総合都市研究 第
5 0
号1 9 9 3
形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について
1.はじめに
2 .
土地利用による地区分類3 .
土地利用の秩序性4 .
土地利用を見る単位5 .
おわりに一今後の課題と展望1 2 1
玉 川 英 則 *
要 約
都市を分析する際に重要なテーマの一つに土地利用がある。本稿は、メッシュデータを 前提とした、その形態的側面の分析手法について
3
つの観点から方法論の提示・考察を行い、またこの側面で、の今後の土地利用分析の展望を示したものである。
上記の観点とは、①土地利用による地区分類とその変化の比較分析;②同種用途の集塊 性・異種用途聞の隣接性といった秩序性;③土地利用をメッシュデータ化する際の最適 メッシュ規模の
3
点である。①については、クラスタリングと判別分析を併用する手法の 有効性について考察し、高崎市および東京2 3
区を対象としたケーススタディを示した。② については、J o i n
、Clump
、エントロビーといった、統計学や情報理論で扱われている概念 で、 ミクロなレベルで、の土地利用ノ4
ターンの違いを表現できることを示した。さらに、③ については、メッシュデータを一種の多項分布モデ、ルとみることにより、AICC
赤池情報量 基準〉を用いて、土地利用の同質性という観点から最適メッシュ規模を定めることが可能 であることを示した。1.はじめに
都市を分析するあるいは解析するというときの 解析あるいは分析とは、ある側面とかある断面で 物事を切り落として見せること、ということがで きる。一方、都市は、かなり複雑な集合体、すな わち、物もあれば人もいて、いろいろなものが流 動しているという場であり、ある断面だけを切り
*新潟大学工学部建設学科
落として都市を捉えることは果してよいことなの か、という問題は残るところである。だが、あえ てそういうことをやってみる必要もあるように思 う。ある断面でどこまで都市現象が切れるか、と いうことをつきつめておくことは、運がよければ 本質を失わない単純化ということにつながってい くだろうし、そうでなくても、その有効性の限界 を見極め、それ以外の断面の必要性を明示するこ
とにもつながると思うからである。
1 2 2
総合都市研究第50
号1 9 9 3
この小論では、そのーっとして土地利用の分析 を考える。その中でも土地利用ノミターンとか、土 地利用の形態的な秩序といったものをどう客観的 に、特に計量的に捉えるか、ということはなかな か頭の痛い問題であり、以下、それらのいくつか の側面について述べてみることにする。なお、本 稿は、既に著者が都市計画学会等で発表した論文 (後述の
5
つの文献)の内容を土地利用分析とい う一本の軸に沿って補足・解説するものである。2 .
土 地 利 用 に よ る 地 区 分 類まず、第一に、土地利用による地区分類・地区 の性格付けということについて考えてみたい。都 市、例えば、何々市、あるいは、東京都、東京2
3
区といった地理的集合体があって、それを何等か の形、何等かの基準でもって分類するというよう なことがしばしばなされる。これは、都市を理解 するためには非常な重要な方法論である。これに は、単独の指標でいくつかの地区に分類していく とL
、う方法論がとられた時代もあったが、1 9 6 0
年 代頃から、多変量解析の一手法である因子分析を 応用することが行われた(Jo h n s t o n
(19 7 6 )
にそ の流れが述べられている〉。都市の複雑な様相をい くつかの変量に束ね、その変量の大・小をいくつ かのランクに分け、都市を性格付けて地区分類を 行うというものである。しかしながら、この手法を、土地利用分析で試 みるとあまりクリアな結果が得られない。表
‑1
に示すのは、群馬県高崎市の都市計画基本調査で 作成された土地利用現況図を資料として、25m
ポ イントサンプリングデータをつくり、それをもと に500mメッシュごとの土地利用比率を求め、そ れを使って因子分析(主因子法による〉を行った 結果(因子負荷量および寄与率)である。カテゴ リーとしては、住居、商業、工業、公共、農業、運輸・供給施設地、道路、鉄道、河川、未利用地、
山林・原野・荒地・湿地の11個を用いている。昭 和
4 5
年の土地利用について行った表‑1
の寄与率 を見ると、第一因子、これは一番説明力の強い因 子にもかかわらず24.21%という非常に低いパー表
‑1
高崎市における土地利用の因子 分 析(昭和
4 5
年の500mメッシュ3 7 6
個につ いて〕因子負荷
カテゴリー II III 住居用地 一
. 6 6
一. 3 4 . 1 7
商業用地 一. 7 2 . 0 5 . 1 3
工業用地 一. 2 1 . 3 1
一. 3 8
公共用地 一. 5 7 . 0 9 . 3 9
農業用地. 5 1
一. 7 9
一. 2 4
運輸・供給 一. 3 6 . 2 6
一. 5 6
道路 一. 8 3 ‑. 2 5 . 1 0
鉄道‑.23 . 2 2
一. 6 9
河川. 1 5 . 0 7 . 1 9
未利用地 一. 1 2 . 1 7 ‑. 2 1
山林・原野. 3 6 . 7 8 . 3 7
個有値2 . 6 6
1.7 0
1.4 4
寄与率(%)2 4 . 2 1 1 5 . 5 2 1 3 . 1 5
センテージでしかなし、。
3
因子合わせた寄与率(累 積寄与率)でも、ょうやく半分程度ということで、非常に低く出てしまうことがわかる。
この原因として、いくつかのことが考えられる が、一番大きいのは、土地利用比率は、足して100%
であり、どれかが多ければどれかが低いというよ うな逆相闘がすでに変数中に組み込まれていると いうことであろう。また、このようにカテゴリー を1
0
個以上も細かく割ると、それぞれのポイント 数が非常に少なくなるものが出てきて、あまり データの相関性がうまく検出されない。こういっ た理由で、因子分析的な方法論がうまく適用でき ないのである。この欠点を解消するため、因子分析以外の方法 として、非常に素朴な方法であるが、クラスター 分析を試みる。これは、簡単にいえば、土地利用 比率の似ている部分をくっつけていくということ である。各メッシュについて計算されているカテ ゴリー別の土地利用比率について、比率構成の近 い500mメッシュ同士を順次アグリゲートしてい
くという方法である。
玉川
1 :
形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について1 2 3
住居 商業 工業 公共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原
1
鴇褐...2 0 . 6 4 . 6 8 . 9 5 . 9 3 3 . 2
1.2 8 . 6
1.7 3 . 0 3 . 2 9 . 1
2
:~~{1 0 . 0 0 . 7 0 . 7
1.3 7
1.5 0 . 2 5 . 7 0 . 1 2 . 5
1.0 6 . 2 3 I H 3 . 1
1.0 0 . 0
1.0 1 4 . 2 0 . 1 3 . 0 0 . 0 0 . 9 2 . 1 7 4 . 6
但、運供:運輸・供給施設用地、未利:未利用地、山原.山林・原野・荒地・湿地 図
‑1
高崎市昭和45
年土地利用のクラスタ一分析結果及びクラスター別土地利用比率(%)
図 lに昭和4
5
年のデータについてクラスター 分析をかけた結果を示す。様々な手法があるがこ こではWard
法(矢島・王(19 7
1)参照)を用い ている。高崎市域について、3
つの群に分かれて いる。L
、くつに分けるのが最もよいかについては、柳沢・大隅(1
9 7 9 )
によれば、クラスター数基準 という指標、VRC
とか、B e a l e
のF
とか、Mar‑
r i o t t
のC
とか、Marrona
&J a c o v k i s
の ? な ど がある。この中で、対象データについて言えば、B e a l e
のF
の動きが最もわかりやすく、図2
に 示したように、飛ひe上がっているところが最適グラスターを与える点である。これに対応する分類 が、図
1
の1
、2
、3
の3
地区分類であるが、図中のクラスター別土地利用比率表をみればわか るとおり、
1
番は、住居用地が多い所、2
番は、農業用地の比率が一番高い所、
3
番は、山林・原 野である。当然と言えば当然の結果ではあるが、このような客観的分類が、一応はできるというこ とになる。
ここで、群がどのように変わったかとか、同質 的な地域というのがどのように変化していったか という年度間比較をやりたいという場合どうした ら
L
、いかという問題がでてくる。例えば、高崎市 域の45
年のクラスターを分けたのと同じ基準でF •
• • • • • • • • • . • •
.・..・ .工
1 0 1 5 2 0
図
‑2
対象データについての8 e a l e
のFの動き1 2 4
総合都市研究第50
号1 9 9 3
グループ数 =3
2
1 と 2 を分ける判別関数
a12・X=b121 と 3 を分ける判別関数
a13・X二b132 と 3 を分ける判別関数
a23・X=b23サンプノレ
x'一一今砂 判別得点
Zik】=akl・x'(例えば)若い番号のグループの方が得点が高いとして、
Zl12
ミ
b12・ ・ ・ ・ ・ ・ ①
ZI13二三b13
・ ・ ・ ・ ・ ・ ②
Zl23二三b23
… ③
①かっ②一一歩 i はグループ lとする
①かつ③一一~i はグループ 2 とする
②かっ③一一争
1はグループ 3 とする ( は否定を示す)
いずれのグループにも分類されない領域:グレーメッシュの存在範囲
図
‑3
クラスタリングと判別分析を併用する手法のクラスター数3
の場合の模式図もって
5 4
年の分類を考えたいということである。昭和
4 5
年の土地利用比率と5 4
年の土地利用比率を 別々にクラスターをかけると分ける基準が変化し てしまうし、両年度をプールしてクラスターをか けるとどちらの年度にとっても中途半端な基準で 分けてしまうというおそれがある。そこで考えら れるのは、一方を分けておいて、その基準を求め、それを用いて他方を分けるということである。
すなわち、判別関数(ここでは線形判別関数に 限定〉を応用した以下のような手順(詳細は玉川
(1
9 8 4 ) )
が有効となる。①クラスタリングにより、一方を分類する。
②①で得られたクラスターについて
2
群毎に判 別関数(各カテゴリーの重み付け〉を求める。③②で、得られた判別関数を基準として用いて比 較したい双方を分類する。
例えば、クラスターが
3
つの場合の模式図を図‑ 3
に示す。第1
群と第2
群を分ける基準、第2
群と第
3
群を分ける基準、第3
群と第1
群を分け る基準を求め、それらを用いて分類を行うことに なる。どの分類にも属さない部分(グレーメッシュ と呼ぶ)を認めることがこの手法の特徴である。実際に、昭和
4 5
年の最適クラスターから判別関 数を求め、それによって昭和4 5
年のメッシュを再 分類した分類図を図ーしさらに比較したい昭和5 4
年のメッシュを分類したものを図‑5
に示す。これにより
4 5
年での3
つの地域は昭和5 4
年で、どう いう広がりになってきているかということがわか る。1
番のグループ、すなわち宅地化している地 域が外延化している様子がこういった図で表現できるということになる。
一方、昭和3
5
年DID
内すなわち既成市街地に限 定した地域を全体として分類した場合、興味深い 結果が得られている。この範囲において昭和4 5
年 の土地利用と5 4
年のそれを比較する。この比較で 意外なことが出てくる。地域分類としては、先の玉川.形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について
1 2 5
(図はグレーメッシュ〕
住居 商業 工業 公共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原│
1 2 認 2 2 . 1 4 . 8 9 . 2 6 . 1 3
1.0
1.2 8 . 9
1.9 3 . 1 3 . 4 8 . 2 2
ぜ .♂1 0
.4 1.1
1.6
1.5 7
1.4 0 . 2 5 . 8 0 . 1 2 . 3
1.0 4 . 5 3
1¥1 4 . 7
1.0 0 . 2
1.9 2
1.0 0 . 5 3 . 7 0 . 1
1.6 2 . 1 6 3 . 3
但、運供:運輸・供給施設用地、未利:未利用地、山原:山林・原野・荒地・湿地図
‑4
判別基準による高崎市昭和4 5
年土地利用の再分類及びグループ別土地利用比率(%)住居 商業 工業 公共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原
1
司I~2 6 . 2 5 . 3 7 . 1 6 . 8 2 5 . 9
1.9 1
1.2
1.5 2 . 7 4 . 1 6 . 7
2 1 2 . 1
1.2
1.5 2 . 3 6 3 . 7 0 . 6 9 . 2 0 . 1 2 . 6
1.3 4 . 6
3 1 ¥ 1 6 . 8
1.0 0 . 4 3 . 0 1 5 . 5 0 . 4 4 . 7 0 . 1
1.6 2 . 9 6 3 . 5
但、運供:運輸・供給施設用地、未利:未利用地、山原:山林・原野・荒地・湿地 図‑5 判別基準による高崎市昭和5 4
年土地利用の分類及びグループ別土地利用比率(%)1 2 6
総 合 都 市 研 究 第5 0
号1 9 9 3
住居 商業 工業 公共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原
1 • 2 3 . 8 3 6 . 6 4 . 3 1 2 . 9 0 . 3 2 . 8 1 7 . 1 0 . 0 0 . 3
1.8 0 . 1
2
::::::4 5 . 6 1
1.1 5 . 8 8 . 7 9 . 1
1.1 1 2 . 7
1.0
1.2 2 . 3
1.1 3 2
1.6 5 . 5 4 . 9 3 8 . 3 9 . 1 0 . 8 1 0 . 5 0 . 0 3 . 1
1.0 5 . 1 4 • 2 3 . 8 8 . 6 2 7 . 3 4 . 3 3 . 3 7 . 5 1 2 . 0 8 . 5 0 . 8 2 . 5
1.3
5 養 護 8 . 8 2 . 7 2 . 4 1 3 . 6 3 . 7
1.0 4 . 4 0 . 0 1 8 . 2 0 . 8 3 9 . 4
図‑6
高崎市昭和3 5
年010内の昭和4 5
年土地利用による地域分類及び土地利用比率(%)
住居 商業 工業 公共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原
1 E 2 7 . 9 3 2 . 7 2
.41 0 . 0 0 . 0 3 . 5 1 9 . 5 0 . 1 0 . 3 2 . 9 0 . 1
2
~~ヲ'::::、 :;5 0 . 6 8 . 3 5 . 4 8 . 9 4 . 3
1.6 1 5 . 1 0 . 2
1.0 2 . 7 0 . 7
3 . 、 . ・ ; ・ 2
1.5 5 . 2 2 . 9 4 0 . 5 6 . 8 0 . 9 1
1.2 0 . 1 2
.42 . 5 5 . 7 4 5 •
霊祭2 3 9 . . 9 5 7
1.. 3 8 2 2
1.. 4 9 1 2
1.. 1 8 4 2 . . 6 4 0 7 . . 0 1 1 2 9 . . 5 3 0 8 . . 7 0 1 0 2 . . 6 6 1 1
1.. 5 8 4 0 6 . . 8 9
図ー
7
高崎市昭和3 5
年010内の昭和5 4
年土地利用による地域分類及び土地利用 比率(%)1 2 7
玉川.形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について品 ︒
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ホ キ ホ ウ o x x x 江 頁 + x x x x x x x x w H X 江 江 河 江 X X X H H 牛 + + X ・ 時 H H 貰 江 河 X X H H E + 江 X X X X H H H H ウ キ
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ι住居 商業 工業 公 共 農業 運供 道路 鉄道 河川 未利 山原
1
※1 5 . 4 2 7 . 8 3 . 4 1 2 . 1 0 . 0 3 . 3 2 7 . 9 2 . 7 2 . 0 4 . 9 0 . 0 2 ) : l 4 9 . 8 7 . 5 2 . 5 9 . 5 4 . 2
1.3 1 6 . 1
1.6 0 . 5 6 . 1 0
.43
今1 9 . 7 4 . 4 4 . 5 2 6 . 8 2 . 3 3 . 0 1 3 . 9
1.7 1 1 . 5 8 . 9
1.2 4 宇 2 2 . 2 6 . 2 1 2 . 1 7 . 0 2 . 5 8 . 1 1 7 . 1 4 . 8 3 . 6 1 5 . 2 5 2 . 1 0 . 4
1.5 4 . 7 0 . 2
1.8 4 . 0
1.2 6 6 . 0 7 . 1 2 . 3
高崎市昭和
3 5
年DID
の分類基準・東京2 3
区昭和5 6
年土地利用による地域分 類図
‑8
1 2 8
総合都市研究第50
号1 9 9 3
B e a l e
のF
の基準でいくと、5
つに分けるのが最 適となり、上記のプロセスで得られた図←6
に示 すとおり、1
番は商業用地の一番卓越している所、2
番は商業もある程度あれば住居用地もある所、3番は公共用地が多い所、 4番は工業用地が卓越 している所、それから最後の
5
番が山林・原野や 河川を含む所と分類される。これを、9
年後の昭 和5 4
年の図一7
と比較すると、1
番の部分が2
次 元的な広がりとして縮小していることが示されて いることに気づく。高崎駅を中心とした商業集積 地が形成される一方で、周辺商業地が衰退している状況が推測される分析結果である。
また、参考までに上記の高崎市昭和
3 5
年DID
の 分類基準で、東京23区を分けた分類図を図 8に 示す。このような都市間比較もこの手法により可 能となるわけである。3 .
土 地 利 用 の 秩 序 性次に、よりミクロなレベルでの土地利用のパ ターン、とくに用途の集塊・分散、隣接・排反と いった側面について考えてみよう。
例えば、図
‑9
のような簡単な3
つのメッシュ データをつくってみる。いずれも全体が16
個のセ ルに分かれており、黒用途と白用途だけで全体が できている。この場合、図の3
っとも土地利用比 率は全く同じである。左側の図も、まん中の図も、右側の図も、黒用途半分、白用途半分というよう な形の土地利用比率を構成するということであ る。従って、比率だけでは捉えきれないものが土 地利用のパターンという場合にはあることがわか
る。
このように、パターンの違いをどう捉えるかと いうことで、ほかの分野で行われている研究など を参考にして分析したのが以下に示す、
Clump
と か、J o i n
とか、エントロビーということである。まず、
Roach
(19 6 8 )
が提起したClump
という アイディアがある。塊の数ということである。約 束事として、縦、横方向にメッシュが連結して、斜め方向には連結しないと見ると、例えば、図
9
の左の図では、黒い塊1
個、白い塊1
個、まん中盟主盟豊富
CLUMPIH CLUMPft2 CLUMPft8
図‑ 9 メッシュデータにおける Clumpの概念
題雪 量望
1 1 1 ‑黒 J 0 1 N = 1 0 m ー照 JOIN=8 黒ー黒 JOI.N=O
!ll一白 JOIN=( 照 ー 白 JOIN=12 黒ー白 J 0 1 N = 2 (
図
‑10
Joinの概念では、黒の塊2個、白の塊 2個である。そして、
一番右の図では、黒、白それぞれ
8
個である。そ れぞれ塊の数には違いが見られる。そういう形で、秩序性、集塊性が捉えられることになる。すなわ ち、この
Clump
の数を勘定して、パターンの違い が捉えられるということが一つある。なお、この 際、用途の生起確率を固定した条件のもとで、黒、白用途がランダムに生起する場合の
Clump
の数 が一つの基準となる。玉J I I
(19 8 7 a)
は、Roach
の 研究が無限に広がったメッシュを仮定してこの数 の上下限を推定していたのに対して、有限メッ シュに適用する場合の差異等について考察を行っ ている。もう一つには、黒セノレと黒セルが隣接している ところへ一本線を引っ張ってみるという方法もあ る。この線の本数が示すのは、黒と黒の隣接して いるぺアの数である。これを黒一黒
J o i n
という と、図1 0
の左の図では、黒一黒J o i n
が1 0
個とい うことである。まん中の図では、同じように引く と、黒一黒J o i n
が6
個あるということになる。一 番右では、斜めには連結せず左右と縦にしか連結 しないとL、う約束ごとに従うと、黒一黒J o i n
はな い、ということになる。同様に、黒と白の間のJ O i l l
玉川
1 :
形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について1 2 9
を引っ張ってみると、点線のようになるが、一番左の図では、黒と白の間の
J o i nは4
本ある。まん 中では、黒と白のJ o i n
は12
本、一番右では、黒と 白の聞のJ o i n
は24
本、これは、隣接するメッシュ を結んだものは全て黒と白のJ o i n
になってしま う。このようにパターンの違いが、非常に明確に 示される。この概念は、
1 9 4 0
年代頃から、Moran(
19 4 8 )
とか、KrishnaI y e r
(19 5 0 )
といった統計学の専 門家達が言い出したことであり、都市計画サイド では、現在東京大学先端科学研究センターの小出 (19 7 7 )
らの先駆的な研究がある。特に、用途の 生起確率が与えられた条件のもとでのJ o i n
数の 分布は、メッシュのセル数を多くすれば正規分布 に近付くことになり、実際の
J o i n
数 ‑J o i n
数の期待値J o i n
数の期待標準偏差がいわば偏差値的な意味をもつことになる。玉川 (1
9 8 7 a)
はこれをJ o i n
のクラス値と呼び、理論 的な検討を行っている。第
3
~こ、エントロビーという指標についてみて おく。これは、Clump
やJ o i n
のように特定の用途 が集塊しているかどうか、あるいは特定の用途の ぺアが隣接しているかどうかということではなく て、総合的に用途間の隣接性とか、集塊性に秩序 があるのかないのかということをはかるものであ る。いままでのようなメッシュ セル型の土地利用 データがあったとし、カテゴリーとしてn用途が 考えられるとする。第 i用途の生起確率を
P I
とおき、エントロビーH
1
を、H1
三 ‑~P I l o g z P i C
但, ~PI= 1)
と定義する。知られているとおり、H
1の最大、最 小は、H1 m a x = l o g z n H1 m 1 n=0
(但i任f
P I
二士円 ,ω
c i
汀fP 飢 1=1
,P 防 ;=0(
j主 ミ d))
で与えられる。すなわちすべての用途が等確率で 生起するときエントロビーH
1は最大となり、特定 用途が卓越するときH
1は最小となる。いわばH
1盟 歯
Z
閥 闇H1
1.0 0
1.0 0
1.0 0 0 . 8 1 Hz 0 . 6 5
1.0 0 0 . 0 0 0 . 9 0 H ( z )
1.6 5 2 . 0 0
1.0 0
1.7 1 R1 0 . 0 0 0 . 0 0 0 . 0 0 0 . 1 9 Rz 0 . 3 5 0 . 0 0
1.0 0 0 . 1 0 R ( z ) 0 . 1 8 0 . 0 0 0 . 5 0 0 . 1 5
国一11 エントロビーおよび冗長度の計算例
は生起確率の多様性の指標である。さらに、 i用 途のセルに
j
用途が生起する確率をq i j
と書き、エントロピ
‑H z
を、Hz
三ヱヱP l q i j l o g z q i j C
但,ヱq
lJ二1) で定義する。Hz
の最大、最小は、H2max=WI G f q
「t G
,j=I
,,n
〉)Hz m 1 n = 0 C i
fq i j = 1
,q l k = 0
C k ミ
j,i=l
,…, n)) で与えられる。すなわち、用途のぺアの隣接する 確率がベアの種類によらず等しいとき、Hz
は最大 となり、ある用途には必ずある特定用途が隣接す るときすなわち隣接するぺアが限定されていると き、 Hz
は最小となるわけである。また、エントロ ビーH ( z )
として、H ( z )
三 ‑~ ~P l q i j l o g z P l q i j
を定義すると、生起確率と隣接確率を合成した系 総体のエントロビーと考えることができるが、実 際、
H(z)=H1+ Hz
となることは容易に示される。以上の
Hl
,Hz
、H ( z )
が、上記のそれぞれの意味での土地利用パターン の無秩序性を計量する指標と言える。また、冗長 度といわれる量R、1 9 9 3
第5 0
号 総合都市研究1 3 0
p , t n
川p"
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大内島abp
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I1 PIlp "
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1IP
冊 '
は、最大エントロピーからの隔たりを示す量で、
いわば秩序性を表す指標として使うことができ、
上 記 の
3
つ の エ ン ト ロ ビ ー に 対 し て そ れ ぞ れ 札、R 2
、R(2)
が考えられる。これらの指標を使つての計量例を図
‑11
に示す。なお、紙面が煩雑になりすぎるので、実際の都 市におけるケーススタディは割愛させていただ く。輿味のある方は、高崎市と東京23区をスタディ した玉川
0987 a)
または東京都内の3
地区につ いて扱った玉川(982)
を参照していただきたい。メッシュデータのモデル化 図
‑12
を仮定した確率モデ、ルということができる。
ところで、こういった確率モデルのあてはまり の良さを考えるには、次の式で示される
AIC
とい う指標(詳細は坂元・石黒・北) ' 1 (983))
が有効 となる。AIC=(‑2)x
最大対数尤度+2x
自由パラメータ数AIC
とはAkaikeI n f o r m a t i o n C r i t e r i o n
の略 で、文部省統計数理研究所の赤池弘次氏によって 考案されたものである。この値が小さいモデルほ どよいモデルとされる。第一項の尤度とは、当該 のモテゃルを仮定した場合に観測されたデータの得 られる確率であり、その最大値の対数をとったも のが最大対数尤度である。ところで、この最大対 数尤度は、パラメータ数(モデルに含まれる変数〉が増えれば増えるほど一般的に大きくなるが、パ ラメータが多すぎるモデノレというのは予測に対し て不安定でよくない。それを補正している項が第 二項の自由パラメータの部分であり、最大対数尤 度が大きくてもパラメータ数が多すぎるようなモ デノレは、
AIC
最小のものからは除かれるという仕 掛になっている。土地利用メッシュデータの場合には、上記の最 大対数尤度は、各メッシュにおける当該土地利用 比率と多項分布モテ。ルの仮定から容易に計算さ れ、また自由パラメータ数は「メッシュ数 1
J
土 地 利 用 を 見 る 単 位上記
2
章で土地利用のメッシュデータを扱った わけだが、最後に、この土地利用をメッシュで切 る単位をどれくらいにすればよいか、またそれを 決める基準としてどのようなことがあるのかということを考えてみよう。
メッシュで切るということは、一種の同質的な 分類をやっていることに相当するのではなし、かと 考えられる。そうであるなら、メッシュで切って ここを
l
区画とし、隣接するところを別の1
区画 とする場合の同質性と、それらを2
つ合わせたも のを1
区画とする場合の同質性とどちらがほんと うに同質なのかということをうまく計量してやれ ばいいということになるo
具体的な定式化のプロセスを図
‑12
をもとにし てみてみよう。左の図では、一番細かし、単位のメッ シュすなわち1
x1
のサイズのメッシュがあり、この単位で各メッシュに対する、特定用途(例え ば住居用地〉の土地利用比率pijがはかられてい る。それを幾つかまとめると、右の図のように寸 法
axb
のメッシュごとの土地利用比率九1が算 出される。このとき、どの程度のA
あるいはB
が 土地利用の同質性という観点からみて確からしい かということになる。ここで、このメッシュのサ イズを定めP
k1を算出するということは、住宅用 地に属するポイントの全体をP
k1の確率でそれぞ れのメッシュに配分するという、一種の多項分布4 .
玉川
1 :
形態的特性の表現を中心とした土地利用分析手法について表
‑2
全域一律とした場合の土地利用カテゴリー別最適メッシュ(高 崎市・昭和4 5
年)用途 カテゴリー
ポ イ ン ト 数
(比率)無制約長方形 正方形 最適メッシュ 最適メッシュ
(縦×横)*l
住居
1569605.3%) 125m x 200m 125m x 125m
商業3 3 0 2 ( 3.2%) 200m x 250m 250m x 250m
工業3 6 6 5 ( 3.6%) 200mX250m 250mX250m 公 共 4 1 3 8 ( 4.0%) 250mX200m 200mX200m
農業46624(45.5%) 125mX 125m 125mX 125m 運輸供給 7 2 5 ( 0.7%) 400m X 500m 500m X 500m
道路7 4 2 0 ( 7.2%) 200mX250m 250mX250m
鉄道1 0 7 5 ( 1
.0%) 400mX500m 400mX400m
河川2 6 5 0 ( 2.6%) 250mX250m 250m X 250m
未利用地2 2 1 8 ( 2.2%) 250m X 250m 250m X 250m
山林原野14790(14.4%) 125mX200m 200mX200m
*)縦が南北方向、横が東西方向に対応。以下の表も同様。
(注〕全用途カテゴリーから「その他」を除いて示した。
(従って、用途比率の合計は
100%
にはなっていなし、)表
‑ 3
全域一律とした場合の土地利用カテゴリー別最適メッシュ(高 崎市・昭和5 4
年)用途
ポイント数
無制約長方形 正方形カテゴリー (比率) 最適メッシュ 最適メッシュ (縦×横)
住居