VII. Lagrangian, Hamiltonian および運動方程式の求め方の具体例:
電磁 場 中 の粒 子 の 運動
1. 一 般に、 電 場 E ~ および 磁 場 B ~ を「スカラーポテンシャル」
φ(~ r, t) および「ベクトルポテンシャル」 A(~ ~ r, t) を 使 って次 のように 表 すことができる:
E ~ = − ∇φ ~ − A ~ ˙ (1)
B ~ = ∇ × ~ A ~ (2)
そのとき、 次の 2 つの Maxwell 方 程式が自 動的 に 満 たされて いる:
∇ × ~ E+ ~
·
B ~ = 0
∇ · ~ B ~ = 0 残りの2つ Maxwell 方 程式
∇ × ~ B− ~
·
E ~ = ~j
∇ · ~ E ~ = ρ
であるが、 以下 では E, ~ B ~ は「 外 場」として 与 えられてい ると考える。 即 ち、その「 外 場」の 中 に 運動 する粒 子 が自 分 で 作 っている 電 場および 磁 場は 無視 できるとする。
2. 一 様な 電 場 E ~ および 磁 場 B ~ に 対 するスカラーポテンシャ ルおよびベクトルポテンシャルとして、 例 えば
φ(~ r) = − E ~ · ~ r , A(~ ~ r) = 1 2
B ~ × ~ r
を 使 うことができる。 式 (1), (2) を 満 たしていることが 直
に 確 認できる。
3. 次の Lagrangian から導かれる Euler-Lagrange 方 程式が、 電 磁 場 中 の Newton の 運動方 程式と 一 致する
1:
L = m
2 ~ v
2− e φ(~ r) + e ~ v · A(~ ~ r) (3) ただし e は粒 子 の 電荷 である。 即 ち、Euler-Lagrange 方 程式
d dt
∂L
∂~ v
= ∂L
∂~ r (4)
が Newton の 運動方 程式
m ~ r=
··e
E ~ + ~ v × B ~
(5) と 一 致する。 式 (5) の 右辺 は Lorentz 力 である。
ここで (4) と (5) が一致することを確認しましょう:A(~~ r) が粒子の位 置ベクトル ~r(t) の関数であることに注意すると、(4) の左辺は
d dt
m~v+ e ~A(~r)
= m
··
~ r +e
~v ·∇~A~ (6) となる。式 (4) の右辺は
−e ~∇φ(~r) +e ~∇~v ·A~
(7)
である。ただし、式 (7) の2番目の項では、微分 (∇)~ はベクトルポテン シャル A(~~ r) のみに作用するという意味である。式 (6) = 式 (7)、およ びベクトル解析からの恒等式
∇~ ~v·A~
−~v ·∇~A~ = ~v ×∇ ×~ A~
(8) を使って Newton の運動方程式 (5) は出てくる。
4. Lagrangian (3) に 対 応する Hamlitonian を導くため、 先 ず粒 子 の座 標 ~ r に 対 する 共 役 運動 量 (canonical momentum) は
2~
p = ∂L
∂~ v = m~ v + e ~ A (9)
1以下では~v= ˙~rとする。
2Sect. VI.では、一般化された座標qに対応する共役運動量pをp=∂L/∂q˙ で定義した。
で 表 す。 この「 共 役 運動 量」 ~ p が「 力学的運動 量」 m~ v と 異ることに 注意 する
3。 式 (9) を 使 って、 速 度 (~ v) を次のよ うに ~ p で 表 すことができる:
~ v = 1 m
p ~ − e ~ A
(10)
従って、 Sect. VI. で 勉 強した Legendre 変換 を 使 って Hamil-
tonian を次のように 求 めることができる:
H = ~ p · ~ v − L = 1 2m
~
p − e ~ A
2+ eφ (11)
次に、 一 様な 電 場と 磁 場のなかに 運動 する粒 子 の Newton 運動 方 程式 (5) の 解 を 求 める。 座 標 系を次のようにとる:
B ~ = (0, 0, B) E ~ =
0, E
⊥, E
||運動方 程式 (5) を成 分 毎に 分 けて 書 くと、
m x
··= e y B
·(12)
m y
··= eE
⊥− e x B
·(13)
m z
··= eE
||(14)
式(14) から
z = 1 2 e E
||m t
2+ v
z0t + z
0が得られる。 ただし v
z0, z
0は 定数 。 即 ち、 粒 子 が z 方向 へ等 加速 度 運動 をする。
次に
u ≡ x ,
·v ≡ y
·3量子力学では、 ~pが演算子−i¯h ~∇になる。
を 使 って、 式 (12), (13) を次のように 書 き 変 える:
u
·= ω v (15)
v
·= −ω
u − E
⊥B
(16) ただし ω ≡
eBm. 上 式は 時 間について「非 同 次 型 」 一 次微 分方 程 式である。 従ってその 一 般 解 は、「 同 次 型 」 方 程式の 一 般 解 +
「非 同 次 型 」 方 程式の特殊 解 である。
• 先 ず「 同 次 型 」 方 程式は
u
·= ωv v
·= −ωu
上 式から u=
··−ω
2u なので、 同 次 型方 程式の 一 般 解 は
u = C cos (ωt + δ) (17)
v = u
·ω = −C sin (ωt + δ) (18) ただし C, δ は 定数 .
• 「非 同 次 型 」 方 程式 (15), (16) の特殊 解 は v = 0, u = E
⊥B
• 従って、 (15), (16) の 一 般 解 は u = E
⊥B + C cos (ωt + δ) (19)
v = −C sin (ωt + δ) (20)
となる。 初期条件 として、 t = 0 のときの 速 度は x 方向 に とる場 合 は δ = 0, 即 ち
u = E
⊥B + C cos ωt (21)
v = −C sin ωt (22)
それを 時 間について積 分 して、 x(t), y(t) についての 解 は x(t) = E
⊥B t − A sin ωt + x
0(23) y(t) = −A cos ωt + y
0(24) ただし x
0, y
0, A = −C/ω は 定数 . 初期条件 として、 t = 0 の ときに x(t = 0) = y(t = 0) = 0 とすれば、 x
0= 0, y
0= A を とる:
x = E
⊥B t − A sin ωt (25) y = A (1 − cos ωt) (26)
ここで粒 子 が 描 く 曲 線について考える。 上 記の x(t), y(t) との 間に次の関 係 式が成り立つ:
x − E
⊥B t
2
+ (y − A)
2= A
2(27)
これは (x, y) 平面で 半 径 A, 中 心 (E
⊥t/B , A) の 円 の 方 程式であ ある。 即 ち、 円 の 中 心は 速 度 E
⊥/B で x 方向 に 運動 する。
A
t=0: y(0)=0. ω
x(0)=y(0)=0 .
E /B
x y