AnAn a l y s i s o f Japanese J u n i o r High S c h o o l S t u d e n t s ' Anx i e t y i n E n g l i s h Communication A c t i v i t i e s
教 科 ・ 領 域 教 育 専 攻 言 語 系 ( 英 語 )
安 田 樹 奈
1.はじめに
コース
平成10年度の学習指導要領の改訂により,
中学・高等学校における外国語の授業が必修と なり,
r
実践的コミュニケーション能力」の育成 に重点を置いた教育が行われるようになったoそれにイ料、今日の英語教育は,
r
読むことJ•r
書くことjから「聞くことJ•
r
話すことJを重視 したものへと転換し,その結果,教師は授業場 面においてより creativeでauthenticなコミュ ニケーション活動を導入し始めるようになったOしかしながら,~線制3 より creative で、 authentic なコミュニケーション活動を行えば守子うほど,
学習者のコミュニケーションに対する意欲は高 まるどころかむしろ低;くなると同時に,コミュ ニケーションに対する不安が引き起こされ,さ らには不安を強化させているとしづ新居環が生 じていると考えられる。つまり,実践的コミュ ニケーション能力育成の影には,学習者のコミ ュニケーションに対する不安特に聞く・話す ことに対する不安が常に存在していると言えるD
上記の問題に着服した拙論(2004)では,言語活 動場面における学習者の不安の複数要因を見出 いそれらの関係性を明らかにすることによっ て英語学習者が感じる不安を軽減するための手 がかりを得,それらをもとに外国語不安軽減の ための複数のアプローチを見出した。そこで本 論文では, (1)外国語不安の明確な概念,定義を 提示すると同時にそれらを分類,体系化するこ
指 導 教 員
山 森 直 人
と, (2)中学生を対象とした質問系局周査によって,
外国語不安の実態およひザト国語不安の自己認識 の実態を明らかにすること,そして(ゆ拙論 (2004)から見出された外国語不安軽減のための アプローチの有効性について検討,検証するこ
とを研究目的として設定した。
2. 概要
第一章では,本研究の目的と意義について述 べた後,第二章では,外国語不安に関する先行 研究を基に,外国語不安の定義,概念について 考察を加えた。その結果,次の3点が明らかに なったo
1)外国語不安とは,
r
外国語学習に特有の,緊張,興奮,懸念,心配,恐れといった情意要因の 複合体Jである。
2)外国語不安には,入力段階,処理段階,そし て出力段階において,外的要因および、内的要 因により引き起こされる不安がある。これら を組み合わせた結果, 6つの外国語不安の類 型が柄生する。
3)外国語不安への対処法として, (1)認識, (2) 克服, (訪軽減, (4〉解消の4つがあるが,有効
と考えられる対処法は外国語不安を(1)認 識 し,
ω
克服することである。そして,第三章では, (1)中学生の外国語不安 に対する自己認識の実態,そして, (2)中学生の 外国語不安の実態を明らかにするために,徳島
‑284‑
県およひと香川県公立中学校の生徒(計 2校 510 名)を対象に,二回の質問手局間査を行った。その 結果,次のことが分かったo
まず, (1)に関しては,英語の授業において全 体の約4割が不安を感じており,学年が上がる につれ,不安を感じる生徒は増える傾向にある こと,そして,言語活動場面における不安につ いて,自身の言葉で、表せる生徒は全体の約1割 柄生することが分かったo また,言語活動にお いては,適切な表現方法が見つからないことが 不安の原因となっていた。さらに,不安を感じ る生徒の内, 自身の不安の原因について説明で、
きた生徒は全体の約4割で、あったこと,そして 不安を感じる原因の内容には,学年間の差は見
られないことが明らかになった。
そして, (2)中学生の外国語不安の実態に関し ては,本論文から見出された 12の外国語不安 の類型の内,全体の5害時呈度の生徒が5つの不 安の類型を感じていること,そして,言語活動 場面においても学年が上がるにつれ不安を感じ る生徒は増える傾向にあることが分かったo ま た言語活動場面において,聞くことよりも話 すことに対する自信のなさや緊張から引き起こ
される不安を感じる生徒が多いことが明らかに なった。さらに,生徒は, 自身の外国語不安の 原因について,どのような段階およひ要因によ り引き起こされているのかを十分に説明できる 程には認識していないことが分かった。
3. 教育的示唆
外国語不安に関する先行研究の概観,そして 二回の質問紙調査の結果を基に,教師そして生 徒の 2つの側面から,以下の教育的示唆を挙げ る。
まず,教師の観点から,貌市は,生徒の外国
語不安の実態を把握すると同時に,その実態に ついて生徒に説明する必要があるD また,生徒 が自身の不安について自分の言葉で伝えること ができるような人間関係および環境面の配慮が 求められる。そして,各学年の不安の実態を把 握し,それに合わせて,不安を克服するためア ブローチを行うことが重要である。次に,生徒 の観点から,生徒は,自身の不安の原因につい て肯定的に認識すると同時に, 自身の不安に合 った対処法lこっし1て教師とともに考えていくこ とが望ましい。そして,生徒は,外国語不安の 実態について,より具体的に自分の言葉で教師 に説明できるように本論文から見出された外 国語不安の類型について知ることが重要である
と考えられる。
4. 今後の課題
本研究から,以下の要点を今後の課題として 示す口
①言語活動場面の具体的な活動内容につして考 察を加えると同時に,言語活動場面において 感じる不安の実態についてさらなる分析を行
フ。
②本研究から明らかにされた,中学生の外国語 不安の実態を基に, 日本人中学生の外国語不 安についてより明確な類型を示す。
③生徒一人ひとりの外国語不安の実態に合った 対処法を考える上で,個人間の外国語不安の 傾向について考察を加える必要がある。
④調査倍果を基に,外国語不安軽減のためのア ブローチのさらなる研究と具体的な指導法の 研究が求められるD
Fh
d
o o
ηノω