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第2回スピリチュアルケア研究講演会 : 「自分らしさを求めるスピリチュアリティ : 乳がんの医療現場から」報告(2017年度聖学院大学総合研究所 スピリチュアルケア研究会主催」 利用統計を見る

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第2回スピリチュアルケア研究講演会 : 「自分らし さを求めるスピリチュアリティ : 乳がんの医療現 場から」報告(2017年度聖学院大学総合研究所 ス ピリチュアルケア研究会主催」

著者 小野 久志

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

巻 Vol.27

号 No.2

ページ 76‑77

発行年 2018‑03

URL http://doi.org/10.15052/00003399

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 2018年 1 月23日に、ヴェリタリス館教授会室に おいて、講師に尹玲花氏(mammaria tsukiji 院長)

を招致し、聖学院大学総合研究所主催による2017 年度第 2 回スピリチュアルケア研究講演会が開催 された。司会には松本 周氏(日本キリスト教団中 京教会牧師)があたった。降雪の影響もあったが 26名の参会者とともに熱い場が形成された。今年 度のスピリチュアルケア研究講演会は「生老病死 に寄り添う魂のケア−“いま”を生きること、“これ から”をみつめること−」をテーマとし、第 2 回で ある今回は、尹氏の医療実践に基づく、「自分らし さを求めるスピリチュアリティ−乳がんの医療現場 から−」の講演がなされた。外科専門医・乳腺専門 医である尹氏は、現在は乳がん専門クリニックを 開設している。

 講演では尹氏自身の阪神淡路大震災での母との 死別から、いのちに向きあうしごとを選んだ思い が語られ、ことに、女性としての悩みやケアにか かわる思いから現在に至ることが紹介されたうえ で、がんを経験すること、がんとであうこと、か

らみえてくるもの、を 3 つの受け止めとしてまと められた。

 それらは、尹氏によれば、・いのちとむきあう、 生き方を見つめなおす、・人とのつながりの確認、

と説明できるものであり、自己の死生観の再吟味、

自己の使命感の再認識、つながる人たちへの感謝、

と言い換えうるものではあるが、たとえば、人と のつながりにおいて、その想起が苦しみをもたら す場合もあることの説明には、医療現場での経験 に裏付けられた重みを感じることが出来た。さら に尹氏が、「わたしが出会った乳がんの女性たち」

として事例を紹介するなかで上記のまとめを深め るとともに、尹氏自身が医療者としての接し方の みならず、ひとりの女性としてのよりそい、の視 点からも感受した悩み、不安、尊重の思いを告げ てくれたことは講演に大きな深まりと高まりを与 えてくれるものであった。尹氏は最後に、「よりそ うことの追求〜どこまで、どれだけ〜」が、医療 との関わりの中での課題であると講演を締めく くった。

 質疑応答では、患者家族への配慮、余命告知の 是非、終末期をめぐるケア、などの問いに対し、

愛するものを失う予期にある家族には、正しい情 報提供が大切であり、その意味からも余命告知は 基本的にはつたえる、と考えているが、個々のケー スにおいてどのように伝えるかは検討が必要であ る、としたうえで、がんは死までの猶予がある病 気であるから、それまでの生をどうつくり上げる かを考えるためにも、また、どのように死を受け 止めるかにおいても、その人らしい生き方の支援 をしつつ、その方の素晴らしさや、その方と周り の方とのかかわりを医療者として言葉により伝え ていけるようにしたいと考えている、そのために は、その方が何を大切にして生きてこられたかを 医療者として受け止めておくことが重要、としめ くくったうえで、現代社会における「生きづらさ」

を乗り越えるためにも、弱者への支援の声を上げ

2017 年度 聖学院大学総合研究所 スピリチュアルケア研究会 主催

第 2 回スピリチュアルケア研究講演会

「自分らしさを求めるスピリチュアリティ 〜乳がんの医療現場から〜」報告

報 告

尹玲花先生(上段中央)、田村綾子研究代表(上段右)

松本周先生(上段左)

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ることの必要性を指摘して質疑応答をしめくくった。

(文責:小野久志[おの・ひさし]聖学院大学大学 院アメリカ・ヨーロッパ文化学研究科博士後期課 程)

参照

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