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  ネットワーク・サービスの普及と情報機器の多様化がパスワードに与える影響   (471.13KB)

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 パスワードはネットワーク・サービスにおけるユーザ認証の中心的存在 として現在も広く使用されている(Herley, Oorschot, & Patrick, 2009). パスワードの運用においては,強度の高いパスワードを適切に管理・運用 することが求められる.

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入力にもシフトキーの押下が必要となるため,小文字でパスワードを構成 しているものと思われる.また,パスワードの入力頻度についてまとめた 表5によれば,日に1回以上パスワードの入力を求められるサービスは, スマートフォンでもPCと変わらない程度にあるため,使い回しが行われ ているのではないかと推測される.  利用ネットワーク・サービスの重要性や,そのパスワードを秘匿するこ とへの認識は,小文字や数字を含む割合や有意味語の使用率,パスワード の使い回しに影響を及ぼしていた.表6にあるように,重要であると認識 されているサービスでは有意味語の使用率は少なく,使い回しも少なかっ た.  また,重要なサービスでは小文字を含む割合が減少し,数字は増加した. 同様の傾向はパスワードを秘匿することへの認識をもとにまとめた表8で も見られた.福田 (2006) では,さまざまな文字列の秘匿強度推定課題に おいて,英大文字や英小文字よりも数字を含む文字列のほうが,秘匿強度 は上がると実験参加者に判断された.今回の調査でも,数字に関する秘匿 強度特性の過大視によって,小文字よりも数字を使用したほうがパスワー ドの強度が上昇するとユーザは判断したものと思われる.  しかし,重要なネットワーク・サービスであっても,使用されているパ スワードは十分な強度を持っていなかった.大文字や記号の使用率は低く, 使い回しのパスワードの割合も4割を超えていた.パスワードの強度が不 十分であるという結果は,パスワード解析ソフトを用いることでユーザ のパスワード強度を検討したCazier & Medlin (2006) やHorcher & Tejay (2009) と一致するものといえるだろう.また,IPA (2014) では金銭に関 連したサイトであっても回答者の25.4%がパスワードを使い回していた が,本調査においても同様で,重要性の高いサービスでも使い回しは4割 を下回らなかった.ユーザの負担の少ない形でパスワード強度を向上させ るような教育,あるいはパスワード管理ソフトの導入を促すなどの対策に より,パスワードの強度を高め管理状況を向上させる必要があるだろう. Reference

Cazier, J., & Medlin, D. (2006). Password security: An empirical investigation into E-commerce passwords and their crack times.

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10.1080/10658980601051318

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参照

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