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Impact of door to balloon time in patients with ST-elevation myocardial infarction who arrived by Self-transport: Acute Myocardial Infarction-Kyoto Multi-center Risk Study Group

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Academic year: 2021

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論文内容の要旨

論文提出者氏名 児玉 直俊 自己搬送手段で来院した ST 上昇型急性心筋梗塞患者における door to balloon time の 及 ぼ す 影 響 に つ い て (Acute Myocardial Infarction-Kyoto Multi-center Risk Study Group)

急性心筋梗塞(Acute Myocardial Infarction、以下 AMI)の中でも予後不良 と 言 わ れ る ST 上 昇 型 急 性 心 筋 梗 塞 ( ST-segment elevation myocardial infarction、以下 STEMI)の患者において、医療機関到着時から経皮的冠動脈形 成術(Percutaneous Coronary Intervention、以下 PCI)による冠動脈再還流ま での時間(Door To Balloon Time、以下 DBT)は予後に大きく影響するとされて おり、各ガイドラインでは DBT ≤90 分がひとつの指標とされてきた。そのため 世界中の医療機関で DBT ≤900 分を達成すべく努力されているが、救急車 (Emergency Medical Service、以下 EMS)ではなく自己搬送手段(self-transport) で受診した患者では DBT が長い傾向があるという報告が見られる。以上の背景 から、本研究では多施設心筋梗塞データベースを用いて 1172 名の ST 上昇型心 筋梗塞の患者を、self-transport 群と EMS 群に分け、患者背景、DBT を始めとし た治療時間経過、院内死亡率を比較検討し、self-transport で来院した患者に おける DBT の重要性と院内予後の関連を明らかにすることを目的とした。 2009 年 1 月から 2013 年 12 月までの期間で、急性心筋梗塞の診断となった連 続 2494 名が京都心筋梗塞研究会レジストリーに登録された。これは京都府およ び周辺地区の 20 の関連病院に入院した心筋梗塞患者を入院時に前向きに全例登 録した database である。まずその中から下記の患者群を除外した;発症 24 時 間以上の 261 名、発症から受診までの時間が不明の 123 名、院内発症の 77 名、 他院から転送された 385 名、受診方法が不明な 37 名、非 ST 上昇型心筋梗塞の 314 名、ST 情報が不明な 20 名、搬入時心肺停止の 50 名、PCI 非施行の 55 名。 その結果、最終的に 1172 名の ST 上昇型急性心筋梗塞患者が本研究に登録され た。

定義として、Emergency Medical Service(EMS)群は公共の救急車を要請して 受診した患者群とし、タクシー、公共交通機関、自家用車または徒歩など救急車 以外で受診した患者群を self-transport 群とした。両群において患者背景、DBT を含めた治療経過時間、院内死亡率を比較し、さらに多変量解析により予後規定 因子を比較検討した。

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全(Killip 分類でⅡ以上)の症例が少なく、また有意に DBT が長かった(115 min vs. 90 min, p <0.01)。しかしながら、院内死亡率は有意に self-transport 群 の方が低かった(3.3 % vs. 7.1 %, p <0.01)。 この結果から、self-transport 群では DBT を含めどのような臨床因子が院内 予後に影響しているか、多変量解析を用いて検証した。まず、全症例での多変量 解析を行った結果、65 歳以上、女性、Killip >1、DBT >90 分はすべて院内死亡 率の予後不良因子であった。次に両群でそれぞれ解析を行った所、EMS 群では DBT >90 分は有意な予後不良因子であったが(OR = 2.43, p = 0.01)、一方 self-transport 群では有意な関連は見られなかった(OR = 0.89, p = 0.87)。 本研究において、self-transport 群では DTB >90 分が院内予後に有意な影響 を与えない結果となった。 これまでの観察研究では STEMI において短い DBT がより良好な生命予後と強 い関連があることを示してきた。しかしながら近年、各施設の努力により DBT が 有意に短縮されたにも関わらず予後改善につながっていないという報告が見ら れるようになってきている。また、発症から受診までの時間(onset to door time) が短い患者群及び血行動態的に高リスクな患者群では DBT <90 分が良好な生命 予後と関連しているが、他の患者層では有意な関連が見られなかったとする報 告もあり、DBT の影響は患者背景に依存することを示唆している。 次に、本研究での self-transport 群の患者は明らかに長い DBT を呈しながら も何故 EMS 群よりも院内予後が良好であったのかを検討した。まず第一に、血 行動態的な重症度(Killip 分類)が低いことが大きな要因として考えられる。 第二に、self-transport 群は onset to door time も有意に長く、結果として発 症から再灌流治療までの全体の治療経過(onset to balloon time)が長いことで DBT >90 分の影響力が減弱している可能性がある。これらの理由から、両群にお いて DBT の重要性に差異が生じていると考えられる。 本研究により、STEMI の初期治療において、患者背景によっては最も重視す べきことが DBT の短縮以外にもあることが示された。DBT の短縮が多くの国や 施設で達成されるようになってきた現在、急性心筋梗塞全体の予後改善のため に、DBT の短縮以外にも目標とすべき要因を探求していく必要性のあることが 示された。

参照

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