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献血の危機:何故献血者は減り続けるのか?

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Academic year: 2021

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Fig. Yearly numberoftotalblood donorsand age-stratified donorsin Japanese Red Cross Blood Centersfrom 1995 to 2007 (Ministry ofHealth,Welfare and Labor,20081) )

A remarkable reductionsin the numberofblood donorsin the 16 to 19 and 20 to 29 year groupsisseen,versussmallerfluctuationsin the otherage groups.

【編集者への手紙】 Letter to the Editor

献血の危機:何故献血者は減り続けるのか?

清水 勝

わが国の献血者数は,1964 年の献血への閣議決定以 降,順調に伸び,高校での集団献血も盛んに行なわれ,

1985 年には過去最高の 870 万人(献血率 7.2%)に達し た1).その間に輸血療法は全血輸血から成分輸血へと転 換したが,新鮮凍結血漿の使用量が急増したことから,

大量の赤血球成分が廃棄される事態となり,その状況 が TV に放映されたりした.また,血漿分画製剤の輸 入も急増し,国際的な批判を受けるようになった.そ こで,旧厚生省は 1986 年に 400m

l

全血と成分採血(新 採血基準)を導入し,血液製剤の適正使用基準を設け,

血液製剤の国内自給の基本方針を策定した.

ところが,この年から献血者数が年々減少し始め,

昨年(2007 年)は 494 万人(献血率 3.9%)となり,特 に 10,20 歳代の献血者数の減少とその減少率は各年代 別人口減よりもより高い状態が続いている(Fig. )1).新

採血基準による採血が軌道に乗るのには 4,5 年以上を 要していることから,その導入が直接の契機とは考え 難い.一方,近年医療機関が 400m

l

全血由来の赤血球 成分製剤を積極的に使用するようになった結果,現在

(平成 19 年度)全血採血の 83% が 400m

l

採血,赤血球 製剤供給量の 91% が 400m

l

由来となり1),以前とは異 なる事由により 200m

l

由来の赤血球成分の多くが廃棄 されている.

現行の採血基準では 16,17 歳の人は 200m

l

全血採血 しかできないが,日赤としては 200m

l

採血を控えたい と考えるのは,当然であろう.その結果,特に高校で の集団献血が次第に行なわれなくなり,多くの高校生 にとって献血を体験したり,献血そのものを実際に知 る機会さえも失われてきていると思われる.このよう な状況が,過去 10 年以上続き,その影響が 20 歳代に

医療法人 西城病院内科

〔受付日:2008 年 9 月 26 日,受理日:2009 年 6 月 17 日〕

Japanese Journal of Transfusion and Cell Therapy, Vol. 55. No. 6 556):723724, 2009

(2)

724 Japanese Journal of Transfusion and Cell Therapy, Vol. 55. No. 6

まで持込まれ,最近の 5 年間をみても献血者数が 20 歳代で 30%,10 歳代で 40% も減少していることと深 く関連しているのではないかと思われる.さらに 5,6 年後には 30 歳代も同様な傾向となるのではないかと危 惧される.

では,対策をどうするか.最も望ましい合理的な方 策は,16,17 歳からも 400m

l

,成分採血を可能にする ことであろう.高校生およびその教諭と父母の合計 1,177 人を対象に,16,17 歳からの 400m

l

,成分採血実施の 可否についてのアンケート調査では,70 数%が本人の 意志に任せるなどと,肯定的な回答をしていた2).また 試験的に 17 歳の高校生 322 人から 400m

l

採血を行った 結果,副作用の発生率は対照群(18,19 歳)に比して むしろ少ない傾向にあった3)

新たなことが軌道に乗るのには少なくとも 5〜10 年 は掛る.若い献血者の減少に歯止めをかけ,「血液の入 る」を将来にわたって保証できる方策を,今から積極 的に講じて行く必要があると考える.

1)厚生労働省:血液事業報告,平成 20 年度版.

2)竹中道子,神谷 忠,杉浦さよ子,他:16,17 歳(高校 生)を対象とする 400mL 全血と成分採血導入の可否―

介入試験による検討.日本輸血・細胞治療学会誌,52:

684―692, 2006.

3)山本定光,池田久實,山本 哲,他:17 歳男性の 400 mL 全血採血に関する検討.日本輸血・細胞治療学会誌,

55:230, 2007.

BLOOD DONATION CRISIS: WHAT EXPLAINS THE RECENT DECREASE IN VOLUNTARY BLOOD DONORS, PARTICULARLY YOUNG PERSONS?

Masaru Shimizu

Department of Internal Medicine, Saiki Hospital

Keywords:

blood collection regulations, young generation, 400 m

l

whole blood collection, blood component collection

!2009 The Japan Society of Transfusion Medicine and Cell Therapy Journal Web Site: http:!!www.yuketsu.gr.jp

参照

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