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著者 杉山 康彦

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Academic year: 2021

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「和光大学総合文化研究所」10周年記念に寄せて ( 和光大学総合文化研究所十年誌 : 1995‑2005) (総 合文化研究所の十年に思うこと)

著者 杉山 康彦

雑誌名 東西南北

巻 2006

ページ 282‑283

発行年 2006‑01‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1073/00003358/

(2)

「和光大学総合文化研究所」が発足して10年と聞き慶賀に堪えません。

1995年の発足当初はやっとできたという嬉しさでいっぱいだったことを思い 出します。

 この研究所の前身として「和光大学共同研究機構」という機関がありまし た。こちらは正式には1991年度からの設立になりますが、私の記憶が正しけ れば1983年に当時の人文・経済の両学部長であった石原静子・飯沼博一教授 の提案によっていくつかの「共同研究グループ」が募られ、大学の予算が下 りたのが始まりだったと思います。

 そのグループが相互に接点を持ち、それぞれの研究を活性化させようと始 動したのが1984年度からということになりますが、こういった学部・学科、

そして専門も超えたテーマで、各学部の教員がそれぞれの壁を取り払って互 いに研究をするというエネルギーは、さらに遡って大学紛争の頃からあった ものではなかったかと思っています。

 改めていうまでもありませんが、和光大学は1966年に創立され、当初は1 年生だけの牧歌的なのんびりとした大学でした。しかし、まもなく全国的な 大学紛争の波に押され、激しい闘争の時代が訪れました。初代の梅根悟学長 はそうした学生の問いかけに正面から立ち向かい、先頭に立ち、熱心に対話 を続けられました。われわれ教員も、その熱意に引きずられるように学生の 追求に答えようとし、機動隊を導入することもなく、身体を張って粘り強く 対応し続けました。その闘争は長期にわたり、教員も学生も精根尽き果てま したが、そういった対話を通して、学部学科を超えた教員同士が深く知り合 うことにもなりました。その頃から、私はこのエネルギーを共同研究という 形で生かしていくことはできないかと考えていました。

「和光大学総合文化研究所」が発足した1995年という年は、和光大学創立30 周年という節目の年でもありました。梅根学長が大学創設時に掲げた理念と

282 ―――

十年誌総合文化研究所の十年に思うこと

「和光大学総合文化研究所」

10周年記念に寄せて

杉山康彦

 総合文化研究所初代所長

渡部麻子 聞き書き

(3)

――― 283 して「大学は第一に研究機関である」というのがあります。大学は教育の場 でもあるけれども、まずは研究機関でなければならない、というものです。

そして、その研究とは教員だけではなく、学生の学習もまた研究なのだとい う考えでした。「和光大学総合文化研究所」のシンポジウムの参加者は教員も 学生も対等の立場にあり、対等の研究者として誰が発言してもいいという建 前になっています。そういう意味で、この研究所は大学創設以来の理念を貫 いていると言えます。そしてまた、他大学にはあまり類のない特色の一つで あると思ってきました。

 今では職を退き、遠くから和光大学を見つめる立場にありますが、近年の 大学の置かれた状況―――研究機関としてよりもむしろ教育機関としてその 存在を求められるという現状―――のなかで、この「和光大学総合文化研究 所」の果たす役割はさらに大きいものになると思っています。これからもま た、さまざまなプロジェクトによる活発な活動を期待してやみません。

2005. 7. 22

(すぎやま やすひこ)

(初代研究所長、杉山康彦先生は2005年9月30日逝去され、病気療養中に口述され たこの文章が絶筆となりました。ご冥福をお祈りします。

参照

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