TCFD と CDP 開示状況
目標 (SBT) ・低炭素移行計画 についての最新動向
一般社団法人
CDP Worldwide-Japan
高瀬香絵
金融庁・日本取引所グループ主催セミナー
TCFD開示とトランジションファイナンス-2050年カーボンニュートラルに向けて-
パネルディスカッション:
トランジションを測る指標(KPIs)を巡るTCFDでの議論の進展
TCFD 提言を経てより進んだ
CDP を通じた情報開示
CDP を通じた企業の情報開示状況
{ 2020 年には 9600 社以上が回答 { 2019 年より 14% 回答数が増加
{ 回答企業は世界の時価総額の 50% 以上
気候変動
水セキュリティ
フォレスト
2020年CDP質問書
2018 年から TCFD 準拠
一般セクター質問(設問数
112
)5
回答の質 & パフォーマンス向上のためのスコアリング
情報開示
( D 、 D- )
•
現状の把握認識
( C 、 C- )
•
環境リスクが自社 にどのような影響 をもたらすかマネジメント
( B 、 B- )
•
環境リスクやその 影響をどのように 管理しているかリーダーシッ プ( A 、 A- )
•
環境リスクをどの ように解決できる か※無回答企業のスコアは F
2020 年気候変動投資家要請回答率
世界全体の投資家要請回答率は 45%(2800/6350) 、日本は 65%
対象国は年々拡大
インデックス対象企業の回答率は概ね高い
6 ※回答要請は国別にサンプルを設定し、加えて気候変動の課題に重大な影響を及ぼす企業が別途含まれる。
サンプル 根拠 回答率
Japan 500 FTSE Japanの上位500 327/500 = 65%
S&P 500 S&P500 377/499 = 76%
Euro FTSEurofirst 300 Index 262/299 = 88%
FTSE All-World FTSE All-Worldの上位800 633/797 = 79%
Global 500 FTSE Global Equity Index Series – All Cap (index)の上
位500 385/496 = 78%
スコープ 1 ・ 2 回答率 ( 全投資家要請回答企業 )
7
371, 99%
3, 1% 日本
報告あり 報告なし
2748, 97%
3% 80, グローバル
報告あり 報告なし
266, 71%
15% 54, 12% 46,
2% 8,
日本
1477, 1091, 52%
39%
138, 5% 122, 4%
グローバル
マーケット基準とロケーション基準 ロケーション基準のみ
マーケット基準のみ
スコープ 1
97% 99% 96% 98%
スコープ 2
スコープ 1,2 のフルデータセット
クリーニングとリアルタイム推計値
• 2015 年から構築
• 約 5000 社対象
(MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI)+ インデックス外の高排出企業 )
企業報告データ データクリーニング モデル構築
※高排出トップ
200
社の場合、企業にデータの妥当性を直接確認。
-
エネルギーデータ等内部整合-
外部データとの整合フルデータセット
-
報告データ(
品質スコア) -
推計データ-
排出量-
エネルギー-
原単位外部データ
リンク:
GHG Emissions Dataset - CDP
企業の目標設定
SBT のグローバルスタンダード化
SBT ( 科学に基づく目標設定 ) イニシアチブ
排出削減目標のグローバルスタンダード
共同:
パートナー組織:
1366 681
512 企業の (Business Ambition for 1.5°C) 1.5 ℃誓約 正式に SBT 設定を約束した 企業の数(設定済み含む)
日本企業
128
社目標が SBT と認定された 企業数
日本企業
98
社日本企業
19
社※SBT+ネットゼロを誓約
•
カバー率:除外は5%
まで•
削減水準:産業革命前からの気温上昇を1.5
℃ないしは2
℃より十分低い水準に抑え る可能性の高い水準どうしたら SBT の認定を受けられるのか
認定要件の概要
スコープ 1 ・ 2 スコープ 3
•
カバー率:スクリーニング(概算)の結果、スコープ
3
がスコープ1
・2
・3
の40%
を超え る場合、2/3
以上をカバーする目標設定が必 要。•
削減水準:産業革命前からの気温上昇を2
℃ に抑える可能性の高い水準•
時間軸:提出時から5
~15
年の間•
対象:すべてのGHG
、グループ全体•
基準年・最新年の両方からの削減率が最低水準を上回ること共通要件
•
毎年報告を進捗・開示報告・目標水準
基本は総量、単一財セクターは原単位も可
炭素効率のいい企業は削減率が低くても認定
2010 2020 2030 2040 2050
排出原単位
年
Company A Company B Sector
Company C
対象セクター 原単位分母
発電
MWh
鉄鋼 トン生産
アルミニウム トン生産
セメント トン生産
紙パルプ トン生産
サービス・商業建築
m
3旅客・貨物輸送 人キロ・トンキロ
2060 年に IEA エネルギー技術展望 2017 の WB2D シナリオが示す原単位に収斂
SBT 目標の厳しさ
2020 年からの削減
1.5 ℃: 2044 年までにはゼロ WB2D:2060 年までにはゼロ 2D: ゼロはもっと先
0 20 40 60 80 100
1.5 WB2D 2D
毎年
1.25%
削減毎年
2.5%
削減毎年
4.2%
削減住友化学は、 2013 年を基準として、
スコープ 1 および 2 の GHG 排出量を 2030 年までに 30 %、
2050 年までに 57 %削減することを約束します。
また、 2024 年までに、製品重量で 90 %のサプライヤーが科学的根拠に基づく GHG 削減目標を策定することを約束します。
認定目標の例
明らかに SBT 企業は排出を削減できていることが判明
2021.1 発表の SBT 進捗レポートより
15
SBTi
企業は同期間に25%
排出削減世界全体の排出量
(
トンCO
2
)
換算SBT i
企業の排出量(
トンCO
2
)
換算世界全体のエネルギー・産業プロセス起源の排出量が、
2015-2019
年の間に3.4%
増加したSBTi, ‘From Ambition to Impact: How companies are reducing emissions at scale with science-based targets’ (2021.January)
個社別評価
16 住友化学は、
2013
年比で2019
年までにスコープ1
・2
を30%
削減するという目標に対して、24%
削減出典:SBTi, ‘From Ambition to Impact: How companies are reducing emissions at scale with science-based targets’ (2021.January)
認定目標の例
日立製作所は、
スコープ 1 と 2 の GHG 排出量を総量で 2010 年比で 2030 年までに 100 %削減することを約束します。
また、スコープ 3 の GHG 排出量を同じ時間軸にて総量で 40 %削 減することを約束します。
+企業の 1.5 ℃誓約にて SBT 定義の 2050 年より前のネットゼロを約束
ネットゼロ
企業の 1.5 ℃誓約にて SBT 基準のネットゼロ設定を誓約している日本企業
(1.5℃、大企業のみ)1
スコープ
1
,2
目標 スコープ3
目標アサヒグループ ホールディングス
総量で2019年比2030年までに50%減、
2050年までに100%減
総量で2015年比2030年までに30%減、2050年までに100%減
アシックス 総量で2015年比で2030年までに63%減 購入した製品・サービス、販売した製品の廃棄処理について、総量で2015年比 で2030年までに63%減
アスクル 総量で2030年までにゼロ。 購入した製品・サービス、上流の輸送配送について、総量で2015年比2030年 までに15%減。
味の素 総量で2018年比で2030年までに50%減 トン生産量あたり原単位を2018年比2030年までに24%減 NTTデータ 総量で2016年比2030年までに60%減 総量で2016年比2030年までに55%減
小野薬品 総量で2017年比で2030年までに55%減、
2050年までに100%減
総量で2017年比で2030年までに30%減、2050年までに60%減 キリンホールディ
ングス
総量で2019年比で2030年までに50%減 総量で2015年比で2030年までに30%減
ソニー 総量で2018年比で2035年までに72%減 製品使用段階でのスコープ3排出を総量で2018年比で2035年までに45%減。購 入した製品・サービスについてのサプライヤーの排出量での10%が2025年まで にSBT相当の目標を設定する。
野村総研 総量で2013年比で2030年までに72%減 従業員の出張及び通勤に関する排出量を総量で2013年比で2030年までに25%減、NRIグルー プのサプライヤーの70%以上が2023年までにSBT水準の環境目標を設定
日立製作所 総量で2010年比で2030年までに100%減 総量で2010年比で2030年までに40%減 丸井グループ 総量で2016年比で2030年までに80%減、
2050年までに90%減
総量で2016年比で2030年までに35%減
リコー 総量で2015年比で2030年までに63%減 購入した財・サービス、輸送、製品使用段階のスコープ3排出を総量で2015年
2030 20%
SBT イニシアチブによるネットゼロ基準
2021 年 11 月にローンチ予定
ネットゼロの基礎的考え方
2020
年9
月ネットゼロ要件
コンサルテーション終了
ネットゼロガイダンス
2021.11
ローンチ予定※要件とガイダンスによって、企業はネットゼロ目標の SBT 認定を受けることができるようになる。
Coming soon…
Coming soon…
ネットゼロの定義
削減は1.5に沿い、どうしても削減できない分を中和。補償(削減クレジットは任意の追加的措置)
1.5°Cに沿った 削減経路
排出量(トンCO2換算)
3. 任意の補償
1. 中間SBT
2. ネットゼ ロ目標
炭素除去 総GHG排出量
補償活動
1. 中間のSBT: c企業はリーダーし
プ要件(目標水準、バウンダリ 等)に合致する中間のSBTsを保 有する必要がある(shall)。 2. ネットゼロ目標: 目標には、バ
リューチェーンの排出量の大幅 な脱炭素化と、削減しなかった 分の排出量をすべて中和する炭 素除去を含むものとする。
3. 任意の補償: 企業は削減しな かった排出量について、気候、
人々、自然に定量化可能な便益 をもたらすプロジェクト、プロ グラム、解決策に対して、毎年 の支援をすることによって、補 償を行うことが推奨されている。
単純化したネットゼロ目標軌道とは
ネットゼロ:削減と中和
補償は任意に追加的に行う
outside
対応戦略 対応結果
企業のバリューチェーン内 企業のバリューチェーン外
削減
企業がバリューチェーン内に おけるGHG排出源を、予防、
削減、除去する手段
補償
企業がバリューチェーン外に おけるGHG排出源を、予防、
削減、除去する手段
中和
企業が、バリューチェーン内において削減されずに残っている排出源の影 響を打ち消すべく大気中からの炭素を除去するためにとる手段
脱炭素化
森林減少や土地利用変化による 排出を減らす
CO2以外のGHG排出の最小 化
大気からのに参加炭素除去 (CDR)
ネットゼロ目標
2021 年気候変動質問書新設問
(C4.2c) ネットゼロ目標を具体的にお答えください。
目標参照番号 目標の対象範囲
このネットゼロ目 標に関連付けられ た絶対
/
原単位排 出量目標ネットゼロを達成 する目標年
これは科学的根拠 に基づいた目標で すか
?
説明してください
(
目標の対象範囲 を含む)
選択肢
: NZ1- NZ100
•
選択肢:
全社的•
事業部門•
事業活動•
操業地/
施設•
国/
地域•
商品レベル•
その他、具体的 にお答えください•
該当するものを すべて選択:
Abs1
~Abs100
•Int1
~Int100
•
該当なし数値記入欄
[2000
~
2100
の数字を入 力]
以下のドロップダ ウン選択肢から選 択します
文章記入欄
[
最大2,400
文字]
「移行」をどのように評価するのか ?
目標 ★ (SBT)
今
移行
トランジッション
「移行」を株主総会の予定決議事項に
低炭素移行計画
目標に達するための途中
Joint Voluntary Initiative by CDP and ADEME
低炭素移行を「評価」する枠組み開発
12
セクターについてのメソドロジーが完成目標
マテリアルな投資 無形投資
製品のパフォーマンス マネジメント
サプライヤー 顧客
政策エンゲージメント ビジネスモデル
順位 パフォーマンススコア
ナラティブスコア 傾向スコア
Say on Climate イニシアチブ
投資家の年次投票を促進
26
国連気候特使マーク・カーニー、企業の気候変動計画へ の投資家の年次投票を支持
ロンドン/ボストン(ロイター)
2020
年11
月9
日-
国連の気候特使であるマーク・カーニー氏は 月曜日、投資家による、企業が気候変動戦略を毎年の株主投票 に提出するよう求める動きを支持し、そのようなメカニズムは 温室効果ガス排出量削減の誓約に対する監視を改善できると述 べた。カーニーは、
(
中略)
投資家は給与に関する議論に参加するのと 同じように、企業の気候変動対策に自動的に助言票を投じるこ とができると述べました。「当局が計画を過度に規定するのではなく、投資家が移行に関 する発言権を持つことが望ましいかもしれません。 」
「これにより、責任、説明責任、持続可能性の間に重要なつな がりが確立されるでしょう。 」
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、気候変動を自身の 任期中の主要課題としており、投資家に対しても「気候変動に 関する決議を組織的に支持する」ことで企業を強く後押しする よう求めています
出典:
Say on Climate
低炭素移行計画:株主総会の予定決議事項
2021 年気候変動質問書新設問
(C3.1a) 貴社の低炭素移行計画は、定時株主総会 (AGMs) における議案として予定されていますか。
根拠
定時株主総会の議案として企業の低炭素移行計画を含めることで、株主は進捗に関連した決議を再検討し、取り上げることができます。この質問によって企業は、その 移行計画において透明性を証明でき、投資家やその他のステークホルダーが、ネットゼロ経済で成功するためのビジネスモデルを調整することに企業が尽力している規 模を評価する際の助けになります。
選択肢:
•はい
•いいえ、今後2年以内に定期的な議案にする予定はありません。
•いいえ、ただし今後2年以内に定期的な議案にする予定です
•いいえ、株主総会は開催しません