第5学年1組
道徳学習指導案
1 主題名 みんなの目的に向かって【役割・責任 高学年4-(1 】) 資料名 「森の絵 (学研「みんなのどうとく」より)」 2 主題設定の理由 ○ 本学級の子どもたちは,とても活発で明るく素直である。役割・責任の観点からみると,係活 動や委員会,学校行事,地域の活動など様々な場面で役割を持ち,一所懸命取り組もうとする姿 が見られる。しかし,実際には,やらなければならないとわかっていても,自分の利害損得のた めに十分に活動できなかったり,活動に価値を見いだせず傍観したり,教師や友だちから指示さ れないと参加できなかったりする子どもも少なくない。これは,自分の参加する集団の目的を理 解していなかったり,自分の任された役割の重要性を感じた経験が乏しかったりすることが原因 であると考えられる。 そこで,集団における自己の役割の自覚が進んでくるこの時期に,本主題を設定した。このこ とは,高学年として学校内における役割が増えてきた子どもたちに,役割の大切さをとらえさせ る上からも意義深い。 ○ 本主題は,自分の所属する集団の目的を理解し,その目的達成のため分担された役割が必要不 可欠なものであるという重要性に気づくことで自分の役割を自覚し,主体的に役割を果たしてい こうとする態度を育てることがねらいである。本主題で指導する「集団」とは,一つの共通した 目的を持った複数の人間の集まりであり 「役割を自覚する」とは,自分が割り当てられた役割, を認識するだけでなく,集団の目的達成のために作られた役割はどれも大切なこと,その大切な 役割の一つを任されていることを理解することととらえる。これは,私たちが多くの人々と共に 生活していく上で,より良い人間関係を築くだけでなく,明るく住みよい社会を築いていくため に不可欠なものである。しかし,実生活を見てみると,その場の状況に流されて,集団への参加 が消極的になったり,義務感だけで役割を果たしたりしている場合も少なくない。これは,役割 がただ割り当てられたもの,しなくてはいけないものと形式的にとらえている結果であると考え る。したがって,明るく住みよい社会を築いていくためには,所属している集団の目的と目的の ために必要な役割の一つを任されているのだということを理解するという役割の自覚が大切にな ってくると考える。また,このように役割を自覚していくことは,主体的に責任を果たそうとい う態度へとつながり,ひいては,集団にいる楽しさや喜びへの実感までつながると考える。 ○ 本主題の指導にあたっては,読み物資料「森の絵」を通して,ねらいとする価値を育てていき たい。読み物資料「森の絵」は,子どもに身近な学習発表会を扱った内容である。第一希望の女 王役になれなかった主人公は,道具係として頑張らなくてはいけないと分かっていながら,いざ 仕事に向かうと投げやりになる。しかし,衣装係として慣れない手つきで懸命に刺繍に取り組む 文男の「だれかがやらないと」という言葉を聞いたり,めぐみのがんばる姿を見たりして,自分 の役割に一所懸命取り組みはじめるという内容である。 そこで,読み物資料「森の絵」をもとに,主人公の心の動きを追いながら,心の葛藤や生き生 きとした前向きな思いに十分共感させ,自分の所属する集団の目的のために欠くことのできない 役割を,一人ひとりがそれぞれに,懸命に取り組むことの大切さに気づかせたい。また,これま での自分の見つめ直させることで,道徳的価値の自覚を深めさせたい。 そのために,まず,導入段階では,自分たちが任されている役割の現状を振り返ることで道徳 的価値の方向付けを図る。次に,展開前段では,読み物資料「森の絵」をもとに,主人公の行動 を考えることで,子どもたちの道徳的価値の追求を図る。そのためにまず,主人公が劇はみんな で作るものだと分かっているにもかかわらず「どこかなげやり」になってしまったのは,主人公 の中に自分の欲求への割り切れない思いがあったことをとらえさせ,その思いに共感させる。ま た,文男の言動やめぐみががんばる姿を通して変化した主人公の心に着目させることで,集団の 目的のためにどの役割も欠かすことのできない大切なものであることや,自分の任された役割を 頑張っていくことの大切さを感じとらさせる。展開後段では,これまで目標に向けて取り組めた 体験やこれから取り組みたいことを見つめ直させることで,自分を振り返り,道徳的価値の一般 化を図るようにする。最後に終末段階では,6年生からの手紙(たてわり活動や運動会での5年 生の様子に対する内容)を聞くことで,自他のよさを感じ,余韻をもって終わるようにする。3 本 時 (1)ねらい ◎ 読み物資料の主人公が希望する役になれず,決まった道具係の仕事に投げやりになりながら も,文男の言動や級友の活動する姿を見て,自分の係の仕事にやる気をもてるようになるまで の心の変化を読み取らせたり,これまで目標に向けて取り組めた体験やこれからしたいことを 考えさせたりすることを通して,自分の役割の大切さに気づき,自分の役割に一所懸命取り組 もうとする態度を育てる。 (2)準 備 ○ 読み物資料「森の絵」 ○ 道徳学習プリント ○場面絵 ○ 6年生からの手紙 ○ 資料流れ図 (3)展 開 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 段階 1 自分たちが任されている役割を振り返 ○ 学級や学校・地域で自分が任されている役割 り,本時のめあてをつかむ。 やその役割の中で感じている思いを出し合う中 導 ・ 登校班 ・ 縦割り活動 で,価値への方向付けを図るようにする。 ・ クラブ活動 ・ 委員会活動・ 運動会 入 自分がまかされた仕事をするときに大切な心をみつけよう 2 読み物資料「森の絵」をもとに,自分 ○ 資料流れ図や場面絵を使い,登場人物の行動 の役割を果たすことの価値を追求する。 や場面状況をつかませる。 (1)絵筆を持つ手に力が入らない場面の ○ 絵筆を持つ手に力が入らない場面の主人公の 主人公の気持ちについて話し合う。 心情を話し合わせることで,えり子の心の弱さ ○ 怠けようとしているわけではないの をとらえさせる。 に,絵筆を持つ手に力の入らないえり ○ 劇は,クラスみんなで作り上げるものだと頭 子は どんな気持ちだったのでしょう, 。 ではわかっていても,希望していた女王役が気 ・ やっぱり女王になりたかったな。 になり,気持ちの乗らないえり子の気持ちに共 ・ 道具係はいやだな。 感させる。 展 (2)文男の話を聞いた後,黙っていた場 ○ 文男の話を聞いた後,黙っていた場面の主人 面の主人公の気持ちについて話し合う。 公の気持ちを話し合わせることで,自分の仕事 ◎ 文男の言葉を聞いた後,だまってい の大切さに気づきはじめたえり子の心情をとら たえり子は,どんなことを考えていた えさせる。 開 のでしょう。 ○ 文男の「誰かがやらないと…」という言葉を ・ 好きじゃない刺繍をがんばってして 取り上げることで,文男はみんなの目的である すごいな。 劇に向けて,自分の仕事をしようとしているこ ・ みんなのために自分の係の仕事をし とに気づかせる。 前 てえらいな。 ○ 「みんなでする劇だから,自分の仕事をがん ・ わたしもみんなのために道具係の仕 ばる」という子どもの意見をもとに「なぜ,自 事をがんばろうかな。 分の仕事をがんばらなくてはいけないのか」を ・ 私もちゃんと絵を描かないと劇が成 考えさせることを通して,みんなの劇に向かっ 段 功しなくなる。私の仕事も劇のために て割り当てられた自分の仕事は,その目的達成 必要な仕事だな。 のために大切なものであることを理解し,任さ 。 れた仕事に取り組む文男の心情を明らかにする (3)のびのびとポスターカラーをとき始 ○ のびのびとポスターカラーをとき始めた場面 めた場面の主人公の気持ちについて話 の主人公の気持ちを話し合わせることで,自分 し合う。 の仕事の大切さを理解し自分の仕事に一所懸命 。 ○ のびのびとポスターカラーをときは 取り組みはじめたえり子の心情をとらえさせる じめたえり子は,どんな気持ちだった ○ 道具係も劇を行う上で欠かすことのできない でしょう。 ものであり,女王役と同じように道具係も価値 ・ 劇の成功に向けて私も自分の道具係 ある役割であることに気づかせ,自分の仕事に の仕事をがんばろう。 前向きに取り組もうとするえり子の気持ちに共 ・ みんながびっくりするような絵にし 感させる。
たいな。 ○ めあてを振り返り「みんなの目的に向かって がんばろうとする心」としてまとめさせたい。 3 今までの自分を振り返り,自分のよさ ○ 集団の目的を理解し,その目的のために自分 を自覚する。 の役割をやり遂げようと努力した体験に目を向 展 ○ みんなで決めた目標に向かってがん けさせる。また,その行為を支えていた動機や ばってよかったなと思ったことはあり その時の心情をしっかりと振り返らせたい。 開 ませんか。 ・ 運動会を成功させるために,用具が 自分のよさを味わわせる手立て 後 重くて大変だったけど,係として最後 ○ 目標に向けて頑張ろうと活動している写真 までがんばれた。 ○ ふきだし 段 ・ みんなが気持ちよくプールが使える ようにという目標に向けて一所懸命掃 除をしたことがある。 終 4 6年生の手紙を聞く。 ○ 6年生からの手紙を聞くことで,自分たちの 末 よさを味わいながら余韻を持って終わるように する。