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中世都市リューベックの法典類における不動産関係条文とその特徴(二)

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(1)中世都市リュ ーベ ックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2). 格. -1-. 中世都 市 リ ュー ベ ッ ク の 法 典 類 に お け る. 冗. 不動 産 関 係 条 文 と そ の特 徴 (二). 第 三•四 号). ハッ ハ第 三法 典 にお け る 不 動 産 関 係 条文 の特 徴. 稲. これ ま で の 法 典 に 比 べ て 、 ハ ッ ハ 第 三 法 典 以 降 の 法 典 類 に は 基 本 的 に 異 な る 特 徴 が あ る 。 それ は 、 リ ュー ベ ッ ク法. 概観. 第 三章. ハッ ハ第 三法 典 におけ る不 動産関係条文 の特徴 (以上、本 号) ブ ロッ ケ ス第 二法 典 における不 動産関係条文 の特徴 プ ロッ ケ ス第 三法 典 におけ る不 動産関係条文 の特徴 校 訂法 典 における不 動産関係条文 の特徴. ハッ ハ第 一法 典 におけ る不 動産関係条文 の特徴 十四世紀 の法 典 における不 動産関係条文 の特徴 (第 三十 九巻. 結第第第第懲第序 論六五四三—一 章章章章章章.

(2) と 並 んで リ ュー ベ ック 法 以 外 の 法 文 を 含 む よう に なる こ と で あ る 。 確 か に、 それ 以 前 の 法 典 で も 、こ の よう な リ ュi. ベ ッ ク 法 以 外 の 法 源 か ら の 影 響 を 否 定する こ とは で き な い が 、 それ が十 五 世 紀 以 後 の 法 典 で は より 明 白 に看取 さ れ る 。. その 最 初の 「 法 典 」 が、 こ こ で 検 討 の 対 象 と する ハ ッ ハ 第 三 法 典 ( Qdex ill ) で ある 。. (1 ). こ の 法 典 は 、こ れ を 公 刊 し た ハ ッ ハ に よれ ば 、 ハ ッ ハ 第 一 法 典 とと も に 十 八 世 紀 末ゲ ッ テ ィ ンゲ ンの 図 書 館 に ド ラ. イヤ ー か ら 贈 呈 さ れ た 法 典 の ― つで あ り 、こ れ は 十 五 世 紀 の 前 半 に 作成 さ れ た と さ れ る 。 し か し 、 誰 が、 どの よう な. 事情 の 下 に こ れ を 作 成 し た の か は 全く 不明 で あ る 。 因 み に 十 五 世 紀 の 半 ば で あ れ ば ‘ こ の 時 期 は リ ュー ベ ッ ク で は 手. 工業 者 等 に よる 騒 擾 が大 商 人 や 定期 金 権 者 か ら なる 「 旧」 市 参 事会 側 の 勝利 に よっ て 終 了 し、 基本 的 に 一応 旧来 の 支. 配秩 序 が復 活した 頃 で ある 。 し か し 、 対 外 的 に は 、シ ュレ スヴ ィ ッ ヒ の 帰 属 に つい て の 、 ホル シ ュタイ ン伯 と デ ンマ. ー ク と の 争 い か ら リ ュ ー ベ ッ ク と デ ン マ ー ク の 対 立 が 激 化 し た 時 期 で も あ る 。 な ぜ な ら 、 当 時 、 デ ンマ ー ク は バ ル ト. 海と 北 海を 結 ぶズソ ド 海峡 を 支 配 し 、市 の 重 要な商 業 匿 で あ る バ ル ト 海域 へ 直 接 進出 し始 め て い たオ ラ ンダ に その 自. (2. ). 由な 通 行 を 認 め よう と し てお り 、 この よう なデ ンマ ー ク の 強 大 化 と外 交 政 策 は リ ュー ベ ッ ク に と っ て 望 ま し い も の で. は なか っ た か ら で あ る 。. ハ ッ ハ 第 三 法 典 は 、 前 述 の 通 り 、 ハ ッ ハ の 前 掲 書 に よ っ て 一 八 三 九 年 に 活 字 に さ れ た の で あ る が 、 その 構 成 は 、 ま. ilLii b.Recht リ ュー ベ ッ ク 法 ( E rs t er The )」 を 構 成 す る 。 続い て 、 第. me l ) 市 宛 の 授 与 文 書 が付 け ら れ 、そ の 後 リ ュー ベ ッ ク 法 ず最 初に ― 二 五四 年 の 、 リ フ ラ ント の 騎士 団 と メ メ ル ( Me が 第 二 四 〇 条 ま で 続 き 、こ れ が「 第 一 部. ( 3. ). )」 を な す 。第 二四 一 条 で は 、 ニ四 一 条 か ら 第 四0 六 条 ま で が「 第 二 部、ハ ンプ ル ク 法( Z l Ham b.Recht we i t er Thei. こ の判決 ( o rdel e )、即 ち 、ハ ンプ ル ク 法 がハ ンプ ル ク 市 の 全 体 の た め に 、 そして 市 参 事会 の 最 良の 人 々 に よっ て 記 載. -2-. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(3) さ れ た こ と が法 文 と な っ て い る 。 こ の 第 二 部 の 条 文 は 、 幾つ か の 条 文 を除 い て 、 ほと んど ― 二 七0年 の 都 市 法 典 で あ. る O rdel bok( -以下 、ハ ン プ ル ク 都 市 法 典 と 略 記 する ー) に 関 連 条 文 を見 出 すこ と が で きる 。従 っ て 、こ の 法 典 の. ). 一八 四 五 年 に ラ ッ ペン ベ ル ク が出 版 した ハ ン プ ル ク 都 市 法 集 に も 収 め ら れ て い る 。. (4. 最 初に付 け ら れ た ― 二 五 四 年 の 授 与 文 書 は ハ ッ ハ 第 三 法 典 と 直 接 関 連する も の と は 今 日 考 えら れ て い な い 。 ハ ン プ ル. ク都 市 法 典 は. (5 ). 第 二 部 と して 採 録 さ れ た ハ ン プ ル ク 都 市 法 典 は 、同 市 で ― 二 三 六年 以 来 市 書 記 と し て 活 動 して い た ヨル ダ ン ・フ ォ. ン ・ボ イツ ェン プ ル ク ( J o rdan von Boit re nburg) に よ っ て 編纂 さ れ た と さ れ る 。 ハ ン プ ル ク 市 は リ ューベ ッ ク と. 同 様 商 業 都 市 で あ り 、 リ ュ ーベ ッ ク 法 に 類 似 する 都 市 法 が妥 当 し て い た と 考 えられ る が、 後述 する よう に 、 同 法 典 に. (6. ). ). -3-. 収 録 さ れ て い る 条 文 の か なり の 部 分 は ザ ク セン シ ュビ ーゲ ル ・ラ ン ト 法 に 由来 す る 。し か し 、 それ は 我 々 が通 常 認 識. し て い る アイケ ・ フォ ン ・レ プゴ ウ の 原本 と は か なり 隔 た っ た も の で あ る 。 ラ イン ケ に よれ ば 、 こ れ は 都 市 法 典 が編. 纂 さ れ た ― 二 七0年 頃 の 写 本 に も と づ い て い た か ら で あ る 。 彼 は 、な ぜ ハ ン プ ル ク に お い て 同 法 と 類 似 した 都 市 法 が. ・ラ ン ト 法 に 関 連条 文 を 有 する 条 文 も 配列 さ れ て い る と い う こ と に なる の で あ る 。. の で あ ろ う 。そ れ ゆ え、 ハ ン プ ル ク 都 市 法 典 に は 、リ ュ ーベ ッ ク 法 と 関 連 する 条 文 と 並 んで 、 ザ ク セ ン シ ュビ ーゲ ル. は 、 農 村 法 的 な 、 旧 来 の 法 秩 序 で あ る ザ ク セ ン シ ュビ ー ゲ ル ・ ラ ン ト 法 に 類 似 し た 法 に 従 っ た 法 生 活 が 営 ま れ て い た. て 、 前 者 の 旧 市 で は 都 市 君 主 的 な 支 配が 強 く 、 市 民 の 自 律 的 な 都 市 法 の 痕 跡 は な か っ た こ と で あ る 。 従 っ て 、 旧 市 に. (7. お いて は本 来 的 に リ ュー ベ ッ ク 法 ー 時 期 的 に 考 慮 すれ ば 、 極 め て オ リ ジナ ル に 近 い 同 法 ー が 妥 当 し て い た の に 対 し. ) と 、 ホル シ ュタ イン 伯 の 支 配する 新 市 ( Neusta adt st t l ) か ら なる 二重 都 市 で あ り 、 後者 に dt の 支 配し た 旧市 ( A. 妥 当 して い た の か に つ い て 直 接言 及 し て は い な い が 、 次 の よう な 示 唆 も 与 えて い る 。即 ち 、 同 市 は プ レ ーメ ン 大 司 教. 中世都市リ ュ ーベ ックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(4) ー. ま 、 この 法典 で は、なぜこの ハン プルク法がリュー ベックの 法典に 採録さ れることに なったので あ ろうか。 ヽ9”ッ ヽ ノi. の外形 が ホルシュタ インの ゼゲベルク( 知必e汀 rg )市の 法典と一 部類似す ること か ら 、この 種の 法典が ホルシュタ イ. (8. ). ンの リュー ベック法都 市の ために 編纂さ れたもので はなかったかと 推定す る。なぜならこれらの 都 市で はリュー ベッ. ク法と 並 んで 、一定の 場合 に はハンプルク法の 適用が 認 められていたからで ある。他方、 エー ベルは、リュー ベック. と ハンプルクの 両都 市が 政治 ・経 済的に も緊 密な関係 に あったので 、リュー ベックの 商人 たち は次第に 商取引の 相 手. (9 ). 方の 法関係 に も関心 を 寄 せるように なり、この 期待に 法典作成者が 答えようと して、法典に 他の 法源に 由来す る法を. 採録し始めたので はないかと 考え る。なぜならハッハ第三法典で は、第 一 部と 第二部に 完 全に 分類 してリュー ベック. 法と ハンプルク法が ー しかも 、第二四一条に は 、以下はハンプルク法で あることを 明記し てー収録さ れていること は、. この 法典が リュー ベッ ク市民に 向 けて付与さ れたもので あ る限り、法典の読 者に 両法の 違いを 確認さ せるためで あっ. たと思われるからで ある。また法典がリュー ベック法都 市に 授 与されたので あれば、 それは、ハッハも指摘す るよう. に 、両者の 法を 区別す るうえで 極 めて簡便で あったで あ ろう。と は言え 、ここで ハンプルク法がリュー ベックの 法典. に 収められたこと は、少なくと も法典作成者が 前者の 法を リュー ベック法と 親 縁関係 に ある法と 考え ていたことを 示. しているように も思われる。なぜなら、後の 法典類で は、この ハンプルク法の 一部はリュー ベック法として同一の 法 典の 中に 混在化 さ れることに なるからで ある。. 、さ て以下に おいて、 不動 産法と 関係 す る条文に ついて検討を 加え てゆくが 、これまで の リュー ベック法の 展開とい. う研 究の 流れから、第 一部が 主た る対象となる。しかし、第 二部の 関係 条文に ついてもで き る限り言及しよう。ここ. で 注 意しておかなければならないことは、ハンブルク都 市法典の 作成は―二七0年で あるから、内容的な面から考察. -4-. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(5) ー ル法 典あるいは ハ ッ ハ 第一法 典の個 所で検 討するほうが より 適 切 であったろう。しかし 、法 するならば 、これは キ. 典作 成者が 十五世 紀の 、この時 期に 初めて そ れを収 録したことを重 視して 、ここで検 討の対象とする。 従 って 、第二 部の内 容と第一部の そ れを安 易に 比較することは 慎しまなければならない。. 法典 の特徴. リ ュー ベッ ク法 」. 条文 全体の特 徴. 第 一部 「. ー ル法 典( 全部で二五七条)に 関 連条文を見出 すことが できる。 第一部は 全部で二四〇条からなり 、ほとんどが キ. までの船舶法 、第二 三九条(死 亡した子 供の遺 産の相 続) と第二四0条(嫁 資の返 還) の一0カ条である。しかし 、. 最後のニカ条は キ ー ル法 典の第ニニー条(独立 資とともに 婚姻した子 供の死 亡と相 続) と第十四条(子 供のいない寡. 婦(夫)と配 偶者の最 近 親相 続人との相 続) と関 連する ように も思 われる。. ッ ハ 第三法 典に 関 連条文を見出 さない条文はかなり 存 在 する。 このような条文は二 ー ル法 典の条文で 、 ハ 逆に 、 キ. 在 しないが 、第二部に は関 連条文を見 種類に 区分しなければならない。 ―つは 、後者の法 典の第一部に 関 連条文は 存. ( 10 ). 出 す条文である。 もう― つは 、第一部 、第二部のいずれに も 、従 って ハ ッ ハ 第三法 典のどこに も関 連条文を見出 しえ. ない条文である。 前者の条文に 当たるのは第一三五条(新市 参事会 員の指 名)、第二二三条(代 言 人の料 金)、第二二. 九条(後見人の同 意のない婚姻に 対する罰 金)、第二三一条(裁 判での誓約 期間)、第二三二条(死 手に よる訴 え)、. -5-. (1) (a). 新たに 採録された条文は 、 ハッ ハに よれば 、第一九三条(雇 用)、第ニ―一条(傷 害罪)、第ニ―四条から第ニ―九条. 中世都市リュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(6) 第二三七条(身体と生 命に かかわ る犯 罪の 保証人の禁 止)と 第二四七条(豚の 売買 )の 七カ条である。この ような条. 文はリュー ベックと ハンプルクに 共通に 見出され、この内ハンプル ク法の 規定が むしろ適切と 見なさ れたの かもしれ. ‘° 後者の 条文に 当たるの は第一 ょ, O条 (教会への トー ル フ ァッハト・ア イゲンの 譲渡禁 止)、第一三六条(新市参 ― t し. 事会員の 出席と任期 ) 、第一六一条(相 続人なく死亡した者の 財 産の 市参 事会に よる管理) 、第ニ ―一 条(裁判で確定. した 訴額の 増額禁 止)、 第二二0条 (船舶 の 借用期 間 ) そして第ニ二四条以降の ー数力条を 除いたー残りの 条文であ. り、全体と しては三 一カ条に 上る。従って、主に ―二九0年代以降キー ル法典に 採録さ れた条文が 関連 条文を有 して. いないことにな る。. 第一部の 条文構成を キー ル法典の それと比較す ると 、第一条から第六条までが後者の 法典の 第七条までと ほ ぼ同じ. であり、第一〇条から第九0条までが 後者の 第七四条から第一五五条までと 、第九一条から第一四九条までが 後者の. 第三八条から第七一条までと 、さ らに 第―二三条から第一四七条までが後者の 第一0条から第三六条までと、 そして. 第一四八条から第一五二条までが 後者の 第一五六条から第一六三条までの 条文配列と 同じ である。 即ち、この 法典の. 第一五0条辺りまでの 条文は、キー ル法典の 第一六〇条辺りまでの 条文を プロック別に 再編成し直 して、配列さ れて. いることが 分かる。 その 後の 条文構成はキー ル 法典と もハッハ第二法典とも異 なっている。ただ し、第一五四条から. 第一六五条まではプロッケス第一法典の 第一六三条から第一七二条までと かなり条文配 列が 一致して いる。プロッケ. ス第一法典の この 部分 は親 族 ・相 続法と訴訟法からなり、条文配列に 幾分体系 性が看取さ れたの であるが 、この 編成. 方法が ここでは利用さ れたように も見える。 その 後の 条文構成はこれまで管見した法典と は全く 一致しない。. 従って、第 一部の 条文構成に 体系 的な傾向は感 じ られず、キー ル 法典から無作為に 抽出さ れた条文が並 んでいると. -6-. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(7) 言わざるを えない。. it). 」の 文字、あるいはこ れに類す る表現に置き 換 え. 公法的な条文の 特徴 はどうであろうか。第一に、 キー ル法典の 条文の 中で 使用さ れていた「 市」の 文字がここ での 関連 条文に おいてしば しば脱 落す るか、 あるいは「市参 事会(ぞ. ( 11 ). 脱 落した条文はさ ておき 、後者の 「市参 事会」とこ れに類す る表現に置き 変 わったの は、第十三条(後見人 の 任 命)、. 、 第一―五条(建築の 計測用具 )と 第一三二条(相 続人 第五七条 ( 市の トー ル フ ァッハト ・ア イゲンの 不法な取得 ). , ei r の いない遺 産)の 四カ 条で ある 。こ の 内、 第五七条では 「市」 が 、「市参 事会」 で はなく 「 市ないし支配 者(h. 」 に 書き直 さ れ ている。 最初の 第十三条では、 キー ル 法典の 関連 条文の 第七七条での 「市参 事会員」 と 「市」 op) c s. の 文字の 内、後者の 「市」の みが 「最上級者 そして支配 者 (d enouers cop) 」 に 変わっている 。 t en vndeder herrs. こ の 第十三条は第一七九条と して再 度登 場す るが、 そこ ではキー ル 法典の 「市参 事会員」と「市」 の いずれも「市参. 「支配者. 事会」に直 さ れている。最後の 第一三二条はキー ル 法典の 第二0条と 関連 し、 後者での 「国王権 力と市」がここ では. 「市参 事会」に変 わ っている。第一― 五条も同様であ る。. 市参 事会員の 慈悲」 とこ ろで第一八九条 (パンの 重 量違 反) では、 キー ル 法典 の 第二0五条での 「. に 変わったの は第二九条の 一カ条にす ぎない。. の ままである。 逆に「 市参 事会」の 文字が 消え たの は第五一条と 第一七一条の ニカ条であり、「市参 事会」が 「 市」. ( 12 ). に も見え る。キー ル 法典と 同じ表現であるの は第四三条(市参 事会への 反 逆罪)であり、ここ で は「市参 事会と市」. n ) 」 の 慈悲に 変 わ っている 。後者の 表現は「 市参 事会員」 と 同義と も考え られるが 、 意図 的な書き 直 しの よう (h ere. が. -7-. られているこ と であ る。. 中世都市リュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(8) 従っ て、少なくと も法典作成 者は「市参 事会」の 表現を 「市」の 表現よりも、よ り的確な表現 と 見なしてい たよう. で ある。極論す れば、市 は市民の 総体で はな く、 市参 事会に よって代表さ れるもの、 即ち、 市11市参 事会で あり、市. の権 力11市参 事会の権 力とい うことを 明 白に しておき たい とい う法典作成 者の 意図が感 じら れるので ある。. 公法的な条文の 第二の 特徴 と し て、かなりの 刑罰規定に おい てキー ル法典の 関連 条文で の 罰金 額が軽 減さ れてい る. Oシリンクからニソリドゥスー お そらくソリド ゥスはシリ ことで ある。第二八条( 公務中の役人へ の 暴行 )で は、 -. ンクと 同じーヘ、 第二九条( 市場の 平和 )で は銀三マルク から銀ニマルクヘ軽 減さ れてい る。このような傾向は第七. 六条( 市参 事会員間で の 争い )、第一0四条( 粗暴犯)、第二 三四条(修 道僧( 尼)) に も見られ、 第一―三条( 重 婚. 罪 )で は、プロッケス第一法典の 第六四条の場合と同様死 刑から 罰金刑に 緩和さ れ、第一四三条( 市参 事会員の 判決. へ の 非難 )で は罰金自体が脱 落してい る。第一四七条( 匪告罪 )で は市外 で の決闘が脱 落してい る。 逆に 増額さ れた. 、 第一五四条( 婚約 履行 訴訟)の 三カ条で あ の は第九六条 ( 小舟の 使用窃盗 )、 第―二九条 ( 市参 事会員の 護送権 ) る。. 以上の 二つの 特徴 から、全体と して、 市参 事会権 力の 強調と、他方で 被支配者へ の 恩恵 的な刑罰の緩和 が読 み 取れ. るようで ある。 そうで あるとす れば、これは十五世紀 前半 の 手工業 者等 の 蜂起 と、 旧市参 事会に よる鎮圧と その権 力. ハンプルク法」. の 再構築とも無関係 で はあるまい 。あるい は少なくと も法典作成 者が そのことに 配慮したように も思われる。. 「 第二部. ( 13 ). ルク都 市法典に ほ ぼ呼 応す る条文を 見出す ことがで き る。この都 市法典は、 ラッペンベルクの 前掲 書に よれば、同時. 第二部は全部で 一六六条からなり、最後の第四0五条と 第四0六条の ニカ条を 除い て、す べて― 二七0年の ハンプ. {b). - 8 -. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(9) で は 、市 参 事会 に 関 する 条 文 が数 力 条 続い た. ). は奉 公. ま で 続 く 。 第 三 篇 か ら 第 五 篇 ま で の 三 一カ 条 は 親族 ・. ). 期 の リ ュー ベッ クの 法 典 と は 異 なり 、 ま ず 大 きく 十 二 篇に 分 け ら れ、 それぞ れの 部 に 数 力 条 か ら 最大 約 三0 カ 条 の 条. ). 文 が 配置 さ れて い る 。 その 内容 は 第 一 篇( 全 部 で ニ ニ カ 条 ー 以 下 同 じ 後、 不動 産に 関 係 する 条 文 が始 ま り 、 こ れは 第 二 篇( 五 カ 条. と 第 七篇 ( 二0 カ 条 ) は 主 に 民 事関 係 の 訴訟 法 を 、 第 八 篇 ( 六カ 条. ). 人に つ い て 規 定し て い る 。 第 九 篇か ら 第 十 二 篇ま で の 五 三 カ 条 は 刑 事関 係 の 訴訟 法 と 刑 罰 法 規 か ら 構 成 さ れて い る 。. ( U. ). ハ ッ ハ 第 三 法 典 の 第 二 部 で は 、 こ の よう な 区 分 は な さ れて お ら ず 、 その 条 文 が第 二 四 一 条 か ら 順 次 並 べら れて い る に. すぎ な い 。. こ の 第 二 部 の 特徴 は 、 ま ず 、刑 罰が同 時 期 の リ ュー ベッ ク法 に 比 べて 相 対 的 に か なり 重 いこ と で あ る 。 ま た 、 市 参. 事会 に ついて も 、 最 初 の 四 カ 条 に 規 定さ れて い る よう に 、 その 権 力 が強調 さ れて い る 。 例 えば 、 第 二 四一 条 で は、. 不動 産法 関 係 の 条 文 の 特徴. 体系 的 な傾 向が 看取 さ れる こ と で あ る 。. い る 。 最 後に、 第 二 部 の 条 文 の 全 体 的 な印 象 と して 、 同 時 期 の リ ュー ベッ ク法 に 比 べて 、 その 編纂 に か なり 学 問 的 ・. ner) や 手 工 業 者 は 市 参 事会 員と な る べき で な い こ と が 規 定さ れて l o )、 徴 税 人 ( t ghet o ニ四 四 条 で は フ ォ ー クト ( v. ンプ ル ク市 参 事会 が 決 定し た 法 を 市 民 が非 難 する こ と は許 さ れず 、も し 非 難 する の で あ れば 市 外 退 去 を 命 じら れ、 第. ノ‘. 繰り 返 し に な る が、 第 ニ 二 四 条 か ら 後 の関 係条 文 、 特 に 第 二 二 六条 ( 地 代 関 係 の 解約)、 第 二 三 四 条 ( 不動 産の 市 外. ま で に 登 場 する 不動 産法 関 係の 条 文 はこ こ で も、 総 体 的 に 、 ほぼ 同 様 の 内容 を 持 つ関 連条 文 を 見 出 すこ と がで きる 。. 第 一部 で は 、 キー ル 法 典 の ー 第 三〇 条 ( 教会 へ の トー ル フ ァッ ハ ト ・ア イゲ ンの 譲 渡 禁 止 ) を 除 いて ー 第 二 二 三 条. (2). -9-. 相 続 法 に 関 係 する 。 第 六 篇 ( 三 〇 カ 条. 中世都市リュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(10) 民等 へ の 処分 禁 止 )、第二三六条(相 続財産の 売主の 追奪 担保責任)、第二四一条 (倉庫 壁に 利用さ れ てい る囲障の 他. の 倉庫 壁への 利用禁 止 )、第二四三条から第二四四条、第二四六条と 第二五二条(い ずれも 定期 金 関係 の 条文)、第 二. 四五条 (風 呂屋と 。ハン焼き釜 の 設 置 )、 第二五一条(聖 織者に よる市内の 住 宅の変 更禁 止) の 条文は第二部に も関連. 条文を有 してい ない 。. 第二部で は 、当然のこ と なが ら 、ハンプルク都 市法典からの脱 落はなく 、 不動産に 関す る第一篇と 第二篇の 条文は 、. ここで は第二四五条辺りから第二六O条台の 終わ りに かけて集 められてい る。しかし、こ の 他の 場 所に も関係 す る条. 文が 管見さ れる。 その 中で も 特に 注目す べき 法文は第三五八条(裁判管轄) の 後半 部分 で ある。 「そして、こ の 市領. 域外 に ある不動産に つい て人 はその 財産が 存在す る裁判所に 訴え るぺし。ただ し、それが 帰 属す る者が 両方と も我 々. ( 11. 市民) の 財産に つい て異 議を 唱え 、そして彼がこ の 市領 域内でこ の 事案に つい て訴えられるので あれ. の 市民で あ れば、両 者は その 財産に つい てここ (ハンプルク) で 訴えるぺし。しかして市外 民が 我々の 市民を 市領 域. 外に ある彼 ( 11. ( 15 ). ) と の 妥当領 域 ば、彼 市民) は彼にこ れに つい てここで 応ずべし」 。ここで はキー ル 法典の 第一―一条 (都 市法 同様に 不動 産の 裁判 管轄が 規 定さ れ、それは原 則と して市領 域内の みに 及び 、ハンプルクの 不動産法は市頷 域外で は. 妥 当しない 。しかし、その 所有 者が 市民で あれば、市の 裁判所に 管轄権 が 属す るこ とが あ り得 、結果と して、こ の 法. 原 則は市民の 特権 に よって修 正さ れてい るので ある。こ れはハンプルクで は市民が 市領 域外 に 不動 産を 所有 し てい る. こ と 、あるい は市民の 農 村との 結び つきを 示してい たの か もしれない 。. 注 . .この法典の原本は現在ではゲッティンゲン大学図書館に所蔵されているようである。W. , .11 . ,a . ( 1) J F •Ha c h a 0. S 5f Eb el,. - 10 -. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(11) a.a.0.,S.207. ー. Ham burgs, Ham burg•1845 (N eudruck• 1966).. ー. ,Geschichte Schl ,A.GraBmann, S.262 268. 0.Brandt eswi g H ol st ei ns,S.117-129. chte,hrsg. sche Geschi beck i (2 ) Li.i. 0.,S. 377ふ 48. (3 ) J.F•Hach,a.a. ー•undLandrechte lt esten St adt ー•Schiff (4 ) J.M .Lappenberg,Die ii. .29, 1928, Bd. ― 六年 以降 、市 の外交 adt の建 設に関わ った 草分市 民の子孫 であ り ‘ ―二_ (5 ) 彼 は 、ライ ンケによれば 、 ハンプ ルクの N eust や官房事務 に携 わ った 。 ―二三八年 の文書 には ユー スティ ニアー ヌスの法学提要から の引用が見ら れるように、彼 は ロー マ法 にも 通暁し て いたよう である。彼 は ―二六 四年 から六七年 にかけて市 の法令 集 である K opialbuch を編 纂 し‘ ―二七 0年 の都 市法典 の完成後、 数年を経 ず して死去した。 H .Re ineke,D ie H erkunftdes ham burg ischen Stadtrechts,zugle ich ein Bei­. ー. . 1, Bd. , H ans-Di eter Loose, 1982, S.83hrsg.. chte, sche Geschi tschrift des Verei ns fur H am burgi i.i bi schen Rechts, i n Zei trag zur G eschichte des l adt und i hrer Bewohner, chte der St s.226 229• H am burg.Geschi 8i.. ッペ ンベ ルクの前掲 書 に収 められた各条文 には、ザ クセンシ ュピーゲ ル ・ラント法 の 関連条文番号がそれぞれ付 けられ ている。 ー. , S.225 226. ラ neke,a.a.0. (6 ) H .Rei. d.,s.230-233. bi (7 ) i. a.a.0.,S.25 und S.116. a.. (8 ) J.F•H ach,. H. ,a. 0. ,S.208. この間 の政治 的な事情が この推測を裏付 ける 。 即ち、 一四二 0年 、リ ュー ベ ックと ハンプ ルクの (9 ) W.Ebel 両市は、リ ュー ベ ックでの市 民騒擾 の間 にその返還を要求し ていた ラ ッツ ェプ ルク 11ラウ エンプ ルク公 エリ ッヒ五世 (Erich Bergedorf)市を征服し 、Vi erl andと Gg st V•von Ratzeburg-Lauenburg)に対し て フ ェーデ を行 い、ベ ルゲド ルフ ( hacht を両市 の共 同支配 の下 にお いた のであ る。このような軍 事的 にも密接な関係が この 時 期 に両市 の 間 に確立され ている。 Lile­ =-」。 」、「 辻itlj中今研q 牢269-270.抽 邸禍 「 中↓世如印古m"ノュー ベ ックの個ぢ戌而芯束証 守牛序記i chte, S. bg k i sche Gesch i. (10) キ ール法典 の第 五三条 と第 一一三条は ハッハ第 三法 典 に関連条 文を見出さな いが 、 • 前 者 の法 典 の第 三条 と第 一六九条 にほぽ 同じ内容 の条文を有 し、 このニカ条 は ハッハ第 三法 典 に関連条文を見出す。なお、 ここでの条 文 の符 号関係 は原則とし て ハッ ハが これら の条文 に つけた検索番 号 にもと づいている。 刃物 による楊 害 未遂) 、 第 八九条 ( 第十九条 ( 恣意的な和解 の禁 止) 、第 三三条 ( 盗品 の自 力 による取戻し) 、 第四六条 ( 市 の敵対者側 に逃走した市 民の財産) である。 (11). -11-. (2) ベ ッ ク の法典類 に お け る 不動産関係条文 と そ の特徴 ー. 中 世都市 リ ュ.

(12) 近畿大学法学 第40巻第 1 号. ( 12 ) 第五 一条は この法典 の後半 の第 一六六条 に同じ内容の法文を有し ているが、そ こでは 「 市参事会」 の文字 は残されている。 . .F•Hach,a .S.6 0 4 -6 0 7. にあ る。 ( 13 ) 両法典の符号表 は J a.0• ( 14 ) ―二七0年 の最初 の法典 にお いても、 このような明白な篇別 の構成 はなされておらず、 ハッハ第 三法典 の第 二部 のように条 文が単純 に並 べられ ていた可能性もな い訳ではない。しかし、 ハンプ ルク都市法典 の編纂者が 、少なく とも上述 のような編 成. ?). ー. . ,S.LXXXIIILXXXI .M.Lappenber X. g,a a.0. を念頭にお いていた ことはまちが いな いようである。J ss ( 15 ) v endes s enwi c kbel debel ht ekoBen an dat r i cht e dardat nn ( uedatbut eghen i c hal men t or ec " d vmmeer dehi r chol enbey endedes g b h e e y r d e e wer enden datgud t s ebor ohor d vns ni s odati gud ぽ l ge D sat en wer eal nen vns er e bor en te n gas tey echt eko y nemegude dat but vmmedatgud t or men Merdey gher wedder s c halan s des s em wic kbel deghel egen i bel dev medar sv ndewer theby nnen des akebee c hale s em wic mmedes " l 以t hethes s es spl er eghen. echt mmehi v rr. 不 動 産 法 行 為 の当 事 者 と し て の 「人 」. 第 一部 の条 文 にお け る 「人 」 に つ い ては 、 キ ー ル法 典 の際 に 述 べた こと が ほ ぼ妥 当 す る 。 幾 分 の相 違 が 見 ら れ る の. は 以 下 の条 文 であ る 。. ―つは 第 十 七 条 ( 家 屋 に 属 す る 橋 梁 の維 持 義 務 ) で あ る 。 こ こ で は 、 キ ー ル法 典 の関 連 条 文 であ る 第 八 一条 には 存. 在 し な い が 、 ラ テ ン語 法 典 であ る ハ ッ ハ第 一法 典 の第 七 三条 、 ト ンデ ル ン法 典 の第 八 七 条 、 レ フ ァ ル法 典 の第 六 九 条. に は 存 在 し て い た 法 文 、「そ し て市 外 民 に ( 賠 償 す べき ) で は な い ( vnde ni uden)」 が 再 び 追 加 さ れ chtvromeden l. て い る 。即 ち 、壊 れ た 橋 で負 傷 し た 者 が市 外 民 であ る場 合 、 彼 ら に賠 償 す る必 要 は な い こと が 復 活 し て い る。 し か し 、. こ の こと は市 外 民 に対 す る厳 格 な 市 の姿 勢 が強 化 さ れ た こ と を 意 味 す るも の では な さ そ う であ る 。 な ぜ な ら こ の条 文. 以 外 の、 市 外 民 に つ い て規 定 し た 条 文 は キ ー ル法 典 の場 合 と ほ ぼ 同 じ であ り 、 彼 ら に つ い て新 た に規 定 し た 条 文 は 登. - 12 -.

(13) 場 し な い か ら である 。 逆 に 、 第 三五 条 ( 平 和喪 失刑 に 処 せら れた 市 民 の 財 産 )と 第 三 六 条 ( 債 務 者 の 逃 走 と その 財 産. の 差 押 え) では 、 」 に 簡略 化 さ れ て いる 。従 っ て 、前 述 の 追 加 法 文 も 法 典 作成 者 が、 「 市 民 」 が「 ある 者 (eyn man). 旧来 の 法 文 を 意図 的 に付 け 加 えた た めに生 じた こ と であっ て 、 条 文 全 体 に 意味的 な 変 化 が生 じ た た め では な い と 思わ. (1 ). も う ― つ は 第 二三九 条 である 。 こ の 条 文 は、 前 述 の よう に 、 広 義 では キー ル 法典 の 第 二ニ 一条 と 関 連する 。 後者 で. は 、 独立 資 と も 婚 姻 し た 子供 が ア プ シヒ ト ゥンク 前 に 死亡 した 場 合 、 その嫡 出 の 子 供 が その 親 の 遺 産分 を 、親 の 腹 違. f) の 兄弟 姉 妹 に 優 先 して 代 襲相 続しう る こ と 、即 ち 、嫡 出 子の 、 叔 (伯 ) 父 、 叔( 伯 ) 母に 対 する 優先 的 な ぽl い (. 相 続 順 位 を 規 定し て い た 。 こ こ での 条 文 の 内容 は 以 下 の 通り である。「 ある 男 が 一人 の 女を 要る 。 彼 女 に は 子供 が あ. り 、 子 供 らは 彼 らの 父 ( II彼 女 の 前 夫 ) の 財 産を 既 に相 続して い る 。 さて 、 その 夫 と 妻 が 子供を 儲け 、 その 子供 た ち. が 婚 資 を 得 て 婚 姻 し 子 供 を 儲 け 、 婚 資 を 得 て い た 子 供 た ち が 死 亡 し 、 最 後 の 子 供 た ち の 祖 父 ある い は 祖 母 が 死 亡 す る. (2 ). の であれ ば 、前 も っ て アプシ ヒ ト ゥンク さ れ て い た 子 供 た ちは その 財 産に つ い て 何も 有 し な い 。 な ぜな ら それ は 子供. 。 こ こ で登 場 する 人 物 は 、 父 母と 子供 と 孫 であり 、子 供 た ちは 、 母の 前 婚 の 子、 の 父 そし て 母に 佛 属 す る か ら である 」. 婚 資 を 得て 自 立 し た 子 I 彼 らに は 子 供 、即 ち 、 孫 が いる ー 、 そ して 未 だ家 に留 ま る 子 である 。 こ の 内、 婚 資 を 得て 自. 立 し た 子が 死 亡し 、 その 父 母 の 何れ か が 死 亡し た 場 合 、 遺 産を 相 続 する の は 母の 前 婚 の 子 でも 孫 でも なく 、 未 だ家 に. 留ま る 子 である と いう 内 容 であろ う 。. こ の 条 文 は お そらく 具 体 的 な 判 決 に 由来 する も の であろ う が 、こ こ で相 続 人 と し て 登 場 する の は主 に 子 供 と その 卑. 属 の み である 。 こ の よ う な 子供 の 、 その 他 の 相 続人 を 排除 し た よ う な 優 先 順 位 の 登 場 は 、 実 際 の 親族 関 係 の 拡 がり と. - 13 -. れる 。. 中世都市 リ ュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(14) それに 伴う相 続順位の 複雑化の 中で 相 続 をめぐる争いが 頻 発す るように なったこと を想像さ せる。 その よう な混 沌と. した 事態に 対して、 子供の 利益の 確保に 法的 な配 慮が なさ れたように 見え るので ある。ただ し、 これを確証す る論拠. は 手元に ない し、 ハッ ハ第三法典で は子供の 相 続に 関係 す る条文も多く は ない。. 不動産法行 為の相 手方に ついては、キー ル法典の 第三〇条(トー ルフ ァッハト ・ア イゲンの 教会への 贈与禁 止)が. 脱 落している。この脱 落の 原因は不明で あるが 、この 前後の 条文で あるキー ル 法典の 第二九条 (死亡後の 教会あるい. は 血縁者への 財産譲渡)と 第三 一条(市参 事会員の 立法権 と 裁判権 )が ここで は第一四 一条と 第一四二条に 関連 条 文. を有 してい るから、前 述の 第三〇条は法典作成者に よっ て意図 的に外 さ れたように も見え る。しかし定期 金の 教会へ. の 譲渡を禁 止したキー ル 法典の 第一五五条が ここで は第九0条に ほ ぼ同 じ内容の 条文を有 しているから、もし法 典作. 成者が 何らかの 削除の 意思 を持っ ていたので あれば ‘お そらくこの 条文も外 されたで あろう。従っ て、上述の 第三〇. 条の脱 落は法典作成者の 単 なる見過ごしに よ るもので は なかろうか。. 第 二 部の 「人」に 関す る条文も、原 則と してキー ル法典の 場合と同様で あるが 、 「市民」 に ついては、 その 特権 的. な地位が はるかに 詳細に 規定さ れている。 即ち、固有 の 不動 産を有 す る者の みが 証 人と なりえ(第二五七l五八条)、. (3 ). 「 い かなる者も不動産 を有 す る我々の 市民の 財貨を差し押さ え るぺきで はない。 もし彼が これに 反して (差押え を). (4. ). 行うので あれば、彼は三ポンドで 償う べき 」 (第三六二条)で あ り、 「ある者が もう 一 人を債務額に ついて訴え ……後. 者が 債務に 相 当す る不動 産を市内に有 しているので あれば :. . . . 彼は保 証 人を立てる必要は ない」 (第三六三条) 。さ ら. に、 裁判で 市民と 偽っ た者に は罰金が 下さ れるので ある(第二五九条)。 第三四 二条に は、 市民と なっ て市内に 一年. と 一 日以上居住した者は 、自己の 隷属 ( gh e ne)民で あると して引渡 し を要求す る領主に 対 して それ を拒否しうると. - 14 -. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

(15) い う 、 い わゆる 「 都 市 の 空気 は 自 由に する 」 の 原 則 が明 記 さ れ て いる 。ま た 、 婦人 や 十 八 才 未 満 の 男性 に は 後見 人 が. 必要で あ る ( 第 二九一 条 ) が、 婦人 が後見 人 の 同 意 な く 購 入し た 物 を その 婦人 は 売却 する こ と が可能で あ り ( 第 三 六. 四 条 ) こ こ で は 幾分 「 女 商 人 」の 規 定の 様相 を 呈 して い る 。. 市 外 民 へ の 法 的 な 制 限 も 、同 様 に 厳 格 で あ る 。 市 外 民 間 で の 争 い で も 市 民 の 証 人 が 必 要 で あ り ( 第 三 0 一 条 ) 、非. ( 第 三 六五 条)、 市 民 が 敵 対 者 を 市 外 で 殺害 して も 責 任 は 問 われ ず( 第 三 九 三 条 )、 盗 品あ る い は略 奪 品の返 還 の 場 合 、. 市 外 民 に は 三 分 の 一が 返 還 さ れ る に すぎな い ( 第 三 九 八 条)。 た だし、 市 外 で 市 民 の 仕 事を 果 た し て い る 奉 公人 が負. 傷 、 死 亡 し た 場 合 、 彼 は 市 民 と 同 様 に 取り 扱 われ る ( 第 三 四 九 条)。 不 信 心者 や 魔 法 使い 等 は 火刑 に 処 せら れる ( 第. 四OO 条)。. 聖職者 に 対 し て も 厳 し い法 的 な 制 限 が ある 。 修 道僧 ( 尼 ) には相 続権 はなく ( 第 二八一 条)、 裁 判で は 後 見 人 が必. 要 で あり ( 第 二九 一 条 )、 教 会 裁 判に 市 民 が 訴 える 場 合 、 罰 金 に 処 せられ る ( 第 三 六六条 )。 貴族 層に つい て は も っ と. dder) は 市 領域 内で の 居住を 禁 止 さ れ る の で あ る ( 第 二四五 条 )。 厳しく 、騎士 ( Ri 注. 1) キー ル法典 の第二ニ 一条 の呼応条文 はここで は第ニ ―三条である。 ( ­ o re mev ndedeky nder eer e ftv gv a de r ser obe r o u weneme ky nderhe uet e nev tde· m l k a n r u e nde. ) We ( 2) 〔 品ne nde de ky oho benv r ouweky p eheb nde r eb e r ade nwe s szdatdev ndedev nde r et g hebbenvpghenomenj r de n hor uetdesl er t ndarna dos e r nwe de ra enky t es rdebe nde nSt nne der tdeky ue sol r e nde rwy nde eky nder ndedeky v c htdendatv nde r eande meni all e tde f gedel endenky sky nde s bbe ndev o r eaf n he r So e v a de ro l de rmode ff t eo. - 15 -. 定住 民 は 債 務 に つ い て 保 証人 を 必要 と し ( 第 三 五 九 条 )、 市 外 民 と 市 民 の 債務返 済 期 間は 市 民 間で の それ より も 短く. 中世都市 リ ュ ー ベ ッ クの法典類における不動産関係条文 と その特徴 (2).

(16) ?). 不 動 産 法 行 為 の対 象 と し て の 「不 動 産 」. 〔. rvnn( · 品de d moder nmo dbes ‘ t e sgu her g ahlnenman v sbur c e ns ) Daten s t. uehef tdeer t t e sgudぽ s her g e en忌 nenesbor 3) Won ( y nv ndede ·eg npunden. y enmitdr r c ndats thedarenbou he ahlhebet de evn teru f e g dedehe t eg .• e .vn n ns c n ander ode s l ata nnen derSt ues by e er ov el s tdeande f t l tvmrri eal r e hul he n de t enma f 4) Ghi ( s c hul ti s••• g heendor he ns ffnenebor et t en:'. ①. 不 動 産の 表 示. ト ール フ ァッ ハ ト ・ア イゲ ン ( t o rfa chtegen). こ の 用語 の 登 場 する キール 法 典 の 条 文 と 第 一 部 の 関 連条 文 を 比 較 す る と 、第 一 に 、ト ール フ ァッ ハ ト ・ア イゲ ン の. ghendegron de)」 第 五 七条 ( 市 内外 の 市 の ト ー ル フ ァッ ハ ト ・ア イゲ ン の 奪 取) で は 「 財 貨 ‘ gheneli 有 の 土地 ( e 、 gg 」、第 一 七 八条 ( 証人 の en d sy) er gutj de grunde edder antl 不 動 産 、土地 、その 他 、何 で あ れ( gudes erueli. hen) 資 格 ) で は 「 不動 産(erue vnde eg 」 と いう 表 現 に置き 換 えら れて いる 。第 一 〇条 ( 証 人 の 資 格 )で は 、簡略 に. 「 不 動 産(erue) 」 に書 き 直 さ れて い る が 、 こ の 条 文 は 、 ほ と ん ど 同 じ内 容 で 第 ニ二 八 条 にも 登 場 し 、 そこ で は 「 固. rren erue vnde eghene) n ev n 「 妨げら 」 と 詳 細 に規 定 さ れて いる 。 bew o 有 の 、妨 げ ら れる こ と の な い 不 動 産( g he. れる こ と の な い( v en)」 と は 、 nbewo rr いか な る 負 担も 負 っ て も い な い こ と を 意 味 する で あ ろ う 。 第 八一 条 ( 質 の 解. 約 告 知)、第一 ―一 条 ( 船 舶 の 共 有 関 係)、 第 一 六 八条 ( 傷 害 罪) の 三 カ 条 で は 、 証人 あ る い は 立 会 人 の 資 格 と の 関 係. - 16 -. 四 (1). 表 現は こ こ で も 使 用さ れて い な い こ と が分 か る 。 その 代 わり 、 第 六 条 ( 妻 と と も に取 得 し た不 動 産の 処分 ) で は 「 固. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

(17) 良き)人 々 ( ア イゲンの 用 語が脱 落 し 、 証人等 は単に 「 定 住の ( bes e t e ne n で規定されてい たトー ルフ ァッ ハト ・. 」 と 記載 されている。 従 って 、 トー ルフ ァッハト ・ア イゲンの 表現はここで も 不動産ーおそら く土 uden) n)l gude (. 地ーと理 解 されているが 、し かし、この 用 語はもはや人 口に は謄灸されてはいないようで ある。. 第二部に はトー ルファッハト ・ア イゲンは全く登 場 しない 。前 述の ように 、この 用 語はリ ューベ ック法で は証人 資. 、 第三OO条 、 第三四五条) と 表記 二十竺土冬( 二五O冬べ 笛ん 箪ん en,t en s at s f yn ( wemandeef n,e ugen l de t af r i ud. enenl t e s f rf udenに 代 表されるように 、不動産を有 す る人 々と 解せられよう。より され、 これらの人 々は 、最初の e. 具 体的に は「(証人 は) 固有 の 不動産を有 し (bebbeegbe nee r ue)」(第二五七条、 第二五 八条)、 「不動産を有 す る. 、 さらに 「 自由な不動 産に 定住す る良き人 々 (gude dede· ) 」(第三九一条) bbet ene-lu erue he et 定住の人 々(百 s. yn eruen) en s t udedebese l 二 ハ 中 yn i 」( n vr 4O欠 k)と 表現 され ている 。最後の 「 自 由 な不動 産」と は、 同じ表現 ・g. が 登 場す る第三七0条 (質に置 か れ る べき不動産)、 あるいはキー ル法典の 第二四四条 (質入れ され た不動産への 定. 期金の 設定)から推測す ると、質権 の設定されていない、 いかなる負担も負 っていない不動 産と いうことに なろう。 ハンプルク法でも、 不動 産を 有す ること が契約 や債務の 保証とな ったので ある。. 従 って、トー ル フ ァッハト ・ ア イゲンの 表現は 、ハンプ ルクで は都 市法典に 関す る限り使用 されていない。同市と. 四一年以後既に 都 市同 盟的な関係 に 入 ってい たと されるが 、この 用 語は後者の リ ューベック り ュー ベック 市は、― ―一. にの み登 場す るので あ る。つ ま り •トー ル ファッハト ・ア イゲンは、十四世紀 半ばまで の リ ュー ベック法都 市の 法典. 類で の み使用 され た用 語で あ ったと いうことに なる。. - 17 -. 格との 関連 で 使用 されることが 多か ったので あるが 、証人 に ついて 、第二部では e r ff s e t e ne nl f t i ge nl uden,.era u、. 中世都市 リ ュ ー ベ ッ ク の法典類 に お け る 不動産関係条文 と そ の特徴 (2).

(18) ® ヴ ェー レ ( we re ). 第一 部で の 、こ の 用語 の 用法 も 、 キ ール 法 典 の 場 合 と同 様 に 、ゲヴ ェー レ で あ る の か 、 具 体 的 な 不 動 産や 場 所を 示. すの か は っき り しな い ま まで あ る 。 キール 法 典 の 第 一 〇 二条 ( 売 主 の 動 産売 買にお け る 瑕 疵 担 保 責 任 ) と第 一 七 一l. 七 二条 ( 嫁資 の 取 戻 し) は 、こ こ で は 、前 者 が 第 三 九 条 に、 後 者 の ニカ 条 が第 一 五 六条 に ほぼ 呼応 する 条 文 を 有 し て. いる 。 い ずれ の 場 合 で も 、 商 品や 嫁資 が 第 三 者 の ヴ ェーレ に 持 参 さ れ る か 、 ある い は 、 そ こ に 入る こ と、 そ して 嫁 資. がヴ ェ ーレ か ら 支 払 われ る こ とが 規 定さ れ て いる 。. 第 二部 で も 、ヴ ェ ーレ は 同 様 の 使 い 方 を さ れ て いる が 、登 場 する 頻 度 はこ ち ら の 方 が 高 い 。 即 ち 、「 彼 のヴ ェーレ (1. ). e) 」( 第 三 七 二条 と 第 三九0条 )、「 彼 nen wer 」 (第 二六 四条 )、「 彼 の ヴ ェ ーレ か ら( vtsi の 中 に( i n syne r were). の ヴ ェー レ の 内 部で ( bynnen synen we 第三九 四条 ) 等 で ある 。 ren)」 (. 第 二部 で の ヴ ェ ーレ は 、 一カ 条 を除 い て 、その 持 ち主 の 一 定の 支 配 権 、い わゆ る 権 限 と して の ゲヴ ェーレ とは 考 え. ら れ な い 。例 えば 、最 後 の 第 三 九 四 条 は 旅 館 内で の刑 事 事件 に 関 する 規 定で あ る が、こ こ で は 、ヴ ェーレ は宿 主 の 支. 配 権 という より も 旅 館 の 建 物 あ る い は 敷 地 内 と 解 す る ほう が 自 然で あ る 。 しか し、ゲ ヴ ェー レ と 理 解しう る 法 文 が 第. 二六四条 に あ る 。 こ こ で は 定期 金 売 買に つ い て の 争 い が 規 定さ れ 、 その 法 文 の ニカ 所に 次 の よ う な文 言 が登 場 する 。. 「定期 金 を 購 入し 、(それ を ) 彼 の ヴ ェーレ に 有 する 者 ( de den eruet hyns gheco f tvndei thef nsi nerwerehef t ) 」. と「 そ の 定期 金 を 彼のヴ ェーレ に 有 する 者( dededeneruet nerwe nsi rehef hynsi t )」で あ る 。 定期 金 は 商 品等 の. 具 体 的 な 財貨 で は な く 抽象 的 な 貨 幣 額で あ り 、それをヴ ェーレ に お い て 有 する とは 、一 定の 場 所に 定期 金 を 保 管する. こ とで は な いで あ ろう 。即 ち 、こ の 文 言 は 、定期 金 を その 買主 が 一 定の 支 配権 の 下 に 所有 する と解 す べきで あ り 、 こ. - 18 -. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

(19) ク は 、ヴ ェー レ を 不 動 産の 場 所を 示 す 用語 と して 、 そ し て ゲ ヴ ェーレ を 表 す 用 語. ル. こで は ヴ ェー レ は 、抽 象 的 な 権 利 概念と して のゲ ヴ ェー レ で あ る 可能 性 が かな り 高 い 。従 っ て 、 この 法 文 から す れ ば 、. 少なく と も フォソ ・ボ イ ツ ェン プ. と して も 理解 して いた と 推 定で き る よう で ある 。 た だし、 そ の よう に 解釈 しう る 条 文 は この 一 カ 条 に すぎ な い の で は あ る が。. ③ア イ ゲ ン (egen). この 用語が 、 第 一 部 に お い て 、 名 詞と して は 不動 産、 特 に 土地 を 意 味 す る こと は ト ール ファ ッ ハ ト ・ア イ ゲン に つ. い て 述 べた こと からも 推 測さ れ る し 、形 容 詞と し て 、 この 用語 が 使 用さ れ る 場 合 、 これ が 「 固 有 の 、 ー に 属 する 」 と. 法 典 の 場 合 と 基本 的 に 同 じで あり 、特 に 特 筆 す べき こと は な い 。. ル. - 19 -. い う 意味を も っこと も また 一 般 的 に は 同 様 で あ る 。. 建 築時 の た だし、ア イ ゲ ンと 関 係 する 第 一 部 の 条 文 の 中 に 検 討 す べき 条 文 が一 カ 条 存 在 する 。 そ れ は 第一 ―六条 (. 法 典 の 第 六七 条 と ほぼ 同 じ で あ る が、問 題 は 後者 の 法 文 の 一 部 で あ る 「 さ らに 彼 の 土 地. ル. 第 二部 に つ い て は 、 そ の 用法 は キー. 典 作成 者 に は 、 この 用 語 が 所有 権 を 意味 する 用語と は 見 な さ れ て い な かっ た こと だけ は 確 実 で あ る 。. 所有 権 的 な 意味 合 い は な く、 この 用 語は 不動 産で あ る 土 地 に 単 に 適 用され て い る に すぎ な い 。従 っ て 、少 な くと も 法. を 普 遍 化 す る こと は で き な い が 、 こ こで もプ ロッ ケ ス第 一 法 典 の 場 合 と 同 様 に 、 この 用 語に 、 抽 象 的 な 権 利 と して の. do m に なっ て い る の であ る 。後 者 の e y ghendom が 第 一部 そ して 第 二部 の 中 で 登 場 する の は こ こだけ で あ る 。 結 論. 上に 建 築 し た 者 は ( We ok vp syn eyghendo m buwet) 」 と 書 換 えられ て い る こと で あ る 。即 ち 、俎 en が eyghen、. の 上 に 建 築 した 者 は 誰 で あ れ ( g weoc vp si ebuwetheuet nemeegenen g ) 」 が 、 こ こで は「 彼 の eyghendom の. 負 傷 )で あ る 。 これ は キ ー. 中世都市リュ ー ベ ッ ク の法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(20) ④. ) de bel ch 定期 金 (Wi. de が なお地代を 意味す るように も見え た キー ル法 bel h 既に プロッケ ス第一法典で も 示唆し ておいたように 、 Wic. 典の 第一五0条(借地人 への 地主の 援助義務)の 、ここで の 関連 条文で ある第八五条で は 、Wi ch bel deが Re nt eに. 書き直 さ れ ている。こ れは 、借 地人 と 地主の 関係 が 定期 金関係 に 変 わ っているこ とを 明白にす るための 書換 えで あろ. う か。定期 金と しての Rent eは 、教会への 定期 金の 処分を禁 止した第九0条(キー ル法典の 第一五五条ー以下 、番号. の 前に Ki を 付す )に も登 場す る 。ただ し 、第二二九条 (Ki第一九七条)と第二三 〇条(Ki第一九二条)で は Wi kbel de. ch bel de が 地代 よ りも 、む し ろ 定 (gude )が その まま利用 さ れ、それは定期 金を 意味し てい る 。いずれに せよ 、 Wi. 不動産の 区分. その 他の Er v e や具 体的な不動 産の 表示に つい て、第一部と 第二部の いずれで も、特に 言及す べきこ と はない。. し9. キー ル法典で 登 場した三つの 区分「相 続財産」、「 動産化 さ れた 不動産」、 「 獲得 財産」 も第一部に 関連 条文を有 し て いる。. ー. 期 金を 意 味す るように なっ てき てい るこ とを うか が わ せる。なお Wi c bbel deはキー ル法典で は他に (小)都 市 (Ki. 第一 ―二 条) と 市領 域 ( Ki第一八三条) を も意味していたが、ここで の 、 後者の 関連 条文で ある第一七二条で は、. それは S5tv e l deに 書換 えら れ てい る 。ただ し、 前者の 呼 応条文で ある第五0条で は その 表現に変 わ りはない。. 第二部で は 、前 述の ように 、第二六四条の みが 定期 金と 関係 す るので あるが 、 定期 金 は W i ch bel deで はなく 、な. ch bel deは定期 金を 意味す る用 語と し ては全く 利用さ れてい お「 地代 (erueth yns ) 」と いう表現の ままで あり 、Wi な (2). - 20. 近畿大学法学 第40巻第1号.

(21) 相 続 財 産は、 第一 三 八 条 に キール 法 典 の 第 二 六 条 ( 相 続 財 産の 売 却 の 際 の 最近 親相 続 人 への 買 取 りの 提示 )の呼応. 条 文 が あ る。. 「 動 産化 さ れ た 不動 産 」に ついて の キー ル 法 典 の 第 二0一 条 の、 第 一 部 での 関 連 条 文 は 第 二0 四条 であ る。 こ こ で. と 表 記さ れ て い た の であ るが 、 こ こ では 、 「 ― つの 不 動 産 、あ るい は 不 動 産と 財 貨 と とも に ( mi tenem erue edder. teruen v nde mitgude) mi 」 と 記載 さ れ 、その 対 象 の 量 的 な拡 がり を 感じ さ せ る 。 し か し 、反 面 、 夫 の 処分 行 為 と. し て の 売 却と 質 入れ の 内 、 後 者 の 質 入れ がこ こ では 脱落 し て い る。 質 入れ は 、 そ の 財 産の 喪 失 を 招く 可能 性 が あ るか. ら、 法 行 為 の 中 か ら除 外 さ れ た の か 、 あ るいは 売 却行 為 と い う 表 現に 質 入れ 行 為 も含 め ら れ て い るの か 判然 と は し な. (2. ). い。 しか し、 前述 の 処分 の 対 象 の 量的 な拡 大 を 考 慮 す ると、 後 者 の 解 釈が よ り 自 然 の よ う に 思 わ れ る。. 獲 得 財 産 に つい て 規 定 し た キー ル 法 典 の 関 係条 文 は 、こ こ でも ほぼ 同 様 の 関 連条文 を 見 出 す が 、幾分 の 変 化 もあ る 。. 第 七条 ( Ki第 九 条 ) では、 獲 得 財 産が 単 に 「 彼の 財産 ( s yn gut )」に 書 換 え られて い る 。こ れ は 意 味 上の 変 化 を もた. らす も の では あ るま い 。 し か し 第一 七 四条 ( Ki第 一 六 二 条 ) では、 善 良 な 人 々の 立 会 い の 下 での 遺贈 の 額 が 銀 一 〇. マ ル ク 以下 か ら「 銀 ニマ ル ク 以 下 ( 品n t wen mark sul uers v nde en bynnen)」 に下 げ ら れ て い る。こ れ は 、 獲 得. 財 産の 遺贈 であ って も、 市 参 事会 員 の 立 会 い が な い 場 合 、 厳 し く 制 限 さ れ るよ う に な った こ と 、即 ち 、獲 得 財 産 であ. れ 、無 償行 為 であ るその 贈 与 に は 制限が付 け ら れ るよ う に な った こ と を 示 すも の であ ろ う か 。. こ の 推 測 を 肯 定す るの は 、 獲 得 財 産に つい て 新た に 採 録 さ れ た 第 二 四〇 条 であ る。 こ れ は 、 広 義 では、 キール 法 典. の 第 十 四条 の 修 正条 文 であ る。 後者 の 条 文 は 、 子 供 の い ない 夫 婦 の片 方 の 死亡に よ る、生 存 配偶 者 と 死者 の 最近 親相. - 21 -. は 、詳 細 な 点 で相 違 が あ る。即 ち 、前 者 では 、妻 の 血縁 者 か ら その 夫 に 与 えら れ る、動 産化 さ れ た 不動 産が 単 に erue. 中世都市 リ ュ ー ペ ッ ク の法典類に お け る 不動産関係条文 と そ の特徴 (2).

(22) 続人 との間の 遺産の 配分に つい て規定してい た。なお、こ の 条 文 はここ で は第―二七条に 呼 応条文が ある。 さて、第. ニ四O条 は、 前述の 原 則を 維持しつつ、以下の 法文を 付 け加え てい る。 即ち、妻が 婚姻に 際して持参 した財産が「 ど. or e y)」、そして 、彼ら夫婦が 「貧困化 し 、再 び自らの 手で財産を 獲得 した(v ess , ed ar れほどであろうと も (wovel. r n)」と し ても、と いう文言である。こ の 法文が 挿 入された結果 、 ot erh antgutwederwe ue n bl evnde s eva mets. 彼ら 夫婦の 財産が 獲得財 産で あっ ても 、彼らに 子供が いないの であれば 、旧来の相 続法原 則、 即ち、妻が死亡す れば 、. 夫 は妻の相続人 に 嫁資の 半分を 返還し、 夫が 先に 死亡す れば、 妻はす べての 嫁資を 取得 し、 さらに 残 りの 財産から そ. の 半分を 取得 す るという原 則が 働くこ とに なる。従って、ここ で は、 獲得 財産であれ、多少の 条件が 付 けられている. が 、 当事者が 死亡し、相 続が 開始す れば、 その 財産 は相 続財産と 同様に 取 り扱われるこ とに なると いうの である。. こ の ような 追加 された条文から判断す ると 、こ の 法典で は、法典作成者 は、 獲得 財産に つい ても家族法的な拘束を. 働かしめるこ と 、少なくと も、遺贈に つい て は制限しなければならないと 考えていたように 思われる。. 第二部に は、キ ール 法典と は異な り、相 続財産と 獲得 財 産の 概念を 明白に 理 解させてくれる条文が 存在す る。 その. 典型的な 条文 は第二五〇条である。「 夫と 妻がこ の都 市に おい て 不動産を 購入す るの であれば、彼ら はそれを 彼らの. 彼 らが 生 存してい る限りに おい てである。 しかして彼らの 一 人が死亡す る 望む人に 贈与し、売却す るこ とが でき る。. の であれば‘ それは相 続財産と呼 ばれる。なぜなら夫であれ妻であれ、 彼らの 両親 あるい は彼らの 血 縁者から相 続 さ. れる、あらゆ る種類の 財産 は相 続財産と呼 ばれるからである。従 って、 その 財産 は、ここ に 書かれてい るごと く、. . . 」 。 由が あり 、彼が その 事由を 定住す る人 々とともに 証明しう るならば 、彼 は彼の 不動 産を 売却す るこ とが でき る :. .. (3 ). かなる人 も相 続人 の 同 意な しに 質 入れ、売却す るこ と はでき ない 。ただ し、 その 不動産が 属す る者に やむを えざる 事. し、. -22 -. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

(23) 前段の 部分では獲得 財産 が規定さ れ、 後段の 部分では相 続 財産 が規 定さ れてい る。 獲得 財産に つい ては、持ち主の死. 亡とともに 、 それ が相 続財産に 組み 入れら れるこ と が判明す る。相 続財産に つい ては、「 血縁者から相 続さ れる」. (4 ). であるから、 夫婦間での相 続はここ では考えら れてはい ない ようである。また、 やむを えざ る事由 がある場合に は相. の. 第 二部に は、前述の 、 それぞれの 財産からの 教会へ の譲渡に つい て規定した条文がある。相 続財産の譲渡に つい て. は 第 二七八条の 後半 部分に 法文がある。「彼ら(夫婦)の一人 が神のために 何かを 贈与す るこ とを 望むのであ れば‘ そ. (5 ). の 者は、 その者の相続人 に相 続さ れうる財産から それを 行 う べし。ただ し、 それが相 続財産であ れば、い かなる者も. それを相 続人 の 同意な く贈与す るこ と はでき ない 」。 ここ でも最近親相 続人 の同意 が必要である。 一方、獲得 財産か. らの教会へ の 譲渡は第三〇二条が規 定してい る。 「 あ る者 が彼の遺 言を 作成しようとす るならば、 彼が重 病であれ健. (6 ). 康であ れ、彼は彼の債務を 第一に 支払い 、 その 後、彼が神と 彼の 貧しい 血縁者の ために 、なに がしかを 贈与しな けれ. ばならない のであ れば ‘ 彼 が、 ど れほど 望もうと も、 彼の 獲得 財産から支払う ぺし……」。ここ では「第一部」と は. 異なり、 獲得 財 産に つい ての 所有 者の 処分の自 由 が認 めら れてい るのである。相 続財産に せよ 獲得 財産に せよ、こ れ. (7 ). らの 法原則はハ ッハ第一法典に おい て述べたこ とと 同じである。. 動産化 さ れた 不動 産に つい ての 規定はここ に は 見当たらない 。 むしろ、妻とともに得 た財産も相 続財産であるこ と. を 定めたキー ル法典の 第七条と 同じ内容の条文 が第二六 一条に ある。こ のこ とから推測さ れるのは「動産化 さ れた 不. 動産」の 制度が、 十三世紀 末の リュー ベ ックに おい て創造さ れたか、少なく とも法典に 収録さ れるにい たったとい う. こ と であろう。. -23 -. 続財産の 売却が認 めら れてい るが、その他の行 為 、特に 贈与も許さ れたのかどうか は 規 定さ れてい ない 。. 中世都市リュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(24) 近畿大学法学 第40巻第 1 号. ). ). 〔. 〕. g manvnde en vrouwe in desser staterue kopetdes syntse weldich tho gheuende v.nde van erue. So wor. ( ( 再婚) 、 第 三九六 )と子供 の間 での 遺産分割) 、 第 二八 0条 ( 、第 二七 二条 ( 寡婦 夫 (1 ) 他 に第 二七 0条 子供 の遺 産 の帰 属) 条 ( 第 三 一八条 )と いう用法が第 三二二条 」 ( 現行犯)等 であ る。他 に、「 彼 のヴ ェー レ ヘ持参する (an syne were bryngen) ( 粗暴犯) 等 に登場 差押え) 、 第 三九 0条 ( 動産の売 買) 、第 三三四条 ( 商品) 、第 三五六条 ( 裁判 への不出頭) 、第 一 二五七条 ( する。ただし、 いず れ の条文 の場合 でも、用法 にお いてそれぞれ細 かな相違点が存在する。 er hantにより取得された財産)は第 一八二条 に呼応条 文がある。 キール法 典 の第 一六七条 Evanblot ( 2. l . wem sy will t os e entde wyl ell ende orue so beetdateruegutwent e datsy beyde euetM en were daterer en st. ( 3. des daterue syn i s vnde he de notbewi enen sen moghemi terffset. der. l · all er eye erue dateynen manne edder eyner vrouwen anvall en mach van eren oderen oft e van e ren vrunden dat. eruen orl d t o so datyd eme no offdaten sy al. het et.erue gut al so dane erue hi r beschreuen i s daten mach neman wedder vorset t en. ko ap nen noch vo.r. l uden vnde verkopen mach he syn erue.以 下 、不動産の賃貸借 に ついての規定が続く。. l. weretok as o daterer en watdorgod gheuen wol de datschol de he don van deme gude datvp syne eruen val ,. l en mocht l e daten were aso datdarerue gud were daten mach nen man vorgheuen ane der eruen will en.. ). (4) ラ ッペンベルクは、前掲書 の中 で、 この条文 にザクセンシ ュピ ーゲ ル ・ラント法 の 一•五ニ ・一 ( 相続財産 の処分) を参考 .a ,a .0. ,S. 5. 因 み にザクセンシ ュビーゲ ル ・ラント法 における相 続財産 の獲得財産 条 文にあげ ている。 J.M .Lappenberg に対する優先 に ついては 二 •四三 ・ニ。 ( 5. ). 動産 そのも のを表 す varende gutは、例えば第 二五四条 ( 動産質)に登場する。. synen wynnenden gude: ·. l l l na hef the watt o gheuende dor god vnde synen armen vrunden al so vee as he wi lvnde datscha hegheuenvan. l l (6 ) g wanne en man syn di nck ぽ ric ht en wilhe sy seek offsunt de schal syne schultad engedenvndedar ererst. ( 7. - 24 -.

(25) 不 動 産 の所 有 と そ の制 限. (1. ). 第 一 部 で は 、不動 産 の静 的 な帰 属 関 係を 示 す 抽 象 的 な 法 観 念 は ー 語源 的 に 、 E i gent um と 似 た ey ghendom も 登 場. す るが ー 基 本 的 に 存 在 し な い 。. 他 人 と の 共有 関 係 の解 消 を 定め た キ ール 法 典 の 第 六0 条 ( 家 屋) と 第 六 一条( 土地 ) は こ こ で は 第 一〇九 条 と 第 一. -O 条 に ほぼ 同 じ 内 容 の 条 文 を 見 出 す。. キ ール 法 典 で の 不 動 産所有 を 制 限 す る条 文 は 、 第 二 四 一条 ( 壁を 倉 庫 壁に 利 用し て い る隣人 へ の 新た な 共 同 壁の 設. が、 幾分 の 変 化 も あ る。. 第 一― 四 条( Ki第六 五 条 )で は ‘ 改 築 後 の 古 い 壁 の 取 壊し 時 期 が、プ ロッ ケス 第一 法 典 の第 六 五 条 と 同 様 に 、 隣 家. の 改 築 後で あ るこ と が 追 加 さ れて い る。 第 一 ―五 条 ( Ki第 六 六 条 ) で は 、 建 築 の際 の計 測 用 具の 巻 尺と 物 差し か ら. 前 者 の巻 尺が 脱 落 し 、 前 述 の よう に 、 違反の 場 合 の 「 市 」 の指示 が 「 市 参 事会 」 の 指示 に 変 わっ て い る。 ま た 第 一 ―. (. 11. 隣 人 ) の 同 意な く ( s o nder s ynen will e) 」 と いう 文 言 が追加さ れ 、隣 人 の 意 思 が より 重視さ れ て い る 。. 七条( Ki第 六八 l 九 条 ) の前 段は 、 隣人 の 壁を 家 壁に 利 用 す る際 の市 参 事会 員 の調 停 を 定め た 規 定 であ るが 、こ こ で. は、 「彼. 第 八 五 条 ( Ki第 一 五 0条) は本 来 、囲 障 設置に 対 す る隣 人 の 援 助 義 務を 定め た 条 文 で あ るが 、 W i chbel de が Rent e. に 書 き 直 さ れ 、 そ の他 に も 細 か な 点 で 脱落 が あ り 、全 体 的 に 簡略 化 さ れ て い る。 第 十 七条 ( Ki第 八 一条 ) で は 、 前. 述 のよう に、 家 屋に 属 す る橋 梁 に よっ て 負 傷 し た 者 が市 外 民( vro uden) で あ る場 合 、 彼 に 償う 必 要 のな い meden l. -25 -. 五. 置 強 制の 禁 止 ) と 第 二 四 五 条 ( 風呂 屋 と 。 ハン 焼 き 釜の 設 置 ) を 除 いて 、 こ こ で も 、 ほぼ 同 じ内 容 の 条 文 を 有 して い る. 中世都市リュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(26) Ki第一四一条) は 便所と 豚 小屋の 設置 基準を 定めてい るが 、 ここで は、 隣ー 土 ことが 追加さ れてい る。 第七七条 (. 地あ るい は家 屋で あ ろうが ー から本来は 三フ ィー ト離す べきで あったのが 、ニフ ィー トに 縮めら れてい る。この 条文. からす れば 、市内に おけ る建築物の 積密化 が 、以前の 法典の 時期に 比 べて進行 してい るように も見え る。しかし、 こ. の ような書換 え はこの 法典の みに 登 場し、 その 後の 法典類に は 存在しない 。お そらく 、法典作成者に よる書 写の 際の. 誤りと 考えざるを えない 。 従って、以 上の 変 更は 基本的に 条文の 内容を 補ったり簡 略化 す るもので はあっても、内容. 自体の変 更を もたらす もので はない と 言えよう。. 第二部で は、 まず‘ 不動 産の 所有 を 意味す る法用 語に つい ては、ゲ ヴ ェー レを 意味す るヴ ェー レが 登 場す る第 二六. 四条を 除い て、キー ル法典の 場合と同様で あ り、特に 言及す ぺき こと はない 。. 不動産の 共有 関係 の 解消は、第 二六 二条と 第二六七条で 規 定さ れてい る。 後者の 第二六七 条( 家屋の 共有 関係 の 解. 消 )で は、家 屋の 共有 権 者が 交 互に 当該家屋に 居住す ると 規定さ れた 後、最後に 「そこに 建てら れる べき物 は何で あ. o bouwendei s o watdaranet ch sdats al men buwen va n der れ 、人は それを 共通の 費用に よって建築す べし (. い う法文が 付 け加え ら れてい る。 この 条文 は 、 全体と してキー ル法典の 第六0 条 ( 家屋の 共有 関 e) t menen kos 」と 係 の 解消)と ほ ぼ同 じで ある。もう―つの 第 二六二条( 家屋あるい は土地の 共有 関係 の 解消)もキー ル法典の 第六 一. 条(土地の 共有 関係 の 解消 )と 内容的に 類似し、ここで は 家屋も 土地と 同様に 貨幣に よって評 価さ れ、 その 評価額を. ( ! III. weke n)」 と 、 はるかに 長い 。. 受領す るか、あるい は当該家屋を 引き 取ることが 規 定さ れてい る。た だし、評価額あるい は不動 産 それ自体の 受領の. い ずれかの 選択の 期間が キー ル法典の 場合の 「八 日以 内」 に 比 ぺると 「 四週間. また評価額の 支払い 期 間もここで は登 場してい ない 。この 限りで 、この 法 制度は 当事者に と って、な お 緩やか な 制度. -26 -. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

(27) であったと 言え ようか。 ラッペンベルクは 、これらの 条文に ザク センシュ ビー ゲル ・ラント法の 条文 番号を 付けては. いない。従って、この ような規定は、お そらく、都 市に おいて新たに 展開した法関係 で あ ろう。. 不動 産の 所有 の 制限に 関係 す る条文は、第二五一条と 第三六八条の ニカ条 のみで ある。前者の 第二五一条は、隣人. 裁判への 出頭を 拒否す るので あ れば、彼は 敗訴と なり 、彼は 罰金を支払い 、その 建築物は破壊 (vpbre ke) さ れるも. の とされる。この 争いの 処理方法はキー ル法典の 、同様の 規定で ある第六九条に 比 べると か な り厳格で ある。なぜな. ら後者に よれば、建築主は隣地の 間に 一定の 空間を 設け れ ばよいと さ れ、罰金 もないし、 その 建築物の 破壊もなかっ. たからで ある。も う―つの 条文で ある第三六八条に は、キー ル法典の 第八一条(家 屋に 属す る橋梁に よる負傷 )と 同. じ 内容の 法文がある。 その 内容は幾分より詳細で ある。 即ち、 その 危険性が 市参事会に よって非難さ れていたことが. 条件と して挙げられ、 その 橋梁が 事故の 原因で はない場合に は、橋梁の 持ち主に 賠償責任の ないことが 追加さ れてい. (2. ). る。この 限りで 、キー ル法典に 比 べると 、被害者は 持ち主の 管理責任を 問うことが 幾分困難で あ ったろう。以上の 二. ・ラッペンベ ル クはザク センシュ ビー ゲル ・ラン ト法の 関連条文の 番号を 付 けていない。 カ条に も、. さ て、これらの 第 二部の 関係 条文から判断す ると、ハンプルクで は、キール法典の 時期の リューベックに 比 べて、. 市内で の 家 屋の 積密化 は それほ ど進行 していなかっ たこと や、お そら く不動 産に 関す る法行 為も それほど 活発で はな. かったこと 、 即ち、 当時ハンプル クが農 村的な色彩もかなり残 していたことが 推測さ れる。 この ような 場所で は、 不. 動 産所有 を 制限す る、相 隣関係 的な法規定を 増加さ せる必要も余りなかったので あろう。 逆に 、この ことが 、同じ頃. の リュー ベックで は、ハンプルクに 比 べて、既に 市内で の 人 口の集 中化 が かなり進 んで い たことを 再確認さ せるよう. -27 -. の 不動 産に 余りに 接近して建築しようとす る者に 対す る訴えを 規定 している。 それに よれば、被告の 建築主が 三 回、. 中 世都市リ ュ ー ベックの法典類における不動産関係条文とその特徴 (2).

(28) で あ る。 キ ール 法 典 の相 隣関 係 や 様 々 の 不動 産 に 対 す る制限の 条 文 は 、こ の よう な 社会 状 況を 背 景 と して 、 創 造 あ る. い は 、 少な く と も 採 録 さ れ た と言 え る。 註. nに n)は、ここでの符号条文である第 一五六条では bl e t( i yue 嫁資 の取戻し)で登場する bes 1) キール法典 の第 一七 一条 ( ( nとは理解されてはいなか ったのである。 ze t i s e n は、少なくとも法典作成者 には、占有を表す b e t i s e 変化し ている。b 便所と豚小屋の設置基準)は、周知のよぅに、ザクセンシ ュピーゲ ル ・ラント法 のニ ・五 2) 前述のキー ル法典 の第 一四 一条 ( ( -.―一とよく似ているが、後者の規定は ハンブ ルク都市法典 には見当たらない。. 不 動 産 の処 分行 為. 第 一 部 の 関 係 条 文 は 、 キ ール 法 典 の 関 係 条 文 と ほと ん ど同 じ 内容 で あ り 、基 本 的 に 、新 た に付 け 加 え る べき こ と は. よう 。. 「 売 買 」 で は 、 最近 親相 続 人 へ 買取 り が 提 示 さ れ る こと な く 、売 却 さ れ た不動 産に つ い て の 売主 の 追 奪 担 保 責 任 を. 規 定 し た キ ール 法 典 の 第 二 三六条 は こ こ で は 登 場 しない 。 こ れは 、 前 述 の よう に 、 お そら く その 条 文 位 置の ゆ えの 脱. 落 で あ ろ う 。 聖職者 等 、 市 外 民の 市 内に お け る不動 産の 法 行 為 を 禁 止 し た第 三 〇条 ( ト ール フ ァッ ハ ト ・ア イ ゲ ン の. 教会 へ の 譲渡 禁 止 )、 第 二 三 四 条 ( 不動 産の市 外 民 、 聖職者 、 貴族 へ の 処分 禁 止 )、 第 二五 一 条 ( 市 内で の 聖職者 の 住. 宅 の 変 更 禁 止 ) も こ こ に は 関 連 条 文 を 有 し て い な い 。 こ れ ら の 条 文 と は 逆に 、 キ ー ル 法 典 の 第 二 五 条 ( 定 期 裁 判 集 会. で の 相 続 財 産に 対 す る請 求 ) は、 十 四 世 紀 半 ば 以 降 の 法 典 で は明 ら かに 消 滅の 方 向に あ っ たの で あ るが、 こ こ で は 第. -28-. 六. 余 り な い 。 し かし 、な お 両 者 の 条 文 の 間 に は 多 少の 相 違も 見 ら れ るの で 、こ こ で は 、 特 に 著 し い 相 違 点 に つ い て 述 べ. 近畿大学法学 第40巻第 1 号.

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