準公共財︵O=虫︒ω憎℃¢已甘
その配分方式 ΩoO量と
山 之 内 光 弓 身
一 203
公共財︵口口σ嵩O ∩︸OOαω︶の特質の一つは︑すでに十九世紀末に︑限界効用分析を基礎として精力的に利益説の復
興をはかったマツォラ︵Oσqoζ器No﹃︶によって指摘された通り︑消費の不可分性にある︒公共財も︑個人的満足
を充足し︑その消費が個々の満足に結合しているという点では私的財と異るところはない︒しかし個人的消費量の分
割︑測定は不可能であり︑個別的満足の正確な帰属分は不明確である︒この消費の不可分性こそが︑公共財の単一市
場価格の設定を不可能にする技術的理由にほかならない︒私的財の価格については︑排他原則が適用されるのに対
し︑公共財の消費から一部の人を排除するためには︑公共財の全面的徹去が必要であり︑そうしない限り︑支払わな
い人もひとしく公共財を亨干することになる︒かかる初期のマツォラの指摘は︑のちにサムエルソン︵勺餌巳︾. 囲ω凶ヨ露Φδ8︶によって︑より精密な手法で定式化せられた︒すなわち︑各個人︵同工Q・::.慨:・:︒恥℃ ℃ ℃ 博 ℃︶の間に分配
する︑ことのできる私的消費財︵×﹃⁝・ご×お︶は︑
203
204
の×竃︼×ご 一
の関係に従い︑それに対して︑集合的消費財︵×華﹃・⁝ご×皐§︶は︑各個人の消費が他のいかなる個人の消費をな
んら控除しないという意味で︑すべての個人が共同的に亨受するものであり︑従って︑すべての個人と集合的消費財
との間には同時的に︑
屡+︑ロ×ゴ亡
が成立する︒
さて︑われわれは︑普通︑何らかの理由で︑財やサービスが集団あるいは社会によって集合的組織を通じて提供され
ているとき︑それらを公共財またはサービスとよんでいるのであるが︑われわれが一般的に公共財というとき︑それ
はかなり曖.昧な概念を含んでいるのであって︑現実に公共セクターの配分を通じてわれわれが消費している大部分の
財について︑厳密にさきの定式が適用されうるのではない︒マツォラやサムエルソンが消費財を二つのカテゴリーに
分類したとき︑そこにおける公共財は純粋に公共的︵b¢層Φ一︽ ﹁鐸σ嵩O︶ないしは純粋に集合的e霞①ぐoo濠6口く①︶な
財にほかならなかった︒従って公共財を少したちいって考察すれぽ︑いわゆる広義の公共財には︑公共性を種々の
程度に混有する広範な財やサービスが含まれていることが明白になるであろう︒これまで財政理論はしばしぼ公共財 團に関する経済分析については︑純粋公共財というポラー・ケースのみをとりあげてきた︒しかし︑現実に公共セクタ
ーが配分している財やサービスには︑便益の可分性︑価格づけの可能性を種々の程度にわたってもっているものがか
なりある︒それゆえ︑純粋の公共財︵始業Φぐ勺口菖oOooαω︶と︑その性格上政府配分の理論的な経済的正当性をも
たない︑︵便益の完全可分性と排他原則の完全適用性をもつ︶純粋の私的財︵勺霞Φぐ中ぞ簿ΦOoo畠︶との問に︑こ
204
205
れら双方の特質を0%からUOO%にいたる種々の度合で混有する財が分布している訳である︒これらの関係は図i
Aによって示されている︒従ってそれらは︑少くとも部分的には便益の可分性と排他原則の適用可能性をもっており︑
われわれはハーバー︵ゆΦ﹃コΦ﹃畠勺・︸肉Φ殴ぴ①同︶の分類にならってこのような財を便宜上︑準公共財︵O臣ω7勺ロ三8000αω︶
とよぶことにしよう︒この準公共財の配分システムを検討するにあたって︑われわれはまず準公共財が部分的にせよ
便益の可分性︑価格づけの可能性をもち︑私的にも生産可能であるにもかかわらず︑その配分をなにゆえ全面的に市
場にゆだねないのか︑そしてその領域での公共セクターの機能を支持する立場がなぜ成立するのかを問わなけれぽな
らない︒一般的に︑市場メカニズムにおける最適配分の基本的必要条件として︑価格理論があげているルールが文字
通り有効でありうる④は︑純粋の私的財についてであって︑準公共財をも含めた公共財一般はその有効圏外に属する︒
純粋の公共財が価格のメカニズムの有効圏内から脱落することは改めて指摘するまでもないが︑私的セクターの最適
産出量を達成するための諸条件は︑経済的欲求とそれに結びつく経済的財が次 幌 10
(図 A)
私的セクター配分 公的セクター配分
純粋
?的財
純粋
準公共財 共財
100%
の特質をもつ場合には挫折せざるをえない︒
ω 生産物の不可分性
② 消費と生産の外部効果
⑧ 生産費逓減と不完全市場
ω 危険性および資源の極端な稀少性と特異性︒
従って︑これらの要素が存在する場合︑財の社会的最適配分点は市場機構を通
じては到達されえず︑ここに部分的にせよ︑準公共財に対しても︑公共セクタ
ー配分の正当性が成立してくる︒本稿では以上の観点から特にこの準公共財に
205
06@ついて︑その性格とその配分方式を検討しようとするものである︒
2
206 二
準公共財の公共セクター配分の正当性を支持する立場としては︑すでに︑社会の生産性と交易を促進するうえで︑大
いに有用であるにもかかわらず︑利潤原理に基づいて︑市場機構を通じては提供しえない種類の公共事業や公共施設 國を︑政府のいわゆる第三の機能としてあげたアダム・スミスの定式化をはじめとして︑より包括的な観点から︑社会
的厚生の増進に有用ではあるが︑私的セクターを通じてはその効率的生産が期待できない種類のサービスの存在を認 ㈲めていたJ・S・ミルの主張があり︑さらに︑J・M・ケインズも﹁自由放任の終焉﹂のなかで政府のなすべきこと
の基準にふれたさい︑政.府が積極的に着手しない限り︑私的セクターでは︑その決定が実現されえないカテゴリーの ㈲存在を示唆していた︒これらはいずれも私的セクター配分が技術的には可能であるにもかかわらず︑その配分に公共
セクターが直接的︑間接的に︑介入しなけれぽならない︑あるいは介入するのが望ましい︑いわゆる特定準公共財の
公的配分の必要性を指摘したものにほかならない︒そしてこれらの準公共財は上述の私的セクターの最適基準を無効
にする四つのケースのいずれかに関連するものなのである︒
先ず不可分的便益をもたらす第一のケース︒不可分性の特質がそのまま適合するのは︑サムエルソンのいわゆる純
粋公共財についてであり︑準公共財はその便益に可分的要素と不可分的要素をあわせもっており︑その財が公的配分
によるのか︑私的配分によるのかによって︑準公共財あるいは準私的財とよぼれてしかるべきものであって︑マスグ ωレイヴ︵幻・﹀・竃器ゆq鑓くΦ︶のいう価値欲求︵ζ震犀堵き富︶がこれに該当するであろう︒完全な不可分性をもち︑便
益の価格づけが不可能な純粋公共財は公共セクターによって︑はじめてその効率的配分が期待され︑そして完全にマ
ーケッタブルな純粋の私的財については社会的資源の浪費を伴うような例外的ケースを除いて︑市場メカニズムを通
じではじめて極大効率性が期待される︒従って︑準公共財については︑かなり大きな不可分要素をもつ場合にその公共
セクターの配分の経済的合理性が是認されることになる︒第二のケースは経済財の外部効果ないしはスピル・オーバ 偶 一効果の存在に関連する︒内部効果と外部効果との結合は種々の形体をとって現われるが︑その場合外部効果の存在
は︑利益︑損失あるいは消費・生産の側面とは関係なく︑その経済活動には公共的利害を伴うことになる︒このこと
は︑外部効果が需要関数と供給関数の要素としての価格づけを拒否する場合には特に適合する︒価格づけが不可能な
いわゆる非市場外部効果︵昌O︼ρbP餌噌一くΦけ ①×けΦ﹁コ餌一 Φ庸ΦOけω︶は︑需要関数・供給関数において価格決定の行われる市場
外部効果︵dP餌﹃犀Φけ Φ×δゆバ⇒四一 Φ諏ΦOけω︶に対して把握が困難であり︑重要な公共性を伴うであろう︒従って︑市場・非
市場外部効果を問わず︑外部効果が内部効果より強力であるとき︑その場合の欲求や財は性格上﹁公共性﹂をもっこ
とになる︒それゆえ︑外部効果が極めて重要なものならぽ︑配分上はその経済的財は純粋の公共財のカテゴリーに属
するものと考えてよいし︑内部効果が中心で︑外部効果が殆んどなく︑あるいは全く存在しないなら︑その場合は︑
配分上純粋の私的財と考えるのが適切であろう︒そして︑不可分性の場合と同様︑この両者の問に外部効果と内部効
果を混有する大きな領域があり︑これが準公共︵準私的︶財の部分を形成する︒外部効果の存在が市場メカニズムの
最適配分条件を無効にするものである以上︑特に外部効果が非市場的なものであるとぎ︑この分野での公共セクタ
一の配分機能が積極的に是認せられる︒つまり︑社会的便益︵費用︶が私的便益︵費用︶を超過するとき外部経済
︵不経済︶が存在する訳であり︑そして外部経済︵不経済︶がある場合は産出量は最適配分量よりも過少︵過大︶
となる︒従ってここで最適配分の目標が達成されるためには公共セクターの役割が期待されなけれぽならない訳であ
2 る︒07
207
08@ ところで︑経済的財の外部効果と不可分性との関係であるが︑両者は必ずしも一致するものではない︑例えば教育
などのサービスはサムエルソンの厳密な公共財の定義にはあてはまらないで完全な排他原則の適用が可能である︒従 2
って︑教育が現実に公共セクターによって配分され賄われているのは他人を排除することの技術的困難さにあるので
はなく︑むしろ︑教育サービスの直接の消費者︵児童あるいは家族︶以外の人々がそれを通じて便益を得るという理
由に基づいている︒つまりこれらのサービスがスピル・オーバー効果をもつところに公的配分の理由がある︒このよ
うな形態の消費の外部効果はたとえぽ次のような効用関数であらわされるであろう︒×慧は︑個人iの教育消費量で
あるとすれぽ︑n財と社会の他の人々mの教育を消費する一の典型的な効用関数は︑
d画11dべ×3×凶﹃:⁝×藍⁝×筥⁝:ご×箪⁝:ご×鳶︶ 團 である︒すなわち︑他の人達による教育の消費が個人の効用関数における別個の公共財を形成するのである︒
次に︑資源の最適配分に市場機構が失敗する第三の生産費逓減と不完全市場のケースをとりあげよう︒さきにあげ
たアダム・スミス以来の指摘は根底的には大部分がこの費用逓減領域に関連するものにほかならなかった︒
さて︑一般に企業が利潤の極大化をはかるとき︑ζOU竃菊が成立する点で生産量と価格を決定するが︑不完全市場
においては︑企業は竃011竃閃の産出量を決定するにあたって︑必ず竃Oが価格︵﹀即︶より下位にあるような価格−産
出量の組合わせを選択するはずである︒しかしこの価格−産出量の組合わせでは産出量は社会的最適配分量を下ま
わらなけれぽならないので︑誤った︵縮少︶配分産出量がもたらされるはずである︒もしその経済財の配分が社会的に
望ましいものならぽ︑その社会的最適配分量との差額を配分するための公共セクターの機能が支持されねばならぬ︒
もし︑単位平均生産費が逓減するような状況のもとでは︑社会的最適配分量の生産は利潤を生み出しえない︒図
−Bで︑O津は最大利潤産出量であり︑Oゆは社会的な最適配分点を示す︒産出量OPでは企業は餌ぴ︒ユだけの
208
(図一B)
C
dIーー
し
Pα
BAR
一三
W X C P− i MR
A 数量 209
(図一C)
価格・費用
B 0
MC=0
価格・費用
0
数量
独占利潤を得ているが︑最適配分点におけるよりも︾しUだけ産出量は
小さい︒すなわち︑単位平均費用逓減のもとでは︑限界費用曲線は単
位平均費用曲線の下位にあり︑限界費用と価格の交点では価格は単位
平均費用よりも下位にあるから︑企業は最適生産量○切を生産すると
き︑ 老×︽Nの総損失すなわちO勺の単位当り損失を負担しなけれ
ばならない︒このケースの最適配分には公共セクターの配分機能が必
然的に要請されるのである︒
ここで費用逓減のボラi・ケースをみよう︒いま限界生産費が0で
あるような財の場合が図−Cに示されている︒すべての費用は固定的
であるから︑限界費用曲線︵ζO︶は水平軸と一致する︒限界費用が
価格に等しい最適配分点はBであり︑価格ぱ0でなければならない︒
従って︑その財は無料で提供されることになる︒これに関連してベイ
ター ︵閃﹁OづO一ω ζ.しdQ梓O﹁︶ は ﹁見えざる手の失敗する﹂ ケースの
一つとして︑費用逓減の経済財をとりあげ︑理想的経済における︑
限界費用に均等な価格の設定は︑消費者の需要がその財の生産を十分
に正当化するものであっても︑挫折せざるを得ないことを指摘し︑正
に公共財がこのボラi・ケースにあてはまるとのべ︑従ってこのよう 剛 09な財は0の価格で提供されるべきものとした︒ベイターによれぽ一九 2
210
叫五七年の合衆国政府購入分の財およびサービスの九六・八%が強力な費用逓減の性質をもっていたという︒ −0 2 さらに︑第四のケースとしての︑市場に関する不完全な知識に起因する投資の危険性︑あるいは資源の稀少性や生
産条件における特異性が存在する場合にも︑その程度に応じてその配分に公共セクターの機能が介入しなければなら
ないことは︑ここで改めて論ずるまでもないであろう︒
さて︑以上の考察によって︑準公共財の配分には︑ある領域では公共セクターの機能が積極的に要請されねぽなら
ないことが指摘された︒しかし︑実際に特定財をどのセクターで配分すべきかという問題については︑経済的分析は
われわれに十分な解答を示さないであろう︒むしろ︑これは根本的には公共財と私的財の資源配分比率に関する社会
的均衡︵6000一慨しU粒餌コ8︶の問題に関係しており︑そこにはその配分技術の問題とともに社会的価値判断が介入しな
ければならないであろう︒しかし︑一般的にいって︑種々の度合で分布している準公共財の公益性の程度が配分部門
における決定を左右するのであり︑従って特定の準公共財が社会に対して大きな重要性︵公共性︶を有するならぽ︑
それの配分に対する公共セクターの十分な機能が成立しなければならぬであろう︒
三
いま︑特定の準公共財の公的配分が決定されたとすれば︑ここでの問題は︑その配分に対する財政的選択︑すなわ
ち︑配分を賄う適正な収入調達方式の選択に関するものである︒財政的選択の第一は︑その収入を公共支出のある特
別の受益者に指定することができない一般税方式で︑これはその収入源が広範な基礎をもち︑典型的に公共財配分に
最適の方式として広く認められてきた︒第二はいわゆる使途指定税で︑これでは通常︑租税支払いと特定の経費パタ
ーンが結合せられ︑信託基金方式︵け﹃口ωけ ︷d﹁︼Pユ︶を通じて︑租税と租税基金の利用︵特定の政府機能︶に報償関係
211
がともなう︒第三はいわゆる利用者価格︵gω興二一8ω︶であり︑この方式では︑ 一定料金の徴収を通じて配分が行
われる︒従って︑利用者価格が公共セクターからの財の購買を意味するのに対して︑使途指定税は私的セクターの財
の販売に︑特定の使途を定めた消費税を適用するもので︑その意味では両者は根本的に異る︒しかし︑一般税基金に
対してこれら二つの制度はいずれも配分方式としては︑少くともある程度まで排他原則が作用するであろう︒もちろ
ん︑その程度は利用者価格の方が大であり︑使途指定方式の場合には︑ある転嫁条件のもとでは︑購買者がその租税
を支払わないという意味において︑排他原則適用範囲は限られているといえるであろう︒従って準公共財の配分方式
として特に分析の対象となるのは︑一般税方式と使途指定あるいは利用者価格方式との選択の問題であろう︒
われわれはまず使途指定方式からとりあげよう︒このシステムの経済的効率性についてはこれまで︑種々の見解が 圏示されてきた︒たとえば一方の立場を代表するマーゴリス︵︸巳このζ巽σqo冨︶は︑指途指定方式で賄われる単一機
能行政では財政的資源に可動性を与える能力が極めて限られており︑多数の機能の合成的プログラムを欺隔的に支持
させる特権を欠いていることを指摘して︑このような状況を回避するためには︑もっと多数の機能を含む集合的行政
方式あるいは価格のメカニズムに解決を求めざるをえないと主張している︒しかし︑この問題は同時にもう一つの財 醐政経済的側面からも考察されなければならない︒この問題についてはブキャナンQ餌ヨ①ωζ.bdβo冨づ塁︶のモデル
がわれわれに一つの指針を提供するであろう︒次に︑主としてこのモデルに従りて使途指定配分方式対一般基金配分
方式の分析を試みよう︒
原則として︑公共財は一般税基金によって配分されるが︑ある条件のもとでは︑ある特定の公共支出と特定租税の
結合が選好せられるであろう︒そして一般的にいって︑各々の公共財のプログラムについて︑個別的選択が可能であ
る場合は︑個人ぱ使途指定方式σもとでは︑直面している選択対象についての知識をもっており︑従ってその際の不
211
212
確実性は︑一般基金による一括的公共財︒サービスの場合よりも小さいであろう︒一括的公共財の場合は︑種々の成分の
混合体についてあらかじめ投票者−納税者が知識をもっていない限り︑共同的な決定プロセスの結果を予測しなけれ
ばならない︒だから︑一般的基金から分離した配分システムでは.政治的決定への参加者としての個人を︑市場機構に
類似した状況に直面させることになり︑一般基金による配分システムでは︑個人の個別的選好とは無関係に決定される
各種の成分の混合体という形態での︑一括的財の購買を強制する機構に直而させるのである︒ところでいま単一の個人
が財政的選択に直面しているという状況を考えよう︒そして︑集合的サービスぱ不変費用で供給され︑この費用は︑個
人が供給価格︵租税 価格︶に直面することができるような方法で各個人に配分されること︑個人は国庫との﹁取引条
件﹂に影響を与える力をもたないこと︑さらにその財が︑社会の総所得に対して︑相対的に小さく︑個人的行動の分析
におてい所得効果を無視することができるという仮定を設定しよう︒ところで︑単一の公共財が独立的に考察される
場合︑おれわれは本質的にぱ私的財におけると同様の仕方で︑公共財に対する限界評価関数あるいは需要曲線を引出
すことができる︒そして供給曲線すなわち租税一価格曲線は固定した租税⁝価格では水平線になるが︑これは公共財
に対する総社会費用1価格の︑あらかじめ決定された個別負担額を示すものにほかならない︒従って個人的均衡ば需 岡要f価格が租税−価格と等しくなる点で達成される︒ここでわれわれぱこのようなモデルと︑一括的複数財に対する
支出の選好を要求する対照的なモデルの結果を比較することにする︒単純化のためにこの一般基金モデルを︑集合的
に配分される二塁︑警察︵P︶と消防︵F︶のみのケースで展開しよう︒この場合一般基金方式に伴う不確実性の問題
はわれわれの考慮から除外し︑投票のプロセス以前に予算の混合体が決定され︑それについてすべての投票者が知識
をもっていると仮定する︒さて︑この一般基金モデルと二型を単独に投票する使途指定モデルでは︑どちらの方式が
より大きな公共支出の投票を得るであろうか︒使途指定から一般基金予算に移すご老で︑一括的混合体の二財のうち
212
213
の﹁方あるいは双方を拡張することができるであろうか︒ところで︑一般基金方式は二財に︷定の比率で総予算を割
当てており︑従って二つの配分方式の間には解決の同一性を保証するような予算上の比率が存在するはずである︒換
言すれば︑一般基金方式のもとでも個人が二財に対して完全な使途指定方式のもとで投票するのと同じ相対的数量に
投票し︑そして︑その方式と同じ総公共支出に投票するような︑一つの予算上の比率があるはずであり︑この単一解
をここでは個人の﹁十分均衡﹂︵h色2巨帥σ吋ξヨ︶とよぶことにする︒
さて図 Dにおいては︑財の数量単位が水平軸に測られているが︑この場合︑抱き合わせ方式のもとで数量の一単位
は︑一ドルすなわち一〇〇七ソトで利用可能な二財の物理的組合わせを意味する︒従っイ︑支出される貨幣総額は︑こ
の軸の距離に正比例する︒ところで︑いま四〇対六〇の比率での﹁十分均衡﹂予算混合体を仮定するとき︑FとPに
ついてのそれぞれの需要曲線ジと掌が得られる︒この二財の需要曲線を垂直に積み重ねるとジ+U・が得られ
る︒そしてこれは四〇i六〇の予算比率での一括的
(図一D)
Pf+Dp
︑︑
\
卜︑}\
1\
1 、噺i博
1\
、→〜
1 [ 「 1 1 1 ヒ l I I し
Dド?+Dわ
\、⑲f
、
\Df
D自
\聖P
唖 ︑︑︑
、、___三L
X
?X Xわ
X/f十P 100
60 T0 S0
0
な二十に対する需要を示し︑﹁十分均衡﹂の定義に
よって︑一ドルでひかれた合成供給曲線と交叉す
る︒このような﹁十分均衡﹂が達成されている状況
のもとでは︑一般基金と使途指定方式ではどちらの
場合もO×の水平距離に正比例する総予算支出を
選好することになり︑両方式の間に異った効果は生
じない︒ いま︑ここで二財の予算比率が五〇対五〇︵十
213
214
分均衡予算比率からの乖離︶にシフトした場合を考えよう︒︵ここではUhと∪噂はその物理的単位が五〇セントで利
用することができるものと定義されるから︶新しい需要曲線はU︑hと一︶︑℃で示される︒○×︑hは使途指定方式でのF
の需要量を示し︑○×︑τはそれに対応するPの数量をあらわす︒他方五〇1五〇の予算比率における一般基金方式では
一括選好量○×︑﹁+︸曽を生ずる︒従って︑この不均衡比率では︑使途指定よりも一般基金方式による方が︑Fの需要は
より拡大し︑Pの需要はより減少する︒かくして︑﹁十分均衡﹂予算比率からの乖離は︑一般基金方式のもとでは個人の
選好パターンを歪めることになるであろう︒つまり︑複数のサービスを一括的に購買しなければならぬとき︑個
人はその潜在的な効用可能フロンティアーの︑より望ましくない位置に移動することになる︒この歪みは︑個人に二
財の一方を﹁十分均衡﹂数量以⊥に拡大させ︑他方をそれ以下に縮少させようとするが︑この場合︑相対的に︑拡張
されるのは︑予算比率が有利な方の財である︒以上のモデルの分析は︑変化の方向は需要関数の形態に依存してお
り︑もし﹁十分均衡﹂数量で︑予算比率がより弾力的な需要をもつ財に有利に変化するならぽ︑使途指定から一般基金
制度へ転換することによって︑総公共支出の選好は拡大すること︑逆に一般基金制度のもとでの比率が︑これまた︑
﹁十分均衡﹂数量で測定された︑より非弾力的需要をもつ財に有利に変化するならば︑制度的転換によって総公共支出
は縮少するということを教える︒より一般的な結論は︑予算比率に具体化された︑相対的租税−価格変化が︵巨財の
それぞれの抱合わせ均衡数量で測定された需要弾力性が︶より弾力的な財に有利である限り個人が選好する総支出は
増大し︑逆に︑より低い需要の租税一価格弾力性をもつ財に有利な比率変化では︑総支出は低下するということである︒
図iEは図−Dと同様の基礎条件に基づいており︑水平軸上には一般基金方式での0から一〇〇%に至るFの比率
がとられている︒垂直軸には二財あるいは一財の総麦出が示される︒ここでも︑四〇一六〇の﹁十分均衡﹂予算比率
のもとでは︑使途指定方式で個別的に選好さ亙る二財の支出額は︑抱き合わせ方式で選好される総支出額に等しい︒だ
214
からもしFに対する0%支出という予算比率の場合は︑総支出は全額Pに向けられ︑また一〇〇%の予算比率では支出
は全戸Fに向げられる..従って︑もし所得効果を無視するならば︑四〇一.六〇の比率での垂直距離Eは○℃とO︑閃の
和に等しくなるはずである︒比率が四〇:六〇から︑Fに有利に変化するに従って︑EからMに至る曲線に示される
ように︑抱き合わせ︼括方式における二財の選好総支出は拡大していく︒しかし︑それはMで極大に達し︑その後はF
に達するまで急激に逓減していく︒また比率が四〇〜六〇から逆方向に変化︵Pが有利になる︶するとき︑EからPに
至る曲線で示されるように抱き合わせ一括方式に対する選好総支出は逓減し続け︑P点でついにFへの予算配分は0
になる︒図−Eにおける下位の四曲線は︑この選好された総支出を︑二財の間に︑そして実際的部分と帰属部分の問に
類別するものである︒ある財への実際的支出は︑水平尺の比率で示される総支出の特定の割合から容易に算定される︒
従って二つの実際上の支出曲線を合計すると↓括方式の結合支出曲線が得られるはずであり︑二つの支出曲線は五〇
%の位置で交叉することになる︒ある財の﹁帰属支出﹂とは︑各々特定 F O−
(図一E)
M
E/(
C A至 N
茨環r ・
\、
、Ap 、正P
、 、
∠(y
1 1 215
︑畳﹂ 43 P 2 1
支出
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 Fに対する一般基金支出の比率
の抱合わせ均衡で︑その財を含む一括的対象について選好した支出のう
ち︑その財に帰属される部分である︒そしてある財の帰属支出は︑﹁十分均
衡﹂予算比率および水平軸の両端でのみ実際上の支出に等しい︒そして
他のすべての比率における両支出の差額は︑正にせよ負にせよ︑不均衡
予算比率が生み出す不当利用の程度を反映している︒四〇%点より
も右方では︑Fへの帰属支出ごは実際上の支出>hよりも下位にあり︑
その点よりも左方では逆の関係になる︒また二つの帰属支出曲線は一括
方式での総支出曲線に等しいから︑PについてはFとは逆の関係が成立
215
鵬する︒それ窒︑予算些.体において有精地位にある財につい♂︑は︑帰属畜は実際の畜以下になり︑他方の財騒 では帰属支出が実際の支出を越えることになる︒また︑総支出が最高点に達するのはM点であり︑比率がこの点を越
えて変化するにつれて︑支出総額のうちFへの割当部分は上昇していくけれども︑選好総支出は逓減する︒M点の右
方のある点︑Cではこれら二つの要素は相互に相殺するようになり︑Fに対するある極大支出のみが達せられる︒この
ような比率を越えてFの割合を増大するとき︑Fへの資源配分は逓減していく︒またこのモデルで︑比率がPに有利
に変化するとき︑総支出は逓減していくが︑Pの選好量は増大していぎO︑においてこの財への支出が極大に達する︒
以上の分析は使途指定方式と↓般基金方式の効果の差異は︑一般基金予算方式が選択に供される一括的公共財の間
にどのような比重で収入を配分するかにかかっていることを示している︒もちろんそれらは政治的決定の費用を無視
しており又あらゆるケースに普遍的に適用することができるものでばないであろう︒しかし︑一般的にいえることは︑
先ず第一に︑使途指定方式に於ては︑個人は特定の公共財プログラムについてその関連費用と便益を︑より密接に評
価できるために︑その意味で︑一層合理的な個人的選好を通じて配分の効率性を高める効果をもつであろう︒つまり納
税者は︑最適の消費組合せを達成するように各々の準公共財の選好量を調整することができる訳である︒しかし︑﹁結合
生産物﹂の販売に類似している一般基金方式では個々の納税者は︑準公共財選択の独立性を制限せられるので︑配分上
の非効率は避けられないであろう︒第二に︑一般基金方式は使途指定の場合よりもおそらく大きな公共サービスの供給
を︑そして個人一納税者の真の選好を越えた供給を誘引するであろう︒更に︑一般基金制度では相対的に弾力的な需要
をもつ公共サービスが拡大され︑相対的に非弾力的な公共サービスの総公共支出に対する比重は低下するであろう︒
四
準公共財のもつ便益可分性という特質上︑これの公共配分の際にすぐれて利用可能な方式としてあげられるのは利
用者価格の方式である︒便益の可分性にもかかわらず︑それらの財に大きなスピル・オ.バー効果が存在したり︑広範
にわたる費用逓減の性質があって︑この特質がそれらの財に十分な公共性を与えるとぎ︑しばしば︑受益者負担の原 吻則に基づいた利用者価格による公共セクター−配分が是認せられる︒ここで︑主としてハーバーに従って利用者価格方
式を検討してみよ弓︒図一Fにおいては準公共財の公共セクター配分対市場配分に関連する問題を分析する︒ここで
は国家的水準での生産に特徴的な︑独占的要素と費用逓減的構造が示されている︒A・B.Cの各県ので格価−産出
量の組合わせはそれぞれ利潤極大価格決定・平均費用価格決定および限界費用価格決定という各条件のもとで設定さ
れている︒さて︑準公共財配分の選択的方式には︑通常ω統制を含まない私的供給︑②直接的政府統制を含む私的供
給︑㈲政府補助金を伴う私的供給︑ω公的供給︑が考えられるが︑図一Fのもつ市場構造のもとではωの方式は価格
一産出量をA点で決定せしめ︑産出量は社会的最適配分点以下に縮少さ ㏄ A㏄ 照
(図一F)
A B
C
MR
qlq2q 数量 価 P
格
費用
P1 C2 P2
0 217
れる︒そして︑このような高価格−産出量制限の条件は︑需要の価格弾
力性が極端に非弾力な財の場合には一層強力にあらわれるであろう︒し
かし︑大きな外部経済がなく︑需要の価格弾力性が大である財について
は︑特に社会的選好が市場配分を支持するような社会では︑実際上のベス
トな配分は︵理論的に最適でないとしても︶ωの方式で接近されるかも
しれない︒従って︑需要が弾力的で︑著るしい外部効果をもたない準公
共財の政府配分は︑収入目的が︑優先しない限り︑経済的合理性をもた
ず︑むしろ市場機構による配分が妥当であろう︒次に通常公益事業等に
217
18@採用されている②の方式においては︑価格−産出量は﹀刃目﹀¢Oが達成されるB点︵価格は○写産出量は09︶ 18
の近くで決定されるであろう︒これば平均費用価格決定あるいはフル・コスト価格決定として知られているもので︑
ωの方式よりも低価格でより多くの産出量をもたらすであろう︒従って︑その財が必需的性格をもち︑大きな外部経
済をもっている場合には︑○ρから︵社会的最適産出量Oρ・により近い︶○θ へ産出量を増大することにより配分
上の歪みが縮少されることになる︒○β産出量での価格は︑限界費用に反映される︑その生産に利用されている資
源の機会費用に等しい︒従って○ρにより小さい産出量では︑消費者が支払おうとする価格はその財の限界費用を越
えており︑市場のメカニズムは消費者選好に合致できなくなる︒③の方式では︑私的セクターが最適産出量○ρb・を
価格O冨で生産し︑損失︵○ρiO憲︶を政府補助金が補償することになる︒そして︑ωの方式が正当化されるの
ぱ︑財に強力な公共性の特質が存在する場合である︒
限界費用価格決定に従えば︑最適配分はC点︵竃01一﹁︶で達せられるが︑ここでは平均単位費用が価格を越える
ので利潤は生じない.︑この事実は費用逓減のケースにおいては常に妥当する︒けだし︑平均単位費用が逓減するとき︑
限界費用は平均単位費用を下まわらなければならないからである︒従って︑特定の準公共財がこのような特質をもち︑
しかもそれが最適に配分されなければならないときは︑公的生産あるいは補助金方式が当然要請されねばならぬ︒
次に準公共財の配分方式としての一般冠雪利用者価格の問題を検討しよう︒公共セクター配分の場合でも︑少くと
も部分的には可分的便益をもたらす準公共財については︑部分的価格づけが可能であり︑配分方式としては一般税と
利用者価格との選択が可能である︒この選択のルールとして採用されるべきものは︑まず第一に︑準公共財の限界
費用が0に近いか否かという基準である..竃Oが0よりもかなり上であるなら︑長期における浪費的過剰供給を
さけるために価格づけが選択されるべきであり︑このことはその財の価格弾力性が高い場合は特に妥当する︒そし
て財の無料の提供は長期的投資基準を失わせ︑準公共財の配分に商業原則を適用することによって︑短期的な能力の
過剰利用を防ぎ︑長期的な投資決定の基準を提供することになる︒しかし︑同じ理由から生産の短期的限界費用が︑
0かそれに近く︑財の価格弾力性が極めて非弾力的であるならば↓般基金方式が望ましいであろう︒また外部経済が
大きくない場合︑経済的効果が大部分可分的である場合は利用者価格の方式の方が選択されるであろう︒しかし外部
不経済が大きいときは︑消費を抑制するために高水準の利用者価格が必要となろう︒同時に一般税方式と利用者価格
方式の選択には︑それぞれの徴収費やそれらに伴う分配上の効果をも同時に考慮に入れなければならないであろう︒
われわれはここで︑一般税と利用者価格の方式を︑別の角度から分析してみよう︒準公共財の部分的可分性を考慮
に入れるとぎ︑そこにぱ二つの別個の需要要素が入りこんでくる︒この問題を再びブキャナンのモデルに従って考察
しよう︒先ず第一はその財に対する需要は︑他の事情が同じなら︑利用者価格の逆関数である︒そしてこれには消費
者選択の一般的命題が妥当する︒しかし︑ここで問題にしているのは︑政治的選択過程の参加者として︑公共財の需
要量に反応する個人の行動︑すなわち︑租税 価格に関連をもつ行動要因であって︑きりはなされた利用者価格のそ
れではない︒ここで集合的成分と私的成分を混有する財の例として︑都市公園のケースを考えよう︒このサービスの
質と量に関する決定は︑政治的決定のための︑ある一組のルールを通じて集合的に決定されなけれぽならない︒しか
し︑この過程の参加者としての個人の行動は︑公園サービスの私的需要に依存しており︑この需要関数はその施設の
利用に課せられる利用者価格に関係するであろう︒しかし︑集合体の意志決定において︑純粋の市場基準が利用され
るのでない限り︑個人の決定にもう一つの需要要素が入ってくる︒この要素は公園の施設がもつ真に不可分な成分を
反映するもので︑純粋公共財の分析に適用されるものである︒いま︑↓定の利用者料金が採用されたとすれば︑公園
2 サーービスはその価格で︑すべての市民に潜在的に利用可能となり︑個人は特定価格でのそのサービスの利用可能性 219
@ 19
22(〉
を︑真に集合的なものと考える︒従って︑可分的成分に対して利用者価 20 2 格が指定されると︑集合的成分に対する.需要.曲線を引出すことができる
であろう︒もちろん一定の利用者価格が課せられるという事実は︑その
施設の追加的増分に含まれるべき租税一価格の個人的評価に影響を及ぼ
咽 よりも無料の集合的成分の方を高く評価するけれども︑同時に利用者価
格の採用により︑この制度のもたらす収入が︑施設を賄う租税 価格の負
D
担額を引下げることを認めるであろう︒その意味で直接的利用者価格はT T O 租税−価格の部分的代替として考えられる︒この事情は三一Gによって
示されている︒身は0の利用者価格で利用される︑集合的財としての
公園の個人的需要を示し︑Uごは一定の利用老負担が課せられるときの同一個人の需要曲線を示す︒もし過密度が重
大になるときは︑利用者価格を伴う利用をより高く評価するかもしれない︒負担すべき租税一価格はこの場合の方が
明らかに低いであろう︒○↓は無料利用の場合の租税一価格であり︑私的均衡はEで達せられ︑選好量は○×であ
る︒より低い租税i価格の評価額○目︑では︑この場合は需要曲線はUσであるから︑均衡点は国︑にシフトし︑選
好量は○×︑に増大する︒私的均衡点は直接利用者負担の採用によって横座標に沿ってどちらからの方向に動くであ
ろうが︑不当な過密が存在しなくとも︑集合的決定過程は直接利用者負担での準公共サービスを提供する公共施設の
方が︑無料の場合よりも︑おそらくより大きな投資を生じるであろう︒
』221
五
さて︑準公共財の利用者価格決定については︑利潤極大価格決定や平均費用価格決定よりも︑限界費用価格決定が
産出量をより最適な社会的配分に近づけるが︑不完全市場が一般的であるような社会では︑この価格決定方式が常に
最も合理的な解を提供するとは限らないし︑また公共財と私的財の社会的均衡の観点からも︑常にベストな方式であ
るとはいえないかもしれない︒しかし準公共財の公的配分の基準は主として公共性の度合によるのであり︑社会的に
望ましい特定の財の供給ぱ拡張されるべきであるとすれば︑不完全市場構造と外部効果に複雑に結びついた社会で
は︑限界費用価格決定方式が︑次善的解として認められるであろう︒しかし︑この方式が実質的な不完全市場を特徴
とした社会でとられる場合に︑少くとも二つの問題が生じる︒第一は︑費用逓減のもとで公的配分が︑ζO日﹀菊の
社会的最適配分点で損失を生じること︑そして︑コストをカバーするために︑これを一般租税収入が補填することで
ある︒このような一般税と利用者価格の混合方式は︑その財が全体社会に便益を与え︑個々の利用者によって支払わ
れることのない︑大きな外部経済をもつ場合には︑準公共財の最も合理的な配分方式となるであろう︒つまり︑個人
的便益は利用者価格によって支払われ︑社会的便益は一般税によって支払われる訳である︒他方↓般税補填を正当化
し得る外部経済が存在するか︑再分配日的が存在しない限り︑その合理性は失われねばならぬ︒費用逓減に関連する
もう一つの問題は︑最適配分点における産出量︵損失は補助金で補填される︶は︑長期的投資計画を歪めるというこ
とである︒ここでは資源の適正な長期的配分を示す利潤テストがない︒この問題に部分的解決を与えるのは︑ピーク ⑳・ロード価格決定方式︵唱$﹃δpα℃ユ︒冒σq︶である︒この方式によれば︑能力のピーク利用期には︑オフ・ピーク
時よりも高い料金が課されることになるが︑これは︑より高い価格が︑ピーク.pード期に能力の短期釣利用をより
:221
222
効率的に配分し︑同時に長期的投資基準をも提供するという主張に基づいている︒このように限界費用価格決定と平 22 2均費用価格決定とを混用することにより︑すべてのコストは価格でカバーされる︒従ってこの制度は︑大きな外部経
済をともなわないような条件のもとでは︑政府の商業的原則利用の合理性を改善し︑一つの次善正解を示すであろ
う・それ窒・ハし→とともゆ限界費用価格決定と一定条件のもとでのギク・▽ド方式は︑依然として︑準
公共財配分における商業原則の適用に︑利用し得る最善の解であるといえよう︒
われわれの経済的意思決定において︑便益と費用についての貴重なシグナルを与えるという無比のメリットをもつ
価格機構は︑一般的に公共財の領域ではその効力を失う︒しかし︑部分的にせよ︑便益の可分性をもつ準公共財につ
いては︑その公的配分方式として使途指定税方式や利用者価格制度導入の余地があり︑たとえ︑費用逓減領域でも︑
ある条件のもとでは︑一定水準の利用者価格の維持が経済的合理性をもつことが指摘せられた︒また特定の準公共財
をどちらのセクターで配分するかという問題は︑社会的均衡論に関連しており︑一種の価値判断が必要であろう︒し
かし︑納税者の平時における公共財に対する希望水準と︑負担しようとする租税水準の間には常にギャップが存在す
るという事実を考慮に入れるとき︑公的配分の準公共財の一部については︑使途指定や利用者価格システムの採用が
合理的であるように思われる︒
たしかに︑使途指定制度あるいはもっと直接的には利用者価格の方式が︑準公共財に対する真の個人的選好により
近ずけるという特質をもつことは明らかである︒しかし︑本来︑財政論の範疇からすれぽ︑公共財の配分に価格がづけ導
入されるべき領域はかなり限られたものであろう︒それにもかかわらず︑この分野で価格づけの問題がしぼしぼ論議
されなければならないのは︑可分的便益を含む準公共財が︑0価格またはそれに近い価格で配分されるとき︑必然的
223
に過剰利用の問題が生じ︵たとえば︑道路︑郵便サービ入等︶︑経済的資源の浪費をもたらすと同時に︑その分野で
の長期的プログラムの実行を不可能にするという︑資源配分の効率的利用の問題に関連するからである︒従って︑価
格づけが可能な財については︑適正な価格決定は資源の効率的利用を助長するであろう︒
このように︑われわれが準公共財の配分方式を検討するとき︑それはあくまで︑根底的には︑資源の効率的配分を
通じて︑社会の経済的厚生を最大限に増進しようとする︑いわゆる国民公家政観に立脚した財政論の一環としてであ
るQ註ωdαq︒ヨ震N︒亘N§欺譜§富§ミミミ§Lo︒︒ρ.︑↓冨聞︒毒餌鉱8︒h窪Φ℃奇︒ω︒h︸σ=︒O︒︒ユω..・一昌Oミ軌防§
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③ しかし︑ハーバー︵しdΦ葺Φ﹁匹℃.国︒﹁σ賃︶は︑近著さ亀ミ蕊︑ミミ融国ミ亀§魯一㊤O刈においてO¢帥ω曽℃=げ=oOoOαωの性
格︑その価格決定の問題についてかなり詳細な考察を試みている︒以下主としてこれら最近の貢献をてがかりにして︑この問
題の検討を試みることにする︒
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224
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⑩ 司﹂≦■じd讐OさOo︿①﹁コ8Φコ戦国⇒鎚ODo︿Φ﹁Φ団αq⇒Oopωq∋Φ5一口︑ミ艶黛誉§ミ〜物桑蕊亀︑ミミ腎﹀貯偽職動︾一㊤㊦雪目P一一〇〇−一一ω旧..魑
↓隷鳴O§Q吻篭O蕊ミOO鯉鴨︑蕊︑ミ鴨蓋︑恥博偽ミ魁軌遷晦℃ 一㊤①O℃O℃■OQQQI㊤QO
⑪ ﹁.三■MW梓05 ↓譜鴨Oミ鳥恥識O蕊旨 O℃.O一什4 づ.HOO
@公共財と私的財との問の社会的均衡の問題については︑次のものを参.照せよ︒﹀.=.寓鋤コω①P︾ミミ苛判官肉ら§oミ8一㊤㎝ご
旨閑.o巴σ邑旦↓︑ミ国送袋§︑⑦ミ§Mお㎝︒︒一国.ω.コ・9ρ︑ミ.ミ鴨ミミ⇔§職ミいミ壽ミ勲6①笛
⑬ oh切■℃.国①﹁げω50Po搾ワω卜︒膳この方式が特定公共サービスに対する納税者の.支出意欲を削減するという見解をとるも
フとしては︑言コ¢ω﹈≦蝉蹟9剛︒︒のほか︑耳印審﹁国ω=嘆︵○国O︑︒︒ω3σ三臥づひqじd信ααq卑℃o嵩6︽p津Φ﹁↓Φコ唄①国﹁ρぎ︾ミ笥︑執.ミ§
卑§oミ腕.ら肉口音婁QQ①讐﹂一〇鰍メ℃O■①し︒令①α一︶等があり︑ このシステムが特定の政.府サービスに対する支持を創出するとい
、見解は︑国.幻︒言ぽ餌コ亀O■bd﹁①⇔オ︵聖伽ミミミ8δ2︶および﹄﹂W皿﹁評ず①①鳥︵Oo竃ミミ§︑しOミ爵ミ凡鑓お研①︶さらに
↓曽×閃︒ロコユ餌ぼ︒昌︵費︑ミミ隷ミしり︑ミ鴨↓§塁一〇綬︶等によって示されたQ
@甘=器と餌お︒=μζ①ぎ℃︒=けきコ蕗8牢︒霞目ω↓①三8忌ρ閃§a8ω餌巳︒﹁︒葺F三聖建ら国ミ§§・.きミ鉾
⑦oミミ恥§亀さミNミ凡§6210■卜⊃①①
一帥日①ω 竃■︸W二〇ゴ帥昌帥⇒ 寄守︑帖ら達蕊自傷ら鳴賊蕊b鳴ミOO︑亀職ら︑\Oら鴨恥鈎 き.防O匙︑Nミ物勘︑汚職Oミの犠二一Nミ駄軌二一織ミ亀︑O壽9.ら魯 一㊤O刈℃OO.刈卜⊃lo∩刈
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224