販売会社と地区販売会社*
瀬 戸 鷹 明
Ⅰ要 約
これまでの筆者の研究から,親メーカー軋射す−る販売会社(これを親メーカ ーーが国内市場紅於て自社製晶を・そ・こを通じて販売させる目的で出資。設立した 商事会社と定義する)の役割は産業資本に対する商業資本の役割一慮業資本の 生産物の価値を実現する機能と産業資本の生産物を自らの資本で買取るこ.とに
より産業資本の流動資本の回転を早め,産業資本の所要投下資本慮を少くする
(1)
機能一紅擬せられることが分った。この両機能は親メ−カ−・と販売会社の間の 取引を販売会社振出手形で決済することによって果されるが,との決済方法の 割合は会社数で0.5弱,売上高ク.エイトでは0.8台(いずれも1970年,1975年の
デー・タ)に.達する。
上でいうところの販売会社は所謂総販売会社である。それではメーカ−・−地 区販売会社というようにり総販売会社を有せず直接地区販売会社を有する層が 何故生ずるのか。総販売会社(以下ではこれを販売会社と呼ぶ)が存在する場
(2) 合でも,価値実現機能はその次の地区販売会社がこれを担う。
* 行政管理庁長官の許可を得て大蔵省法人企業統計調査調査票(法人名蒋)を使用し\で 行った「販売会社を有するメ−・・か−の数」〔4〕に関する郵送調査め結果を用いた研究の
−・部であり,日本経営学会関西部会(1977年5月,於大阪市立大学)において出された
「販売会社を介在させないで直接地区販売会社を有しているメ−か−があるのをどう説 明するか」という問題提起に答えることを目的としている。
(1)〔2〕,〔4〕,〔7〕,〔8〕,〔9〕
(2)販売会社も親メ・−・舟−より製品を買取り,代金の決済をする以上,親メ・−・カ一にと ってほこの段取ですで紅その生産物の価値は実現されている。これ紅対し地区販売会
社ほ小売商−(系列化している場合も含めて)なり直接ニレーザー・なり紅売ることによっ で親メ−カ−の生産物の価値を実現する。販売会社段階での価値実現を中間的,地区 販売会社段階でのそれを最終的と呼んで区別することが適当であろう。本文での地区 販売会社の価値実現機能はこの最終的の意味である。
第51巻 第5琶
・】−22−
554筆者の研究視点からほ,この地区販売会社が親メ一−カーの流動資本の回転を 早めるか,あるいは親メー・カ一紅とって販売会社の存在が必要でない程に流動 資本の回転が早い場合には,メーカ−・ほ直接地区販売会社を有することにな
る。このことをデータにより裏付けたのが本稿である。
地区販売会社との間に.販売会社を介在させるメ−カーと直接地区販売会社を 有するメー・カの売掛債権回転期間(除,販社振出手形銀行割引残)ほはば等し い(表ⅠⅠⅠ−1,ⅠⅠⅠ−2の1屑と.3層)か後者が短い(表ⅠⅠⅠ−1,ⅠⅠⅠ−2の2 層と3層)。このような数値が実現するのに与って力があるのほ前者に・対して
ほ販売会社,後者に対してほ販売金融会社である。
裏付けに用いられるデータが得られ・た調査の方法を次節で概説する。
ⅠⅠ調査の方法
1)1971年に資本金1億円以上の金製造企業(以下メ−カ−と呼ぶ)に・販売会
社を有するや否や,有している場合には.その有し方に・ついて郵送調査。回収率
(3)
98%。
2)販売会社を有する資本金1億円以上の金製造企業に,親メーか−・の売上高
とうち販売会社への売上割合(昭和45年産業連関表6桁分類に対応),販売会社 の資本金,従業員数,、チャネルについて郵送調査。未解答会社に・対して面接調
〈l) 査。回収率100%
3)1971年から1972年にかけて,2)の販売会社を有するメ・−か−のうち所謂 総販売会社(これを本稿では販売会社と呼び,地区販売会社と区別する)を有 するメ−カ−を母集団として無作為標本(62祉)を抽出し,こ.れに対して面接
(5)
調査を実施。
4)1976年7月から属年11月末にかけて同棲本に対して2度目の面接調査を実
(8) 施する。
/(3)〔1〕
(4)〔3〕
(5)〔4〕,〔9〕
(6)〔7〕,〔8〕
販売会社と地区販売会社
ーー2β−
555
5)1971年から1975年までの5年間に.販売会社を有するメ−か−の資本金規模 の変動,数の増減があるので,1975年末現在の母集団の確定を大蔵省法人企
(7) 業統計調査調査表(法人名簿)吟.基き郵送調査。回収率90%。1977年実施。
6) 5)で母集団を確定し,販売会社を有するメー・カーを追加抽出して−,面接謝
(8) 査を実施。1977年。
7) 5)の結果に基き,地区販売会社で全国の市場をカグァーしているメーカ
−・の全部に面接調査を実施。1977年。
本稿ほこの最後の7)で得られたデータを3),4)と比較している。
1)から7)を通じ用いられた層別,規模別,産業別分類はつぎの通りであ る。
層別
第1層 製品種類の全部または大部分を1つの販売会社に扱わせている
(例,トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売)
第2層 製造部門によって咋販売会社を設け,−・手紅扱わせている(例,東 京芝浦電気と束芝商事,日立製作所と日立家電販売)
第3層 地区ごとに販売会社を出資・設立して今国領場をカバ㌻(例,松下 電器産業と全国の地区販売会社)
第4層 特定の地区に販売会社を出資・設立している
第5層 製品の一一部または生産額の−・部を全国的に扱わせて1、る 規模別
A 資本金1億円〜10億円未満 B 資本金10億円〜50億円未満 C 資本金50億円以上
産業別1970年
1.食料品 2.繊維 3.パルプ・紙 4.化学 5.窯業・土石
(7)〔6〕
(8)面接禍査は完了したが,集計・分析が未了である。
第51巻 館5号
556
−24岬
6.鉄鋼 7.非鉄金属 8.金属製品 9.機械 10.電機(器)
11.輸送用機器 12.その他
1975年
18.食料品 20.繊維工業 21.衣服・その他の繊維 22.木崩木製品 2孔 パルプ。紙 26.化学工業 27.石油石炭 30.窯業・土石製品 31.鉄鋼業 32.非鉄金属製造 33.金属製品 34.・一・般機械器具 35.電気機械器具 36.輸送用機械器具 37.精密機械器具 38.船舶製
造・修理 39.その他の製造業1・2層の無作為棟木抽出
規模A,Bに対して軋摘抽出,C軋対しては現抽出。
回 答 拒 否,1970年 標 本、数,1970年
壷二讐」Ll_空
≡t…
1
∃;三消滅した標本数,1971年−1975年 標 本
回答拒否とほ販売会社設立の目的,アドプアンチイジ,マーケテイングチャ ネル,取引の決済方法という質的回答と筆者のF6RM(貸借対照表と損益計 算書紅あたるが,親メ」−か−と販売会社の関係を鼠的紅示すような項目,例え ば親メ・−か−の販売会社に対する売掛債権期末残高(受取手形,売掛金,短期 金銭債権),販売会社振出手形を受取った親メ」−か−がこれを銀行割引紅付し
た期末残高を含む)への記入という鼻的回答のどちらをも拒否したことを意味
する。1970年紅は,回答のあった標本のうち,規模Aの袈番又ほ現金決済のメー
販売会社と地区販売会社 ー25−
557
カ−の半数以上から鼠的回答がなかったが,1975年にはこれらのメーカーーの全 てから鼠的回答があった。
1970年に・ほ3層に対する面接調査は行わなかった。1975年現在の3層に.対す る面接調査はH抽出として行われたが,規模Bの11社のうち回答拒否3社,面 接に応じた8社のうち3社から鼠的回答があったのみで,この規模に対する調 査結果を他の規模と比較することは困難となった。そこで以下では規模AとC
を比較対照することとする。この比較は規模による親メー・カーと販売会社の関 係を鮮明にうきあがらせる結果となった。なお,AとCに‥おける恩的回答は鮪
と9i2である。しかしAの6のうち1社は物流としては地区販売会社へ,取引 としては大手商社との間となっており,集計計算の対象外とした。またCの9 のうち1社の値には異常借と冒されるものがあるので除外した。
3層(全数)
メ− カ一数,1975年 回 答 拒 否
諒、\空讐戸 A
B 】 C諒、・、華讐f A j B
15
3
計静の方法
各種回転期間の計算は,
当該項目の期末残高/売上高1ケ月分 を,損益計簸書の項目については,
分母を売上高とする こととした。
分子と分母に.ついてそれぞれ別々に.標本の全ての和をとり,しかるのち比を とる計算方法は規模の大きいメ[リトーの影響が大きく出るが,この方法を和一・
比と称する。これに対し,比を先紅とり,しかるのち和をとる(すなわち平均 をとる)方法を比→和と称する。この方法はどの標本点に.も同じウェイトを つけることを意味する。したがってある現象(例えば,販売会社振出手形の親 メ−か一による銀行割引)の及んでいる範囲をみるのに適している。
寛51巻 第5弓
−26− 558
ⅠⅠⅠ販売会社と地区販売会社の親メ−・カー紅対する役割 産業資本に.よるマーケテイングチャネルの選択は産業資本紅よる流通過程の 支配を含意する。この流通過程支配の具体的形態の1つが地区販売会社であ る。地区販売会社の設立は当該生産部門におけるメーカー間の市場争奪戦(具 体的にほ,大低の場合,従来代理店。特約店関係にあった地区ディ−ヲ−の争 奪)の産物であり,相対的紅優位に立つメ−・カーほ販路拡大のため,劣位に・あ
るメーカー・は先ずもって販路の維持のため紅地区販売会社を設立する。このよ うに地区販売会社惟親メ−・か−の生産物の価値実現機能を担う。
このように.,産業資本に.よる流通過程の支配ほ商業資本の排除をもたらす やミ,このことは必然的に商業資本の有する資本投下機能(自らの責任において
(Onits own account)産業資本の生産物を買取るために資本一自己資本であ れ,他人資本であれ,みずから調達した資本−を投下するという機能)の排除を 結果する。この矛盾の止湯形態の1つが販売会社である。したがって二販売会社
の親メーカーに対する役割は資本投下機能の発揮に.よる親メーカ−の生産物の 価値の実現と,流通過程支配の具体的形態たる地区販売会社を統括して親メノー カーの生産物の価値の最終的実現機能を発揮させることである。
メーカ−とその地区販売会社の間に.販売会社が介在しても,親メーカ一にと っで流動資本の回転が早まらないならば,翠メーか一軋とっての生産物の価値 実現ほ早まらない。こ.のような場合の販売会社に.は資本投下機能ほなく,地区 販売会社の統括機能のみが残る。しかしこの統括機能は親メ−カ−の販売部で
もこれを果すことができる。勿論実際には企業は生き物であり,企業によって ほ.別の結論も出ることがあるであろうが,論理的に.はこのようである。
上で販売会社の論理的前段階として地区販売会社を置いたのであるが,これ を袋付けるデータとして販売会社扱い(本稿でいう販売会社と地区販売会社の
(9) 両方が含まれる)に占める地区販売会社の扱い割合をみるに,0.856(1970年)
(9)〔8〕
−27−・
販売会社と地区販売会社 559
と極めて高い。
親メ−カ一に.とって.流動資本の回転が早まり,生産物の価値の実現が早まる
(10)
か否かは販売会社が介在している場合に.軋,データで裏付けることができる。
しかし地区販売会社のみを有するメー・カ−の場合に.は,販売会社を有するメ」−
カーの流動資本の回転期間との比較に依らざるを得ない。地区販売会社のみを 有するメ−カーの流動資本の回転期間が販売会社を有するメーカ−のそれより 短いか等しければ,販売会社の介在ほ必要がない。実際の計算に於ては,売掛 債権をもって流動資本を代表させる。
2
ている,すなわちメ−カー】一敗売会社一地区販売会社というシステム をとるメー・カーの極めて大きな部分が規模Cに属していること,今1つはメ⊥
カ−−販売会社仙地区販売会社払おける地区販売会社とメー・カー・−地 社における地区販売会社が流通過程におけるメーカーの支配,親メ−−カーの 価値実現機能,設立の経線,目的等において規模Cで差異のないことである。
表ⅠⅠⅠ−1,ⅠⅠⅠ−2は親メ−カ−の販売会社(1・2層),地区販売会社(3 層)に対する売掛債権回転期間(除,販売会社振出手形。地区販売会社振出手 形の銀行割引残)を和ヰ比,比→和の順に示したものである。どちらの計穿 方法に於いても,3層の回転期間が短い。このことは3層のCに.属するメL−カ
ーには販売会社を介在させる必要のないととを示すものである。
表ⅠⅠⅠ−1 回転期間,和→比,1975年度,規模C 単位 月
ー\−−・−− 目 層
3 層 1 1 屑 1 2 層
* 親メ−か−の販社に対する売掛債権 販社振出手形の親メ−・オーによる銀 行割引残
2..551 2.710
3、300
0.330 0.5190。6:弘
* 販社は販売会社(1・2層)と地区販売会社(3屑)を意味する0
(10)例えば〔7〕の363貫−368貢がこの袈付けに充て−られている。
貨51巻 第5号
−2β一 560
表ⅠⅠⅠ一2 回転期間,比→和,1975年度,規模C 単位 月
‥ごi・1 l・工 3 → 1 層 l 2 層
*
親メーカーの販社紅対する売掛債権 販社振出手形の親メーカL一による銀 行割引残
3.56 3.940 5.530 0.97 1.588 0.893
* 表ⅠⅠⅠ−1脚註参照
しかし,上の視点とほ・逆紅,何故親メー・カ−キ地区販売会社の間に販売会社 を介在させなければならないのかというように.問いを発するとすれば,表ⅠⅠⅠ−
1,ⅠⅠⅠ−・2からのみでほこれに.答えることができない。親メーカーの販売会社 に・対する売掛債権回転期間と販売会社の売掛槙樺回転期間(売上高ウェイトつ きすなわち和■−す比では販売会社の地区販売会社把対する売掛債権回転期間と
(11) 見倣して大きな過ちはない)の閤紅差があることが示されてはじめて,これに
対する解答となる。しかし,1975年度は経済変動の影響を受け,販売会社の 資本投下機髄がかなりの程度弱められているので,デー・タからほ答は無理であ る。表ⅠⅠト・3及び衰ⅠⅠⅠ・−4ほ1975年度現在での3層と1・2層を比較して示 す。3層は勿論,1・2層においても,販社(3層に‥おV、ては地区販売会社,
表ⅠⅠⅠ−3 回転期間,和→比,1975年,規模C 単位 月
3 周 一 l 層 1 2 層
(1)販社の売掛債権
(2)販社の受取手形銀行割引残
(3)薪メL−カ・−の販社紅対する売掛債梅
手形の那 ̄カ ̄紅よる銀
(4)
(5)〈(1)+(2)トー((3)十(4))
(6)販社の在庫
(7)(5)十(6)
2.034 2.876 2.655
0.1182.152 0.1002.976 0.0582.713 2.551 2.710 3.300
0.3302.881 0.5193.229 0.6353.935
−び.729 −・0.253 −・1.222
1.214 0.571 0.807 0.4850.31さ
−0.415(11)販売会社の介在するチャネル紅占めるメ・−カー叫販売会社…・地区販売会社の割 合は売上高クエイトで0.750と高い〔8〕。
販売会社と地区販売会社 −29−・
561
表ⅠⅠⅠ−4 回転期間,比→和,1975年ゝ 規模C 単位 月
* 販社は販売会社(1・2層)と地区販売会社(3層)を意味する。
1・2層においてほ販売会社)の売掛債権回転期間(含,販社の受取手形銀行 割引残)は親.メ−カ−・の販社に対する売掛債権回転期間(含,販社振出手形の 親メーカ一紅よる銀行割引残)よりも短い。
しかしこの1975年度の1・2層のデータは1973年11月より入った長期の不況 の影響を受けており,販売会社の資本投下機能はこのデーータでは販社振出手形 の親メ−カーに.よる銀行割引残回転期間という形でしか現われていない。この 1975年度のデータを経済の高度成長期の1970年度のデータ(表ⅠⅠⅠ−5,ⅠⅠⅠ−6)
表ⅠⅠⅠ−5 回転期間,和→比,規模C,1970年度 単位月
1 層 】 2 層
(1)販社の売掛債権
(2)販社の受取手形銀行割引残
(3)親メ−カーの販社紅対する亮掛債権 値)販社振出手形の親メ−カ一紅よる銀行割引残
(5)((1)+(2))−〈(3)+(4))
(6)販社の在庫
(7)(5)+(6)
4.004 4.237
0.064 4.068 0.195 4.432 2.436 3.426
0.810 3.246 0.937 4.363
0.822 0.069
0.466**
*1.288
* データなし
**1971年度の数値である。
策51巻 第5号
−∴鋸トー
562衷ⅠⅠⅠ・−6 回転期間,比→和,規模C,1970年度 単位 月
1 層 i 2 層
(1)販社の売掛債権
(2)販社の受取手形銀行割引残
(3)親メーカ−の販社に対する売掛債権
(4)販社振出手形の朝メーカーによる銀行割引残
(5)〈(1)+(2)〉【((3)+(4)〉
(6)販社の在庫
(7)(5)+(6)
4.269 4.380
0.251 4.520 0.380 4.760 2.522
3い222
1.657 4.179
1.473 4.695
0.341 0.065
0.539**
*
0.880
* データなし
**1971年度の数値である。
と比較すれば,販売会社の資本投下機能が,販売会社振出手形の親メーーカ−・に よる銀行割引残という形(1・2層)でのみならず,親メー・カ−の販売会社軋 対する売掛債権回転期間(含,販売会社振出手形の親メーか−紅よる銀行割引 残)よりも販売会社の売掛債権回転期間(含,販売会社の受取手形銀行割引残)
が長いという形(1層)で評価され得ることに.異論をさしはさむ読者はいない であろう。
1970年度の3層の地区販売会社も親メーーカ一に・対して1層の販売会社に比肩 し得る資本投下機能 】 親メ・−カ−の地区販売会社に対する売掛債権回転期間
(含,地区販売会社振出手形の親メ−カー・に・よる銀行割引残)よりも長い地区販 売会社の売掛債権回転期間(含,受取手形銀行割引残)−を泉していたので はないかという疑問には,≠」−タがないため,答えられないが,地区販売会社 の資本投下機能には限度があるということほデータで裏付けられる。表ⅠⅠⅠ−7 は販売金融会社,クレジット会社の売掛債権を地区販売会社に合体させた売掛 債権回転期間を示す。3層Cにおいて,販売金融会社(クレジット会社)と地 区販売会社を併設しているメーーカ−・は会社数で隼i5,データのある会社数で宛 である。地区販売会社(含,販売金融会社)の売掛債権回転期間(含,受取手 形銀行割引残)は,和→比で3.701,比→和で4.986,親メ「カ−の地区販売
販売会社と地区販売会社 表ⅠⅠⅠ−7 回転期間,3層C,1975年度
ー3J一川
単位 月 563
和一ナ比 l 比−す和
(1)地区販社の売掛債権(販売金融会社を含む)
3
8
5
3
(2)地区販社の受取手形銀行割引残 し 0.118 3.701 .655 4.986
(3)親メーカーの地区販社に対する売掛債権 2.551 3.560
(4)票昆販社振出手形の顛メ ̄カー紅・よる断■剖
伯)〈(1)十(2)トー〈(3)+(4け
16)地区販社の在庫
(7)(5)+(6)
0.330 2.881 0.966 4.526 0〜82
0小460
1.214 1.562 2.034 2.022
会社に対する売掛債権回転期間(含,地区販売会社振出手形の親メ−か一によ る銀行割引残)との差が0.82,0.4占0だけあり,販売金融会社の機能が販売会 社の資本投下機能に.匹敵するものであることを雄弁に.物語る。このことから推
して,1970年度においても,地区販売会社でほ.なく販売金融会社が販売会社と
(12)
同じ役割を担っていると考えて二大きくほ.誤らないであろう。
親メ′−カノー。販売会社間の流動資本の回転期間と販売会社の流動資本の回転 期間の正の差を販売会社が自ら調達した資本で負担する機能を第1種の資本投
(13)
下機能と呼び,販売会社振出手形の親メーカ−・による銀行割引を第2種の資本 投下機能と呼ぶことにして以上の議論を要約しよう。販売会社も地区販売会社
も規模Cに関する限り舞2穆甲資本投下機髄を有する。販売会社魔界1種の資 本投下機能をも有するが,3層の地区販売会社がこれを有するということは云 い難い。むしろ3屑にお/いてほ販売金融会社(クレジット会社とも呼ばれてい
る)がこれにあたる機能を有していると考えられる。もっとも,地区販売会社 の在庫機能ほ表ⅠⅠⅠ−7に.みるよ.うに.決して無視できない。現在ほ販売金融会
(12)「販売会社と販売金融会社」について別稿を準備中である。
(13)販売会社の売掛債権回転期間(含,受取手形の銀行割引残)と親メ−か−の販売会 社に対する売掛債権回転期間(含,販売会社振出手形の親メーカーに.よる銀行割引残)
の差が正である場合を指す。地区販売会社について考察する場合に.は;販売会社を地 区販売会社と読みかえればよい。
第51巻 算5号
564
−32−
社と地区販売会社が資本投下機能を売掛債権の買取りと在庫負担という形で分 担している段階といえようか。
比→和で販売金融会社を含んだ地区販売会社の売掛債権回転期間(含,受取 手形の銀行割引残)4.986ケ月(表ⅠⅠⅠ−7)が販売会社の売掛債権回転期間(含,
受取手形の銀行割引残)4.386(1廟),4.937(2層)に.近いことほ地区販売会 社の売掛債権回転期間(含,受取手形の銀行割引残)の長さに限界があること をうかがわせるが,このように.考えて.みると,規模A紅おける親メ・−カ−,地
区販売会社の各々の売掛債権回転期間が短いことに対する説明の困難さが緩和 される。
規模Aではメ」−・カ−・…販売会社一地区販売会社システムとメーカ−一
地区販売会社システムの比較考察が出来ない。何故なら,この規模には前者の
システムが存在していないからである。メーーカ−一版売会社−一地区販売会社システムの構築に・は地区販発会社化
(地元資本との合弁)のための(ノ1)彪大な投資,その上に・(2)長い流動資本 の回転期間という所要資本鼠の関係に加えて,(3)親メ−カーの製品の専売化
(14) が必要条件である。(2)の流動資本の回転期間が短く,したがってこの面での
資本負担がない場合には(1)と(3)を既存の支店・営業所でみたすことがで
きる場合がある。直接小売店・・ユ・−ザ一に販売している場合である。3層の規
(15)
模Aがこれに.あたる。表ⅠⅠⅠ−8ほ3層Aに・おける親メ」−カ−の地区販売会社に 対する売掛債権(含,地区販社選書手形・振出手形の親メーカー・に・よる銀行割 引残)と地区販売会社の売掛債権(含,受取手形割引残)を示すが,和→比で
2.412,1.764,比→和で3.019,1.919といずれも規模Cに・おける当該項目の 数値(表ⅠⅠトー3,ⅠⅠⅠ−4,ⅠⅠⅠ−7)より小さい。
(14)これを再生産と信用という観点からみれば次のようになる0個別資本の拡大再生産 のテンポは販売会社の介在により増大するが,
を果すための販売会社に.よる資本調達と第2種の資本投下機能)と増大する供給紅対 応する需要の安定的確保(地区販売会社レステムによる市場分乱参入障壁の構築)
が必要となる〔8〕0
(15)規模Aの7社中5社がこれにあたる○
販売会社と地区販亮会社 一一33−−・
565
表ⅠⅠトー8 匝Ⅰ転期間,3層,規模A,1975年皮 単位 月 和→比 l 比−ヰ和
1.722 1.860
(1)地区販社の売掛放権
(2)地区販社の受取手形銀行割引残
(3)親メ−−カ−の地区販社に対する売掛債権
(4)警誉姦芳節義形●振出手形の親メ ̄カ岬に
(5)〈(1)+(2)〉−((3ト+(4)〉
し61販社の在庫
(7)(5)+(6)
0.059 1.919 0.042 1.764
1.932 2.011
0.480*2.412 1.008 3.019
−0.648 −1.100 0.362 0.493
−0.286
−0.607
* 静香手形0.6,振出手形0.4の比である。
現実に.3層Aに属するメL−カー・にとって,条件(2)は無視できるということ が必ずしも1層から3層を通じて,一・般に規模Aでは条件(2)が無視できると いうことを意味しない。1・2層計に‖おける親メーカ−の販社に対する売掛債 権(含,販社振出手形の親メ−カ−・による銀行割引残)と販社の売掛債権は和→
比で4.145月,3.187,比→和で4.293,3.436であり,販社振出手形の親メ・−
カ一による銀行割引残は和→比で0.890月,比→和で1.435である(表ⅠⅠⅠ−9)云 表ⅠⅠⅠ−9 回転期間,1・2層,規模A,販社手形振出決済,1975年度
単位 月
和→比 l 比→和
2.134 2.560
1.053 3.187 0.876 3.436
(1)販社の売掛横棒
(2)販社の受取手形銀行割引残
(。3)親メ−・か−の販社に対する売掛債権
(4)販社振出手形の親メ−か−・による銀行割引残
(5)i(1)+(2))−・〈(3け(4)〉
(6J販社の在庫
(7)(5トト(61
3.254 2.858 1.435 4.293 ー0.958 −0.857
1.006 0.885
−0.048 −0.028
3層Aにおける メ」−か−−販売会社丁地区販売会社というシステム成
第51巻 第5胃
566
−34−
立の可能性ほ.,1・2層Aに.おける販売会社振出手形の親メ−・カ一による銀行 割引残の存在からみて,否定し去ることは出来ないが,以下の理由から極めて 困難である。まず3層Aの地区販売会社ほメ−カ−の支店・営業所の転化した ものであるという現実から出発しよう。メーか−とそ・の支店・営業所の間に販 売会社を置いた場合に.,その販売会社が振出した手形を銀行が割引く可能性は 殆んどない。したがって.販売会社はその機能を発揮し得ない。支店・営業所が 神立採弊制をとる等して,地区販売会社として分離独立した場合でも,販売会 社が手形を振出しても,販売会社の取引相手は地区版であり,メー・カー・一版 売会社一地区販売会社の資本の回転状況が銀行からみて.把握し難い場合が 多いであろう。
ⅠⅤ 親メ−カーの規模による地区販売会社の特徴 1. 目 的
地区販売会社設立の目的に.はAとCの間で質的差異がある。この質的差異は また設立前の形態,数,親メ−カ−の出資比率,親メーカ−・販売会社間の仕 切価格の決定方式にも現われている。仕切価格の決定方式は後述(本節の4)
することとし,ここではそれ以外を取り上げる。
Cに.おける目的は前節でも触れたように,メーカ−の市場支配,流通径路の 確保にある。当該産業において優位常.立つ巨大メーーカ−ほシェアをあげるため に,これも巨大ではあるが劣位にあるメーカーほ流通経路の確保。防衛のため に,かくして巨大メ−カーの集合としては市場の分割,参入障壁の構築,した がって市場の支配を目指すこととなる。方法ほ既存の地方卸商(地元資本)へ
〈16)
の資本垂加,あるいはこれとの合弁による設立である。
これに対しAにおける目的は地域の特性に合わせた営業活動,独立採算値の 重視(従業員の自覚)にあり,そのための支店。営業所の分離・独立にある。メ
−カ−との人事交流も行われ,同一・給与体系を採り,勤続年数のメーーか−・地
(16)戦略的に虜要な地域にはメ・−・カ−の100%出資で設立されることもある。
販売会社と地区販売会社
−β5−
567
区販売会社通算等が特徴的である。
地区販売会社の数はAの平均が15.7社,Cの平均が88.2社である。Aの7社 のうち3社が7地区販社,1社が6,1社が10と亨与が10地区販社以内である。
全国を7地区に分執担当している支店・営業所の分離独立とみなせるであろ う?Cの肌理細い分割と対照的であるが,メ−か−の規模(そして産業として の規模)の違いに由る。
メ−か−・の出資比率はAでは当然のことながら100%かそれに・近いの紅対し,
Cでは100%は1メ−カーー・のみ,上限がありかつ50%以上が残り11社の全てで ある。
2.取引の決済方法
メー・カーと地区販売会社の間の取引の決済方法に.もAとCの間で質的差異が ある。Aでほ手形裏書あるいは委託販売が粥であり,Cでは現金(4杜)ある いは地区販売会社手形振出決済(7社)が殆んど全て■(1ちi2)である。現金決
済には2つの種類があり,1つは親メ−カーの製品を受取った販売会社(1
・2層)なり地区販売会社(3層)が直ちに現金で決済する種のものであり,
今1つは販売会社なり地区販売会社が売上げて回収した手形を自らの手で換金 してこれを親メーーカ一に送る種のものである。第1の種類の現金決済は販売会 社なり地区販売会社紅資本力がある場合であり,第2の種類ほ資本力がなV■、場 合である。Cでは第1の種類が支配的である。なお親メ−カーほ地区販売会社 振出手形を受取り,これを必要に.応じて銀行割引に付する。
3.マーーケティングチャネル
Aでは,メ」−カー一地区販売会社−−−几二小売店が予も.メ−カ−一地区販売 会社−ニL−ザ−が祈で,メ−カ−の生産物の価値の実現という視点からほこ
の2つのチャネルの間に差はない。両チャネルの和で亨与を占める。残る2つほ,
メ−カ−一 地区販売会社一代理店−ノJ\売店 とメ−か丁−¶地区販売会
社一卸店−エ務店である。
Cでは,メ−カ−…地区販売会社−ノJ、売店が%1で1位,次いでメ−カ
←一 地区販売会社−ユ−ザ」−が予ilであり,Aで述べた理由でこの両者の
第51巻 第5号 568
−−β眉・−・
和をとると1ウilと圧倒的に高率である。残る1つは, メーー・カ−一地区販売会 社−一特約店一版売店−…・ユL−サーである。A,Cどららもステイ少数の短
(17)
V、のが特徴的である。
4.メ、−カ−・地区販売会社間の仕切価格の決定方式
1・2層払おけるメ−・カ−車販売会社の間の仕切価格の決定方式についてほ
〔7〕に譲る。メーか−と地区販売会社の闇の仕切価格の決定方式のうちCに ついては1・2層の表ⅠⅤ−−1紅おけるa紅dを加味したものに等しい。すなわ
ち,地区販売会社は価値実現機能を有し,舞2種の資本投下機能を有する点で 表ⅠⅤ・−1親メー・か−・と販売会社の間の仕切価格の決定方式の割合,1975年度
売上高クェ.イト 販社振出手形決済
95%CI 0.626 0.131 0.197 0.105 0.822 0.093 0.002 0.004 0.002 0.004
a b
a oI b
C
d
裳 審・現金決済 売上高ウェイト
95%CI 0.031 0.013 0.037 0.051 0.060 0.076 0.002 0.004 0.011 0.002 0.021 0.016
a a a
b C
d f
a:販売会社は機能的紅は商業資本 価格体系としてはメ・−カー・販売会社一・体
販売会社に−・定のマ−ジン率(この範囲内で販売会社ほ流通経費をまかない,利益
を出す)
aa:販売会社紅は収支トントン紅なるような仕切とする
(17)ステイジ数の詳細把.ついてほ〔5〕を参照されたい。
販売会社と地区販売会社
ーーβ7∴−
569
販売会社の営業努力があれば利益があがるよう粧する b:販売会社は機能的には商業資本
価格体系としてはメ−カ−・・販売会社−・体
メーカ・−,販売会社ともに赤字が出ないように仕切価格を協議し,全体としての利 益増大を目指す
販売会社のマ−・ジンはかなり政策的に設定される
販売会社のマーージンでカグァー・すべき項目 人件費
資金弼達に不便をきたさない程度の利益
販売経費(デイ−ラー手数料を含む)
運賃 貸倒祝失
C:メーカーは原価計昇に基き,原価十適正利潤で販売会社への仕切価格決定 d:仕切価格は決定しているが,売上実績に基いて奨励金的なもので調整 f:仕切価格なし
販売会社にほ利益を出させない 販売会社には売上高に応じて手数料
不十分ながら(第1膚の資本投下機能を有しないという意味で不十分ながら)
親メー・カ一に.対して商業資本として機能し,価格体系としてほメ−カ−・地区 販売会社T・体,地区販売会社に・Ⅵ・・定のマ一ジン率,もし地区販売会社軋赤字が 出るようなら東上実績に基いて奨励金的なもので割戻すことに・よって利潤を嘩
(18)
証,という決定方式である。この決定方式は〔7〕で述べているようにa,b が1・2層に.おける寡占企業に特有の仕噺決定方式であるように,寡占企業に 特徴的であるといえよう。
具体的な仕切の仕方を挙げて置こう。ユ−ザ・・一に.渡る最終販売価格(市場価 格)を100として,メノーJか−・の地区販売会社への仕切価格と地区販売会社の出 荷価格をメー ヵーが定める(不明の1社を除き11社全部)。地区販売会社のマー
ジンについては卸機能を担当している会社のマ−ジンほル、かはどであるべきか という考え方でメ−カ−が定める。この際,地元資本との共向出資なので,経 営が維持できるように利潤を出す仕切となっている(11社全部で,1pO%出資 はうち1社)。地区販売会社システムは同一・産業内の櫨数のメ−・カ・−が採用し ている場合が多く,この場合には地区販売会社間の比扱が可能であり,この点
(18)割戻し制度を採っていることが明らかな会社は11社中4社である。
策51巻 第5号
ー3β−
570からも利潤が残るように配慮されうるであろう。売上高を100とした経常利益 が比→和で0.175と1・2層の販売会社の0.134(標本調査なので推定値)を佳 に上回っており,和一ヰ比では.販売会社の1.033を下回わり,0.504となっている あたりに地区販売会社の安定振りがうかがえようか(次節の表Ⅴ−6,Ⅴ−12,
Ⅴ−11,Ⅴ一−5参照)。
Aに.おける仕切に.ついて。7社中5社が支店・営業所を分離独立させたもの であるが,この5社に共通の目的は営業所の管理方法として地区販売会社制度 を採用したことである。地域の特性紅合せた営業活動,独立採算の重視(社員 の自覚)を目的として営業所の管理方法の改革へと伺ったのである。管理の仕 切面における現れ方に2つあり,1つほメーカ「の地区販売会社への出荷価格 と地区販売会社の出荷価格を同一・にサーること,今1つはメーーか−の地区販売会 社への出荷価格を100以下に.仕切ることである。前者の方法でほ地区販売会社 は売上手数料収入によって人件費その他の諸経費をカグァ−し,後者の方法で はマーージン収入によって:カグァーする。ど.ちらの場合も地区販売会社毎の決算 が行われるところに.最大の狙いがあるようである。
Ⅴ 収益・費用
本節でほ3層のデー・タと1・2層のデTタをつき合せることに.より得られる 情報について考える。
3層Cの地区販売会社も1・2層Cの地区販売会社も価値実現機能を担う点 紅変りほない。しかし3層のCでほ現金決済が今鳥ある。この現金決済ほ親メー カーの製品と引換えに地区販売会社から直ちに.現金で決済される種類のもの
(ⅠⅤの2参照)であり,親メーカ−,地区販売会社ともにそれぞれの流動資本 の回転期間は短い。このことはまた販売金融会社の存在の意味でもある。1・
2層の地区販売会社は鱒動資本の回転期間が長い,それ故に販売会社が介在す るのであるが,3層はかかる論理と相容れない。
以上のことから,1・2層の地区販売会社と3層のそれほ回転期間でも収益
・費用でも同じ構成を示すとはいえない。しかし,価値実現機能という共通点
山一39−
販売会社と地区販売会社
571
から,−・般管理費・販売費についてこははば相似たものとなるのでほなかろうか0 したがって,3層の地区販売会社の一・般管理費・販売費の大きさを1・2層の 地区販売会社のそれに代えることも不可能ではなかろう。
この−・般管理費・販売費に.ついては,親メ」−カー・と販売会社の間の分割の様
子も3層との対比で分る。回転期間の計静軋参加した3層Cの会社数ほ.8社であるが,収益・費用に は7社が参加し,1社が欠けている。この欠けた1社は規模も巨大で業績でも 群を抜き,有する販売金融会社の機能も十分果されている。この会社が欠けた
表Ⅴ−1収益・費用,和→比,1975年度 3 層
100 100 100 82.687 83.72 92.02 16。250 12.28 6.73
1.063 4.00 1.24 2.239 2.53 1.53 2.851 5.60 2.16
* * *
0.451 0.93 0.62
(1) 100 100 100 100 76、・026 75り013 83・058 82小555
(2) (3)21・・174 21nO5616い30316u312
(4)と 2・800 3・9310…639 1・133
 ̄ 一
て三三≡ _;二二‥ミ ニ、‡二 ̄
(7) 5小402 2小394 *
*
(8)−・1.227 3一768 1・139 0巾504
註(1)売上高
(2)売上原価
(3)一・般管理費・販売費
(4)営業損益
㈲営業外収入
(6)営業外費用
(7)うち支払利息・割引料
(8)経常損益
* データなし
Aは袈書手形決済,Cは現金・地区販売会社手形振出し決済
** 資本金1億円以上の全製造業(除,船舶)大蔵省 法人企菓統討
*** 〝い1千万円以上の全卸売業 〝 〝
第51巻 第5号
−40㌧− 572
表Ⅴ−2 収益・費用,比→和,1975年度 3 層
地 区 販 売 会 社 親 メ ー カ ー
A ∃ e【c(整誓書警会)
A I C
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
㈲
100 100 100 100 100
73.377 75.004 20.324 20.070
6.299, 4・926 2.831 2.727
81.687 83.379 18.140 15.874
0.173 0.747 1.077 2.271
6.943 3.785 0.660 2.843
5.341 2ル796 * *
2..187 3.868 0.590 0.175
脚註紅ついては表Ⅴ−1を参爬のこと。
表Ⅴ−3 収益・費用,和→比,1975年度 1・2層
販 売 会 社 親 メ− カ・−
A
IC
A 】 C1 2 3 4 5 6 7 8
100 100
ウ9.523
85.11311.484 8.504 8.992 6.383 2.886 3.236 6.958 3.252 6.041 2.265 4.920 6.367 註 項目(1)〜(8)についてほ表Ⅴ−1参照
販売会社と地区販売会社 表Ⅴ−4 収益・費用,比→和,1975年度
1・2層
573
−4ユー
1 2 3 4 5 6 7 8
100 80.574 12.694
6.732 3.783 7.590 6.268 2.925
100 100 80.859 87.179 12.733 10.494
6.409 2.327 3.937 0.812 6.846 1.249 5.267 0.799 3.500 1.889
100 87.854 11.070
1.076 2.071 3.013 2.401 0.134 註 項目(1ト(8)については表Ⅴ−1参照
ことで,和一→比の収益・費用に対する影挙が大きいとみられるが,比・→和紅 射す−る影響ほ.封算方法の性質上,それはど大きくはないであろう。したがって 以下でほ比→和を主とし,和→比を従とすることにしよう。
3層の地区販売会社の−・般管理費・販売費ほ表Ⅴ−2より15.874である。
和→比で16.312(表Ⅴ−1)であるが,この値は資本金1千万円以上の全卸
(19)
売琴の6.73に比べ著しく高い。親メ−カ−・の値は比→和で20.070であり,和→
比の21.056は資本金1億円以上の仝製造業(但しノ,船舶製造・修理を除く)の 12.28に比べ著しく高い(表Ⅴ一2,Vt−1)。
親メ一九ーー販売会社システムでは,比→和で親メ−カ−・12.733,販売会社 11.070(表Ⅴ−・4)であり,和→比の親メ」−か−8.504,販売会社8.326(表Ⅴ一
台)は親メ−か−で金製造業より小さく,販売会社で仝卸売業よりやや高い。
3層のAについて−3層Cと同じこ.とがいえる。
表Ⅴ−・2より地区販売会社の値は比→和で18.140であり,和→比ほ16.303
(表Ⅴ−1)である。親メ−・カーの値は比→和で20.324(表Ⅴ−2),和→比
(19)比→和 に.当る統計ほ存在しない。
寛51巻 寛5号 574
ー42−・
で21.174(表VT1)である。・
親メーカー・一版売会社システムでは,比→和で親メーか−12.694,販売会 社10.494(表Ⅴ一4)であり,和→比で親メ→カー11.484,販売会社10・038
(表Ⅴ−3)である。
以上の数値ほ①親メーカー・の出荷価格はみずからの負担する一一般管理費・販 売費の大きさに依存し,④地区販売会社の一・般管理費・販売費の割合が大き い,の2点を示している。
付表1 親メ−カー・の回転期間 和→比,1975年度
3 層 単位 月
付表2 地区販東金社の回転期間 和→此,1975年度
3 層 単位 月 A I C IC
A 】 C
2.761 4.479 6.546 1.722 2.034 3.583 0.042 0.118 0ル118 0.362 、1.214 1.205 0.188 1.341 2.598 0.331 0.853 0.969 0.057 0.260 0い362 0。038 0小044 0.044 3ulO4 5.372 6.742 1.932 2.551
0.480 0.330 2.076
0㊥641 1・776
3・36 9.5389小712
0.25 0.30註(1)流動資産(含,受取手形銀行割引残)
(2)売掛債権(除,受取手形銀行割引残)
(3)受取手形銀行割引残
(4)在庫
(5)金融機関短期債入金
(6)自己資本(下期)
け)金融期間長期借入金
81親メ−カ叫・よりの長期借入金 i9J貸方合封(除,特定引当金)
Aは裏書手形決済,Cは現金・地区販売 会社手形振出し決済
註(1)地区販社に・対する売掛償権(除,
地区販社振出手形(C),裏番手 形(A)の親メ−カーに・よる銀行
割引残)
(2)地区販社振出手形(C),地区 販社蓑番手形(A)の親メ−カ丁に
よる銀行割引残
(3)金融機関短期借入金
(4)自己資本(下期)
(5)貸方合計(除,特定引当金)
(6)i(1け・(2)〉/(5)
Aは袋書手形決済,Cは現金・地 区販売会社手形振出し決済
寛51巻 第5号 575
付表3 親メ−カーの回転期間 比→和,1975年度
3 層 撃ノ泣 月
ー4∂−
付表4 地区販売会社の回転期間 比■→和,1975年度
3 層 単位 月
C(竪誓書警会)
A 】 C
2.011 3.560 1.008* 0ハ966 2h414 0.883 2323 2.673 11い123 10.059
0.27 0.45
(1
(2
(3
(4 r5
(6
3い107 6.499 8..773 1.860 2巾688 4.331 0.059 0..655
0小655
0い493 1.562 1.537 0い229 1巾335 2.754 0.413 01.784 0.878 0.088 0.4610り689
0.062 0..120 0.120 3.501 7.153 8.2297 8 9
註 比→和では分散を算出す・るが,掲出 略(1)〜(61,A,Cほ付表1に同じ
* うち0。582ケ月分は裏習手形割引 伺表5 親メ−カー・の回転期間
和→比,1975年皮
1・2層 単位 月
註 比→和では分散を静出するが,掲出略
(1)′・・(9),A,Cは.付表2に周じ
付表6 販売会社の回転期間 和→比,1975年虔
1・2層 蛍位 月
表音華讐I A
A F C1 2 3 4 5 6 7 8 9
3.429 4.897 2.063 2.822 0.286 0.089 0.670 0.628 0.04 1.258 0.243 0.507 0.067 0.268 0.027 0.126 3.515 5.319 2.891
2‖853
1,.7
0い547
2.291 1.137 2.552 2.506 12い910 8.786 0.36 0.39 註(1)販社に対する売掛債権(除,販社振 出手形の親.メーー・か一による銀行割引残)(2)販社振出手形の親メ・−カ一による銀
行割引残
(3)〜(6)付表1の脚註参照
Aは現金・裏書手形決済,Cは販売会 社手形振出し決済
註 項自(1トイ9匿ついては付表2参照 Aは現金・裏書手形決済,Cは販売会 社振出手形決済
算51巻 第5号
−′44−
576付表9 販売会社の回転期間 比−→和,1975年虔
1・2層 単位 月 付表8 親メ−カーの回転期間
比→和,1975年皮
1・2層 単位 月
A 】
C
A I C1 2 3 4 5 6 7 8 9
4.127 7.258 2.302 4.338 0.297 0.374 0.846 0.918 0.250 1.582 0.500 0.366 0.116 0.320 0.056 0.111 4.548 7.311 3.554 4.882
1.784 1.176 2.610 2.099 2.839 2.720 13.256 14.549 0.40 0.42 註 項目(1)〜(6)については付表5参照
ただし(4)に.ついては上,下平均
註 項目(1)〜(9)についてほ付表2参照 ただし(6)に.ついてほ上,下平均
参 考 文 献
〔1〕瀬戸贋明「販売会社に関する調査」『香川大学経済論劉44巻4・5・6合併号1972 年
〔2〕瀬戸贋明「流動資本の回転と販売会社」『経営学論集』44集 千倉書房1974年
〔3〕瀬戸贋明「販売会社の産業別ウェイト」『香川大学経済学部研究年報』151975年
〔4〕Seto H・,A studyof manufacturer,s sales companyinJapan based on a sample suI・Vey 訂香川大学経済論荘』48巻5・6合併号1976年
〔5〕Seto H・,Channel$Of distributionin tlle manufacturer s sales company systeminJapan『香川大学済経論叢』49巻2号1976年
〔や〕瀬戸贋明「販売会社を有するメ−・カ−・の数,1975年」『香川大学経済論劉5噌
3・4合併号1977年〔7〕瀬戸贋明「経済変動と販売今社」『香川大学経済学部研究年報』171977年
〔8〕瀬戸贋明「日本経済と販売会社」『経営学論集』48集 日本経営学会 千倉番房 1978年
〔9〕SetoH・,A study of the turnover of circulating capitaland man11fac−
tureI,s sales companyinJapan based on a sample survey,Research Paper
No.3,December1974,Department ofInformation Science,College of Economics,Kagawa University.
販売会社と地区販売会社
−−45−−
577
謝 辞
販売会社・販売金融会社のデータほメ−・カ−の販発戦略・戦力の全容を示すものであ り,企業機密紅属するものであることほ云うを倹たない。学術研究紅応ぜられた企業に・深 い敬意を表するとともに,感謝申し上げるものである。