Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
コンポジットレジン修復時のオペーク色の有用性
Author(s)
吉田, 香織; 平井, 基之; 古澤, 成博
Journal
歯科学報, 111(4): 440-440
URL
http://hdl.handle.net/10130/2546
Right
目的:CAD/CAM システムのソフトウェアの改良 に伴い,修復物の適合精度や色調,操作性は向上 し,本システムの応用による審美的な歯冠修復処置 の臨床的選択基準が大きく変化している。CAD/ CAM によるオールセラミック修復における辺縁漏 洩は,セラミックの厚みを必要とすることから,修 復物の将来の成功率と耐久性に影響を及ぼすことが 報告されている。本研究では,CEREC システムの 最新ソフトウェアである CEREC AC を用い て, オールセラミック修復のマージン形態と適合性を3 D レーザー顕微鏡で計測し比較検討した結果を報告 する。 方法:試料は下顎左側第一大臼歯レジン製人工歯
(ニ ッ シ ン)と CEREC Blocs(S 4-O 14 mm,Sirona Dental Systems, Inc.)を用いた。レジン歯は,辺 縁 形 態 を シ ャ ン フ ァ ー,全 周1.5mm の シ ョ ル ダー,ラウンドショルダーの3種類を作製し,支台 高径5mm としたクラウン支台歯の規格模型を作製 し使用した。光学印象採得しオールセラミッククラ ウンを作製後,エステティックセメント(クラレメ ディカル)にて支台歯に接着し,定荷重試験機を用 いて10kgf の荷重を10分間作用させた。マージン部 適合性の測定は,試料を近遠心的に切断後,辺縁及 び内面の9点におけるセメント厚さを3D 測定レー ザ ー 顕 微 鏡(LEXT OLS4000,OLYMPUS)を 用 いて各々5回計測した。得られたデータは二元配置 の分散分析及び Turkey の多重検定法を用い,適合 性,特に辺縁適合性に与える影響を検討した。 成績および考察:各計測点におけるセメント厚さ は,シャンファー,ショルダーに比較しラウンド ショルダーで小さいことが分かった。 このことから,辺縁の形態はショルダー,ラウン ドショルダーの適合精度が高く,クラウン修復物辺 縁適合性の臨床上許容範囲内であることが分かっ た。また,辺縁形態をラウンドショルダーに設定す ることで,各計測点における内面適合性度が臨床上 許容範囲内になることから,辺縁形態がクラウン修 復物の内面適合精度に影響を及ぼすことが示唆され た。 目的:近年,コンポジットレジンは種々な改良によ り多種多面的に臨床応用され,審美的な修復が可能 である。日常の臨床では,光拡散性の高い A2や A3の色調の使用が多いが,症例によっては残存歯 質の色の影響を著しく反映してしまう場合も少なく ない。そこで,色調の遮蔽性を有するオペークレジ ンに着目し,その有無が色調に及ぼす影響について 検討した結果を報告する。 症例:症例1.35歳女性。上顎左側側切歯,犬歯の 審美障害を主訴として来院。5級窩洞に対してオ ペークレジンを使用せずに A2,A3のみで充填し た。症例2.上顎右側中切歯の審美障害を主訴とし て来院。1級窩洞に対し,まずオペークレジンを使 用せずに A2のみで充填し,その後オペークレジ ンを使用して再度 A2を積層した。症例3.39歳 男性。詰めてある金属の色が気になるので白くした いとの主訴で来院。上顎左側第一大臼歯の咬合面に 対 し て オ ペ ー ク レ ジ ン を 使 用 し て A3を 積 層 し た。 成績:オペークレジンを使用せずに透明性の高い A2,A3のレジンペースト単色のみで充填した場 合,口腔内の背景色や濃い象牙質の色調を反映して 全体的に暗くなってしまい,窩洞周囲歯質との色調 適合性があまり得られなかった。窩底部に硬化した 褐色の象牙質がみられた症例や歯質の裏打ちを欠い た窩洞の症例では,オペークレジンを使用してから A2,A3のレジンペーストを積層した結果,良好 な色調が得られた。 考察:色調遮蔽性の高いオペークレジンの使用は, 形成した窩洞の残存歯質の色調が濃い場合,明度を 上昇させ色調のコントロールすることが出来るもの と思われた。また,口腔内の暗さが影響しやすいⅢ 級,Ⅳ級窩洞においても,舌側面に光透過性の低い オペークレジンを積極的に応用するべきであると思 われた。なお,欠損が大きなⅢ級,Ⅳ級窩洞では, シリコンパテを応用し,それをガイドとしてレジン を積層すると舌側面形態の賦与が容易となった。以 上のことから,より審美的に効率よくコンポジット レジン修復を行うためには,オペークレジンの使用 は効果的であると考えられた。