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コロナ禍の中で何をすべきか

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Academic year: 2021

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2  新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延というとん でもない時代の真っただ中に私たちはいます。この紀要 が発行される頃には収束に向かっていることを期待しま すが、予断は許しません。研究所の活動も大きな制限を 受けています。動物を使った研究など、研究所で行う必 要のある研究以外は、在宅での研究活動が増え、所員ど うしが直に顔を合わせる機会はぐっと減りました。一方 インターネットを使ったオンラインの講義やセミナー、 研究会などは増えました。これまで遠方で開催されて参 加をためらっていた研究会にも気軽に参加できるように なり、ある面では情報交換は加速したところもあります。 しかし、直接顔を突き合わせて議論する時には感じ取れ た何かが、オンラインの画面を通してでは伝わりにくい もどかしさがあることも感じます。画面からでは伝わり づらくて、生で人と対面すると伝わるものとは一体何な のでしょう?  感染症を避けるために他人との接触を減らし、人同士 が密な状態になることを避ける新しい生活様式が今求め られています。ヒトは社会的な生物として進化してきて、 集団サイズを進化の過程で拡大させ、それと共に脳も拡 大してきました。新しい生活様式はそのようなヒト本来 の姿とずれていて、ストレスの蓄積が新しい社会的な問 題を引き起こすかも知れません。しかし、一方では情報 技術の進展に助けられて新しい生活様式への適応が進 み、ヒト社会に新しい形が生まれてくる可能性もありま す。  このような状況で、ヒト集団の中の行動選択の仕方や その結果として生じる行動パターンの違いが浮かび上が り、そのような違いによる新たな軋轢も広がっています。 経済対策と感染症対策の両立を図るために積極的に人の 動きを作り出そうとする政策に従った行動を選択する集 団が存在する一方、人との接触や移動をできるだけ自粛 する生活を選択することで自らの感染を避けると共に、 感染症の一刻も早い収束のためにより厳しい行動制限を 望む集団が存在します。  私が上で触れたいくつかの問題は皆「ヒトにとって社 会とは何であるのか?」という問いと関係しています。 玉川大学脳科学研究所は「ヒトとはどのような存在であ るか」という問題を脳科学を通して理解するための活動 を行ってきましたが、その中でもヒトの社会性に注目し た研究を重要な柱の一つとして位置付けています。現在 私たちが置かれているコロナ禍は、ヒトの社会性の研究 にとって新しい問題を私たち研究者に突き付けているの です。また、そのような問題に向き合って答えを探し求 めていくことは、このような厳しい時代において私たち 研究者が社会に対して貢献できる一つの大事な道である と思います。   巻頭言   

コロナ禍の中で何をすべきか

 玉川大学脳科学研究所長  小松 英彦

参照

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