3
9
〈論文〉
FIT
制度以降の木質バイオマス発電の
展開と林業の自律的発展
目次 I 序論(山間地域・森林・林業の現状と研究目的) H 本研究の方法 E 森林・林業問題、木質バイオマス発電の現地調査結 果と考察 W 結論(林業の自律的発展と木質バイオマス発電問題) おわりにI 序論
(山間地域・森林・林業の現状と研究目的)
本章では、わが国の山間地域と森林・林業の現状 を述べ、本研究の目的を設定する。 1 - 1 わが国の山間地域の現状 今、わが国では山間地域から集落の崩壊が始まっ ている。平成2
2(
2
0
1
0
)
年度総務省の「過疎地域等 における集落の状況に関する現況把握調査J
))による と、今後1
0
年以内に消滅する集落は全国で4
5
4
、い ずれ消滅する集落は2
,
3
4
2
併せて2
,
7
9
6
集落(全集落 の4
.
3
%
)
となっている。「山村振興法J
に基づく「振 興山村J
21は2
0
1
0
年現在、全国7
3
5
市町村(全国市 町村の約四割)が指定され、国土面積の約五割、森 林面積の約六割を占めているが、人口では3%
にとど まり、6
5
歳以上の高齢者の割合は3
1
%と全国平均の 1.5倍となっているo 現在、山間地域の農林業の維持にとって、重要問 題は、獣害問題である。2
0
1
3
年2
月の農林水産省のデー タ:。によれば、野生鳥獣による農作物被害は、全国 で2∞9年度以降、 2∞億円を上回っており、被害の 七割が、シカ、イノシシ、サルによるもので、農山 村地域を中心に営農意欲の減退、耕作放棄地の増加 などi
架刻な状況をもたらしている。 西野寿章(
2
0
1
2
)
4)によると、非消滅の山村、すな わち、1
9
8
5
年から2
0
年間の人口増減が軽微で、若者(
2
0
-
-3
9
歳まで)の比率が平均値より高い山村は、 都市の通勤園地域にあるもの、観光・リゾート地域、 特定の農産物の生産や酪農に特化した農業地域、沿 岸山村で漁業を経済基盤とする地域となっており、林 業地域は含まれていない。このことは、今日の山村金 津 徹
がかつて基幹産業であった林業を喪失していること を知実に表している。 しかし、木材やバイオマスの生産とそれに支えら れた地域産業により、山間地域社会が持続すること は、多面的機能の発現と国土を健全に維持する基礎 であるo大野晃(19
9
4
)
は「現代山村は、いま構造 的地域間格差に加え、(中略)そこに住む人聞が貧困 化することによって、田畑、山林などの地域資源の 管理機能を低下させ、これが自然の貧困化を生み、下 流域の都市住民や漁業者に多大な影響を及ぼしつつ ありJ
へ「山村再生を考えるとき、その基本的視点は、 山に人が住み生産活動をすることが自然環境の保全 と離れ難く一体化しているという事実認識に立つこ とJ
6)と述べている。また、堀尾正靭(
2
0
0
7
)
は論文r
r
脱温暖化J
と『脱近代化J
J
の中でエネルギー供給 課題として「農村・中山間地域がエネルギー基地に なるためには、まず、そこでの暮らしが成り立ち、バ イオマスが材や食糧供給をつうじて産業となってい る状態をっくり出さなければならないj し、「エネル ギー問題は、結局は、農村・中山間地域の生存論に 接続されるJ
7)と述べている。1-2
森林の果たす役割2
0
1
1
年1
2
月に内閣府で実施された「森林と生活に 関する世論調査J
8)では、森林に期待する働きについ て、「災害防止J
が48%
、次が「地球温暖化防止」で45%
であった。地球温暖化については、気候変動IPCC
第4
次評価報告ω及び最近の第5
次第l
部会報 告)0)によれば、地球の海洋の水温は上昇し、 3,ωOm 以深の海洋深層の水温上昇まで確認されている。CO
2 の大気濃度の増加は地球のエネルギー収支の不均衡 に寄与するo温暖化の主因が人間活動であることは95%
まで確実であるとされている。 我が国の気象の変化について、平成2
4
年版(
2
0
1
2
年) 防災白書によれば、短時間豪雨の発生回数(1時間降 水量50mm
以上の年開発生回数)は1
9
7
6
年から1
0
年間平均で年間1
6
8
回、1
9
8
7
年から1
0
年間平均で1
9
5
回、1
9
9
9
年から1
0
年間平均で2
2
6
回と明らかに 増加している。このことは、最近の土砂災害(がけ 崩れ、地滑り、土石流)の発生状況が年々、増加し ていることと符合する。森林は、エネルギー資源という視点から見るとき、 化石燃料などの鉱物「資源
J
と比べ、カーボンニュー トラルという優位性のある「資源J
であり、また、生 物多様性・国土保全・洪水緩和・景観保持などの多 面的な公益的機能をもっ。 日本学術会議は2∞
1年11月、「地球環境・人間生 活にかかわる農業及ぴ森林の多面的な機能の評価に ついてJ
(答申)11)の中で、森林の多面的機能問題に ついて、各国の動向、農林業の自給率低下問題との 関連、特徴、歴史、地域性、経済効率への批判、評 価など多岐にわたって多面的機能の重要性を指摘し ている。答申の最後では、「今後の課題」として、「森 林の多面的な機能の評価の精度は(定性的評価も含 めて)森林のデータの精度に依存するが、残念なが らわが国の森林データの精度は必ずしも満足すべき ものとは言えない。そこで、森林情報の一層の整備 が第一の課題J
であり、「森林情報システムは、より 多面的機能評価可能なシステムにする必要がある」と 述べている。また、「あらゆるルートを通じて森林の 多面的な機能を理解してもらう必要がJ
あり、「その ためには国民が直接森林に関与できるいろいろな仕 組みを充実させJ
るとともに、「森林の保全、持続可 能な利用のために、公的支援体制や新たな森林産業 の創出も含めた『森林に対する新しい国民的対応の 枠組jが生まれることを期待J
するとしているo森 林の多面的機能については、表1-1
のようにまと めているo このような機能を持続的に発揮させるためには、人 工林において下刈、除伐、間伐などの適切な施業実 施と再造林を行う林業サイクルの確立が必要であり、 同時に間伐材・主伐材のカスケード利用を進めるこ とが重要である。「森林と生活に関する世論調査J
で は、森林の整備について、「森林は、国土保全、災害 防止などの公益的機能が高度に発揮されるよう、た とえ経済効率が低くても整備すべき j と答えた人が、 全体の69%に達している。 表1-
1r
森林の多面的機能j (1]生物多種性保全l
除潮むと. 遺伝子保全 1114)水源泊費織能 生物種保全1
洪水信和 6兆4686信円/年 植物種保全t
水資源貯留 8~~7407 億円/年 動物種保全繍獣保護) 目水量輔自 菌類保全1
水質浄化 14~~6361 億円/年 生態系保全 11(5)快適環境形同調畿 河川i
生態系保全1
気候緩和 沿岸生態系保全(魚っき) 11 夏の気温低下(と冬の気温上昇) (2]培涼環境保全l
村 童 地S温暖化の鱗日 11大気浄化 二置化炭素吸収 1兆2391偲円/年t
塵壊吸着 f~嫌毒剤t曾エネルギー 2261 億円/年 t 汚染物質吸収 地球気候システムの安定化I
快適生活環境形成 (3J 土砂災害防止機能/土壊保全揃~ 11 騒音防止 表面侵重防止 28~~2565億円/年t
アメニデイ 表層畿掴噴止 8~~4421 憧円/年I
I
(
(
;
]保健・レタJ工ーション機能 その他の土砂災害防止 H療養 落石防止 11 I)J ¥ピリテーション 土石流発生防止・停止促進t
保養 2兆2546億円/年 飛砂防止t
休養(休息・リフレッシュ) 土砂流出防止1
散 策 土壌保全(森林の生VJ
維持) 11 森林浴 その他の自然災害防止機能 目レクリエーション 雪崩防止 H 行 楽 防風1
スポーツ 防雪1
つり (7]支:ft旗 能 最観(ランドスケープ〕・風致 学習・教育 生産・労働体験の場 自然認識・自然との4寸1あい 芸術 宗教・絹L
伝統文化 地域の針新鋭量持(風土形劇 (8]物質生産機能 木材 鰍 糊 建築材 木製品原料 パルプ原料 食 糧 B酪ヰ 鰍ヰ 薬品その他の工業原料 緑化材料 観賞用植物 工芸材料 太 字 貨 幣3平価された宅約 注1:森林の多面的機能のうち、物理自矧鑑賞陵中心に貨幣評価が可館三一脚〉機能について、日本相桁会議の特完l慶長会等 の討語内容を踏まえて評価Uこをのである。 注2鳴能によって評価手法が異担ってL、ること等から、合計額はZ
直札ていない. 参 考)f地Z持軍境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的f三機能の評価に関する調査研究報告書J (練)三菱総合研究所平成13年11月 (出典:林野庁HPから)FIT制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展
4
1
1-3
わが国の林業の現状 山間地域の基幹産業のーっといわれた林業のGDP は2
0
1
1
年現在1
,5
9
2
億円で、全体の0
.
0
3
%
、産出額 は4
,1
6
6
億円(内、木材2
,0
5
5
億円)である。また、 林野庁の平成2
5(
2
0
1
3
)
年度予算額は2
,8
9
9
億円で 公共事業費(1,8
9
6
億円)の内、森林整備事業費が1
,1
8
5
億円弱であるo さらに、林家の平均林業所得は年間1
0
3
千円(
2
0
0
8
年)で、林業は産業として存立し難 い状況となっている。 高度経済成長期、国内の木材需要増に伴い、1
9
6
4
年には、木材輸入完全自由化が行われ、国産材の自 給率は下がり続けたo 当初、国産材より安いといわ れた外材価格は、1
9
9
0
年代に丸太に続き、製品の卸 売価格もスギを上回る状況となった。しかし、それ でも木材自給率は、2
∞
0
年に戦後最低の18%
台にま で低下した。また、林業就業者は1
9
6
5
年当時2
6
万 人から2
0
0
5
年には5
万人を割り込み、高齢化率は26%
となり、担い手問題でも大きな危機を迎えてい る。さらに、新植地を中心に獣害という新たな悪条 件が付け加わってきている。 森林は8
0
年代後半から間伐期を迎え、間伐促進、 木材のプランド化や流域林業活性化などの施策が取 り組まれた。しかし、材価の低迷などの影響で、間 伐は十分に進んでいない。2
0
1
0
年に実施された農林 水産省の「林業経営に関する意向調査」凶では、「山 林は保有するが、林業経営は行うつもりもない」と 回答した林家が全体の5
0
.
8
%
を占めたが、1
h
a
以上2
0
h
a
未満の林家では77%
を占めている。このように、 小規模層の経営感覚は恒常的な収入を期待するので はなく、急な出費に備える財産保持的要素が強い。現 在のように山元価格が安く、今までの山林への投資 に見合わない場合は、山への関心が薄れ、保育や伐 採を控え、放置に至るケースが多い。放置林問題に ついては、2
0
日 年9
月に実施された「農地・森林の 不在村所有者に対するインターネットアンケート調 査結果J
聞によれば、森林所有者の4人にl人が不 在村で、不在村者の八割程度が森林を放置している 現状があるo このことは、相続時未手続所有者と深 く関連性があることもアンケート調査結果で示され ている。 このような林家の状況に対し、森林組合はどのよ うな位置にあるのだろうか。森林組合は元々、官制 組合として出発したものであり、戦後の拡大造林推 進と相候って組合員の造林補助事業の代理申請業務 や組合員の造林作業など、施業受託を行ってきた。ま た、他に、組織造林といわれる公的造林や公共事業(治 山事業等)の施業請負者でもあり、常に補助金受け 皿の地位にあった。そのために、事業効率や創意工 夫などの経営改善のインセンティプがはたらかず、現 在でも民間事業体とのイコールフイツテイングがな いといわれている。1-4
わが国の木材産業の現状と最近の林政 今世紀に入って、素材生産量を増やすために、高 性能林業機械の普及対策とともに原木の出口対策と して大規模製材工場を全国的に増やす「新流通・加 工システムJ
r
新生産システム」 ωなどの政策が矢継 ぎ早に行われた。民主党政権の「森林・林業再生プ ランJ
でもこの流れは引き継がれ、この数年間で年 間最大原木処理規模1
0
万凶の大型工場が増えつつあ る。 この動きは従来であれば、森林組合や協同組合組 織を中心に補助金を投下する形態であったものから、 国産材振興を名目に私企業(大手も含め)の設備投 資 に 補 助 金 を 提 供 す る 形 態 へ と 変 化 を 伴 う も の で あった。「森林・林業再生プラン」を先導した梶山恵 司(
2
0
0
9
)
の主張を要約すれば、日本林業が厳しかっ たのは、戦後復興で木を切り尽くしたためで、戦後 の植林が利用できる状況に至り、森林資源ビジネス が 可 能 な 段 階 に 入 札 森 林 所 有 者 を 集 約 化 し 、 路 網 を整備し、間伐を行えば、安定した大量木材生産が 可能になり、林業・木材産業の集積が構築される問。 また、梶原康太郎(
2
0
1
1
)
附も国産材製材の基盤強化・ 大規模化のために素材生産拡大が重要と指摘してい る。演野英太郎・遠藤日雄(
2
0
1
1
)
17)らも製材工場 の規模拡大について、外材に対抗できる規模を明ら かにし、そのための原木集荷システムの構築を検討 している。このように、梶山氏を含め、研究者の多 くは、日本林業の発展方向を利用間伐の集約化と生 産性向上のための基盤(林道網)整備と大型機械化 促進、そのための国産材大規模製材の必要性を掲げ ている。しかし、梶山氏の森林・林業再生プランは、 過大な林道整備による土砂崩壊・流出の危険性や造 林・育林費を捻出できない収奪型のビジネスモデル となっているなど、造林・育林を林家に義務付け、伐 採業者の義務としなかったため、森林を荒廃させる 政策であったと批判されている。 このような大型林業機械による定常的生産への批 判から、NPO
法人土佐の森救援隊の中島らは、以前 から小規模森林所有者が行っていた簡易集材機と林 内作業車による搬出作業方法を「自伐林業」と命名し、 副業型林業として推奨し、「木の駅プロジェクトJ
18) とリンクして新たに発展させている。これは「森林・ 林業再生プラン」とは反対に、低投資と環境保全、多 数雇用を目指すものであり、全国的にも注目されて いる。 1-5 日本版 FITと木質バイオマス2
0
1
2
年7
月、それまでのRPS
法1¥1)に代わり、再 生可能エネルギー固定価格買取制度(以下rFIT制度J
)
が施行された。日本版
FIT
においては、木質バイオ マス発電は間伐材などの「未利用材J
、建築廃材の「リ サイクル木材J
、そして両者に属さない製材端材、輸 入材、PKS
加などの「一般木材」の3
つに分類され、 それぞれ発電された電気を電力会社が2
0
年間固定し た調達価格で買い取り、その費用を電気利用者から 使用電力に比例した賦課金により回収する制度であ る。制度設計段階でパルプ業界などから既存利用へ の影響を指摘されたため、FIT
制度の発足に併せて、 林野庁は「発電利用に供する木質バイオマスの証明 のためのガイドラインj及び同ガイドラインQ & A を公表し、ガイドラインの趣旨で「既存利用に影響 を及ぼさないよう適切に配慮していく必要がある。」 と記している。この趣旨に基づき、自主行動規範や 分別管理を求め、それぞれ選別と証明が必要とされ、 証明がないものについては「リサイクル木材J
の取 扱いがなされる。また、調達価格は普及が促進され れば、見直され、減額される。平成25年度 (2013) の買取価格及び期間は表1-2
のとおりである。 (出典:経産省資源エネルギー庁HPから筆者作成) 現在、木材はA材、 B材、 C材、 D材などと分別 されて、 A材は建築用、 B材は合板・集成材用、 C材 はチップ用、 D材は燃料若しくは林地残材に分けら れている。今回のFIT
制度では、既存用途に影響を 及ぼさないように「未利用材」はD材を中心に収集 することとし、間伐材及び森林経営計画による出材 や保安林、国有林・公有林、分収林からの出材に限 定している。林野庁では現在、林地残材は全国で毎年、2
,似泊万ばにおよぶと推計し、6
∞万ぱ程度を木質バ イオマス利用にすることを計画している。21)1-6
住宅産業の構造と建築様式の変化 森林・林業の健全化には、木材需要構造の改善も 必要である。現在、戸建ての注文住宅で年間1
棟の みを建てている建築業者は全建築業者の55%を占め るが、注文住宅全体の一割にも満たない棟数の建築 に止まっているo逆に、年間2
0
棟以上建築する業者 は全体の3.9%であるが、注文住宅金体の57%余りを 占めているo このように住宅産業は多くの中小零細 金業とー握りの大手とに分かれている。却 近年、国内の建築様式は大きく変化してきた。在 来軸組工法を採用する場合でも和室の設置が減少し、 柱を見せない大壁工法が増え、手刻みからプレカツ トが主流となったo そのために、木材は建築現場で 加工されることは激減し、大多数は製材からプレカッ ト工場を経て、工務庖に直送されるようになってき た。建築現場では乾燥材が強く求められるようになっ たが、国産材の乾燥材は三割に止まっている。 また、住宅の新設着工戸数は1
9
6
8
年から4
0
年間 は100万戸を超えていたが、ここ数年間は 80万戸前 後で推移している。木造率は漸減したが、40%
台は 維持されてきた。最近では50%なかばまで回復して いる。 木造の中で在来軸組工法は75%以上、ツーパイ フォー工法は1
0
万戸前後で木造の約二割を占めてい る。製材用材の需要量の八割が建築用であるが、在 来軸組工法の国産材シェアは三割強、ツーパイフォー 工法は総て外材といわれている。在来工法の中の部 材別使用量では、梁・桁構造材の国産材シェアは5% 程度と推計されている。国産材は、柱、造作材(役物) では過半数以上を占めるが、土台、羽柄材(下地材) は外材が三分の二以上を占めると推測されている。 幻} 外材輸入について、丸太関税の全廃、パルプ輸入 の自由化、木材輸入完全自由化が行われ、米国巨大 木材企業が抱える米材を中心に大手総合商社との連 携の下で輸入が拡大された。1
9
7
0
年に米材シェアは 全体の23%を占め、1
9
7
1
年の変動相場制への移行を 経て、暫くして国別輸入量で米国がトップに躍り出 た。木材輸入全体の六割は国内の大手総合商社によ るものである。国産材の高勝後、1
9
8
5
年のプラザ合 意による円高ドル安を背景に、1
9
8
0
年代、大手総合 商社は木材専門商社や大手ハウスメーカーの北米等 での現地生産、逆輸入に対抗して、分社化、子会社 化を進め、臨海部でハウスメーカー向けの加工施設 やプレカット工場、集成材工場などの外材流通基地 を展開してきた。一部では、総合商社の子会社、建 材メーカー、プレカット、ハウスメーカーの強固な バリューシステムを築き上げている。 一方、前述した内閣府の「森林と生活に関する世 論調査」では、木造住宅指向が80.7%(在来工法 56%、ツーバイフォ一等在来以外24.7%)で、価格 以外で重視することとして、「品質や性能が良く、耐 久性に優れていることJ
(68.
4
%
)
i
健康に配慮した材 料が用いられることJ
(
6
6
.
7
%
)
i
国産材が用いられて いることJ
(39.8%)となっており、一般消費者は機 能性を重視する一方で、国産材への愛着も見られる。 このことから、国産材利用は国民の期待に応えるも のといえる。1-7
本研究の目的 このように、森林・林業を巡る状況の中で、林政 はサプライサイド中心の「構造改革jや「合理化jの 政策を進めてきた。最近は、公共施設への国産材使FIT
制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展 43 用や木材ポイント制度などの需要対策の取組も進め られてはいるが、その視点は建築関係者や消費者の 立場からすれば十分とは言えない。 本研究では、今後も進められようとしている規模 拡大(施業集約)と路網整備、大型林業機械の導入 による生産効率重視の木材大量生産が持続可能で自 律的な日本林業の再建に繋がる政策なのか、また、FIT
制度により林業に新たな可能性が生まれるのか を、それぞれの現場と需要者サイドの視点から吟味 することを目的とする。なお、「自律J
的林業とは、 助成を受けずに完全に独り立ちできる「自立」まで を求めるものでなく、助成に甘えて現状に溺れるの ではなく、自らの意思で森林を経営し、公益的機能 を発婦させるとともに、国産材の供給を進め、国民 の期待に応えるような林業であるoE
本研究の方法 II-1 木材大量生産に関する実態調査 生産効率重視の木材大量生産の政策が持続可能で 自律的な林業の実現に繋がる政策であるのかどうか を明らかにするには、政策に関するマクロデータや 文献による論考ではなく、現場の状況の実地見聞に 基づく検討が必要であろう。そこで、本研究では以 下の四つの対象について現地調査等を行うこととし た。 まず第一に、以前から大規模生産をしている製材 会社や、過去に行政が主導して設置した製材工場、及 び、現在進行中の大規模製材等の現場において、政 策の効果がどのように展開しているのかを現地を訪 問して検討する。第二に、序論で述べた山間地域の 持続可能なまちづくり、すなわち、森林を核とした という視点から、最近、注目されている町村について、 「自律的な林業J
が進められているのかを現地を訪問 して検討する。第三に、木材大量生産と対峠し、比 較すべき候補として、自伐林業の実践地域について も現地を訪問して検討する。さらに、第四に、木材 を使用する建築士や工務庖の人々の考えについてア ンケート調査を行う。 主な現地調査候補地として、以下の地域を選定し、 訪問することとした: ①林業(大規模林家、高効率の素材生産業)・・ 速水林業(三重県)、八木木材(兵庫県)。 ②大規模製材(過去から操業)・・・・ウッドピア松 阪(三重県)、久万広域森組父野川事業所(愛媛県)、 瀬戸製材(大分県)、協和木材(福島県)、 トーセ ン(栃木県)。 ③大規模製材(最近の操業)・・・・兵庫木材センター (兵庫県)、秋田製材協同組合(秋田県)、高知おお とよ製材(高知県)、森の合板工場(岐阜県)、佐 伯広域森林組合宇目工場(大分県)、宮の郷木材事 業(茨城県)。 ④大規模製材(計画中)・・・・信州F.POWER
プ ロジェクト(長野県)、中国木材日向工場(宮崎県)。 ⑤森林を核とした地域づくり・・・・西粟倉村(岡 山県)、綾町(宮崎県)、住田町(岩手県)。 ⑥自伐林業の実践地域・・・・仁淀川町(高知県)、 大槌町(岩手県)。 現地調査においては、当事者及び関係者の本音を 聞き、事実を確認するためにヒアリングを重視した。 なお、自伐林業の実践地域の調査については、木 材の大量生産の調査箇所を優先したため、調査日程 が調整できず、断念せざるを得なかった。 II-2 木質バイオマス利用に関する実態調査FIT
制度発足から木質バイオマスを利用した発電 計画は、全国で7
0
箇所余りといわれているo しかし、 その中には、協議を開始したばかりで、具体的計画 を持たない箇所や地元との協議が整わず、当初から 計画の実行が難しいと考えられる箇所もある。表H
-1に実行(一部試運転、施工中)可能性がある「最 近の木質バイオマス発電計画」の一覧を示す。 この中から、本研究目的に基づき、林業・林産業 との係わりを焦点として、発電事業者、燃料の種類、 発電形態を分類し、調査候補地を検討したo
また、既 に稼働している木質バイオマス発電施設も、計画中 の木質バイオマス発電と比較検討するために、調査 候補地としたo 調査対象として選定するにあたり、①林業・林産 業と直接関係しない事業者の場合と、②林業・林産 業と関連する事業者に大別し、燃料の種類について は、①未利用材専焼と、②未利用材以外に分け、発 電形態については、①発電売電と、②熱電併給に分 類した。調査は、木材大量生産の現地調査との関連 性もあり、同時並行で実施することとし、以下の地 点を選定した。 林業・林産業と直接関係しない事業者:日本海水(兵 庫県赤穂市)、グリーンバイオマスファクトリー(宮 崎県都農町)、岐セン(岐阜県瑞穂市)、新エネルギー 開発(長野県南木曾町)。 林業・林産業と関連する事業者:三重エネウッド(三 重県松阪市)、中国木材日向工場バイオマス発電(宮 崎県日向市)、真庭バイオマス発電(岡山県真庭市)、 高知県のバイオマス発電。 地方自治体が主導しているもの:信州 Fパワープ ロジェクト(長野県塩尻市)。 既に稼働している木質バイオマス発電:能代バイ オマス発電(秋田県能代市)、銘建工業のエコ発電(岡 山県真庭市)。 以上、これらの箇所について調査を行った。都道府県名 市町村名 発電事業者 出カ数 チップ重量 稼働予定時期 PKS'廃材等 事業費等
3
と 北海道 江別市 王子グリーンリソース 25α)()kW 2∞∞ot2015年7月 未利用材、売電収入年間約40億円、蒸気と温水のー部は紙の乾燥利用(コジェネ)、グループの森林l割利用、残り道全減 北海道 苫小牧市 ニ井物産 12α)()kW 不明 2014年度中 総合木材業イワクラと連携し、イワクラ敷地内に建股 北海道 紋別市 紋別バイオマス発電(株) 50α)()kW 218000t2016年12月 OPKS・石炭 未利用材の他、 PKS約5万tI年と石炭約5万tI年、住友林業と住友共同電力の共同出資で2社設立、総事業費150億円 青森県 平川市 津軽バイオマスエナジー 6~拘'kW 不明 2015年予定 Aリンゴ勢定枝 廃棄物・リザイクル業者fタケエイJ
、売電、未利用材利用とリンゴ男定枝、チップ会社設立、総事業費20-30億円 青森県 五所川原市 本質バイオマス発電所を立ち上げる会 現 削'kW 4航路ot 2015年度末 五所川原市とつがる市の木質ペレァト製造業者ら7人が代表、木材ステーション構想、詳細は不明 青森県 八戸市 木材卸売会社他 5似)()kW? 不明 2013年 度 末 ?0震災がれき 間伐材と震災がれきを利用、詳細は不明 岩手県 野田村 新エネルギー開発 11回OkW 不明 20日 年 度 末 QpKS・家畜糞尿 間伐材等未利用木材と家事糞尿、 PKS、施設使用外の発電は売電 岩手県 宮古市 ジャパンブルーエナジー 3飢)()kW 17α)ot 2014年秋 チップ絶乾69t I日 岩手県 宮古市 (株)ウツティかわい 反則lkW 鋭)()()ot 2013年度末? 福島県 甫相馬市他 県内4-5カ所不明 M側 'kW?不明 不明 O除染間伐材 地元住民から反対運動、塙町は建設凍結に、詳細は不明 栃木県 那珂川町 (株) トーセン那珂川工場 日∞IkW? 5α)()()t 2014年春 廃校跡地に製材工場とバイオマス発電設置 神奈川県 川崎市 昭和シェル石泊 49∞OkW 不明 2015年12月 OPKS 未利用材のペレットとP郎、売電年間収入約100億円、京浜製油所跡地 山梨県 大月市 大月バイオマス発電 115∞kW 12αlOOt2016年2月 O着火剤でPKS等 企画運営は群馬県の「環境計画」、山梨県及び近県含め掬定枝中心、点火剤にPKS等、焼却灰は肥料利用に 長野県 南木曽町 新エネルギー開発 11日)()kW l飢渇∞t 2015年7月 O P悶 オリヅクス関連会社、未利用材の他、 PKS(ヤシ般)、事業費53億円余 長野県 塩民市 信州F'POWERプロジェクト l(削lOkW 125α)()t 却15年度 木材集中加工施設と発電所、 70億円、木材集積全体20万m 3 富山県 富山市? 北陸ポートサーピス(株) 57,∞IkW 創)()()ot 2015年4月 県の公募、県14億円予算計上、股置箇所は不明、本社富山市、詳細不明 石川県 輪島市 (株)輪島ブルーエナジー 30∞k W 不明 2015年春 基幹プラント「ブルータワーシステムJ、総事業費20-30億円、売電収入約7億円 岐阜県 瑞穂市 岐阜バイオマスファクトリー 50∞k W 90∞批 2014年秋 自工場消費以外は売電、岐センは染色メーカ一、工場敷地内に鉄塔あり、燃料部分は新会社、総事業費約29億円 静岡県 富士市 王子グリーンリソース 40α)()kW 10∞∞t 却15年3月 自社社有林の未利用材利用、約90健円投資、王子グループでは発電事業を大きな柱として位置付け 静岡県 島岡市 特殊東海製紙 現剛lOkW 不明 却15年10月 Oタイヤチップ等 未利用材、木刷、タイヤチップ等、投資額104億円、自工場消費で消費電力を減らす、売電なしか? 二重県 松阪市 ェ重エネウッド(協) 日氾OkW 出∞ot 却14年度秋 林業関連5社の協同組合、未利用間伐材専用、売電、事業費27億円 滋賀県 米原市 いぷきグリーンエナジー(株) 3550kW 511∞t 2015年1月 0麗材 ヤマムログループ(木質廃棄物リサイクル事業)の木質廃棄物、 1日約140tの燃料 兵庫県 赤穂市 日本海水 1 6530kW 1960∞t 2015年1月 O廃材・PKS等 全量売電、コジェネ(熱は塩の製造等)、未利用材 (98000t)、端材、建廃、パーク、 PKS使用 鳥取県 境港市 日新バイオマス発電 57'∞kW 8∞ ∞t 2015年4月 西工業団地に建設、趣事業費約26億円、発電所建設費8割までを無利子融資、日新グループ、自社チップ4万t 島根県 松江市 ナカパヤシ 62叩IkW 16αX附t 2015年春 未利用材使用、全量売電、エネ・ピジョンと併せ年間16万m 3のチップが必要 島根県 江稼市 エネ・ピジョン 127∞kW 却15年春 未利用材使用、全量売電、ナカパヤシと併せ年間16万m3のチップが必要、エネ・ビジョンは豊田通商の子会社 岡山県 真庭市 銘建工業の新会社 10α)()kW 120飢ゆt 2015年4月 未利用材8万t、端材4万t、37億円、全量売電23億1:年 広島県 呉市 中国木材 18000kW 190似ぬt 2014年秋 全量売電、チップの一部西九州木材事業(協)から、設備タクマ 広島県 廿日市市 (株)ウッドワン 日∞IkW 不明 2015年春 ウッドワン本社工場内、年間7億円の売電、 トラベリングストーカ一方式(タクマ)ボイラ蒸発量28.6肉、詳細不明 高知県 高知市 土佐グリーンパワー(株) 日ぬOkW 83α)()t 20日 年4月 木材団地内(銘建工業誘致}、出光興産50%土佐電鉄25%高知県森連25% 高知県 宿毛市 グリーンエネルギー研究所 6日)()kW 93飢渇t 2014年度中 高知工科大の環境ベンチャー事業、ペレット製造と併設、コジェネ、(株)相震のグループ企業(却12年7月発足} 熊本県 八代市 日本製紙八代工場 50∞IkW 7HlOOt 2015年3月 総て未利用木材、投資額約30健、売電13億円/年、当工場の近辺の加工工場6カ所で間伐材確保 大分県u
岡市 グリーン発電大分 57∞kW 60∞仇 2013年11月 間伐材専用 宮崎県 日南市 王子グリーンリソース 25α)()kW 不明 2015年3月 九州南部の間伐材使用、 85億円投資、売電専用約40億円/年、王子H Dの子会社 宮崎県 都農町 グリーンバイオマスファクトリー 50∞k W 72∞仇 2014年4月 未利用材利用 宮崎県 日向市 中国木材 18α)()kW 2似 削t 2015年度末 細島工業団地内に製材工場、集成材工場の新設に併せ、木質専焼バイオマス発電、製材不可の原木及び靖材・おが 鹿児島県 薩摩川内市 中越パルプ川内工場 お7∞IkW 不明 2015年11月 未利用木材7割、端材3割、 85億円投資、全量売電年約48億円、ポイラはタクマFIT制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展
4
5
II-3 需要者サイドについての調査 需要者サイドから林業・木材産業の課題を捉える ため、国産材使用、外材使用、集成材使用、プレカッ ト使用などについて、戸建て木造住宅を設計してい る建築士を対象に、京都府建築士会の協力を得てア ンケート調査を行った。結果を林業の現地調査の知 見と対比する。E
森林・林業問題、木質バイオマス発電の 現地調査結果と考察 国一 1 森林・林業問題、木質バイオマス発電の現地 調査 木材の大量生産について、山側(上流域)の大規 模林家や規模の大きい素材生産業者、森林県及び森 林を核とした地域づくりを目指す町村などの具体的 調査における調査概要は表m-1のとおりである。 表田一 1 上流域調査概要 事業体名 所在地 経営規模等 調査日及び場所 応対者 大規模林家 三重県紀北町 所有面積1,0
7
0
h
a
2
0
1
3
年8
月6
日 代 表 速 水 亨 速水林業 海山区引本浦 人工林8
1
3
h
a
速 水 林 業 「 大 田 賀 ((株)森林再生シ(
9
9
%
ヒノキ) 山 林 」 ま ち か ど 博 ス テ ム 代 表 取 締 役 林内路網4
5
m/ha
物館 兼務) 職員1
7
名(平均年齢4
3
歳) 素材生産業 兵庫県宍粟市 従業員5
名(1チーム)2
0
1
3
年5
月2
日 代表取締役 (株)八木木材 一宮町須行名 林業機械(プロセッサ、 作 業 道 開 設 と 間 伐 八 木 数 也 グ ラ ッ プ ル 、 フ ォ ワ } (搬出)現場 (兵庫木材センター ダ等)を使用し、作業 岡 市 波 賀 町 内 ( 長 理事長兼務) 道開設と利用間伐 期受託契約地) 平均1
5-16 nU
人日 宮崎県庁 宮 崎 県 宮 崎 市 橘 通 スギ素材生産量2
0
年以2
0
1
3
年1
1
月2
1
日 山村・木材振興課 東二丁目 上日本一 宮 崎 県 庁 環 境 森 林 主幹右田憲史郎 現 状 、 年 間 素 材 生 産 量 部会議室 主 査 河 野 浩 生1
6
0
万Irlを2
0
2
0
年 目 標 森林経営課1
9
0
万Irlに引き上げ 主 幹 松 永 雅 春 NPO法人 兵庫県丹波市 森林資源管理2
0
1
3
年8
月1
日 代表理事 サウンドウッズ 氷上町加茂 木材コーディネーター NPOサウンドウッ 安田哲也 の育成 ズ事務所 能口修一 地域材活用コンサル 町村名 位置 地域の特色 調査日及び場所 応対者 西粟倉村 岡山県北東端 面 積5
8
凶 、 山 林95%
、2
0
日 年5
月1
日 村 長 青 木 秀 樹 東 に 兵 庫 県 、 北 に 内 人 工 林8
5
% 、 人 口 村役場会議室 総務企画課長 鳥 取 県 と の 県 境 に1
5
2
0
人。平成の大合併 山下英輔 位置する。 で合併せず。 課長補佐 粟 屋 聡 綾町 宮崎県のほぼ中央、 面 積9
5
凶、山林80%
、2
0
1
3
年1
1
月2
1
日 企画財政課 県 都 宮 崎 市 の 北 西 人口7
2
0
0
人。日本最大 町役場会議室、 係 長 中 原 修 一 隣に位置する。 の照葉樹林で有名。自 有 機 農 業 開 発 セ ン 有 機 農 業 開 発 セ ン 然生態系農業、手作り ター ター農政顧問 工芸の里も有名。 黒木俊明次に中流域の大規模製材工場や関係する地方自治 体の担当部署の具体的調査の調査概要は表ill-2の とおりである。 表皿
-2
中流域調査概要 事業体名 所在地 経営規模等 調査日及ぴ場所 秋 田 製 材 協 同 組 合 秋 田 県 秋 田 市 河2
0
1
2
年4
月 開 設 同 年7 2
0
1
3
年6
月3
日 (アスクウッド) 辺戸島字七曲台 月稼働 秋田製材協同組合理 年間原木消費量 事長室1
4
万8
千ぱ 昨年度は5
万 ぱ でl
億2
千万赤字 乾燥材は約3
割 協同組合 兵庫県宍粟市2
0
1
0
年稼働2
0
1
3
年5
月2
日 兵庫木材センター 一宮町安積字丸山 年間原木消費量1
2
万6
千ぱ規模 昨年度1
億赤字 現入荷原木8
万ぱ ウッドピア松阪 三重県松阪市 大型木材コンビナート2
0
1
3
年8
月5
日 木の郷町 当初年間取扱量1
6
万ぱ ウッドピア松阪 計画、現在7
万ぱ 管理棟会議室 原因:素材業者の減少。 製品は2
5
千d
乾燥は高温乾燥 高知おおとよ製材 高知県大豊町 試験操業中2
0
1
3
年9
月9
日 川口 原木消費量1
0
万ぱ規模、 大豊町役場会議室及 当面5
万ぱ び工場周辺 高知県森連と協定し、 共販所からスギ等買取。 製品は主に柱。 瀬戸製材(株) 大分県日田市淡窓 スギ専用大規模製材所、2
0
1
3
年1
1
月1
9
日1
9
1
2
年操業。 瀬戸製材社長応接室 年間原木消費量6
万rrl 乾燥・強度の品質管理。 系列の日田十条はチッ プ生産。 長野県庁 プ ロ ジ ェ ク ト の2
0
1
5
年稼働予定2
0
1
3
年5
月2
4
日 (信州F'POWERプ 計 画 地 は 長 野 県 年間原木消費量1
0
万ぱ 長野県庁林務部 ロジェクト) 塩尻市片丘 規模の製材・フローリ 信州の木振興課 事業者は地元の征矢 ング加工。 野建材(株) 製品歩止まり25%
。 端材は発電施設 岐阜県庁 合 板 工 場 は 中 津 合 板 は2
0
1
1
年度稼働。2
0
日 年5
月2
3
日 (森の合板工場) 川市加子母 年間原木消費量9
6
千ぱ。 岐車県庁林政部県産 (中国木材工場進出) 中 国 木 材 は 郡 上 カラマツを表・裏でス 材流通課 市白鳥町 ギをサンド。 中国木材は既存工場跡 に 増 設 。 当 面5
万ぱ、 将来は1
0
万ぱ目標 スギ・ヒノキの無垢製材 日向市 宮崎県日向市 スギの中・大径材製材と2
0
1
3
年1
1
月2
0
日 (中国木材日向工場) 竹島町 集成材向け小径材製材。 日向市役所会議室 乾燥加工工場と木質パ イオ発電併設。2
期工事で集成材工場の 併設予定。 応対者 理事長 石崎修治 専務理事 近藤勝也 理事長 八木数也 三重県農林水産部 森林・林業経営課 主査中村好範 ウッドピア松阪協同 組合事務局長 田 中 穣 大豊町プロジェクト 推進室 班 長 平 石 稔 代表取締役社長瀬戸 事一郎 ((株)日田十条専務 取締役兼務日田木材 協同組合理事長) 長野県林務部 信州の木振興課 課長補佐 千 代 登 岐車県林政部 県産材流通課 技術主査 棚橋賢二 日向市産業経済部商 工港湾課 課長隅田衡輝 阿部林業振興課 課長橘木秀利FIT
制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展 47 建築士を対象としたアンケート調査については、京 都府建築士会の木造建築研究会の志村公夫座長の協 力を得て、会員の中から「木造建築研究会J
r
まちづ くり委員会J
i
研 修 委 員 会J
i
女性部会」などの役員 の他にiCPDJ
仰の登録者を中心に、名簿で設計事 務所や工務庖など建築関係の勤務先(現在、設計業 務担当と推定)と自宅住所が明記されている 147名 を抽出し、アンケートを郵送した。 また、木質バイオマス発電に関する調査概要は表 ill-3のとおりである。 表 皿 -3
r
木質バイオマス発電調査概要一覧表j 発電事業者 所在地 出力規模・ 燃料種類 調査巴及び場所 応苅者 稼 働 時 期 年間使用量 分 グリーン発電大 │大天分瀬県町日田市 20135700kW 年11月 6宋"""利"7用万材t グ日2リ田01市3年ン役発1所1月電1大9日分 課長日田市林業振興課津島俊治 グリーンバイオ 宮崎県都農町 5750kW 未利用材 2013年11月20日 都農町総合政策課 マスファクトリー 大字川北 2014年6月 7万2干t 都農町役場会議 係長グ河リー野ン美パ由イ紀才 予定 室 (株) マスフ?クトリー 専務取締役 坂元耕三他1名 二重工ネウッド 二重県船阪巾 5800kW 未利用材 2 ウ 理0ッ棟13F会年ピ議8?月室総日阪目管 =重工ネウッド 道 IJ¥片蔽野町字入 2014年11月 5.5...,7.8 (株) 予定 万t 代表取締役 西川幸成 岐阜バイオマス 岐車県瑞穂市 5000kW級 未利用材 2013年5月23日 自受章県林政部 パワー(岐セン 牛 収 岐 セ ン 2014年秋 約9万m3 岐阜県庁県産材 県産材流通課授術 (株)) 穂積工場敵地 予定 (約7万t) 流通課会議室 主査柘植孝久 土佐グリーン 高知県高知市 6250kW 未利用材 2013年9月9日 高知県林業振興 パワー 材井田新築(木仁 2015年4月 7...,8万t 高業知課県庁木材産 -木環材境産部業課チーフ 団地) 予定 谷脇勝久 グリーンエネ 高知県宿毛市 約6500kW未利用材 2013年9月9日 向 上 ルギ-研究所 平田(西南申核2015年1月 最大93干t 高知県庁木材産 工業団地) 予定 業課 銘建工業 岡山県真庭市 1950kW 錦屑とr
クー 2013年5月2日 銘建工業 工コ発電 勝 山 銘 建 工 1991年12月 鋸屑(含水 銘建工業工場 ハY元1"~朔事業部 業工場 率10%)80t 岩 太 /日 真庭バイオマス 岡山県真庭市 10000kW 未利用材と 2013年5月2日 向 上 発電 真庭産業団地 2015年4月 鋸 屑 未 利 銘建工業工場 予定 用材9万七 飽屑58干t 新開パイエ発オネ(株パル)ワギ(ー吾聾{才 長野県南木曾 11500kW 未利用材と 2013年5月23日 南木曾町産業 町吾妻? 2015""""16 ? 端4Cbコ材とPKS 南接木室曾町役場応 観光課 計115干 商工観光係長 リのッ関ク連ス会の社子)会社) t? (PKS5 松下幸一 万t?) 農 林 係 三 浦 崇 中国木材 宮崎県日向市 18000kW 未利用材と 2013年11月20日 日向市産業 竹島町 2014年12 製材端材等 日向市役所会議 経済部商工港漕課 月予定 合計20万t 室 課長隅田衡輝 林業振輿課長 橘木秀利 征矢野建材 長野県塩尻市 10000kW 来利用材と 2013年5月24日 長野県林務部 プ(信ロ州ジI
F
工.pクOトW)ER 片E
2015年4月 製材端材等 長野県庁振林務部 信州の木娠興課課 予定 宋合計利1用25材千はt1 信仰│の木興課 長補佐 千 代 登 0.5万m3 (株)日本海水 兵庫県赤穂市 16530kW 多種類(来利2013年5月1日 日本海水 加 里 屋 2015年2月 用パ材ー、端材、 (株)日会本議海室水赤 赤槽工場長 日本海水赤穂 予定 ク、PK 穂工場 塩 崎 成 治 他1名 工場 S、建廃) 未利用材約 98干t 能代森林資源 秋田県能代市 3000kW 建設廃材98 2013年6月3日 能代バイオマス 利用協同組合 観測字亥の台 2003年2月 %、端材・ 能代パイ才マス発 発 電 所 事 務 局 長 /てーク2% 電所 申村茂樹 54干""'6万t皿
-2
林業・木材産業の規模拡大の現状 グと現状を確認した。表ill-4はヒアリング内容を まとめたものであるo 林業・木材産業の規模拡大、「森林・林業再生プランJ
等について、上流域、中流域の調査箇所でヒアリン 事業体名 速水林業 八木木材 宮崎県 表皿- 4 大量生産、f
森林・林業再生プランJ
等に対する考え一覧 大量生産方式、「森林・林業再生プランJ
等について 「製材業は産業として成り立つかもしれないが、産業としての林業は捨てた方がいい。道付け と林業機械運搬にはメリットがあるかもしれないが、集約化しでもダメ。J
r
再生プランで、悪 質な伐採行為を防ぐために、造林義務や植林・育林負担を伐採行為者に負わせる制度設計が出 来なかったのは委員としても残念な結果だ。J
また、「育林コストの削減を重要視していないこ とや公務員のフォレスター制度が民間ビジネスを奪っていることも弱点だ。」f
l
9
9
5
年から林業機械化により、皆伐を実施したが、作業効率が上がり、事業地不足になり、 間伐作業に切り替えた。大量出材による丸太価格を安定化させるために、地域の同業者、木材 関係者等に呼びかけ、兵庫木材センター(大規模製材所)を開設した。今、森林所有者に 40 万円Ihaを還元している。」 スギの素材生産量は 140万 4千rrl(2012年)で全国一。県の林内の路網密度は 36. 5mlhaで 全国トップ。(全国平均 2010年度末で 21.5mlha) 高性能林業機械の保有は北海道に続いて 全国第二位。経営計画は県北で 50%程度、あまり進んでいない。丸太 U(削ぱを海外に輸出(主 に台湾)。 NPOサウンドウッズ │自民党政権に戻って、造林補助の採択基準が変わったように、民主党政権時代の再生プランも 変わるだろう。再生プランの素材生産部分では、品質問題が語られていない。素材生産、製材 にしてもコストダウン出来る巾があり、供給側では精々、 2...3千円/ぱの差。大量生産はい つかしわ寄せがくる。 秋田製材協同組合 (アスクウッド) 「秋田は天然スギの役物中心の製材工場が多かったが、天然スギがなくなり、人工林時代に入り 輸入材の増加、建築様式の変化、県外の建築会社の進出があり、状況が変わった。J
r
九州の宮 崎を視察して、量産して競争力をつけないと秋田県は原木の輸出県に終わるという危機感が業 界にも行政にもあった。J
r
当初、最低でも原木消費量、 20万ぱ程度の工場を計画していたが、 資金面や県の指導で規模を14万8千dに縮小した。昨年度は年間消費量、 5万凶(県森連共 販所及び民間木材市場の間伐材)に止まり、 1億2千万円の赤字となった。J
r
県内の製材工場 の内、中小は淘汰され、大規模か大工の注文に応えられる零細家族経営しか残らないのではな いか。J
(理事長談) 協 同 組 合 兵 庫 木 材I
r
年間原木消費量は 12万6千rrl可能だが、入荷量は8万凶で、内、製材は約半分強程度。残り センター │は合板とチップ。昨年度は1億円の赤字だが、今年度は黒字決算の見込み。J
(理事長談)林業 ウッドピア松阪 高知おおとよ製材 瀬戸製材(株) 機械は兵庫木材センターの所有で組合員には無償貸与している。 原木市場の当初の年間取扱量は原木16万ぱの計画であったが、 2ω4年の 98千ぱが最高。 2(岡崎年まで9万ぱで推移、現在 7万d。製品は 25千rrl(計画は 6万ぱ)0r
取扱量の減少は素 材業者の減少、製材工場(数は全国一)の減少がある。素材生産量は減少し、現在、 25万 7 千討、今後も増える見通しは厳しい。J
(県職員談) 2012年度、現町長の肝いりで3つのプロジェクトが立ち上がり、r
lOO年の森プロジェクトJ
の重点は林業の再生と森の100年の循環。そのために、大型製材所とバイオマスを重視の施策 がとられた。原木消費量は当面、年間5万dで3年後、 10万dが目標。県森連と協定し、近 くの嶺北共販所(足らなければ他の共販所)から調達する。 「大規模な製材工場が増えることについて、住宅市場は今後、縮小に向かうと考えられるが、 林野庁は市場を無視した計画を作り、予算消化に陥っていないか。製材業界の中では設備投資 に補助金がないとしないという風潮がでできている。J
r
再生プランについて、現場経験がない ドイツの模倣などの批判もあるが、当時、林野庁を含め、林業関係者が誰も語らなかった一つ のタタキ台と思う。J
(社長談)FIT制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展 49 長野県庁 素材生産について、近年、 30万ぱ程度で推移している。 1970年に167万rrl(固有林を含む)、 (信州 F'POWERプロ 1975年--1985年当時は90万--1∞ 万rrlもあったが、十数年前から現状程度である。「資源ポ ジェクト) テンシャルは十分ある。現在、県産材製品出荷量は 10万dで、現状は素材移出県。素材生産 を当面50万ぱ、 2020年目標は75万ばとし、素材移出県から脱皮したい。
J
(県職員談) 岐車県庁 県内の素材生産は1989年当時、 60万rrl、10年前は40万ぱ強であったのが、最近は30万ぱ台 (森の合板工場) で推移。「合板工場が出来る時、供給出来るのかという声があったが、県森連の働きで対応出 (中国木材工場進出) 来た。今回も同様の声が出ているが、県庁では「資源があるのに使われていなし」需要拡大が 必要J
の声が強い。中国木材の進出について、素材生産総量を増やすことで対応したい。J
(県 職員談) 宮崎県庁・日向市 国産材原木最大消費量、 30万凶の内、宮崎県内20万rrl、県外 10万討。現在、県内の素材生 (中国木材日向工場) 産量は160万rri、2020年目標190万ぱ目標。「県内の原木供給は県森速が窓口。他への影響は 実際にやってみないと分からない。J
(県職員談) ヒアリング内容を上流域、中流域に分け、中流域 を時間軸で区分し、特徴をまとめてみる。 上流域の速水林業の代表者で大規模生産を特徴と する「森林・林業再生プランJ
の策定委員の一人で ある速水亨氏は、再生プランについて、「集約化して もダメ。悪質な伐採行為を防ぐために、造林義務や 植林・育林負担を伐採行為者に負わせる制度設計が 出来なかったのは委員としても残念」とし、また、「育 林コストの削減を重要視していないこと」にも言及 した。また、兵庫県丹波市にあるNPO
法人サウンド ウッズの能口代表理事は再生プランに対して、「素材 生産部分では、品質問題が語られていなし、。素材生産、 製材にしてもコストダウン出来る巾があり、大量生 産はいつかしわ寄せがくる」という認識であったo 山側の特徴は、木材の大規模生産が及ぼす植林・ 育林負担の問題や木材の材質問題への行政側の不十 分な対応を問題としている。 ウッドピア松阪は竣工当時 (2∞0年)、全国でも有 数の木材コンビナートとして誕生し、年間原木取扱 量16万ぱの目標であったが、2004年98千ぱが最高で、 現在は7万ばである。ヒアリングした県職員からは、 「取扱量の減少は素材業者の減少、製材工場の減少が ある。県の素材生産量は減少し、現在、 25万7千m
。 今後も増える見通しは厳しいj という返答があった。 日田市で大正時代から操業し、年間スギ原木消費 量6万ぱを製材する瀬戸製材の社長は林野庁が大規 模な製材工場を増ゃそうとしていることについて、 「市場を無視した計画を作り、予算消化に陥っていな いか。製材業界の中では設備投資に補助金がないと しないという風潮がでできている j と懸念している。 以前から大規模製材を実施しているところでは、今 後の見通しの厳しさと製材業界の補助金依存体質へ の変化が懸念されていた。 最近、稼働した秋田製材協同組合(アスクウッド) の理事長は大規模製材工場建設に至ったことについ て、「天然スギがなくなり、人工林時代に入り、輸入 材の増加、建築様式の変化、県外の建築会社の進出 があり、状況が変わったJ
i
九州の宮崎を視察して、 量産して競争力をつけないと秋田県は原木の輸出県 に終わるという危機感が業界にも行政にもあった」と 述べた。また、県内の製材業界については、「中小は 淘汰され、大規模か大工の注文に応えられる零細家 族経営しか残らないのではないかJ
とも述べているo 素材生産業、八木木材の社長を兼務する兵庫木材 センターの八木理事長は、兵庫木材センター設立に 至ったことについて、 i1995年から林業機械化により、 皆伐を実施したが、作業効率が上がり、事業地不足 になり、間伐作業に切り替えた。大量出材による丸 太価格を安定化させるためJ
に、地域の同業者、木 材関係会社とともに同センターを 2010年に開設した。 現在の状況について、「年間原木消費量は 12万6千 ぱ可能だが、入荷量は8万m
で、内、製材は約半分 強程度。残りは合板とチップ」と述べている。 2011年から年間原木消費量9
6
千m
の「森の合板工 場J
を抱える岐車県の県職員は、「合板工場が出来る 時、供給出来るのかという声があったが、県森連の 働きで対応出来た」。県庁内では「資源があるのに使 われていない。需要拡大が必要」との声が強いと述 べた。 稼働から閑もない施設の特徴は、まだフル操業に 達していないことである。また、大規模製材操業の 根底には県外への原木流出の懸念があり、一方、原 木を納材する素材業者には、作業効率の上昇に伴う 原木価格低下への不安がある。 現在、年間原木消費量10万ぱ規模の製材・フロー リング加工及び木質バイオマス発電を計画中の長野 県の県職員は「資源ポテンシャルは十分あるo現状 は素材移出県。素材移出県から脱皮したい」と述べた。 試運転中の高知おおとよ製材がある大豊町の職員 は「町長発案のH
o
o
年の森プロジェクト』の重点は 林業の再生と森の I∞年の循環。そのために、大型 製材所とバイオマス重視の施策J
がとられ、「大型製材所の原木消費量は当面、年間
5
万ぱで3
年後、1
0
万d
が目標J
と述べた。 計画中、試運転中のところは、稼働問もないとこ ろと類似した特徴をもっている。 森林を核とした地域づくりについてのヒアリング の概要を表ill-5に示す。 表皿- 5
森林を核とした地域づくりヒアリング一覧 町村名 森林を核とした地域づくりについて 西粟倉村 2∞
8年、西粟倉村では美しい百年の森林に固まれたむらを実現しようと「百年の森林構想J
の説明会を各地区で開催し、 2∞
9年 4月から 50年育てた人工林の管理を諦めず、心と心をつ なぎ、価値を生み出す「心産業J
として、産業と雇用に繋げようと「百年の森林事業」が始まっ た。 3,ぽ旧Ibaの私有林を行政主導で「長期施業管理協定J
により一括管理をし、 FSC認証を取得し 皆伐をせずに間伐中心に行う。森林所有者からの費用負担は求めないかわりに間伐材販売に際 して、収益があった場合、半分を村に提供する。搬出した材は全量、(株)森の学校(Iター ン者の起業)が買い取るシステムとなっているoこの「森の学校J
が原木を仕分け、付加価値 加工して販売したり、端材を割り箸として生産販売している。この他に産直住宅やツアーの企 画など幅広く収入の確保を図っているo 綾 町 2012年 7月、ユネスコは綾町の照葉樹林を中心に「生物園保存地域J
(日本では愛称「ユネス コエコパークJ
)
に指定した。登録は32年ぶり 5か所目であった。今回の指定では、核心地域 (コアゾーン)、緩衝地域(パッファゾーン)、移行地域(トランジッションゾーン)に区分され 核心地域は保護地域とされ、緩衝地域は核心地域を保護するとともに環境教育や野外活動、調 査研究、観光、レジャーに利用でき、移行地域は人々が自然環境と共存しながら暮らしを営む 地域とされている。 綾町の照葉樹林保全運動は前町長が国有林の照葉樹林伐採、針葉樹の拡大造林計画の中止運動 から発展してきている。以前は林業が盛んな町で、あったが、全国でも最大規模の照葉樹林が残っ たことで、これを中心とした地域づくりと農薬に頼らずにバイオマスを活用した有機農業が進 められた。今回の指定はこのような自然と人間との共存を長年にわたり地道に進めてきた結果 である。 この二つの町村は、規模拡大による林業・林産業 とそのことによる雇用創出を目指した地域づくりを 進めてはいない。いずれも先人達が残した森林を継 承した地域づくりを目指している。西粟倉村は間伐 の実施と間伐材の活用による産業育成と雇用創出に 取り組み、綾町は残された照葉樹林を利用し、引き 続き「ユネスコエコパーク」として、持続的に森林 の多面的機能を活かす地域づくりへと発展させてき ている。 ID-3 供給側と需要側の双方から考える需要対策の 現状 ID-3一
(1) 供給側の需要対策の現状 次に、中流域の調査箇所において、製材品の需要 対策について、ヒアリングと現状を確認した。表E-6
でヒアリング内容をまとめて示す。 ヒアリング内容を中流地域の時間軸で区分し、特 徴をまとめてみる。 ウッドピア松阪では、住宅関連のプレカットは、年 間約2万坪で減少していなし、今後、「県産材需要を 増やしたいが、少子化で需要量は落ちるだろう」と 予測している。また、瀬戸製材の社長は「大規模に なれば、供給先も大型化し、大手のハウスメーカー と提携した場合には、製品買上価格が固定される契 約となるため、原木調達価格の変動に対応出来ないJ
というリスクを抱えることになると述べているD ま た、国産材の需要拡大については「木造住宅の全部 を国産材J
とする必要はなく、「適材適所に使用J
し つつ利用拡大を進めることが「大事ではないかJ
と 述べている。 既に大規模製材生産を経験しているところでは、需 要の開拓拡大でなく、むしろ、需要拡大に伴うリス クと需要減少を心配している。 秋田製材協同組合(アスクウッド)の場合は羽柄 材を中心に建売メーカー、県外のプレカット工場、建 材メーカー(三菱商事、双日、ジューテック)に供 給し、乾燥材は約3割、 36cm以上の大径材製材は取 り扱わないとしているo また、兵庫木材センターの 八木理事長の話では、「製品在庫は最長でも一月程度、1
社全量受注もある。j と述べ、製品は大半が人工乾 燥材であるo 最近、稼働したところでは、地元需要でなく、現FIT
制度以降の木質バイオマス発電の展開と林業の自律的発展5
1
表皿一6 需要対策の考え一覧 事業体名 木材製品の需要対策について 秋田製材協同組合 「今のところ、製品は羽柄材が多く、建売メーカー、県外のプレカット工場、建材メーカーに (アスクウッド) 供給している。J
乾燥材は約3割、天然乾燥も行っている。 協 同 組 合 兵 庫 木 材 「製品在庫は最長でも一月程度、 1社全量受注もある。」高温乾燥15基、 Iド温乾燥2基を所有し センター 今後、中温乾燥3基を導入する予定。 ウッドピア松阪 住宅関連のプレカットは、年間約2万坪で減少していなし当。大型並材製材工場は柱材中心だが 構造材、羽柄材も製材。集成材加工の主な出荷先は住友林業。古河林業の国産材住宅のヒノキ は三重県産。「県産材需要を増やしたいが、少子化で需要量は落ちるだろう。J
(県職員談)天 然乾燥設備も新設した。 高知おおとよ製材 「製品は主に柱 (KD材)、供給先は主に関東の大手ハウスメーカーへ高知港から船便で出荷す る予定。東京、大阪、名古屋に県の製品倉庫がある。J
(町職員談)乾燥機は高温乾燥12基と 中温乾燥機。将来は集成材CLT
も製造予定。 瀬戸製材(株) 「大規模になれば、供給先も大型化し、大手のハウスメーカーと提携した場合に製品買上価格 が回定される契約となるため、原木調達価格の変動に対応出来ないということになるo木造住 宅について、全部を国産材使用と思わなく、適材適所に使用することが大事で、はなし?か。J
(社 長談) 長野県庁 主にフローリング、梁、桁の生産。フローリング樹種はアカマツと広葉樹(サクラ、ナラ、カ (信州F'POWER
プロ ンパ等)中心で、他にカラマツ、ヒノキ。製品出荷先は大建工業。製品歩止まりは25%、年 ジェクト) 間製品出荷量は 2~3 万ぱ。 岐阜県庁 「合板は当初、 15mmが主流といわれていたが、需要が12mmとなり、スギ材の割合が少なく (森の合板工場) なった。J
(県職員談) (中国木材工場進出) 「中国木材の製品供給については、既存の製材工場の需給変化は避けたい。県外や商社等の需 要に対応してもらえるように考えている。J
(同) 宮崎県庁・日向市(中 「中・大径材無垢製材(原木消費量20万ぱ)の他、間伐材等(原木消費量10万ぱ)の小径材 国木材日向工場) 製材品を集成材加工するようである。製品は既存の流通だけでなく、海外、特に中国向けに輸 出が計画されている。J
(市職員談) 在のところ、県外の大手需要先との繋がり(系列化) が特徴となっているo を売り込むために三大都市圏に製品倉庫を準備し、長 野 県 は 大 径 材 と 製 品 歩 止 ま り の 悪 い フ ロ ー リ ン グ に 特 化 し て い る 。 中 国 木 材 日 向 工 場 は 規 模 の 大 き さ だ け で な く 、 木 質 バ イ オ マ ス 発 電 の コ ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン と リ ン ク し て 、 コ ス ト 削 減 を 利 用 し 、 低 コ ス ト 木 材 製 品 の 製 造 ・ 輸 出 を 図 ろ う と し て お り 、 こ れ か ら の 木 材 産 業 の モ デ ル ケ ー ス と な り う る の か 、 注 目 さ れる。 試 運 転 中 で あ っ た 高 知 お お と よ 製 材 に つ い て 大 豊 町職員は、「製品は主に柱(KD
材)、供給先は主に関 東 の 大 手 ハ ウ ス メ ー カ ー へ 高 知 港 か ら 船 便 で 出 荷 す る予定。東京、大阪、名古屋に県の製品倉庫があるJ
と述べている。長野県で計画のところは、主にフロー リ ン グ 、 梁 、 桁 の 生 産 を 計 画 し 、 大 建 工 業 に 出 荷 さ れ る 予 定 で あ る 。 中 国 木 材 の 関 係 で あ る が 、 岐 阜 県 郡 上 市 操 業 工 場 に つ い て 、 県 職 員 は 「 中 国 木 材 の 製 品 供 給 に つ い て は 、 既 存 の 製 材 工 場 の 需 給 変 化 は 避 け た い 。 県 外 や 商 社 等 の 需 要 に 対 応 し て も ら う 」 と 述 べ て い る 。 ま た 、 計 画 の 中 国 木 材 日 向 工 場 は 、 年 間 原 木 使 用 量30万ぱの国産材製材最大規模であり、 日 向 市 の 職 員 の 話 で は 「 製 品 は 既 存 の 流 通 だ け で な く、海外、特に中国向けに輸出が計画されているJ
と 述べている。 計 画 中 な ど の と こ ろ は 、 既 に 新 し い 販 路 開 拓 を 前 提 と し て い る の が 特 徴 で あ る 。 高 知 県 で は 、 県 産 材 田- 3一
(2) 需要側の現状(アンケート調査) 以上、木材の供給側からの視点で、需要についてヒ アリングしたが、本節では、需要側からの視点、で対 比 し て 考 察 す る た め の ア ン ケ ー ト 調 査 の 結 果 を 述 べ る。 ア ン ケ ー ト 調 査 は 京 都 府 建 築 士 会 の 名 簿 か ら 抽 出 した 147名に対し、アンケートを郵送して行った。宛 先不明6名を除く実質141名中、47名から返信があり、 回収率は33.3%であった。アンケート用紙は別紙(付 表 1)のとおりであるo国一7 建築士アンケート集計表 --ーー・---・ー一一--~ --・F圃司F ・ --司-...--... - .. ・ --. ・圃司・司 ・・F・司,