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Development of Wireless Communication Tool Holder for Smart Factory in Next Generation and Its Application of Self-Monitoring of Spindle Equipped with Machine Tools

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THE HARRIS SCIENCE REVIEWOF DOSHISHA UNIVERSITY, VOL. 60, NO.2July2019

Development of Wireless Communication Tool Holder for Smart Factory in Next Generation and Its Application of Self-Monitoring

of Spindle Equipped with Machine Tools

Takamasa YAMAMOTO*, Ryo MATSUDA**, Masatoshi SHINDOU***

Toshiki HIROGAKI+ and Eiichi AOYAMA++

(Received April 9, 2019)

Nowadays, a monitoring technology has attracted attention in the factory automation fields regarding IoT (Internet of Things).

However, it is difficult to monitor the process information from a round tool during rotating operation in machine tools. We therefore developed a novel tool holder equipped with a wireless communication function to monitor a cutting process. In the present report, we discuss the relationship between a concept of cyber physical system (CPS) including connected industries and a purpose of developing wireless communication tool holder, and attempt an application of self-monitoring technology to estimate a spindle equipped with machine tools. As a result, we demonstrated that the developed method with a wireless system is also effective to evaluate the dynamic performance of spindle operation.

Key words:smart factory, tool holder, wireless communication, monitoring, machine tools キーワード:スマート工場,工具ホルダ,無線通信,モニタリング,工作機械

次世代スマート工場に向けた多機能無線ホルダシステムの開発と工作機械 主軸のセルフモニタリングへの応用

山本隆将,松田亮,新堂正俊,廣垣俊樹,青山栄一

1.緒 言

近年,製造業に現場に IoT(Internet of Things)に 基づく「つながる工場」に関する技術開発が求められて きており,日本の次世代の製造業を支えるために,それ

らに関連する新しい研究開発が不可欠である.そこで著 者らはマシニングセンタなど用いられている回転工具ホ ルダに無線通信機能を具備した IoT 対応のモニタリング システムの開発に取り組んできた.その応用として,エ

* Yamamoto Metal Technos Co.,Ltd , Osaka

Telephone/Fax: +81-6-6704-6582, E-mail: takamasa-yamamoto@yama-kin.co.jp

** Yamamoto Metal Technos Co.,Ltd , Okayama

Telephone/Fax: +81-6-286-8330, E-mail: matsuda@yama-kin.co.jp

*** Yamamoto Metal Technos Co.,Ltd , Osaka

Telephone/Fax: +81-6-6704-6582, E-mail: shindou@yama-kin.co.jp

+ Department of Mechanical Systems Engineering, Doshisha University, Kyoto

Telephone: +81-774-65-6503, E-mail: thirogak@mail.doshisha.ac.jp

++ Department of Energy and Mechanical Engineering, Doshisha University, Kyoto

Telephone: +81-774-65-6506, E-mail: eaoyama@mail.doshisha.ac.jp

(2)

ンドミル加工における工具内部の温度モニタリング1), さらに難削材のタップ加工時の回転方向スティックスリ ップ振動や高速エンドミル加工の工具ねじり振動 2)など で加工情報のモニタリング技術の有効性を示すことがで きた.その一方で,加工現場における工作機械の変化・

劣化や暖機運転の有無の差などのセルフモニタリングや 診断についての開発技術の効果の検討には至っていなか った.特に生産現場では工作機械の主軸において,その 変化・劣化や暖機運転の有無による差,さらに機体差や 僅かな仕様の違いなどによる差の管理が重要と考えられ る.しかしながら,動的な要因に関してはそれらを容易 に判別する手法はなく,主軸モータ電流の差に着目した モニタ3)が検討されている程度である.

そこで本報では,次世代スマート工場に必要とされる 技術と開発ホルダの位置づけを検討した後,工作機械の 主軸の状態診断を試みる.すなわち 2 種類の最高回転数 の仕様が異なる主軸を有する工作機械において,加工前 に主軸を空転させサーボ内部情報も取得しながらホルダ 内の回転方向および半径方向の振動振幅の状態モニタを 遂行してその診断を遂行する.その後にボーリング加工 時のその差に着目して考察を遂行することで,新たなモ ニタリングシステムの応用について検討したので結果を 報告する.

2.次世代スマート工場に必要な技術 2.1 デジタルツインに基づくものづくり技術

2011 年からドイツで始まったインダストリ 4.0,アメ リカのインダストリアル・インターネットの潮流は 2014 年ころから日本でも本格的な検討が開始され,つながる 工場・Connected Industries などで 2016 年より第四次 産業革命をリードする国策として Society 5.0 が提唱さ れてきている.すなわち,狩猟社会(Society 1.0),農 耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報 社会(Society 4.0)に続く,新たな社会を指すもので,

第5期科学技術基本計画において日本が目指す未来社 会の姿とされてきている.その実現のため,「デジタル ツイン(Digital twin)」と称されるサイバー空間(仮 想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合さ せたシステム(CPS: Cyber Physical System)により,

経済発展と社会的課題の解決を両立4)する,人間中心の

社会(Society)やものづくり技術が必要とされてきて いる.

デジタルツインにおいては,Fig. 1 に示すように工作 機械の機上などで生じる現象を有するフィジカル空間 から収集したデータとその蓄積・解析結果を介して,サ イバー空間とフィジカル空間を密接に結ぶ技術が重要 となるものと考えられる.

さらに近年,その拡張概念としてサイバー・フィジカ ル空間に現場の改善活動や勘コツなどの知恵・知識を融 合したデジタルトリプレット(digital triplet)も提唱 され5),人が主役となるものづくり技術として,その発 展が一層期待され,その基幹技術の開発の必要性も益々 増大してきている.

Fig. 1. Concept of digital twin based on cyber physical system.

2.2 つながる工場・Connected Industries

Fig. 2 は,CPS を基盤とするデジタルツインやデジタ

Fig. 2. Smart factory in next generation.

Cyber world

Physical world

Big data Estimation

Simulation

Physical quantity monitoring (Acceleration,

strain, temperature, etc.)

Control

Digital twin: CPS (Cyber Physical System)

Cloud data

Physical world Cyber world

<Digital twin>

CPS

plus Kaizen, Skill, etc.

<Digital triplet>

(3)

多機能無線ホルダシステムの開発と工作機械主軸セルフモニタ

ンドミル加工における工具内部の温度モニタリング1), さらに難削材のタップ加工時の回転方向スティックスリ ップ振動や高速エンドミル加工の工具ねじり振動 2)など で加工情報のモニタリング技術の有効性を示すことがで きた.その一方で,加工現場における工作機械の変化・

劣化や暖機運転の有無の差などのセルフモニタリングや 診断についての開発技術の効果の検討には至っていなか った.特に生産現場では工作機械の主軸において,その 変化・劣化や暖機運転の有無による差,さらに機体差や 僅かな仕様の違いなどによる差の管理が重要と考えられ る.しかしながら,動的な要因に関してはそれらを容易 に判別する手法はなく,主軸モータ電流の差に着目した モニタ3)が検討されている程度である.

そこで本報では,次世代スマート工場に必要とされる 技術と開発ホルダの位置づけを検討した後,工作機械の 主軸の状態診断を試みる.すなわち 2 種類の最高回転数 の仕様が異なる主軸を有する工作機械において,加工前 に主軸を空転させサーボ内部情報も取得しながらホルダ 内の回転方向および半径方向の振動振幅の状態モニタを 遂行してその診断を遂行する.その後にボーリング加工 時のその差に着目して考察を遂行することで,新たなモ ニタリングシステムの応用について検討したので結果を 報告する.

2.次世代スマート工場に必要な技術 2.1 デジタルツインに基づくものづくり技術

2011 年からドイツで始まったインダストリ 4.0,アメ リカのインダストリアル・インターネットの潮流は 2014 年ころから日本でも本格的な検討が開始され,つながる 工場・Connected Industries などで 2016 年より第四次 産業革命をリードする国策として Society 5.0 が提唱さ れてきている.すなわち,狩猟社会(Society 1.0),農 耕社会(Society 2.0),工業社会(Society 3.0),情報 社会(Society 4.0)に続く,新たな社会を指すもので,

第5期科学技術基本計画において日本が目指す未来社 会の姿とされてきている.その実現のため,「デジタル ツイン(Digital twin)」と称されるサイバー空間(仮 想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合さ せたシステム(CPS: Cyber Physical System)により,

経済発展と社会的課題の解決を両立4)する,人間中心の

社会(Society)やものづくり技術が必要とされてきて いる.

デジタルツインにおいては,Fig. 1 に示すように工作 機械の機上などで生じる現象を有するフィジカル空間 から収集したデータとその蓄積・解析結果を介して,サ イバー空間とフィジカル空間を密接に結ぶ技術が重要 となるものと考えられる.

さらに近年,その拡張概念としてサイバー・フィジカ ル空間に現場の改善活動や勘コツなどの知恵・知識を融 合したデジタルトリプレット(digital triplet)も提唱 され5),人が主役となるものづくり技術として,その発 展が一層期待され,その基幹技術の開発の必要性も益々 増大してきている.

Fig. 1. Concept of digital twin based on cyber physical system.

2.2 つながる工場・Connected Industries

Fig. 2 は,CPS を基盤とするデジタルツインやデジタ

Fig. 2. Smart factory in next generation.

Cyber world

Physical world

Big data Estimation

Simulation

Physical quantity monitoring (Acceleration,

strain, temperature, etc.)

Control

Digital twin: CPS (Cyber Physical System)

Cloud data

Physical world Cyber world

<Digital twin>

CPS

plus Kaizen, Skill, etc.

<Digital triplet>

ルトリプレットに基づく次世代のスマート工場の概念 図である.世の中には,人工知能技術やロボット技術の 進歩によって人の行っている仕事が奪われるという議 論がある.しかしながら,デジタルツインやデジタルト リプレットにおいてはそれらは人の仕事を代替するの でなく,人の能力を拡張する,あるいは判断を助けるた めの情報を提供することなどで,人が主役となる新しい ものづくり技術を目指すものである.

2.3 工作機械の機上からの物理情報の取得

デジタルツインやデジタルトリプレットに基づくシ ステムのドライビングフォースは,フィジカル空間から の現場情報であり,すなわちモニタリング・収集の技術 開発にあるものと考えられる.近年,スマートフォンに 多くのセンサが搭載され普及したこともあり,各種のセ ンサの小型化や低価格化が進展して,工場内の工作機械,

ロボット,搬送機などからのセンサによる物理量のモニ タリングと情報収集が容易になってきた.さらにそれら を制御する CNC においてもオープン化が進展し,サーボ の内部情報の収集も容易になってきた.その一方で,マ シニングセンタに代表される主軸で工具を回転させる タイプの工作機械においては,加工点に近い回転工具か らの加工情報・物理量の取得ができない状況にあった.

そこで著者らは,MEMS の回路小型化の技術を用いて工 具ホルダ内部に無線 LAN の通信回路を搭載した,Fig. 3 に示す無線多機能ホルダを開発した.本ホルダにおいて は,最高回転数 2 万 rpm においてサンプリング周波数 60Hz でデータの転送が可能である.また主軸サイズとし ては BT40 番および BT30 番に対応可能な仕様である.

Fig. 4 は,工具の刃先の温度情報を取得する場合のシ

Fig. 3.Developed intelligent tool holder equipped with wireless communication.

Fig. 4. Developed holder system to monitor tool temperature.

ステム構成図である.工具の軸芯に細穴放電加工の技術 でガイド穴を加工して,熱電対センサを埋め込み,その 信号をアナログ回路アンプで増幅した後,その信号を A/D 変換してマイコンを介して無線 LAN で送信して,工 作機械の機外に設置したレシーバでその信号を受信し て PC に転送する手法である.BT40 番の主軸を対象とし てドリルやエンドミル工具において,現場の加工情報の 取得の手法として有効となることが判明1)している.工 具にガイド穴をあける必要があるが,近年は細穴放電加 工の技術が向上しており,数分程度で工具にガイド穴を あけることが可能である.したがって現場における実用 性としても問題ないものである.

以上より,提案する多機能無線ホルダシステムは,デ ジタルツインやデジタルトリプレットにおけるフィジ カル空間からの現場情報の収集技術として有望である ことがわかった.

3.多機能無線ホルダを用いたセルフモニタリング 3.1 振動加速度のモニタリング方法

Fig. 5 は,BT30 番の主軸を対象としてホルダー内で 振動加速度の情報を取得する場合のシステム構成図で ある.ホルダー内に MEMS の圧電型の加速度センサを 2 個,軸方向にゲージラインより 45mm の位置,かつ回転 方向には直径 11mm で 180 度対向に接線方向に感度を有 するように埋め込んでいる.加速度センサの固有振動数 は約 20kHz である.各センサーからの振動加速度の信号 はアナログ回路アンプで加算および減算をして,回転方

Receiver

PC Developed intelligent

tool holder Wireless communication

Micro-controller A/D converter

Machine tool spindle

Transmitter Receiver

PC Tool

Amplifier

Thermocouple

89

(4)

Fig. 5. Developed holder system to monitor tool vibration.

向の振動加速度 Rm と半径方向の振動加速度 Xm を検出し ている.その信号はアナログローパスフィルタを介した 後に実効値にして,その後に A/D 変換してマイコンより 無線 LAN 送信している.5~10kHz 程度の高い周波数の振 動加速度の検出が可能であり,また曲げねじりの連成モ ード等にも対応が可能,エンドミル加工におけるねじり 振動も含むびびり振動の加工情報の取得に有効な手法 となることが判明2)している.

3.2 主軸の最高回転数の仕様が異なる工作機械の設定 開発したホルダは種々の加工情報のモニタに有効で あることが判明してきた.その一方で,そのホルダを工 作機械の状態診断すなわちセルフモニタリングに活用 できるような技術開発のニーズが増大してきた.そこで 主な仕様が同等であるが,オプション等により主軸の最 高回転数が異なる2種類の工作機械に対して,主軸性能 の差のモニタリングを試みる.対象は製造現場で非常に 多く導入が進んでいる小型マシニングセンタ(たて型,

主軸サイズ BT30 番)を2台選定した.Fig. 6(a)(b)に その写真を示す.ファナック社製 ROBODRILL で Fig. 6(a) は型式α-D21MiB5 で主軸の最高回転数が 10000rpm,Fig.

6(b) は型式α-D21LiB5 で主軸の最高回転数が 24000rpm であり,CNC は 31i-B5,その他の仕様はほぼ同様である.

一般にマシニングセンタの主軸の支持には転がり軸受 けが採用され,その構造は定圧予圧および定位置予圧の 2種類に大別される 6, 7).定位置予圧は一般に主軸の主 軸回転数が変化しても Z 方向の変化が小さく剛性も高い.

一方で最高回転数が高い主軸は,その条件での発熱が大

きく昇温による主軸の伸びに起因する過度の予圧の上 昇を避けるため,定圧予圧を採用する場合も多い7).し たがって主な仕様が同様であっても,主軸の最高回転数 が異なる場合は軸受け構造等の特性が異なる可能性が 高い.さらに主軸回転中に支持する軸受け付近の振動加 速度を計測しても,必ずしも工具の動的振れ性能とは一 致しないことも知られており7),軸受け支持部からの情 報だけでは現場で工作機械としての動的な加工特性の 予測や変化の診断が難しいことがわかる.そこで加工の 前に,主軸を空転させてそれらの差を Fig. 5 の開発ホ ルダでセルフモニタリングする手法に取り組む.

従来の主軸のセルフモニタリングの手法としては,

CNC サーボの内部情報の中で主軸誘導モータの電流値を モニタリングする手法が知られている.そこでファナッ ク製の CNC サーボ内部情報のモニタリングソフトである サーボビューアを用いて,モータ電流値(TCMD 値)も取 得した.

3.3 主軸の静剛性と動的性能

前節でも述べたように,工作機械の主軸として高速回 転仕様であるほど,その支持ベアリングに隙間を持たせ て(予圧を下げ)設計する場合が多い.また定圧予圧は 定位置予圧に対して支持剛性が低い6)場合が多い.そこ で,Fig. 7 の 2 台の主軸の静剛性の計測を試みた.

主軸にホルダを介して金属丸棒を固定し,丸棒先端を工 作機械のテーブル上に設置した動力計(キスラー社製 9129AA)の表面より 5mm 下げた状態で動力計へ 0.01mm ずつ,水平方向に 0.05mm まで押し当てた.0.05mm 押し 当てた後,押し当て開始位置まで戻し,その時の押し当 て量(CNC の指令値)と押し当てた方向の動力計の切削

(a)M1(Max.10000rpm)

(b)L1(Max.24000rpm

Fig. 6. Selected machine tools.

(5)

多機能無線ホルダシステムの開発と工作機械主軸セルフモニタ

Fig. 5. Developed holder system to monitor tool vibration.

向の振動加速度 Rm と半径方向の振動加速度 Xm を検出し ている.その信号はアナログローパスフィルタを介した 後に実効値にして,その後に A/D 変換してマイコンより 無線 LAN 送信している.5~10kHz 程度の高い周波数の振 動加速度の検出が可能であり,また曲げねじりの連成モ ード等にも対応が可能,エンドミル加工におけるねじり 振動も含むびびり振動の加工情報の取得に有効な手法 となることが判明2)している.

3.2 主軸の最高回転数の仕様が異なる工作機械の設定 開発したホルダは種々の加工情報のモニタに有効で あることが判明してきた.その一方で,そのホルダを工 作機械の状態診断すなわちセルフモニタリングに活用 できるような技術開発のニーズが増大してきた.そこで 主な仕様が同等であるが,オプション等により主軸の最 高回転数が異なる2種類の工作機械に対して,主軸性能 の差のモニタリングを試みる.対象は製造現場で非常に 多く導入が進んでいる小型マシニングセンタ(たて型,

主軸サイズ BT30 番)を2台選定した.Fig. 6(a)(b)に その写真を示す.ファナック社製 ROBODRILL で Fig. 6(a) は型式α-D21MiB5 で主軸の最高回転数が 10000rpm,Fig.

6(b) は型式α-D21LiB5 で主軸の最高回転数が 24000rpm であり,CNC は 31i-B5,その他の仕様はほぼ同様である.

一般にマシニングセンタの主軸の支持には転がり軸受 けが採用され,その構造は定圧予圧および定位置予圧の 2種類に大別される 6, 7).定位置予圧は一般に主軸の主 軸回転数が変化しても Z 方向の変化が小さく剛性も高い.

一方で最高回転数が高い主軸は,その条件での発熱が大

きく昇温による主軸の伸びに起因する過度の予圧の上 昇を避けるため,定圧予圧を採用する場合も多い7).し たがって主な仕様が同様であっても,主軸の最高回転数 が異なる場合は軸受け構造等の特性が異なる可能性が 高い.さらに主軸回転中に支持する軸受け付近の振動加 速度を計測しても,必ずしも工具の動的振れ性能とは一 致しないことも知られており7),軸受け支持部からの情 報だけでは現場で工作機械としての動的な加工特性の 予測や変化の診断が難しいことがわかる.そこで加工の 前に,主軸を空転させてそれらの差を Fig. 5 の開発ホ ルダでセルフモニタリングする手法に取り組む.

従来の主軸のセルフモニタリングの手法としては,

CNC サーボの内部情報の中で主軸誘導モータの電流値を モニタリングする手法が知られている.そこでファナッ ク製の CNC サーボ内部情報のモニタリングソフトである サーボビューアを用いて,モータ電流値(TCMD 値)も取 得した.

3.3 主軸の静剛性と動的性能

前節でも述べたように,工作機械の主軸として高速回 転仕様であるほど,その支持ベアリングに隙間を持たせ て(予圧を下げ)設計する場合が多い.また定圧予圧は 定位置予圧に対して支持剛性が低い6)場合が多い.そこ で,Fig. 7 の 2 台の主軸の静剛性の計測を試みた.

主軸にホルダを介して金属丸棒を固定し,丸棒先端を工 作機械のテーブル上に設置した動力計(キスラー社製 9129AA)の表面より 5mm 下げた状態で動力計へ 0.01mm ずつ,水平方向に 0.05mm まで押し当てた.0.05mm 押し 当てた後,押し当て開始位置まで戻し,その時の押し当 て量(CNC の指令値)と押し当てた方向の動力計の切削

(a)M1(Max.10000rpm)

(b)L1(Max.24000rpm

Fig. 6. Selected machine tools.

Fig. 7. Estimation of static stiffness in spindle bending.

Fig. 8. Monitor of spindle motor current and tool holder vibration (2000rpm).

抵抗値を取得した.その結果を Fig. 7 に示す.押付開 始の 0.01mm 時点と 0.05mm 押し付けた後の同位置でヒス テリシスは L1 が 17N であったのに対し,M1 は 5N であっ た.すなわち L1 の静剛性でのヒステリシスが大きく,

軸受け隙間が大きいことが予想される結果であった.す なわち,主軸の最高回転速度が高く設定されている仕様 で工具の曲げ方向の静剛性が低い結果であった.

次に空転で主軸の回転数 2000rpm の定常回転中の 1s 間の主軸モータ電流値とホルダ振動加速度のモニタリ ング結果の時間波形を Fig. 8 に示す.対象とするデー タは,主軸を 3000rpm で 30 分以上暖気運転させてから 取得した.また図中のモータ電流値は定格電流で無次元 化している.Fig. 8 より,最高回転数 24000rpm の仕様

(L1)の方が最高回転数 10000rpm の仕様(M1)より,

主軸モータ電流の変動およびホルダの回転方向振動 Rm,

半径方向振動 Xm が小さな値を示すことがわかる.モー タ電流に関しては,ベアリングの隙間が少なく予圧が高 く剛性も高い M1 の主軸でしゅう動抵抗が大きく,結果 としてモータ電流の変動(トルク変動)成分が大きいも のと考えられる.一般に転がり軸受けにおいて,回転時 の軸受け音が極小となる軸受け隙間が存在する現象が 知られている8).すなわちその隙間付近では軸受け隙間 が増大すると振動も減少する現象が生じる場合が存在 すると考えられる.したがって,モータ電流の変動(モ ータからのトルク変動)により生じる回転方向振動の外 乱の増大の現象とも重畳して,軸受け隙間が小さな M1 の仕様で振動が増大したものと考えられる.

3.4 主軸空転の回転数の変化とセルフモニタリング Fig. 9 は,主軸を空転で定常回転させた場合の回転数 と主軸モータ電流の平均値およびホルダの回転方向振 動 Rm,半径方向振動 Xm の関係を示す.図より,M1 にお いて主軸回転数 5000rpm 以上で主軸モータ電流の平均値 が顕著に上昇する現象が生じることがわかる.L1 におい ても主軸回転数 8000rpm 以上で主軸モータ電流の平均値 が若干であるが上昇する現象が生じることがわかる.こ れらは軸受け発熱により生じる主軸の伸びにより,予圧 が上昇してしゅう動抵抗が増大した影響と考えられる.

一方,ホルダの回転方向振動 Rm,半径方向振動 Xm の値

Fig. 9. Influence of spindle speed on average spindle motor current and tool holder vibration.

0 40 80 120 160 200

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05

Force[N]

Pressing amount[mm]

M1 L1

L1 M1

L1

M1

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

TCMD[%]

Time[s]

M1 L1

0 0.2 0.4 0.6 0.8

0 2 4 6 8

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Acceleration Rm [krad/s2]

Acceleration Xm [m/s2]

Time[s]

M1 Xm L1 Xm M1_Rm L1_Rm

M1 L1

M1 Xm L1 Xm

M1 Rm

L1 Rm

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0 2000 4000 6000 8000 10000

TCMD[%]

Time[s]

M1 L1

0 1 2 3 4

0 5 10 15 20

0 2000 4000 6000 8000 10000

Acceleration Rm [krad/s2]

Acceleration Xm [m/s2]

Spindle speed [rpm]

M1 Xm L1 Xm M1_Rm L1_Rm

M1 L1

M1 Xm

L1 Xm

M1 Rm

L1 Rm

91

(6)

-30 -15 0 15 30

6.78 6.83 6.88 6.93 6.98

Cutting force[N]

Time[s]

M1_Fx_V50

-30 -15 0 15 30

10.16 10.21 10.26 10.31 10.36

Cutting force[N]

Time[s]

L1_Fx_V50 -30

-20 -10 0 10 20 30

5.76 5.78 5.8 5.82 5.84 5.86

Cutting force[N]

Time[s]

M1_Fx_V120

-30 -20 -10 0 10 20 30

5.76 5.78 5.8 5.82 5.84 5.86

Cutting force[N]

Time[s]

L1_Fx_V120

(a)V=50m/min (b)V=120m/min

に着目すると,M1 では 2000rpm,L1 では 6000rpm 付近よ りその値の上昇が確認できる.すなわちホルダでのモニ タリングは,モータ電流より低い回転数より感度良く主 軸の状態の変化を検出していることがわかる.したがっ て,主軸モータ電流などのサーボの内部情報に比べホル ダの振動の出力は,高い精度で主軸の状態変化のセルフ モニタリングを可能とすることが示された.

3.5 主軸仕様の違いとボーリングバーのびびり振動 主軸仕様の異なる M1 と L1 による加工実験として,材 質 JIS S50C 素材を対象に,ボーリング工具による穴仕 上げ加工を遂行した.

ボーリング工具による穴仕上げ加工では,φ14.8mm に 事前に仕上げた穴に対し,D=φ15mm にセッティングし たボーリング工具(1 刃,突き出し長さL=84mm,L/D=6)

にて穴仕上げ加工(切削速度 50~260m/min,送り量 0.06mm/rev,深さ 20mm)を施した.実験時のセットアッ プと工具刃先と半径方向振動加速度 Xm の検知方向,回 転振動加速度 Rm の検知方向の関係模式図を Fig.10 に示 す.Xm の検知方向はボーリング刃先の向きと平行となる ように工具をセッティングし,加工実験を行った.また あわせて,工作機械のテーブル上に設置した動力計によ り切削力(X 軸方向のFx)のモニタリングも遂行した.

Fig.11 に切削速度 50m/min(回転数 1000rpm),

120m/min(5500rpm)の場合を示す.1 刃工具による加工で あるため,工具が1回転する毎に切削力Fxの時間波形 は三角関数の1周期を示す様子がわかる.工作機械の差

Fig. 10. Setup for boring process.

(a)V=50m/min (b)V=120m/min

Fig. 11. Cutting force Fx in boring process.

Fig. 12. Influence of spindle speed on tool holder vibration.

(主軸の仕様の差)に着目すると,切削速度 50m/min に おいて両者はほぼ同様である.一方,切削速度 120m/min において M1 の方で三角関数波の中にさらに高周波のび びり振動波形が観察され,その周波数分析を遂行すると 650Hz 程度であった.BT30 番マシニングセンタ主軸の曲 げ固有振動数は 300~800Hz 程度とされており9),主軸の 曲げに起因するびびり振動であるものと考えられる.一 方で L1 の方にはその切削速度でもびびり振動は生じな い結果であった.同じ主軸構造でも,軸受けの予圧が変 化すると動剛性(コンプライアンス)が変化して,びび り振動の安定ポケットが変化すること 10)が知られてお り,本現象も同様に主軸の動剛性が異なることによる実 加工への影響と考えられる.

Fig.12 に,ボーリング加工中の回転数とホルダの回転 方向振動 Rm,半径方向振動 Xm の関係を示す.Fig.9 に おける回転数 1000~6000rpm までのホルダの振動と比較 すると,M1 の方の両者は比較的近い値を示す一方,L1 の方は加工中のホルダ振動が M1 に近いレベルにまで増

0 1 2 3 4 5

0 5 10 15 20 25

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

Acceleration Rm [krad/s2]

Acceleration Xm [m/s2]

Spindle speed[rpm]

M1 Xm L1 Xm M1_Rm L1_Rm

M1 Xm

L1 Xm

M1 Rm

L1 Rm

(7)

多機能無線ホルダシステムの開発と工作機械主軸セルフモニタ

-30 -15 0 15 30

6.78 6.83 6.88 6.93 6.98

Cutting force[N]

Time[s]

M1_Fx_V50

-30 -15 0 15 30

10.16 10.21 10.26 10.31 10.36

Cutting force[N]

Time[s]

L1_Fx_V50 -30

-20 -10 0 10 20 30

5.76 5.78 5.8 5.82 5.84 5.86

Cutting force[N]

Time[s]

M1_Fx_V120

-30 -20 -10 0 10 20 30

5.76 5.78 5.8 5.82 5.84 5.86

Cutting force[N]

Time[s]

L1_Fx_V120

(a)V=50m/min (b)V=120m/min

に着目すると,M1 では 2000rpm,L1 では 6000rpm 付近よ りその値の上昇が確認できる.すなわちホルダでのモニ タリングは,モータ電流より低い回転数より感度良く主 軸の状態の変化を検出していることがわかる.したがっ て,主軸モータ電流などのサーボの内部情報に比べホル ダの振動の出力は,高い精度で主軸の状態変化のセルフ モニタリングを可能とすることが示された.

3.5 主軸仕様の違いとボーリングバーのびびり振動 主軸仕様の異なる M1 と L1 による加工実験として,材 質 JIS S50C 素材を対象に,ボーリング工具による穴仕 上げ加工を遂行した.

ボーリング工具による穴仕上げ加工では,φ14.8mm に 事前に仕上げた穴に対し,D=φ15mm にセッティングし たボーリング工具(1 刃,突き出し長さL=84mm,L/D=6)

にて穴仕上げ加工(切削速度 50~260m/min,送り量 0.06mm/rev,深さ 20mm)を施した.実験時のセットアッ プと工具刃先と半径方向振動加速度 Xm の検知方向,回 転振動加速度 Rm の検知方向の関係模式図を Fig.10 に示 す.Xm の検知方向はボーリング刃先の向きと平行となる ように工具をセッティングし,加工実験を行った.また あわせて,工作機械のテーブル上に設置した動力計によ り切削力(X 軸方向のFx)のモニタリングも遂行した.

Fig.11 に切削速度 50m/min(回転数 1000rpm),

120m/min(5500rpm)の場合を示す.1 刃工具による加工で あるため,工具が1回転する毎に切削力Fxの時間波形 は三角関数の1周期を示す様子がわかる.工作機械の差

Fig. 10. Setup for boring process.

(a)V=50m/min (b)V=120m/min

Fig. 11. Cutting force Fx in boring process.

Fig. 12. Influence of spindle speed on tool holder vibration.

(主軸の仕様の差)に着目すると,切削速度 50m/min に おいて両者はほぼ同様である.一方,切削速度 120m/min において M1 の方で三角関数波の中にさらに高周波のび びり振動波形が観察され,その周波数分析を遂行すると 650Hz 程度であった.BT30 番マシニングセンタ主軸の曲 げ固有振動数は 300~800Hz 程度とされており9),主軸の 曲げに起因するびびり振動であるものと考えられる.一 方で L1 の方にはその切削速度でもびびり振動は生じな い結果であった.同じ主軸構造でも,軸受けの予圧が変 化すると動剛性(コンプライアンス)が変化して,びび り振動の安定ポケットが変化すること 10)が知られてお り,本現象も同様に主軸の動剛性が異なることによる実 加工への影響と考えられる.

Fig.12 に,ボーリング加工中の回転数とホルダの回転 方向振動 Rm,半径方向振動 Xm の関係を示す.Fig.9 に おける回転数 1000~6000rpm までのホルダの振動と比較 すると,M1 の方の両者は比較的近い値を示す一方,L1 の方は加工中のホルダ振動が M1 に近いレベルにまで増

0 1 2 3 4 5

0 5 10 15 20 25

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000

Acceleration Rm [krad/s2]

Acceleration Xm [m/s2]

Spindle speed[rpm]

M1 Xm L1 Xm M1_Rm L1_Rm

M1 Xm

L1 Xm

M1 Rm

L1 Rm

大する変化を示していることがわかる.3.3 節の主軸の 静剛性の特性の評価結果で示されているように,L1 の主 軸には軸受け隙間が大きく,そのために実加工時には顕 著にホルダ振動が増大したものと考えられる.したがっ て,加工前の空転時および加工中のホルダ振動特性の両 者の差を比較することで,主軸の仕様差による動特性の 特徴を明確にできることが判明した.

4.結 言

人が主役となる新たなものづくり技術を目指した次 世代のスマート工場の構築に向け,多機能無線ホルダシ ステムを開発し,その新たな活用方法について検討した.

その結果,以下の結論を得た.

(1) マシニングセンタに代表される主軸で工具を回転 させるタイプの工作機械において,加工点に近い回転工 具からの加工情報の取得のため,提案するホルダシステ ムは有効である.したがって提案するホルダシステムは,

デジタルツインやデジタルトリプレットに基づく人が 主役となる新しいものづくり技術の具現化のためのフ ィジカル空間からの現場情報の収集方法として新たな ドライビングフォースとなる可能性が十分にある.

(2) 同一機種の工作機械においても主軸の最高回転数 が異なる仕様では,主軸の剛性が異なる場合があること が判明した.さらにその場合には,同一回転数で空転さ せた場合に支持軸受けの予圧が高い低い最高回転数仕 様の主軸で,回転のしゅう動抵抗および回転変動が大き いことがわかった.

(3) 開発した多機能無線ホルダシステムを用いること で,主軸の仕様差に起因する空転時の動特性の変化をセ ルフモニタリングすることが可能であり,その感度はサ ーボの内部情報である主軸モータ電流によるモニタリ ングより感度が高いことがわかった.

(4) 同一機種の工作機械においても主軸の最高回転数 が異なる仕様で加工時のびびり振動特性が異なること が判明した.剛性の高い主軸が必ずしもびびり振動が生 じにくいのでなく,その固有振動数により,それぞれの 安定性が変化することもわかった.

参考文献

1) 新堂正俊, 松田亮, 古木辰也, 廣垣俊樹, 青山栄一,“無線ホ

ルダシステムを用いたエンドミル加工時の工具内部温度 の考察”,日本機械学会論文集,81[826], 00046, 1-15 (2015).

2) 松田亮, 新堂正俊, 廣垣俊樹, 青山栄一,“無線多機能ホル ダによるタップおよびエンドミル工具の回転方向振動モ ニタと現象解明”,砥粒加工学会誌,61[12], 674-680 (2017).

3) 高澤拓也, 前田敏男, 天谷浩一, 矢野宏,MTシステムによ る主軸寿命予知システムの開発-不具合の検出方法-” 品質工学,20[6], 761-770 (2012).

4) 冨田浩治,“安川電機における新生産システム実現へ向け た取り組み”,日本ロボット学会誌,35[2], 114-117 (2017).

5) 市川直樹,“次世代のものづくりへの橋渡しを目指して” 金属系材料開発センター,JRCM, NEWS, [386], 2-6 (2018).

6) 井通隆正,“一体型転がり軸受け解析”,精密工学会誌,

64[11], 1599-1602 (1998).

7) 奥村太史, 堤正臣,“マシニングセンタ用高速主軸の回転中 の振れと振動の抑制(3面バランス修正の効果),精密工 学会誌,69[9], 1327-1331 (2003).

8) 飯田幸作,“ころがり軸受の音響”,精密機械,31[361], 139-146 (1965).

9) S. Oouchi, H. Nomura, K. D. Wu, Y. R. Chen, J. P. Hung,

Variation of the Dynamic Characteristics of a Spindle with the Change of Bearing Preload, International Journal of Mechanical and Mechatronics Engineering, 8[10], 1680-1683 (2014).

10) 柴原豪紀,熊谷幹人,大西賢治,“工作機械の高剛性可変 予圧主軸の開発”,砥粒加工学会誌,62[2], 101-103 (2018).

93

Fig. 1. Concept of digital twin based on cyber physical system.
Fig. 2 は,CPS を基盤とするデジタルツインやデジタ
Fig. 5. Developed holder system to monitor tool vibration.  向の振動加速度 Rm と半径方向の振動加速度 Xm を検出し ている.その信号はアナログローパスフィルタを介した 後に実効値にして,その後に A/D 変換してマイコンより 無線 LAN 送信している.5~10kHz 程度の高い周波数の振 動加速度の検出が可能であり,また曲げねじりの連成モ ード等にも対応が可能,エンドミル加工におけるねじり 振動も含むびびり振動の加工情報の取得に有効な手法
Fig. 8. Monitor of spindle motor current and tool holder  vibration (2000rpm).  抵抗値を取得した.その結果を Fig
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参照

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