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ZNF671 DNA methylation as a molecular predictor for the early recurrence of serous ovarian cancer(ZNF671のDNAメチル化は漿液性卵巣がん早期再発の予測因子である)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1691号 学 位 記 番 号 第1208号 氏 名 間瀨 聖子 授 与 年 月 日 平成 31 年 3 月 25 日 学位論文の題名

ZNF671 DNA methylation as a molecular predictor for the early recurrence of serous ovarian cancer

(ZNF671 の DNA メチル化は漿液性卵巣がん早期再発の予測因子である)

Cancer Science 2019;

論文審査担当者 主査: 稲垣 宏

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 【緒言】漿液性卵巣がんは上皮性卵巣がんのうち最も頻度の多い組織型である。手術およびプラ チナ製剤を併用した化学療法の施行にも関わらず、多くの患者が6 ヶ月以内の再発を経験し、そ の状態はプラチナ抵抗性と呼ばれる。初回治療から再発までの期間がその後の治療の奏効率や生 存期間と関連しているが、漿液性卵巣がんの早期再発に対する有効な分子マーカーはまだ不明で ある。DNA メチル化はさまざまながんでみられるエピジェネティクス異常であり、その安定性か らマーカーとして有用である。また、プロモーター領域のDNA メチル化はその下流遺伝子の発 現を抑制することが知られている。 【目的・方法】われわれは漿液性卵巣がんの早期再発に対する有効なマーカーを同定するため、 早期再発症例におけるDNA メチル化の特徴についてゲノムワイドな解析を行った。同定された マーカー遺伝子のDNA メチル化を自施設群でも測定し、有効性を検討した。また、卵巣がん細 胞株を用いて同定されたマーカー遺伝子の機能解析を行った。 【結果】漿液性卵巣がんのTCGA データベースにおいて、初回治療後に完全寛解となった患者を 2 群に分けた。すなわち早期再発群(ERS、12 ヶ月以内の再発、n=51)と晩期再発群(LRS、12 ヶ月以降の再発、n=158)である。DNA メチル化マイクロアレイにおいて、2 群間で有意に異な る12 プローブのうち、ZNF671 は 2 群間の DNA メチル化の差が最も大きいことが分かった。ま た、ZNF671 のプロモーター領域の DNA メチル化は、発現を抑制することが判明した。漿液性 卵巣がん78 例の自施設群では、ZNF671 の DNA メチル化陽性症例は予後不良であった(P<0.05)。 さらに多変量解析ではTCGA 群および自施設群の両群で ZNF671 のメチル化は独立した再発の予 測因子であることが判明した。卵巣がん細胞株を用いた機能解析では、ZNF671 の DNA メチル 化とmRNA には逆相関の関係を認めた。また、siRNA を用いて ZNF671 の発現を抑制すると、 増殖および遊走と浸潤の増強がみられた。 【結語】ZNF671 は卵巣がんにおいてがん抑制遺伝子として機能しており、ZNF671 の DNA メ チル化は漿液性卵巣がんの早期再発を予測する有効なバイオマーカーであることが推測された。

(3)

論文審査の結果の要旨 【緒言】漿液性卵巣がんは上皮性卵巣がんのうち最も頻度の多い組織型である。手術およびプラチナ 製剤を併用した化学療法の施行にも関わらず、多くの患者が 6 ヶ月以内の再発を経験し、その状態は プラチナ抵抗性と呼ばれる。初回治療から再発までの期間がその後の治療の奏効率や生存期間と関連 しているが、漿液性卵巣がんの早期再発に対する有効な分子マーカーはまだ不明である。DNA メチル 化はさまざまながんでみられるエピジェネティクス異常であり、その安定性からマーカーとして有用 である。また、プロモーター領域の DNA メチル化はその下流遺伝子の発現を抑制することが知られて いる。 【目的・方法】われわれは漿液性卵巣がんの早期再発に対する有効なマーカーを同定するため、早期 再発症例における DNA メチル化の特徴についてゲノムワイドな解析を行った。同定されたマーカー遺 伝子の DNA メチル化を自施設群でも測定し、有効性を検討した。また、卵巣がん細胞株を用いて同定 されたマーカー遺伝子の機能解析を行った。 【結果】漿液性卵巣がんの TCGA データベースにおいて、初回治療後に完全寛解となった患者を 2 群 に分けた。すなわち早期再発群(ERS、12 ヶ月以内の再発、n=51)と晩期再発群(LRS、12 ヶ月以降 の再発、n=158)である。DNA メチル化マイクロアレイにおいて、2 群間で有意に異なる 12 プローブ のうち、ZNF671 は 2 群間の DNA メチル化の差が最も大きいことが分かった。また、ZNF671 のプロモ ーター領域の DNA メチル化は、発現を抑制することが判明した。漿液性卵巣がん 78 例の自施設群で は、ZNF671 の DNA メチル化陽性症例は予後不良であった(P<0.05)。さらに多変量解析では TCGA 群 および自施設群の両群で ZNF671 のメチル化は独立した再発の予測因子であることが判明した。卵巣 がん細胞株を用いた機能解析では、ZNF671 の DNA メチル化と mRNA には逆相関の関係を認めた。ま た、siRNA を用いて ZNF671 の発現を抑制すると、増殖および遊走と浸潤の増強がみられた。 【結語】ZNF671 は卵巣がんにおいてがん抑制遺伝子として機能しており、ZNF671 の DNA メチル化は 漿液性卵巣がんの早期再発を予測する有効なバイオマーカーであることが推測された。 【審査の内容】 主査の稲垣教授から 1)申請者が実際に実施した部分はどの範囲か、2)TCGA を用いた 100 種類の解析 報告はどのような腫瘍について行われたか、3)TCGA データベースを用いた解析の限界、4)予後に着目 しなかった理由など 12 項目、第 1 副査の加藤教授から 1)DNA メチル化の機序と脱メチル化について、 2)メチル化による転写抑制のメカニズム、3)化学療法前後で ZNF671 遺伝子のメチル化の変化を調べた 症例があるか、など 6 項目、第 2 副査の杉浦教授からは卵巣がんの標準的治療と化学療法のトピック ス、広汎子宮全摘術の要点と開腹手術、腹腔鏡手術のメリット・デメリットについての 2 項目の質問 がなされた。これらの質問に対して、申請者からはおおむね適切な回答が得られた。以上より、本論 文の著者は学位論文の内容を充分に把握し、また,大学院修了者としての学力を備えていると判断し た。本研究は、漿液性卵巣がんの DNA メチル化を調べ、ZNF671 は卵巣がんにおいてがん抑制遺伝子と して機能しており、ZNF671 の DNA メチル化は漿液性卵巣がんの早期再発を予測する有効なバイオマ ーカーであることを明らかにした重要な研究であり、高く評価される。よって本論文著者は博士(医 学)の学位を授与するに値するものと判定した。 論文審査担当者 主査 稲垣 宏 副査 副査 加藤 洋一 杉浦 真弓

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