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地球規模保健課題推進研究事業(国際医学協力研究事業)

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Academic year: 2022

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地球規模保健課題推進研究事業(国際医学協力研究事業)

「寄生虫疾患の病態解明及びその予防・治療をめざした研究」

研究協力者  報告書

トリパノソーマの防御応答回避メカニズムの解析

研究協力者  群馬大学大学院・保健学研究科・生体情報検査科学分野  嶋田  淳子

研究要旨

南米型トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)は中南米に流行する寄生原虫で、感染すると 宿主細胞のアポトーシスを抑制することがわかっている。宿主アポトーシス抑制因子 c-FLIP と相互作用する原虫側因子を探索するため、photo-cross-linkingの実験系を確立した。

A. 研究目的

Trypanosoma cruzi感染により宿主アポトーシ

ス 抑制因子 c-FLIP と相互作用する原虫側因子

の探索を行うため、培養細胞を用い、c-FLIP の 高発細胞を樹立する。また、c-FLIP と相互作用 する原虫側因子を探索することを目的とする。

B. 研究方法

ヒト由来培養細胞HT1080にc-FLIP遺伝子 発現細胞を樹立する。予備実験で、全長の

c-FLIP全長を発現することが困難であったた

め、c-FLIPをDED領域とpseudo caspase領域 に分け、各々の遺伝子をtag付ベクターに連結 した。リポフェクションによりHT1080細胞 にトランスフェクションし、クローン化後、

高発現細胞を樹立した。発現細胞にT. cruzi を感染させ、photoアミノ酸を含む培地で24 時間培養し、UV照射によりphoto-cross linking を行った。この方法により、高発現させたタ ンパク質と相互作用するタンパク質を共有結 合させることができる。Photo-cross-linikingの 実験条件を決めるため、UV照射条件等を検討 した。最適条件で細胞ライセートを調整し、

抗tag抗体で免疫沈降後ウエスタンブロット を行い、相互作用するタンパク質を探索した。

C. 結果

c-FLIPの pseudo caspase 領域発現細胞クロ ーンを5個得ることができ、そのうちの2ク ローンで本タンパク質の発現が確認された。

この細胞を用いて photo-cross-linking の実験

条件を検討したところ、波長365 nm、照射 エネルギー2800 mW/cm2、照射距離5 cm、 16 分間が最適であることがわかった。そこ でpseudo caspase 発現細胞にT. cruziを感染 させ、この条件下で photo-cross-linking を行 ったところ、pseudo caspaseより分子量が大 きいバンドが複数認められた。

D. 考察

アポトーシス抑制因子c-FLIPのpseudo

caspase 領域を発現する細胞を樹立するこ

とができた。DED領域を発現する細胞のク ローンは未だ得られておらず、この領域は アポトーシス誘導と関連しているため、高 発現細胞が得られない可能性が考えられた。

また、UV照射によりpseudo caspaseより分 子量が大きいサイズのバンドが検出された ことから、photo-cross-linking法の実験条件 を確立することができ、相互作用するタン パク質の存在が明らかとなった。現在、

MS/MSを用いて、pseudo caspaseと結合 したタンパク質の解析を試みている。

E. 結論

アポトーシス抑制因子c-FLIPのpseudo

caspase 領域を発現する細胞を樹立すること

ができた。c-FLIPと相互作用するタンパク質 を探すためのツールとして

photo-cross-linkingの実験系を確立した。 

G. 研究発表

(2)

73 1.論文発表

和文論文 なし

英文論文   なし

2.学会発表

本村玲奈、嶋田淳子  南米型トリパノソーマ 感染宿主細胞の細胞分裂とアクチンの解析  第72回日本寄生虫学会東日本大会・第10回 分子寄生虫・マラリアフォーラム合同大会  群馬大学昭和キャンパス、前橋、平成24年10 月12‐13日

高橋千由紀、嶋田淳子  Trypanosoma cruzi 感染細胞におけるオートファジーと原虫由来の タンパク質との関連性の解析  第 82 回日本寄 生虫学会大会、東京医科歯科大学、東京、平 成25年3月29‐31日

H. 知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得

  なし

2. 実用新案登録

なし

参照

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