601 人 工 知 能 34 巻 5 号(2019 年 9 月) 人工知能学会の最大のイベントは毎年六月に開催される全国大会だろう.近年の人工知能ブームのおかげもあって, 今年の参加者は 3 000 人に迫る多さだった.実際,三日目の夕方に開催された参加者交流会は,体育館のような大き なスペースに人があふれ,人工知能の熱気が充満していた.実は筆者は交流会で人と待ち合わせをしていたのだが, 会えずじまいだった. 今年の全国大会でお披露目された AI マップはβ版とはいえ,人工知能という極めて大きな学問領域を概観するの に便利なものとなっている(学会ホームページで公開されているので,ぜひご覧になってください.https://www. ai-gakkai.or.jp/resource/aimap/).そこでは四人の研究者が,「知能はどういう処理の流れか」,「成功した応 用例とその発展傾向」,「AI 研究の応用と基礎にはどういうものがあるか」,「知能とは何か」というそれぞれの観点か ら人工知能という学問をキーワードとともに 1 枚の全体図で表現していて,観点によってこれほど全体図が違ってく るのかと驚かされる.現在,本学会には 24 の研究会があり,それぞれの領域で最先端の研究が行われているが,AI マッ プの最後に 24 研究会をそれぞれの全体図の中に配置している.この配置については各研究会からの回答を元に図示 しているので,今度は研究会がそれぞれの図のどこに自分を位置付けるのかを示していて,各図を見比べていると時 間の経つのを忘れてしまう.また,配置困難という研究会もあって面白い. ところで,24 の研究会はそれぞれ年に数回の研究発表会を開催しているが,年に一度,およそ 3 分の 2 の研究会が 同時期同会場で発表会を開く.これが「合同研究会」というもので,毎年晩秋に開催される.合同研究会は,研究会 そのものの広報と研究会間の交流を深める目的で 2011 年から開催されている.当初は研究会が 18 あり,そのうちの 10研究会が参加した.年々規模が大きくなり,近年は同時並行で開催される研究会数が多くなってしまうものの,よ り広いスペースを使って二日にわたって開催している. 合同研究会は規模では全国大会に及ばないものの,全国大会と違って無料で参加・聴講できる.これは学会員に限 らず,誰でも無料である.ただ,受付業務を円滑にするために,事前申込をお願いしていますが. 本年は 11 月 22 日(金)∼ 23 日(土)の開催となり,各日に八つほどの研究会が同時に発表会を開催するので, 興味がある発表を研究会をまたいで聴くことができる.会内で独自に招待講演を実施している研究会もあるが,合同 研究会全体として各日の午後早い時間帯に合同企画を催している.例年は招待講演だけだが,今年は招待講演の日と 本学会の倫理委員会による表彰を計画している.後者は,今後人工知能が社会で使われていくうえで重要な論点であ る倫理についてのおそらく世界初の企画になるとのことなので,楽しみである.また,合同研究会では企業展示もあ るので,発表・聴講の合間にぜひお立ち寄りください. 本号が皆様のお手元に届く頃には合同研究会 2019 のホームページ(https://www.ai-gakkai.or.jp/sigconf/) が学会トップページからたどれるようになっているので,最新情報をお確かめのうえ,今年の開催地である慶應義塾 大学矢上キャンパス(横浜市港北区日吉)へ足をお運びいただきたい.
巻頭言「研究会のすゝめ」
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