• 検索結果がありません。

キアゲハの休眠は温暖化でどう変わるのか(PDF:414KB)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "キアゲハの休眠は温暖化でどう変わるのか(PDF:414KB)"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

優秀賞

キアゲハの休眠は温暖化でどう変わるのか

千 葉 市 立 幸 町 第 三 小 学 校 5年 鈴木 誠人 1 研究の動機と目的 2年生の夏休みにキアゲハの幼虫を飼育したところ、 1匹だけがなぜか休眠してしまったことから、キアゲ ハの休眠の謎に興味を持ち、3年生から継続してキア ゲハの休眠について実験を行っている。今年は主に、 近年温暖化が問題になっていることもあり、温度の上 昇によってキアゲハの休眠がどう変化するのか実験を 行うことにした。また、継続して行っているキアゲハ の休眠の条件をさらに調べるための実験も合わせて行 うことにした。 2 研究の方法と内容 次の方法により、実験を行った。 (1) 市販されているものを与えると死んでしまうため、キアゲハの食草であるフェンネルを無農薬 で育てた。 (2) キアゲハの卵・幼虫を最終的に 109 匹採集した。採集した卵・幼虫は1匹ずつ分けて番号をつ けて飼育し、1匹ごとに成長の記録をつけた。 (3) 採集した 109 匹の卵・幼虫を7つのグループに分け、グループごとに温度と短日(光が当たる 時間が短い)にする期間を変えて休眠がどうなるか実験をした。温度は、23℃、26℃、29℃と変化 させた。短日にする期間は、設定温度ごとに、3齢幼虫期以降、4齢幼虫期以降とした。加えて、 前年から継続して行っている休眠条件の実験を更に行い、23℃一定の条件で3齢幼虫期のみ短日に する実験を行った。(短日にする方法は、夜7時半~朝7時半まで箱にしまい、箱の上から布をか ぶせて暗くした。)

(2)

〈3齢幼虫期のみを短日にした場合〉 3 研究の成果とまとめ 今年の研究では、次の結果を得ることができた。 (1)短日条件の設定を変えた影響について 短日条件を昨年と変更し、暗くする時間を 15 時間から 12 時間に短くしたが、休眠率に大きな影 響はないという結果になった。3齢幼虫期以降を短日にした場合では、暗くする時間が 15 時間でも 12 時間でも休眠率は 100%となった。4齢幼虫期以降を短日にした場合では、休眠率に差が出たもの の、暗くする時間を短くしたにも関わらず休眠率が上がったことから、個体差であると考えた。以 上のことから、ある一定の時間以上が暗くなれば、休眠への影響は変わらないと分かった。 (2) 3齢幼虫期のみを短日にした実験について 昨年までの研究で、3齢幼虫期における日長の影響が強いことが分かっているが、23℃一定の条 件で3齢幼虫期のみ短日にした実験では1匹も休眠しなかった。このことから、3齢幼虫期におけ る日長の影響が強いものの、3齢幼虫期のみを短日にしただけでは休眠せず、100%休眠するために は、3齢幼虫期を含んで何日間か短日にする必要があることが分かった。 (3) 温度上昇による休眠率の変化について 温度を 23℃、26℃、29℃と上昇させた実験では、3齢幼虫期以降を短日にした場合、休眠率に大 きな変化は見られなかった。しかし,4齢幼虫期以降を短日にした場合では、休眠する蛹が急激に 減り、休眠率に大きな変化が現れた。このことから、キアゲハは日長を中心に休眠を決定している 蛹になった数 休眠した数 休眠率(%) 15 時間暗―9 時間明 11 11 100 12 時間暗―12 時間明 13 13 100 蛹になった数 休眠した数 休眠率(%) 15 時間暗―9 時間明 12 8 66.7 12 時間暗―12 時間明 12 11 91.7 蛹に なった数 休眠した数 休眠率(%) 3齢幼虫期 のみ短日 13 0 0 卵 〈3齢幼虫期以降を短日にした場合〉 〈4齢幼虫期以降を短日にした場合〉

(3)

ため、日長の影響が強い3齢幼虫期以降を短日にすると休眠率への影響が少ないということが分か った。しかしながら,4齢幼虫期以降を短日にすると休眠する蛹が急激に減り、大きな影響がある ことが分かった。加えて、温度を上昇させると幼虫の死亡率が高くなる傾向が見られ,温度上昇の 影響を無視できないことが分かった。 4 今後の課題 今年の研究では調べきれなかった疑問が残っているので、 来年以降もこの疑問に取り組みたい。これまでの研究で、キ アゲハは、3齢幼虫期以降を短日にすると休眠することが分 かっているが、春先のように若齢幼虫期が短日で終齢幼虫期 になって長日に変わる場合はどうなるのか、また、昼夜の気 温差が休眠にどう影響するのかについても調べてみたい。 5 指導と助言 キアゲハの飼育をきっかけに、休眠の謎に興味をもち実験を3年生から行っている継続研究である。 100 匹以上の幼虫を飼育し、温度の条件ごとに細かく観察と記録を続けることができている。観察を 続けたデータをもとに、4齢幼虫期以降を短日にした場合では、休眠する蛹が急激に減り、休眠率に 大きな変化が起こること、日長の影響が強い3齢幼虫期以降を短日にすると休眠率への影響が少ない ことを探ることができた。また、温度変化による休眠への影響を明らかにするなかで、温度上昇の幼 虫の死亡率への影響についての関連性にも興味を抱いている。今後の継続研究が楽しみである。 (指導者 池田 憲二) 蛹になった数 休眠した数 休眠率(%) 23℃ 13 13 100 26℃ 12 11 91.7 29℃ 7 7 100 蛹になった数 休眠した数 休眠率(%) 23℃ 12 11 91.7 26℃ 10 3 30 29℃ 9 1 11.1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 23℃ 26℃ 29℃ 100 91.7 100 91.7 30 11.1 休 眠 率( % ) 3齢幼虫期~ 4齢幼虫期~ 〈3齢幼虫期以降を短日にした場合〉 〈4齢幼虫期以降を短日にした場合〉

参照

関連したドキュメント

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

また適切な音量で音が聞 こえる音響設備を常設設 備として備えている なお、常設設備の効果が適 切に得られない場合、クラ

であり、 今日 までの日 本の 民族精神 の形 成におい て大

LF/HF の変化である。本研究で はキャンプの日数が経過するほど 快眠度指数が上昇し、1日目と4 日目を比較すると 9.3 点の差があ った。

○事業者 今回のアセスの図書の中で、現況並みに風環境を抑えるということを目標に、ま ずは、 この 80 番の青山の、国道 246 号沿いの風環境を

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

2011 年度予算案について、難病の研究予算 100 億円を維持したの