塩焼き ₁.₃(₄) しめアジ ₁.₄(₂)ロールキャベツ ₂.₈(₄)グリーンサラダ ₃.₁(₄)ニジマスのムニエル ₀.₄ (₃)ポークソテー ₀.₇ (₅)イサキの塩焼き ₁.₀(₃) 水餃子 ₂.₀(₃)ハッシュドビーフ ₂.₁(₃)レタスのサラダ ₁.₅(₂)白身魚のホイル焼き ₀.₄ (₃)豚肉の生姜焼き ₀.₇ (₅)カツオのたたき ₁.₀(₃) ポークシチュー ₁.₄(₂)ビーフストロガノフ ₂.₁(₃)小松菜のゴマ和え ₁.₅(₂)白身魚の甘酢あんかけ ₀.₄ (₃)肉団子の甘酢あんかけ ₀.₇ (₅)トビウオの木の芽焼き ₁.₀(₃) シューマイ ₁.₄(₂)ポークビーンズ ₂.₁(₃)揚げだし豆腐 ₁.₅(₂)ポテトコロッケ ₁.₁ (₈)トンカツ ₀.₆ (₄)シューマイ ₂.₀(₆) ナスのはさみ揚げ ₂.₀(₃)ポトフー ₂.₁(₃)うずら豆の甘煮 ₁.₅(₂)麻婆豆腐 ₁.₀ (₇)ビーフストロガノフ ₀.₆ (₄)鶏肉のから揚げ ₁.₇(₅) お好み重ね焼き ₁.₄(₂)ビーフステーキ ₁.₄(₂) ミートローフ ₀.₆ (₄)焼き鳥 ₁.₃(₄) 焼き豚 ₁.₄(₂) 鶏肉のから揚げ ₀.₆ (₄)餃子 ₁.₃(₄) ポークシチュー ₁.₄(₂) 焼き豚 ₀.₆ (₄)牛肉の味噌漬け ₁.₀(₃) ホワイトシチュー ₁.₄(₂) 八宝菜 ₀.₆ (₄)豚肉の生姜焼き ₁.₀(₃) 餃子 ₀.₆ (₄)精進揚げ ₁.₀(₃) 鶏肉のチーズ焼き ₀.₄ (₃) 肉じゃが ₀.₄ (₃) 一菜,二菜,三菜,一汁一菜献立は ₂ 回以上,一汁二菜,一汁三菜献立は ₃ 回以上掲載されていた料理を示した. 各献立構成で,おかずの主材料ごと(魚介類,肉類,野菜類等)に罫線で区分した.

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(167) ₄₉ あたりの割合は二菜,一汁二菜献立の₁/₂となる(表 ₇ ). この点を勘案して献立数あたりで考えても,サラダは三 菜,一汁三菜献立が組み合わされることは少ないといえ る.また,煮物・蒸し物は二菜,一汁二菜献立で少なく (₁₃.₈%,₁₄.₀%),三 菜,一 汁 三 菜 献 立 で 多 か っ た (₃₁.₈%,₂₈.₆%).  表 ₈ に, ₂ ,₃ 品目のおかずの料理名を献立構成ごと に示した(二菜,三菜は ₂ 回以上,一汁二菜,一汁三菜 献立は ₃ 回以上掲載された料理のみ).二菜献立では「グ リーンサラダ」等のサラダが多く組み合わされ,一汁二 菜献立では「たたききゅうり」「バンサンスー」等のサラ ダ以外の和え物も組み合わされていた.また,三菜献立 では「五目豆」「冷奴」等,一汁三菜では「ほうれん草の お浸し」「青菜のお浸し」等が組み合わされていた.すな わち, ₂ ,₃ 品目のおかずとして,二菜献立ではサラダ が,一汁二菜献立ではサラダやお浸し,煮物のいずれか が組み合わされ,三菜,一汁三菜献立ではお浸しや煮物 が組み合わされていた. 表 6  献立構成ごとの 2 , 3 品目のおかずの主材料,料理様式(%(料理数)) 全体 二菜献立 三菜献立 一汁二菜献立 一汁三菜献立 全体 n=₁,₇₄₇ (献立数 n=₁,₃₀₀) n=₁₄₅ n=₂₉₆ (献立数 n=₁₄₈) n=₇₀₈ n=₅₉₈ (献立数 n=₂₉₉) 魚介類 ₅.₅ (₉₆) ₂.₁ (₃) ₇.₄ (₂₂) ₄.₀ (₂₈)- ₇.₂ (₄₃)+ 肉類 ₁.₉ (₃₄) ₀ (₀) ₂.₀ (₆) ₁.₈ (₁₃) ₂.₅ (₁₅) 野菜類 ₆₇.₄ (₁,₁₇₇) ₇₇.₂(₁₁₂)+ ₆₀.₁(₁₇₈)₇₃.₇(₅₂₂)₆₁.₀(₃₆₅)- その他₁) ₂₅.₂ (₄₄₀) ₂₀.₇ (₃₀)  ₃₀.₄ (₉₀)₂₀.₅(₁₄₅)₂₉.₃(₁₇₅)+ 和風 ₅₇.₃ (₁,₀₀₁) ₂₄.₈ (₃₆)- ₆₁.₈(₁₈₃) ₄₃.₈(₃₁₀)₇₈.₉(₄₇₂)+ 洋風 ₂₈.₃ (₄₉₅) ₆₉.₇(₁₀₁)+ ₂₅.₀ (₇₄) ₃₆.₆(₂₅₉)₁₀.₂ (₆₁)- 中華風 ₁₄.₄ (₂₅₁) ₅.₅ (₈)- ₁₃.₂ (₃₉) ₁₉.₆(₁₃₉)₁₀.₉ (₆₅)- 白飯 n=₁,₁₅₆ n=₂₇ n=₂₀₈ n=₄₂₅ n=₄₉₆ 魚介類 ₅.₇ (₆₆) ₃.₇ (₁) ₅.₈ (₁₂) ₄.₂ (₁₈) ₇.₁ (₃₅) 肉類 ₂.₆ (₃₀) ₀ (₀) ₂.₄ (₅) ₂.₆ (₁₁) ₂.₈ (₁₄) 野菜類 ₆₄.₃ (₇₄₃) ₅₁.₉ (₁₄) ₆₀.₁(₁₂₅) ₇₀.₈(₃₀₁) ₆₁.₁(₃₀₃) その他₁) ₂₇.₄ (₃₁₇) ₄₄.₄ (₁₂) ₃₁.₇ (₆₆) ₂₂.₄ (₉₅) ₂₉.₀(₁₄₄) 和風 ₆₉.₇ (₈₀₆)+ ₅₉.₃ (₁₆) ₆₉.₇(₁₄₅) ₅₅.₈(₂₃₇)₈₂.₃(₄₀₈)+ 洋風 ₉.₈ (₁₁₃)- ₂₅.₉ (₇)₁₂.₀ (₂₅) ₁₃.₄ (₅₇)₄.₈ (₂₄)- 中華風 ₂₀.₅ (₂₃₇)+ ₁₄.₈ (₄) ₁₈.₃ (₃₈) ₃₀.₈(₁₃₁)₁₂.₉ (₆₄)- 味付き飯 n=₂₀₆ n=₃₀ n=₂₄ n=₉₀ n=₆₂ 魚介類 ₆.₃ (₁₃) ₀ (₀) ₈.₃ (₂) ₇.₈ (₇) ₆.₅ (₄) 肉類 ₁.₀ (₂) ₀ (₀) ₀ (₀) ₁.₁ (₁) ₁.₆ (₁) 野菜類 ₆₉.₉ (₁₄₄) ₈₀.₀ (₂₄) ₆₆.₇ (₁₆) ₇₁.₁ (₆₄) ₆₄.₅ (₄₀) その他₁) ₂₂.₈ (₄₇) ₂₀.₀ (₆) ₂₅.₀ (₆) ₂₀.₀ (₁₈) ₂₇.₄ (₁₇) 和風 ₇₈.₂ (₁₆₁)+ ₃₃.₃ (₁₀) ₉₅.₈ (₂₃) ₇₅.₆ (₆₈) ₉₆.₈ (₆₀) 洋風 ₁₈.₀ (₃₇)- ₅₆.₇ (₁₇) ₄.₂ (₁) ₁₈.₉ (₁₇) ₃.₂ (₂) 中華風 ₃.₉ (₈)- ₁₀.₀ (₃) ₀ (₀) ₅.₆ (₅) ₀ (₀) パン n=₂₅₄ n=₄₉ n=₃₈ n=₁₃₇ n=₃₀ 魚介類 ₅.₁ (₁₃) ₂.₀ (₁) ₁₃.₂ (₅) ₂.₂ (₃) ₁₃.₃ (₄) 肉類 ₀.₈ (₂) ₀ (₀) ₂.₆ (₁) ₀.₇ (₁) ₀ (₀) 野菜類 ₇₂.₄ (₁₈₄) ₈₁.₆ (₄₀) ₅₅.₃ (₂₁) ₇₈.₈(₁₀₈) ₅₀.₀ (₁₅) その他₁) ₂₁.₇ (₅₅) ₁₆.₃ (₈) ₂₈.₉ (₁₁) ₁₈.₂ (₂₅) ₃₆.₇ (₁₁) 和風 ₃.₅ (₉)- ₂.₀ (₁) ₇.₉ (₃) ₂.₂ (₃) ₆.₇ (₂) 洋風 ₉₆.₁ (₂₄₄)+ ₉₈.₀ (₄₈) ₉₂.₁ (₃₅) ₉₇.₈(₁₃₄) ₉₀.₀ (₂₇) 中華風 ₀.₄ (₁)- ₀ (₀) ₀ (₀) ₀ (₀) ₃.₃ (₁) ₁)その他:豆類,いも類,きのこ類,藻類,果実類等 +, -: χ² 検定の結果,主食の種類,献立構成で有意な差が認められた場合,残差分析を行った.は有意に件数が多 いこと,-は有意に件数が少ないことを示す(p<₀.₀₅).

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(168) ₅₀

4.考 察

 一般に,昭和₅₀年(₁₉₇₅年)頃の食事は,一汁二菜, 一汁三菜等の我が国の伝統的な献立構成に,洋風料理が 取り入れられた健康に有益な食事であるとされている₆)₇) しかしながら,料理やその組み合わせ方は時代と共に変 化するために,それぞれの食材をどのような料理とし, 料理をどのように組み合わせて献立としていたのかはこ 表 7  献立構成ごとの 2 , 3 品目のおかずの調理法による分類(%(料理数)) 全体 二菜献立 三菜献立 一汁二菜献立 一汁三菜献立 n=₁,₇₄₇ (献立数 n=₁,₃₀₀) n=₁₄₅ (献立数 n=₁₄₈)n=₂₉₆ n=₇₀₈ (献立数 n=₂₉₉)n=₅₉₈ 焼き物・炒め物・揚げ物 ₁₃.₆ (₂₃₇) ₆.₂ (₉)- ₁₄.₂ (₄₂) ₁₁.₂ (₇₉)₁₇.₉(₁₀₇)+ 煮物・蒸し物 ₂₂.₀ (₃₈₄) ₁₃.₈ (₂₀)- ₃₁.₈ (₉₄)₁₄.₀ (₉₉)₂₈.₆(₁₇₁)+ 和え物(サラダを除く) ₄₀.₉ (₇₁₅) ₂₁.₄ (₃₁)- ₄₀.₂(₁₁₉) ₃₉.₃(₂₇₈) ₄₈.₀(₂₈₇)+ サラダ ₂₃.₅ (₄₁₁) ₅₈.₆ (₈₅)+ ₁₃.₉ (₄₁)₃₅.₅(₂₅₂)₅.₅ (₃₃)- +, -: χ² 検定の結果,献立構成で有意な差が認められたことから,残差分析を行った.は有意に件数が多いこと,は有意に件数が少ないことを示す(p< ₀.₀₅). 表 8  献立構成ごとの 2 , 3 品目のおかずの料理名(%(料理数)) 二菜献立 n=₁₄₅ 三菜献立 n=₂₉₆(献立数 n=₁₄₈) 一汁二菜献立 n=₇₀₈ 一汁三菜献立 n=₅₉₈(献立数 n=₂₉₉) ひじきの煮付け ₁.₄ (₂) 五目豆 ₁.₇(₅) たたききゅうり ₀.₇ (₅) ほうれん草のお浸し ₁.₅(₉) ふろふき大根 ₁.₄ (₂) 冷奴 ₁.₇(₅) バンサンスー ₀.₆ (₄) 青菜のお浸し ₁.₂(₇) うずら豆の甘煮 ₁.₄ (₂) たたききゅうりの酢の物 ₁.₄(₄) 中国風和え物 ₀.₆ (₄) 枝豆の塩ゆで ₁.₂(₇) グリーンサラダ ₉.₀ (₁₃) 菜の花の辛子和え ₁.₀(₃) うずら豆の甘煮 ₀.₆ (₄) つまみ菜のお浸し ₁.₀(₆) ポテトサラダ ₂.₈ (₄) 菜の花のお浸し ₀.₇(₂) 中国風冷奴 ₀.₆ (₄) たたききゅうり ₁.₀(₆) サラダ菜のサラダ ₂.₁ (₃) 小松菜のお浸し ₀.₇(₂) ほうれん草のお浸し ₀.₄ (₃) 金平ごぼう ₁.₀(₆) トマトサラダ ₂.₁ (₃) アスパラガスのお浸し ₀.₇(₂) 小松菜のお浸し ₀.₄ (₃) 揚げだし豆腐 ₁.₀(₆) レタスときゅうりのサラダ ₂.₁ (₃) 根三つ葉のお浸し ₀.₇(₂) 青菜のお浸し ₀.₄ (₃) 小松菜のお浸し ₀.₈(₅) イタリアンサラダ ₁.₄ (₂) 蕪の葉の辛子和え ₀.₇(₂) ほうれん草のゴマ和え ₀.₄ (₃) きゅうりとわかめの酢の物 ₀.₈(₅) サラダ ₁.₄ (₂) 金平ごぼう ₀.₇(₂) 春菊の中国風和え物 ₀.₄ (₃) さつま芋の甘煮 ₀.₈(₅) スティックサラダ ₁.₄ (₂) 人参のクリーム煮 ₀.₇(₂) かぼちゃのいとこ煮 ₀.₄ (₃) 白和え ₀.₇(₄) マカロニサラダ ₁.₄ (₂) かぼちゃの含め煮鶏そぼ ろあんかけ ₀.₇(₂) かぼちゃの含め煮 ₀.₄ (₃) 冷奴 ₀.₇(₄) マッシュルームサラダ ₁.₄ (₂) さつま芋の甘煮 ₀.₇(₂) かぼちゃの煮物 ₀.₄ (₃) 炒り豆腐 ₀.₇(₄) 揚げ出し豆腐 ₀.₇(₂) さつま芋の甘煮 ₀.₄ (₃) 炒り鶏 ₀.₇(₄) 豆腐の五目あんかけ ₀.₇(₂) グリーンサラダ ₂.₇ (₁₉) ニラのお浸し ₀.₅(₃) 麻婆豆腐 ₀.₇(₂) ポテトサラダ ₁.₈ (₁₃) もやしのゴマ和え ₀.₅(₃) うずら豆の甘煮 ₀.₇(₂) コールスローサラダ ₀.₉ (₆) 青菜の辛し和え ₀.₅(₃) チリコンカーン ₀.₇(₂) マカロニサラダ ₀.₇ (₅) うどとわかめの酢の物 ₀.₅(₃) 人参のサラダ ₁.₀(₃) 中国風サラダ ₀.₇ (₅) きゅうりもみ ₀.₅(₃) もやしとうずら卵のカ レーサラダ ₀.₇(₂) さやいんげんのサラダ ₀.₆ (₄) ふろふき大根 ₀.₅(₃) ブロッコリーのサラダ ₀.₆ (₄) ほうれん草のソテー ₀.₅(₃) レタスときゅうりのサ ラダ ₀.₆ (₄) 白菜の牛乳煮 ₀.₅(₃) 和風サラダ ₀.₆ (₄) じゃが芋の白煮 ₀.₅(₃) サラダ ₀.₆ (₄) 煮豆 ₀.₅(₃) サニーレタスのサラダ ₀.₄ (₃) 豚肉と高菜漬けの炒め物 ₀.₅(₃) トマトのサラダ ₀.₄ (₃) グリーンサラダ ₀.₇(₄) レタスのサラダ ₀.₄ (₃) 人参のサラダ ₀.₄ (₃) 二菜,三菜献立は ₂ 回以上,一汁二菜,一汁三菜献立は ₃ 回以上掲載されていた料理を示した. 各献立構成で,サラダを除く料理とサラダを罫線で区分した.

(8)

(169) ₅₁ れまでの研究においても明らかではなく,当時の献立構 成を具体的に説明することは困難である.本研究では, 一汁二菜,一汁三菜等の我が国の伝統的な献立構成に着 目し,昭和₅₀年代前半の「栄養と料理」に掲載された夕 食献立について,献立構成ごとの主食やおかず(菜)の 特徴を検討した.  その結果,一汁二菜献立は₄₆.₉%,一汁三菜献立は ₁₉.₈%で あ り,一 汁 二 菜 と 一 汁 三 菜 で 全 体 の ₂/₃ (₆₆.₇%)を占めていた.献立全体での主食の割合は白飯 ₅₅.₆%,味付き飯₁₈.₅%,パン₁₆.₁%であり,一汁二菜, 一汁三献立では白飯が多く組み合わされていた.おかず (菜)については,献立全体での ₁ 品目のおかずの主材料 は,魚介類₃₆.₀%,肉類₄₇.₇%であり,和風₃₉.₈%,洋 風₄₀.₅%であった.一汁二菜,一汁三菜献立の主材料は 肉類,魚介類がそれぞれ多かった.献立全体での ₂ ,₃ 品目のおかずの主材料は野菜類が₆₇.₄%であり,和風 ₅₇.₃%,洋風₂₈.₃%であった.また,サラダは二菜献立, 一汁二菜献立に多く組み合わされ(₅₈.₆%,₃₅.₅%),三 菜献立,一汁三菜献立で少なかった(₁₃.₉%,₅.₅%).  本研究で対象とした,「栄養と料理」に掲載された食事 は,必ずしも当時の実際の食事を反映しているとは断定 できないが,食と健康を一貫したテーマとした雑誌であ り,日常の食事内容が,行事食等に比較して記録として 残りにくいことからも₂₅),当時の人々の食生活を理解す るための資料としての価値は高いと考えられる.国民栄 養調査結果によると,昭和₅₀年(₁₉₇₅年)の摂取エネル ギー量は ₂,₁₈₈ kcal,穀類エネルギー比は₄₉.₈%,動物 性たんぱく質比は₄₈.₆%であり,また,魚介類の摂取量 は ₉₄.₀ g,肉類の摂取量は ₆₄.₂ g である₂₆).この値は, 平 成 ₃₀ 年(₂₀₁₈ 年)の そ れ ぞ れ ₁,₉₀₀ kcal,₄₀.₀%, ₅₃.₅%,₆₅.₁ g,₁₀₄.₅ g と比較して₂₇),穀類,魚介類の 摂取量が多く,肉類の摂取量が少なかったことを示して いる.本研究において,一汁二菜,一汁三菜等の献立構 成の違いによって,使用される食材や和風,洋風等の料 理様式が異なっていることが示された.また,一汁三菜 献立には白飯や魚介類,和え物(サラダを除く)や煮 物・蒸し物が多く組み合わされていたことから,「一汁三 菜」を基本として献立作成を行うことは,摂取量が減少 している魚介類の摂取₂₈)や様々な食品をバランスよく摂 取することにつながると考えられる.このことは,アジ の塩焼きや刺身など食品数が少ない料理には,さらに ₂ 品のおかずを組み合わせて,栄養素の量やバランスを確 保する我が国の食事様式に沿った献立であると考えられ る.  しかしながら,昭和₅₀年代前半の献立においても,一 汁三菜献立は₁₉.₈%であり,一汁二菜献立が₄₆.₉%で あったことは,当時においても一汁三菜献立は手間のか かる食事であったと推察される.家事時間が減少してい る現状を考えると₂₉),一汁三菜献立が現在の生活へ定着 することは困難であると考えられる.「健康な食事」は栄 養バランスのみでなく,食文化やおいしさやたのしみ等 の様々な要因から構成される.食事を構成する料理やそ の組み合わせ方は,時代と共に変化し,昭和₅₀年代前半 の食事が健康へ有益であるとしても,その献立構成が現 在の生活と適合しなければおいしさや楽しみとはならな い.一方で,「和食」はユネスコ無形文化遺産に登録さ れ,その特徴の ₁ つとして“一汁三菜を基本とする日本 の食事スタイルは,健康的な食生活を支える理想的な栄 養バランス”として示されており₃),この献立構成を可 能な範囲で継承・活用することは有益であると考えられ る.  本研究において,健康への有益性が期待される昭和₅₀ 年代前半の「栄養と料理」の夕食であっても,必ずしも 一汁二菜,一汁三菜献立でなかったことから,一汁二菜, 一汁三菜献立を基本として献立作成する際においても, 作成する献立の多くを一汁二菜,一汁三菜献立にするの ではなく,むしろ,献立構成特有の料理の組み合わせを 重視することが必要と考えられた.具体的には,一菜, 二菜,一汁一菜献立には白飯が少なく,一汁二菜献立に は肉類が多く組み合わされていたことから,一汁二菜で は肉や魚,野菜を,一汁三菜献立では白飯や魚を組み合 わせるなど,それぞれの献立構成に沿った料理を組み合 わせることを重視した献立作成が重要であると考えられ た.  また,サラダは一汁三菜献立にはほとんど組み合わさ れておらず,二菜献立や一汁二菜献立には多く組み合わ されていた.我が国の伝統的な食事では野菜は加熱して 食されてきたが₃₀)~₃₂),現在では,野菜の生食が日常化 し,日常の一汁三菜献立に,生野菜が主材料であること が多いサラダが含まれることに違和感はないと考えられ る₃₃)~₃₇).一方,二菜献立や一汁二菜献立は「鶏肉と野菜 のスープ煮」「ボルシチ」等の洋風の肉料理が多いため に, ₂ つ目のおかずとして我が国の食文化を意識した和 風の和え物や煮物を組み合わせにくい.そのため,アジ の塩焼きや刺身などの魚料理を含む一汁三菜献立には和 風の和え物や煮物を組み合わせ,一汁三菜献立以外では 現在の生活に沿った無理のない二菜献立や一汁二菜献立 で食事を楽しむことが,食文化に基づいた健康的な食生 活を確保した献立となるのではないかと考えられた.  本研究の限界は,対象雑誌が「栄養と料理」のみであ ること,他の年代との比較ではないこと,夕食献立のみ であることである.しかし,主食,主菜,副菜が組み合 わされた一汁二菜,一汁三菜を基本とする我が国の食事 がそれぞれの時代において,どのような料理がどのよう

(9)

(170) ₅₂ に組み合わされているのか,献立構成から検討した報告 はこれまでなされていない.健康への有益性が報告され ている昭和₅₀年代の献立について,献立構成ごとに組み 合わされた料理の特徴を検討した本研究は,当時の食を 具体的に示し,献立作成・評価への活用を可能とするも のである.今後,本研究の限界として残された課題につ いて検討したいと考えている.

5.要 約

 我が国の伝統的な食事様式は飯に汁と菜が組み合わさ れ一汁二菜,一汁三菜等と表現される.本研究では,我 が国の伝統的な献立構成に洋風料理が取り入れられ,健 康に有益であるとされている昭和₅₀年代前半の食事に着 目し,「栄養と料理」の夕食献立について,献立構成ごと の料理の特徴を検討した.  結果,一汁二菜献立は₄₆.₉%,一汁三菜献立は₁₉.₈% であり,一汁二菜と一汁三菜で全体の₂/₃を占めていた. 主食は白飯₅₅.₆%,味付き飯₁₈.₅%,パン₁₆.₁%であり, 一汁二菜,一汁三菜献立には白飯が多く組み合わされて いた.汁については,和風が₅₆.₈%,洋風が₂₉.₆%,中 華風が₁₃.₆%であり,一汁三菜献立では和風が多かった (₇₉.₆%).また, ₁ 品目のおかずの主材料は魚介類 ₃₆.₀%,肉類₄₇.₇%であり,料理様式は和風₃₉.₈%,洋 風₄₀.₅%であった.一汁二菜,一汁三菜献立の主材料は 肉類,魚介類がそれぞれ多かった. ₂ ,₃ 品目のおかず の主材料は野菜類が₆₇.₄%であり,和風₅₇.₃%,洋風 ₂₈.₃%であった.また,サラダは,二菜,一汁二菜献立 に多く組み合わされ(₅₈.₆%,₃₅.₅%),三菜,一汁三菜 献立では少なかった(₁₃.₉%,₅.₅%).  以上から,献立構成によって,使用される食品や料理 様式が異なり,一汁三菜献立には白飯や魚介類,サラダ 以外の和え物,煮物等が多く組み合わされていたことが 明らかとなった.すなわち,一汁三菜献立は,摂取量が 減少している魚介類を含め,バランスよく様々な食品を 摂取することにつながると考えられた.一汁二菜献立等 には柔軟に肉類や味付き飯,パンを組み入れ,一汁三菜 献立は伝統的な和食献立とすることが,我が国の食文化 を無理なく維持する献立作成であると考えられた.

文 献

 ₁) 石毛直道.“変動の時代”.日本の食文化史 旧石器時代 から現代まで.岩波書店,₂₀₁₅, ₁₀₀-₁₂₅.  ₂) 熊倉功夫.“和食の調理・加工”.和食と食育 和食のこ ころを受け継ぎそして次世代へ.江原絢子編.アイ・ ケイコーポレーション,₂₀₁₄, ₁₈₆-₂₀₈.  ₃) 農林水産省.“「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録 さ れ ま し た!”.https://www.maff.go.jp/j/keikaku/ syokubunka/ich/(入手日:₂₀₂₀.₅.₇).  ₄) 農林水産省.“食育基本法・食育推進基本計画等”. https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/₉₉₂₉₀₉₄/www₈. cao.go.jp/syokuiku/about/plan/pdf/₃kihonkeikaku.pdf (入手日:₂₀₂₀.₈.₁₁).  ₅) 黒谷佳代,中出麻紀子,瀧本秀美.主食・主菜・副菜 を組み合わせた食事と健康・栄養状態ならびに食物・ 栄養素摂取状況との関連.栄養誌.₂₀₁₈, Vol. ₇₆, ₇₇-₈₈.  ₆) 本間太郎,北野泰奈,木島遼,治部祐里,川上祐生,都 築毅,仲川清隆,宮澤陽夫.脂質・糖質代謝系に焦点 を当てた年代別日本食の健康有益性の比較.日本食品 化学工学会誌.₂₀₁₃, Vol. ₆₀, ₅₄₁-₅₅₃.  ₇) 北野泰奈,本間太郎,畠山雄有,治部祐里,川上祐生, 都築毅,仲川清隆,宮澤陽夫.時代とともに変化した 日本食がマウスの肥満発症リスクに与える影響.日本 栄養・食糧学会誌.₂₀₁₄, Vol. ₆₇, ₇₃-₈₅.  ₈) 阿部由紀子他₃₉名.“献立作成の手順”.高等学校 新版 家庭基礎.第一学習社,₂₀₁₉, ₁₀₆-₁₀₇.  ₉) 佐藤文子他₃₉名.“献立と調理”.未来をつくる新高校 家庭基礎.佐藤文子編.大修館書店, ₂₀₁₉, ₁₂₀-₁₂₇. ₁₀) 川端晶子,大羽和子.“食事バランスガイドと献立作 成”.健康調理学.学建書院,₂₀₁₅, ₁₉₈-₂₂₉. ₁₁) 木戸詔子,古川秀子,山本信子,池田ひろ,黒澤祝子, 村田道代,真部真里子,太田淳子.“食事設計と料理様 式”.新 食品・栄養科学シリーズ食べ物と健康 ₄  調理 学.第 ₃ 版.化学同人,₂₀₁₆, ₁₃₇-₁₆₃. ₁₂) 芦川修貮,今泉博文,金子裕美子,須永将広,田中信 晴,調所勝弘,永井豊,服部富子,藤井駿吾,伊澤正 利,金澤敏文,篠原能子,田中延子,田中寛,登坂三 紀夫,野原健吾,藤井茂.“献立の計画・作成・評価”. 実力養成のための給食管理論.学建書院,₂₀₁₉, ₃₅-₅₅. ₁₃) 赤尾正,岡村吉隆,双和光雄,田中俊治,畑田澄夫,藤 原政嘉,古勝公子,前田浩史,吉田龍平.“献立計画の 立案”.給食経営管理実習ワークブック.みらい,₂₀₁₅, ₄₀-₄₉. ₁₄) 厚生労働省,“日本人の長寿を支える「健康な食事」”. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/ ₀₀₀₀₁₂₉₂₄₆.html(入手日:₂₀₂₀.₅.₇). ₁₅) 村山篤子,三輪里子,佐藤文代,岩瀬靖彦,君羅満.食 の専門誌の献立カレンダーからみた昭和₂₀~₃₀年代の 食生活の変化.栄養誌.₁₉₉₂, Vol. ₅₀, ₃₃₇-₃₄₅. ₁₆) 三輪里子,佐藤文代,村山篤子,岩瀬靖彦,君羅満.食 の専門誌の献立カレンダーからみる昭和₄₀~₅₀年代の 料理の変遷.栄養誌.₁₉₉₅, Vol. ₅₃, ₃₉₅-₄₀₂. ₁₇) 上田亜矢子,松本仲子.『栄養と料理』にみる昭和期に おける洋菓子の変容.女子栄養大学紀要.₁₉₉₃, Vol. ₂₄, ₄₉-₆₄. ₁₈) 白石知子.伝統的食文化の継承とその環境―月刊誌 「栄養と料理」から正月料理を考える.宮崎学園短期大 学紀要.₂₀₁₆, Vol. ₉, ₉₆-₁₁₆.

(10)

(171) ₅₃ ₁₉) 佐藤文代,三輪里子,村山篤子,藤田雅子.料理群の 組み合わせにみられた女子短大生の朝食,夕食の特徴. 栄養誌.₁₉₈₄, Vol. ₄₂, ₉₁-₉₇. ₂₀) 赤羽正之,飯樋洋二,今本美幸,大島恵子,桂きみよ, 富岡和夫,富田教代,中川悦,西川貴子.“献立の見方, 読み方,考え方”.給食施設のための献立作成マニュア ル.医歯薬出版,₂₀₁₅, ₉₁-₁₁₇. ₂₁) 木村留美,杉山寿美,石永正隆.口中調味の実施状況 が白飯とおかずを組み合わせた食事での白飯のおいし さに及ぼす影響.日本調理科学会誌.₂₀₁₁, Vol. ₄₄, ₁₄₅-₁₅₂. ₂₂) 水谷令子,粟津原宏子,安藤真美,久木野睦子,杉山 寿美,富永しのぶ,長尾慶子,成田美代,丸山智美,南 廣子,村上恵,森下比出子,山内知子.“日本料理,西 洋料理,中国料理”,たのしい調理─基礎と実習─.第 ₅ 版.医歯薬出版,₂₀₁₈, ₁₈-₁₉₈. ₂₃) 永嶋久美子,福永淑子.“日本料理,西洋料理,中国料 理”.一食献立による調理実習₂₅.医歯薬出版,₂₀₀₇, ₉-₁₃₈. ₂₄) 日本調理科学会.新版総合調理科学事典.新版第 ₁ 刷. 光生館,₂₀₀₆, ₆₉. ₂₅) 江原絢子.“新しい料理への目覚め”.家庭料理の近代. 吉川弘文館,₂₀₁₂, ₉-₅₅. ₂₆) 厚生労働省.“昭和₅₀年国民健康・栄養調査”.https:// www.nibiohn.go.jp/eiken/chosa/kokumin_eiyou/₁₉₇₅. html(入手日:₂₀₂₀.₈.₁₁ ). ₂₇) 厚生労働省.“平成₃₀年国民健康・栄養調査”.https:// www.mhlw.go.jp/content/₁₀₉₀₀₀₀₀/₀₀₀₆₃₅₉₉₀.pdf(入 手日:₂₀₂₀.₈.₁₁ ). ₂₈) 水産庁.“水産物消費の状況”.https://www.jfa.maff. go.jp/j/kikaku/wpaper/h₂₉_h/trend/₁/t₁_₂_₄_₂.html (入手日:₂₀₂₀.₈.₁₁). ₂₉) 総務省統計局.“家事関連時間,平成₂₈年社会生活基本 調査―生活時間に関する結果―”.http://www.stat.go.jp/ data/shakai/₂₀₁₆/index.htm(入手日:₂₀₁₉.₄.₇). ₃₀) 橋本直樹.“変わり行く和の食材”.食卓の日本史.勉 誠出版,₂₀₁₅, ₁₇₉-₂₀₄. ₃₁) 神崎宣武.“皿鉢と煮もの・和えもの料理の発達”.う つわを食らう.吉川弘文館,₂₀₁₇, ₁₀₇-₁₇₄. ₃₂) 市毛弘子,石川寛子,江原絢子.“植物性食品の文化”. 食生活と文化.弘学出版,₁₉₈₈, ₆₅-₈₈. ₃₃) 食のスタジオ監修,成美堂出版企画・編集.一汁三菜 基本のおかず.成美堂出版,₂₀₀₆, ₁₅, ₂₅. ₃₄) 山脇りこ.和食のおいしい献立.主婦と生活社,₂₀₁₆, ₁₅, ₃₆, ₄₀, ₈₀. ₃₅) 上田淳子.あたらしい一汁三菜.学校法人文化学園文 化出版局,₂₀₁₇, ₃₉, ₄₃, ₄₄. ₃₆) 大久保久江.母めし季節の献立一汁三菜旬の野菜でか らだを整える.マイナビ出版,₂₀₁₆, ₅₂, ₁₁₈. ₃₇) 中村学園大学・中村学園大学短期大学部.しっかり食 べよう「一汁三菜」中村学園の学生食堂〈食育館〉レ シピ.丸善プラネット,₂₀₁₂, ₂₄, ₄₂, ₇₂, ₇₄, ₇₆.

昭和50年代前半の「栄養と料理」に掲載された

夕食献立の献立構成と料理の特徴

森久  瞳

,木村 留美

*,杉山 寿美

₃  我が国の食事は飯に汁と菜が組み合わされ,一汁二菜,一汁三菜等と表現される様式である.本研究で は,健康への有益性が示唆されている昭和₅₀年代前半の食事に着目し,雑誌『栄養と料理』の夕食献立につ いて献立構成および料理の特徴を検討した.  結果,一汁二菜献立は₄₆.₉%,一汁三菜献立は₁₉.₈%であった.主食は白飯₅₅.₆%,味付き飯₁₈.₅%,パ ン₁₆.₁%であり,一汁二菜および一汁三菜献立には白飯が多く組み合わされていた.汁は,味噌汁やすまし 汁などの和風の汁が₅₆.₈%,洋風,中華風のスープがそれぞれ₂₉.₆%,₁₃.₆%であり,一汁三菜献立の ₇₉.₆%には和風の汁が組み合わされていた. ₁ 品目のおかずの主材料は魚介類₃₆.₀%,肉類₄₇.₇%であり, 一汁二菜献立では肉類,一汁三菜献立では魚介類が多かった. ₂ ,₃ 品目のおかずの主材料は野菜類が₆₇.₄% であり,サラダは二菜および一汁二菜献立に多く組み合わされていた.すなわち,献立構成によって,組み 合わされる料理が異なり,一汁三菜献立には白飯や魚介類,サラダ以外の和え物,煮物が多く組み合わされ ていたことが明らかとなった.

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