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板倉修司,田中裕美,榎 章郎

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(1)

C

近故大学農学部紀要 19-28 1998

A 第3号 19

下等シロア リの消化管内でのセルラーゼ系 酵素の分布 とそれ ら酵素の部分精製

板倉修司,田中裕美,榎 章郎

近故大学EaJ学部段芸化学科 L 1

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ロア リに吸収 されエ ネルギー源-1・6)' やア ミノ酸 合 成 の前駆 体 71と して使 われ る。 この代謝機構 は, 下等 シロア リのセルロー ス代謝機構は次の ように (1)下等 シロア リの唾液腺 か らはエソ ト14,

ルカナーゼが分泌 され るが,結晶性セルロー スの分 報告 されてい るI J) I

り微粉砕 された木材が,後腸 内に達 し共生原生動物 解に必要不可欠なエキ ソー1,4

グル カナーゼの大部 の体 内に取 り込 まれ る。 (2)木材細胞壁 の主要 な 分は後腸内に生息す る共生原生動物 の体内に存在 し 構成成分であ るセルロー スが,原生動物 によ り嫌気 ている とい う結果8・9),お よび (2)下等 シロア リ

(I)シロア リの阻噴 に よ

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的 に酢酸 ,水素 と二酸化炭素 に変換 され る。 (

3)

と高等 シロア リには,解糖 系 と

T A

回路 の全酵 素 原生動物 に よ り分泌 された酢酸 が後腸壁 を通 ってシ が存在 しているが, これ ら2つの代謝経路 を結ぶ重

(2)

20 板倉修 司

要な働 きをするピルビン酸デヒ ドロゲナーゼ複合体 が不活性化あるいは欠損 しているので,解糖系で生 じた ピル ビン酸はアセチ

ル‑ Co A

に変換 されない と い う知見10)に基づいて提案されている。

紙 ・綿 な どの天然セル ロースや,約

5 0%

のセル ロー スよ り成 る木材 を餌 とす るシロア リが,セル ロースの加水分解により生成するグルコースを直接 吸収 .消化で きず,共生原生動物の分泌する酢酸を 利用するという機構は極めて非効率的である。最近 我 々は後腸を除去 したイエシロア リ (CoptoteTmeS foL・mOSanuS)‑ 原生動物 は後腸 内に存在 す るの で,この試料は原生動物 を含まない‑ の抽出液が

NAD+

の存在下で ピル ビン酸 をアセチル

‑ Co A

へ変 換することを兄いだ した。すなわちイエシロア リ体 内でピルビン酸デヒ ドロゲナーゼ複合体によりピル ビン酸がアセチル

・ CoA

へ直接変換 されることを明 らかに した

1 1 ㌔

セルロースの加水分解により生成 し たグルコ‑スを中腸で吸収で きれば,シロア リは共 生原生動物の助けを借 りずに解糖系 と

TCA

回路に よってグルコースを直接酸化 しエネルギーを得るこ とが可能 となる。

本研究では,セルロースの加水分解が原生動物の 生息する後腸内で起 こるのか,あるいは前腸や中腸 において も起 こるのかを明らかにするために,シロ ア リの消化管 内におけ るエキ ソ‑1,4‑β‑グルカナー ゼ,エン ドー

1 , 4

サ グルカナーゼおよびβ

‑ D‑

グルコシ ダーゼ活性の分布を検討 した。また,シロア リがグ ルコースあるいは酢酸のいずれをエネルギー源や炭 素源 として利用 しているのかを明 らかにす るため に,中腸,後腸 とシロア リ組織 におけるグルコース,

トレハロース (グルコースか ら合成 され,昆虫のエ ネルギー源や貯蔵炭水化物 として重要な役割を果た している) と酢酸の存在丑を測定 した。 さらに,原 生動物体内およびシロア リの消化管内に存在するセ ルラーゼ成分を比較するために,陰イオン交換 クロ マ トグラフィー とゲル破過 クロマ トグラフィーによ り,後腸を取 り除いたシロア リの体組織 と後腸に存 在するセルラーゼ系酵素 (エキソ‑1,4サ グルカナー ゼ,エン ド1

1 , 4

1p‑グルカナーゼ,β

・ D‑

グルコシダー ゼおよびセロビオヒ ドロラーゼ)をそれぞれ精製 し

た 。

なお,シロア リ体内に存在するセルラーゼ成分の セルロース分解における作用機構がまだ十分に解明 されていないため,以下ではエキ ソ‑1,4サ グル カ ナーゼを結晶性セルロースであるアビセルを分解す る酵素 とい う意味でアビセラーゼ,エソ ト

1 , 4

サ グ ルカナーゼを非晶性セルロースであるカルボキシメ チルセルロー ス

( CMC)

を分解す る酵素 とい う

味で

CMC

ア‑ゼ と称する。

材料および方法

1.

シロア リ

研究室で約

1 3

年間維持 した巣か らイエシロア リ (C.fotmosanus)の職蟻を採集 した。アカマツ (P血us de sn ‑LLoa7T

Se.t uc ib e Z c) .

を餌 として飼育 したシロ ア リを,採集 日から 1週間以内に解剖 した。

2.消化管からの租酵素液の調製

職蟻 7頭を解剖 し唾液腺 と腸 を摘出 した。腸を前 腸,中腸 と後腸に切断 した。唾液腺をピンセ ッ トで 前腸か ら分離するときに乗車の内容物が胸部へ漏出 したので,前腸 とその内容物は腸 を除いた体組織 と 混合 した。

7

頭の職蟻 よ り得た各組織 を

7 0 0F L

bの 生理的塩類溶液

( 4 3 mM Na C

l

,2 2 mM KCl ,3. 7 mM Ca 1,1mM Mg C

2

4 S ,86

O 4

,mM KHP ,1

2 O4

5 mM K

2

HP

O4)に浸殺 し,ポ ッグ一 ・エルベージュ ムホモジナイザーにより破砕 した。各ホモジェネ‑

トを

1 1 , 5 0 0

×gで

3

分間遠心分離 した上澄み液を, 唾液腺,中腸,後腸,および前腸プラス腸を除いた 体組織 の粗酵素液 とした。全ての操作は

0‑ 4

℃で 行 った。

3.

休全体からの部分精製酵素の調製

職蟻

5 0 0

頭か らピンセ ッ トで腸 を引 き抜 き,中腸 と後腸に分割 した。腸を除いた体 と中腸を混合 した

(以後, この混合物 をシロア リ組織 と称する)。 シ ロア リ組織 および後腸をそれぞれ蒸留水 (

5 m旦 )

に 浸放 しホモジナイズ した。ホモジェネ‑ トを

1 9, 5 0 0

×gで

2 0

分間遠心分離 し,上澄み液を回収 した。上 澄み液を硫安分画 し

3 0 ‑6 0 %

飽和で沈殿 した画分を 再び

1 9, 5 0 0

×gで

3 0

分間遠心分離 し,沈殿物 を蒸留 水

(5

m旦)に溶解 した。 この辞累液を

Se pha de x G

‑ 15 (フ ァルマシア)で脱塩 し,凍結乾燥 した。再 び蒸留水

(5mA )

あるいは

1 . 2 m

且の

2 0 mM

トリス‑塩 酸緩衝液

( pH 8. 5 )

に溶解 し,シロア リ組織 と後 腸の部分精製酵素液 とした。全ての操作は

0‑ 4

℃ で行 った。

4.酵素活性の測定

アビセ ラーゼ活性 ;各粗酵素液

( 4 0 0

pQ)を

1

m且 の

2%

(W/v)アビセル (フナセル

SF

帝層 クロマ

トグラフ ィー用,フナ コシ)‑

0. 1 M

酢酸緩衝液

( pH 5. 0 )

とともに

3 0

℃で

6

時間振 とうした。遠心 分離によりアビセルを取 り除いた上澄み液中に含ま れる還元糖 をSoMOGYI12)により定丑 した。また, カラムクロマ トグラフ ィー後の活性測定時には,画

(3)

下等 シロア リの消化管内でのセルラーゼ糸酵紫の分布 とそれ ら酵紫の部分輸製 21

分 (250FLQ) と 2%ア ビセルー酢酸緩衝液 (250FLb) の混合物 を30℃で20時間振 とう し,生成 した還元糖 を定見 した。

CMCアーゼ活性 ;各粗辞 素液 (0fb) を 40L lmhの 2% (W/v)CMC (CMCナ トリウム,ナ カライテ スク)一酢酸緩衝液 とともに30℃で30分間振 とう し, 生成 した還 元糖 をSoMOGYI12)に よ り定立 した。

カラム クロマ トグラフ ィーで分画 した画分 (50FLb) と 2%CMC一酢酸緩衝液 (450FLb)の混合物 を30℃

で 3時間振 とう し,CMC7‑ゼ活性 を測定 した。

β・D‑グル コシダーゼ活性 ;各粗酵素液 (400FLb) を 1m且の35mM D‑サ リシン (キ シダ化学 )一酢酸緩衝 液 とともに30℃で1時間反応 させ,生成 した還元糖 をSoMOGYl法 12)に よ り定 立 した。 また カ ラム ク ロ マ トグラフ ィーに よ り分画 した画分の活性 は,画分 (50FL且)と33mM p‑ニ トロフ ェニルIP‑D‑グル コ ビラノシ ド (シグマ)一酢酸緩衝液 (50FL旦) を混合 し,30℃で 3時 間反 応 させ生成 したp‑ニ トロフ ェ ノールを定立 し13)測定 した。

セ ロビオ ヒ ドロラーゼ活性 ;カラム クロマ トグラフ ィーに よる画分 (50FLh) を22mM p‑ニ トロフ ェニ ルーβ‑D‑セ ロ ビオ シ ド(シグマ)‑酢 酸緩 衝 液 (50FLb)

とともに30℃で 3時 間反応 させ生成 したp‑ニ トロ フ ェノール を定孟 した13)

1分間 に lffモ ルの グル コー スに相 当す る還元糖 あ るいはp‑ニ トロフ ェノール を生成 す る酔 素見 を

1Un【itとした。標準誤差の推定 と測定値間の有意性 の検定は,スチ ューデン トのト検定 14)に従 い行 った。

5.カラム ク ロマ トグ ラフ ィー

トリスー塩酸緩 衝 液 に溶解 した シロア リ組織 と後 腸 の部 分精製酵素 液 (500FLa) を20mMトリスー塩 酸緩衝液 (pH 8.5)で平衡化 したMonoQ HR 5/5

(フ ァルマ シア)陰 イオン交換 カラムに注入 した。

0‑ 1Mの塩化 ナ トリウムの濃度 勾配 (Fig.1,2) をかけ,流速 In且/分で溶 出 し,lmAずつ分取 した。

セル ラー ゼ活性 の検 出 された画 分 を集 めSephadex G‑15で脱塩 し,凍結乾燥 した。これをMilliQ水 (100 FL且)に溶解 し,塩化 ナ トリウム (150mM)を添加

した50mMリン酸緩衝 液 (pH 7.0)で平衡 化 した Superdex75HR 10/30 (フ ァルマ シア) カラム ク ロマ トグラフ ィー を行 った。溶 出条件は注入体毛等50 FL且,流速 500FLb/分 ,分画体節500FLbで行 った。

セル ラーゼ活性の検 出された画分 をSephadexG‑15 で脱塩 し,凍結乾燥 した。凍結乾燥 は室温で行 い, その他の操作は 4℃で行 った。

6

.電気泳動

精 製 したセル ラーゼ成 分 の分子 丑 をLAEMMLI法

)5)に従 いSDS‑PAGE (ドデ シル硫酸 ナ トリウムーポ リア ク リルア ミ ド電気泳動)で推定 した。すなわち, 凍結乾燥 した精製 セル ラーゼ を20FLbの変性用緩衝 液 (50mMトリス一塩酸接衝 液 (pH 6.8), 8% グ リ セ ロール,I.6%SDS,0.001%ブ ロモ フ ェノールブ ルー と0.04%β‑メル カプ トエ タノール)に溶解 した。

100℃で5分 間変性 した試 料 (10

F L

且) と標 準 タン パ ク (低分子丑キ ャ リブ レー シ ョンキ ッ ト,フ ァル マ シア) を12%あ るいは15% (W/v)ア ク リルアミ

ドゲル を用 いて30mAで泳動 した。 泳動後 , タンパ ク質 を銀染色キ ッ ト (バ イオ ラ ッ ド)で染色 した。

7.シ ロ7 リ体 内におけ る結晶性 セル ロース加水分 解率

蒸留水 に溶解 した シロア リ組織 と後腸 の部分精製 酵 素 液 (I.5m色) を1.5m且の2

%

(W/V)ア ビセルー 酢酸緩衝液 と混合 し,30℃で 6時間振 とう した。遠 心分離 に よ り上澄み液 を回収 した。

グル コース,セ ロビオー スの定見 ;上澄み液 に含 ま れ るグル コー ス とセ ロビオー スを トリメチル シ リル (TMS)化 し, ガスクロマ トグ ラフ ィー (GC)に よ り定丑 した。TMS化糖 の分析 は,SiliconSE‑30 充填 カラム を用 い,130℃か ら230℃への昇温分析 (罪 温速度 5℃/分)で行 った。

8.

シ ロア リ体 内に存在す るグル コース.トレハ ロー スと酢酸の定量

職蟻 100頭 を解剖 し,腸 を摘 出 した。腸 に付着 し ている血 リンパ を洗 い流 し,中腸 と後腸 に分離 した。

各組織 のホモ ジ ェネ‑ トを11,500×gで 3分間遠心 分離 し,上澄み液 を回収 した。全ての操作 は 0‑ 4

℃で行 った。

グル コー ス, トレハ ロー スの定立 ;各上澄み液 に含 まれ るグル コー ス と トレハ ロー スをTMS化 しGCで 定立 した。TMS化糖 の分析 は グル コー ス,セ ロビ オー スの定立 と同 じ条件で行 った。

酢酸の定立 ;各上澄み液 を塩酸酸性 に し酢酸塩 を酢 酸 へ変換 した後 に,酢酸 をGCで定温 した。UnisoI Fl200 (ジー エルサ イエ ンス) を充填 した カラム を 用 い,140℃か ら180℃への昇温分析 (昇温速度 10℃

/分)で分析 した。

結 果

イエ シロア リの消化管 か ら調製 した抽 出液中に検 出 され た ア ビセ ラー ゼ活性 ,CMCア‑ ゼ活性 とβ‑

(4)

反応 させた場合に,後腸 を除いたシロア リ組織 の部 分精製酵素により生成 されたグル コース丑は,後腸 板倉修司 他

lに示 した。アビセ

%)だけでな く, 64.

(3 グルコシダーゼ活性 をT bale

‑ D

の部分精製酵素により生成 されたグル コース丑 より

%)抽出液において 81.

(1

%)や中腸 96.

(1 唾液腺

ラーゼ活性は,後腸抽出液

ル/頭のセ ロビオー ス も検 出 された。CMC7‑ゼ活性 は唾液腺抽 出液で

値 よ りも有意 に高か った

してグル コー スとセロビオースを生成 した。 6時間

le3に示 した。腸の中に 存在するグルコースの約66%が中腸で,また トレハ では 6時間,後腸 を除いたシロア リ組織の部分精製

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8%)

と トレハ ロース (約 の大部分が腸 を除いたシ 示 した。 シロア リ組織 および後腸か ら調製 した両酵

ロア リ組織 に,これ とは対照的にほ とん どの酢酸 ( 液は結晶性セル ロースをかな りの速度で加水分解

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3 e2に 在 していた。シロア リ体内ではグルコース (約9%) l

約 も約5%多か った。約4

最 も高 く,その値は他の組織の抽出液で検出された を生成するのに要する時間は,後腸の部分精製酵素 2n

0

シダーゼ活性は中腸で最 も高 く,中腸で検出された 酵素では

3

時間であ った。

活性は他の組織で検出された活性 より有意に高かっ イエ シロア リ体 内におけ るグル コー ス, トレハ

5 グル コ

p<0.05)。体全体の活性 に対 し約 7%に相当 ロー ス と酢酸の分布 をT ba (

5

ロースの約7%が後腸で検出された。 また,腸の中 精製酵素 と結晶性セルロースを反応 させた場合に生 のグル コースの大部分は中腸壁 とその内容物中に存

8 ba, 0 ) 1 . 60.

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3 ( EM.

2 ( (4

4 61. 07 1.

(4 (4 するβ

グル コシダーゼ活性が中腸で検出された。

シロア リ組織および後腸か ら別 々に調製 した部分

‑ D

8 05.

4 85. 4 0 2 2 4

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3 (

画分2‑3)が見出された。 この他に後腸の抽出液 のセルラーゼ成分が分離 された。 シロア リ組織には か らは強いセロビオヒ ドロラーゼ活性 を示すが全 く ア ピセ ラーゼ とCMC7‑ゼ活性の両方の活性 を示 結晶性セルロースや非晶セル ロ‑ スを分解で きない

T l,画分 3‑ 4,T2,画分1

( 1,画分 4),アビセラーゼ,CMC7‑ゼおよびセ

HG2,

‑ D

,22)が分 グル ies.

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CMC , ea

5

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15 10

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1 マ トグラフ ィーの結果 をそれそれFig.

た。 シロア リ組織 か らの抽出液か らは 5種類のセル ロビオ ヒ ドロラーゼの両活性 を示 す成分

0 8 6 4 3

(画分1‑1,1‑1,2 ie

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後腹 を除いた シロア リ組織 および後腸か ら得た抽 5 3 25 30

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5

5

出液に含 まれるセルラーゼ成分の陰 イオン交換 クロ と2に示 し ラーゼ成分が,また後腸か らの抽出液か らは 2種類

す成分 ‑15とT 4機構の成分

1

ー1

D

‑ 19

) 9

‑ 8 8 (

5,画分2‑2 ,CMC7‑ゼ活性のみを示す成分 )仁は

β

T3,画分1 ),および,β

お よびセ ロビオ ヒ ドロラーゼの両活性 を示 す成 分 陰 イオン交換 クロマ トグラフ ィーにより分離され 離 された。 この中の 1成分 (画分2

‑グルコシJ/‑ゼ コシダーゼ活性 も検出された。

(6)
(7)

下等シロア リの消化管内でのセルラーゼ糸酵素の分布 とそれ ら酵紫の部分柄魁 25

考 察

唾 液腺 と中腸 に相 当立 の ア ビセ ラー ゼ 活性 と CMC7-ゼ活性 が検出された。 この結果は他の下 等 シロア リに関す る結果)61171とはば一致 している が,イエシロア リ体内のアビセラーゼの大部分 (約 87%)は後腸 内に存在 す る とい う吉村 らの結果 91 とは異なっている。吉村 らは,下等 シロア リに摂取 されたセルロー スは前腸や中腸ではほ とん ど分解 さ れずに後腸に達 し,後腸内で共生原生動物の体内に 取 り込 まれ,原生動物の生成するアビセ ラーゼ とシ ロア リが分泌 したCMC7-ゼの作用に よ り,原生 動物の体内において初めて完全に分解 されると報告 している。本研究では,後腸内だけで天然セルロー スが分解 されるのか どうか検討するために,後賜を 除いたシロア リ組織 と後腸か ら得た抽出液 と結晶性 セルロースを反応 させて,生成するグルコー スとセ ロビオースを定立 した。その結果,シロア リ組織抽 出液でのグルコース とセロビオースの生成率は,倭 腸抽出液での生成率 よりも高いことが見出された。

これ らの結果はシロア リの体のアビセラーゼ活性 と CMC7-ゼ活性の50%以上が組織 に検 出 された事 実 と一致 している。

シロア リ体内に存在するβ

- D-

グルコシダーゼの大 部分が中腸 (約75%)で検 出された。 また腸内に存 在するグルコー スの約66%が中腸で検出された。 こ れ らの結果は シロア リに取 り込 まれたセルロー スが 前腸 と中腸でセロオ リゴ糖 まで加水分解され,主 と して中腸でβ

-- D

グルコシダーゼの作用で グルコー ス へ分解 されることを示唆 している。前腸 と中腸でシ ロア リの代謝に十分な丑の グルコースが生成 される とい う同様な結果が,下等 シロア リであるヤマ トシ ロア リ

( R t eL IuL cJ ' tr e pt em sse・tS au)

17

)

と高等 シロア リであ る

NauJ st ' tT SW le eme akT

J))'8 において報告 さ れている。一般に,昆虫においては中腸が栄饗累の 吸収組織 であ るので19),セルロー スの加水分解によ って生成 したグル コー スは中腸壁 を通 ってシロ7 リ 体内に吸収 されるもの と考 え られる。 また,シロア

リ体内に存在する トレハ ロー スの約87%が腸以外の 組織中に検 出された ことか ら, グルコースは組織中 では トレハ ロー スとして蓄 えられ,必要に応 じてグ ルコー スへ再転換 されて利用 されるもの と推測され る。

下等 シロア リは共生原生動物 を除去 されるとセル ロースを単一の飼料 として生存で きないことが指摘 されてお り201,共生原生動物 が下等 シロア リのセル ロー スの資化 に直接関与 している と考 え られてい る。 しか し,本研究で明 らかに した ように,後腸 に

は共生する原生動物 とシロア リの双方 に由来するア ピセ ラーゼ,CMC7-ゼ

,

β-D-グルコシ ダーゼが 混在すると考 えられることか ら,共生原生動物は シ ロア リの生存においてセルロー スの分解以外の重要 な役 目を果た していることが示唆 される。

陰 イオン交換 クロマ トグラフ ィーにより, シロア リ組織 には少な くとも5種頬のセルラーゼ成分が, また後腸 には少な くとも2種頬のセルラーゼ成分が 含 まれていることが明 らか とな った。約350mM塩 化ナ トリウムで溶 出された成分T5とHG2は, ど ち らも強いア ビセ ラーゼ活性 とCMC7-ゼ活性 を 示すが,その分子左とはゲル破過 によりそれぞれ36.3, 31.6kDa,またSDS-PAGEによ りそれぞれ53.2, 31.5kDaと測定 された。 これ らの結果によ り,後腸 か ら分離 されたセルラーゼ成分HG2は,シロア リ 組織 には存在 しない ことが明 らか とな った。HG2 は原生動物体内で生成 された酵素か,あるいはシロ ア リ腸内のセルラーゼが原生動物の体内で何 らかの 修飾を受けた酵素であ る と思われ る。 また,HG2 に関 しては ゲル磁過 とSDSIPAGEで測定 された分 子丑がほぼ一致 していた。 シロア リ組織か らは,級 腸 には存在 しないセル ラーゼ成分

( T2

,

T3

)が 分離 された。 これは後腸 よりもシロア リ組織 に高い ア ピセ ラーゼ,CMC7-ゼ活性 が検 出 された事実 と一致 する。 ヤマ トシロア リでは,CMC7-ゼが 唾液腺か ら分泌 される と報告 されてお り21),T2や T3もイエシロア リ自身が生成 し消化管内へ分泌 し ている可能性が高い。

シロア リ組織 と後腸抽出液の どち らに も,陰 イオ ン交換体の カラムに陳持 されずに溶出された画分

(Tl,HGl)にアピセ ラーゼ とCMC7-ゼ活性 が検 出された。 これ らの画分を再度

Mo no Q

陰 イオ ン交換 カラム クロマ トグラフ ィー (pH 8.5に緩衝 化)を行 ったが,カラムに吸着 されなかった。 この こ とか らTl,HGlの等電点はpH 9よ りもアル カ リ側にあると推測される。

シロア リ組織 (Tl,T2,T5)と後賜 (HGl) より分離 されたアビセラーゼ活性を示す画分には, セロビオヒ ドロラーゼ活性が検出されなかった。エ キ ソ-1,4

グル カナーゼすなわちセ ロビオ ヒ ドロ ラーゼは,結晶性セルロー スに単独で作用 し非還元 末端か らセロビオー ス単位でセルロー ス鎖 を加水分 解する酵素 と定義 されている。 シロア リか ら分離さ れた これ ら 4種 のセル ラーゼ成分は,結 晶性 セル ロー スであるアビセルをそれぞれ単独で分解で きる に も関わ らず,p-ニ トロフ ェニル

β

- D-

セ ロビオシ ドをセ ロビオー ス とp-ニ トロフ ェノールに分解で きなか ったので,エキ ソ-1,4サ グルカナーゼ とは異

(8)

26 板 弁修 司

なった作用で結晶性セルロー スを分解 しているもの と考 えられる。

後腸抽出液か ら強いセロビオヒ ドロラーゼ活性 を 示す 4機構の成分が分離 された。 しか しこれ らの画 分によって結晶性セルロー スであるア ビセルは全 く 分解 されなかった。セロビオヒ ドロラーゼは,結晶 性セルロースの非還元末端に作用 しセロビオース単 位で糖鎖を切断す る酵素 を指す もので,これ らの 4

天然セルロー スが前腸 と中腸でセロオ リゴ糖 まで加 水分解され,このセロオ リゴ糖が主 として中腸でグ ル コー スまで分解 され,中腸壁 を通 ってシロア リ体 内に吸収 されることを示 している。

陰 イオン交換 クロマ トグラフ ィーにより, シロア リ組織か ら

5

種頬のセルラーゼ成分が,また後腸 (原 生動物 を含む)か ら 2種類のセルラーゼ成分が分離 された。 シロア リ組織抽出液には,アビセラーゼ と

MC

7-ゼの両活性 を示すセル ラーゼ成分

C

(

3

成分はセロビオヒ ドロラーゼではない。

- D -

類)

種頬),お よび主 として

β

グル コシダーゼ活性 を

C

,MC

7-ゼ活性のみを示すセルラーゼ成分 (

1

以上の結果が示す ように,シロア リ体内に存在す るアビセラーゼ活性を示す成分は,従来一般 に言わ

れて きたエキ ソー1,4-β-グルカナーゼ とはセルロー ス 示すセルラーゼ成分 (1種頬)が存在 していた。後 に対する作用機構 が異なっている。不完全菌である 腸抽 出液には,ア ビセ ラーゼおよび

CMC

ア-ゼの

mar e e s e i

では結 晶性のセル ロー スを非

・ ihdt coe

・ t

T

両活性 を示すセルラーゼ成分 (l種棟) と,7ビセ

還元末端か ら順次セ ロビオー ス単位で切断する酵素 (エキソー1,4

グルカナーゼ)と,非結晶性セルロー スをランダムに切断する酵素 (エソ ト1,4サ グルカ ナーゼ) との相乗作用によってセルロー スが効率的 に分解 される とい う (エソ トエキソ説)。 しか し, 本研究で用いた下等 シロア リでは,これ とは異なっ た メカニ ズムによってセルロー スが効率的に分解さ れていることが明 らかになった。近年,セルラーゼ

ラーゼ活性 ,

CMC

7-ゼ活性 およびセ ロビオ ヒ ド ロラーゼ活性 を示すセルラーゼ成分 (l種棟)が見 出された。 これ らの結果か ら,原生動物体内のセル ラーゼ成分 とは異なるセルラーゼ成分がシロア リの 消化管内に存在 していることが明 らか となった。

文 献

5 3 ., lS o.c I

t s..

W .' INadM.LYO :Au F , の分子構造に関す る研究が盛んにな り,その成果か I)R. 0BRE n SATR Bi '

ら活性中心近傍のア ミノ酸配列がセルロー スの分解 239-262(1982)

2)R.. TNadM... L:n`EEAO n DCHAE i wod: cy P sso Dea, et, の機構 と密接 に関係 していることが明 らかになって

andPRTCTN, amaOETO " Chp nadHan llC mbig , p, a rd e p . きている22 シロア リのセルラーゼの分子構造の研 209-218(1993)

究は未だ見られないが,今後,本研究で見出された 3)I.. EN KadA. U EABRZA n BRN :A77nu e.Rv no.E l l 3mo.,9, セルラーゼの分子構造 を明 らかに して,下等 シロア 453-487(1994)

リでセルロー スが効率的に分解 される機作を明 らか 4) T.YosHWURA:JL)17I. .E71Viron.EnoLmo ZoL. o/.,8, 48-59(1996)

に したい。

5)D.A. )LOTES: nOiadJ.A.BREZNAK:A♪L)I.Envt'ro17. ilo.

b 0 1 cy

Mi ,45,1602-1613(1983)

II.nsect 要 約 6)M.EHoA ,. G N M. AT R adRW .' INSLYO , n . 0BRE :

・iso.

) h

P I,31,587-591(1985)

JnsecL ooK:

7)J.K.MAULDIN,N.M.RICH,and D.W .C イエシロ7 リの体全体で検出されたアビセラーゼ

. h ocem

6 8

活性の,約

2%,1% 0

および

3%

に相当する活性が, Bi ,8 唾液腺,中腸 と後腸でそれぞれ検出された。 また, (1975)

これ らの組織 での

CMC

7-ゼ活性の値 は,唾液腺 9)T.oHMUA T. TN BY sI R, WAAAE KTsND, n,. UOA adM. KTAAI

,105-109(1978)

g.

l.

8)I. MAKYA OAadYNAAA ln . GT N:Zoo Ma,84,23-29

(約

3 5 %)

,中腸 (約

2%) 1

と後賜 (約

1%) 8

であ

h ocem Insect Jg.

/O.

〟α ,

10)RW .' lNadJA. EN K. 0BRE n . BRZA : Bi HASHl: 27,273-284(1992)

4 1 ., ,

-

5

った。 体全体に存在するβ

- D

グルコシダーゼの約7

%に相当す る活性が中腸で検出された。すなわち天 639-643(1984)

11)SI (.TAtURA M. TU R, TAA A adA. O I, MASMUA H. N K , n ENK:

然セルロー スをグルコー スにまで加水分解するのに

e i l o.

I. ,43 12)M.o GlS MOY:Bi Chm.,

G ' k Guz7

Mo akkGt-sk ,800-802(1997) 必要な全てのセルラーゼ成分が唾液腺か ら中腸 まで 195,19-23(1951) の消化管内に存在 していた。 シロア リ体内に存在す 13)M. DEHA D, l. I O , nV. SPNE K.EERKSSNadLGPETR.. T E O :SSN

oc l co l- lty 0 77

A・ Bl/ten.,138,481-487(1984) るグルコー スと, グルコー スか ら合成 され昆虫のエ

武 : "生 物 J?LL項 験 の た め の 統 計 LJ芦人J一

門"

, 4

1) 山 田

pp.101-110,川島ユF店,項京 (1993) ネルギー源 として重要な役割 を果たす トレハロー ス

の大部分は,腸を除いたシロア リ組織 に存在 してお

l our N

15)U.K.LAMML:E t c,227,680-685(1970) り,また腸内の グルコー スのほ とん どが中腸で検出 16)PCVEVR, M. sA RW .' I.. IES A. Muc , . 0BRE, nNadM.LYSA- された。 これ らの結果は, シロア リに取 り込 まれた

(9)

下等 シロー/リの消化管内でのセルラーゼ系酵架の分布 とそれ ら辞架の部 分桁敏 27

TOR:I tnsecBiocehm.,12,35‑40(1982)

17)T.N UEIO ,K.M uR HIAS MA, .Ⅰ∫‑リ AzUMA A.u I T , n, S GMO O a d M .SLAYTOR:Ih L.wcPHYS/OL.,43,235‑242(1997) 18)M .HoGAN,P.C.VEtVERS,M .SLAYTOR,and R.T.CzoLり:

P ilyso.,

J

.I tnsec 34,891‑899(1988)

19)松 香 光束 :"昆虫の生物学 '',pp.65‑68,玉 川 大 学 出 版部,硬京 (1992)

20)J.K.M AULDtN,R.V.SMYTHE,and C.C.BAXTER:Insec t m.,2,209‑217(1972)

Bi

21)H.W ATANABE,M .NAKAMURA,G.ToKUDA,Ⅰ.YAMAOKA, h

oce

A.M .Scrivener,and H.Noda:InsectBiocehm.Molec, BiL,

22)B.HE

.

o 27,305‑313(1997)

NRISSAT and A.BAIROCH:Bi hoc・7ell.I.,316, 695‑696(1996)

(受理 :19979月30日)

参照

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