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IRUCAA@TDC : メルケル細胞と三叉神経節ニューロンにおけるDIDS 感受性細胞間コミュニケーション

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

メルケル細胞と三叉神経節ニューロンにおけるDIDS 感受

性細胞間コミュニケーション

Author(s)

東川, 明日香; 小島, 佑貴; 木村, 麻記; 佐藤, 正樹;

小倉, 一宏; 望月, 浩幸; 河野, 恭佑; 澁川, 義幸; 田

﨑, 雅和

Journal

歯科学報, 116(3): 231-231

URL

http://hdl.handle.net/10130/4023

Right

(2)

目 的:水 酸 化 カ ル シ ウ ム 製 剤 や mineral trioxide aggregate(MTA)は,象 牙 質 表 面・歯 髄 内 へ の 投与時に強いアルカリ性(pH=10∼12)を示す。 この特性は反応性の第三象牙質形成や象牙質橋形成 を誘発すると考えられている。しかし,これらの製 剤の象牙質形成過程に対する直接的作用の詳細は不 明である。そこで,本研究は象牙芽細胞におけるア ルカリ感受性細胞内 Ca2+ シグナリング経路を検討 した。 方法:新生仔ウィスターラットから得た象牙芽細胞 に,fura-2による細胞内遊離 Ca2+ 濃度([Ca2+ ]i) 測定とパッチクランプ法によるアルカリ刺激誘発 性細胞膜電流計測を行った。ヒト培養象牙芽細胞 (HOB 細胞)を用いて alizarin red 染色と von Kossa

染色を行った。 結果:細胞外 Ca2+ 存在下において,pH10のクレブ ス 溶 液 は 一 過 性 の[Ca2+ ]i増 加 を 誘 発 し た。そ の [Ca2+ ]i増加は反復投与による脱感作を示さなかっ た。ア ル カ リ 刺 激(pH8.5­10.5)誘 発 性[Ca2+ ]i 増加は,細胞外 Ca2+ 非存在下において減少した。 細胞外 Ca2+ 存在下,非存在下ともに,アルカリ溶 液による[Ca2+ ]i増加は pH 依存性を示した。象牙 芽細胞にアルカリ刺激を行うと pH 依存的(pH8­ 10)に増加する内向き電流(保持電位−80mV)が 記録された。細胞外 Ca2+ 存在下において,pH9の クレブス溶液で誘発された内向き電流の振幅は反復 投与による脱感作を示さなかった。pH10のクレブ ス溶液による[Ca2+ i増加は TRPA1チャネルアン タゴニストである HC030031の投与で抑制された。 14,28日間培養後の HOB 細胞に alizarin red 染色 と von Kossa 染色を行った結果,高 pH 刺激を行っ た群で石灰化が促進された。一方,HC030031は生 理的,高 pH 条件下ともに石灰化を抑制した。 考察:象牙芽細胞に対するアルカリ刺激は TRPA 1チャネル活性化による細胞外からの Ca2+ 流入と ストアからの Ca2+ 放出 を 誘 発 す る こ と が 示 さ れ た。高 pH 環境では石灰化が促進されることが示さ れた。加えて,生理的,高 pH 環境ともに TRPA1 チャネル活性化は石灰化を促進することが示され た。したがって,水酸化カルシウム製剤や MTA は そのアルカリ刺激を象牙芽細胞が受容することで象 牙質を形成することが示唆された。 目的:近年,遅順応性圧覚受容器であるメルケル細 胞の機械刺激受容メカニズムが明 ら か に さ れ た (Soya et al, 2014 ; Seung et al., 2014)。しかし, それに引き続くメルケル細胞−神経終末複合体とし ての神経伝達機構は未だ明らかにされていない。そ こで,メルケル細胞と三叉神経節ニューロンの共培 養モデルを作製し,メルケル細胞への直接機械刺激 に 対 す る 両 細 胞 の 応 答 を 細 胞 内 遊 離 Ca2+濃 度 ([Ca2+ ]i)を指標に検討した。 方法:メルケル細胞の蛍光マーカーであるキナクリ ンを処理24時間前に投与したゴールデンハムスター (3−5週齢)の頬粘膜小体からメルケル細胞を急性 単 離 し,120分 間 静 置 し た(5%CO2,95%air, 37℃)。定着後キナクリン蛍光陽性細胞をメルケル 細胞として同定し培養皿にマークを行った。続い て,生後5−7日齢ウィスターラットから三叉神経 節を摘出し単離した三叉神経節細胞を,メルケル細 胞の培養皿上に播種することで両者を共培養した。 両者は L‐15培地にて1時間共培養した。キナクリ ン蛍光陽性メルケル細胞に対し,微小ガラス管を用 いて直接機械刺激を与え,メルケル細胞自身と,近 接する三叉神経節細胞から fura‐2を用いて[Ca2+ ]i 変化を記録した。また,全ての記録終了時に高 K+ 溶液を両細胞に投与し,[Ca2+ ]i増加を示した三叉 神経節細胞をニューロンとして解析した。 結果および考察:単離メルケル細胞に直接機械刺激 を与 え る と,[Ca2+ ]iは 刺 激 強 度 依 存 的 に 増 加 し た。メルケル細胞と三叉神経節細胞の共培養系で, メルケル細胞に直接機械刺激を与えると,近接する 三叉神経節ニューロンにも[Ca2+ ]i増加が観察され た。このことから,両細胞間に化学的な物質による 細胞間連絡が存在することが示唆された。グルタミ ン酸放出チャネル阻害剤である4,4­Diisothiocyano −2,2−stilbenedisulfonic acid disodium salt hy-drate(DIDS)存在下でメルケル細胞に機械刺激をお こなうと,周囲の三叉神経節細胞の[Ca2+ ]i増加は 抑制された。これらの結果よりメルケル細胞と三叉 神経節細胞ニューロン間には DIDS 感受性の細胞間 コミュニケーションが存在しており,伝達物質のひ とつとしてグルタミン酸が関与することが示唆され た。

№5:象牙芽細胞におけるアルカリ感受性 TRPA1チャネル活性化は石灰化を促進する

木村麻記1),佐藤正樹1),篠 宏美2),小野寺晶子2),東川明日香1),小島佑貴1),塩崎雄大3) 佐藤涼一4),重藤玲子5),隝田みゆき1),小倉一宏1),望月浩幸1),河野恭佑1),澁川義幸1) 田 雅和1)(東歯大・生理)1)(東歯大・生化)2)(東歯大・クラウンブリッジ補綴)3) (東歯大・衛生)4)(東歯大・歯麻)5)

№6:メルケル細胞と三叉神経節ニューロンにおける DIDS 感受性細胞間コミュニケー

ション

東川明日香,小島佑貴,木村麻記,佐藤正樹,小倉一宏,望月浩幸,河野恭佑,澁川義幸, 田 雅和(東歯大・生理) 歯科学報 Vol.116,No.3(2016) 231 ― 65 ―

参照

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