新卒看護師の「やめたい」気持ちと「自己効力感」の変化
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(2) 4. 千葉県立保健医療大学紀要 第7巻 第1号. た.しかしながら,新卒看護師の場合,離職意思 が高まった結果として,離職の行為に及ぶケース は少なく,これまで測定していた離職意思や離職 願望が,離職行為そのものの指標となっていない 可能性が考えられる.ただし,実際に多くの新卒 看護師が,辞めたいと表現していることも事実で ある.したがって,離職の行為に直接影響する ような意思決定を意味しない「やめたい気持ち」 は,初めて入職した職場での職業生活に対する不 安や戸惑いといった心理状況の表れとも考えられ る.この「やめたい気持ち」の変化を把握し,そ の規定要因をコントロールすることできれば,新 卒看護師が前向きに働くことのできる環境づくり の一助となるだけでなく,新卒看護師の社会化の 支援に有用な資料となり得る. そこで本研究は,新卒看護師の「やめたい気持 ち」の強さと「自己効力感」の変化,「やめたい 気持ち」の強さと「自己効力感」の関係を明らか にする. 〈用語の定義〉 やめたい気持ち:所属する部署において仕事に前 向きになれない心理状態を指す.. 研究方法 1.調査対象者 調査対象は,2011年4月に入職した新卒看護師 573名である. 2.データ収集期間 2011年4月∼2011年10月 3.調査時期 4月調査:2011年4月(入職後1週間以内) 7月調査:2011年7月(7月1日∼15日) 10月調査:2011年10月(10月1日∼15日) 4.調査内容 1)先行要件(10項目) 先行要件には,個人的要因と職場環境がある. 個人的要因を測定するために,年齢,性別,専門 最終学歴を設定した.職場環境を測定するため に,施設規模,所属部署,人員配置,希望部署へ の配属,所属施設の新卒看護師教育体制(施設教 育担当者の有無,プリセプターシップの有無)を 設定した.. 2)「やめたい気持ち」の強さの測定 新卒看護師の「やめたい気持ち」は,0点から 10点のビジュアルアナログスケールを用いて測定 した. 3)一般的自己効力感(16項目) 一般的自己効力感は,「個人が感じている自分 はこのようなことがここまでできるのだという 6 ),7),8) 考えや確信」 と定義されている.このよう. な,「やればできる」という個人の認知は,「やめ たい気持ち」である仕事に前向きになれない心理 状況と相互に関連していることが予測される.そ こで,信頼性および妥当性が確認されている一般 ) .この尺度は,0 的自己効力感尺度を設定した9 点から16点で一般的自己効力感を測定しており, 高値は一般的自己効力感が高いことを示してい る. 5.調査方法 質問紙調査を実施した.2011年1月から3月に 研究者が研究参加に同意の得られた18校の看護系 大学,短期大学および専門学校に直接出向き,直 接研究対象者1,200名へ調査を依頼し,研究参加 同意書を配布した.研究に参加する場合は,研究 者へ直接研究参加同意書を送付し,同意書の送付 があった者へ,入職後のそれぞれの調査時期に調 査票と返信用封筒を送付した.回収方法は郵送法 とし,対象者自身に回答後調査票を個別に投函し てもらった.調査票の回収をもって研究参加に同 意したものとみなした. 6.分析方法 各質問項目の記述統計量の算出と,「やめたい 気持ち」の強さおよび一般的自己効力感得点の 経時的変化(平均値の比較)を分析した.さら に「やめたい気持ち」の強さおよび一般的自己効 力感得点の関連を検討するため,「一般的自己効 力感」と「やめたい気持ち」の強さの3回調査 データ各々を観測変数としてパス図を作成した. なお,分析には統計パッケージソフト SPSS(Ver. 17)と Amos(Ver. 4.0)を用いた. 7.倫理的配慮 対象者には,研究目的,方法,意義,調査への 参加の自由意思と辞退の権利の保障,プライバ シーの保護,匿名性の保持と個人情報の保護,研 究参加に伴う不利益と安全性の保証,結果の公表 について文書および口頭で説明し,調査票は無記 名とした.なお本研究に関しては,聖路加看護大.
(3) 竹内:新卒看護師の「やめたい」気持ちと「自己効力感」の変化. 5. 学倫理審査委員会の承認(承認番号10−075)を 得た.. 380部(66.3%),10月調査330部(57.6%)であっ. 結 果. 2.回答者の属性 3回の調査の回答者の属性を表1に示した.. た.. 1.回収率と分析対象 4 月 調 査 票 回 収 者456名 の 属 性 は, 女 性421名 研究参加同意書を配布した1,200名のうち,同 (92.3%),男性34名(7.5%)と女性が多かった. 意書の送付のあった573名へ調査票を配布した. 年齢区分では,20歳∼24歳が309名(67.8%)と 最 も 多 く, 次 い で25歳 ∼29歳 が68名(14.9 %), 回 収 数 は, 4 月 調 査456部(79.6 %), 7 月 調 査 表1 対象者の属性 性別. 男性 女性 不明. 年齢. 20∼24歳 25∼29歳 30∼34歳 35∼39歳 40歳以上 不明. 看護基礎教育. 大学 短期大学 専門学校 不明. 施設規模. 200床以下 200∼499床 500床∼999床 1,000床以上 不明. 人員配置. 7対1 10対1 その他 不明. 配属希望. 希望部署へ入職 希望部署以外へ入職 配属希望をしていない 不明. 教育担当者. 専属で配置 専属はいない 不明. プリセプター制度. 実施している 実施していない 不明. 合計数 人数(%). 4月調査. 7月調査. 10月調査. 34 (7.5). 20(5.3). 14(4.2). 1 (0.2). 56(14.7). 54(16.4). 68(14.9). 56(14.7). 46(13.9). 32 (7.0). 24(6.3). 20(6.1). 421(92.3) 304(80.0) 262(79.4) 309(67.8) 216(56.8) 186(67.4) 38 (8.3) 8 (1.8). 24(6.3) 4(1.1). 18(5.5) 6(1.8). 1 (0.2). 56(14.7). 54(16.4). 40 (8.8). 32(8.4). 24(7.3). 94(20.6). 68(17.9). 62(18.8). 317(69.5) 218(57.4) 186(56.4) 5 (1.1). 40 (8.7). 62(16.3) 24(6.3). 58(17.6) 20(6.1). 212(46.5) 162(42.6) 136(41.2) 155(34.0) 102(26.8) 44 (9.6) 5 (1.1). 34(8.9) 58(15.3). 90(27.3) 28(8.5) 56(17.0). 353(77.4) 246(64.7) 216(65.5) 54(11.8). 44(11.6). 40(12.1). 3 (0.7). 62(16.3). 56(17.0). 46(10.1). 28(7.4). 18(5.5). 288(63.2) 212(55.8) 180(54.5) 76(16.7). 52(13.7). 44(13.3). 16(35.1). 62(16.3). 58(17.6). 78(17.1). 54(14.2). 48(14.5). 414(90.8) 296(77.9) 252(76.4) 36 (7.9) 6 (1.3). 16(4.2) 68(17.9). 12(3.6) 66(20.0). 394(86.4) 278(73.2) 232(70.3) 56(12.3) 6 (1.3). 456. 42(11.1) 60(15.8). 380. 40(12.1) 58(17.6). 330.
(4) 6. 千葉県立保健医療大学紀要 第7巻 第1号. 表2 新卒看護師の「やめたい気持ち」強さの変化 . 回収数. 有効回答数. 平均値. 最小値. 最大値. 最頻値. 標準偏差. 変動係数. 4月調査. 456. 440. 1.84. 0. 10. 0. 2.48. 1.35. 7月調査. 380. 380. 4.34. 0. 10. 0. 3.08. 0.71. 10月調査. 330. 330. 4.63. 0. 10. 5. 2.73. 0.59. 30歳 ∼34歳 が38名(8.3 %),35歳 ∼39歳 が32名 (7.0%),40歳以上が8名(1.8%)であった.看 護基礎教育は,専門学校卒業者は317名(69.5%) と最も多く,次いで大学卒業者が94名(20.6%), 短期大学卒業者が40名(8.8%),であった. 入職施設の状況では,200床∼499床の規模の病 院に入職している者が212名(46.5%)と最も多 く,次いで500床から999床が155名(34.0%)で あ り,1,000床 以 上 は44名(9.6 %),200床 未 満 は40名(8.7%)であった.看護師の人員配置で は,7対1は353名(77.4%)と大半を占めてい た.配属希望については,希望通りの部署に入職 している者が,288名(63.2%)であった.教育 体制については,施設に専属の教育担当者が配 置されている者が414名(90.8%)であり,394名 (86.4%)がプリセプター制度を実施している施 設に入職していた. 3.新卒看護師の「やめたい気持ち」の強さ 「やめたい気持ち」の強さは,「やめたい気持 ち」尺度を用いて,4月,7月,10月に測定し た.4月調査の平均値は1.84(n=440)であり, 7月調査の平均値は4.34(n=380)であり,10 月調査の平均値は4.63(n=330)であった(表 2) . 入職後の調査の時期により差があるか確認する ために,一般線形モデル(反復測定)を用いた. さらに4月調査,7月調査,10月調査の差を確認 するために,Bonferroni による多重比較を行った. その結果,4月調査と比較して,7月調査および 10月調査は有意に高い値を示した(表3). 表3 調査時期の「やめたい気持ち」強さの比較 . n. 平均値. 4月調査. 440. 1.84. 7月調査. 380. 4.34. 10月調査. 320. 4.63. ***. p < .01. 多重比較 ***. ***. 4.新卒看護師の「一般的自己効力感」 新卒看護師の「一般的自己効力感」を測定する ために,坂野らが開発した一般的自己効力感尺度 を使用した.4月調査の平均値は5.96(n=452) であり,7月調査の平均値は4.78(n=378)で あり,10月調査の平均値は4.61(n=328)であっ た. 入職後の調査の時期により差があるかを確認す るために,一般線形モデル(反復測定)を用い た.さらに4月調査,7月調査,10月調査の差 を確認するために,Bonferroni による多重比較を 行った.その結果,4月調査と比較して,7月調 査および10月調査は,有意に低い値を示した(表 4). 表4 調査時期による「一般的自己効力感」得点の 比較 . n. 平均値. 4月調査. 452. 5.96. 7月調査. 378. 4.78. 10月調査. 328. 4.6. 多重比較 ***. ***. ***. p < .01. なお「一般的自己効力感尺度」については,本 調査における信頼性を確認するために,信頼性係 数クロンバックαを算出した.本調査における一 般的自己効力感尺度の信頼性係数は,4月調査 0.76,7月調査0.74,10月調査0.77であった. 5. 「やめたい気持ち」と「一般的自己効力感」の 関係 「やめたい気持ち」「一般的自己効力感」との 関係性を確認するために,各々の得点を観測変 数として,統計ソフト Amos4.0を使用してパス 図を作成した(図1).個人の認知が,「やめた い」と感じることへ影響していると考えられた ため,「一般的自己効力感」から「やめたい気持 ち」への影響過程をモデル化した分析を実施し た.モデルの適合指標は,GFI = .94,CFI = .91, RMSEA = .10であり,データと高い適合性を有.
(5) 竹内:新卒看護師の「やめたい」気持ちと「自己効力感」の変化. やめたい気持ち (4月調査). やめたい気持ち (7月調査) .24***. ‐.35***. .39*** ‐.50***. 自己効力感 (4月調査) 4月調査. .47***. .46***. 自己効力感 (7月調査). .66***. 7. やめたい気持ち (10月調査) ‐.42*** 自己効力感 (10月調査). 7月調査. 10月調査. ***p < .001 ※数値は標準化係数(β)を示す. ※本モデルとデータの適合度は,GFI = .94 CFI = .91 RMSEA = .10 ※分析モデルには,モデルの推定に必要な各観測変数の誤差変数,および内生変数をもつ各観測変数に おける攪乱変数が含まれているが,図の明瞭性を重視し図中には表示していない.. 図1 「やめたい気持ち」 「自己効力感」の関係. していることが明らかとなった.なお図には,統 計学的に有意な標準化係数(p < .001)のみを示 した.. めたい気持ち」の強さに関連はなく,入職直後 の「やめたい気持ち」が強いことが,その後も強 い「やめたい気持ち」を持ち続けることに繋がら. 4月の「一般的自己効力感」は,4月の「や めたい気持ち」へ有意な負の影響(β=− .35) をおよぼしていた.さらに,7月の「一般的自 己効力感」 (β= .46)および「やめたい気持ち」 (β= .24)へ有意な正の影響が確認された. 7月の「一般的自己効力感」は,7月の「や めたい気持ち」へ有意な負の影響(β=− .50) が確認された.さらに10月の「一般的自己効力 感」 (β= .66)および10月の「やめたい気持ち」 (β= .39)への有意な正の影響が確認された.10 月の「一般的自己効力感」は,10月の「やめたい 気持ち」へ有意な負の影響(β=− .42)が確認. ないことが明らかとなった.しかし,7月の「や めたい気持ち」の強さは,10月の「やめたい気持 ち」の強さに関連しており,7月に「やめたい気. された. 以上の結果から,4月,7月,10月の「一般的. 自己効力感」が高いほど,その時点の「やめたい 気持ち」は低いことが明らかとなった.さらに4 月の「一般的自己効力感」が高いほど3か月後の 7月の「一般的自己効力感」 「やめたい気持ち」 は高い傾向にあるなど,その時点の「一般的自己 効力感」が高いことは,その時点の「やめたい気 持ち」は低く,3か月後の「一般的自己効力感」 「やめたい気持ち」が高いことを示していた.. 考 察. 持ち」が強いことは,その後も強い「やめたい気 持ち」を持ち続ける傾向にあることが分かった. 2.新卒看護師の「やめたい気持ち」と「一般的 自己効力感」との関連 本研究の結果から「やめたい気持ち」の強さ は,「一般的自己効力感」と関連していた.4月 の「一般的自己効力感」の高まりは,4月の「や めたい気持ち」を弱めており,7月,10月の調査 でも同様に,「一般的自己効力感」の高まりは, その時点の「やめたい気持ち」を弱めていた. 「自分はたぶんできる」と今感じることが,その 時点の仕事への積極的な姿勢を支えていると考え られる.「一般的自己効力感」が低いことが,そ の時点の「やめたい気持ち」を高めるという点 は,バンデューラの一般的自己効力感理論とも矛 盾はない. 一方で,「やめたい気持ち」の強さは,前調査 時点の「一般的自己効力感」に影響を受けている ことが明らかとなった.7月,10月の調査では, 前調査時点の「一般的自己効力感」の高まりが, 「やめたい気持ち」を強めていた.この7月,10. 1.新卒看護師の「やめたい気持ち」の強さの変 化. 月の「一般的自己効力感」の機能は興味深い結果 であり,新卒看護師の置かれている状況について. 新卒看護師の「やめたい気持ち」の強さは,入 職直後の4月が最も低く,その後急激に強くなっ ていた.4月,7月,10月の3回の調査の「やめ たい気持ち」の強さの関係は,4月の「やめたい. 考えたい. 新卒看護師は,4月には看護師としての経験は なく,入職後実際の職場で初めて経験することと なるが,その経験は成功体験が少ないことが指摘 されている 9).「一般的自己効力感」には,それ. 気持ち」の強さは,その後の7月,10月の「や.
(6) 8. 千葉県立保健医療大学紀要 第7巻 第1号. までの体験が大きく影響することが指摘されてお り1 0),特に「一般的自己効力感」の高い人ほど, 失敗体験により「一般的自己効力感」が低下する ことが示唆されている1 1). 新卒看護師は,これまでの経験に担保されてい. 段階でも強いままであった.この「やめたい気持 ち」の強さには,「一般的自己効力感」が関連し. ない不安定な「一般的自己効力感」を持って入職 し,その後失敗と感じる多くの体験を積むこと で「一般的自己効力感」が低下し易い状況にある. 後の「やめたい気持ち」を強める影響があった. 「一般的自己効力感」が先行して変化し,その変 化によって「やめたい気持ち」強さが変わってい. と考えられる.「一般的自己効力感」は,数か月 後急激に低下し,その時点の低い「一般的自己効 力感」が「やめたい気持ち」を強めると推察され る. 新卒看護師の「一般的自己効力感」は,「やめ たい気持ち」に先行して変化すると考えられる. この新卒看護師の「一般的自己効力感」における 機能から,「一般的自己効力感」の高さによって, その後の「やめたい気持ち」は,ある程度予測す ることが可能である.また,「一般的自己効力感」 を調整することができれば, 「やめたい気持ち」 の急激な変化を避けることができる. 社会化の初期の段階において,個人の「期待と 1 2) や個人が組織に適応するために自 現実の一致」 発的に情報収集し,結果のフィードバックなどを 1 3) 求める「適応行動」および「一般的自己効力感」 の高まりは社会化を促進することが明らかとなっ ている.つまり,入職後「期待と現実の一致」 「適応行動」「一般的自己効力感」が低下しないで 維持されていることが,組織へ適応し職業を継続 していくことにつながる.今回の調査結果では, 「一般的自己効力感」得点は,入職直後より低く なりそのまま維持されており,入職後の自己効力 感はその後の失敗体験などを経て低下しているこ とが予測された.この自己効力感の低下をいかに 抑制するかが課題である.個人の社会化が,入職 前から連続性を持っていることを考えると,特に 看護師の場合は一定の専門基礎教育期間が設定さ れており,基礎教育で育まれた看護師の自己効力 感を基盤に,いかにして新卒看護師の期間にその 自己効力感を維持しさらに発展させていくのかと. ていた.「一般的自己効力感」の高まりは,その 時点「やめたい気持ち」を弱める影響があった. 一方で「一般的自己効力感」の高まりは,3ヵ月. くと推察された.. 謝 辞 本研究にご協力いただきました新卒看護師の皆 様に深く感謝申し上げます. 本研究は,聖路加看護(現聖路加国際)大学大 学院看護学研究科の博士論文の一部に加筆修正し たものであり,その一部は第16回日本管理学会学 術集会において報告した.. 和文要旨 新卒看護師の「やめたい気持ち」と「自己効力 感」の変化について明らかにするために,「やめ たい気持ち」の強さ,「一般的自己効力感」を測 定する調査票を作成し,新卒看護師573名を対象 として,縦断的に3回(4・7・10月)の調査を 実施した. 「やめたい気持ち」の強さの変化,「一般的自己 効力感」の変化,「やめたい気持ち」の強さ・「自 己効力感」の関連性を確認した.「やめたい気持 ち」の強さは,4月が最も弱く,7月・10月と 徐々に強まっていた.この「やめたい気持ち」の 強さには,「一般的自己効力感」が影響していた. 具体的には,その時点での「一般的自己効力感」 得点が高いことは,「やめたい気持ち」を弱めて いた.さらに少し前の「一般的自己効力感」得点 が高いことは,「やめたい気持ち」を強めており, 「やめたい気持ち」の強さは,「一般的自己効力 感」から影響を受けていることが確認された.. いう点が課題である.. 結 語. キーワード:新卒看護師,組織適応,離職. 文 献 本研究は,新卒看護師573名を対象として,3 回の縦断的調査を行った.新卒看護師の「やめた い気持ち」の強さと「一般的自己効力感」は入職 後変化していた. 「やめたい気持ち」は入職直後 が最も弱く,その後急激に強まり,入職6ヶ月の. 1)Buckley, MR. Mobbs, T. & Mendoza, J. L.(2002).. Implementing realistic job previews and expectationlowering procedures: A field experiment. Journal of Vocational Behavior. 61. 263-278..
(7) 竹内:新卒看護師の「やめたい」気持ちと「自己効力感」の変化. 2)厚生労働省(2012).平成24年職業安定業務統計(一 般職業紹介状況).. http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1b.html. 3)日本看護協会(2011).「2011年度病院における看護 職需給状況調査」結果速報 4)羽田野花美,酒井淳子,矢野紀子 他(2003) .女性 看護師の職務満足と職業継続意思および特性一般的 自己効力感との関連.愛媛県立医療技術短期大学紀 要,16,1-8. 5)竹内久美子,井部俊子(2006).新卒看護師の「やめ たい気持ち」はどのように変化するか.HANDS −. ON,1(3),46-49. 6)Bandura, A.(1986). Social foundations of thought and. action: A social cognitive theory Englewood Cliffs. New Jersey: Prentice-Hall. 7)Bandura, A.(1995). Self-efficacy in changing societies. Switzerland. Cambridge university press.. 8)坂野雄二,前田基成編(2005).セルフ・エフィカ シーの臨床心理学(第4版).北大路書房. 9)坂野雄二(1989).一般的セルフ・エフィカシー尺度. 9. の妥当性の検討.早稲田大学人間科学学術院人間科 学研究,2 (1) ,91-98. 10)中西信男(1995) .ライフ・キャリアの心理学 自己 実現と成人期(初版) .ナカニシヤ出版. 11)丸本奈央(2004) .過去の重大な失敗体験が特性的一 般的自己効力感に及ぼす影響としてのセルフ・ハン ディキャピング方略.関西大学大学院「人間科学」 社会学・心理学研究,99-116.. 12)Irving, P. G. & Meyer, J. P. (1995) . On using direct measures. of met exoectations; A methodological note. Journal of management, 21: 1159-1175. 13)Bauer, T. N. & Green, S. G.(1994). The Effect of Newcomer involvement in work-related activities: A longitudinal study of socialization.Journal of Applied Psychology. 79. 211-223. 著者連絡先: 〒261-0014 千葉市美浜区若葉2-10-1 千葉県立保健医療大学 竹内 久美子.
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