農用機械走行による諫早湾干拓土壌の踏圧メカニズ ムの解明

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農用機械走行による諫早湾干拓土壌の踏圧メカニズ ムの解明

宮嵜, 朋浩

https://doi.org/10.15017/1470622

出版情報:Kyushu University, 2014, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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氏 名 宮嵜 朋浩

論 文 名 農用機械走行による諫早湾干拓土壌の踏圧メカニズムの解明

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 井上英二 副 査 九州大学 教授 内野敏剛 副 査 九州大学 准教授 岡安崇史 副 査 九州大学 准教授 平井康丸

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本論文は,諫早湾干拓地の圃場を対象に,農用機械の走行ならびに作業による土壌踏圧のメカニ ズムを実験,理論両面から解明したものである。

まず,研究対象とする諫早湾干拓地の農業の特徴に関して,気象条件,土壌条件,営農規模,作 型等の面から考察を行い,同干拓地圃場が農用機械の走行および作業によって土壌踏圧が発生しや すい環境にあることを明らかにしている。

次に,同干拓地圃場において乗用トラクタを用いた走行試験を実施し,土壌の物理的性質の変化,

繰返し走行や土壌水分の違いによる圧縮特性の差異など,土壌踏圧に起因する特性の変化を明らか にしている。加えて,同干拓地から採取した作土層土壌(かく乱土壌)と耕盤層土壌(不かく乱土 壌)を用いた土質試験を行い,その力学特性を明らかにしている。とくに耕盤層から採取した土壌 は,高いせん断強度を示した後,ひずみ軟化を伴う不安定な力学的挙動を呈することから,練返され た作土層土壌とは異なる構造が発達していることを提示している。

また, Asaoka et. al.が提案した「上/下負荷面修正Cam-clayモデル」に,Hashiguchi and Mase による負圧面概念を導入して定式化した「粘着力を考慮した上/下負荷面モデル」(拡張モデル)を 用いて,非排水三軸圧縮せん断試験のシミュレーションを行い,同干拓地土壌の変形挙動の予測を 試みている。その結果,拡張モデルによる供試土壌の軸ひずみ-軸差応力関係の予測結果は,粘着力 を考慮していない従来モデルによる予測結果に比べて,実測値に近い値を示すことを明らかにして いる。

さらに,拡張モデルを導入した弾塑性有限要素解析プログラムおよび上記シミュレーション結果 を用いて,トラクタの繰返し走行を想定した載荷条件の下,作土層,耕盤層,グライ層の各層の厚 さおよび位置などを変えた解析を行い,土壌条件の違いが土壌踏圧の特性に及ぼす影響を検討して いる。その結果,土壌踏圧に伴う耕盤層の形成は土壌表面の沈下を抑制する効果がある一方で,沈 下抑制効果は耕盤層の厚さの減少により急速に失われることを示している。また,作土層が厚くな ると,主として同層の圧縮変形に起因して土壌表面の沈下量は増大し,逆に耕盤層の圧縮変形は減 少することを明らかにしている。

以上要するに,本論文は諫早湾干拓地の農業体系を考慮した農用機械の走行ならびに作業による 土壌踏圧のメカニズムを調査,実験および数値解析によって解明したものであり,生物生産工学の 発展に寄与する価値ある業績と認める。

よって,本研究者は博士(農学)の学位を得る資格を有するものと認める。

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