平成 26 年度有害化学物質リスク管理基礎調査事業 (精米中ヒ素含有実態調査)委託事業仕様書 1 事業の目的 ヒ素は、環境及び食品中に様々な化学形態で存在する元素であり、その形態によっ て生体内での動態や毒性が異なる。ヒ素のうち、無機ヒ素については、発がん性や皮 膚病変等の慢性経口毒性が確認されている。 日本人の主食であるコメは、これまで当省が実施した実態調査結果から他の農産物 に比べ総ヒ素濃度が高く、かつ、含まれるヒ素の大部分が無機ヒ素であることが確認 されており、コメは、国内農産物の中でも無機ヒ素の主要な摂取源であることが判明 している。当省ではコメ中ヒ素濃度の低減に向けた試験研究を、カドミウムとの関係 も踏まえながら、実施しているところである。 また、ヒ素は、農地を含む一般土壌環境中に広く存在する元素であるため、コメ中 ヒ素に対するリスク管理措置を検討していく上で、コメ中ヒ素の由来となる水田土壌 に含まれるヒ素の国内実態を網羅的に把握する必要がある。 このため、全国の水田の土壌及び当該水田で生産された水稲を採取、分析し、全国 の水田における土壌中ヒ素の含有実態を調査することを目的として、本事業では採取 された水稲から得られた玄米を精米にとう精し、精米に含まれるヒ素を分析する。 2 事業の実施期間 契約締結年月日から平成 27 年 3 月 24 日までとする。 3 委託業務の内容 本委託業務においては、 ・国産水稲玄米のとう精 ・精米中の分子種別ヒ素濃度の分析 を実施する。これらの主たる業務において再委託を行うことはできない。 4 玄米試料のとう精業務 (1)試料の受取 分析に用いる試料について、受託者(以下「乙」という。)は以下に定める方法 により試料の受取及び保管を行う。 ① 玄米試料の受取 乙は、甲が指定する機関から、1点あたり 200 g 程度の玄米 1,050 点(最大 数)を送料着払いにて受け取ること。受取に係る費用は乙の負担とすること。ま た、使用時以外は冷蔵庫(4℃目安、以下同様)で保管すること。 ② 試料受取の報告 乙は、試料を受け取った週の翌週月曜日(月曜日が休日の場合は翌日)に、そ の前週の試料受取状況について、消費・安全局農産安全管理課(以下「甲」とい
2 -う。)が別途指示する様式を用いて、メール等にて甲あて報告するものとする。 (2)とう精及び保管 受け取った各玄米試料について、以下の条件でとう精を実施する。とう精の実施 に当たっては、実施条件を満たしていることを事前に甲の確認を得た上で行うこ と。 ① 精米機の条件 ・200 g 程度の試料をとう精できること ・コメやぬかの混入を防ぐため、内部の清掃が可能であること ・むらなく均一にとう精できること ・家庭用精米機の使用は不可 ② とう精の条件 ・受け取った玄米試料を全てとう精すること ・とう精歩合は 91±1%であること ・全試料について、同一の精米機を用いること ・1試料毎に内部の清掃を必ず行い、米やぬかの混入を防ぐこと ・各とう精実施日の開始時においては、市販されている玄米1を用い、とう精歩 合が 91±1%となるとう精条件を求め、各試料のとう精も同様の条件で実施 すること。 ・各試料のとう精の度に、とう精後の精米重量にとう精前の玄米重量を除してと う精歩合を求めること。とう精歩合が指定の範囲内であることを確認するま で、次の玄米試料のとう精を行ってはいけない。 ・とう精歩合が連続して(3回程度)90%近傍もしくは 92%近傍である場合、 またはとう精歩合が 91±1%から外れた場合は、市販玄米を用いて決められ た範囲に収まるように調整した上で進めること。とう精歩合が 91±1%から 外れた試料については、市販玄米を用いて調整した上で、再度とう精を行うこ と。ただし、歩留まりを常時測定または算出できる精米機を使用する場合はこ の限りでない。 各試料のとう精歩合については、とう精を行った全ての試料(とう精条件の調整 に用いた市販玄米を含む。)について、別途甲が指定する様式に記録し、週に最 低1回、甲に提出すること。甲の確認が取れるまで、精米試料の「5 分析業 務」は行わないこと。 精米については冷蔵庫で保管するとともに、甲が廃棄を指示するまで、分析後の 残試料についても冷蔵庫で保管すること。 1 とう精を行う玄米試料と同品種であることが望ましい。
5 分析業務 (1)試料の分析種、品目及び点数 ① 分析種:水分、分子種別ヒ素(詳細は別表を参照) ② 品目及び点数:4においてとう精後の精米 1,050 点(最大数) (2)分析の実施 ① 分析法 乙は、各試料について、別表に示す分析・測定項目を同表に定めた分析・測定 方法により分析・測定(以下「分析」という。)すること。また、分析を行うに あたっては、標準手順書を甲に提出すること。 なお、乙は甲と協議の上、上記の分析方法に変更を加えることができるものと するが、この場合は試験室間共同試験又は単独の試験室における妥当性確認によ り分析法の妥当性について確認を行うこと。さらに、乙は甲と協議の上、上記以 外の分析方法のうち試験室間共同試験における妥当性確認等によりその妥当性が 確認されている分析方法を本調査の分析方法として用いることができるものとす る。 水分については、ヒ素の分析と同時期に測定すること。また、別表以外のヒ素 の分子種の存在が確認された場合は、直ちに甲まで連絡すること。 ② 分析法の事前確認(水分測定を除く。) 乙は、試料を分析する前に、ア)については分析法の目標値等を設定し、イ)~ エ)については、採用する分析法が同項の基準を満たしていることを確認し、甲 の確認を受けること。 ア)検出限界及び定量限界 検出限界値及び定量限界値の目標値並びに各々の定義及び算出方法を報告す ること。 また、分子種別ヒ素の定量限界がそれぞれ 0.02 mg/kg 以下であること。こ れらよりも大きい定量限界を採用する場合は、あらかじめ甲の了解を得るこ と。 イ)検量線の作成 標準試薬を用い調製した 5 種類以上の濃度(定量限界付近の濃度を必ず 1 点 含めること。)の標準試料の測定を行って検量線を作成し、その相関係数が 0.99 以上であること。 なお、標準試薬の入手先、純度、純度測定(必要に応じて)、標準溶液の調 製法及び検量線の直線範囲も報告する。 ウ)添加回収試験(真度) 別表にある全分析項目(水分測定を除く。)について、少なくとも 2 種類の 濃度(定量限界値程度及び定量限界値の 10 倍程度の濃度)において添加回収 試験を 3 回以上行い、その結果から添加回収率を算出し、メチルアルソン酸 以外においては、添加回収率が 80~110%の範囲であること。
4 -添加される試料のブランク値が検出限界未満であるか、検出限界以上である かに応じた計算式も報告する。また、添加回収率の算出に当たり外れ値があ る場合は、外れ値の検定を行い、外れ値の棄却の有無も報告する。 なお、試験に用いる品目については、甲と協議の上決定すること。 エ)測定の不確かさ 別表にある全分析項目(水分測定を除く。)について、2 種類の濃度(定量 限界値程度及び定量限界値の 10 倍程度の濃度)において 8 回以上の繰り返し 精度試験を、3 以上の異なる条件(それぞれの繰り返し精度試験を 3 以上の異 なる試験室で実施。又は、3 以上の異なる日に同一試験室で実施。)で行い、 ここで得られた分析値の相対標準偏差(中間精度:RSDi)を当該分析の「測 定の不確かさ」とし、メチルアルソン酸以外においてはその値が 22%以内で あること。繰り返し精度試験においては、分析の全過程(分析用に調製した 試料から分析試料を採取するところから)を繰り返すこと。 測定の不確かさの算出に当たり外れ値がある場合は、外れ値の検定を行い、 外れ値の棄却の有無も報告する。 また、同一条件で行った繰り返し精度試験における分析値の相対標準偏差 (併行精度:RSDr)を算出し、メチルアルソン酸以外においては、その値が 15%以内であること。 ③ 内部精度管理 乙は、②に示された全分析項目(水分測定を除く。)について、分析期間中に 「食品衛生検査施設等における検査等の業務の管理の実施について(平成 9 年 4 月 1 日衛食第 117 号)」の別添「精度管理一般ガイドライン中」のⅡの 3 に規定 された頻度で、以下の試験を行い、各要件を達成したことについて甲に報告し、 その確認を受けるものとする。 ア)真度 ②のウ)と同一手法で添加回収試験を行い、試験日毎に添加回収率を算出す ることとし、メチルアルソン酸以外においては、その値がいずれも 80~110% の範囲であること。 イ)併行精度 ②のエ)と同一の手法による繰り返し精度試験を行い、試験日毎の相対標準 偏差(RSDr)を算出することとし、メチルアルソン酸以外においては、その値 が 15%以内であること。 ④ 有効数字 分析値の有効数字の桁数は 2 桁とし、分析値を求める際はその桁数より 1 桁多 く求め、多く求めた 1 桁について四捨五入すること。ただし、分析値の 1 桁目が 定量限界として求めることのできる位以下となる場合には、有効数字は 1 桁とす ること。 (3)分析結果の報告 乙は、全試料の分析終了後、速やかに分析結果をとりまとめの上、甲あて報告書 を 1 部提出するとともに、併せて電子媒体により提出すること。なお、分析結果
の報告にあっては別添の分析機関記入様式によること。 このとき、「分析機関記入様式」の「9.測定の不確かさ」においては、「同一 試料を用いた繰り返し精度(n = 7 以上)」には(3)の②のエ)で算出した 2 種 類の濃度における併行精度(RSDr)を記載するとともに、「上記以外の方法で求め た不確かさとその推定方法」の記載欄には、同じく(3)の②のエ)で算出した 2 種類の濃度における中間精度(RSDi)を記載する。同欄の「推定方法」には、精度 試験の繰り返し数(n)、3 以上の異なる条件(各試験室名又は各試験日)等を記 載する。 6 記録の保存 乙は、本業務に関する記録を、分析が終了した年度の翌年度から 5 年間保存するこ と。その間の記録の取扱いについては、「行政機関の保有する個人情報の保護に関す る法律」(平成 15 年 5 月 30 日法律第 58 号)第 7 条に基づき十分配慮しなければな らない。 7 その他 ① 本事業における人件費の算定等に当たっては、「委託事業における人件費の算定 等の適正化について」(平成 22 年 9 月 27 日付け 22 経第 961 号大臣官房経理課長 通知)によるものとする。 ② 乙が行った分析業務の内容(分析法の事前確認、内部精度管理を含む)及び測定 結果に明らかな欠陥があり、再測定の必要が認められる場合は、農林水産省担当官 と協議を行った上で、再測定を行うこととする。なお、これに係る経費は乙の負担 とする。 ③ 本仕様書に定めていない事項又は本業務の実施に当たり疑義が生じた場合は、乙 は、必要に応じて甲と協議するものとする。
6 -(別表) 精米の分析・測定項目及び分析・測定方法 分析・測定項目 分析・測定方法 水分 5訂日本食品標準成分表分析マニュアルに記 載された手法 無機ヒ素 別添に記載された手法 ジメチルアルシン酸 別添に記載された手法 メチルアルソン酸 別添に記載された手法
HPLC-ICP/MS を用いたコメ中分子種別ヒ素分析法(フローチャート)
コメ粉末試料を 0.5 g 分取し、10 mL 試験管に入 れ る 0.15 mol/L HNO3 2 mL を添加 共栓でゆるくフタをし 100℃前後で 2 時間加 熱 室温まで冷却 超純水を 2 mL 添加 遠心分離(2,000~2,600×g 程度で 10 分) 上澄液をデカント 残渣 (2 回繰り返す) 超純水を 2 mL 加えかき混ぜる 10 mL メスフラスコに移し、定容 メンブランフィルターを 用 い 、バイアル瓶にろ 過 HPLC-ICP/MS で定量分析 ・HPLC 条件 カラム:ODS(C18) 粒子径 5 mm, 4.6 mm i.d. × 250 mm, Shiseido Ltd., Tokyo, Japan溶離液:1-ブタンスルホン酸ナトリウム 10 mmol/L、 マロン酸 4 mmol/L、 TMAH(Tetramethylammoniumhydroxide) 4 mmol/L 、 メ タ ノ ール 0.05%(v/v)、pH3.0 流量:0.75 mL/min(例) ・ICP-MS 条件 RF 出力:1.6 kW(例) キャリアガス:0.70 L/min(例) シグナルイオンモニタリング(測定質量数):m/z = 75 参考:
・Takanori UKENA et al., "Speciation and Determination of Inorganic Arsenic in Rice Using Liquid Chromatography-Inductively Coupled Plasma/Mass Spectrometry: Collaborative Study", Journal of AOAC International Vol. 97, No. 3, 2014
・Tsutomu NISHIMURA et al, "Determination Method for Total Arsenic and Partial-digestion Method with Nitric Acid for Inorganic Arsenic Speciation in Several Varieties of Rice ", Food Hyg. Saf. Sci., Vol.51, No. 4, pp.178-181, 2010.
分析機関記入様式 - 1 -
分析報告書様式
(サンプリングも実施した場合は C.サンプリングについても記載すること) 記載日: 年 月 日 分析機関 名称 住所 担当者名 A.分析 1.分析種/食品・マトリックス 分析種 食品・マトリックス 2.試料(Laboratory sample) 受入日 受入状態 保管方法 (原則として、受け入れから数日以内に分析するのでなければ -20C 以下で冷凍すること)(受け入れから分析までの冷凍期間が 2 ヶ月を越す場合は貯蔵試験をすること)(replicate sample を冷 凍貯蔵しておくこと) 3.試料調製 試料調製法(詳細) 4.分析法 分析法のSOP のコピーを添付すること(リファレンスも記載せよ) 5.分析法の妥当性確認 (該当する項目のボックスをクリックしてください) 妥当性確認の有無 妥当性確認済み 妥当性未確認 室間共同試験による(報告書・論文を添付のこと) 単一試験所による(報告書を添付のこと) その他の方法による( ) 妥当性確認を行った マトリックス 6.検出限界、定量限界 検出限界 (定義又は算出方法) ( ) 定量限界 (定義又は算出方法) ( ) 7.検量線 標準試薬の入手先 標準試薬の純度 (使用時の純度) 標準試薬の同定法 (確認していない場合はその旨を記載せよ) 標準溶液の調製法 検量線の直線範囲8.標準添加回収率(添加した試薬の回収率) 添加される試料 添加する試薬 添加濃度 (最低限2 種類(LOQ と基準値濃度)で行うこと) 試験回数 回 (最低3 回行うこと) 各添加濃度におけ る回収率及び RSDr (それぞれの試行について数式とともに記載せよ)(ブラン ク値が<LOD であるのか、≥LOD であるのかに応じて計算式を考 えること)(Excel または同等のスプレッドシートによる提出も可、 その場合はその旨記載) 分析値の回収率に よる補正 補正あり 補正なし 9.測定の不確かさ(分析の全過程を繰り返すこと) 同一試料を用いた繰り返し 精度(n=7 以上) RSDr= (濃度 において)(2 種類の濃度で実 施すること) 上記以外の方法で求めた 不確かさとその推定方法 推定方法: 10.分析値 分析点数 個々の分析結果 Excel または同等のスプレッドシートを用いて試料番号、分析値、分 析日を報告すること。 (外れ値と思われる分析結果についても除外せず報告すること。検出 限界未満の結果については「<検出限界値」のように、検出限界以上 かつ定量限界未満の結果については、数値を報告すること。) 基準値への適合性を検証する場合、基準値の最下位桁よりもう一桁下 まで分析値を示すこと。ただし、定量限界の有効数字が1 桁の場合は、 その桁より下の桁は示さない(つまり、定量限界近辺では有効数字一 桁になる)。検出限界から定量限界の間の数値についても同様。
- 3 - B. 分析機関 1.内部精度管理 方法 (一般的には、厚生省のGLP ガイドライン(平成 9 年 4 月 1 日通 知「食品衛生検査施設等における検査等の業務の管理の実施につい て」)に従うこと) 頻度 2.外部精度管理(類似のmatrix/分析種の組み合わせであること) 過去2 年以内に Proficiency testing に参加したか? 参加 不参加
時期(年月) プロバイダー マトリックス 分析種 結果 新たな行が必要な場合は、行の終わりでタブキーを押すこと 3.ISO /IEC 17025:2005 認定を受けているか? 受けている 受けていない どの組織から: 分析のマトリックス: 分析種:C. サンプリング(サンプリングも実施した場合) リファレンス及び方法 を記述 (各段階におけるサンプ ルサイズについても記 載すること)
委託事業における人件費の算定等の適正化について
平成22年9月27日22経第961号 農林水産省大臣官房経理課長通知1.委託事業に係る人件費の基本的な考え方
(1)人件費とは委託事業に直接従事する者(以下「事業従事者」という。)の直接作業 時間に対する給料その他手当をいい、その算定にあたっては、原則として以下の計算 式により構成要素ごとに計算する必要がある。 また、委託事業計画書及び実績報告書の担当者の欄に事業従事者の役職及び氏名を 記載すること。 人件費= 時間単価※1 × 直接作業時間数※2 ※1 時間単価 時間単価については、契約締結時に後述する算定方法により、事業従事者一人一人 について算出し、原則として額の確定時に時間単価の変更はできない。 ただし、以下に掲げる場合は、額の確定時に時間単価を変更しなければならない。 ・事業従事者に変更があった場合 ・事業従事者の雇用形態に変更があった場合(正職員が嘱託職員として雇用され た等) ・委託先における出向者の給与の負担割合に変更があった場合 ・超過勤務の概念がない管理職や研究職等職員(以下、「管理者等」という。) が当該委託事業に従事した時間外労働の実績があった場合 ※2 直接作業時間数 ① 正職員、出向者及び嘱託職員 直接作業時間数については、当該委託事業に従事した実績時間についてのみ計 上すること。 ② 管理者等 原則、管理者等については、直接作業時間数の算定に当該委託事業に従事した 時間外労働時間(残業・休日出勤等)を含めることはできない。ただし、当該委託事業の遂行上やむを得ず当該委託事業のために従事した時間外労働にあって は、直接作業時間数に当該委託事業に従事した時間外労働時間(残業・休日出 勤等)を含めることができることとする。 (2)一の委託事業だけに従事することが、雇用契約書等により明らかな場合は、上記に よらず次の計算式により算定することができる 人件費= 日額単価 × 勤務日数 人件費= 給与月額 × 勤務月数(1月に満たない場合は、日割り 計算による)
2.受託単価による算定方法
委託先(地方公共団体を除く。以下同じ。)において、受託単価規程等が存在する場合 には、同規程等における単価(以下、「受託単価」という。)の構成要素等の精査を委託 契約締結時に行った上で、受託単価による算定を認める。 ○ 受託単価の構成要素を精査する際の留意点 ア 事業従事者の職階(課長級、係長級などに対応した単価)に対応しているか イ 受託単価に人件費の他に技術経費、一般管理費、その他経費が含まれている 場合は、各単価及びその根拠を確認すること ウ 受託単価に技術経費、一般管理費等が含まれている場合は、委託事業計画書及 び委託事業実績報告書の経費の区分欄に計上する技術経費、一般管理費に重複計 上されていないか確認すること。 <受託単価による算定方法> ○正職員及び管理者等の時間単価は、受託単価規定等に基づく時間単価を使用するこ と。 ○出向者、嘱託職員の受託単価計算 事業従事者が出向者、嘱託職員である場合は、受託単価規程等により出向者受託単価、嘱託職員受託単価が規定されている場合は、それぞれの受託単価を使用すること ができる。ただし、出向者及び嘱託職員に係る給与については、委託先が全額を負担、 一部のみ負担、諸手当が支給されていない等多様であるため、適用する受託単価の構 成要素のうち人件費分について精査し、後述する実績単価により算出された人件費単 価を超えることは出来ない。
3.実績単価による算定方法
委託先に受託単価規程等が存在しない場合には、時間単価は以下の計算方法(以下「時 間単価計算」という。)により算定する。(円未満は切り捨て。) <実績単価の算定方法> ○正職員、出向者(給与等を全額委託先で負担している者に限る)及び嘱託職員の人 件費時間単価の算定方法 原則として下記により算定する。 人件費時間単価=(年間総支給額+年間法定福利費等)÷年間理論総労働時間 ・年間総支給額及び年間法定福利費の算定根拠は、「前年支給実績」を用いるもの とする。ただし、中途採用など前年支給実績による算定が困難な場合は、別途委託 先と協議のうえ定めるものとする(以下、同じ。)。 ・年間総支給額は、基本給、管理職手当、都市手当、住宅手当、家族手当、通勤手 当等の諸手当及び賞与の年間合計額とし、時間外手当、食事手当などの福利厚生面 で支給されているものは除外する(以下、同じ。)。 ・年間法定福利費等は、健康保険料、厚生年金保険料(厚生年金基金の掛金部分を 含む。)、労働保険料、児童手当拠出金、身体障害者雇用納付金、労働基準法の休 業補償及び退職手当引当金の年間事業者負担分とする(以下、同じ。)。 ・年間理論総労働時間は、営業カレンダー等から年間所定営業日数を算出し、就業 規則等から1日あたりの所定労働時間を算出し、これらを乗じて得た時間とする(以 下、同じ。)。 ○出向者(給与等の一部を委託先で負担している者)の時間単価の算定方法出向者(給与等の一部を委託先で負担している者)の時間単価は、原則として下記 により算定する。 人件費時間単価=委託先が負担する(した)(年間総支給額+年間法定福利費 等)÷年間理論総労働時間 ・事業従事者が出向者である場合の人件費の精算にあたっては、当該事業従事者に 対する給与等が委託先以外(出向元等)から支給されているかどうか確認するとと もに、上記計算式の年間総支給額及び年間法定福利費は、委託先が負担した額しか 計上できないことに注意すること。 ○管理者等の時間単価の算定方法 原則として管理者等の時間単価は、下記の(1)により算定する。ただし、やむを 得ず時間外に当該委託事業に従事した場合は、(2)により算定した時間単価を額の 確定時に適用する。 (1)原則 人件費時間単価=(年間総支給額+年間法定福利費等)÷年間理論総労働時間 (2)時間外に従事した場合 人件費時間単価=(年間総支給額+年間法定福利費等)÷年間実総労働時間 ・時間外の従事実績の計上は、業務日誌以外にタイムカード等により年間実総労働 時間を立証できる場合に限る。 ・年間実総労働時間=年間理論総労働時間+当該委託事業及び自主事業等における 時間外の従事時間数の合計。
4.一般競争入札により委託契約を締結する場合の例外について
一般競争入札により委託契約を締結する場合、受託規程で定める単価よりも低い受託単 価又は本来の実績単価よりも低い実績単価を定めている場合は、精算時においても同単価 により人件費を算定すること。5.直接作業時間数を把握するための書類整備について
直接作業時間数の算定を行うためには、実際に事業に従事した事を証する業務日誌が必 要となる。また、当該業務日誌において事業に従事した時間のほか、他の業務との重複が ないことについて確認できるよう作成する必要がある。 【業務日誌の記載例】 ① 人件費の対象となっている事業従事者毎の業務日誌を整備すること。(当該委託事業 の従事時間と他の事業及び自主事業等に係る従事時間・内容との重複記載は認められな いことに留意する。) ② 業務日誌の記載は、事業に従事した者本人が原則毎日記載すること。(数週間分まと めて記載することや、他の者が記載すること等、事実と異なる記載がなされることがな いよう適切に管理すること。) ③ 当該委託事業に従事した実績時間を記載すること。なお、従事した時間に所定時間外 労働(残業・休日出勤等)時間を含める場合は、以下の事由による場合とする。 ・委託事業の内容から、平日に所定時間外労働が不可欠な場合。 ・委託事業の内容から、休日出勤(例:土日にシンポジウムを開催等)が必要である場 合で、委託先が休日手当を支給している場合。ただし、支給していない場合でも委託先 において代休など振替措置を手当している場合は同様とする。 ④ 昼休みや休憩時間など勤務を要しない時間は、除外すること。
⑤ 当該委託事業における具体的な従事内容がわかるように記載すること。なお、出張等 における移動時間についても当該委託事業のために従事した時間として計上することが できるが、出張行程に自主事業等他の事業が含まれる場合は、按分計上を行う必要があ る。 ⑥ 当該委託事業以外の業務を兼務している場合には、他の事業と当該委託事業の従事状 況を確認できるように区分して記載すること。 ⑦ 委託先における勤務時間管理者は、タイムカード(タイムカードがない場合は出勤簿) 等帳票類と矛盾がないか、他の事業と重複して記載していないかを確認のうえ、記名・ 押印する。 附 則 (施行期日) 1 この通知は、平成22年9月27日以降に制定する委託事業仕様書等に基づく委託事 業から適用する。 (経過措置) 2 この通知の施行日現在、既に制定されている委託事業仕様書等に基づき実施されてい る平成22年度の委託事業における人件費の算定等について、当該委託事業に係る委託 元又は委託先において本通知の趣旨を踏まえた対応が可能な事項がある場合には、当該 事項については、本通知により取り扱うものとする。 3 前項の委託事業仕様書等に基づく委託事業を平成23年度以降も実施する場合には、 本通知を適用する。