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地域包括ケアシステムの推進を目指した「親子ふくし教室」の取り組み

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Academic year: 2021

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. 背景

文部科学省は, 2013 年度から大学等が自治体と連携 し, 地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める大学 の機能強化を図ることを目的に 「地 (知) の拠点整備事 業」 (大学 COC 事業) を実施した. 本学でも 3 キャン パス (美浜, 半田, 東海) の立地する自治体を拠点に, 大学と地域が連携し地域連携教育, 地域志向の研究, 社 会貢献の 3 つの分野で様々な取り組みを行ってきた. 研 究においては, 連携自治体の課題解決に向けた研究支援 制度を設け, 各地域の課題の解決に向けた様々な研究が なされている1). 連携自治体の一つである半田市の地域 課題には, 中心市街地を主とする地域活性化の推進と地 域包括ケアの展開が挙げられている. 今回は, 地域包括 ケアの展開に着目し, 親子ふくし教室を開催した. 地域包括ケアでは, 厚生労働省は高齢者の尊厳の保持 と自立生活の支援を目的に, 住み慣れた地域で自分らし い暮らしを人生の最期まで続けるためには, 団塊の世代 が 75 歳以上になるとされる 2025 年を目途に地域の包括 的な支援・サービス提供体制 (地域包括ケアシステム) の構築を推進している2). 重度な要介護状態となっても 住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができ るよう, 住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的 に提供されるシステムを構築し, 保険者である市町村や 都道府県が地域の自主性や主体性に基づき, 地域の特性 に応じた体制を作り上げていくことが必要である. また 今後, 認知症高齢者や単身高齢世帯等の増加に伴い, 医 療や介護サービス以外にも, 在宅生活を継続するための 日常的な生活支援を必要とする人の増加が見込まれるた め, 行政サービスのみならず, NPO, ボランティア, 民間企業等の多様な事業主体による重層的な支援体制を 構築することが求められる. さらに近隣住民の協力態勢 の強化, 福祉・医療を担う人材の育成も重要であり, 次 世代を担う子供達に早期から福祉に関する関心が高まる ような福祉教育が必要である. 福祉に関する教育については, 戦後の子供民生委員な どの実践を先駆として各地に広がり, 1977 年の 「学童・ 生徒のボランティア活動普及事業」 により福祉教育とし て本格的に展開されるようになった. その後, 1998 年 に学校教育における学習指導要領の改訂により 「生きる 力」 の育成を示した 「総合的な学習の時間」 が新設され,

地域包括ケアシステムの推進を目指した 「親子ふくし教室」 の取り組み

美和子

日本福祉大学 健康科学部 福祉工学科 情報工学専修

Hold the Welfare class for families that aim to structure

community-baced integrated care systems

Miwako Miyata

Faculty of Health Sciences Department of Human Care Engineering Computer Science Course Nihon Fukushi University

Keywords: 親子ふくし教室, 地域包括ケアシステム, 福祉育

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この科目の学習テーマの例として 「国際理解, 情報, 環 境, 福祉・健康などの横断的・総合的な課題, 児童の興 味・関心に基づく課題, 地域や学校の特色に応じた課題」 が提示された. それ以降, 学校現場では 「福祉」 をテー マにした総合的な学習が取り組まれるにようになってい る3). 福祉教育の実践には家庭・学校・地域社会が密接 に関連しており, 基本的な生活習慣や生活規範を学ぶ家 庭と学習指導要領に準じた体系的な指導が行われる学校, 社会生活を送る上で必要な社会規範を身につける地域が 相互に補完し, 調和のとれた人間形成を築き上げること が重要である. そこで本研究では家庭と地域に着目し, 身近な社会や 生活の中での問題を学習素材とした 「親子ふくし教室」 を展開することにより, 家族間で 「ふくし:ふだんの くらしの しあわせ」 について考えるきっかけを作り, 「ふくし」 を身近なこととして感じることで, 地域包括 ケアシステムに関わる活動への関心, 長期的な視点では 地域包括ケアシステムに関連するような地域活動への参 加に繋げていくことを目指した. また 「親子ふくし教室」 の参加者だけでなく, 教室の 運営に本学の学生が参加することにより, 学生がキャン パスの立地する半田市をより身近な市として感じ, 地域 の理解を深めて自らが地域に働きかける存在となってい くことで, 大学生も地域包括ケアシステムの人財になり えると考え, 大学生への教育の視点からも本研究を進め た. 今回は, 企画の計画から実践までを報告すると共に参 加者を獲得する視点からの課題についてまとめる.

. 方法

. 企画の計画立案 2018 年 4 月∼2019 年 3 月までに年間 5 回の計画で半 田市内での 「親子ふくし教室」 の開催を計画した. 企画 内容を具体化する前に半田市社会福祉協議会が半田市内 の小学校で開催している福祉教育を視察した. 半田市では, 福祉を平仮名で表記し 「ふくし:ふだん のくらしのしあわせ」 としており, 半田市が実施する福 祉教育は 「ふくし共育」 と称している. 小学校での 「ふ くし共育」 は 4∼6 年生を対象とし, 障害のある当事者 が学校に訪問し, 子供たちと交流し, 点字, 手話, 車椅 子体験などの実践教室を通じて, 障害や高齢者の理解を 深める内容となっている. さらにふくし共育全体を通し て, 地域の困り事は自分達で解決する. 「ふくし」 とは, 困っている人がいたら自分の出来ることで助ける. 街を 良くすることで全ての人が幸せになる. というメッセー ジを発信し4), 知識を得るだけでなく自ら出来ることを 実践する, 自ら困りごとに関われる人の育成を目指して いた. そこで半田市の 「ふくし共育」 と今回開催する 「親子 ふくし教室」 の内容で整合性が取れるように, 対象は 「ふくし共育」 で学んだことのある小学 4∼6 年生の親子 とした. 企画では 「ふくし共育」 で学んだ知識を盛り込 みながら, 各回に体験を通じて新たな知識を修得できる ような実践型教室にし, 今日からできることについて発 信することも意識して 「親子ふくし教室」 を運営するこ とにした. さらに自由参加型の企画であるため, 楽しみ ながら参加できるような工夫も凝らすことにした. . 企画内容 全 5 回の企画の内容は以下の通りである. 第 1 回の企 画タイトルは, 「福祉用具ってなんだろう?」 とし, 物 を使った環境調整を通じて困りごとへの支援ができるこ とを学ぶ機会とした. 第 2 回の企画は 「手先を使ってリ ハビリテーション!陶芸体験講座」 とし, 障害者の心身 機能の回復や残存機能を生かした動作の工夫などを学ぶ 機会にした. 第 3 回の企画は 「わたしたちの暮らす街を 探検しよう!」 とし, 地域資源に目を向けるきっかけ作 りとなるような企画を目指すことにした. 第 4 回は 「世 代をこえてコミュニケーション!」 とし, 世代を超えた 交流を通じて, 様々な価値観などに触れる中で多様性に ついて考える機会となるよう計画した. 第 5 回は 「身近 なところから 「ふくし」 について考えよう!」 とし, 地 域の課題に目を向けるきっかけとなるような企画にする よう計画した. . 企画運営の方法 各回で企画運営の主体者を設け, 事前の打ち合わせ重 ねながら詳細な企画の内容を立案した. 全企画を通じて, 「ふくし共育」 と同様に 「ふくし: ふだんのくらしのしあわせ」 について考えられる内容を 盛り込んだ. 障害に特化することなく, 困った人がいた ら自分でできることで助ける, また障害者の支援では障 害の特性を正しく理解をすることで, より良い支援を考 えやすくなることを発信しつつ, すぐに実践できること

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を各回で提案していった. 各企画の実施時間は 「ふくし 共育」 とほぼ同様の 2 時間程度とした. 参加者の募集は各回の企画ごとに行なった. 企画の案 内チラシを作成して配布し, 参加者を募集した. 案内チ ラシは, 半田市内にある 1 小学校の協力を得て, 小学 4 ∼6 年生全員に各回の案内を配布した. 受付窓口は半田 市社会福祉協議会とした. 受付期限後に半田市社会福祉 協議会より, 参加者リストを受け取り, 参加者の人数や 学年等の確認を行った上で, 当日対応のスタッフ数を決 定した. 企画終了直後に任意でのアンケートの協力を求めた. 無記名のアンケート用紙を配布し, 調査目的と回答への 協力は任意であることを説明した上で, その場でアンケー トに回答してもらった. 回答後は回収ボックスへの投函 を求めた. アンケートの回収をもって調査への協力の同 意とした. また各回の実施状況やアンケート内容を鑑みて, 次回 以降の企画に可能な範囲で反映させていった.

. 結果

. 第 回 福祉用具ってなんだろう? 2018 年 7 月 15 日 10:00∼12:00 に日本福祉大学 半田キャンパス福祉テクノロジーセンターで開催した. 企画運営の主体は健康情報専修 4 年生 2 名で, 卒業研究 のテーマとして実施した. 実施内容は, クイズ形式で学ぶ 「福祉用具ってなんだ ろう?」, 自助具を活用してもらいお菓子をつまむ数を 競う 「お菓子つまみ競争」, 市販のペットボトルオープ ナーをデコレーションして持ち帰り, 自身が持ち歩くこ とでオープナーの存在を知らない人に発信することがで きる 「ペットボトルオープナーデコ」, あったら便利と 思えるような用具をグループで話し合いながら考える 「福祉用具を考えよう」 の 4 つのテーマを用意した. 当日の参加者は 3 組 10 名 (4 年生 1 名, 5 年生 2 名, 6 年生 3 名, 児童 1 名, 保護者 3 名) であった. また当 日の学生スタッフは 5 名で行なった. 図 1 は, 第 1 回親子ふくし教室の開催風景である. アンケートの結果, 回収率は 100%であった. 「参加 して良かったか」 「企画の内容は良かったか」 の質問に すべての対象者が 「とても良い」 「良かった」 と回答し た. 自由記述の回答では, 「福祉用具をふだんのくらし のしあわせの道具と表現されていた時に良いなと思った」 「特別な人だけの用具として捉えるだけでなく, 誰もが 便利になる用具も広義の福祉用具という考え方を知れた のが良かった」 「使えない指があってもご飯が食べられ ることが分かった」 など, 新たに気付いたことについて 述べてある記載が多かった. 親子ふくし教室の企画全般に関しては, 「次回以降の 日程も分かると予定しやすい」 「今日やった内容や紹介 された用具が分かるプリントがあると, 夏休みの宿題な どの資料にしやすい」 といった意見があった. . 第 回 手先を使ってリハビリテーション! 陶芸療法体験講座 開催日時は 2018 年 8 月 5 日 10:00∼12:00 で, 開催場所は日本福祉大学半田キャンパス福祉テクノロジー センターである. 企画運営の主体は日本陶芸療法士協会 の陶芸療法士 1 名に依頼した. 図 「福祉用具って何だろう?」 の開催風景

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実施内容は, 作品作りと 2 つの講座である. まず焼き 物の歴史などを知る講座を 20 分程度行い, その後 1 時 間程度で陶芸療法を体験し, 最後に陶芸療法の効果を知 る講座を 20 分程度で実施した. 陶芸療法の作品は, 家 を守るなどの謂れのある縁起物でかつ 2 体で 1 対となる シーサーとし, 親子で 1 体ずつ作成して 1 対を完成させ ることにした. 前回のアンケート調査の意見を反映させ, 講座で学んだ内容についての資料を配布し, 夏休みの宿 題にも活用できるよう工夫した. 図 2 は, 陶芸療法体験 講座の開催風景である. 参加者は 4 組 9 名 (4 年生 1 名, 5 年生 2 名, 6 年生 2 名, 保護者 4 名) であった. また当日の学生スタッフは 0 名で, 陶芸療法士 2 名が当日スタッフとして対応した. アンケートの結果, 回収率は 100%であった. 「参加 して良かったか」 「企画の内容は良かったか」 の質問に すべての対象者が 「とても良い」 「良かった」 に回答し た. また自由記載欄には, 作品作りについては, 「丁寧 に教えてくれたし, アドバイスなども言ってくれて上手 にできた」 「とても楽しかった」 「親子で一つの作品を作 ることができたので, 一緒に相談しながら作れた」 「普 段はなかなか集中しない子供たちも真剣な表情で取り組 んでいたのに驚いた」 と言った内容であった. 講座につ いては, 「プリントもあって分かりやすく説明してくれ た」 「資料にイラストがあったので分かりやすかった」 「長すぎる話ではなかったので, 興味のあるうちに話を 聞くことができた」 「陶芸を行うことで様々な効果があ ることが学べた」 などの感想があった. また 「親子ふくし教室」 全体としての意見では, 「ふ くしと言うと堅いイメージがあるが, とてもアットホー ムな雰囲気で, 身近な事として捉えるような講義や体験 をさせていただけるので参加しやすかった」, 「小学生以 外の兄弟 (幼児・年長) がいる場合, 内容によっては参 加できると良いと思った」 「楽しかったので友達と行き たい」 といった意見が挙げられた. 今回の課題として, 当日参加の学生スタッフの希望者 が 0 名となったことである. 企画日が定期試験直後であっ たことも影響したと考えられた. . 企画の見直しと修正 前半 2 回の企画が終了した時点で, 企画の振り返りを 行った. 課題としては, 2 度とも参加者が募集人数に達 しなかったこと, 学生スタッフも任意だと参加者を募り にくいことが挙げられた. また一度きりの企画にすると, 各回の企画の振り返りができず, やりっぱなしになって しまうことが問題と考えた. 学生の教育的な視点からは, 企画の実施後に振り返りを行い, 同じ企画内容に修正を 加えて再度運営を経験ことで, 学びの要素が増え達成感 も増すと考えられる. そこで後半の企画については運営主体を健康情報専修 3 年生で, 卒業研究Ⅰで宮田ゼミに所属する 5 名とし, 第 3∼5 回の企画を同一内容に変更した. 企画運営を行 う学生には, 卒業研究Ⅰのゼミ活動の課題として実施し, 専修の専門性を活かした企画にすることと, 就職活動や 社会人になる前段階の学びとして企画の準備から実施の 中で, 報告・連絡・相談の重要性やチームワークの大切 さを学ぶことを説明した. また今回の 「親子ふくし教室」 では参加対象を親子に していたが, 第 1, 2 回のアンケートの意見や企画当日 図 「陶芸療法体験講座」 の開催風景

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に小学 3 年生以下の兄弟の参加があったことや保護者が 引率できず友人親子と参加した児童がいたことなどから, 第 5 回ではより多くの人に参加してもらえるように親子 の枠にとらわれず, 小学校 4∼6 年生と他 1 名以上の計 2 名以上であれば参加可能とすることにした. 参加条件 の変更による参加者数の変化を確認し, 参加しやすい企 画条件について検討する一助にすることとした. . 第 ∼回 わたしたちの暮らす街を探検しよう! 開催日は, 第 3 回が 2018 年 11 月 3 日, 第 4 回が 2018 年 12 月 15 日, 第 5 回が 2019 年 1 月 12 日  で, いずれも時間は 10:00∼12:00 である. 集合場所は 「まちかどサロンかめとも」 として, 半田市亀崎町を散 策することにした. 街並み散策で実施した内容は, デジタルスタンプラリー である. デジタルスタンプラリーとは, 携帯電話やスマー トフォンを使用したスタンプラリーである. 今回は株式 会 社 RALLY の 提 供 す る モ バ イ ル ス タ ン プ ラ リ ー 「RALLY」 を使用した. 開催エリアを半田市亀崎町と し, 事前にまち歩きを重ねて調査し, 安全面や散策にか かる時間を踏まえながらチェックポイントを検討した. RALLY ではマップ上にチェックポイントを設置するこ とができ (図 3), マップ上のチェックポイントをタッ プするとチェックポイントの写真が表示される (図 4). 今回は, iPad 上に表示されるチェックポイントの写真 と同じスポットで写真を撮影し, コミュニケーションア プリを通じて写真を本部に送信し, 本部から 「ふくし」 に関連する問題が送られて回答をやりとりすることにし た (図 5). 正解すればキーワードがもらえ, 最後にキー ワードで単語を作成することにした. スタンプラリーは 得点制とし, チェックポイントの写真のほか, 地域の防 災に関連する場所を見つけて写真を提供すると加点され ることにした. また制限時間を設けて制限時間を過ぎた 場合には減点されるルールで行なった. デジタルスタンプラリーを実施するにあたり iPad を 使用した. iPad はグループに 1 台貸し出し, スタンプ ラリー中は各グループに学生スタッフが Wifi ルーター を持って同行することで通信環境を整えた. 「ふくし」 の学びの要素としては, チェックポイント 通過でもらえる問題を 「ふくし」 に関連する内容にして 新たな知識を修得することと, 通常のスタンプラリーか らデジタルスタンプラリーにすることで各チェックポイ ントに立つ当日のスタッフを大幅に削減できることから, 「介護などで人による支援が不足することもある. そう 図 の  画面 図 の対象スポット画面

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いった時に情報ツールやロボットといった機器を用いて 支援できることもできる」 といった内容を発信すること にした. 第 3 回では参加者 1 組 2 名 (5 年生 1 名, 保護者 1 名), 第 4 回では参加者 4 組 10 名 (4 年生 2 名, 5 年生 1 名, 6 年生 1 名, 保護者 4 名, 児童 2 名) であった. 第 5 回 では参加者 0 名となったため開催ができなかった. 第 3 回は参加親子が 1 組であったため, 企画終了後に 直接, 次回の開催に向けた意見や感想をもらった. その 結果, 「楽しかったがハードだった」, 「走りっぱなしだっ た」, 「45 分でチェックポイントを探し全て回るのは難 しい」, 「問題を解く時間がなかった」, 「ながら歩きになっ てしまう」, 「iPad 画面にアプリが沢山表示してあると, どのアプリを使えば良いのか分からなくなる」, 「面白い スポットを見つけたらポイント加算などがあって良い」 「iPad を落とさないか心配だった」 「祭りの関連なども 入れると良いのでは」 など, 多くの意見を得たため, 第 4 回では散策時間を増やすこと, iPad を入れるバッグ を用意すること, 加算ポイントに街の魅力的な場所など も増やすこと, 問題の解くのはゴール後に設定する等の 変更をして第 4 回の企画に反映させた. 今回, 第 3 回の当日に参加者より他企画と同日開催に なっていると情報を得た. 結果, 第 3 回は参加人数が 1 組となってしまったが, 企画主体者が初めて実施する企 画を試験的に運営することができ, 直接参加者の意見を 集約でき, 第 3 回の企画終了後に企画の主体者が振り返 りを行い, 第 4 回の企画に向けて修正を加えることがで きた. 第 4 回のアンケートでは回収率は 100%であった. 「参加して良かったか」 「企画の内容は良かったか」 の質 問にすべての対象者が 「とても良い」 「良かった」 に回 答した. また自由記載欄には, 「街並みを再発見できて 面白かった」 「知らないところが沢山あった」 「iPad が 使えて良かった」 「楽しかった」 「憧れの iPad が使用で きて子供達も嬉しかったと思う」 「街の景色が良かった」 などの感想が得られた.

. 考察

今回の企画では参加者 10 組程度を募集人数としてい たが, いずれの企画でも定員を満たさなかった. その理 由の一つに募集開始時期が遅かったことがあげられる. 今回は各回で募集を行った. 一つ前の企画の募集期間を 過ぎてから次回の企画の募集を開始することにより, 参 加者集計の煩雑さを回避してミスを減らすようにした結 果, 直前の案内になったうえ募集期間も短くなった. 第 1 回のアンケートでも, 早めのスケジュールの提示を要 望する声があった. このため第 2 回以降の案内チラシに は, 日程の決まったものからスケジュールを提示するよ うにした. しかし定員を満たすほどには募集人数を増や すことが出来なかった. 初回開催前から全日程を調整し て, 第 1 回の案内チラシを配布するタイミングで全ての 日程を提示できることで, より参加しやすい環境になる と考えられる. また今回, 参加者から企画当日に別の企画も同日開催 されていることが伝えられた. 対象児が参加できそうな 企画とのバッティングを避けるように事前に日程調整を していたが把握外の企画と重複した. 第 3 回 (11 月開 催) のような秋の時期に開催される企画は多いため, 今 図 デジタルスタンプラリーの開催風景

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後の実施には他団体の企画と合同開催にするなどの調整 が必要と考える. 他団体の企画とコラボレーションする ことで, 参加者が二分されることが防げられるだけでな く, 企画団体同士の連携が生まれ, 地域包括ケアの連携 の一助になる可能性がある. 今回 「親子ふくし教室」 では企画運営の中で, 親子で は来づらい家庭もある, 小学 3 年生以下の兄弟も参加さ せたい, などの意見や要望もあり, 回を重ねるごとに改 善をしていった結果, 親子とその友人, 小学生以下の子 供の参加などが見られた. デジタルスタンプラリーでは, 街を歩くこともあり安全面への配慮が必要であった. こ のため今回は, 事前の申し込み情報で児童が参加するグ ループに学生スタッフ数を多く配置し, 安全面について の配慮と誘導をするスタッフを設けた. 企画によっては 安全面への配慮に必要となるスタッフ数も異なってくる. 事前にしっかりと情報収集し, 安全に対応できる適正な スタッフ数を確保することも重要と考える. 今回の企画は, アンケート結果から参加者には満足度 の高い 「親子ふくし教室」 になったと考える. 実際にリ ピーターがいたことからも, 企画内容は参加者に楽しみ ながら学べるものになっていたと考える. 一方で, 新た な参加者を増やす結果には至らなかった. 親子の枠が参 加制限になる可能性を考え, 第 5 回の開催では親子以外 でも参加可能としたが参加がいなかった. 冬場の屋外で の企画, 同企画での連続開催のためリピーターの確保が 困難であったことなどが参加者のいなかった原因と考え られる. 単年度開催ではこれらの要因について検討する には限界があるが, 今後もこのような企画を運営するに 当たっては, 企画への関心が薄い人が参加したくなるよ うな仕掛け作りが必要と考える. . まとめ 今回, 企画準備の段階から様々な団体に多くのサポー トを得た. 企画の段階では知らなかった団体や地域住民 から地域に関する情報を得ることも多く, 企画者自身が 新たに半田市の魅力を発見することが多かった. まず企 画者が地域を理解するためにも, 地域の様々な活動に関 わる一歩を踏み出すことが重要であり, 地域連携に必要 不可欠であると考える. 謝辞 本研究は, 2018 年度日本福祉大学地域課題解決型支 援制度の助成を受けて行なったものである. 本研究にあたり, 企画の準備, 運営, 参加者募集にあ たり様々なご意見やご助力をいただきました半田市社会 福祉協議会の松本涼子様, 本企画の趣旨に理解を示し案 内チラシの配布にご協力いただきました亀崎小学校の野 田美智子教頭, また第 2 回の企画で講師を務めてくださっ た陶芸療法士協会理事長の都築豊様, 第 3∼5 回の企画 の準備, 運営にご協力いただきました亀崎まちおこしの 会の石川正喜様, 2017 年度市民研究員の赤坂雪絵様, 企画に参加して下さり忌憚のない意見を出し学生教育に 協力してくださった参加者の皆様, 企画準備段階で多く の方をご紹介くださった C ラボ半田の池脇啓太様, 企 画実施の変更や企画予算の変更等で相談や助言を下さり, また臨機応変に対応下さりました研究課の皆様に深謝申 し上げます. 引用文献 1 ) 日本福祉大学:COC 事業成果報告, 2019. 2 ) 厚生労働省ホームページ:https://www.mhlw.go. jp 3 ) 新崎国広 他:福祉教育のすすめ−理論・歴史・実 践 (実践のすすめ). ミネルヴァ書房, 2006. 4 ) 半田市社会福祉協議会ホームページ:www.handa-shakyo.com

参照

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