鹿児島県のゴルフ場経営状況に関する実態調査
竹下俊一
*,福島成美
**,山﨑利夫
*,前田博子
*,隅野美砂輝
*キーワード:ゴルフ場,料金設定,利用者増への取組み,鹿児島県
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鹿屋体育大学スポーツ人文・応用社会科学系
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イトマンスイミングスクール
第1章 緒言
スポーツ施設の中でも,ゴルフ場は年間利用者 数が延べ8700万人(2012年)に達し,青少年から 高齢者まで幅広い年齢層の顧客を持つ.しかし,
1997年には1億人の利用者数を上回っていたゴル フ場も,現在では13%も減っている.一方でゴル フ場の数は,利用者数とは反対に1997年の2370箇 所から2009年には2445と増加している(ゴルフ場 事業協会,2013).需要と供給のバランスからみ ても日本のゴルフ場は供給過剰な状態が続いてい る.
1991年のバブル経済崩壊以降の日本の市場に目 を向けると,慢性的な不況に陥り小売業を中心に 値下げ競争が広がっている.ゴルフ場の利用者数 の減少に加え,デフレからゴルフ場の利用料金も 下がる傾向にある(降旗,2012).業界首位のゴ ルフ場運営会社であるアコーディアゴルフや同 2位の PGM のグリーンフィやキャディーフィー 等の客単価は年々下降し,2004年には東京ディ ズニーランドの客単価と逆転している( 大滝,
2014).特に2008年のリーマンショックを発端に 100年に一度とも言われる世界的大不況で物や既 存サービスの需要が変化し,このデフレ状態で低 価格競争に陥っている業界もある.しかし,安易 にこのような低価格競争をしても利益を出すこと もできずに業績をさらに悪化させてしまっている 企業も多い.このまま値下げ競争を続けていて果
たして生き残ることが出来るであろか.
一般にレジャーにおいて支払われるサービスの 価格(利用料金)は,余暇時間に行われる余暇活 動として自らが能動的に動く状況下で,企業・団 体等がサービスの供給を行い,その結果として価 格という対価を払う(山口,1993).レジャー施 設で提供されるサービスの価格は製造価格,流通 価格,小売価格が混在したものとなっているが,
不況下では,サービスに付加価値をつけるといっ た非価格的な競争よりも価格に直接反映した競争 が相対的に激化し,製造価格よりも小売価格が優 先されるとされている(近藤,1998).これは地 方のゴルフ場の間でも同様で,値引き競争や会員 権価格の暴落となってゴルフ場の経営を圧迫して いる.
本研究では,昨今の長期にわたる経済不況下の ゴルフ場の料金やゴルファー市場に注目し,鹿児 島県のゴルフ場の料金設定や市場開拓の方策を明 らかにすることを目的とした.
第2章 調査方法
本研究では,ゴルフ場の料金設定の実態や今後 の利用者増への取組みを明らかにするため鹿児島 県のゴルフ場にアンケート調査を行った.アン ケート内容に関してゴルフ場業界誌である2011年 1月から2013年12月発行の「ゴルフ場セミナー」
24誌
注1)から設問項目を抽出した.また本調査を
注1)
ゴルフダイジェスト社出版の「月刊ゴルフダイジェスト」はテクニックやゴルフコース,そしてルールに関する情報 等を収録した月刊誌である.読者の4割が会社役員,管理職,もしくは会社経営者である(ゴルフダイジェスト社,
2014).本調査では,当誌第44巻1号~12号及び第45巻1号~12号を参考にした.
行う前に予備調査として平成25年10月に鹿児島県 ゴルフ協会理事長及び鹿児島県薩摩町のゴルフ場 総支配人にアンケート項目をもとに半構造化イン タビューを行い,内容の妥当性についても意見を 聴取した.
1.調査対象
本調査は,鹿児島県ゴルフ協会に登録してい る32コースを対象とした.
2.調査方法・日時
本調査は,2013年11月に鹿児島県ゴルフ協会 に加盟しているゴルフ場にアンケートを郵送配 布し,代表者もしくは支配人に記入後返信用封 筒にて回収を行った.
3.調査項目 1)年間利用者数
2)平日のビジターセルフ料金・土日祝日のビ ジターセルフ料金
3)利用料金の決め方(設定の基準・周辺のゴ ルフ場)
4)実施している特別料金や割引 5)特別料金や割引を行うタイミング 6)ジュニア育成への受け入れや取組み 7)ジュニア・シニア以外の利用者を増やす取 組み
8)その他ゴルフ場の属性
調査項目1)2)6)7)8)については,数 値あるいは文章を記入してもらい,3)4)5)
については5段階尺度(5:かなりあてはまる,
4:あまりあてはまらない,3:どちらともいえ ない,2:少しあてはまる,1:まったくあては まらない)で最も当てはまるものを選択しても らった.
注2)