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国際アートカルチャー都市構想 解説編

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Academic year: 2018

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豊島区

(2)
(3)

豊島区国際アート・カルチャー都市構想策定にあたって

豊島区は、多様な人々を受け容れながら、都市として発展していく過程で、多くの若者たちが池袋モンパルナスやトキ ワ荘などを舞台に、新たな表現文化の源流をこのまちから生み出してきました。

そして近年、マンガやアニメなど、クールジャパンとして世界から注目されるサブカルチャーの拠点が池袋を中心に 続々と誕生し、新たな文化の風がこのまちに吹き始めています。

こうした文化の多様性は、豊島区が誇る宝物です。

安全・安心な都市空間の中で、誰もが多様な文化を享受し合い、世界中の人々を魅了する賑わい溢れる都市の将来像を、 「国際アート・カルチャー都市構想」としてまとめました。

新庁舎の完成を機に、このまちの姿が大きく変わろうとしている今、この新たな都市像の実現に向け、区民の皆さんと ともに、全力で取り組んでまいります。

◆アート・カルチャーとは

 

「芸術文化」という言葉で一般的にイメージされる枠組みを超え、伝統的な文化から先端 的な文化まで、衣食住に関わる生活文化からハードな都市づくりまでをも含み、アートの持 つ想像力・創造力で、カルチャーの語源そのままに、まちを耕すことを意味します。

まちを構成する多様な人々の参加と協働により、アート・カルチャーのまちづくりを展 開していくことで、世界中の人々を魅了し、持続発展する都市の実現をめざします。 ※カルチャー(culture)の語源は、「耕す」という意味のラテン語「コレール(colere)」です。

イラスト/Ⓒたかいよしかず(京田クリエーション) 豊島区国際アート・カルチャー都市 PD

(4)

1 . これからの豊島区のまちづくり・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

2 . 背景と現状分析

①歴史的背景-多様性・受容性に富んだ歴史風土・ ・・・・・・・・・・・・・・・2

②地理的背景・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

③豊島区の文化資源・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

④豊島区と世界をつなぐ3つの潮流・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

⑤豊島区の多様性・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

⑥豊島区の課題・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

3 . 国際アート・カルチャー都市づくりのコンセプト

①基本理念・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

②基本的な進め方・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

4 . 国際アート・カルチャー都市実現に向けて

①プロジェクト概観・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

②プロジェクト 多様性を活かしたまちづくり・・・・・・・・・・・・・・・・・16

③プロジェクト 出会いが生まれる劇場空間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

④プロジェクト 世界とつながり人々が集まるまち・ ・・・・・・・・・・・・18

⑤主要なプロジェクト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

⑥都市構想実現のプロセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

⑦都市構想実現のための戦略策定・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

資 料

1 . 国際アート・カルチャー都市プロデューサー提案・ ・・・・・・・・・・・・30

2 . 都市政策顧問 隈 研吾氏 ご意見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

3 . 国際アート・カルチャー都市構想策定チーム会議・ ・・・・・・・・・・・・38

コラム

アトリエ村と池袋モンパルナス・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

トキワ荘・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

染井吉野桜発祥の地・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

雑司が谷 日本ユネスコ協会連盟「未来遺産」登録・・・・・・・・・・・・・・・・40

にしすがも創造舎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

フェスティバル / トーキョー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

「乙女の聖地」池袋・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

ロンドン 2012 とアンリミテッド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42

(5)

1

・ の 文化 ・ 芸 ・ 芸

・ メイ シノプロジェクト ・新池袋モンパルナス

 西口まちかど回遊美術館 ・トキワ荘 り協 プロジェクト ・未来遺産雑司が谷

・「 くろう」を活 したまちづくり

・ くろまつり 東京よさこい  西口公園ステージイ ント ・ り 文化に る

流の 進

・池袋モンパルナス ・トキワ荘

・にしすがも創造舎 ・アートステーション構想 ・ アート

・「演劇のまち」池袋 ・「乙女の 都」池袋 ・ ン ・アニメ ・コスプレイ ント

まちづくり

国 際

アート・カルチャー都市

まち

に れ 都市

都市

都市

・教 と 文化の融合

て た

か た

まちづくり

ント

たち

ン ・コ プ

の都市

から

区民との協働によるまちづくりの集大成として、世界中の人にとって魅力ある社会を創造しながら、誰もが安全・安心に文化を楽しめる人間優先のまちづくりを 推進し、魅力と活力にあふれた「国際アート・カルチャー都市」をめざします。

① 文化の多様性の活用・継承

伝統から最先端、ハイカルチャーからサブカルチャーまで、芸術・文化の多様性を豊島区独自の文化資源として活かし、継承していきます。

② これまでのまちづくりの集大成

区制施行 70 周年を機とする「文化創造都市」づくり、さらに 80 周年のセーフコミュニティ国際認証取得を機とする「安全・安心創造都市」づくりの集大成として、 誰もが安全・安心に文化を享受し合える人間優先のまちづくりを推進していきます。

③ 世界に発信する国際アート・カルチャー都市

豊島区の芸術・文化の多様な魅力を

世界に向けて発信し、世界中の人々が 集い、賑わいと活力にあふれ、持続発 展する「国際アート・カルチャー都市」 の実現をめざします。

1.

これからの豊島区のまちづくり

(6)

2

2.

背景と現状分析

①歴史的背景ー多様性・受容性に富んだ歴史風土

豊島区は、江戸時代には江戸の園芸文化を開花させ、明治期以降は、関東大震災、戦争という大きな災厄を乗り越えて急激な人口増加を経験する中で、多様性に富 む豊かな文化資源を生み出してきました。

ここでは、まず、豊島区の最大の特色である多様性を育んできた歴史を振り返ります。

サ カル 井吉

都 開 と り れ

トキワ ン ル

ーム ルコ、セ ン文化

人 の 都 ル

都 の 業・文化の集 代化

の 東京市 地 から人 流に 市 地化

大正デ クラシー い 、 学園

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西

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1 2

1 20 1 30 1 3 1 40 1 4 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 2000 200 2010

1 214 142 2 12 3 12 30 13 021 134 233 10 4

2 1 4 01

1 241 24 00

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2 0 24 2 2

2 4 321 0 3 3 12

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2 1 2 312 20

23 01

10 03

戦 興・ な市 地化

地方からの人 流 の受 地 度経に り人長期 へ

国際的演劇 開

ード

国際

世 人

( グラフ) ( れ グラフ)

戦 体 文化・

世 期

ミ市文化 画 (人生 ・文芸 ) 大空

(7)

3

1. 江戸郊外の農村に街道集落や門前町が発展 ⇒

園芸文化の拠点 染井吉野桜発祥の地

豊島区は、当初はほぼ全域が農村地帯でしたが、江戸と地方を結ぶ中山道や清戸道沿いなどに街道集落、鬼子母神周辺などには門前町が形成され、純農村としての 村姿も変容しはじめます。江戸時代の染井(現在の豊島区駒込地域)は植木の里として知られ、多くの植木屋が軒を連ねていました。日本を代表する桜・ソメイヨシ ノは、江戸末期から明治にかけて、染井村の植木職人が、エドヒガンザクラとオオシマザクラの品種を改良して作ったと言われています。

2. 鉄道網の発達、教育機関の開設で市街地化が進み、人口流入の受皿 ⇒

文教地区として文人、芸術家が暮らすまち、

池袋モンパルナスの成立

明治 18 年、日本鉄道会社品川 - 赤羽間開通により目白駅開業、以降山手線整備に伴い池袋・大塚・巣鴨各駅(明治 36 年)、駒込駅(同 43 年)が開業し、大正期に は東上鉄道、武蔵野(現西武)鉄道も開通し、現在の巨大ターミナル池袋につながる原型がつくられました。また、明治 30 年明治女学校の巣鴨村移転に端を発し、学 習院、豊島師範が開校、大正期には立教大学、自由学園、東洋音楽学校(現東京音大)、大正大学も開校し、文教地区としての姿が整うのに伴い、周辺農地の宅地化が進 み、アトリエ村のような学生や若者向けの借家群も形成されました。東京の市域拡張に伴い、近郊農村から郊外都市へと変貌する時期であり、特に関東大震災後、下 町地域から大量の人々が移住してきました。 

3. 繁華街池袋を形成した戦後ヤミ市のエネルギー ⇒

ヤミ市、自由文化都市の息吹

戦後、池袋駅の東西駅前に形成された復興マーケット(ヤミ市)は、食糧難にあえぐ人々の生活を支える場であり、虚脱状態にあった庶民にある種の活力をもたら す一方、無法地帯化した存在は都市として発展していく上で障害にもなりました。昭和 36 年の西口マーケット取り壊しでその歴史を閉じたヤミ市ですが、猥雑さの 中で多様な人々がひしめき合い、放出されたエネルギーは現在の繁華街・池袋の形成につながっています。

4. 急激な人口増に対応し高密な住宅地形成 ⇒

トキワ荘から開花したマンガ文化

戦後復興から高度成長期にかけては、地方から東京への人口流入の受皿として、37 万人を超える人々が住む超高密都市となりました。豊島区は、近代以降、常に外 からの人口流入を受容しながら発展してきた都市と言えます。

戦後の人口ピーク時の 1965 年国勢調査で豊島区は人口密度全国 1 位でした。そうした急激な人口増に対応し、現在の木密地域にあたる高密な住宅地が形成され、 トキワ荘のような木造アパートも数多く建てられました。さらに、高度成長期のオリンピック景気を受けたマンションブームへと続き、共同住宅が 8 割を占める現在 の住宅ストックにつながっています。そうした住宅ストックの面でも、若者たちが流入しやすい都市と言えます。

5. 副都心の発展と商業・文化の集積 ⇒

国際的演劇祭の開催、アニメ・コスプレなどサブカルチャーの発信

(8)

4

の文化が 墡づく住壨地の文化が 墡づく住壨地

の文化が 墡づく住壨地の文化が 墡づく住壨地 都 能の を夊う

池袋駅周辺 都 能の を夊う

池袋駅周辺 性の高い

道路 い 性の高い 道路 い

みどりの いが 広がる住壨地 みどりの いが

広がる住壨地

都市の 活を 楽し 都心 住都市の 活を 楽し 都心 住

業業 地

業業 地 地

住 地

2.

背景と現状分析

②地理的背景

豊島区は巨大なターミナルである池袋駅を始め、区内のほとんどの地域で徒歩圏に鉄道駅が立地するなど公共交通網が発達しています。池袋駅周辺は、首都機能の 一翼を担う商業、業務、文化、産業、情報発信など多彩な機能が高度に集積しています。

環状6号線・山手通りの内側は、利便性が高い一方、職住が近接しています。

(9)

5

出 社ホーム ージより 1.5 人 6.4 人

要 3.7 人

3.6 人 0.9 人 2.7 人 3.7 人 9.5 人

15.4 人 9.3 人 2.7 人

池袋 西

東池袋 新 2.3 人 10.6 人

3.6 人

1.6 人 7.6 人 雑司が谷 名 1.9 人

4 人 東長崎

南長崎

南 ・

田 ・

池袋 258.6 人 110.1

48.4 47.7 52.4 西

西 メトロ

211.8 205.0 203.1 188.3 187.9 183.5 183.4 179.8 163.8 143.6 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220

(人/ a)

60

1985 19902 19957 200012 200517 201020 201527

豊島区 川区 中 区 台東区 田区 目 区 文京区 新 区 川区 谷区 ( 年1月1日現 ・ 民 本台 )

○日本一高密なまち

人口密度は、23 区中でも高い水準で推移し、近年は荒川区、 中野区を上回り、全国一になっています。

○多くの人口が流入するまち

豊島区の人口回帰が始まった平成 9 年から人口の流出入を示 す社会動態が増加に転じ、出生死亡による増減を示す自然動態 を上回りました。

年齢別の人口構成を見ると大学進学、就職期である 20 歳から 49 歳までの階層が大きくなっています。

○日本有数の巨大ターミナル

池袋駅の1日乗降客数(JR、私鉄、地下鉄の合計)は平成25年度は259万人となっています。 JR 駅では、新宿についで2位となっています。

発達した公共交通ネットワークを通して、都心・副都心等と相互に連携しながら、東京の中 心的な役割を担うとともに、東京西部および埼玉方面に広がる後背圏の生活や交流を支える多 様な都市機能を有しています。副都心線の相互乗り入れにより、神奈川県からも直接訪れるこ とができるようになりました。

0 5,000 10,000

15,000 0 5,000 10,000 15,000 (平成27年1月1日現在・住民基本台帳)

(10)

6

豊島区

豊島

 

アト

ント ン ャ 資料

ャラ ー アト

くら

トキワ

トキワ

豊島

ン ャ ン

ア ー ーン

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ラ り

2.

背景と現状分析

③豊島区の文化資源〜豊島区全体マップ

区内には、それぞれの地域に根付いた特色ある文化資源が数多くあり、地域の歴史を継承する祭事・催事等が行われています。そして、そうした地域固有の文化資 源を活用した新たなまちづくりも各地で展開され始めています。また、劇場・映画館などの文化拠点も数多くあり、さらに近年、池袋を中心に、マンガ・アニメ関連 施設が続々と集積してきています。

熊谷守一美術館 長崎獅子舞 御嶽神社 大塚阿波踊り とげぬき地蔵

子母神参道 (大門ケヤキ並木)

子母神堂 法明寺

雑司が谷旧宣教師館 東京芸術劇場

東京よさこい ふくろ祭り

自由学園明日館

(11)

7

2.

背景と現状分析

③豊島区の文化資源〜池袋駅周辺マップ

TO S H I M A

アニメイト本社 アニメイト本社

サンシャイン 0 り サンシャイン

0 り

ハロウィンコスプレイ ント ハロウィンコスプレイ ント

レン イン・

ファン ジー池袋レン イン・

ファン ジー池袋

に 〜 り

に 〜 り

く り

く り

東京 さこい 東京 さこい

本 り 本 り

池袋 文化都市

フラ・フェス フラ・フェス

池袋ジャ フェスティ ル 池袋ジャ フェスティ ル 台日文化 流

台日文化 流

ハロウィン コスプレイ ント ハロウィン コスプレイ ント

京 大学

立教大学

新区 セン ー( 定) 新区 セン ー( 定)

プリ ン プリ ン

新ホール( 定)

新ホール( 定)

池袋演芸場 池袋演芸場

東京芸術劇場

池袋史 園

池袋史 園

土資料 土資料

の実文

学園 日

サンシャイン劇場 サンシャイン劇場

シア ー グリーン シア ー グリーン

るす と

中池袋 園 中池袋 園 ニコニコ本社

ニコニコ本社 ロサ会

ミステリー文学資料

川 川

池袋 宮

新文芸

ロード ロード

サンシャインシティ サンシャインシティ

オリエント オリエント ナンジャ ウン ナンジャ ウン

アニメイト ール フェスティ ル アニメイト ール フェスティ ル

池袋演劇 池袋演劇

フェスティ ル トーキョー フェスティ ル トーキョー

まるごとミュージアム まるごとミュージアム

まちか 美術

まちか 美術

アートオリンピア アートオリンピア

アート まつり アート まつり としまものづくりメッセ としまものづくりメッセ

サンシャイン サンシャイン

局東京 局 中

池袋 園

ジュンク

グリーン大

り グリーン大

オー プン

カフ オー

プン カフ

フェスティ ル トーキョー フェスティ ル トーキョー

新池袋 ン ルナス 新池袋 ン ルナス

山 手 線 ・ 埼 京 線

埼 京 線 東 武 東 上 線

首 都 高 速 中 央 環 状 線 メトロ

副都心

都高 5

池袋

立教 り

池袋

フェスティバル / トーキョー

Ⓒ Ryosuke Kikuchi

東京よさこい

(12)

8

2.

背景と現状分析

③豊島区の文化資源〜多様な資源・活動の紹介

豊島区は、「池袋モンパルナス」や「トキワ荘」に象徴されるように、多くの芸術家を育み、創造的な活動を生み出してきた歴史があります。

また、それぞれの地域には、寺社や近代建築物、民俗芸能など有形無形の個性ある文化資源が数多く存在し、大塚阿波踊りやふくろ祭りなど区民主体の様々な文化 活動が繰り広げられています。特に、池袋副都心では、東京芸術劇場をはじめとする文化芸術施設が集積し、国際的舞台芸術祭であるフェスティバル/トーキョーなど 多彩な文化イベントが開催されています。

また、近年は、マンガやアニメなどのサブカルチャーの発信拠点が誕生し、多くのイベントも繰り広げられています。

1. マンガからアニメ・コスプレ

2. 芸術・文化に触れ合えるまち

○マンガ文化

昭和 30 年代、椎名町の「トキワ荘」では若きマンガ家、手塚治虫、石 ノ森章太郎、藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄、赤塚不二夫などが創作 活動を行い、現在のわが国のマンガ文化の源流として歴史に記憶され ています。(コラム P39)

また、横山光輝の仕事場があり、ト キワ荘から転居後の手塚治虫が暮ら し、「鉄腕アトム」や「火の鳥」を創作し た並木ハウスなども現存しています。

○池袋モンパルナス

長崎・池袋西口界隈は、昭和初期に多くの芸術家たちが住んだことから、 パリのモンパルナスにちなみ、詩人の小熊秀雄が「池袋モンパルナス」と名 づけています。(コラム P39)

今日、区立熊谷守一美術館が往時をしのば せるほか、区立郷土資料館では関連資料を展 示しています。多くの芸術家が、未来に向けて 発展させ『新池袋モンパルナス西口まちかど回 遊美術館』が開催されています。(コラム P41)

○サブカルチャーの聖地

アニメイトをはじめ J -ワールド、ナンジャタウ ン、ニコニコ本社、エヴァストア(エヴァンゲリオン 公式ショップ)、ポケモンセンターメガトウキョー、 ANi ★ CUTE(日本アニメーション公式ショップ)な ど、いわゆるサブカルチャーの拠点が続々と誕生し ています。店舗の集中している地域は「乙女ロード」 と呼ばれ、コスプレパレードが行われるなど、多くの 若者が訪れています。(コラム P41)

○多くの文化資源

区立の文化施設として、あうるすぽっと(舞台芸術交流センター)・豊島 公会堂・豊島区民センターなどがあり、都立の文化施設には東京芸術劇場が あります。 区立熊谷守一美術館をはじめ、古代オリエント博物館や切手の 博物館などの美術館・博物館、区立郷土資料館、雑司が谷旧宣教師館などの 資料館をはじめ、民間のギャラリー・画廊も多く、池袋副都心の賑わい創出 と文化土壌の形成に貢献しています。

(13)

9

3. 伝統・演劇・音楽 新たな区民の活動

○社寺、お祭り

大塚、巣鴨、駒込、雑司が谷、目白、高田、長崎地域は神社仏閣が多 い地域です。長崎神社に伝わる獅子舞の「長崎獅子舞」は、豊島区に残 る郷土芸能として、区の無形民俗文化財第 1 号に指定されました。

また、古くから信仰に支えられてき た「御会式」「巣鴨高岩寺縁日」のよう な伝統ある行事や、近年地域の活力の 源となっている「大塚阿波踊り」「ふく ろ祭り」「東京よさこい」などのお祭り が区内各所で行われています。

○音楽のまち

豊島区には私立音楽大学ではわが国最古(明治 40 年)の歴史と伝統 を誇る東京音楽大学があります。

また、数多くの音楽スタジオがあるほか、 池袋西口公園野外ステージでのライブ演 奏や、おおつか音楽祭、池袋ジャズフェス ティバルなど、数多くの音楽イベントが行 われています。

○演劇のまち

池袋、大塚周辺を中心として、劇場や演劇スタジオが数多く点在し ています。

また、多くの演劇人を輩出した舞 台芸術学院や著名な劇団もあり、「演 劇のまち」としての特長を活かし、 「池袋演劇祭」や国際的な舞台芸術の

祭典「フェスティバル/トーキョー」が 開催されています。

(コラム P41)

○ NPO 等によるアート活動の展開と区民による文化活動

にしすがも創造舎が文化芸術創造活動を展開するほか、みらい館大 明など、NPO との協働を推進しています。

また、地域文化創造館、地域区民ひろばなどを拠点に、区民の誰もが 参加できる文化活動が展開されています。(コラム P41)

ソメイヨシノプロジェクト、南大塚都電沿線まちづくり、トキワ荘 通り協働プロジェクトなど区民が主 体となった文化活動がまちづくりと 一体となって展開されています。

平成 26 年には、雑司が谷がやがや プロジェクトが日本ユネスコ協会連 盟の未来遺産に登録されました。(コ ラム P40)

(14)

10

2.

背景と現状分析

④豊島区と世界をつなぐ3つの潮流

豊島区が長らく取り組んできた文化を基軸とするまちづくりは、広く目を転じれば、東京都での取り組み、日本全体の取り組み、さらには世界各地で取り組みが進 んでいる大きな流れと一致しています。

豊島区は、日本の、世界の一員として国際アート・カルチャー都市づくりを推進していきます。

① 文化政策の国際的な動向~文化を触媒とした都市づくり~

世界では、文化を「都市が変化するための触媒」として位置づけたまちづくりが進んでおり、観光客の増加等の直接的な効果のほかに、都市インフラの整備、クリエ イティブ産業の集積、雇用の拡大、都市イメージの向上、まちに対する市民の誇り・愛着の高揚などの波及効果を生み出しています。

② 日本の成長戦略 ~マンガ・アニメなどクールジャパンで日本の魅力を発信~

「クールジャパン」を代表するマンガ・アニメやコスプレ等のサブカル

チャーをはじめとして、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食、伝統的 な技が生かされたものづくりなど、日本独自の文化は、新たな成長分野とし て世界の注目を集めています。

また、羽田空港からの都心直結線も検討されており、実現されれば池袋は 世界と直結された芸術文化拠点となります。

③ 首都東京の一員として ~文化ビジョンの一翼を担う~

東京都は、日本経済のエンジンとして、世界に開かれたグローバルビジネ ス都市づくりを進めており、都心型 MICE ※などのビジネス拠点の整備及 び都市観光の推進を図ることとしています。

また、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた文化プ ログラム※2(P12)が、リオ大会終了後の 2016 年秋から展開されます。

その文化プログラムを先導する「東京文化ビジョン(素案)」(2015 年 1 月)には、理念の第一に「東京の芸術文化のオリジナリティ溢れる多様性を 発信する」ことが掲げられています。また、世界戦略として「多彩な文化拠 点の魅力向上により、芸術文化都市東京の発信力を強化する」としており、 芸術文化拠点のひとつとして、上野に並び「池袋」があげられています。

※MICEとは、Meeting(企業等の会議)、Incentive travel(報奨・研修旅行)、 Convention(国際機関等が行う会議)、Exhibition(イベントや展示会)の総 称です

地図の出典:東京文化ビジョン(素案)

池袋

高円寺 下北沢 三軒茶屋

渋谷 原宿 恵比寿

六本木

品川

臨海部 神楽坂

副都心 池袋

◆この地で演じられ、発信される最先端のアート・ カルチャーで世界から人や産業を惹きつけるまち ◆まち全体が舞台の、誰もが主役の劇場都市

上野

秋葉原

両国 深川 東京駅

周辺

(15)

11

2.

背景と現状分析

⑤豊島区の多様性

TO S H I M A

ここまで述べてきた、豊島区の歴史的・地理的背景や文化資源について、キーワードを抽出し、本区の特性をまとめてみると、幅の広い多様性に特徴があることが わかります。

High Culture

Sub Culture

さくらが丘パルテノン

アニメイト  大塚

サンシャインシティ 防災公園 都電荒川線

グルメエリア 東武デパート

トキワ荘通り

西武デパート

  パルコ あうるすぽっと

鬼子母神 豊島公会堂 にしすがも創造舎

新庁舎

サンシャイン 60 通り 電気街

大型書店 ターミナル

ニコニコ本社 新文芸座

池袋演芸場 ロサ会館

みどりが丘・ひかりが丘アトリエ村

谷端川沿いアトリエ・立教小学校西アトリエ つつじが丘アトリエ村

すずめが丘アトリエ村

グリーン大通り

東京芸術劇場    池袋西口公園

立教大学

学習院大学

東京音楽大学 雑司が谷

巣鴨 とげぬき地蔵

東急ハンズ

駒込

住宅街

住宅街 住宅街

住宅街

住宅街

飲み屋街

乙女ロード

平成

21century

オシャレ

Cool

Calm

Modern

昭和

20century

猥雑

Mess

Noisy

Nostalgia

染井霊園

雑司ケ谷霊園

染井吉野桜

  ルミネ

小劇場・ライブハウス

小劇場・ライブハウス     小劇場・ライブハウス

        小劇場・ライブハウス

女子栄養大学

帝京平成大学  大正大学

目白

人の多様性

1 日 250 万人以上もの乗降客を数える池袋駅と副都心を中心に、周囲に魅力的な住宅街が広がる利便性の高い高密都市の中で、 多くの新しい出会いが生まれています。

まちの多様性

住み、働き、学び、楽しみ、憩いなど様々な個性あるまちがモザイクのように集まり、多様性にあふれる都市を形成しています。

文化の多様性

伝統から最先端の流行、ハイカルチャーからサブカルチャーまで、様々な文化拠点があり、新しい文化が続々と生まれています。

(16)

12

2.

背景と現状分析

⑥豊島区の課題

豊島区の多様性・受容性に富んだ歴史風土、地理的背景、豊富な文化資源を踏まえ、国際アート・カルチャー都市を実現するに際しての課題を整理すると、文化の 連携・発信力やまちの魅力・安全性がまだ不足していることが見えてきました。

① 文化資源の連携

区内の様々な地域で多様な文化活動が展開されているにもかかわらず、それぞれの活動が個別の地域や領域の中にとどまり、相互のつながりや域外への発信力に 欠ける状況が見られます。

② 安全安心のさらなる向上と魅力あるまちづくり

豊島区の顔である池袋駅の周辺では、老朽化したビル群が立ち並び、毎日多くの自動車が行きかう空間となっており、歩行者がゆったりと歩いたり、イベントを開 催するスペースが不足しています。今後、来るべき首都直下地震に備えて、災害に強い街並みの整備を進めると共に、自動車優先の空間から人間優先の歩行者空間へ の転換を図る必要があります。

また、国際都市として、無料 Wi-Fi、多言語対応の案内板などの基盤整備を急ぐ必要があります。小さなお子さんから高齢者、外国籍の方々まで、安心してゆっくり 過ごすことができる空間の整備を進め、より高い安全性を基本に、人と環境にやさしく、文化を軸とした活力あふれる副都心へ脱却することが求められます。

③ 世界に向けての発信力の強化

東京の中で大きな存在感を発揮する都市としての発信力が不足しています。あらゆる媒体に取り上げられることが必要であり、そのためには、豊島区の魅力、まち の特色などを官民挙げてオールとしまで積極的に発信していく必要があります。

○オリンピック・パラリンピック文化プログラム始動

オリンピック・パラリンピックはスポーツだけではなく文化の祭典です。

先のロンドン大会の時には、2008 年北京大会終了後から 4 年間にわたり、「カルチュラル・オリンピアード」が展開され、期間中開催された文化イベント数 18 万件、参加者数は 4,340 万人にのぼりました。

アンリミテッドという障害者の大規模なアートフェスティバルも開催されました。これはパラリンピックの精神に則ったもので、スポーツと同様、芸術の世 界でも障害者にはアンリミテッド、無限の可能性がある、ということを賞賛するものでした。

豊島区はリオ大会終了後の 2016 年秋から始まるオリンピック・パラリンピック文化プログラムへの参加をまっ先に表明し、演劇、音楽、マンガ・アニメ、 コスプレ、障害者アートなど、多様な表現活動の舞台を提供していきます。

(17)

13

 

チ ー都市

から ーチャルのアルと

れ 都市

あ れ 都市 から

カル から

カル

の都市

まちづくり

ン ・コ プ

まち 都市

多様 文化

  ー ー フ ー都市

か たまちづくり

まれ

ま まち

3.

国際アート・カルチャー都市づくりのコンセプト

①基本理念

TO S H I M A

多様な文化資源を有する豊島区の強みを最大限に活かしながら、安全・安心な人間優先の都市空間の整備を進め、表現の舞台として開放していくことで、世界から アート・カルチャーの魅力で人や産業を惹きつける都市づくりを進めます。

① 多様性を活かしたまちづくり

人・まち・文化の多様性に彩られた豊島区がめざす国際アート・カルチャー都市は、伝統的な文化から最先端の文化まで、ハイカルチャーからサブカルチャーまで、 ジャンルを超えて多様な文化が共存する世界に例を見ない「文化融合都市」です。

② 出会いが生まれる劇場空間

豊島区に住む人も、このまちを訪れる人も、誰もが安全・安心に文化を楽しみ、時には観客となり、時には主役となって文化を体感できる「リアルな劇場都市」をめ ざします。そして、街路や公園・広場などの都市空間を舞台に見立てて、様々な表現活動の場として開放することにより、多様な文化が出会い、交流できる、空間的 にも心理的・文化的にもバリアフリーな「スーパーバリアフリー都市」を創出していきます。

③ 世界とつながり人々が集まるまち

多様な文化の「出会い」と「交流」を広く世界に発信することにより、世界に豊島区の魅力をアピールし、世界中からも多様な表現者たちが集まり、さらに新たな出 会い・交流が生まれるまちをめざします。

(18)

14

文化の力によって多くの人が惹きつけられるまちには、交流による新たなビジネスチャンスや文化表現が生み出される好循環が生まれます。まちに関心を寄せ訪 れた人々が感じる喜びや興奮などが、まちに活力を与え、誇りをもてるまちづくりを支えます。文化を愛するすべての人と力を合わせて、「国際アート・カルチャー 都市」づくりを進めます。

WHO

文化を愛する 誰もが主役

WHAT

多様な文化 の融合

WHERE

舞台となる 都市空間創出

WHEN

2020 さらに未来へ

HOW

ソフト・ハード の総合展開 WHO

WHAT

WHERE

WHEN HOW

①文化を愛する区民や来街者、NPO や事業者など、誰もが主役として輝く都市づくりを「オールとしま」で進めていきます

国際アート・カルチャー都市づくりは、文化を愛し、活動する区民、NPO、大学、企業等地域の皆さんが生き生きと活動し、表現する場を整備するものです。 空間整備は行政の役割ですが、活用の中心的役割を果たすのは、区民や事業者の皆さんです。

②地域の中で育まれてきた固有の文化を継承しつつ、新たな文化を創造・発信し、多様な文化の出会い・融合を図ります

これまで守り育ててきた文化を継承し、100年後の未来にも引き継いでいきます。同時に、内外からもたらされる新たな文化を鷹揚に受け容れ、これから も新旧文化の共存を進めます。

③文化活動の舞台、国際的なおもてなしの舞台となるスーパーバリアフリーな都市空間

※ 3

(P15)

を創出していきます

駅前広場、公園、庁舎跡地周辺の整備、無電柱化などを進め、国籍、年齢、性別などを問わず、誰もが安心してゆっくり回遊することができ、自由に表現活動 を行うことができる歩行者優先の空間づくりを進めます。

また、誰でも母国にいるのと大差なく、快適に過ごすことができるよう多言語サイネージ、公衆無料 Wi-Fi などの基盤整備を進めます。

④ソフト・ハードを組み合わせ、総合的・横断的に施策を展開し、国際アート・カルチャー都市づくりを進めます

区の総力を挙げるとともに、国家戦略特区を通じた規制緩和や特定都市再生緊急整備地域の指定による池袋副都心の再生、リノベーションの推進など様々 な手法を活用して、国際アート・カルチャー都市づくりを推進していきます。

間近に迫るオリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導し、文化レガシーを未来につなげていきます

2020 年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて文化プログラムが始まるのは、2016 年リオ大会の閉幕直後です。そのため、国際アート・カル チャー都市懇話会を中心に具体的に検討を進めます。

表現者として、ボランティアとして… 参加の方法は色々です。オールとしまで、文化プログラムを盛り上げていきましょう。

(19)

15

・既存の文化資源、文化活動の連携(オールとしまの魅力発信)

・新たな文化の受容・創造(アーティスト支援、表現活動の場の提供、創住近接)

・総合的な文化プログラムの展開(オリンピック・パラリンピック文化プログラムを目指して)

・バリアフリーで人間優先の都市空間の整備(歩行者優先、無電柱化) ・劇場空間としての都市空間の開放、規制緩和(公園、広場の劇場化) ・エリアマネジメントによる都市空間の活用(民間活用、多様な主体の協働)

・世界都市としての拠点性・発信力強化(多様なメディアの活用、リアルとバーチャルの融合) ・豊島区発のオリジナルコンテンツ(区民の多様な文化活動からクールジャパンまで)

・インバウンド観光の推進(「おもてなし」環境の整備)

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

①プロジェクト概観

TO S H I M A

国際アート・カルチャー都市構想の3つの基本理念を実現していくため、それぞれ以下の方針に基づき、区民、NPO、大学、企業等、地域の多様な主体と連携・協 働し、ソフト・ハード両面での施策を総合的に展開していきます。

多様性を活かした

まちづくり

出会いが生まれる

劇場空間

世界とつながり

人々が集まるまち

◆スーパーバリアフリーな都市空間とは

高齢者や障害者にとっての障壁を取り除くバリアフリー(Barrier free)にとどまらず、 物理的にも精神的にも、さらに、表現者として、鑑賞者として、あるいはボランティアとし て、誰もが主役になれる人間優先の都市空間を意味します。

(20)

16

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

②プロジェクト 多様性を活かしたまちづくり

○既存の文化資源、文化活動の連携(オールとしまの魅力発信)

・トキワ荘通り協働プロジェクト

・(仮称)南長崎マンガランド:南長崎地区の街全体が、マンガの聖地にふさわしい貴重な文化に触れることができるまちづくりを行い、世界に向けたマ ンガ文化の発信拠点とする。(資料 P26)

・未来遺産雑司が谷(雑司が谷旧宣教師館リニューアル、雑司が谷情報ステーション)(資料 P24)

・池袋=自由文化都市プロジェクト:戦後復興のシンボル「ヤミ市」を自由文化都市の視点で再構築し、豊島区の歴史を発信する ・旧鈴木信太郎邸公開:明治・大正・昭和の特色ある邸宅を公開するとともに、フランス文学の泰斗故鈴木信太郎氏の業績を紹介する ・伝統工芸後継者育成

・ソメイヨシノプロジェクト推進:日本人の心のシンボル染井吉野桜発祥地を一層のアピール、「さくら区」宣言の検討 ・モンパルナス関連収蔵作品、マンガ、文学の企画展開催

・新庁舎まるごとミュージアムによる文化発信(資料 P19)

・とげぬき地蔵を舞台とした、高齢者のアート・プロジェクト(福祉分野との協働) ・区境等での他区との協働アート・プロジェクト

○新たな文化の受容・創造(アーティスト支援、表現活動の場の提供、創住近接)

・外国人アーティストの滞在支援、(旅館業法の適用除外、入管手続きの迅速化など検討) ・としまアートステーション構想の推進

・新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館の拡大:新庁舎を拠点に地域拡大、子ども・新進芸術家の作品紹介(資料 P25) ・クリエイティブ産業や関連する高等教育機関の誘致

・リノベーションの活用によるアーティスト・イン・レジデンスの推進(トキワ荘や池袋モンパルナスを継承)

○総合的な文化プログラムの展開(オリンピック・パラリンピック文化プログラムを目指して)

・フェスティバル / トーキョーの拡大(資料 P25) ・東アジア文化都市検討

・創造都市ネットワーク日本の活用

・障害者・高齢者アート展の拡大(資料 P25) ・池袋演劇祭の拡大(資料 P25)

・区民参加型文化プログラムの検討・実施 ・和食など食文化の発信

(21)

17

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

③プロジェクト 出会いが生まれる劇場空間

TO S H I M A

○バリアフリーで人間優先の都市空間の整備(歩行者優先、無電柱化)

・無電柱化の推進(資料 P24)

・池袋駅東西連絡デッキ整備及び地下空間の改善 ・池袋駅周辺整備

・池袋副都心再生

○劇場空間としての都市空間の開放、規制緩和(公園、広場の劇場化)

・防災公園、周辺区道の整備

・街路樹装飾

・グリーン大通りオープンカフェ設置(資料 P22) ・庁舎跡地周辺まちづくりの推進(資料 P21) ・容積率・用途等土地利用規制の見直し

・現庁舎、公会堂の取り壊し前のアート活動への活用 ・ストリート系アーティストの活動場所の確保 ・公園利用の拡大(資料 P22)

・再開発に合わせた文化交流施設の確保(資料 P22)

○エリアマネジメントによる都市空間の活用(民間活用、多様な主体の協働)

・エリアマネジメントの民間開放(道路占用基準の緩和、道路上に飲食店等の占用を許可、エリアマネジメント団体の寄附金控除等の税制優遇など検討) ・民間敷地内空地の活用

・民間再開発による魅力的な都市空間の創出・活用 ・官民連携によるリノベーションまちづくりの推進

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18

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

④プロジェクト 世界とつながり人々が集まるまち

○世界都市としての拠点性・発信力強化(多様なメディアの活用、リアルとバーチャルの融合)

・ ホームページ刷新

・ バーチャルメディアとの連携強化 ・ 国際イベントの誘致

・ アートオリンピア開催(資料 P20)

・ 海外企業の立地促進(シティセールスの推進) ・ 海外の文化芸術団体・アーティストの誘致・招聘 ・ 海外都市交流

○豊島区発のオリジナルコンテンツ(区民の多様な文化活動からクールジャパンまで)

・ 新庁舎まるごとミュージアムによる文化発信(資料 P19)

・ マンガ・アニメの発信(資料 P26)

・ コスプレフェスティバルの拡大(資料 P26) ・ アニソンイベントの開催

○インバウンド観光の推進(「おもてなし」環境の整備)

・ 無料エリア Wi-Fi 構築(資料 P23)

・ キャッシュレス決済環境の整備

・ 観光案内整備、デジタルサイネージ(多言語対応)の設置

・ 外国人観光客へのおもてなし(輸出物品販売場(免税店)制度の更なる要件緩和など検討) ・ 外国語による有料観光案内サービスの要件緩和など検討

・ 留学生等の誘致と活用

・ ホテル整備(外国人向け滞在型宿泊施設) ・ 文化・観光ボランティアの育成

(23)

19

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

⑤主要なプロジェクト

TO S H I M A

新庁舎まるごとミュージアム

○新庁舎からの文化発信

新しい庁舎を丸ごと「ミュージアム・美術館・博物館」に見立てて、私たちの住むふ るさと豊島の文化や歴史遺産、自然などをより多くの人に紹介し、一緒に楽しみなが ら、庁舎そのものが「まち」であるかのように気軽に集う場となります。

年末年始、祝日を除き、土曜日曜 345 日開庁する 3 階区民総合窓口そして 4 階福祉 総合フロアを中心に、全事務室フロアを回廊美術館に見立てて、展示を行います。

まるで美術館にいるような雰囲気の中で、効果的な展示ができるよう、各階の展示可 能スペースにピクチャーレールやライトを設置します。

また、各階の事務室配置にも留意しながら、ふさわしい展示内容を選定するととも に、全体としても統一されたコンセプトによる展示計画を立てることで、いつ訪れても 新しい発見があるはずです。

回廊美術館のルートイメージ

1 階の一 と 3〜 階

ーン ラ 豊島の

(24)

20

るアーティストを発掘し、その活動を支援することを目的とする国際的 美術公募展です。

各拠点で 80 作品 ( 一般 60 点、学生 20 点 )、計約 240 作品を選出し、 東京で最終審査を実施します。

その第1回開催となる「アートオリンピア 2015」が豊島区新庁舎まる ごとミュージアムの開設記念として開催されます。

●最終審査:平成 27 年6月 10 日

各拠点で80作品(一般60点、学生20点)、計約240作品を選出し、 最終審査を実施します。

会議室仕様とした新庁舎8階の議場を会場に、3拠点の審査員全員 による得点審査が行われます。

●展覧会:平成 27 年6月 13 日(土)~6月 28 日(日)

新庁舎1階のセンタースクエアと回廊美術館を会場に、国内入選作 品、海外入選作品と受賞作品 計約 240 点を展示します。

展示会場となる事務室回廊美術館 審査会場となる議場(会議室仕様で使用します。) ●東京審査員

宮田亮平 ( 東京藝術大学学長・審査員長 )、建畠 晢 ( 京都市立芸術大学学長)、 千住 博 ( 画家 )、秋元雄史 ( 金沢 21 世紀美術館館長 )、南嶌 宏 ( 女子美術大学教授 ) ●ニューヨーク審査員

グレゴリー・アメノフ ( アーティスト , コロンビア大学教授 ) 他4名 ●パリ審査員

(25)

21

南北区道(アーバンコリドー)の整備を中心とした回遊空間の形成

新庁舎移転後の庁舎跡地の活用を契機とし、このエリアが抱える課題を解決しながら、 国際アート・カルチャー都市の拠点としての池袋副都心の再生を進めます。庁舎跡地など では老朽化している公会堂を改築し、「(仮称)豊島区新ホール」として整備するとともに、 これに併せ区民センターの改築を行います。また、「現庁舎周辺まちづくりビジョン」を定 め、周辺道路や公園の整備など計画的、総合的に進めます。「(仮称)豊島区新ホール」や区 民センター、中池袋公園を同時期に整備することにより、文化にぎわい拠点の形成を目指 します。

( 1 ) 南北区道を「アーバンコリドー(都市の回廊)」と位置づけ、新たな街路樹の導入によ る緑化を検討する等、重点的に整備します。

( 2 ) 光環境(夜間)を大切にした風景を創出します。

現 会

現区 セン ー

中池袋 園 区

現 周辺まちづくり ジョン エリア

池袋 園 グリーン大 り

地区

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22

新ホール、新区民センターを整備し、多様な文化を発信

グリーン大通りのオープンカフェ

の中で人が交わる空間)として整備します。 安全安心の拠点として整備します。

区民の芸術活動、成人式や学校行事などの利用から、オペラ、バレエ、 ミュージカル、歌舞伎、伝統芸能、コンサート等のプロフェッショナルの興 行利用まで、多様な文化芸術活動に対応できるよう、安全で機能的な施設と します。

グリーン大通りはみどりのランドマークと位置づけ、オープンカフェやイ ベントなど道路空間の有効活用を検討します。

東口

グリーン大 り

サンシャイン り

サンシャイン 60 り

5

明 治 通 り

東 ン みず

豊島 区役所

豊島 区役所 新 舎 豊島 女 園 南池袋

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23

区再生

区 再生

乙女 ロー

デッキ デッキ

立教 り

メトロ

西 池袋

池袋 都 およ 都 連 エリア 2015 ( )

2020 ( ) 来(長 )

西池袋

京 田

都 田

フェスティバル/トーキョーなど 国際的なイ ントの (資料 24) 新池袋モンパルナス

西口まちかど回遊美術 (資料 25)

染井吉野桜発祥の地 アピール

南 区 イメージ 新ホール イメージ

都 の シネ コンプレックス (イメージ) 生 西口サンクン ーデンイメージ

ン ・コスプレ イ ントの 実(資料 26)

東京よさこい ジャ フェスティバルなど

公園イメージ

南池袋公園 イメージ オープンカフェイメージ 舎まるごとミュージアム(資料 19)と アートオリンピア2 15(資料 20) サンシャイン

シティ 池袋公園 イメージ

osuk ・ iku i

首 都 高 速 中 央 環 状 線

東 武 東 上 線

補 81

都 5

池袋

埼 京 線

グリーン

オー プン

カフ

山 手 線 ・ 埼 京

線 本社

シェア サイクル

シェア サイクル

中池袋 園

新ホール

池袋 園

池袋 目 地区 開

池袋 目 C地区 開

局 地 開 地 空間

化 駅前地区

文化 流

者 空 間 拡 大

新 (201 )

園 サイン

料エリア 構築

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24

学習院椿の坂

巣鴨地蔵通り

雑司が谷 日本ユネスコ協会連盟「未来遺産」登録

狭幅員道路における無電柱化をモデ

ル的に先行実施 無電柱化に向けて手法の検討・地元調整を推進

上:すすきみみずく 左:御会式

雑司が谷旧宣教師館

左:東側(学習院側) 電柱あり  右:西側 電柱なし

都市災害の防止、都市景観の向上、安全で快適な通行空間の確保といった観点から無電柱化に取り組み、開放的な都市空間を創出し、国際アート・カルチャー都 市の舞台を整えます。

雑司が谷は、副都心池袋に近接しながら、武蔵野の面影を残す 自然の森や、子どもたちが太鼓をたたき、大人たちが鉦を鳴らし 万灯を揺らして練り歩く古くからの賑やかな祭りがあり、人情豊 かな人々の触れ合いがあるまちです。

江戸時代から伝わる郷土玩具すすきみみずくの保存や、雑司が 谷案内処を拠点とする「としま案内人雑司ケ谷」など地域の方々 による様々な活動の輪が拾いがっています。

未来の子どもたちにこのまちの歴史と文化を受け継いでいき ます。

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25

新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館の拡大

フェスティバル / トーキョーなど国際演劇祭の充実

池袋演劇祭

パラアートの普及促進

左:豊島区障害者美術展『ときめき想造展』 右:Echika 池袋ギャラリー、障害者アート展

池袋モンパルナスの精神を現代に引き継ぐことを目的に、まちのどこもが美 術館をコンセプトに開催される一大文化イベントを、未来に向けて発展させて いきます。

国内に例を見ない都市型舞台芸術 フェスティバルとして、国内外の新作・ 世界初演の演劇、ダンス等の公演や、 池袋西口公園における野外イベントな どを拡大し、“演劇の街”池袋を国内外 へ PR し、世界へ向けて、創造と発信を 行っていきます。

毎年約 100 名の審査員を公募し、 演劇祭賞を決めていく他に例のない ユニークな地域密着型演劇祭です。 「誰でも参加できる」をコンセプトに “演劇の街”池袋を広くアピールし、若 い演劇人を育成する場として、今後も 充実を図っていきます。

○新たな文化の受容・創造

○総合的な文化プログラムの展開

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(仮称)南長崎マンガランド事業の推進

マンガ・アニメの魅力発信

四畳半の部屋の再現 トキワ荘お休み処

マンガ界の第一人者である手塚治虫氏、藤子不二雄Ⓐ氏、藤子・F・不二雄氏、石ノ森 章太郎氏、赤塚不二夫氏ら、現在のマンガ・アニメ文化につながる時代を切り拓いた巨匠 たちが青春時代・下積み時代を過ごしたアパート「トキワ荘」は、当時の椎名町、現在の南 長崎にありました。アパートは昭和 57 年に解体され現存しませんが、地域では、「トキワ 荘があったまち」を大切な地域文化として継承するとともに、地域活性化を図ろうと、さ まざまな取り組みが展開されています。こうした取組みをさらに推進し、国内外にクール ジャパンの原点をアピールしていくために、聖地巡礼の象徴的なスポットとなるトキワ荘 の復元を視野に入れた調査研究を実施します。さらに、トキワ荘のマンガ家が生み出した キャラクター像を地域の公園などに順次設置し、街全体でマンガを感じられる取り組みを 進めます。

近年、乙女ロードをはじめ、アニメイト、J-ワールド、ポケモンセンターなど、アニメ関連 施設が池袋に集積してきており、クールジャパ ンを代表するアニメとその原点であるマンガ 文化の融合を図り、マンガ・アニメ文化の魅力 を世界に向けて発信していきます。

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27

●新套 まる とミュージアム

●アニメ・マン によるま づくりの推進 ● / 、 劇 の など文化プログラム推進 ●文化・観光 ランティアの育成

●新 ール・区民 ンターでの文化イベントの

展開

●アニメ・マン によるま づくりの推進 ●オリンピック・パラリンピック文化プログラム

展開

リーン大 り ー ンカフェ リア i i構

都 生の構想 体化 新庁舎・庁舎 地 まちづくりの

ジ ル イ ージ

リア i i構

東 歩 者空間化など 都 生 化

多言語

庁舎 地 まちづくり 造 地

●国際コンテンツ 業の

●国際イベント 夭

など 都 生 東 キ構 R 開

場の歩 者空間化 化

定都市

短期:2015 新庁舎移転

中期:2020 東京オリンピック・パラリンピック開催

長期:2025~ 羽田直通で世界と直結

国際アート・カルチャー都市

構想発表

クールジャパンの

として世界から

ー ース

アート・カルチャーの

国際拠点へ

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

⑥都市構想実現のプロセス

TO S H I M A

① 短期:2015 年の新庁舎移転とそれを契機としたまちづくりを推進

2015 年の新庁舎オープンに事業開始の照準を合わせ、本構想を発表し、国家戦略特区や特定都市再生緊急整備地域指定を目指して、ハード・ソフトの取り組みの 具体化を図ります。まち全体が舞台となり、誰もが主役となれる劇場空間の実現に向け、できることから取り組みを始めます。

② 中期:2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催をターゲットに世界に向けて文化発信

2020 年東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて文化プログラムに積極的に参加します。伝統文化からマンガ・アニメ・コスプレまで、魅力ある文化資源 をリアルに体感できる「クールジャパンのショーケース」として、世界から、多くの人を迎え入れます。

③ 長期:羽田空港への直通により、世界に直結することで、アート・カルチャーの国際拠点へ躍進

羽田空港への直通により、世界と直結することを見据え、文化レガシーに磨きをかけるとともに、東西デッキ、LRT 導入などにより都市の魅力を高め、国籍、年齢、 性別などを問わず、 誰もが安心してまちなかを回遊しながら文化を楽しむことができるアート・カルチャーの国際拠点へと躍進します。

2020 年東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、世界中から日本への注目度が高まっています。

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28

4.

国際アート・カルチャー都市実現に向けて

⑦都市構想実現のための戦略策定

今後は、国際アート・カルチャー都市構想の実現に向け、区長の諮問機関として、「国際アート・カルチャー都市懇話会」を設置し、区民の皆さんのご意見をいただ きながら具体的な施策・プログラムについて検討を行っていきます。

○役割分担を明らかにします。

豊島区の多様性に富んだアート・カルチャーは、地域住民、来街者、事業者のみなさんの手により、創造され、守り、育まれてきました。さらに、NPO など新しい 文化の担い手が誕生しています。

区を含めた役割分担を明確にしながら、多くの方がこのまちづくりに参画することができる仕組みを設け、みなさんの力で構想を実現していきます。

○バインダー方式でプロジェクトを更新していきます。

本構想では、国際アート・カルチャー都市の考え方をお示ししました。具体的なプロジェクトについては、区民のみなさんのご意見を伺いながら懇話会で検討し、 バインダーのように書き加え、追加していきます。

チーム

国際アート・カルチャー都市プロデューサー

豊島区

国際アート・カルチャー都市構想

国際アート・カルチャー都市

国際アート・カルチャー都市構想実現戦略

ラム

国際

(33)

豊島区

参照

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