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機関誌「救急救命」

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(1)

2006/Vo

.

1

9

NO

.

1

平成18年5月31日発行(年2回発行) 第9巻第1号(通巻第16号)

基礎医学講座

心肺蘇生の新しい流れ

救急救命九州研修所教授

畑中哲生

応急手当普及啓発活動の現状と課題⑮

(2)

高校野球大会での応急手当の普及啓発-救急救命

1

6

2006

/

May

C O N T E N T S グラビア 第14回全国救急隊員シンポジウム 尾三消防本部の応急手当普及啓発活動 日本高等学校野球連盟・西宮市消防局の応急手当普及啓発活動 救急普及啓発広報車受納式 巻頭のことぱ

救急業務の高度化について

3 4 5 6 総 務 省 消 防 庁 長 官 板 倉 敏 和 7 クローズアップ救急/パート1 第14回全国救急隊員シンポジウム

-

救命の流れより確かなものへ 新潟から未来へつなぐ救命の架け橋,",-,

-

編集室 8 クローズアップ救急/パート2 応急手当普及啓発活動の現状と課題⑪

-尾三

消防本

部を取

材し

-

編集室

1

2

応急手当普及啓発活動の現状と課題⑬

国高

校野球

選手

権大会における応

急手

当の普及活動

-

編集室 14 研修所だより

救急救命九州研修所における薬剤(アドレナリン)投与追加講習について

救急救命九州研修所所長上杉耕二 16

連載読み物

園図園

園田国

16回

鼠一疋五銭

-

1

ネズミ買い上げ

J

r

風俗画報

J

北 里 大 学 名 誉 教 授 立 川 昭 二 18

MESSAGE

/

救急救命士をめざす人たちへ

雑感救急救命東京研修所赴任をふりかえって

一 救 急 救 命 士 の 現 在 ・ 過 去 ・ 未 来 - 救急救命東京研修所教授菊池 悟

2

0

救急に関する調査研究助成事業完了報告

応急手当講習を効果的、効率的に実施するための

指導者用教材はいかにあるべきか

財団法人東京救急協会指導課主査驚藤 昇 22

CPR+AED

教育プログラムの開発普及に関する研究

慶雁義塾大学病院救急部山崎元靖、堀 進悟 25

メディカルコントロール体制におけるプレホスビタル技能競技会

(いわゆる救急ラリー)の有用性に関する調査研究

第2回つくばブレホスピタル技能競技会実行委員会 筑波メテ、イ力ルセンター病院救命救急センター長 大橋教良 29 プレゼントコーナー(p.39) 財 団 法 人 救 急 振 興 財 団 平 成

1

8

年度事業計画

34

基礎医学講座

心肺蘇生の新しい流れ

インフォメーション/編集後記 救急救命九州研修所教授畑中哲生 35 39 間三人担言、国興財団 〔表紙:東北の4大夏祭り(青森ねぶた・山形花笠・仙台七夕・秋田竿燈))

(3)

平成

1

8

1

月2

6

日(木)

27

日(金)、第

1

4

回全国救急隊員シンポジウムが新潟市

にて開催され、全国から救急隊員等約

2

7

0

0

名が参加しました(詳細

p.8)

企事例発表 企開会式 企ケーススタディ 企ライブ.セッションE 企一般講演 3

(4)

特集「応急手当普及啓発活動の現状と課題⑩

J

(詳細川2)

(5)

A甲子園球場内に設置されたAED (自動体外式除細動器) 砂甲子園球場内の アストロビ、ジ、ヨン 特集「応急手当普及啓発活動の現状と課題⑮

J

(詳細p.14) 広 d

(6)

救急振興財団では、消防機関が行う応急手当の普及啓発活動を支援するため、財団

法人日本宝くじ協会からの助成を受けて、平成

1

7

年度は日光市消防本部(栃木県)と

東京消防庁(東京都)の

2

団体に、救急普及啓発広報車を寄贈いたしました

平成

1

8

1

1

0

日に日光市消防本部、同年

1

2

0

日に東京消防庁において受納式が

行われました

[

日光市消防本部

E

-庁

出 円

ι

6

(7)

財団法人救急振興財団設立一五周 年を心からお祝い申し上げます。 財団が設立されましたのは、救急 救命士制度の導入など救急業務の高 度化が大きく進んだ平成三年のこと であります。以来、全国の救急隊員 を対象とした救急救命士養成所の設 置運営に当たられ、現在までに一 一 、 0 0 0 名を超える救急救命士を 輩出してこられました。さらに、救 急業務に関する調査研究、全国救急 隊昌ハシンポジウムの開催、応急手当 の普及啓発に向けた資機材の配付な ど、多年にわたるご貢献に対して、 深く敬意を表する次第であります。 消防機関の行う救急業務は、昭和 三八年に法制化されて以来、我が国 の社会経済活動の進展に伴って年々 その体制が整備され、平成一七年四 月一日現在、全市町村の九八・二% にあたる二、三五二市町村が救急業 務を実施し、全人口の九九・九%を カバーするに至っています。このよ うに、救急業務は、国民の生命・身 体を守る上で不可欠な行政サービス として定着し、救急隊の活躍する場 も広範多岐にわたってきています が、一方で、出場件数の急増などか ら救急車の現場到着時間が遅延傾向 にあり、トリア l ジシステムや救急 隊の運用体制の効率化などを検討す る必要が出てきています。 こうした中、救急業務の高度化と しては、平成一五年四月から包括的 指示下での除細動が、平成一六年七 月からは医師の具体的指示に基づく 気管挿管が、それぞれ実施されてお り、さらに、この四月からはアドレ 争巻頭のことば

総務省消防庁長官 白血d塩 盟 国 盟富盟 ナリンの投与が認められ、これらの 効果には大きな期待が寄せられてい ま す 。 救命効果の向上のためには、住民 による応急手当も必要です。普及啓 発活動を積極的に推進することによ り、最近では、年間の受講者総数が 一 0 0 万人を突破するなど、消防機 関は住民による応急手当の普及に当 たっての代表的機関となっていま す。また、平成一六年七月には、こ れまで医師と救急救命士のみに認め られていた自動体外式除細動器

(

A

E

D

)

の使用が一般の方々にも認め られることとなり、救命効果の更な る向上が期待されています。現場に 居合わせた一般の方々による自動体 外式徐細動器

(

A

E

D

)

使用も含め た応急手当の普及啓発を積極的に推 進しているところです。 一方で、心肺蘇生法に関して、昨 年 末 、

ILCOR(

国際蘇生連絡協 議会)二 O O 五が示され、今後、応 急処置の内容が変更される状況で す。これにより、住民による応急手 当、救急隊の活動についても見直し が図られることになります。 財団におかれましでも、救急業務 に対する国民のニ

i

ズに的確に応え るため、引き続き救急救命士の養成 等を通じて、更なる救急業務の高度 化、救命効果の向上に積極的に取り 組んでいただきますようお願いしま す 。 7

(8)

G

J'¥ ト 瞳寵寵覇

ー救合の流れ

より確かなものへ

i

新潟か

5

未来へつなぐ救命の架け橋

il

文 l l 編集室 平成一八年一月二六日・二七日の両日、﹁第

M

回全国救急隊員シンポジウム﹂が新潟市消防局 ・新潟県消防長会及び財団法人救急振興財団の共催により、新潟コンベンションセンター(朱鷺 メッセ)において開催された。 ︿ 王 国 か

5

医療関係者や救急隊員等約二、七

OO

名が参加し、各会場において活発な討議が交わ さ れ た 。

輔特別討論﹁我が国のメディカル

我が国のメディカルコントロール体制の現 状と今後の課題について、七名のシンポジス トから発表がなされた。救急救命士の処置範 囲拡大に伴い、各地でメディカルコントロー ル体制が整備されてきたが、体制整備に向け た考え方や取組みの充実度に地域格差が生じ ており、メディカルコントロール体制全体の 底上げを図るために、体制の見直し・再構築 が喫緊の課題となっていることが挙げられ、 更なるプレホスピタルケアの充実・強化を図 るための方策について討論がなされた。

輔教育講演﹁救急業務におけるブ

i

の保護と個人情報の

取扱いについて﹂

講 師 一 東 海 大 学 法 科 大 学 院 教 授 宇 都 木 伸 個人情報保護法、情報公開法を踏まえ、救 急業務の中で発生する情報をめぐる様々な要 請に対してどう適切に対応していくかについ て基本的判断のあり方が示されるとともに、 具体的な問題について検討がなされた。 特別討論

覇特別講演﹁心師蘇生法はどう蛮

わるか

jiLCOR

O

O

紹介

j

﹂ 講 師 一 救 急 救 命 九 州 研 修 所 教 授 畑 中 哲 生

ILCOR(

国際蘇生連絡協 議会)から発表されたガイドライン二

O

O

五 についての紹介がなされた。このガイドライ ンでは、高度な救命処置に関しては大きな変 更はなかったものの、

BLS

に関しては、心 臓マッサージと人工呼吸の比率が三

O

二 一

8 救 急 救 命 第16号 教育講演 特別講演

(9)

へ 、

AED

プロトコ

l

ルが三連続から一回の みにそれぞれ変更されるなど、多くの点が改 訂されていることが述べられ、タイムリーか っ非常に関心の高い内容であったため、多く の参加者が会場を埋め尽くした。

瞳一般講演﹁救急救命士の気管挿

管の現状

j

現場で活きる知識と

技術

j

﹂ 講師一国立病院機構大阪医療センタ

i

救 命 救 急 セ ン タ ー 長 定 光 平成一六年七月より必要な講習を修了した 救急救命士による気管挿管が可能となり、現 場での実施事例も増えてきている。本講演で は、手技上の注意点等について、映像や実技 を交えて解説がなされた。 大 海 瞳デモンストレーション﹁集団災害への取組 み j 図上訓練からのアプローチ j ﹂では、三 部構成でデモンストレーションが行われた。 第一部﹁集団救急災害への気づきのワーク ショップ﹂では、危機管理対策機構事務局長 の細坪信二氏を講師に迎え、会場内の参加者 をグループ分けし、想定される列車事故に対 してより効果的に活動するためにはどんなこ とが必要か等について、ブレーンスト

l

ミ ン グ形式でお互いのアイディアを出し合い、異 なった考え方やアイディアを共有しあった。 第二部﹁

DIG

で学ぶ集団救急災害対応﹂ デモンストレーション第1部 では、講師に富士常葉大学環境防災学部助教 授の小村隆史氏、ファシリテ

l

タに大阪府立 千里救命救急センター所長の甲斐達朗氏を迎 え、多重衝突交通事故が発生したとの想定で

DIG(

口 町

g

g

H

H

E

ω

m

E

芯 ロ の m H B O ) のノウ ハウを用いた簡易型図上訓練が行われた。 壇上では大きな地図を広げて消防・医師・ 警察等二ニ団体の実演者が三チ

l

ムに分か れ、次々に伝えられる被害状況にそれぞれの 立場から何を考え、どう対処していくかを話 し合いながら具体的な災害対応方策について 検討がなされた。 第三部﹁フリ

l

ディスカッション﹂では、 第一部、二部での訓練を振り返りながら、集 団救急災害時にどう対応していけばよいのか について、六名のパネリストから活発なディ スカッションがなされた。 ~鴫叫 デモンストレーション第2部 デモンストレーション第3部 瞳ケ

i

ススタディ﹁事例に学ぶ救急業務と訴 訟問題﹂では、救急業務に関する法的諸問題 について考えるために想定事例を取り上げ、 参加者を交えたディスカッションが行われる とともに、救急業務に精通したこ名の法律専 門家よりアドバイス等がなされた。 彊シンポジウム﹁効果的な救急隊員の教育訓 練の検討

j

各地の取組みから

j

﹂では、メデ ィカルコントロール体制下で行われている救 急隊員への教育訓練方策について、厚木市、 草加市、熊本市から発表がなされるととも に、北海道紋別地区興部支署で発足した自主 救急勉強会の活動状況が紹介された。 ニレクチャーでは、﹁

I

意識障害のピッ トフォール

j

視点と対策

j

﹂ 、 ﹁ E 小児救急の 9

(10)

ピットフォール

j

視点と対策

j

﹂ 、

E

高齢者

救急のピットフォール

1

視点と対策

1

ステップアップモニター心電図の解読と利

用法﹂の四部構成で、それぞれの講師から解

シンポジウム

l

ディスカッション﹁プレホスピタル

ケアの未来を語る﹂では、救急救命士制度が

発足後十数年を経て、医師、消防職員、報道

関係者の七名のシンポジストから、救急救命

士の将来像や役割への期待、さらなる処置範

囲の拡大等について、様々な意見が出され、

活発な議論が展開された。

盟事例発表﹁

J R

福知山線列車脱線転覆事故

の対応﹂では、平成一七年四月二五日に発生

J

R

福知山線列車脱線転覆事故につい

て、事故現場を管轄する尼崎市消防本部、応

援隊として出動した神戸市消防局、災害拠点

病院である兵庫県災害医療センター、傷病者

を受け入れた尼崎中央病院の各発表者から、

この事故での活動状況や教訓・課題などにつ

輔ライブセッ

I

E

l

j

j

﹂の二部構

成で、それぞ

れの講師から

救急隊員に必

要な知識が教示されるとともに、実際に参加

者を交えたシミュレーションが行われた。

10 政:患救命第16号

﹁ランチタイムセミナー﹂が第一日目の昼

食時間帯に組まれ、開催都市のある新潟県内

の救急医を講師に迎え、﹁心停止に用いる代

表的な薬剤﹂、﹁救急現場における人工呼吸

1

知っているつもりの酸素投与

j

H

傷﹂をテ

l

I

1

﹂では、長岡市消

防本部、熊本市消防局、川崎市消防局、江津

邑智消防組合消防本部、横浜市消防局より、

事例報告がなされた。

盟一般発表

E

﹁応急手当の普及活動

1

大阪市消防局より発表がなされた。

龍一般発表

E

2

﹂では、愛川町消

防本部、千葉市消防局、姫路市消防局、川崎

市消防局より事例報告がなされた。

ライブ、セッション I

瞳一般発表

ν

福岡市消防局、丸岡町消防本部、松江市消防

本部、所沢市消防本部より、自ごろの研究成

盟一般発表

V

(11)

ポスターセッション 見附市消防本部、長久手町消防本部、松戸市 消防局、仙台市消防局、福岡市消防局より、 各消防本部での取組みが発表された。 救急用資器材等展示会① 由一般発表羽﹁研究・地域の取組み﹂では、 大阪市消防局、高槻市消防本部、いわき市消 防 本 部 、 鳥 取 県 西 部 広 域 行 政 管 理 組 合 消 防 局、東京消防庁より、研究結果や地域の取組 みについて発表がなされた。 量一般発表四﹁応急手当の普及活動

2

﹂ で は 、 東 京 消 防 庁 、 瀬 高 町 外 二 町 消 防 組 合 消 防 本 部、柏崎市消防本部、神戸市消防局より発表 がなされた。 圏ポスターセッション

IlE

で は 、 江 津 口 巴 智 消防組合消防本部、朝霞地区一部事務組合埼 玉県南西部消防本部、広島市消防局、久留米 市消防本部、新潟市消防局、東京消防庁、出 雲市消防本部、横浜市消防局、中和広域消防 組合消防本部、東大阪市消防局、小田原市消 妨本部、川崎市消防局の一五名から日ごろの 研究成果や資器材の開発等について発表がな さ れ た 。 第

U

回を迎えた今回のシンポジウムでは、 参加者を交えたシミュレーションやフリ

1

デ イスカッションなど、プログラム構成に工夫 が施され、より充実した内容での開催となっ た 。 限られた時間の中で、すべてのプログラム を 見 て 回 る こ と は 困 難 で あ っ た と 思 わ れ る が、どの会場でも活発な意見交換や問題提起 がなされ、全国各地でのプレホスピタルケア の更なる充実を期待させるものであった。 豆 お

シ成号

X

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ム 全

の 国

開墾

催 惹

に墜

つ貝

第お回全国救急隊員シンポジウム 日 程 平 成 一 九 年 一 月 二 五 日 同 ・ 二 六 日 働 大 宮 ソ ニ ツ ク シ テ ィ ( さ い た ま 市 )

000

円 会 場 資料代

ACCESS MAP

お問合せ 財団法人埼玉県産業文化センター (大信ソ二ツクシティ) 干330-8669 さいたま市大宮区桜木町1了目7 番地5ソニツクシティピル5階 私緩箱75号 TEL 048-647-41 11 FAX 048-647-4159

1

1

※詳細につきましては、次号 (11月30日発行) にでご確認下さい。

(12)

2

!

開l

E

l

F~司

隆男│

匡ヰ│

白書│

ー尾三消防本部を取材して│

文 l l編集委員 坂

現状と課題⑩

愛知県の日進市、東郷町、三好町を管轄する尾三消防本部では、平成二年に策定された愛知 県における﹁救急患者救命率向上モデル事業﹂のモデル地区に指定されたのをきっかけに、管内 住民に対して積極的に応急手当の普及瞥発を推進している。この一環として、同消防本部では、 心肺蘇生法の正確さを競い合う﹁心肺蘇生競技会﹂を発案し、年一回開催している。 全国的にも珍しい本競技会の概要について、尾三消防本部消防課の中根力課長にお話を侍った。

盟心肺蘇生競技会の概要圃

尾三消防本部では、災害時におけるパイス タンダ

l

の応急手当に対する意識の高揚を図 るとともに、心肺蘇生法の正確性を競い、救 急患者の救命率向上に資することを目的とし て、平成二一年より毎年一回、一般市民を対象 とした﹁心肺蘇生法競技会﹂を開催している。 愛知県では、平成二年に﹁救急患者救命 率向上モデル事業﹂を計画し、モデル地区と して尾三消防本部が指定されたのをきっかけ に、応急手当の普及による救命効果及ぴ自主 救護能力の向上を基本目標に掲げ、①応急手 当講習の推進、②予防救急の推進、③救急に 関する広報の推進、④応急手当に関する各種 統計調査、⑤電話による通報時口頭指導の五 つを重点目標として、管内の生産年齢人口の 二割に相当する二万一、

000

人に対して普 及啓発を行ってきた。このモデル事業の成果 を確認するための一方策として、この﹁心肺 蘇生競技会﹂が発案されたのである。 競技会を開催するに当たっての苦労話を尾 三消防本部消防課の中根課長は、﹁他の消防 本部にも話を開いてみましたが、モデルにな るようなものが一切なかったため、ゼロから のスタートになりました。実際﹃競技会﹄で 12 救 怠 救 論 第16号 すから、優劣をつけなければならないわけで すが、審査基準や審査項目をどうするか悩み ま し た ね 。 ﹂ と 語 る 。 平成二一年度から始まったこの競技会も六 回を数え、参加人数は四六九名にのぼるが、 参加募集は市町の広報誌と、消防本部が独自 で作成し年四回発行している﹁広報尾三消 防﹂を活用している。

関心肺蘇生競技会の実際圏

実際の競技会では、﹁心肺蘇生法一人法﹂ と﹁心肺蘇生法二人法﹂の二パターンがあり、 競技者は与えられた想定に対して一人法は四 分間、一一人法は五分間で心肺蘇生法を実施す る。その横には審査員として救急隊員がお

(13)

り、一連の流れが正しくできているかという 手技面と、人工呼吸の量や吹き込み時間、心 臓マッサージにおける圧迫の深さやリズムと いった効果面の二方向から審査を行い、点数 化 し て い る 。 この﹁心肺蘇生法競技会﹂に参加するため には、救命講習を受講し、﹁修了証﹂を持っ ていることが条件となる。しかし、講習会を 受講していれば、心肺蘇生法の流れは大体理 解できるので、実際見た目では優劣をつける のは難しいのだという。﹁結果として優劣を つけなければならないため、細かいところ(効 果の面)でしか差別化できないのですが、よ り正確な心肺蘇生法を学ぶために、一生懸命 取り組んでいただけるということが、この競 技会の目的・ねらいでもあります。﹂と中根 課 長 は 語 る 。 平成一七年度の競技会では

AED

を用いた 心肺蘇生法を取り入れるなど、ガイドライン の改訂に伴う想定の変更といった工夫を凝ら し、参加者からも﹁競技会に参加することに よって実際に現場に居合わせた時、自信を持 って応急手当ができそうだ。﹂等の声が聞か れるようになったようである。

盟尾三消関本部における応急手当

の普及啓発への取組み盟

平成二年のモデル事業をきっかけに、尾 三消防本部では、六箇所の署・出張所に三O 人規模の講習会を常時開設できるよう、訓練 人形等の資器材を配備し、常に受講希望者の 要望を汲みながら対応している。中根課長 は、﹁せっかくやる気になってくれたのに、 こちらの都合で受け入れないのは失礼だと考 えています。ですから私たちは、たとえ一人 であっても講習会をやりますし、夜の九時ま で講習可能としています。﹂と語る。 平成一一年のモデル事業をきっかけに、毎 年平均三、二OO人程度の修了者を養成して いる。当初は平成二

0

年度までに二万一、

0

0

0

人を目標としていたが、既にこの目標は 達成されたため、今後は、新たに管内人口の 二O%となる三万三、

000

人を目標に掲 げ、既修了者と併せて五万人の講習受講者を 目指していく。 管内人口一六万八、

000

人、総職員数一 八三人で、年間平均三、二OO人の養成は、全 国的に見てもかなり多い。この背景には前述 した講習受け入れ体制の他に、指導者の確保 にも特長がある。講習については尾三消防本 部消防長が認定した応急手当指導員が当たる ことになっているが、総職員数の七O%が指 導員として認定を受けているとともに、なん と九二%に当たる職員が、救急隊員資格を有 しているのである。﹁救急隊員資格がベース にありますので、レベルの高い指導員を認定 できていると思います。﹂と中根課長は言う。 管内で発生する心肺停止事例は、年間約一

0

0

例程度。平成一七年のパイスタンダ

I

C

P

R

実施率は約四O%と、年々実施率も高ま ってきているそうである。

覇今後の展望盟

AED

の普及に伴い、今後救命率の向上が 期待されている。愛知県は、平成一六年度内 に県の施設すべてに

AED

を配置している普 及率の高い県である。しかしながら、

AED

だけが一人歩きする傾向にあるため、心肺蘇 生法の普及をあくまでもベ

1

ス に 、

AED

の 正しい普及に努めていかなければならないと 中根課長は言う。﹁心肺蘇生法競技会につい ては、消防(救急)広場等、広く市民・町民 が消防との関わり合いをもてる機会を設け、 その中でこの競技会がより多くの方々の自に 付くようになれば、その参加者たちが行う﹁行 為﹂自体が、皆に﹁勇気﹂や﹁意義﹂を与え ていくのではないかと考えています。したが って、参加者を幅広く募集して、学生、企業、 消 防 団 、 自 主 防 災 組 織 、

AED

設置事業所等、 多くの人を巻き込んで、救命の連鎖の重要性 を訴えていきたいと考えています。﹂

輯おわりに

昨年発表された国際ガイドラインの改訂に より、日本においても従来の心肺蘇生法の手 技や考え方に変更が予定されている。﹁消防の 指導についても、指導員の頭をリセットして、 分かりゃすく、人としてのやさしさとすばら しさを一緒に分かってもらえる指導ができる ようにしたい。﹂と最後に中根課長は語った。 今年度の競技会では、新しくなった心肺蘇 生法が披露されることであろう。 13

(14)

ロ パ

i

2

ー全国高校野球選手権大会における応急手当の普及活動│

文 ー l 前編集委員

宏 平成一六年の七月か

5

一般市民にも自動体外式除細動器(以下、﹁

AED

﹂という。)の使用が 認めうれ、全国でも空港や学校といった公共施設等への設置が急速に進んでいる。 今 回 は 、 昨 年 、

AED

を設置した高校野球の聖地である﹁甲子園球場﹂に焦点を当て、主催者 である日本高等学校野球連盟と甲子園球場を管轄する西宮市消防局それぞれの立場かう、応急手 当の普及啓発についてお話を伺った。

関西宮市消防局における普及啓発瞳

甲子園球場を管轄する西宮市消防局では、 春の選抜大会、夏の選手権大会の期間中は、 五名の職員を球場に待機させて救急体制を整 備し、不測の事態に備えている。 管轄消防署である鳴尾消防署では、従来か ら甲子園球場と協議し、広報の一環として球 場内のアストロビジョンを使用して、﹁脱水 に気を付けましょう﹂、﹁応急手当を受講しま しょう﹂という文字を一五秒程度放映し、来 場者へ注意を促してきた。また、大会運営に 携 わ る 一

O

O

名以上のガードマンや臨時職員 に対しては、大会開催前に救命講習会を開催 し、心肺蘇生法等を指導し、不測の事態に備 え て い る 。 毎年何十万人という来場者が訪れる甲子園 球場では、さぞ救急件数も多いのだろうと西 宮市消防局消防部救急課の坂本課長補佐にお 話を伺ったところ、﹁幸いにして、甲子園球 場内における心肺停止事例はこれまで一件も ありません。消防の救急体制も通常救急で十 分対応できる範囲です。﹂と言う。さすがに 夏の大会では暑い日が続くと熱射病や脱水な どで救護所がいっぱいになってしまうことも 過去にはあったようだが、最近ではその件数 14 教 怠 救 命 第16号 も減少傾向にあるそうである。﹁広報の効果 もさることながら、アルバイトを含めたすべ ての職員がいざというときに何をすべきかを 理解していますから、その場で応急手当を実 施でき、安易に救急隊を呼ぶことがなくなっ たことが件数の減少につながっているのでは ないでしょうか。﹂と語る。

瞳﹁心臓震還と

AED

﹂寵

ここ数年、﹁心臓震渥﹂という言葉が話題 になっている。この﹁心臓震塗﹂とは、何ら かの原因で胸部に強い衝撃が加わり、心停止 状態になってしまうものであり、応急手当と して最も有効な処置は除細動である。実際に スポーツ競技中に胸にボ

I

ルが当たり、突然 死してしまったケ

1

スも報告されており、早 期に除細動を実施するためには、競技場など の身近な場所に

AED

を設置することが必要

(15)

に な る 。 こうしたことを受け、昨年八月に開催され た夏の選手権大会では、日本高等学校野球連 盟の働きかけにより甲子園球場内に

A

E

D

を 二台設置するとともに、

AED

の普及啓発を 目的として、従来の文字情報だけではなく、 イラスト・動画を用いた映像を作成し、アス トロビジョンに映し出した。 日本高等学校野球連盟(以下、﹁高野連﹂と いう。)の田名部参事は、これらの取組みに ついて、﹁野球でも日常的に事故はっきもの ですから、未然の防止対策をどれだけとって いたか、いざ事故が起こってしまったときに 素早い対応がとれたか、その両方ができてい なければ主催者責任を関われでも仕方があり ません。少々費用がかかっても、まずは先陣 をきって高校野球の聖地である甲子園球場か ら

AED

を導入して、広く広報を行い、一般 の方々に

AED

という器械があることをまず は知ってほしいと考えました。﹂と語る。

盟高野連における

AED

普及の取組み瞳

前述のとおり、高野連は他のアマチュア野 球団体と連携して、積極的に野球場への

A

E

D

設置を呼びかけるだけでなく、指導者をは じめ、大会運営に従事する者、施設関係者に

AED

の使用を含めた応急手当を身に付ける よう要望書を出している。実際に田名部参事 も消防署で救命講習を受講しているが、﹁体 育教員の中には体育大学で心肺蘇生法を学ん できている者もいるが、学校側としては、

A

E

D

は最近の出来事なので、教員のみならず 生徒も一緒に受講するなど積極的に取り組ん でいるようで、併せて多くの学校に

AED

が 設置されるようになってきたようです。しか しながら、いざというとき慌ててしまいがち なので、とっさに行動できるように、繰り返 し受講した方がよいと思います。﹂と語る。 高野連では、昨年の要望を踏まえ、全国の 球場にどれだけ

AED

が設置されているか、 加盟校の指導者等がどれだけ救命講習を受講 したかを調査し、その結果を報告する予定で あるとのことである。

今回訪れた西宮市消防局では、年間九、

0

0

0

人程度の市民に対して救命講習を実施し ており、特に一般市民に

AED

の使用が認め られてからは、受講人員が増えているとい う。阪神・淡路大震災を経験した教訓から、 いざというときに何かできることはないかと いう意識が市民の間に浸透してきでおり、﹁

A

E

D

が受講を促す良いきっかけになっている と感じています。しかし、

AED

の使用だけ ではなく、しっかりとした心肺蘇生法を身に つけてほしいと思います。﹂と、坂本課長補 佐 は 語 る 。 一方、高野連の田名部参事は、﹁事故をな くすことは難しいですが、何度も起こるよう な事故については必ず何らかの原因があるわ けですから、その原因を追究して、常に事故 を未然に防ぐために何が必要かを考えていか なければなりません。みんなで関心を高めて いくことが重要です。﹂と語る。 また、本年三月に開催された春の選抜大会 においても、昨年同様に

AED

の広報が実施 されたが、﹁心臓震渥﹂が起こりうるのは、決 して野球、だけに限ったことではなく、ケガや 事故はすべてのスポーツにつきものである。 スポーツ指導者には応急手当の知識は必須 であり、この高校野球での取組みをきっかけ に、他のスポーツにも

AED

を含めた応急手 当が広がっていけばよいと坂本課長補佐は語 る 。

醐おわりに瞳

甲子園球場は来年から、三年計画で改装工 事が予定されており、その中には一

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台の

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の設置が組み込まれているという。ま た、高野連では、﹁心臓震翠﹂を防護する器 具の開発にも着手しているそうだ。 全国的に設置が進んでいる

AED

。 ﹁ 備 え あれば憂いなし﹂ではあるが、確実な心肺蘇 生法が実施できる人聞がいなければ、救命率 の向上は期待できない。

AED

の効果を最大 限に発揮させるためには、ハードの普及だけ でなく、人材の育成も重要なカギを握ってい ることを啓発していかなければならないと感 じたところである。 15

(16)

急救命九州研修所における

薬剤(アドレナリン)投与追

はじめに

救急救命九州研修所では全国の消防職員(救急 隊員)に対して、年二回計四

O

O

名の救急救命士 の養成を行っており、現在までに約四、

000

名 余りの救急救命士を養成しています。 救急救命士法制定から一五年目という節目でも ある本年四月からは、いよいよ医師の具体的な指 示下において薬剤(アドレナリン)投与が実施さ れることとなり、わが国のプレホスピタルケアは また新たな段階を迎え、救命率のさらなる向上に 大きな期待が寄せられております。 この薬剤投与の実施にあたっては、既に救命士 資格を取得している者については、所定の講習及 び病院実習を受ける必要があり、これを修了した 上で、各都道府県のメディカルコントロール協議 会において認定登録されてはじめて実施が可能と されています。 ﹂のようなことから、救急救命士の全国的な養 書4 16

講習について

救急救命九州研修所

救 怠 救 命 第16号 所 長 期(四月

l

九月)に四期にわたり毎期二

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名 、 計八

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名の規模で実施することとしているとこ ろ で す 。

2

薬剤投与追加講習の先行実施

お 的 士 ち い 追 に 一 、 今 て 加 実 一 昨 年 一 講 施

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年 度 一 習 し 名 ー か 月 の ま を ー ら 一 流 し 対 月 の 日 れ た 象 仔 本 か と O と 全 拡 ら し し 国 晶 一 て た か 九 二 は 薬 ら 主 月 、 弗j庁 記 ま

投募翌

日 ず 与 の 臨 習 い う 実 て 関 府 習 に を 等 及 投 閉 ま 、 追 あ 習 に 研 ま 形 習 、 の 県 生 そ 行 を ぴ 与 に で 九 加 つ (j) お 修 す で を 所 ご 内 の れ い 用 訓 に わ の 州 講 た 芙 い 所

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実 行 定 協 の 地 ぞ 、 、 い 練 係 た 約 研 習 救 施 て で 実 施 う の 力 医 元 れ そ た 用 る り 一 修 を 急 に は の 魚 し と 病 を 療 都 の の 実 人 講 薬 か 所 先 救 先 、 講 三 て い 院 得 機 道 講 後 習 形 義 剤 月 に 行 命 立

成機関である財団法人救急振興財団としては、全 国の救急救命士免許取得済みの消防職員を対象と して、ここ救急救命九州研修所において、平成一 八年度から薬剤投与に係る追加講習を年度の前半 救急振興財団が行う薬剤投与追加講習の基本的な流れ 図 救 急 救 命 士 (平成18年度以降の救急救命士国家試験合格者を除く。) 講 習 (186時限) 1プレテスト 2薬剤投与に必要な構造と機能 3心柿停止前後の病態 4薬剤投与が適応となる心停止の病態 5薬剤投与の基礎 6薬剤投与の実際 7薬剤投与のプロトコール 8薬剤投与とメディカルコントロール (MC) 9薬剤投与と生命倫理 10薬剤投与に関するリスクマネージメント 11筆記試験 12人形をfflいた基本手技の実習 13人形を用いた薬剤投与プロトコール実習 ' 講 習 修 了 証 明 惑 の 交 付 (九州研修所長名)

i

医 師 の 指 示 の 下 薬 剤 投 与 の 実 施

(17)

実施し、講習修了の認定をしています。 さらに、実習については最新のシミュレーショ ン人形を使用し、

CPR

の基本から静脈路確保の 実施、さらには薬剤投与に至るまでの一連の実習 を行うことを通じて救急 現場での実践的な観察・ 処置能力の練成に心がけ ましたが、その訓練効果 の確認については﹁総合 シミュレーション演習﹂ という形で実技試験を二 日間にわたり実施しまし た。今回は、薬剤投与追 補版の執筆者、東京研修 所の教授、近隣の救命救 急センターの医師など、 日常的に病院前救護にか かわっている医師が想定 事例を作製し、あわせて 実 技 の 評 価 を 行 い ま し た 。 こ の 演 習 に つ い て は、全国各地から救急救 命士養成施設の関係者、 消防、医療機関の関係者 などをはじめ四

0

0

名余 りの方々が見学に来所さ れたところです。 これらの九州研修所に おける講義及び実習の修 了者については、引き続 き、地元都道府県に戻っ て病院実習を行うことに 国より示された講習プログラムに沿って薬剤投与 に関する講義を行い、毎日の講義の復習として毎 朝の確認試験を行うとともに中間試験を二回実施 し、最後に、講習効果の確認のために修了試験を なりますが、前述のように薬剤投与の実施資格の 最終的な認定は、各都道府県のメディカルコント ロール協議会が行うものとされており、病院実習 をどのような形で行うかやアドレナリン投与の必 要症例数など、修了認定をどのような考え方で行 うかについては、都道府県によってかなり差異が 見られるのが現状です。 財団としては、全国的な取り扱いの公平性にも 配慮する必要があることから、各実習病院との間 で、二当直程度(五

O

時限)の病院実習を前提と した実習協定を結ぶという基本的な考え方に立ち つつ、これを超えた実習が必要とされた場合に は、以後の取り扱いを講習生の所属消防本部と当 該病院の間で協議していただき、日時を改めて再 実習を行うことなども含めて、地域の実情にあっ た対応を図ることとしているところです。

3

おわりに

今回の先行実施においては、全国の消防本部よ り薬剤投与実施の先駆けとなるべく高い志を持っ た練達の救急救命士が集いましたが、教育に当た るスタッフも、救命士養成課程との二正面作戦を 余儀なくされる中で、東京研修所の教授陣はもと より外部講師の先生方の応援も得て、中味の濃い 講習を行うことができたと考えています。 九州研修所としては、この先行実施の経験を踏 まえ、その実施結果について様々な面から検証し つつ、四月からの本格実施に向けて万全の体制で 臨むべく、必要な対応を図りたいと考えておりま す 。 17

(18)

18

4

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第時田

交番の前であろうか。何人もの人が巡査(今 の警官)をとり囲んでいる。女も子どももい る。そして、いずれも何かを箆や盆に載せ、 あるいは竿に刺し、手に提げて、巡査に差し 出 し て い る 。 いったい何を巡査に差し出しているのであ ろうか。よく見ると、それはネズミである。 明治三十三(一九

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)

年二月十日の﹃風 俗画報﹄に載った﹁ネズミ買い上げ﹂の光景 を描いた絵である。 なぜ、ネズミを警察が買い上げたのか? それは当時の人びとを恐れさせたペスト防疫 の た め で あ っ た 。 それまでのコレラ流行が一段落してホッと した日本人を震えあがらせたのがペストであ る。明治三十二年十一月五日、広島でペスト 患者第一号が発生、死亡した。つづいて神戸 で少年、大阪で少女がペストで死亡した。 ベストはネズミに寄生するノミの血液中に いる極微のペスト蕗によっておこる急性伝染 病、人間の病気の中でもっとも死亡率の高い 疫 病 で あ る 。 ベストの犠牲になった少年少女たちは、い ずれもベスト流行地である台湾を経由して輸 入された原綿に巣くっていたネズミ、そのネ ズミに寄生していたノミの血液中にいたペス ト菌に感染し、発病したのであった。 その後、ペストは中部地方を経て、東京に 自前というこの年の十二月三十日、報知新聞 は﹁鼠廿万疋の買上、一疋五銭、十疋五十銭、 百疋五円﹂という見出しで、東京市がベスト 防疫のためネズミ二十万匹の買い上げを臨時 市議会で決議し、交番ヘネズミを持って行け ば引換券と取替え、それを区役所へ持って行 けば一匹五銭になる、と報じている。 当時、そば一杯が一銭八厘、風呂代が二銭 一 一 授 刀 口 撒 叩 仰 心 的

文 救 急 救 命 第16号 プロフィール たっかわ しょうじ 医療史専攻。文化史・生活史 の視点か5病気・医療を追 究。主な著書に、 f病気の社 会 史j(NHKプ、ツクス)

r

歴 史紀行・死の風景J(朝日新 闇社)

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臨死のまなざしJ(新 潮社)

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か5だの文化誌J(文 璽春秋)

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生と死の美術館J (岩波書届)

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日本人の死生 観J(筑摩書房)など。 五厘、あんばんが一銭だったから、五銭とい えば、ちょっとした金額だった。 明治三十二年にはじまったネズミ買い上げ により、全国で捕らえられたネズミの数は一 年間でほぼ三百万匹、東京では百万匹をこ え、一戸平均十三匹のネズミを捕ったことに なる。その買い上げに東京市は一年間に四万 余円の予算を費やした。 集められた何百万匹のネズミは石炭酸・昇 平水水に浸して樽詰めにされ、火葬場で焼きす て ら れ た 。 当時、世間ではネズミ捕りを商売にする者 まであらわれ、腕のよい者は月に百二十円も 稼ぎ、賛沢な生活をする者さえいた。名作﹃金 色夜叉﹄で名高い小説家尾崎紅葉に﹁鼠一疋 五銭﹂と題した次の句がある。 霜の手の銭や鼠を売りて来し

(19)

ところで、一匹五銭で買い上げられたネズ ミ何百万匹が焼却されてから百年たった日本 で、こんどはニワトリ何百万羽が巨大な穴に 埋められる光景を私たちはテレビで見ること に な っ た 。 今日、世界の脅威になっている烏インフル エンザに感染したニワトリが大量に処分され た の で あ る 。 ペストやコレラなど感染症の恐怖は遠い昔 話と思い込んでいた現代人は、いま、鳥イン フルエンザが人の新型インフルエンザになる 恐怖、牛の

BSE

が人の病気になる恐怖にさ らされている。疫病の時代は 終わっていない!ことを知る とともに、動物の病気がいか に人間のいのちと深い関わり をもっているかを思い知らさ れ た の で あ る 。 福 岡 樹

~ムヰ

「ネズミ買い上げ

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風俗画報j 明治

3

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ペストの恐怖は遠のいた が、じつは、ネズミの話題は 明治で終わったわけではな 、U 昭和元(一九二六)年、東 京・日本橋の白木屋(現・東 急デパート)はネズミ一匹五 銭で買い上げるという新聞広 告を出している。 昭和三十四(一九五九)年 には神戸市でネズミによる食 中毒が発生、三人が死亡し た。市は網かご製のネズミ捕 りを無料で家庭に配布し、ネ ズミ一匹十円で買い上げた。 その頃の漫画﹁サザエさ ん﹂には、ネズミは磯野家の家族のようによ く登場してくる。戦後の都市開発でネズミは ますます暮らしゃすくなっていった。 ﹃昭和家庭史年表﹄(家庭総合研究会編) によると、昭和四十四(一九六九)年にはク マネズミやドブネズミの大繁殖でネズミ捕り 会社が大繁盛し、昭和五十二(一九七七)年 には名古屋で乳児がネズミに噛まれて死亡し た事件があったという。 さて、東京都渋谷の広尾といえば都心の繁 華街。その路地裏に祥雲寺というお寺があ る 。 その墓地の右手に、大きく﹁鼠塚﹂と刻ま れた高さ三メートルもの石碑が建っている。 明治三十三年から三十四年にわたるベスト 流行にさいし、防疫処置のため捕獲され焼却 されたネズミたちの慰霊碑である。碑の裏面 には次の歌が刻まれている。 数知れぬねずみもさぞやうかぶらん この石塚の重きめぐみに 日本人は碑を建てるのが好きな国民であ り、動物慰霊碑も少なくないが、ネズミを供 養した碑はおそらくこの碑だけであろう。 東京都心の谷間に、明治のペスト流行史を しのぶおそらく唯一の史跡である﹁鼠塚﹂が、 今も人知れず立ちつくしている:・・。 19

(20)

救急救命士をめざす人たちへ

MESSAGE

ー救急救命士の現在@過去@未来│

平成二二年四月、それまで麻酔業務に従事して ま し た 。 爾 来 約 五 年 、 二

O

期から二九期まで約三、 いましたが、総合診療的プライマリ l ケア

I

医な

000

名の卒業生の教育に関与したわけですが、 ど次のステップを模索していたころ当研修所への 省みて汗顔の至りです。このたび原稿依頼を受け 赴任の話がありました。実力不足にもかかわらず ましたが、国家試験を控えた研修生対応や来期の 医療従事者への教育には興味があったので、自治 研修準備の中で相当焦って本文を執筆している事 医科大学救急医学教授鈴川先生、同麻酔科学教授 情をお汲み取りいただき、乱文、乱筆にはなにと 瀬尾先生のご努力もあり、話はスムーズに決定し ぞ読者の皆様のご容赦をお願い致します。 さて、当方がこの研修所に赴任中に 救急救命士を取り巻く状況は大きく変 革を遂げました。国を挙げての規制緩 和と行政改革の大波は救急救命士制度 とも無縁ではありませんでした。その 塙矢が平成二一一年に起きた秋田県秋田 市での救急救命士と気管挿管に関する 報道です。これは救急救命士の業務に 大きな影響を与えた出来事ですので、 紙面を借りて略述します。秋田県内 で、当時医師にしか認められていなか 1 1

救急救命東京研修所教授

文一菊池

った気管挿管を救急救命士が約五年半の聞に一、 五

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件以上行っていたというものです。この気 管挿管は救急救命士が高度の救急救命処置として 行える、救急救命士法にいう特定行為に入ってい ないので、医師法に違反することは明らかでし た。しかし、救急救命士の死に瀕した傷病者を前 にして法を犯す罪悪感と見殺しにする罪悪感との 相克、慎悩、疑問は、医学界のみならず各方面へ 多くの問題を投げかけました。法律遵守か命が大 切かという見出しで、新開ほかのマスコミで問題 提起されました。当時これを受け、厚生労働省、 総務省(消防庁)、日本医師会、関連学会(日本 救急医学会、日本麻酔科学会、日本臨床救急医学 会、日本蘇生学会)がそれぞれ救急救命士による 気管挿管の是非につきその意見並ぴに業務改善の 方向性などを表明し、規制強化か規制緩和かいず れになるか予断を許さない状況でした。当時、こ の問題を題材の一つとして学会発表をしました 救 怠 政 命 第16号 20

(21)

が、今振り返ってみますと踏み込みの足りない感 が否めません D この広く社会全体に投げかけられ た大きな問題には、国民全体が納得する解決策が 必要でした。この論争の結果は皆さんご存知のと おり現在解決をみていますが、読者の先輩たちの 多大な努力や国民の期待を背景にした世論が大き なうねりとなり、業務拡大に結実したことを忘れ てはならないと思います。これを突破口として、 円 ) ロ

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︿ H ,に対する指示なし除細動、心肺停 止傷病者へのアドレナリンの静脈内投与など業務 拡大は長足の進歩を遂げました。当時の医学界の 雰囲気を知る者にとり隔世の感があります。時々 刻々と変化する傷病者の病態に直接対峠する救急 救命士にとり侵襲性の高い業務に法的な裏づけが できたことは、次代を担う救急救命士になろうと する者にとって大きな福音となったことと思いま す 。 しかし、拡大した業務は傷病者に対し侵襲性が 高 い た め 、 一層の研鑓やトレーニングなどの義務 を伴い、責任が重くなることは当然です。 前記を踏まえ、当研修所は救急救命士の国家試 験の合格を究極の目的としておりますが、私は予 備校的な知識の媛小化をもたらす教育は避けたい と 考 え 、 マニュアル的な学習よりも基礎知識の展 開能力を養成できるよう心がけてきました。マ ユアルの実践には思考力や判断、推理力は不要で あり、考える必要がないからです。まだまだ当方 の力不足で、開花までにはまだ長期間を要す ると思われますが、息長く粘り強くやってい きたいと考えています。 また、初期の教育段階にて外科、救急、麻 酔、集中治療など専門医の適切な指導を受け ることは、研修する学生の資質や感受性にも よ り ま す が 、 一層の教育効果が期待できると 思います。それと同時に、人間力とも言える コミュニケーションスキルの酒養も今後の医 療現場ではますます重要性を増すことが考え られます。過渡期にある救急救命士制度発足 後十余年を経た救急医療の現場は、時々刻々 大きな変化の兆しを字み推移しています。予 期せぬ出来事が起きたとき、単なる法律論で 万両断できない事象の生起は今後もないと は言えません。救急救命士などの卒前、卒後 教育(座学、実習)に、研修機関が信頼に足 る能力担保措置並びに彼らの自覚や責任感醸 成の一助となることが期待される所以であり ま す 。 好漢自重せよ 好漢思うまま我が道を歩め これは、私がこの読者に贈る矛盾したメッ セ l ジ で す 。 21

(22)

に聞すあ調査研究助成事業完ア報告

応急手当講習を効果的、効率的に実施する

ための指導者用教材はいかにあるべ告か

藤 藤 昇

財団法人東京救急協会指導課主査

はじめに

当協会は東京消防庁の外部団体であり、東京消 防庁から受託した各種救命講習の実施を主体に、 自主事業として全国の応急手当指導員等を対象と した﹁応急手当指導員インストラクター養成専科 講座﹂や救急に関する調査研究事業を実施してい る 。 このたび、財団法人救急振興財団の﹁救急に関 する調査研究事業助成﹂を受けて、﹁応急手当講 習を効果的、効率的に実施するための指導者用教 材はいかにあるべきか﹂について研究し、普通救 命講習から上級救命講習までに対応できる、応急 手当講習のインストラクター向け教材について、 指導書及び視聴覚教材を作成したので報告する。

2

成 イ

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東京都内における平成一七年中の各種救命講習 の受講者数は、約一七万人に及び、毎年増加して いる。受講者は行政機関や大企業職員、医療職 種、町会員など多種多様であり、講習の規模も数 百名に及ぶものも少なくない。 このため、指導者には、高度な内容の講習を望 む受講者への対応や、大規模講習の効率的実施方 法など、応急手当指導に関する幅広い知識と技術 が求められている。 さらに、前記の﹁応急手当指導員インストラク ター養成専科講座﹂においても、指導経験の少な いインストラクターにとっても有用な、救命講習 指導に関する詳細なガイドブックを望む声が多く 作成した指導書及び視聴覚教材 (DVD) 救 怠 救 命 第16号 22 寄せられていた。 このような状況を踏まえ、①普通救命講習から 上級救命講習までに対応できる内容を網羅してい ること。②受講者からの質問に対し、根拠を踏ま えてわかりやすく回答できること。③指導上のポ イントを明確にするとともに医学的解説も取り入 れること。④指導技法、展示要領、受講者別の興 味を引き付ける方策や指導方法、話し方のポイン トも取り入れること。特に視聴覚教材では、①誰 でも一定基準以上の質が保障された講習ができる こと。②動画は、音声による説明も含み、インス トラクターの指導力不足を補えること。③実技の 時間等も考慮し、普通救命講習(三時間)、上級 救命講習(八時間)等の講習時間内で終了できる こ と 。 以上の内容に対応できる指導書及び視聴覚教材

(23)

視聴覚教材 (DVD) を使用した講習 高校生を対象とした講習 の作成を目的とした。

3

調査研究の方法

ω

当協会インストラクターのうち、指導経験豊 富で救急救命士の資格を有する人名を検討委員 とした委員会方式による当協会の指導ノウハウ の 集 約 。 例各種シンポジウム、

BLS

JPTEC

等各 プロパイダ l

l ス等への参加による、救命講 習の指導に参考となる知識や技術の集約。 同指導技法や話し方等について、専門家及ぴ検 討委員以外の当協会インストラクターの意見の 集 約 。 凶作成過程の指導書及び視聴覚教材(動画)を 用いた講習の実施とその結果の反映。 制作成過程の教材(動画)に対する、受講者ア ン ケ

l

ト調査の実施と結果の反映。 制作成過程の指導書及ぴ視聴覚教材(動画)を 用いた講習に、当協会インストラクターを受講 者として参加させた結果の反映。 的医学的な質の確保を図るため、指導書及び視 聴覚教材について医師(総監修一日本医科大学 救急医学山本保博主任教授、技術監修一日本医 科大学救急医学教室高度救命救急センター吉田 竜介助手)による監修。

4

結果

、 、 . , , , , 1 ( 指導書 指導書は、指導の原則や指導技法、受講者に 応じた指導のポイント、救命講習の運営要領 等、インストラクターが講習を行うにあたって の必要な基本的事項をはじめ、応急手当の重要 性、観察、人工呼吸、心肺蘇生法、

AED

使用 法等、普通救命講習から上級救命講習までを実 施できる内容とした。 また、次のような点を工夫した。①イラスト や写真を多く入れわかりやすくした。②指導上 のポイントや手技に対する医学的な解説を加え た。③指導に必要な解剖生理や主訴・局所状態 の観察要領を加えた。④質疑問答集を加えた。 ⑤当協会で実施している上級救命講習における 指導要領の時系列例など、救命講習に必要な内 容 を 網 羅 し た 。

ω

視聴覚教材 ( D V D ) 指導書を基に実際の救命講習時に必要とされ る内容を動画に取り入れ、インストラクターが この映像を講習時に流すだけで普通救命講習、 上級救命講習の指導ができるものとした。

DVD

は、インストラクターのベ l スにより 指導できるよう応急手当の重要性、観察、心肺 蘇生法、外傷の手当、搬送法等に分類し、選択 した項目についてのみ映像と解説が流れるよう にした。各項日の映像項目に対する解説は、① 必要性の説明、②対象者、③各手技の方法とポ イントを、音声とともに静止画又はテロップで 流し、最後に一連の流れを動画で示しながら復 習できるようにした。 また、応急手当普及員等の講習時に必要な解 剖生理の指導にも対応できるよう、筋骨格系や 呼吸器、循環器、神経系等の解剖生理図を取り 入 れ た 。 同 指 導 書 及 び 教 材 ( D V D ) 内容の一部紹介 ア 指 導 書 ( 函

1

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視聴覚教材

(

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のメニュー画面(図

2

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23

(24)

42n 揖思宮路

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母盟U倒 人工呼吸時に実施者の呼気が入ら立い原菌には、気還に築物古吉まって いる場合、品苦いは気道や飾の疾患による場合もあるが、緊懇の事態では、 あれこれ原因を推測するよりは、まずは実施者自身の手投に原因があると 考えた│まうがよい。 換気がうまくいかない金主館因li、確実在気選議録がで吉てないことが ある,(Di露認が後扇しすぎていないか、あるいは後屈が不十卦ではないか。 ②下顎に当てた手の位蜜は正しいか(下顎の軟部組織を圧迫して立いか)‘ ③傷病者の頭節の位留が左省のいずれかにねじれるような形で傾いて右い が(特に頭節が妥結者側に傾いていることが多い)などを箆ちに穆認し、 修正後、再度人工呼吸を行う。 写真を使用し正しい手技と誤りやすい 手技を表示 うまくできにくい手技について ポイントを解説 本教材の

DVD

は、各種救命講習時に映像を流 し、インストラクターが若干のコメントを入れる だけで指導できるように作成しているため、指導 経験の少ないインストラクターでもレベルの高い 講習ができる。また、各項目の映像時間が分かる 包帯法や傷病者管理等の 内容も含まれ 上級救命講習も可能 選択された項目が流れる 資料映像には応急手当 普及員講習で必要な 解剖生理の図も映写できる 圏1 ため、講習での時間管理がしやすく、一一一時間、四 時間等の講習時間の中で有効に活用することが可 能である。そして、通常は一

0

0

名規模の講習で は後方の受講者には展示した手技が見にくいが、 映像をスクリーン等に映すことにより、手技の確 認がしやすく、特に大規模な講習において多大な 効果が見られる。 24 放 急 救 命 第16号 受講生100名での講習 これらのことから、本教材の活用により、当協 会における今後の講習の更なる高度・標準化と効 果的実施が図られるものと考えている。

参考文献

-改 訂 5 版 救急救命士標準テキスト 図

2

へるす出版 ・ 人 体 の 図 詳 図 鑑 学 研 .救急現場の救急医療 j 解剖・生理学と観察 j 荘道社 .救急現場の救急医療 j 心肺蘇生法と臓器別救急 疾患

l

荘道社 -BLS ヘルスケアプロパイダ

l

(

日本版) 中山書庖 ・エキスパートナ l ス ( 二

O

O

五年四月号特別付 録 ) 照 林 社 .﹁急変に強くなるための心肺蘇生法の基本と A

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使 い 方 ガ イ ド ﹂ 照 林 社

(25)

日意に闘する調査研究助成事業完ア報告

AED

教育プログラムの

に関する研究

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曲 崎 元 靖 司 堀 進 悟

慶謄義塾大学病院救急、部

はじめに

﹁非医療従事者による自動体外式除細動器

(

A

E D ) の使用のあり方検討会﹂報告書(平成一六 年七月、厚生労働省)により、一般市民が手近に あった AED で救命を行うことについては医師法 違反にならず、刑事・民事の責任についても、人 命救助の観点からやむを得ず行った場合には、関 係法令の規定に照らし、免責されると考えられる ようになった。これにより、本邦でも本格的に P A D Q 己 豆 付 ﹀

2 2

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口 広

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品目巳甘口)が可能とな ったわけであり、救急医療財団より﹁一般市民の ための自動体外式除細動器 ( A E D ) 講習﹂のカ リキュラムが提示されるに至っている。このカリ キュラムは米国心臓協会(﹀自己片言出

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﹀ 説 。 ー 巳 巳 芯 口 、 以 下 ﹁

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﹂)の教育カリキュラムで あ る 同

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﹀ 切 り コ l スにほぼ相当すると考 えられるが、本邦においては、いまだ AED の 普 及が端緒についたばかりであり、講習会も今後の 普及が期待される段階である。 ま た 、 AED を使用するに当たっては、専門的 な知識が不要であること、操作が極めて簡単であ ることなどから、一般市民も医療従事者と遜色な く AED を使用することができるとする研究も欧 米からは報告されているが、このような研究報告 も本邦では少なく、本邦の一般市民が適切に A E

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を使用できるかどうかは明らかにされていな 、 h v そのような状況のもと、慶臆義塾大学医学部で は常設の医学教育実技訓練施設(クリニカルシミ ュ レ

1

ションラボ)を平成一五年八月に設置し た。そこに日本救急医学会認定

ICLS

インスト ラクター資格をもっ常勤の管理者(看護師)を一 名配置したことで、恒常的な CPR+AED 講習 会の開催が可能になり、慶慮義塾大学信濃町キャ ンパスの全教職員(非医療従事者を含む)向けの 講習会を平成一五年二一月より開始している。現 在まで本邦では、一般市民向けの一次救命処置講 習会は消防機関、日本赤十字社等が主体であり、 医療機関の積極的な参加はむしろ少なかったと考 え ら れ る が 、

OSCE

やスキルラボの普及により 今後は医療機関も一次救命処置の普及を担う組織 として期待できるのではないだろうか。 本研究の目的は、川本邦において講習会後の一 般市民の CPR+AED の能力を明らかにするこ と、同大学医学部併設のスキルラボにおける講習 会開催能力を明らかにすることである。

) -( 一 般 市 民 の CPR+AED 講習後の能力 講習受講者 非医療系大学生六

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人を対象に CPR+AE

D

の講習会を行った ( A 群)。対照として匿療 従事者(慶慮義塾大学病院看護師)にも講習会 を行い ( B 群)、講習会終了直後に実技評価と 筆記試験を行い、その成績を比較した。両群と も、実技評価と筆記試験に関しては受講生に実 施する前に、受講者本人に承諾を得て行った。 受講者の内訳を表 l に 示 す 。 講習指導者 25 2

図 2 一般市民の CP 円では 2 回の人士呼吸に平均 1 6 秒が必要

参照

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