平成28年度
「スポーツクラブ21ひょうご」
活 動 状 況 調 査 結 果
平 成 2 9 年 3 月
兵 庫 県 教 育 委 員 会
目 次
1 調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 調査結果の概要
(1)クラブ会員・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(2)クラブ会費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
(3)法人格の取得・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
(4)クラブの危機管理方策・事故防止対策・・・・・・・・・・・・・・5
(5)クラブの活動内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
(6)クラブ所属のスポーツ指導者・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
(7)クラブの事務局体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
(8)クラブの予算規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
(9)クラブの活動拠点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
(10)クラブハウス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(11)クラブ設立の効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
(12)クラブの現在の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
(13)クラブの現状把握・改善のための取組・・・・・・・・・・・・・22
(14)行政からの支援、行政との連携・・・・・・・・・・・・・・・・23
(15)クラブの特色ある取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
1 調査の概要
(1)目 的
「スポーツクラブ 21 ひょうご」事業により創設された総合型地域スポーツ クラブの活動内容、課題等を把握し、今後の総合型地域スポーツクラブの充実 発展のための基礎資料とする。(2)対 象
「スポーツクラブ 21 ひょうご」事業により創設された総合型地域スポーツ クラブ(3)実施方法
県内各市町「スポーツクラブ 21 ひょうご」担当課を通じて、「スポーツクラ ブ 21 ひょうご」事業により創設された総合型地域スポーツクラブに対して活動 状況(平成 28 年 7 月 1 日現在)を質問紙により調査(4)調査票回収状況
配布数 782 回収数 782 回収率 100.0% ※ 昨年度の調査では 786 クラブから回収している。調査終了後、 クラブの統合によりクラブ数が 782 となった。2 調査結果の概要
(1)クラブ会員(782 クラブ 総会員数 352,220 人 1クラブ平均 450 人) 図 1 は、1 クラブの会員数を示している。「101~300 人」が 44.8%(n=350)と最も高 い割合を示している。以下、「1~100 人」24.0%(n=188)、「301~1000 人」23.1%(n=181)、 「1001 人~」8.1%(n=63)の順である。平成 27 年度と比べると、1 クラブの会員数に ついて大きな変動はない。 図 2 は、クラブ会員の内訳である。最も高い割合を示したのは「小学生」の 20.8%で ある。第 2 位は「70 歳~」17.3%、第 3 位は「60 歳代」14.1%となっている。平成 27 年度と比べると、ほとんどの年代については大きな変化はみられない。スポーツクラブ 21 ひょうごの会員は、「小学生」と「中・高齢者」を中心として構成されているといえ る。(2)クラブ会費 図 3 は、クラブ会費の徴収について示している。「徴収している」と回答したクラブは 84.5%(n=661)となっている。「徴収していない」と回答したクラブは 15.5%(n=121) である。平成 27 年度と比べると、「徴収している」と回答したクラブの割合が 0.5 ポイ ント減少している。「徴収していない」と回答したクラブの割合は依然として約 15%と なっている。会費はクラブの自主運営のための財源の根幹であることから会費徴収が求 められる。 図 4 は、会費(月額)の徴収額である。「1~100 円」が 67.5%(n=446)と最も高い割 合を示している。以下、「101~200 円」16.5%(n=109)、「201〜300 円」6.4%(n=42)、 「301~400 円」5.3%(n=35)となっている。平成 27 年度と比べると、「1〜100 円」と 回答したクラブの割合が 3.1 ポイント、「301〜400 円」と回答したクラブの割合が 0.7 ポイント増加している。一方で「801〜900 円」、「1,001 円〜」と回答したクラブの割合 がそれぞれ約 1 ポイント減少している。依然として会費(月額)の徴収額が「1〜100 円」 のクラブの割合が 6 割を超えている。
(3)法人格の取得 図 5 は、「法人格の取得の有無」について示している。平成 27 年度の法人格を取得し ているクラブは 0.3%(n=2)となっていたが、平成 28 年度についても 0.3%(n=2)で、 増減はなかった。クラブの永続性を考える場合、NPO 法人などの法人格取得について検 討していくことが必要であろう。 図 6 は、「法人格取得の予定」について示している。94.5%(n=737)のクラブが「意 向なし」、5.5%(n=43)のクラブが「意向はあるが、予定なし」と回答している。 平成 27 年度と比べると、「意向なし」と回答したクラブの割合が 0.6 ポイント減少し ている。近年では「NPO 法人」、「認定 NPO 法人」といった法人格を取得しているクラブ もみられることから、法人格取得のメリットなどの情報を積極的に発信していくことが 求められる。
(4)クラブの危機管理方策・事故防止対策 図7は、クラブの危機管理方策・事故防止対策についてたずねた結果である(複数回答)。 最も高い割合を示しているのは「AEDがすぐに使用できる場所で活動」の61.3%(n=478) である。以下、「会員全員に保険を斡旋」39.6%(n=309)、「全員保険に加入」35.4%(n=276)、 「クラブ会員以外の参加者(イベント等への参加者)に保険を斡旋」27.4%(n=214)、「ク ラブとして賠償責任保険に加入」25.9%(n=202)、「緊急連絡網を作成」25.1%(n=196)、 「熱中症対策」24.7%(n=193)となっている。平成27年度と比べると、「AEDがすぐに使 用できる場所で活動」が3.7ポイント、「全員に保険を斡旋」が1.1ポイント、「参加者は 保険に加入」が1.3ポイント,「安全講習会を実施」が4.2ポイント増加している。その一 方で「熱中症対策」が2ポイント減少している。クラブのマネジメントや活動状況に応じ たさまざまな危機管理方策や事故対策が整備され、実施されていることが推察される。
(5)クラブの活動内容 図 8 は、クラブの活動種目数である。最も高い割合を示しているのは「6~9 種目」の 41.2%(n=322)である。次いで「3~5 種目」30.4%(n=238)、「10 種目以上」23.4%(n=183) の順である。平成 27 年度と比較すると、活動種目数が「3〜5 種目」のクラブの割合が 0.6 ポイント増加している。95%のクラブで 3 種目以上のスポーツを体験できる環境が 整備されていることがわかる。 図 9 は、活動種目を示している(複数回答)。第 1 位は「グラウンド・ゴルフ」68.0%、 第 2 位は「バレーボール」63.0%、第 3 位は「卓球」62.8%、第 4 位は「野球」49.7%、 第 5 位は「バドミントン」47.1%、第 6 位は「サッカー」43.1%となっている。
図 10 は、クラブ会員のうちクラブの運営を「支える」ための活動(各種手伝いや協力、 指導者、運営委員、寄付等)に携わっている者の割合について示している。最も高い割 合を示したのは「会員の 10%未満」の 50.4%(n=394)である。次いで「会員の 10%以 上 30%未満」17.8%(n=139)、「会員の 30%以上 50%未満」3.1%(n=24)、「会員の 50% 以上 70%未満」1.3%(n=10)、「会員の 70%以上」0.4%(n=3)となっている。一方で、 「把握していない」と回答したクラブの割合が 27.1%(n=212)となっている。約半数 のクラブにおいてクラブの運営を支える会員の割合が「10%未満」であることがうかが える。クラブの自主運営を目指していくために,今後はクラブの運営を支える会員の割 合を増やしていくことが求められる。 ※新しい質問項目のため H28 のデータのみ記載
(6)クラブ所属のスポーツ指導者 図 11 は、クラブの会員規模別にスポーツ指導者の人数を示している。全体平均では 1 クラブに 19 人のスポーツ指導者が所属している。会員規模が「301~1,000 人」のクラ ブには平均 36 人のスポーツ指導者がおり、「101~300 人」が 19 人、「1,001~」が 12 人 となっている。平成 27 年度と比較すると、「301~1,000 人」のクラブにおいてスポーツ 指導者の人数が大幅に増加している。 図 12 は、クラブ所属の指導者のうち、「有資格指導者」と「資格なし指導者」の割合 を示している。有資格指導者の割合は 35.1%(n=5,218)、資格なし指導者の割合は 64.9% (n=9,667)である。平成 27 年度と比べると、「有資格指導者」の割合が約 5 ポイント増 加している。
図 13 は、有資格指導者への手当の有無を示している。有資格指導者に手当が支給され ている割合は 4.7%である。平成 27 年度と比べると、約 3 ポイント減少している。約 9 割の有資格指導者はボランティアで指導していることがうかがえる。 図 14 は、資格なしのスポーツ指導者への手当の有無を示している。資格なしのスポー ツ指導者に手当が支給されている割合は 7.3%である。平成 27 年度と比べると、約 2 ポ イント減少している。資格なしのスポーツ指導者についても有資格指導者と同様にボラ ンティアで指導していることが推察される。
図 15 は、スポーツ指導者への手当の平均額を示している。手当の平均額は全体で 1,041 円、「有資格者」が 2,031 円、「資格なし」が 699 円となっている。平成 27 年度と比べる と、「全体平均」で約 400 円、「有資格者」で約 300 円、「資格なし」で約 500 円、それぞ れ減少している。 図 16 は有資格スポーツ指導者(n=4,991)の内訳を示している。「日本体育協会公認資 格所有者」が 13.7%(n=683)、「日本障がい者スポーツ協会公認資格」が 0.3%(n=15)、 「その他機関の資格所有者」が 86.0%(n=4,293)となっている。平成 27 年度と比べる と、「その他機関の資格所有者」が約 6 ポイント増加している。一方、「日本体育協会公 認資格所有者」が約 6 ポイント、「日本障がい者スポーツ協会公認資格」が 0.3 ポイント、 それぞれ減少している。
(7)クラブの事務局体制 ①クラブマネジャー 図 17 は、クラブマネジャーの配置の有無を示している。「配置している」と回答した クラブの割合は 4.6%(n=36)である。平成 27 年度と比べると、「配置している」と回 答したクラブの割合が 0.8 ポイント増加している。クラブマネジャーの配置はクラブの 永続的なマネジメントには必要不可欠であることから、今後も継続してその配置を呼び かけていくことが求められる。 図 18 は、クラブマネジャーの勤務形態(常勤・非常勤)を示している。「常勤」は 2.9% (n=3)となっている。平成 27 年度と比べると、「常勤」のクラブマネジャーが配置され ているクラブの割合は約 9 ポイント減少している。常勤のクラブマネジャーがいるクラ ブの割合は約 3%にとどまっている。
図 19 は、「常勤」のクラブマネジャーの手当の有無を示している。手当が支給されて いる常勤クラブマネジャーは 66.7%(n=2)となっている。平成 27 年度と比較すると、 手当が支給されている常勤のクラブマネジャーの割合は約 30 ポイント増加している。常 勤クラブマネジャーの手当について引き続き各クラブにおいて検討することが求められ る。 図 20 は、「非常勤」のクラブマネジャーの手当の有無を示している。非常勤クラブマ ネジャーで手当を支給されているのは 7.1%となっている。平成 27 年度と比べると、約 8 ポイント減少している。
図 21 は、クラブマネジャーの手当の平均額(日額)を示している。「全体平均」は 2,743 円、「常勤のクラブマネジャー」に対しては 10,528 円、非常勤クラブマネジャーに対し ては 519 円となっている。平成 27 年度と比べると、常勤のクラブマネジャーの手当の平 均額が約 4,000 円、非常勤のクラブマネジャーの手当の平均額が約 80 円、それぞれ増加 している。 ②事務局員 図 22 は、クラブの事務局員の配置について示している。「配置している」と回答した クラブの割合は 30.4%(n=238)である。平成 27 年度と比べると、大きな変化はみられ ないが、依然として事務局員を配置しているクラブは約 3 割にとどまっている。
図 23 は、事務局員の勤務形態を示している。「常勤」の割合は 3.6%(n=22)、「非常勤」 の割合は 96.4%(n=589)となっている。平成 27 年度と比べると、その割合に大きな変 化はみられない。「常勤」の事務局員が配置されているクラブの割合は依然低い値となっ ている。クラブ・マネジメントをより充実したものにしていくためにも事務局員の配置 について各クラブで検討していくことが求められる。 図 24 は、「常勤」の事務局員の手当の有無を示している。手当を支給されているのは 59.1%(n=13)となっている。平成 27 年度の調査結果と比べると、22 ポイント増加し ている。 図 25 は、「非常勤」の事務局員の手当の有無である。25.6%(n=151)の非常勤事務局 員が手当を支給されている。平成 27 と比べると、7 ポイント増加している。
図 26 は、事務局員の手当の平均額(日額)を示している。全体の平均額は 2,027 円で ある。常勤の事務局員に対しては 6,893 円、非常勤の事務局員に対しては 1,555 円であ る。平成 27 年度と比べると、常勤事務局員では約 700 円増加している。非常勤事務局員 では大きな変化はない。 (※1 クラブが平均値を押し上げている) ③ボランティアスタッフ 図 27 はボランティアスタッフの延べ人数をあらわしている。1~100 人が 89.8%、101 人~300 人が 8.0%となっている。約 9 割のクラブにおいて 1〜100 人のボランティアス タッフがクラブ・マネジメントや活動などに携わっている。クラブのさまざまな活動に はボランティアスタッフが必要不可欠であることが推察される。
(8)クラブの予算規模 図 28 は、平成 28 年度のクラブの年間予算についてたずねた結果である。「1~1,000 千円」44.1%(n=345)と最も高い割合を示している。以下順に、「1,001〜2,000 千円」 26.3%(n=206)、「2,001~3,000 千円」14.1%(n=110)となっている。平成 27 年度と比 較すると、「1~1,000 千円」と回答したクラブの割合が約 5 ポイント減少している。一 方で、「2,001〜3,000 千円」が 3 ポイント,「3,001〜4,000 千円」が 2 ポイント,「4,001 〜5,000 千円」が 1.3 ポイント、それぞれ増加している。年間予算が増加したクラブが 増えていることがうかがえる。
図 29 は、自己財源率を示している。自己財源率「0~10%」が 45.9%(n=359)と最も 高く、次いで「11~30%」が 22.4%(n=175)、「91〜100%」が 12.5%(n=98)、「31~50%」 が 9.5%(n=74)となっている。平成 27 年度と比べると、「91〜100%」が約 5 ポイント 減少している。自己財源率が「0〜10%」のクラブの割合が約 4 割となっており,依然と して自己財源率の割合が低い状況となっている。 (注)自己財源率とは、自己財源を「会費、事業費、委託費」とし、これらが全体収入に占める割合を いう。 図 30 は、「スポーツ振興くじ助成交付の有無」についてたずねた結果である。「一度も 助成を受けたことがない」が 99.6%(n=779)、「以前助成を受けた」が 0.4%(n=3)、「現 在助成を受けている」0%(n=0)となっている。平成 27 年度と比較すると、大きな変化 はない。スポーツ振興くじ助成はクラブ・マネジメントの安定化にとって重要かつ貴重 な財源となることから,引き続きスポーツ振興くじ助成に関する情報を提供していくこ とが求められる。
(9)クラブの活動拠点
図 31 は、活動拠点施設の種類を示している。「学校体育施設」が 83.5%(n=653)と 最も高い割合を示している。次いで、「公共スポーツ施設」8.7%(n=68)となっている。 平成 27 年度と比べると,大きな変化はない。学校体育施設を活動拠点にしているクラブ が約 8 割となっている。
(10)クラブハウス 図 32 は、クラブハウスの有無についてたずねた結果である。「専用施設がある」クラ ブは 84.8%(n=663)となっている。平成 27 年度と比較すると、大きな変化はない。約 8 割のクラブは専用施設としてクラブハウスを有している。 図 33 は、クラブハウスの種類を示している。最も多いのは「学校敷地内の独立施設」 35.7%(n=237)である。以下順に、「学校体育施設の一部」24.6%(n=163)、「学校施設 の一部(空き教室等)」17.0%(n=113)となっている。平成 27 年度と比べると、大きな 変化はなく、約 8 割のクラブが学校施設内の独立施設、学校体育施設の一部、学校施設 の一部にクラブハウスを設置していることがわかる。
(11)クラブ設立の効果 図 34 は、クラブ設立による地域の変化について示している(複数回答)。最も高い割 合を示したのは「地域住民の交流が活発化した」の 59.8%(n=459)、以下順に「住民の 参加機会が増えた」56.4%(n=433)、「元気な高齢者が増えた」41.9%(n=322)となって いる。平成 27 年度と比べると、割合が増加した項目は「地域が活性化した(約 4 ポイン ト増加)」だけであった。また今年度の調査より新規項目として加えられた「複数種目に 取り組む住民が増加した」は 31.5%となっている。 ※「複数種目に取り組む住民が増加した」は今年度より選択肢に加わったため、H28 の データのみ記載
(12)クラブの現在の課題 図 35 は、クラブの現在の課題をあらわしている(複数回答)。最も多いのは「クラブ 運営を担う人材の世代交代・後継者確保」の 59.4%(n=456)である。以下順に、「会員の クラブ運営への参画促進」45.3%(n=348)、「クラブマネジャーの確保(養成)」42.3% (n=325)、「事務局員の確保」39.5%(n=303)、「会費・参加費など受益者負担による財源 確保」36.8%(n=283)、「指導者の確保(養成)」35.8%(n=275)、となっている。クラブ の課題は「ヒト・モノ(ソフト)・カネ・情報」という経営資源に関する事項であること がうかがえる。また,行政,他の団体などとの連携・協働に関しても課題となっている ことがわかる。
(13)クラブの現状把握・改善のための取組状況 図 36 はクラブの現状把握・改善のための取組についてあらわしている(複数回答)。 「運営委員会で話し合いの機会を設ける」が 73.6%(n=557)、「話し合い、点検・評価結 果から改善策を次年度の計画に反映させる」が 17.3%(n=131)、「クラブマネジャーや事 務局員で話し合いの機会を設ける」が 7.9%(n=60)となっているが、「特になし」が 19.4% (n=147)ある。クラブの現状把握・改善のために、運営委員会で話し合い、点検をし、 次年度の計画に反映させている。その一方で「特になし」と回答しているクラブも 25.9% あり、現状把握・改善のための取組を実施していないクラブも依然として存在している。 クラブの現状把握・改善のための取組に関する情報提供やソフト(評価表やチェックリ スト)も必要となろう。
(14)行政からの支援、行政との連携 図 37 は行政からの支援や行政との連携の状況についてあらわしている(複数回答)。 「行政との連絡協議会等開催」が 58.0%(n=419)、次いで「活動場所の使用料金減免等 の支援」が 47.5%(n=343)となっている。平成 27 年度と比べると、「行政との連絡協議 会等開催」が約 10 ポイント、「広報活動支援」が約 12 ポイント、「問題解決のための行 政と連携」が約 14 ポイント、それぞれ増加している。行政に対しては、クラブ・マネジ メントや活動に対する直接的な支援よりも側面からの支援を求めていることがわかる。
(15)クラブの特色ある取組 ①子育て支援・若者のスポーツ参加 図 38 は、子育て支援・若者のスポーツ参加について、たずねた結果を示している。「親 子が一緒に参加できるスポーツ教室等の開催」15.7%(n=123)、「学童保育や放課後子ど も教室への指導者の派遣など連携・協働した取組」10.2%(n=80)、「20~30 歳代のスポ ーツ参加促進に向けた取組」3.8%(n=30)、「行政から学童保育等の事業の委託」2.6% (n=20)、「託児付きスポーツ教室等の開催」1.2%(n=9)、「不登校や引きこもりの子供 や特別な支援が必要な子どものスポーツ活動の場を提供するための取組」0.9%(n=7) となっている。平成 27 年度と比べると、「親子が一緒に参加できるスポーツ教室等の開 催」が約 17 ポイント、「学童保育や放課後子ども教室への指導者の派遣」が約 3 ポイン ト、「20〜30 歳代のスポーツ参加促進に向けた取組」が約 4 ポイント減少している。一 方、割合としては低いものの「行政から学童保育等の辞表の受託」2.6%、「託児付きス ポーツ教室等の開催」1.2%と、子育て支援・若者のスポーツ参加に対して様々な取組を しているクラブが存在していることがわかる。 ※新しい選択肢は H28 年のデータのみ記載
②学校との連携 図 39 は、学校との連携についてたずねた結果である。「学校行事への協力」25.1% (n=196)、「学校で運動部活動を実施できない種目について、クラブが運動部活動の代替 として実施」7.0%(n=55)、「クラブから学校運動部活動への指導者の派遣」1.9%(n=15)、 「クラブから学校の体育授業への指導者の派遣」1.5%(n=12)、「学校の教員を対象とし た講習会の開催」0.4%(n=3)となっている。平成 27 年度と比べると、「学校で運動部 活動を実施できない種目について、運動部活動の代替として実施」が 11 ポイント、「ク ラブから学校運動部活動への指導者の派遣」が 2 ポイント、「クラブから学校の体育授業 への指導者の派遣」が約 2 ポイント、それぞれ減少している。一方、「学校行事への協力」 が 25.1%と、学校と連携している様子もうかがえる。 ※新しい選択肢は H28 年のデータのみ記載
③スポーツを通じた健康増進 図 40 は、スポーツを通じた健康増進についてたずねた結果である。「地域住民への健 康づくり事業の実施」が 22.5%(n=176)、次いで「地域包括センターと連携した取組」 1.4%(n=11)、「企業を対象とした健康教室等の開催(指導者派遣を含む)」0.9%(n=7)、 「医療機関と連携した取組」が 0.8%(n=6)となっている。平成 27 年度と比べると、「地 域住民への健康づくり事業の実施」が約 20 ポイント減少している。加えて、「特に行っ ていない」も 63.0%となっており、スポーツを通じた健康増進に対する取組はあまり進 んでいないことが推察される。
④スポーツによる地域活性化・企業や大学との連携 図 41 は、スポーツによる地域活性化・企業や大学との連携についてたずねた結果を示 している。「地域おこしやまちづくりに関する取組」19.1%(n=149)、「地域活性化を目 的とした連携組織への参画・協力」8.1%(n=63)、「プロチームやトップアスリートを有 する企業と連携した取組」1.9%(n=15)、「学生のインターンシップ等により指導者やク ラブの運営補助として活用」1.9%(n=15)、「企業や大学施設でのスポーツ教室等の開催」 1.0%(n=8)、「民間スポーツクラブとの連携」0.3%(n=2)となっている。平成 27 年度 と比べると、各項目の割合は減少しているものの企業や大学などと連携し、地域活性化 やまちづくりのための多様なプログラムや事業を展開していることが推察される。
⑤他の総合型クラブや他のスポーツ団体との連携・トップアスリートの活用等 図 42 は、他の総合型クラブや他のスポーツ団体との連携・トップアスリートの活用等 についてたずねた結果を示している。最も多いのは、「近隣の総合型クラブと連携・協働 事業を実施」14.6%(n=114)である。以下、順に、「他のスポーツ団体とスポーツ教室 等を共同開催」4.1%(n=32)、「他のスポーツ団体と施設の共有」3.1%(n=24)、「障害 者へのスポーツ機会の提供」2.0%(n=16)、「トップアスリート(引退後の選手等)を活 用したスポーツ教室等の開催」1.7%(n=13)、「複数の総合型クラブと指導者や施設等を 共有したスポーツ教室等の開催」1.3%(n=10)となっている。近隣の総合型クラブや他 のスポーツ団体と連携・協働し、事業や教室を実施しているクラブが見受けられる。し かしながら、スポーツ基本計画にも記載されているトップアスリートの活用や障害者ス ポーツとの連携を実施しているクラブは依然として少ないことがわかる。