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ヴァイオリンの演奏表現における身体意識のあり方

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Academic year: 2021

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ヴァイオリンの演奏表現における身体意識のあり方

ーブノレッフ作曲 スコットランド幻想曲O p . 4 6 の演奏を通して一

鳴門教育大判に判完学校教育研究科 新ヰ・領域教育専攻芸術系(音剣コース 松田幸恵

[修了演奏:ヴァイオリン独奏]

演奏曲目

マックス・ブノレッフ作曲 Max  Bruch 

スコットランド幻想曲

O p . 4

6  Scottish  Fantasy 

Op

us 46 

1 . はじめに

音楽は,音による時間芸術であり,拍子・リ ズム・テンポなどの時間構成,音程・調・和音・

音域などの音の構成に基づき,様々な形式に曲 を組み立て,奏者により奏でられることで成り 立つものである。そして,その音楽を聴くこと によって人は心が豊かになり 安らかな気持ち になる。ところが, 日ごろからヴァイオリンを 演奏する際に,常々問題に思うことがあったO

それは,音楽を演奏する際に心(人間の精神作用 のもとになるもの)と 身体(客観的にみた身体 の状齢が,上手く噛み合っていないことや,楽 曲の理解を深めることが欠如していることであ った。

筆者がヴァイオリンを演奏していて感じる具 体的な問題点としては演奏中に呼吸が浅くな ったり,あるべき音楽の流れと身体の動きが合 っていなかったり 無駄な動きで演奏を妨げて いたり,演奏に力みがあったりする点である。

この問題点から考えられる原因として,身体意 識の欠如と楽曲理解の欠如がある。

指導教員 松岡貴史

身体が心を支配するということは,ヴァイオ リンを演奏していて常に感じることである。舞 台で音楽を表現する人は,心の緊張は誰もが経 験する。その緊張には,良い緊張だけとは限ら ず悪い緊張もある。悪い緊張洲動くと不出来な ところや短所をあらわにしてしまう。その悪い 緊張を舞台で極力出さないようにするため,練 習を積み重ねるのだが,その練習の中で,背中 や手の痛みが引き起こされることがよくある。

身体に負担を与えていたのでは,悪い緊張料動 く割合が多くなり,良い演奏は生まれなし、。そ のようになる前に 自分自身の身体のあり方を じっくり味わい,知ることでより良い表現力を 生みだすことができるのではなし、かと考えた。

身体意識の欠如により,拍節感・フレーズ感 が希薄になり音楽が上手く伝わらず音楽的なコ ミュニケーションの欠如をまねしまた,拍節 感・フレーズ感を生みだすためには楽曲解釈が 当然必要となる。つまり,良い演奏や心地良い 演奏を生みだすには, しっかりとした楽曲角献

と身体意識の改善が必要であると考える。

2 .

研究の目的

ヴァイオリン演奏においては,難しいフイン ガリング明忠、運指など,高度な技術を要求さ れることが多し1傾向にある。そのため演奏する 際に,緊張で、こわばった筋肉により, リズムの 躍動J惑が作動不能に陥ることがある。そこで,

身体意識を高めることによって,実際に無駄な

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(2)

駄な緊張を排除し,本来の力を発揮できるよう,

また演奏技術においても,必要なだけの労力で,

より簡単に,より楽に演奏することができるよ う,実騨句な取り組みを行い,この研究を通し て得たものを,自分自身の演奏そ後進の指導に 反映させることを目的とする。

3 .

研究の概要

ヴァイオリンを演奏する際に,常々問題爵哉 をもっていたが,それを解決すべく,これまで にも高岡英夫,甲野善紀,野口三千三等の著書 を読んだり,ヨガ,気功などの実践を行ったり していた。しかし,それらは音楽に関すること ではなく身体中心のもので、あったO そこで,身 体に関する文献を研究し,さらにそれらをヴァ イオリン演奏に役立て,応用し,音楽にどのよ うに結びつけていくかということを,つまり身 体意識というものを音楽に活かすためのあり方 を考察しまとめた。具体的には,以下の手1)頂 で研究を進めた。

第1章では,感覚や感情が「こころ」から生 み出されていると考え,その「こころ」はどこ

ら生まれているのかについて考察した。そして,

音楽によるコミュニケーションについて考え,

身体意識の必要性iこついて考察した。第2章で は,呼吸の構造と身体の動きを正確に知り,腹 式呼吸を取り入れ,丹田からの呼吸の発信を可 能にした。そして呼吸の通りを良くするため に身体のバランスについて考察し,改善へと導 いた。さらに,身体の動作について考察し,自 然な身体の流れを身に付けた。また,身体と楽 器を一体化することで,豊かな音楽表現へと繋 がるよう考察し,身体意識を高めた。第3章で は,呼吸による自由自在な身体のコントロール を手に入れ,緊張と弛緩のリズムに乗ってリラ ックス状態での呼吸を,演奏に活用し,ヴァイ

オリンを構える際に,身体の中から生まれるバ ランスを確立した。そして,ヴァイオリン演奏 における動作へと繋げるために実践を行った。

さらに,演奏において楽器と身体の一体化につ いて考察し,身体意識の改善による自然な演奏 を可能にした。第4章では,音楽構成の尺度と なる拍について考察し,音楽の周期的な即働を,

拍節であると考えて拍節について考察した。そ して,拍節運動における強拍・弱拍を拍節感と いう意味合いにおいて,様々な視点から捉えた。

さらに,身体制吏いフレーズ感・構成惑を捉え ることについて考察した。第5章では,ブルッ フ作曲スコットランド幻想曲Op.46におし1て 以上のことを探究した。まずは,作曲家につい て知り,楽曲の背景を調べ,楽曲分析を行った。

そこから楽曲の拍節感・構成惑を具体的にどの ように捉えるかということを考え,そこで、,身 体意識をどのように働かせるかとし、う観点から,

演奏上のポイントを挙げて,実際に演奏した。

その後,楽曲解釈の面からフィードパックし たり,身体競哉と表現とし、う関連でフィードバ ックしたりして考え直し,より制楽されたもの にしていくことを目指した。

4 . おわりに

本研究を通して,自分自身の身体意識のあり 方を知覚することができた。また,呼吸感,重 心感等を身体で捉え,拍節感併薄成惑を高め,

楽曲に活かすことが出来た。実際にヴァイオリ ン演奏に繋げるには, 日々の実践を継続するこ とが必要である。今後も,身体意識について深 く追求し,さらにヴァイオリン演奏を高めて行 きたい。そして演奏指導においても,技術と共 に身体意識について学ぶ機会を与え,身体につ いての知識をもっ気運が高まるように,後進の 指導にあたることが出来ればと願う。

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参照

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