• 検索結果がありません。

照明の光色が色の見えに与える影響

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "照明の光色が色の見えに与える影響"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

帝塚山大学現代生活学部紀要 第 15 号 35 ~ 40(2019) 帝塚山大学現代生活学部紀要 第 15 号 35 ~ 40(2019)

照明の光色が色の見えに与える影響

照明の光色が色の見えに与える影響

The effect of light color of lighting on color appearance

戸倉三和子 *

戸倉三和子 *

Miwako Tokura

Miwako Tokura

In order to obtain basic knowledge of the influence of chromatic light on the appearance of In order to obtain basic knowledge of the influence of chromatic light on the appearance of color, trial experiments on appearance of color chart under chromatic light were conducted. In the color, trial experiments on appearance of color chart under chromatic light were conducted. In the evaluation of the impression of the space, there were many responses "reddish" and "uncomfortable" evaluation of the impression of the space, there were many responses "reddish" and "uncomfortable" with red light, and the same results as in the past research were obtained. Subjective assessment of with red light, and the same results as in the past research were obtained. Subjective assessment of headache and eye fatigue showed a lot of responses that "head hurts" and "eye tired" in the case of headache and eye fatigue showed a lot of responses that "head hurts" and "eye tired" in the case of red light and blue light, different results from impression evaluation. In the subjective evaluation on red light and blue light, different results from impression evaluation. In the subjective evaluation on the appearance of colors, there were many responses that it was difficult to distinguish colors when the appearance of colors, there were many responses that it was difficult to distinguish colors when looking at red color charts under red light. The same was true when viewing blue series color charts looking at red color charts under red light. The same was true when viewing blue series color charts under blue light.

under blue light.

1.はじめに

省エネ要請に応えるLED照明の普及に伴い、照明器具の小型化・分散化が進み、用途に応じ 省エネ要請に応えるLED照明の普及に伴い、照明器具の小型化・分散化が進み、用途に応じ た適切な照明の使用が重視されるようになってきた。また、量販店等で一般に販売されている た適切な照明の使用が重視されるようになってきた。また、量販店等で一般に販売されている LED照明器具には明るさだけでなく、光色をもリモコン等で簡単に調節できるものも多く、状 LED照明器具には明るさだけでなく、光色をもリモコン等で簡単に調節できるものも多く、状 況に応じて明るさや光色を調節することが身近になってきている。従来の白熱電球や蛍光ランプ 況に応じて明るさや光色を調節することが身近になってきている。従来の白熱電球や蛍光ランプ による照明と異なり、LED照明では白色以外の光も多くみられる。白色以外の光(ここでは有 による照明と異なり、LED照明では白色以外の光も多くみられる。白色以外の光(ここでは有 彩色光と呼ぶ)には白色光にはない心理的効果が期待される反面、ブルーライトによる被害など 彩色光と呼ぶ)には白色光にはない心理的効果が期待される反面、ブルーライトによる被害など 生理的な影響も懸念されている。 生理的な影響も懸念されている。 これまでに青色や緑色の照明下で心理・生理的に落ち着く傾向が示唆されている これまでに青色や緑色の照明下で心理・生理的に落ち着く傾向が示唆されている1)1),,2)2),,3)3)が、が、 心理・生理的反応を定性的に把握するためには、色の見え 心理・生理的反応を定性的に把握するためには、色の見え 方などの視覚的な影響も考慮する必要がある。照明の光色 方などの視覚的な影響も考慮する必要がある。照明の光色 により対象物の見え方は異なるが、空間全体を有彩色光で により対象物の見え方は異なるが、空間全体を有彩色光で 照明した場合、色の恒常性や順応の影響もあり、ヒトの視 照明した場合、色の恒常性や順応の影響もあり、ヒトの視 覚ではどのように見えるのかは明らかになっていない。そ 覚ではどのように見えるのかは明らかになっていない。そ こで、有彩色光が色の見えに与える影響の基礎的な知見を こで、有彩色光が色の見えに与える影響の基礎的な知見を 得ることを目的とし、有彩色光下での色票の見え方に関す 得ることを目的とし、有彩色光下での色票の見え方に関す る試行実験を行った。 る試行実験を行った。

2.実験方法

実 験 は 平 成29年11月24日 か ら12月12日 に11号 館11201教 室 実 験 は 平 成29年11月24日 か ら12月12日 に11号 館11201教 室 内の実験室で行った。被験者は20 ~ 25歳の男子10名、女子 内の実験室で行った。被験者は20 ~ 25歳の男子10名、女子 10名の計20名で、2名1組で実験に参加した。 10名の計20名で、2名1組で実験に参加した。 図1 図1に実験室の平面図を示す。実験室は6畳程度の広さに実験室の平面図を示す。実験室は6畳程度の広さ で、天井、壁、床とも白色仕上げとし、実験室の設定変更の で、天井、壁、床とも白色仕上げとし、実験室の設定変更の 図1 実験室平面図

(2)

間被験者が待機する前室は、天井、壁、床とも黒色仕上げとし 間被験者が待機する前室は、天井、壁、床とも黒色仕上げとし た。実験室の天井の3か所に照明が設置してあり、乳白色のカ た。実験室の天井の3か所に照明が設置してあり、乳白色のカ バーにより光源が直接見えないようにしている。照明の光源は バーにより光源が直接見えないようにしている。照明の光源は 蛍光ランプで、白、赤、緑、青、黄の5色が調光できるように 蛍光ランプで、白、赤、緑、青、黄の5色が調光できるように なっており、室中央の机上面(床上680mm)照度が200lxにな なっており、室中央の机上面(床上680mm)照度が200lxにな るように設定した。 るように設定した。表1表1に実験条件の5色の照明光のxy色度に実験条件の5色の照明光のxy色度 (CIE 1931 XYZ色空間の色度図における横軸、縦軸の数値) (CIE 1931 XYZ色空間の色度図における横軸、縦軸の数値) を示す。 を示す。 被験者は上下黒の服装に着替え、2人1組でランダムに設定 被験者は上下黒の服装に着替え、2人1組でランダムに設定 された有彩色光で照明された実験室に入室し、唾液アミラーゼ された有彩色光で照明された実験室に入室し、唾液アミラーゼ 濃度と血圧を測定後、5分間順応する。順応終了後、快適さな 濃度と血圧を測定後、5分間順応する。順応終了後、快適さな どの室内の印象評価(7段階)、目の疲れなどの生理状態の主 どの室内の印象評価(7段階)、目の疲れなどの生理状態の主 観評価(4段階)、色の違いの分かりやすさなどの色の見えに関する評 観評価(4段階)、色の違いの分かりやすさなどの色の見えに関する評 価を質問紙に記入し、再度、唾液アミラーゼ濃度と血圧を測定し、退室 価を質問紙に記入し、再度、唾液アミラーゼ濃度と血圧を測定し、退室 する。次の実験条件の設定が完了するまで、実験室外の前室で待機し、 する。次の実験条件の設定が完了するまで、実験室外の前室で待機し、 設定された条件の実験室での実験を5条件繰り返す。実験中、指先と上 設定された条件の実験室での実験を5条件繰り返す。実験中、指先と上 腕の皮膚表面温と脈拍を連続測定した。 腕の皮膚表面温と脈拍を連続測定した。 色の見えに関する主観評価は、2色の色票を横に接して並べ、「左右 色の見えに関する主観評価は、2色の色票を横に接して並べ、「左右 どちらの色票が明るく どちらの色票が明るく 見えるか:左右どちら 見えるか:左右どちら かに○をつける」、「左 かに○をつける」、「左 右の色の違いの程度: 右の色の違いの程度: は っ き り わ か る、 わ は っ き り わ か る、 わ かる、やっとわかる、 かる、やっとわかる、 わからないの4つから わからないの4つから 選択する」について質 選択する」について質 問紙に記入する。 問紙に記入する。表2表2 に 色 票 のxy色 度 を 示 に 色 票 のxy色 度 を 示 す。実験条件下での色 す。実験条件下での色 票の見えは照明光色に 票の見えは照明光色に より異なるので、ここでは白色光下での色度を示す。色票の並び順による影響を考慮し、質問 より異なるので、ここでは白色光下での色度を示す。色票の並び順による影響を考慮し、質問 紙の色票の順序は実験ごとに入れ替えた。 紙の色票の順序は実験ごとに入れ替えた。

3.空間の印象評価

空間の印象評価は「落ち着く―落ち着かない」 空間の印象評価は「落ち着く―落ち着かない」 などの対になる言葉に「非常に」、「かなり」、「や などの対になる言葉に「非常に」、「かなり」、「や や」の3種類の副詞を付加した言葉と、「どちら や」の3種類の副詞を付加した言葉と、「どちら でもない」を加えた7つの選択肢から選択する。 でもない」を加えた7つの選択肢から選択する。 図3 図3に5条件の有彩色光における空間の印象評に5条件の有彩色光における空間の印象評 価「落ち着く―落ち着かない」に関する主観評価 価「落ち着く―落ち着かない」に関する主観評価 の回答数を示す。4つの有彩色光より白色光が の回答数を示す。4つの有彩色光より白色光が 図2 実験室平面図 表2 評価に用いた色票の白色光下での xy 色度 図3 有彩色光空間の落ち着きの印象評価 表1 照明光の色度

(3)

もっとも落ち着くという評価が多かったが、4つの有彩色光の中では、赤色光空間では「非常に もっとも落ち着くという評価が多かったが、4つの有彩色光の中では、赤色光空間では「非常に 落ち着く」~「やや落ち着く」と回答する被験者 落ち着く」~「やや落ち着く」と回答する被験者 はなく、ほとんどの被験者が「落ち着かない」と はなく、ほとんどの被験者が「落ち着かない」と 回答している。黄色光空間は電球色光空間に近く 回答している。黄色光空間は電球色光空間に近く 感じるのか、白色光空間に次いで「落ち着く」側 感じるのか、白色光空間に次いで「落ち着く」側 の回答が多かった。 の回答が多かった。 図4 図4に5条件の有彩色光における空間の印象評に5条件の有彩色光における空間の印象評 価「快適な―不快な」に関する主観評価の回答数 価「快適な―不快な」に関する主観評価の回答数 を示す。 を示す。図3図3の「落ち着く―落ち着かない」の評の「落ち着く―落ち着かない」の評 価と同様に、有彩色光より白色光が「快適な」と 価と同様に、有彩色光より白色光が「快適な」と いう回答が多く、有彩色光の中では、赤色光が いう回答が多く、有彩色光の中では、赤色光が 「不快な」という回答が多かった。黄色光が白色 「不快な」という回答が多かった。黄色光が白色 光に次いで「快適な」回答が多かったが、緑色光 光に次いで「快適な」回答が多かったが、緑色光 と青色光では、「快適な」という回答はほぼ同じ と青色光では、「快適な」という回答はほぼ同じ であったが、「不快な」という回答は青色光が多 であったが、「不快な」という回答は青色光が多 かった。 かった。 図3 図3の緑色光と青色光とを比較すると、の緑色光と青色光とを比較すると、「落ち「落ち 着かない」という回答はほぼ同じであったが、 着かない」という回答はほぼ同じであったが、 「落ち着く」という回答は青色光が多かった。緑 「落ち着く」という回答は青色光が多かった。緑 色光では「あまり落ち着かないが不快ではない」 色光では「あまり落ち着かないが不快ではない」 という印象を与えると考えられる。 という印象を与えると考えられる。

4.生理反応に関する主観評価

図5 図5に「現在頭が痛いか」に対する主観評価をに「現在頭が痛いか」に対する主観評価を しめす。回答は「非常に痛い」、「かなり痛い」、 しめす。回答は「非常に痛い」、「かなり痛い」、 「やや痛い」、「まったく痛くない」の4つの選択 「やや痛い」、「まったく痛くない」の4つの選択 肢から選択し回答した。 肢から選択し回答した。 白色光ではほとんどの被験者が「まったく痛くない」と回答しているが、赤色光では「まった 白色光ではほとんどの被験者が「まったく痛くない」と回答しているが、赤色光では「まった く痛くない」と回答した被験者はいなかった。緑色光と青色光でも「まったく痛くない」と回答 く痛くない」と回答した被験者はいなかった。緑色光と青色光でも「まったく痛くない」と回答 した被験者は少なかった。 した被験者は少なかった。 図6 図6に「現在目が疲れているか」に対する主観評価をしめす。白色光でも「まったく疲れていに「現在目が疲れているか」に対する主観評価をしめす。白色光でも「まったく疲れてい ない」という回答は半数ほどで、他の評価に比べ、黄色光との違いが小さかった。赤色光と青色 ない」という回答は半数ほどで、他の評価に比べ、黄色光との違いが小さかった。赤色光と青色 光では1/3程度が「非常に疲れている」という評価が多かったが、緑色光では少なかった。 光では1/3程度が「非常に疲れている」という評価が多かったが、緑色光では少なかった。

5.色の見えに関する主観評価

図7 図7に色票No.1の色票(×)と5色の照明光に色票No.1の色票(×)と5色の照明光 ( ○ ) の 色 度 をxy色 度 図 上 に 布 置 し た。 色 票 ( ○ ) の 色 度 をxy色 度 図 上 に 布 置 し た。 色 票 No.1(左:赤、右:やや黄味の赤)の2色は赤 No.1(左:赤、右:やや黄味の赤)の2色は赤 色光の色度と近いことがわかる。 色光の色度と近いことがわかる。 図8 図8に色票No.1の左右の色はどちらが明るいに色票No.1の左右の色はどちらが明るい かに対する回答を示す。白色光では左の「赤」 かに対する回答を示す。白色光では左の「赤」 図4 有彩色光空間の快適さの印象評価 図5 有彩色光空間の頭の痛みの主観評価 図6 有彩色光空間の目の疲れの主観評価 図7  色 票 1 と 照 明 光の色度 図8  色票 1 のどちらが明るいか

(4)

を明るいとする被験者が多いが、黄色光では右 を明るいとする被験者が多いが、黄色光では右 の「やや黄味の赤」を明るいとする被験者が少 の「やや黄味の赤」を明るいとする被験者が少 し多かった。 し多かった。 図 9 図 9 に 色 票No.1の 左 右 の 色 の 違 い の 程 度 にに 色 票No.1の 左 右 の 色 の 違 い の 程 度 に 関する主観評価を示す。 関する主観評価を示す。図7図7の色度図でもわかの色度図でもわか るように、2つの色は非常に近いので、白色光 るように、2つの色は非常に近いので、白色光 でも「はっきりわかる」という回答は少なく、 でも「はっきりわかる」という回答は少なく、 赤色光では4割が「わからない」と回答してい 赤色光では4割が「わからない」と回答してい る。緑色光では「わかる」と回答している被験 る。緑色光では「わかる」と回答している被験 者が他の光色よりも多い。 者が他の光色よりも多い。 図10 図10に色票No.2の色票(左:くすんだやや黄に色票No.2の色票(左:くすんだやや黄 味の緑、右:ややくすんだ緑)の色度を、 味の緑、右:ややくすんだ緑)の色度を、図12図12 に色票No.11の色票(左:やや明るいくすんだ黄 に色票No.11の色票(左:やや明るいくすんだ黄 味の緑、右:くすんだ黄味の緑)と5色の照明 味の緑、右:くすんだ黄味の緑)と5色の照明 光の色度を示す。色票No.2の2色と色票No.11の 光の色度を示す。色票No.2の2色と色票No.11の 4色はどれも彩度が低いので、色度図では白に 4色はどれも彩度が低いので、色度図では白に 近い位置に布置され、同系の緑であるため、色 近い位置に布置され、同系の緑であるため、色 度が近いことがわかる。 度が近いことがわかる。 図11 図11に色票No.2の左右の色はどちらが明るいに色票No.2の左右の色はどちらが明るい かに対する回答を示す。白色光では右の「やや かに対する回答を示す。白色光では右の「やや くすんだ緑」を明るいとする被験者が多いが、 くすんだ緑」を明るいとする被験者が多いが、 黄色光では左の「くすんだやや黄味の緑」を明 黄色光では左の「くすんだやや黄味の緑」を明 るいとする被験者が多かった。 るいとする被験者が多かった。図8図8同様、黄色同様、黄色 光 で は 黄 味 の 色 の 方 が 明 る い と い う 回 答 が 多 光 で は 黄 味 の 色 の 方 が 明 る い と い う 回 答 が 多 く、黄色光により黄味が明るく見える可能性が く、黄色光により黄味が明るく見える可能性が あ る。 し か し、 あ る。 し か し、 図13図13の 色 票No.11で は、 白 色 光の 色 票No.11で は、 白 色 光 でも黄色光でも、右の「くすんだ黄味の緑」よ でも黄色光でも、右の「くすんだ黄味の緑」よ り左の「やや明るいくすんだ黄味の緑」を明る り左の「やや明るいくすんだ黄味の緑」を明る いとする回答が多かった。色票No.11の左右の違 いとする回答が多かった。色票No.11の左右の違 いの程度に関する回答では、「わからない」は いの程度に関する回答では、「わからない」は図 9 の 色 票No.1と 同 程 度 だ っ た が、「 や っ と わ かの 色 票No.1と 同 程 度 だ っ た が、「 や っ と わ か る」が全体に多かった。 る」が全体に多かった。図13図13では、どの光色ででは、どの光色で も「左が明るい」という回答が多いので、色票 も「左が明るい」という回答が多いので、色票 No.11の場合、明度を手掛かりに色を区別する被 No.11の場合、明度を手掛かりに色を区別する被 験者が多かったのではないかと考えられる。 験者が多かったのではないかと考えられる。 図14 図14に色票No.4の色票(左:やや明るい黄、に色票No.4の色票(左:やや明るい黄、 右:明るいややくすんだ青)の色度と5色の照明 右:明るいややくすんだ青)の色度と5色の照明 光の色度を示す。2つの×のうち、右上の○黄 光の色度を示す。2つの×のうち、右上の○黄 に近い×が左、左下の×が右の色票の色度であ に近い×が左、左下の×が右の色票の色度であ る。 る。図15図15に色票No.4の左右の色はどちらが明るに色票No.4の左右の色はどちらが明る いかに対する回答を示す。白色光含め、黄色光 いかに対する回答を示す。白色光含め、黄色光 図 16 色票 4 の左右の色の違いの主観評価 図 12  色票 11 と照明 光の色度 図 13  色 票 11 の ど ちらが明るいか 図9 色票 1 の左右の色の違いの主観評価 図 14  色票 4 と照明 光の色度 図 15  色票 4 のどちらが明るいか 図 10  色票 2 と照明光 の色度 図 11  色票 2 のどちらが明るいか

(5)

以外では「左が明るい」という回答が多いが、 以外では「左が明るい」という回答が多いが、 黄色光では「右が明るい」という回答がわずか 黄色光では「右が明るい」という回答がわずか に多い。 に多い。表2表2およびおよび図14図14からわかるように、色からわかるように、色 票No.4の右の色は黄色光の色度に近く、左の色 票No.4の右の色は黄色光の色度に近く、左の色 は遠い。黄色光では黄系統の色が暗く見えると は遠い。黄色光では黄系統の色が暗く見えると 考えられる。 考えられる。 図16 図16に色票No.4の左右の色の違いの程度に関に色票No.4の左右の色の違いの程度に関 する主観評価を示す。黄色光以外では「わから する主観評価を示す。黄色光以外では「わから ない」という回答はなく、「やっとわかる」とい ない」という回答はなく、「やっとわかる」とい う回答も少なかったが、黄色光では「わからな う回答も少なかったが、黄色光では「わからな い」と「やっとわかる」が半数であった。黄色 い」と「やっとわかる」が半数であった。黄色 光のもとでは、2色とも色味が区別しにくいの 光のもとでは、2色とも色味が区別しにくいの ではないかと考えられる。 ではないかと考えられる。 図17 図17に色票No.6の色票(左:くすんだ青、右:に色票No.6の色票(左:くすんだ青、右: やや暗い青)の色度と5色の照明光の色度を示 やや暗い青)の色度と5色の照明光の色度を示 す。2色の色度は近いことがわかる。 す。2色の色度は近いことがわかる。図18図18に色に色 票No.6の左右の色はどちらが明るいかに対する 票No.6の左右の色はどちらが明るいかに対する 回答を示す。白色光、緑色光、黄色光では「左 回答を示す。白色光、緑色光、黄色光では「左 が明るい」という回答が多いが、赤色光、青色 が明るい」という回答が多いが、赤色光、青色 光では「右が明るい」という回答が多い。 光では「右が明るい」という回答が多い。 図19 図19に色票No.6の左右の色の違いの程度に関に色票No.6の左右の色の違いの程度に関 する主観評価を示す。白色光、緑色光、黄色光 する主観評価を示す。白色光、緑色光、黄色光 では「はっきりわかる」、「わかる」という回答 では「はっきりわかる」、「わかる」という回答 が半数以上だが、赤色光、青色光では「やっと が半数以上だが、赤色光、青色光では「やっと わかる」、「わからない」という回答が6割以上 わかる」、「わからない」という回答が6割以上 であった。 であった。 図20 図20に色票No.8の色票(左:灰、右:やや青に色票No.8の色票(左:灰、右:やや青 味の灰)の色度と5色の照明光の色度を示す。 味の灰)の色度と5色の照明光の色度を示す。 2色とも無彩色に近く、色度は白色に近いこと 2色とも無彩色に近く、色度は白色に近いこと が わ か る。 が わ か る。 図21図21に 色 票No.8の 左 右 の 色 は ど ちに 色 票No.8の 左 右 の 色 は ど ち らが明るいかに対する回答を示す。白色光、赤 らが明るいかに対する回答を示す。白色光、赤 色光では「右が明るい」という回答がやや多い 色光では「右が明るい」という回答がやや多い が、 緑 色 光、 青 色 光、 黄 色 光 で は「 左 が 明 る が、 緑 色 光、 青 色 光、 黄 色 光 で は「 左 が 明 る い」という回答が多かった。 い」という回答が多かった。 図22 図22に色票No.8の左右の色の違いの程度に関に色票No.8の左右の色の違いの程度に関 する主観評価を示す。赤色光、緑色光で「わか する主観評価を示す。赤色光、緑色光で「わか らない」という回答が多かった。 らない」という回答が多かった。 図23 図23に色票No.10の色票(左:明るいややくすに色票No.10の色票(左:明るいややくす んだ青、右:明るい緑)の色度と5色の照明光 んだ青、右:明るい緑)の色度と5色の照明光 の色度を示す。2色とも明度が高く、白に近い の色度を示す。2色とも明度が高く、白に近い 位置に付置される。 位置に付置される。図24図24に色票No.10の左右の色に色票No.10の左右の色 図 23  色 票 10 と 照 明光の色度 図 24  色 票 10 の ど ちらが明るいか 図 22 色票 8 の左右の色の違いの主観評価 図 20  色 票 8 と 照 明 光の色度 図 21  色票 8 のどちらが明るいか 図 19 色票 6 の左右の色の違いの主観評価 図 17  色 票 6 と 照 明 光の色度 図 18  色票 6 のどちらが明るいか

(6)

はどちらが明るいかに対する回答を示す。光色 はどちらが明るいかに対する回答を示す。光色 による目立った違いは見られない。 による目立った違いは見られない。 図25 図25に色票No.10の左右の色の違いの程度に関に色票No.10の左右の色の違いの程度に関 する主観評価を示す。黄色光で「わからない」 する主観評価を示す。黄色光で「わからない」 という回答が多く、次いで、緑色光、青色光で という回答が多く、次いで、緑色光、青色光で わかりにくいという回答が多かった。 わかりにくいという回答が多かった。 今回の実験で使用した色の組み合わせでは、 今回の実験で使用した色の組み合わせでは、 白色光が色の違いがわかりやすいという回答が多かったが、 白色光が色の違いがわかりやすいという回答が多かったが、図19図19のように部分的には他の光色のように部分的には他の光色 の方が違いがわかりやすいという場合があった。 の方が違いがわかりやすいという場合があった。 光色は2つの色の明るさや色の区別のしやすさに大きな影響を与えることが分かった。その 光色は2つの色の明るさや色の区別のしやすさに大きな影響を与えることが分かった。その 影響の度合いは、光色と色票の組み合わせにより異なり、今回の実験では、赤系統の色票を赤 影響の度合いは、光色と色票の組み合わせにより異なり、今回の実験では、赤系統の色票を赤 色光の下で見る場合、青系統の色票を青色光の下で見る場合に特に違いが分かりにくいという 色光の下で見る場合、青系統の色票を青色光の下で見る場合に特に違いが分かりにくいという 結果であった。 結果であった。

7.まとめ

有彩色光下での色票の見え方に関する試行実験を行った。空間印象評価では、既往研究とおお 有彩色光下での色票の見え方に関する試行実験を行った。空間印象評価では、既往研究とおお むね一致した結果を得た。生理反応に関する主観評価では、印象評価とは異なる結果を得た。色 むね一致した結果を得た。生理反応に関する主観評価では、印象評価とは異なる結果を得た。色 の見えに関する主観評価では、光色と色票の組み合わせにより評価は異なるが、同系色の色票を の見えに関する主観評価では、光色と色票の組み合わせにより評価は異なるが、同系色の色票を 比較する場合、同系色の光色下では違いが分かりにくくなる傾向が見られた。 比較する場合、同系色の光色下では違いが分かりにくくなる傾向が見られた。

謝辞

実験は卒業生の汪睿さんによるところが大きい。記して謝意を表す。 実験は卒業生の汪睿さんによるところが大きい。記して謝意を表す。

参考文献

1) 加藤雪枝、橋本玲子、雨宮勇:室内空間の内装色に対する心理的評価と生理的評価に関する研究、日 1) 加藤雪枝、橋本玲子、雨宮勇:室内空間の内装色に対する心理的評価と生理的評価に関する研究、日 本色彩学誌25、PP.40‐41、2001年5月 本色彩学誌25、PP.40‐41、2001年5月 2) 井上容子、久保博子、藤本亜弓:反応および印象・疲労感―有彩光照明環境に関する研究、日本建築 2) 井上容子、久保博子、藤本亜弓:反応および印象・疲労感―有彩光照明環境に関する研究、日本建築 学会大会学術講演梗概集、pp.501-502、2008年9月 学会大会学術講演梗概集、pp.501-502、2008年9月 3) 藤原舞:室内色および照明色が在室者の心理的・生理的反応に与える影響、帝塚山大学居住空間デザ 3) 藤原舞:室内色および照明色が在室者の心理的・生理的反応に与える影響、帝塚山大学居住空間デザ イン学科卒業研究、2016年3月 イン学科卒業研究、2016年3月

和文要旨

有彩色光が色の見えに与える影響の基礎的な知見を得ることを目的とし、有彩色光下での色票の見え方 有彩色光が色の見えに与える影響の基礎的な知見を得ることを目的とし、有彩色光下での色票の見え方 に関する試行実験を行った。空間の印象評価では、赤色光で「落ち着かない」、「不快な」という回答が多 に関する試行実験を行った。空間の印象評価では、赤色光で「落ち着かない」、「不快な」という回答が多 く、既往研究と同様の結果を得た。頭痛や目の疲れに関する主観評価では、赤色光に加え、青色光も「(頭 く、既往研究と同様の結果を得た。頭痛や目の疲れに関する主観評価では、赤色光に加え、青色光も「(頭 が)痛い」、「(目が)疲れている」という回答が多く、印象評価とは異なる結果を得た。色の見えに関する が)痛い」、「(目が)疲れている」という回答が多く、印象評価とは異なる結果を得た。色の見えに関する 主観評価では、光色と色票の組み合わせにより評価は異なるが、赤系統の色票を赤色光の下で見る場合、 主観評価では、光色と色票の組み合わせにより評価は異なるが、赤系統の色票を赤色光の下で見る場合、 青系統の色票を青色光の下で見る場合に違いが分かりにくいという結果を得た。 青系統の色票を青色光の下で見る場合に違いが分かりにくいという結果を得た。 図 25 色票 10 の左右の色の違いの主観評価

参照

関連したドキュメント

Standard domino tableaux have already been considered by many authors [33], [6], [34], [8], [1], but, to the best of our knowledge, the expression of the

pairwise nonisomorphic affine designs A" having the parameters ofAG(d, q) such that AutA" = G and such that the incidence structure induced by the removal of a suitable pair

An example of a database state in the lextensive category of finite sets, for the EA sketch of our school data specification is provided by any database which models the

More recently, Hajdu and Szikszai [12] have investigated the original problem of Pillai when applied to sets of consecutive terms of Lucas and Lehmer sequences.. It is easy to see

[r]

Rumsey, Jr, "Alternating sign matrices and descending plane partitions," J. Rumsey, Jr, "Self-complementary totally symmetric plane

INFERNO WDG Herbicide + 2,4-D ESTER + ASSERT* TANK MIX For control of WILD OATS and control or suppression of broadleaf weeds in spring (including durum) wheat and barley, apply

the materials imported from Japan into a beneficiary country and used there in the production of goods to be exported to Japan later: ("Donor-country content