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都市街路空間の熱環境計測とヒートアイランドシミュレーション

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(1)

都市街路空間の熱環境計測とヒートアイランドシミュレーション

Measurement of Urban Thermal Environment and Simulation of Urban Heat Island

齋藤 武雄*1

伊藤 智*2

山田 昇*3

Takeo S. Saitoh Satoshi Ito Noboru Yamada

*

1ハービマンエネルギー戦略研究所 HARBEMAN Energy Strategic Institute

*

2 東北大学大学院環境科学研究科

School of Environmental Studies, Tohoku University

*

3 長岡技術科学大学 Nagaoka University of Technology

Corresponding author: Takeo S. SAITOH, [email protected]

ABSTRACT

This paper describes a field measurement of urban thermal environment and a three-dimensional simulation of urban heat island in Tokyo metropolitan area. The field measurement results show that the present status of ambient temperature, relative humidity, and radiative heat flux in an urban street canyon in typical summer condition. The simulation results show that the maximum ambient temperature increase up to 45.5°C in 2031, and also show that the effect of “Tokyo wall” which is a cluster of high-rise buildings. The ambient temperature increase around the Tokyo wall is less than 0.1°C.

キーワード:ヒートアイランド, 熱的快適性, 熱ふく射, 移動観測, 数値シミュレーション

Key Words : Urban heat island, Thermal comfort, Radiation flux, Field measurement, Computer simulation

1. 緒 言

近年,地球温暖化問題をはじめ,異常気象,オゾン層の 破壊等,人間をとりまく環境は徐々に悪化しつつある.ま た,それらに起因する食糧不足などの問題は,健康被害の みならず,多くの生命を奪うことが予想される.

このような地球規模の環境問題に加えて,身近な生活環 境の悪化も大きな問題である.ヒートアイランド(都市温 暖化)(1)や光化学スモッグなどの問題は,その被害者にと っては地球温暖化問題より大きな問題と映るかもしれない.

地球

環境問題と

地域

環境問題.これらは明確な区別 なく用いられることが多いが,どちらに焦点を絞るかによ って,その対策は大きく変わってくることがある.例えば,

自動車の燃料に関する各国の取り組みを見ると,その考え 方の違いが明確に表れている.日本では『ディーゼル車=

黒煙』のイメージが強く,一般的にディーゼル車は敬遠さ れている(2).これは,局地的な大気汚染防止のためである.

しかし,ヨーロッパの一部の国ではガソリン車に比べて二 酸化炭素排出量の少ないディーゼル車が歓迎されている(3) これは,地球温暖化問題に焦点が置かれているためである.

本研究では,

地域

環境問題の中でも,とくに都市温暖 化の問題に焦点を絞り,観測と数値シミュレーションを行 った.都市温暖化は地球温暖化と組で取り上げられること

が多いが,先の例と同様にその対策は異なる.しかし,都 市温暖化対策を対症療法的ではなく,そもそもの原因を解 消するという方向性を持って実施していくことができるの であれば,地球温暖化対策にもなり得る.

本論文では,地球温暖化と対比するため,とくに気温上 昇を主に問題視する場合は都市温暖化(

Urban warming

)と いう用語を用い,郊外と比較して都市部の温度が上昇して いる現象として捉える場合はヒートアイランド(Urban heat

island)という用語を用いることにする.

都市は,人間が利便性を追求した結果生まれたものであ る.そのため,都市には必然的に「人」「金」「物」「情報」

「エネルギー」などが集中しており,特に大都市と呼ばれ る地域では,それらの過度な集中が問題となってきている.

以前より,都市の気温は郊外に比べて高い傾向があった が,近年になって熱中症患者数の急増などにより,

都市温 暖化問題

として多くの人々に認識されるようになった.以 下に都市温暖化の主要な成因を示す.

(1)

エネルギーの集中的消費(4)(5)

(2)

コンクリートやアスファルト等の地表面性状改変

(3)

都市構造物による周辺大気との熱交換の減少

(4)

大気汚染物質による温室効果

日本ヒートアイランド学会論文集 Vol.1 (2006) 

Journal of Heat Island Institute International Vol.1 (2006)

学術論文

(2)

1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6

1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 都市ガス

石油(揮発油,軽油,灯油) 自動車

1981年基準とし

電力

人口 床面積

1 東京における年間エネルギー消費量の推移

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 西暦[年]

熱中症の急患[人]

24 26 28 30 32 34 36

日最高気温の平均値[℃]

東京消防庁管轄における熱中症救急患者数(7,8月) 7,8月の日最高気温の平均値(東京管区気象台)

2 日最高気温の月平均値と熱中症患者数の関係(東京)

これらの成因がそれぞれどの程度都市温暖化に寄与して いるかは明確には分かっていないが,

(1)は都市温暖化の最

大の要因と考えられている.図

1

に東京における年間エネ ルギー消費量の推移を示す.ここでは

1981

年を基準値

1

とした伸び率を示した.

1981

年の都市ガス,石油(揮発油,

軽油,灯油),電力の合計年間エネルギー消費量は

492.8PJ

である.図

1

には参考のために人口,延べ床面積,自動車 台数の変化も示した.また,エネルギー消費と関連して,

夏期の冷房排熱の増加も都市温暖化に大きな影響を与えて いる.ヒートアイランドは本来,冬期に観測されることが 多かったが,東京などの大都市では夏期にもはっきり現れ ることが確認されており(6),冷房排熱がその一助となって いることは明らかである.この排熱によりさらに温度が上 昇し,冷房消費量をさらに増大させるという悪循環を引き 起こしていることも考えられる.

このような都市温暖化問題では気温のみが注目されがちで あるが,人体に与える影響を考える上では気温以外の要素 も重要である.図

.2

は東京消防庁管内における夏期の日最 高気温の7月および8月の平均値と熱中症救急患者数の関 (7)を表しており,最高気温の変化と熱中症患者数には確 かに相関があるが,つまり,熱中症の発症,ひいては人間 が感じる熱的な不快感には,気温だけではなく熱ふく射や

湿度などの要素も影響していると考えられる.

City gas

これらのことを踏まえ,本研究ではふく射環境に着目

した観測を行って現況を明らかにするとともに,ヒートア イランドの

3

次元シミュレーションモデル(6)を用いて,東 京における都市温暖化の予測を行った.シミュレーション では、

東京ウォール

と呼ばれる汐留地区の超高層ビル群 による海風遮断効果の一検証を行ってみた.

Coefficient of extension based on 1981

Electricity

Floor area

Car

2. 自動車による広域移動観測

Petroleum oil

Population

ヒートアイランドは局地性の高い現象である.そのため,

気象庁で観測されたデータのみではその現象を把握するこ とができないため,さまざまな観測が行われてきた.

Year

ヒートアイランド現象の観測については,定点観測網の 代表例として,東京都環境科学研究所と東京都立大学が共 同で設置した

METROS

(8)が挙げられる.この観測網は都内

126

点において気温や風などの連続観測を行っており成果 を挙げている.定点観測では,周囲の建物などの影響が小 さい小学校などの百葉箱内に観測装置が設置されており,

ヒートアイランドの気温分布を得るには適しているが,実 際に人々が生活している局所的な環境の気温を計測するに は,移動観測が適している.

ヒートアイランドは風の弱い冬の深夜に最も顕著に現れ ることが知られているが,ヒートアイランドが最も問題に なってくるのは熱帯夜などに象徴される夏の夕刻から夜半 にかけての不快さである.そこで,都市で生活する人々の 実感とより近い観測結果を得るべく,道路という人間の屋 外での活動圏から近い場所での気温と相対湿度の移動観測 を行なった.

2.1 観測装置と測定方法

3 (a)

(b)

に測定プローブと観測車の概要を示す.

Cu-Co

熱電対とデジタルメータで気温を,デジタル湿度計で相対 湿度の観測を行った.移動観測の方法については,佐橋(9)(10) および河村(11)の報告を参考にした.測定プローブは,底を 抜いた筒に入れ,筒にはアルミ箔を巻いてふく射を避け,

かつ温まりにくいようにして自動車に取り付けた.図では 熱電対のみが表記されているが,湿度センサーも同様に組 み込んだ.

このような仕様の観測車を

2

台用意し,

18:10

に六本木 を同時に出発して内回り,外回りの

2

コースに別れて東京 の広域移動観測を行った.コースによって多少の時間差は あったが,ほぼ

22:30

に観測を終えた.図

4

に測定点を示 す.測定点は

200

点である. 移動観測においては,観測 中に現象が変化するという大きな問題が生じる.今回の観 測には

4

時間

20

分を要し,その間に気温は約

2.8

℃減少し,

相対湿度は約

22%

上昇(12)した.そのため,気象庁の定点観 測データ(東京)を基に時間変化による誤差補正を行い,

18:00

における推定気温と湿度を求めた.

Emergency case of heat injury (Tokyo) Average daily maximum temperature

Year

Em er g enc y c a se of he at in jur y, p e rs ons e rat ur e, ° C p y ma x imu m t e m e dail g A ve ra

(3)

To Digital Thermometer Support Stick

Thermocouple Steel Canister

26 cm

8 cm

To Digital Thermometer

Support Stick

Thermocouple Steel Canister

26 cm

8 cm

(a)

測定プローブ

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

O b s e r v a tio n P r o b e

1 .5 m

(b)

観測車

3

観測装置の概要

4

東京における広域移動観測点

2.2 広域移動観測結果

5

2005

7

28

日の夕方から夜にかけて(

18:10

~22:30)行った気温と相対湿度の移動観測の結果を示す.

なお,観測日の

2005

7

28

日は,一日中よく晴れた典 型的な夏の日で,東京管区気象台によると

18:00

における 東京(大手町)の気温は

29℃,相対湿度は 58%,であった

(12).観測結果における気温・相対湿度は,全て時間補正後 の値である.

気温は,六本木,新宿,赤羽周辺で高くなっており,用 賀周辺,皇居,港湾部で低くなっていることがわかる.皇 居周辺には,皇居を中心として気温の低い部分(クールア イランド)が形成されている.最高気温は永田町付近で

32.4

℃となっており,最低気温はレインボーブリッジ上で

28.4℃となった.港湾部を除く最低気温は,用賀付近で 29.0℃であった.都市部と郊外の最大気温差をヒートアイ

ランド強さ(Heat island intensity)というが,このときの観 測領域では気温補正後の正味のヒートアイランド強さ(港 湾部を除く)は

3.4℃となった.

一方,相対湿度は北から南に向かって高くなっているこ とがわかる.これは,東京湾や多摩川からの湿分によるも のであると考えられる.最高相対湿度はレインボーブリッ

ジ上で

63.7%

となり,最低相対湿度は王子付近で

37.6%

あった.港湾部を除く最高相対湿度は,用賀付近で

59.0%

であった.

Shibuya

Otemachi Arakawa

River

N

TOKYO BAY Ikebukuro

Shinjuku

Shibuya

Otemachi Imperial Palace Arakawa

River

N

0 5km

0 5km

TOKYO BAY 29

30 30

30

31 30 30

31 3131

32 31

30 30 30

30

31

31 31

30 31

31 32

31

32 31

Ambient Temp. [℃]

July. 28, 2005

Observation time: 18:10-22:30

30

T

R max

= 32.4℃

Tokyo: 29℃, Hachioji: 27.2℃ (JMA) 18:00

Shibuya

Otemachi Arakawa

River

N

TOKYO BAY Ikebukuro

Shinjuku

Shibuya

Otemachi Imperial Palace Arakawa

River

N

0 5km

0 5km

0 5km

0 5km

TOKYO BAY 29

30 30

30

31 30 30

31 3131

32 31

30 30 30

30

31

31 31

30 31

31 32

31

32 31

Ambient Temp. [℃]

July. 28, 2005

Observation time: 18:10-22:30

30

T

R max

= 32.4℃

Tokyo: 29℃, Hachioji: 27.2℃ (JMA) 18:00

5 東京の広域気温分布

Shibuya

Otemachi Arakawa

River

N

TOKYO BAY Ikebukuro

Shinjuku

Shibuya

Otemachi Imperial Palace Arakawa

River

N

0 5km

0 5km

TOKYO BAY 60

55 55

55 55

55

55 50

50 50

50 45 45 45

45 45 40

July. 28, 2005

Observation time: 18:10-22:30 Relative Humidity [%]

Shibuya

Otemachi Arakawa

River

N

TOKYO BAY Ikebukuro

Shinjuku

Shibuya

Otemachi Imperial Palace Arakawa

River

N

0 5km

0 5km

0 5km

0 5km

TOKYO BAY 60

55 55

55 55

55

55 50

50 50

50 45 45 45

45 45 40

July. 28, 2005

Observation time: 18:10-22:30 Relative Humidity [%]

6

東京の広域相対湿度分布

(4)

3. 都市街路空間における歩行観測

都市の屋外空間の熱的快適性は,人工排熱の増加やコン クリートやアスファルトといった熱容量の大きい建築部材 による地表面被覆材の改変等により,以前より悪化してい ると言えるであろう.この熱的な不快感は,多くの人々が 感じていることではあるが,その不快感の因子を定量的に とらえることはできていない.熱中症に代表されるとおり,

熱的不快感には気温以外の様々な因子があると考えられ

(13),その中でも熱ふく射や湿度は熱的不快感に大きな影響 を及ぼしていると考えられる.本研究ではとくにふく射環 境に着目した観測を行う.

3.1 CPC 型ふく射熱流束計

屋外空間では,人体は強い日射にさらされる可能性が屋 内空間に比べて格段に高く,建物・路面などからの日射反 射,日射により加熱された建物・路面からの熱ふく射,建 物・路面の相互ふく射,そして空調や自動車排熱などの影 響も大きく,屋内空間とは全く性質を異にしているものと 考えられる.これまでの熱ふく射環境(注:建築学,空調 冷凍工学などの分野では「ふく射」の変わりに「放射」を 用いる)の測定においては,主にグローブ温度計(黒球温 度計,

Globe thermometer

(14)(15)(16)が用いられていた.風速 が速いほどグローブ温度は気温に近づくため,微風速域で 使用することが望ましく,また,球内における空気の熱容 量のために応答性が遅いという欠点があり,外乱の大きい 屋外でのふく射環境の測定には不向きである.また,ふく 射の指向性を把握できない(17)

そのため,本研究では不均一ふく射場を計測するために,

本研究室で開発されたCPC型ふく射熱流束計(13)を用いた.

7

に,ふく射熱流束計の外観を示す.このふく射熱流束 計は,ふく射熱流束センサーと回転複合法物面集光(

CPC:

Compound Parabolic Concentrator

)型リフレクタからなる計 測ユニットを正

12

面体に配置することにより,

12

方向か らの等価ふく射強度を計測することができる.ふく射熱流 束計で得られた各方向からのふく射熱流束値から人体など の任意形状物体が受けるふく射熱流束を近似計算すること が可能である.

Data acquisition PC Multiple CPC radiation

fluxmeter unit

CPC reflector Radiation flux sensor

7 CPC

型ふく射熱流束計の概観

3.2 歩行観測結果

前述のふく射熱流束計のほかに日射計,気温・相対湿度 計を用いて,歩行観測を行った.日射計では水平面全天日 射量を測定した.測定地点は,立教大学池袋キャンパス付 近,東京都渋谷駅付近であり,

2005

7

28

日の昼間(池 袋:

12:10

13:10

,渋谷:

14:45

15:30

)に行った.

立教大学池袋キャンパス付近での観測結果を図

8

10

に,

東京都渋谷駅付近での観測結果を図

11

13

に示す.ただし 図は,ふく射熱流束,気温,湿度の順となっている.ふく 射熱流束値は,

12

面体形状物体に対する平均ふく射熱流 束である.なお,観測日の

2005

7

28

日は,一日中よ く晴れた典型的な夏の日で,東京管区気象台によると最高

気温が

33.0℃であり,日平均風速は 3.3m/sであった.また,

12:00~16:00

の全天日射量は

1

時間当たり

2.09~3.15MJ/m

2

(509~875W/m2)であり,相対湿度は

39~43%であった.

平均ふく射熱流束の値が最も大きかったのは,井の頭通 り入り口交差点(渋谷)付近で

902W/m

2となった.この地 点は幅の広い南北道路であり,また東西に高い建物が建っ ているため日射の影響を大きく受けているものと考えられ る.平均ふく射熱流束は,広場や幅の広い道路でしかも日 射を遮るような建物がない場合に高くなっており,それに 大気放射を含めた熱ふく射の影響が加わると,全天日射量 を上回る値となってしまう.より詳細な観測および評価を 行うには,日射(短波長)と熱ふく射(長波長)に分けた 観測が必要と思われる.また各地点での日変化なども詳細 に考慮する必要がある.

700 750

650 600

650

700 750

800

N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ave. Thermal Radiation [W/m

2

]

0 100 m

Rikkyo Univ.

Rmax= 805W/m2 700

750

650 600

650

700 750

800

N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ave. Thermal Radiation [W/m

2

]

0 100 m

Rikkyo Univ.

Rmax= 805W/m2 700

700 750

750

650 650 600 600

650 650 700 700 750750

800 800

N N N N N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ave. Thermal Radiation [W/m

2

]

0 100 m

0 100 m

0 100 m

Rikkyo Univ.

Rmax= 805W/m2

8

立教大学池袋キャンパス付近におけるふく射熱流束分布

N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA) 0 100 m

Tmax= 36.6℃

Rikkyo Univ.

34.5

35.0

36.0 34.5

35.5 36.5

35.5 35.0

34.5 34.0

35.0 34.5

35.5

N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA) 0 100 m

Tmax= 36.6℃

Rikkyo Univ.

34.5

35.0

36.0 34.5

35.5 36.5

35.5 35.0

34.5 34.0

35.0 34.5

35.5

N N N N N N

July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA) 000 100 m100 m100 m Tmax= 36.6℃

Rikkyo Univ.

34.5 34.5

35.0 35.0 36.0

36.0 34.534.5

35.5 35.5 36.5

36.5

35.5 35.5

35.0 35.0

34.5 34.5

34.0 34.0

35.0 35.0 34.5 34.5

35.5 35.5

9

立教大学池袋キャンパス付近における気温分布

(5)

35.5 35.0 34.5

35.5

34.5 33.5 34.0

35.0 July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Relative Humidity [%]

0 100 m

N N

35.0 35.5 34.0

34.5

35.5 35.5 35.035.0

34.5 34.5

35.5 35.5

34.5 34.5 34.0 33.5 34.0 33.5

35.0 35.0 July. 28, 2005

Observation time: 12:10-13:10

Relative Humidity [%]

0 100 m

0 100 m

N N N N

35.0 35.0 35.5 35.5 34.0

34.0 34.5 34.5

10

立教大学池袋キャンパス付近における相対湿度分布

650 700

800 750 800

900 850 700

650 600

N Ave. Thermal Radiation [W/m2] N

July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30

0 100 m

Rmax= 902W/m2 750

650 650 700700

750 800 750

800 800800

900 900 850 850 700

700 650 650 600 600

N N N Ave. Thermal Radiation [W/m2] N

July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30

0 100 m

0 100 m

0 100 m

Rmax= 902W/m2 750

750

11 東京都渋谷駅付近におけるふく射熱流束分布

気温は全般的に気象庁発表の最高気温よりも高かった.こ の結果は定点観測だけではなく,実際の生活環境に近いと ころでの移動観測の重要性を示している.最高気温は立教 大学(池袋)の北西端

T

字路付近で

36.6

℃となった.ここ は比較的交通量が多く,地面はアスファルトでその周辺に はレンガの塀があったため,日射によって高温になったそ れらの表面からの伝熱現象により高い気温になったものと 考えられる.気温も直射日射の影響を大きく受けており,

高い建物の影ではその周囲に比べて低い値を示していた.

立教大学構内では,気温は低くなっているが平均ふく射熱 流束は周囲と比較して低くなっていないという分布が現れ ている.この箇所の地表面は芝生や並木道であった.

相対湿度は全ての測定地点において気象庁発表の値より も低かった.また,気温が高いところは相対湿度が低く,

相対湿度が高いところは気温が低くなっている.これは,

相対湿度が水蒸気圧の飽和水蒸気圧に対する比であり,水 蒸気圧が等しい場合,気温が高いほうが相対湿度は低くな るという性質を持っているためであると考えられる.

3.3 実測による熱環境評価

この歩行観測結果から,ふく射熱流束計の特徴を用いて 人体形状物体が受けるふく射熱流束の分布を求めた.人体

35.5 35.0

34.5 34.0 33.5 33.0 32.5

35.0

N N July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30

0 100 m

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA)

Tmax= 36.0℃

35.5 35.0

34.5 34.0 33.5 33.0 32.5

35.0

N N July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30

0 100 m

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA)

Tmax= 36.0℃

35.5 35.5 35.0 35.0 34.5 34.5 34.0 34.0 33.5 33.5 33.0 33.0 32.5 32.5

35.0 35.0

N N N N July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30

0 100 m

0 100 m

0 100 m

Ambient Temp. [℃]

Daily Max. Temp. : 33.0℃(JMA)

Tmax= 36.0℃

12

東京駅渋谷駅付近における気温分布

33.0 33.0

33.5 34.5

35.0 36.0 35.5 36.5

37.0

34.0

N Relative Humidity [%] N

July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30 0 100 m

34.0

33.0 33.0 33.0

33.0 33.5 33.5

34.5 34.5 35.0 35.0 35.5 36.0 35.5 36.5 36.0 36.5 37.0 37.0

34.0 34.0

N N N Relative Humidity [%] N

July. 28, 2005

Observation time: 14:45-15:30 000 100 m100 m100 m 34.0

34.0

13

東京都渋谷駅付近における相対湿度分布

モデルのメッシュ要素数は

5548

であり,表面積は

2.9m

2 ある.人体形状のような複雑形状物体の場合,股下や脇の 下などのように物体自身の要素間のふく射熱交換を考慮す る必要がある.しかしながら,本研究では,周囲からどれ くらいのふく射が人体表面に入射するのかを明らかにする ことを目的とするため,人体表面温度とふく射率を一定値 に仮定し,以下の方法によって近似的に各要素が受けるふ く射熱流束を求めた.

まず,モデル要素の重心から,

CPC

型ふく射熱流束計と 同じ

12

方向に光線を放射する.このとき要素の表に放射さ れる光線についてのみ追跡し,他の要素に遮蔽されなけれ ば,その要素はその方向からのふく射熱流束

E

nを受けるも のとみなす.他の要素による遮蔽があった場合は,式

(1)

よって求められるふく射熱流束Enをその方向から受けるも のと仮定する.

E

n

= π I

h

sin

2

θ

a

(1)

(6)

ここで,Ihは人体表面を灰色拡散面と仮定した場合のふく 射強度であり,式(2)で計算できる.本解析では人体の全表 面において

ε

h

0.9,T

h

32°Cと仮定した.

π σ ε

h h4 h

I = T (2)

今回の観測における平均ふく射熱流束が最大となった地 点での測定値に基づく解析結果を図

14

に示す.ただし,人 体は真南を向いているものとした.表

1

に測定地点におけ る測定日時,気温,水平面全天日射量,12面体における平 均ふく射熱流束,人体表面における平均および最大ふく射 熱流束を示した.この条件では,

12

面体形状が受けるふく 射よりも人体形状が受けるふく射が約

200W/m

2小さい.ま た,人体形状の平均ふく射熱流束は

693W/m

2,最大値は

1155W/m

2で,平均値の約

1.76

倍となった.通常,熱環境

の評価において熱ふく射を考慮する場合,平均的な値を用 いることが多いが,局所的にふく射熱流束が大きいときに は,不快感が発生することも考えられる.また,ある程度 以上の熱ふく射が局所的にではあっても人体に照射された 場合,水ぶくれや火傷など,人体における部分的な不快感 も発生してしまう.今後,ふく射環境と生理現象などを詳 細に調査研究することが望まれる.

1000 900 800 700600 500 400 300200 100 1000 900 800 700600 500 400 300200 100 1000 900 800 700600 500 400 300200 100

14 平均ふく射熱流束最大地点でのふく射熱流束分布

1 平均ふく射熱流束最大地点における解析結果

測定場所 Place

井の頭通り入り口 交差点付近(渋谷)

Shibuya

測定日

Date July 28, 2005

測定時刻

Time 14:57

気温

Temperature 35.3

水平面全天日射量

Horizontal total solar radiation 824 W/m

2 平均ふく射熱流束(

12

面体)

Ave. radiation flux (on dodecahedron) 902 W/m

2 平均ふく射熱流束(人体)

Ave. radiation flux (on human body) 693 W/m

2 最大ふく射熱流束(人体)

Max. radiation flux (on human body) 1154 W/m

2

4. ヒートアイランドシミュレーション

地表面性状の改変や人工排熱の増加などにより,都市の 熱環境は悪化の一途をたどっている.特に近年の

IT

化によ る人工排熱の増加は,都市温暖化をさらに進展させている と考えられる.また,東京都汐留駅付近の超高層ビル群(東 京ウォール)が都市熱環境をさらに悪化させるとも指摘さ れている(18)

そこで,本研究ではとくに夏期の東京を対象とし,3 元シミュレーションにより将来の気温分布を予測するとと もに,東京ウォールが都市熱環境に与える影響を解析する.

4.1 基礎方程式

基礎方程式は,Saitoh et al.(19)によって開発された

3

次元

Navier-Stokes方程式,および連続の式を渦度ベクトル-速

度ベクトルポテンシャルに変換した方程式系を用いる.

Navier-Stokes

方程式と連続の式から,速度ベクトルおよび

圧力を直接求める速度・圧力法は,圧力項が他の項と比べ 倍のオーダーとなるため,その項で桁落ちが生じ,実際に 計算を行うと,大きな誤差を生じ,不安定になり発散し易 いのに比べ,渦度ベクトル-速度ベクトルポテンシャル法 は,圧力が方程式系から消えるため,長時間安定して計算 できる.また,浮力の効果も直接,かつ簡単に考慮できる ため,都市温暖化の解析に適している.

以下に基礎式(3)~(25)を示す.

渦度方程式:

( ) ( )

[ ( ) ∇ K ⋅ ∇ + K ∇ ] + D + B + C

=

∂ +

ω υ ω ω ω υ

2

t (3)

浮力項:

⎭ ⎬

⎩ ⎨

− ∂

= ∂ , g , 0

g x

y β θ β

B θ

(4)

コリオリ力項:

⎭ ⎬

⎩ ⎨

⎧ ⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

∂ + ∂

− ∂

= ∂

y v x f u z f v z f u , ,

C

(5)

拡散項:

D = { D

x

, D

y

, D

z

}

(6)

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

= ∂

⎟ ⎠

⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟ ⎠

⎜ ⎞

− ∂

= ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

∂ + ∂

⎟⎟ ⎠

⎜⎜ ⎞

− ∂

= ∂

z u y K z v x K z y u y K y v x K y

x u y K x v x K D x

x w x K z u z K z y w x K y u z K y

x w x K x u z K D x

z v z K z w y K z y v z K y w y K y

x v z K x w y K D x

M M

h h

h h

z

M M

h h

h h

y

M h M

h h h

x

(7)

(7)

エネルギー方程式:

( ) [ ( ) ]

t

heat

t

⎜ ⎞

∂ + ∂

∇ +

=

∂ +

∂ θ υ θ κ κ

2

θ θ

(8)

湿分拡散方程式:

( ) [ ( ) ]

t

evap

q q t q

q

⎜ ⎞

∂ + ∂

∇ +

=

∂ +

∂ υ κ κ

2

(9)

渦度ベクトルと速度ベクトルポテンシャルの関係式:

ω

=

∇ Γ

2

(10)

速度ベクトルとポテンシャルの関係式:

Γ

×

υ =

(11)

ω , Γ , υ

は, それぞれ, 渦度ベクトル, 速度ベクトルポ テンシャル, 速度ベクトルであり, 次式で表される.

) , , ( ), , , ( ), , ,

( = Γ

x

Γ

y

Γ

z

= u v w

= υ

ω ξ η ζ Γ

(12)

また, 演算子∇, 2は, 単位ベクトル(i, j, k)を用いて, それ ぞれ式式で表す.

z k y j

x i

+ ∂

∂ + ∂

= ∂

∇ ,

2 22 22 22

z y

x

+ ∂

∂ + ∂

= ∂

∇ (13)

なお,渦度方程式において,

ω

υ

は局所体積平均値で

ある.また,エネルギー方程式において温位の表現を用い たが,温度と温位の関係は,次式であらわされる.

θ = π T

(14)

ただし,πはエクスナー関数(Exner function)である.

エネルギー方程式の右辺第

2

項は,都市大気の最下層に おける地表面からの顕熱輸送量および人工排熱量による大 気の加熱項である.また,湿分拡散方程式(9)の右辺第

2

は,地表面からの湿分輸送量による寄与項である.

以上の基礎式に対する主な境界条件は,次の通りである.

( )

( z L )

constant z transient

z u z

v L z

y q y x v z

v L y

x q x y u z

u L

x

=

=

=

=

∂ =

= ∂

− ∂

=

=

∂ =

= ∂

= ∂

∂ =

− ∂

=

=

∂ =

= ∂

− ∂

∂ =

= ∂

=

=

θ θ

ς η

ξ

ς θ η ξ

ς θ η

ξ

0 0 , ,

: , 0

0 ,

, 0 , : , 0

0 ,

, ,

0 : , 0

(15)

以上の基礎式は,既に次の無次元変数を用いて無次元化し てある.(ただし,+記号は省略)

( ) ( )

( ) ( ) ( ) ( )

( ) ( )

c h

h

z y x z y x

w v a u w H v u

a a

H

z y H x z y x H t t a

θ θ

θ θ θ

ς η ξ ς

η ξ

= −

=

Γ Γ Γ

= Γ Γ Γ

=

=

=

+ +

+ +

+ + + + + + +

+ +

+ + + +

, , , ,

,

, , 1 , , , , , , ,

,

, , 1 , , , ,

2 2

(16)

乱流モデルには,

Mellor-Yamada

モデル

(level 2)

(21)(22)を用 いて,鉛直方向の渦拡散係数を求めた.このモデルは,実 際の地形上の流れ場に適用される例が多く報告されており,

大気の流れ予測には信頼性の高いモデルである.

本シミュレーションで対象とするのは, 皇居を中心とし

20 km×20 km

の領域で, 大手町, 新宿, 渋谷, 池袋などの 主要地域が含まれており,これを

500m

正方メッシュで

1600

要素に分割した.本モデルでは一般風は与えず,ラー ジスケールの自然対流熱伝達のシミュレーションモデルと なっているが,水平方向拡散係数などのチューニングによ り,海浜域から都心方向へ卓越する典型的夏期快晴時の風 系を再現できることを確認している.地表面の熱収支につ いては

,

東京都土地利用現況に基づいて土地利用状況を考 慮した非定常熱収支式を解く.図

15

に示すように各解析メ ッシュの土地利用を建物用地,交通用地,緑地,水面(河 川・湖沼・海水域)その他の

5

つの土地利用区分に分類し,

各種パラメータを表

2

のように設定した.各要素のカテゴ リーごとに,以下の非定常熱収支式を解くことにより,面 積重み付けによる正味の顕熱輸送量および湿分輸送量を得 る.なお, 鉛直方向の計算領域は高度

3 km

までとした.

地表面における土地利用区分

i

における非定常熱収支 式は,人工エネルギー消費量を考慮しており,式(4.17)で表 される.

i i i ei ai i i s i

i

S Q Q G H lE

dt h dT

c = + − − − −

ρ

(17)

ここで,

S

iは日射量,

Q

ai は大気ふく射量,

Q

ei は自身の赤 外ふく射量,

G

i は建物および路面内部への熱伝導量,

H

i 表面での対流による熱輸送量である.これら各項は以下の 式によって求める.

) ( I D

S

i

= α

Si

+

(18)

4 a sky Li

ai

T

Q = α ε σ

(19)

ここで,快晴時(雲量

0)のときの大気の平均放射率ε

skyは,

Berdahl and Martin

(23)の実験式より,露点温度Tdpより以下の ように求められる.

4 2

2

0 . 73 10

10 56 . 0 711 .

0

dp dp

sky

= + ×

T + ×

T

ε

(20)

(8)

Building

Green Others

Traffic

Atmosphere mesh Temperature

Specific humidity Wind velocity

土壌側計算メッシュ

Sensitive heat Evaporation Anthropogenic heat

x z y

Land mesh

Water

15 地表面付近の解析モデル

2 土地利用区分と各種パラメータ

土地利用区分

Land-use

建物用地

Building

交通用地

Traffic

水面

Water

緑地

Green

その他

Others

アルベド

Albedo

α [-] 0.2 0.1 0.1 0.15 0.2

放射率

Emissivity

ε [-] 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9

蒸発効率

Moisture efficiency β [-]

0.0 0.0 1.0 0.5 0.2

熱伝導率

Thermal conductivity

λ [W/mk]

1.7 0.7 0.63 1.05 1.05

温度伝導率

Thermal diffusivity

a [m

2

/s]

0.81 0.50 0.15 0.57 0.57

4 i i

ei

T

Q = ε σ

(21)

dz T

G

i i

T

i

under

= λ

(22)

ここで,地中への熱伝導

G

は,地下

50cm

において温度の 日変化はないもとして,1次元熱伝導方程式によって解く.

2 2

z a T t

T

under under

= ∂

(23)

さらに,対流による熱輸送量と水分蒸発による潜熱輸送量 は,接地境界層の仮定に従って,次式により求めた.

H

i

= ρ

a

c

p

C

H

( T

i

T ) U

(24)

U q q C l

lE

i

= ρ

a

β

H

(

si

− )

(25)

4.2 人工排熱

本シミュレーションモデルの主な入力データは,土地利 用区分と人工排熱であり,出力結果はこれらに大きく依存

している.土地利用区分の未来予測は非常に困難であるた め東京都の最新(平成

13

年度)の都市計画地理情報システ ムのデータを使用し,人工排熱のみ未来予測を行った.

人工排熱データは,Saitoh

et al.による 1991

年夏の電力,

ガスおよび石油類(揮発油,灯油,軽油)のメッシュ調査 データを

1991

年から計算対象年までの電力,ガスおよび石 油類の消費量の伸び率に基づいて外挿したものに,電力消 費量の

30%

を冷房によるものと仮定し,冷房機器の平均

COP

3.0

として冷房排熱量を加算したものである.なお,

各種消費量の解析には東京都統計年鑑のデータを用いた.

東京都統計年鑑の最新データは

2003

年であるため,それ 以降の各種消費量は予測しなければならない.筆者らはこ れまでは床面積増加の予測を行い,その結果を基に人工排 熱を割り出していたが,近年の

IT

化に伴う急激な電力需要 の増加により,床面積と人工排熱の相関が薄れてきたもの と考えられるため,単に人工排熱データのみに着目し予測 を行った.予測に際して,

1974~2003

年の人工排熱データ を用い,単純に

3

次近似を行った.人工排熱量の経年変化 を図

16

に示す.

0 200 400 600 800 1000 1200

1974 1978 1982 1986 1990 1994 1998 2002 西

排熱量[PJ]

暦[年]

16 東京における人工排熱量の経年変化

4.3 広域移動観測結果との比較

本シミュレーションモデルの妥当性を検討するために,

広域移動観測との比較を行った.シミュレーションは,広 域移動観測の条件と同様,

2005

7

28

18

時において 行った.このとき,人工排熱は

2003

年と比較して約

1.07

倍となるように設定した.広域移動観測の結果との比較を

17

に示す.その結果,六本木,大手町,新宿,赤羽での 高温域と,皇居周辺や港湾部での低温域がよく再現されて いることがわかった.

4.4 都市温暖化の未来予測

本シミュレーションモデルを用いて,2011年,2021年,

2031

年の

8

1

日におけるシミュレーションをおこなった 結果を図

18

~図

20(a)

(b)

に示す.ただし,

(a)

12

時,

(b)

18

時の結果である.また,各時間での最高気温の経年変 化を図

21

に示す.このとき,人工排熱はそれぞれ

2003

と比較して,約

1.65

倍,

3.16

倍,

5.70

倍となるように設定

Year

An th ro p o g eni c hea t e m is s ion s , P J

(9)

17 (a) 広域移動観測結果(図 5

をカラー化したもの)

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

N N

T

max

=35.8℃

Akabane Akabane

TOKYO (12:00, Summer, 2011) z=1.5m

気温

[

]

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

0 5km

N N N N

T

max

=35.8℃

Akabane Akabane

TOKYO (12:00, Summer, 2011) z=1.5m

気温

[

]

18 (a) 2011

年の

12

時における気温分布

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

N N

T

max

=41.4℃

Akabane Akabane

TOKYO (12:00, Summer, 2021) z=1.5m

気温

[

]

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

0 5km

N N N N

T

max

=41.4℃

Akabane Akabane

TOKYO (12:00, Summer, 2021) z=1.5m

気温

[

]

19 (a) 2021

年の

12

時における気温分布

17 (b) シミュレーション結果

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

N N

T

max

=34.7℃

Akabane Akabane

TOKYO (18:00, Summer, 2011) z=1.5m

気温

[

]

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

0 5km

N N N N

T

max

=34.7℃

Akabane Akabane

TOKYO (18:00, Summer, 2011) z=1.5m

気温

[

]

18 (b) 2011

年の

18

時における気温分布

Ikebukuro

Ikebukuro

Shinjuku

Shinjuku

Shibuya

Shibuya

Roppongi

Roppongi

Otemachi

Otemachi

0 5km

N N

Tmax=40.3℃

Akabane

Akabane

TOKYO (18:00, Summer, 2021) z=1.5m

気温[]

Ikebukuro

Ikebukuro

Shinjuku

Shinjuku

Shibuya

Shibuya

Roppongi

Roppongi

Otemachi

Otemachi

0 5km

0 5km

N N N N

Tmax=40.3℃

Akabane

Akabane

TOKYO (18:00, Summer, 2021) z=1.5m

気温[]

19 (b) 2021

年の

18

時における気温分布

Ikebukuro

Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

気温

[

]

TOKYO (18:00, Summer, 2005) z=0.8m

N N

T

max

=32.6 Ikebukuro

Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

0 5km

気温

[

]

TOKYO (18:00, Summer, 2005) z=0.8m

N N N N

T

max

=32.6 Akabane

z=1.5m

Akabane

Akabane

TOKYO (18:00, Summer, 2005) z=0.8m

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

気温

[

]

N N

T

max

=32.6 TOKYO (18:00, Summer, 2005) z=0.8m

Ikebukuro Ikebukuro

Shinjuku Shinjuku

Shibuya

Shibuya Roppongi Roppongi Otemachi Otemachi

0 5km

0 5km

気温

[

]

N N N N

T

max

=32.6 Akabane

z=1.5m

, °C erat ure p Te m Te m p erat ure , °C

Te m p erat ure , °C Te m p erat ure , °C Te m p erat ure , °C

図 5  東京の広域気温分布  Shibuya OtemachiArakawaRiver NTOKYO BAYIkebukuroShinjukuShibuyaOtemachiImperialPalaceArakawaRiverN 0 5km05kmTOKYO BAY6055555555555550505050454545454540July
図 7 CPC 型ふく射熱流束計の概観 3.2  歩行観測結果    前述のふく射熱流束計のほかに日射計,気温・相対湿度計を用いて,歩行観測を行った.日射計では水平面全天日射量を測定した.測定地点は,立教大学池袋キャンパス付近,東京都渋谷駅付近であり,2005年7月28日の昼間(池袋:12:10~13:10,渋谷:14:45~15:30)に行った.  立教大学池袋キャンパス付近での観測結果を図8~10 に,東京都渋谷駅付近での観測結果を図11~13に示す.ただし図は,ふく射熱流束,気温,湿度の順となっている
図 17 (a)  広域移動観測結果(図 5 をカラー化したもの)  IkebukuroIkebukuro ShinjukuShinjuku Shibuya

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