「地震保険に関するアンケート調
査」結果の経済分析
佐藤主光(もとひろ)
一橋大学経済学研究科・政策大学院
1.問題意識
事前(災害前)の自助努力の促進 ー首都直下地震など大規模な災害が発生した場合、被災者支 援に充てられる国・被災自治体の財源にも限りがある。救済 対象となる被災者が多くなれば、「真に救済すべき」被災者 に対して十分な支援が行き届かないかもしれない。 ーこれを避けるには事前に自助努力できる人には自助努力を 促す仕組み、高齢者・低所得者等、被災時に災害弱者となり 得る人にも予め自助努力の機会を与える必要がある。問題意識
地震保険の公共性 ー地震保険から支払われる保険金は生活資金として「被災者 の生活の安定に寄与する」(地震保険法第1条)。 ー被災者が速やかに生活再建できれば、仮設住宅・公営住宅 の提供や家賃の減免など事後の被災者支援が少なくて済む。 そこに「保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険す ることにより、地震保険の普及」を図る公共性がある。 ⇒地震保険制度はこの公共性を充足しているか? 地震保険はそれを最も必要とする世帯に普及しているか?図表:地震保険の必要性 持ち家 借家(賃貸) 高 所 得者 耐震性の高い住宅に居住・自己保険も利 用可能 保険加入は一般に不要 中 所 得者 保険加入が重要・住宅再建の不足分は借 入・貯蓄の取り崩しで対応可能 当面の生活資金の確保のための保険加 入・自己保険を利かせる余地もあり 低 所 得者 保険加入が極めて重要・保険金がなけれ ば生活・住宅再建は公的支援に依存 当面の生活資金の確保のため保険加入 が重要 出所:野崎(2009)より作成
地震保険の機能
「保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険すること により、地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者 の生活の安定に寄与することを目的とする」(地震保険法第 1条) 「地震保険についても、耐震性が低く倒壊や全壊の危険性 が高い建物に対しては、そのリスクに応じた高い保険料を設 定し、耐震性が高く安全な建物に対しては低い保険料を設 定することを通じて、新築であれ改修であれ、耐震化促進へ のインセンティブを付与することが重要である。・・・、民間の 自助努力によって国民の生命や財産を守るストックが形成さ れていくという好循環に資する。」(規制改革会議「規制改革 推進のための第2次答申」(平成19 年12 月25 日))経済学のアプローチ
アンケート調査(エビデンス)に基づく地震保険の経済分析 経済学のアプローチ ー実態把握 ー分析・評価(理論・実証分析) ー提言 地震アンケート調査の問題意識 ー地震保険加入者・未加入者の実態把握 ー地震保険加入の決定要因の分析(実証) ー加入促進に向けた政策提言2.アンケート調査の概要
一橋大学「近未来の課題解決を目指した実証的社会科学研 究推進事業(研究代表者:一橋大学経済学研究科教授 齊 藤誠)」は(株)野村総合研究所(NRI)に委託して、「地震保 険に関する消費者意識調査」を実施。 ● 調査概要 実施時期:2008年12月12日~15日 方 法:NRIのインターネットリサーチサービスTRUENAVI (http://truenavi.net)を利用 対 象:日本全国に在住する一般消費者(世帯年収別に4階 層に分け、階層ごとに800人以上の回答が得られるように調 査を実施) 回答数:3,381人実態把握(調査結果)
地震保険加入率への影響要因 加入率 世帯年収(所得) ++ 金融資産 + 大地震への危機意識 ++ 住宅の築年数 -- 住宅の再建・修 繕費用の出所 預貯金等(自己 保険) - 行政に期待 - 地震保険料への割高感 --所得階層別加入率(持ち家世帯) サンプル数=2553 11.6 19.7 28.3 28.6 36.4 36.0 33.5 35.8 34.0 39.0 39.3 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 250万円未満 250万円~500万円未満 500万円~750万円未満 750万円~1, 000万円未満 1, 000万円~1, 250万円未満 1, 250万円~1, 500万円未満 1, 500万円~1, 750万円未満 1, 750万円~2, 000万円未満 2, 000万円~2, 250万円未満 2, 250万円~2, 500万円未満 1. 2, 500万円以上 % 地震保険・火災保険加入 火災保険のみに加入 (共済を含めて)加入せず
金融資産別加入率(持ち家世帯) サンプル数=2540(無回答を除く) 26.2 34.2 29.6 35.4 33.9 24.2 18.2 22.9 17.1 20.8 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 500万円未満 500万円~1, 000万円未満 1, 000万円~1, 500万円未満 1, 500万円~2, 000万円未満 2, 000万円以上 % 地震保険・火災保険に加入 火災保険のみ加入 (共済を含めて)加入せず
大地震への危機意識別加入率(持ち家世帯) サンプル数=2553 37.1 31.4 20.7 19.5 19.1 19.1 20.8 17.6 24.1 37.8 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 起こ る と 思う も し かし た ら 起こ る と 思う お そ ら く 起こ ら な い と 思う 起こ ら な い と 思う ど ち ら と も 言え な い ・わから な い % 地震保険・火災保険に加入 火災保険のみ加入 (共済を含めて)加入せず
建造物の建築年別加入率(持ち家世帯) サンプル数=2553 7.9 13.9 21.0 25.6 30.4 42.5 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0 昭和35年以前 昭和36年~昭和45年 昭和46年~昭和55年 昭和56年~昭和63年 平成元年~平成10年 平成11年以降 % 地震保険・火災保険に加入 火災保険のみ加入 (共済を含めて)加入せず
住宅の再建・修繕に要する費用(持ち家) 複数回答 56.0 80.2 22.7 2.9 10.2 64.4 28.5 31.9 7.3 16.8 61.8 44.4 29.1 6.0 14.8 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 預貯金等の取崩し 保険(共済を含む) 国・地方自治体など、行政対応に期待 親・兄弟・親類などの援助 金融機関などからの借入 地震保険加入 地震保険未加入 合計
住宅再建・補修費用所得別(持ち家世帯) サンプル数=2553 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 250万円未満 250万円~500万円未満 500万円~750万円未満 750万円~1, 000万円未満 1, 000万円~1, 250万円未満 1, 250万円~1, 500万円未満 1, 500万円~1, 750万円未満 1, 750万円~2, 000万円未満 2, 000万円~2, 250万円未満 2, 250万円~2, 500万円未満 1. 2, 500万円以上 % 預貯金等の取崩し 行政対応に期待
地震保険料への認識(持ち家世帯) サンプル数=2553 51.2 40.9 40.6 28.6 45.9 28.7 33.3 31.8 33.7 30.9 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 250万円未満 250万円~500万円未満 合計(全所得層) 地震保険加入 地震保険未加入 高い やや高い 妥当である やや安い 安い
地域別地震保険加入率(持ち家世帯) サンプル数=2553 22.4 41.9 23.4 40.2 24.1 36.1 30.9 44.8 77.6 58.1 76.6 59.8 75.9 63.9 69.1 55.2 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 木造 非木造 木造 非木造 木造 非木造 木造 非木造 1等地 2等地 3等地 4等地 % 地震保険加入 地震保険未加入
3.実証分析
これまでは個別の決定要因と地震保険加入率の関係を検証 ―統計的妥当性? ―みかけの相関? 以下では、回答者の属性(年齢など)、複数の決定要因(所 得、資産、危険認識等)を同時に考慮したときにいずれが加 入率に影響しているかを統計的(計量経済学的)に検証 実証分析の理論 ー簡単な保険購入モデル=「期待効用最大化」問題要因間の関係
地震保険加入の選択 個人の属性(年 齢・建築年数等) 個人の経済状況 (所得・資産等) 地震保険料への 割高感理論モデル
個人は地震保険に加入するか否かを選択 -I=所得・資産 -H=地震保険料 -A=保険金(固定) -D=災害による損失 -G=被災時の政府支援 -π=災害発生確率(主観))
(
)
(
)
1
(
1U
I
pA
U
I
G
pA
D
A
EU
=
−
π
−
+
π
+
−
−
+
)
(
)
(
)
1
(
0U
I
U
I
G
D
EU
=
−
π
+
π
+
−
地震保険加入 地震保険未加入 「期待効用」理論モデル
{
}
ε
α
β
π
β
β
β
β
π
π
π
π
−
+
+
+
+
+
≈
−
+
+
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−
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−
−
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X
G
p
I
D
G
I
U
I
U
A
D
pA
G
I
pA
I
U
EU
EU
4 3 2 1 0 0 1)
(
)
(
)
1
(
)
(
)
(
)
1
(
地震保険に加入 ⇔EU
1≥
EU
2 地震保険加入確率)
(
)
Pr(
)
Pr(
4 3 2 1 0 4 3 2 1 0 0 1X
G
p
I
F
X
G
p
I
EU
EU
α
β
π
β
β
β
β
α
β
π
β
β
β
β
ε
+
+
+
+
+
=
+
+
+
+
+
≤
=
≥
=
個人の属性(年齢等) かく乱項経済理論からの予想
2β
4β
係数 符号 災害時の自己保険 (-) 保険料の支払い能力 (+) 割高感 (-) 災害リスク認知(危機意識) (+) モラルハザード (-) 1β
3β
経済理論からの予想
地震保険加入率への影響要因 加入率 世帯年収(所得)・資産 +(自己保険効果を除く) 大地震への危機意識 + 住宅の再建・修 繕費用の出所 預貯金等(自 己保険) - 行政に期待 -(モラル・ハザード) 地震保険料への割高感 -実証分析(その1)
対象=持ち家世帯(2553) ただし、 (1)「JA(農協)で建物更生共済に加入している」回答者を除外 (2)金融資産の質問(Q59)に回答 サンプル数=2385 推計方法=プロビット 従属変数=居住建物の地震保険に加入(=1)説明変数
要因 個人の属性 年齢・住宅の建築年数 ローン残高の有無 被災経験 災害リスクへの認知 大規模地震への危機意識 保険料等地(1~4) 個人の経済状況 所得・金融資産 制度要因 保険料 保険料への割高感 事後的支援 行政への期待説明変数:
変数リスト 質問項目 Q24 「居住建物」に対する地震保険加 入 加入=1 Q32 「家財」に対する地震保険加入 加入=1 Q2 融資の有無 現在有=1 Q4 木造・非木造 木造=1 Q5 建築年数 昭和56年以前=1 Q15 本人・家族の被害経験 経験あり=1 Q17 大地震への危機感 「起こる」・「もしかしたら起 こる」=1 Q2101 住居被害への対応 貯蓄を取り崩す=1 Q2103 住居被害への対応 行政対応に期待=1 Q22 被災者生活再建支援制度 よく知っている=1 Q44 地震保険料への認識 「高い」・「やや高い」=1 Q52 都道府県 地震保険料等地(1~4) Q54 年齢 Q58 世帯年収 1~11段階 Q59 金融資産 1~5【Q.58】 あなたの世帯年収(ボーナス、臨時収入を含めた税込み。年 金を含みます。)をお知らせください。(ひとつだけ) 1. 250万円未満 2. 250万円~500万円未満 3. 500万円~750万円未満 4. 750万円~1,000万円未満 5. 1,000万円~1,250万円未満 6. 1,250万円~1,500万円未満 7. 1,500万円~1,750万円未満 8. 1,750万円~2,000万円未満 9. 2,000万円~2,250万円未満 10. 2,250万円~2,500万円未満 11. 2,500万円以上
【Q.59】 あなたの世帯の預貯金(金融資産)についてお知らせください。 (ひとつだけ) 1. 500万円未満 2. 500万円~1,000万円未満 3. 1,000万円~1,500万円未満 4. 1,500万円~2,000万円未満 5. 2,000万円以上
基本統計量
Q24 Q32 Q2 Q4 Q5 Q15 Q17 平均 0.31 0.20 0.47 0.60 0.18 0.18 0.80 標準偏差 0.46 0.40 0.50 0.49 0.39 0.38 0.40 変動係数 0.67 0.50 0.95 1.22 0.47 0.47 1.97 標本数 2553 2553 2553 2553 2553 2553 2553 Q21.1 Q21.3 Q22 Q44 Q54 Q58 Q59 0.62 0.29 0.02 0.72 44.76 5.17 2.78 0.49 0.45 0.12 0.45 10.90 2.66 1.67 1.27 0.64 0.12 1.62 4.11 1.94 1.66 2553 2553 2553 2553 2553 2553 2540実証結果:
対象=持ち家 「JA(農協)で建物更生共済に加入している」回答者を除外 サンプル数=2397 モデル1 モデル2 モデル3 係数 標準偏差P値 係数 標準偏差 P値 係数 標準偏差 P値 定数項 -0.782 0.060 0.000 -1.009 0.125 0.000 -1.263 0.138 0.000 融資の有無 0.366 0.057 0.000 建築年数 -0.258 0.084 0.002 本人・家族の被害経験 大地震への危機感 住宅被害(貯蓄を取り崩し) 住居被害(行政へ期待) 被災者生活再建支援制度 地震保険料への割高感 保険料等地 保険料等地*木造 年齢 0.005 0.002 0.038 0.008 0.003 0.003 世帯年収 0.064 0.010 0.000 0.063 0.010 0.000 0.062 0.010 0.000 世帯年収*世帯年収 金融資産実証結果:
対象=持ち家 「JA(農協)で建物更生共済に加入している」回答者を除外 金融資産の質問(Q59)に回答 サンプル数=2385 モデル4 モデル5 モデル6 係数 標準偏差P値 係数 標準偏差 P値 係数 標準偏差 P値 定数項 -0.786 0.063 0.000 -1.007 0.125 -1.311 0.141 融資の有無 0.430 0.430 建築年数 -0.255 0.084 0.003 本人・家族の被害経験 大地震への危機感 住宅被害(貯蓄を取り崩し) 住居被害(行政へ期待) 被災者生活再建支援制度 地震保険料への割高感 保険料等地 保険料等地*木造 年齢 0.005 0.003 0.040 0.007 0.003 0.010 世帯年収 0.062 0.012 0.000 0.064 0.012 0.044 0.012 世帯年収*世帯年収 金融資産 0.004 0.019 0.812 -0.003 0.019 0.891 0.056 0.021 0.007実証結果(その1)
係数 標準偏差 P値 限界効果 定数項 -1.470 0.194 0.000 融資の有無 0.373 0.065 0.000 11.9% 建築年数 -0.196 0.088 0.026 -6.3% 本人・家族の被害経験 0.027 0.074 0.714 0.9% 大地震への危機感 0.376 0.077 0.000 12.0% 住宅被害(貯蓄を取り崩し) -0.529 0.066 0.000 -16.9% 住居被害(行政へ期待) -0.504 0.070 0.000 -16.1% 被災者生活再建支援制度 0.814 0.219 0.000 26.1% 地震保険料への割高感 -0.508 0.063 0.000 -16.2% 保険料等地 0.103 0.029 0.000 3.3% 保険料等地*木造 -0.040 0.018 0.024 -1.3% 年齢 0.010 0.003 0.000 0.3% 世帯年収 0.138 0.046 0.003 4.4% 世帯年収*世帯年収 -0.009 0.004 0.010 -0.3% 金融資産 0.090 0.022 0.000 2.9%実証分析(その2)
対象=持ち家世帯+賃貸世帯 ただし、 (1)「JA(農協)で建物更生共済に加入している」回答者を除外 (2)金融資産の質問(Q59)に回答 サンプル数=3218 推計方法=プロビット 従属変数=家財の地震保険に加入(=1)基本統計量
Q24 Q32 Q2 Q4 Q5 Q15 Q17 平均 0.23 0.18 0.36 0.52 0.18 0.18 0.80 標準偏差 0.42 0.38 0.48 0.50 0.39 0.38 0.40 変動係数 0.55 0.47 0.74 1.04 0.47 0.47 1.97 標本数 3381 3381 3381 3381 3381 3381 3381 Q21.1 Q21.3 Q22 Q44 Q54 Q58 Q59 0.60 0.30 0.01 0.72 43.17 4.71 2.56 0.49 0.46 0.12 0.45 10.96 2.68 1.65 1.23 0.66 0.12 1.59 3.94 1.76 1.55 3381 3381 3381 3381 3381 3381 3364実証結果
モデル1 モデル2 係数 標準偏差 P値 係数 標準偏差 P値 定数項 -1.653 0.119 0.000 -1.690 0.120 0.000 融資の有無 0.330 0.057 0.000 0.331 0.058 0.000 建築年数 -0.187 0.078 0.017 -0.181 0.078 0.021 本人・家族の被害経験 0.226 0.065 0.000 大地震への危機感 住宅被害(貯蓄を取り崩し) 住居被害(行政へ期待) 被災者生活再建支援制度 地震保険料への割高感 保険料等地 保険料等地*木造 年齢 0.005 0.002 0.032 0.005 0.002 0.031 世帯年収 0.040 0.012 0.001 0.037 0.012 0.002 世帯年収*世帯年収 金融資産 0.087 0.020 0.000 0.088 0.020 0.000実証結果(その2)
係数 標準偏差 P値 限界効果(%) 定数項 -1.946 0.172 0.000 融資の有無 0.303 0.060 0.000 7.3% 建築年数 -0.120 0.082 0.143 -2.9% 本人・家族の被害経験 0.195 0.069 0.005 4.7% 大地震への危機感 0.391 0.077 0.000 9.4% 住宅被害(貯蓄を取り崩し) -0.446 0.063 0.000 -10.7% 住居被害(行政へ期待) -0.483 0.068 0.000 -11.6% 被災者生活再建支援制度 1.038 0.197 0.000 24.9% 地震保険料への割高感 -0.371 0.059 0.000 -8.9% 保険料等地 0.088 0.027 0.001 2.1% 保険料等地*木造 -0.044 0.017 0.010 -1.0% 年齢 0.009 0.003 0.001 0.2% 世帯年収 0.117 0.044 0.008 2.8% 世帯年収*世帯年収 -0.008 0.003 0.021 -0.2% 金融資産 0.116 0.022 0.000 2.8%実証結果(まとめ)
加入率への影響 居住建物 家財 世帯年収(所得) ++(1%有意) ++ 金融資産 ++ ++ 年齢 ++ ++ 大地震への危機意識 ++ ++ 本人・家族の被災経験 有意にならず ++ 住宅の築年数 -(5%有意) 有意にならず 住宅の再建・修 繕費用の出所 預貯金等(自己 保険) -- -- 行政に期待 -- -- 地震保険料への割高感 -- --実証結果(まとめ)
概ね標準的な経済理論に即した実証結果 個人は自身の「リスク認知」に基づいて、「合理的」に加入選 択 統計的にも、(1)低所得層、(2)旧耐震基準(昭和56年以前) 世帯が地震保険に加入しない傾向が確認 ⇒被災時に生活資金を必要とする世帯に地震保険が普及し ていない 評価・政策的含意は?4.政策的含意
(1)地震保険料の割高感、(2)災害時の行政の対応への期待 が地震保険加入の誘因を阻害している。 ただし、「被災者生活再建支援制度」への理解がモラルハ ザードを助長しているわけではない -「被災者生活再建支援制度」への理解=災害への関心(?) ⇒根拠は明らかではない漠然とした行政に対する期待感? ⇒行政の役割の明確化が不可欠 地震保険料への割高感 ⇒地震保険料が高すぎる? 保険料への理解不足?地震保険制度への理解
(率) (率) (率) 火災保険では、地震による建物・家 財の被害は免責 1,513 44.8% 1,170 34.6% 698 20.6% 地震保険の単独加入不可 1,008 29.8% 965 28.5% 1,408 41.6% 地震保険料は政府の介入により安い 364 10.8% 907 26.8% 2,110 62.4% 火災保険の30%~50% 404 11.9% 910 26.9% 2,067 61.1% 地域と構造による保険料 1,000 29.6% 1,252 37.0% 1,129 33.4% 耐震性能や建築時期による割引 438 13.0% 1,140 33.7% 1,803 53.3% 地震保険料控除 762 22.5% 856 25.3% 1,763 52.1% 地震保険に関する知識 知っていた なんとなく知っていた 知らなかった割引率 建築年割引 対象建物が、昭和56年6月1日以降に新築され た建物である場合 10% 耐震等級割引 対象建物が、「住宅の品質確保の促進等に関す る法律」に規定する日本住宅性能表示基準に定 められた耐震等級 または国土交通省の定める 「耐震診断による耐震等級 の評価指針」に定め られた耐震等級を有している場合 10%~ 30% 免震建築物割引 対象物件が、「住宅の品質確保の促進等に関す る法律」に基づく「免震建築物」である場合 30% 耐震診断割引 地方公共団体等による耐震診断または耐震改 修の結果、建築基準法(昭和56年6月1日施行) における耐震基準を満たす場合 10%
地震保険割引
地震保険料控除
「損害保険料控除」が原則廃止され、代わって、所得
税(平成19年~)・住民税(平成20年~)に地震保険 料控除が導入: