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ties involved. Our talks with tourist operators proved to be especially productive in terms of the information we acquired. This article reports on th

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Abstract

Indonesia, a country characterized by vitality, consists of more than 17,000 islands. At 250 million, it is the fourth most populous country in the world. Indonesia is also blessed with numerous tourist places, such as Bali, which is recognized as one of the world’s lead-ing resort destinations ; cultural heritage sites such as the Borobudur Temple Compounds ; and natural heritage sites such as the Komodo National Park. In an effort to decrease the economy’s dependence on oil, the country’s government has been heavily promoting in-bound tourism as the mainstay of its economic policy. It is anticipated that tourism in In-donesia still holds amazing potential for growth. We held meetings with administration of-ficials, mainly from the Ministry of Tourism, in the capital city of Jakarta and had a valuable exchange of views ; Jakarta serves as the nation’s political and economic center. Further, we inspected several representative hotels for conducting a factual survey on the latest state of tourism in Bali, which attracts the most number of overseas visitors and is Indonesia’s tourism hub. We conducted interviews and meetings with numerous local

par-インドネシアの観光政策とインバウンドの考察

ジャカルタ・バリを中心として

A Study of Tourism Policy and Foreigner Travel in Indonesia

A Focus on Jakarta and Bari

和 知 惠 一 安 田 亘 宏 川 名 幸 夫 服 部 裕美子

Keiichi WACHI Nobuhiro YASUDA Yukio KAWANA Yumiko HATTORI

要旨 インドネシアは、 万 千を遙かに超える島々から成り、約 億 千万人と世界第 位の人口を 誇り、日本よりも遙かに大きなパワーを持つ。また、世界有数のリゾート地であるバリ島を始め、 ボロブドゥール寺院遺跡群などの文化遺産、コモド国立公園などの自然遺産など、多くの観光資源 を有している。インドネシアは、石油依存の体質からの脱却を図り、日本同様、観光を経済の柱と する方針を打ち出している。首都であり、政治・経済の中心地であるジャカルタにおいては、観光 省を中心とする政府関係者と会合を持ち、貴重な意見交換を行なうことが出来た。また、観光の中 心であり、外国人訪問者数が最多である地域バリ島では、最新の観光状況の実地調査を行い、いく つかのホテルを訪問することも出来た。現地では多くの関係者への取材・ヒヤリングを行った。ま た、現地で活躍する観光事業者と懇談する機会を持ち、得難い情報に接することも出来た。本稿は、 インドネシアのインバウンドの現状と今後を展望するため、現地調査を行った報告のまとめである。

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Ⅰ はじめに 本報告は、 年度西武文理大学共同研究費 の助成を受けた「観光立国政策研究会」による 共同研究「インドネシアの観光政策とインバウ ンドの考察」の報告である。 西武文理大学教員である、和知、安田、川名、 服部を現会員とする「観光立国政策研究会」は、 すでに退職した他のメンバーも含め 年 月 に、発足したものである。 年度は、 月 日に第 回の研究会を開催し、現在まで 回の 研究会を重ねてきた。本「観光立国政策研究会」 は、いま日本が観光立国としてもっとも取り組 みを強化している、海外からの観光客誘致・イ ンバウンドについて、さまざまな視点からの考 察を試み、研究を深耕させていくことを目的と している。 我が国は観光立国推進基本法を指針として、 観光を国の重要な政策と位置づけ、諸施策を打 ち出している。なかでも、インバウンド(訪日 外国人旅行)の拡大をその最重点事項と掲げ、 ビジット・ジャパン事業を展開している。 年には 万人と、過去最高となったものの目 標とした , 万人には及ばず、 年 月の 東日本大震災により、大きな打撃を受け 年 は 万人と激減した。 年には 万人に回 復し、 年にはとうとう , 万人を突破、 年 に は , , 人(「日 本 政 府 観 光 局 (JNTO)」統計)と , 万人を突破、この伸び で行けば、次の目標である , 万人の大台も 今年度中に達成出来そうな勢いである。さらに 年には , 万人という新たな目標も立て られている(観光立国推進閣僚会議 / / )。 しかし、長引く原発問題や中国・韓国との関係 改善の兆しが見えないなど、必ずしも良い面ば かりがあるわけではない。 当研究会においては中国、タイ国、ベトナム、 台湾、フィリピンと特徴的な政策を展開し成功 事例となってきたアジア諸国を視察調査してき た。今後も、インバウンド先進国とも言える中 国を始め、我が国よりも外国人旅行者受入数の 多い、マレーシア、香港、タイ、オーストラリ ア等アジア近隣諸国を主に研究対象とし、イン バウンド政策とそれにかかわる関係諸機関の取 り組み、法的整備、旅行契約の実態などを探っ ていく予定である。 昨年度は、島国としての自然、リゾート、ス ペイン文化が残された特異な都市歴史遺産、英 語が通じる国、親しみやすい人的資産など潜在 力の高いフィリピンを研究対象とした。首都で あるマニラと観光の中心であるセブにおいて、 ties involved. Our talks with tourist operators proved to be especially productive in terms of the information we acquired. This article reports on the field survey regarding the cur-rent situation of Indonesia’s inbound tourism and summarizes the issues and prospects to ensure even greater progress of the nation’s tourism industry.

[キーワード]

インドネシア・ジャカルタ・バリ島・インバウンド・リゾート観光・都市観光・ ホスピタリティ・世界遺産・航空政策・ホテル事情

Keywords : Indonesia, Jakarta, Bali, Inbound, Resort sightseeing, City sightseeing, Hospitality, World heritage, Aviation policy, Hotel situation

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観光省をはじめとする関係諸機関への取材ヒヤ リング、最新観光サイトへの実踏調査を行った。 さらに観光事業者、観光研究者との交流、意見 交換等も行ってきた。この成果は共同研究とし て、西武文理大学サービス経営学部研究紀要第 号に掲載した。 本年度は、昨年の研究対象であったフィリピ ンと同様の島国であるが、 万 千を遙かに超 える島々から成る、さらに規模の大きいインド ネシアを対象とした。首都であり、政治・経済 の中心地であるジャカルタにおいては、観光省 を中心とする政府関係者と会合を持ち、貴重な 意見交換を行なうことが出来た。また、観光の 中心であり、外国人訪問者数が最多である地域 バリ島では、最新の観光状況の実地調査を行い、 いくつかのホテルを訪問することも出来た。現 地では多くの関係者への取材・ヒヤリングを行 った。また、現地で活躍する観光事業者と懇談 する機会を持ち、得難い情報に接することも出 来た。これら研究視察の成果を、ここに共同研 究として報告する。 テーマは「インドネシアの観光政策とインバ ウンドの考察 ジャカルタ・バリを中心とし て 」とする。 年 月 観光立国政策研究会 代表 和知惠一 Ⅱ インドネシア研究視察旅行の概要 .研究目的と視察国の選定 本年度視察対象としたのは、インドネシアで ある。 万 千を遙かに超える島々から成り、 約 億 千万人と世界第 位の人口を誇り、日 本よりも遙かに大きなパワーを持つインドネシ アは、格安航空会社(LCC)の台頭により、近 年国内航空需要の伸びと共に国際線の航空交通 量が増大している。その後押しもあって、外国 人訪問客数はこの 年ほどの間に約 倍に増加 している。世界有数のリゾート地であるバリ島 を始め、ボロブドゥール寺院遺跡群などの文化 遺産、コモド国立公園など自然遺産など、多く の観光資源を有しているインドネシアは、ほぼ 単一民族である日本と異なり、 以上の民族 により構成されていることから、継承する伝統 文化や大自然などはまさに多様性に富んでいる。 インドネシアはこのように豊富な観光資源を ベースに、国を挙げてインバウンドの振興を図 っている。しかし、外国人訪問者数が 倍程度 に増加したと言っても、まだ 万人程度であ る。今後日本同様 , 万人を目標としている ようであるが、どのような方針のもと、具体的 な方策はどうするのかなど知りたいことも多い。 そこで、最新の情報を得るためには、インド ネシア政府観光省高官と会談の場を持つことが 重要であると考えた。その後本学職員の持つ人 脈により、この会談が出来る可能性が見えてき たため、インドネシアを視察対象としたのであ る。さらに観光事業者、観光研究者との交流、 意見交換等を目的とし、観光省以外にも、旅行 会社、観光推進の関係諸機関への取材ヒヤリン グ等を行うこととした。今回は、訪問時間の関 係上、首都であるジャカルタ、日本人にとって 昔からなじみのリゾートであるバリ島を訪問地 と定めた。特に前回のフィリピン視察と同様、 ホテルを重点的に訪問することし、以下の日程 で下記の諸機関を訪問した。本報告の目的は、 これらの視察・訪問の成果を示すとともに、今 後の我が国の観光政策の指針とするものである。 .研究視察日程(日付は 年、時間は現地 時間) 日目 / : 東京(成田)発(GA 便) : ジャカルタ(スカルノハッタ空港)着 着後 ホテルへ ≪ジャカルタ泊≫ 日目 / 午前 JNTO 訪問

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写真 石崎所長を囲んで 写真 観光省のメンバーと共に 午後 インドネシア政府観光省訪問 会談後、主要観光地視察 その後空港へ : ジャカルタ発(GA 便) : デンパサール(バリ)(ングラ・ライ 国際空港)着 着後 ホテルへ ≪バリ、ウブド泊≫ 日目 / 午前 ホテル近辺視察 ホテルペルテウイリゾート&スパ等 午後 世界遺産等視察 棚田、コーヒー農園、象の洞窟、タマン・ アユン、タナロット等≪バリ、ビーチ泊≫ 日目 / 午前 ホテル視察 アヤナ リゾート&スパ バリ、グランド ハイアット バリ、ランゴン バリ、アマ ン リゾート 午後 ラマ ツアーズ訪問(RAMA TOURS) 主要観光地等視察 ≪バリ、ビーチ泊≫ 日目 / 午前 専用車にて視察 クタ地区、ザ・ロイヤル・ビーチホテル等 を視察 夕方 専用車にて空港へ ≪機中泊≫ 日目 / : デンパサール(バリ)発(GA 便) : 東京(成田)着 .視察訪問先 ⑴観光省・旅行会社 ① JNTO(日本政府観光局)ジャカルタ事務所 ジャカルタ事務所長 石崎雄久 事務所は、ジャカルタの南部のスディルマン 通りにある、Summitmas ビル(住友系のビル) 階にある。宿泊ホテルより近くであったが、 急なスコールの洗礼をうけた。 ②インドネシア政府観光省

Tourism and Creative Economy Ministry’s promotion director, Ms. Esthy Reko Astuti 他 名) ジャカルタ北部、独立記念塔の近く、Sapta Pesona ビルの中に観光省のオフィスがある。 階建ての建物であるが、今回は 階の Meet-ing Room で会談を行った。午前中大臣との会 議があり、お忙しい中であったが、副大臣を始 め多くのスタッフが共に時間を割いて下さった。 安田会員がプレゼンを行うなど活発に意見交換 を行った。 ③ラマ ツアーズ(RAMA TOURS) 社長 万亀子ラドム イスカンダール 他 現地でも有名な日本人女性社長(バリ日本人 会会長)が経営するインドネシア専門のツアー

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写真 万亀子社長を囲んで オペレーターである。本社はバリ島(デンパサ ール)にあるが、ジャカルタ、ジョグジャカル タにも支店を持つ。インドネシア専門オペレー ターとして、地上手配業務を行って観光客だけ でなくビジネス客も多い。日本各地にも支店を 開設しており、万亀子社長は昨年日本で叙勲さ れた。 ⑵ホテル ①メリディアン ジャカルタ 筆者らのジャカルタにおける宿泊ホテルであ る。ジャカルタの金融街、ワールド・トレード・ センターの真向かいに建っている、歴史あるホ テルである。 ②グランド ハイアット バリ Sales Manager Ms. KANAE ASAI ヌサドゥアの代表的なホテルである。多少古 めかしい感じはするが、水の宮殿と呼ばれる、 広大な敷地に多くの池やプールが続く光景は圧 巻である。

③アヤナ リゾート & スパ バリ Japanese Sales Manager 高野典子 旧リッツカールトン、ジンバラン地区の代表 的なホテルである。日本人スタッフも多く、多 くの日本人観光客を集めている。 ④アヨディア リゾート 筆者らのバリビーチ地区での宿泊ホテルであ る。旧バリヒルトン。客室数 はバリ島最大 である。ラグーンに囲まれ、大きなプールと、 プライベートビーチを持つ。 ⑤ランゴン バリ リゾート&スパ バリの国立観光大学(BPLP-STP)の経営す るホテルである。フロント・ロビー・客室・プ ール・レストラン・バー・キッチン・スパ・ゲ ーム部屋など、学生がスタッフとして実際にホ テル実務を担当している。 ⑥アマン ダリ

Sales Manger Ms. Sariyani

ウブド地区の最高級リゾートホテルである。 アマングループとしてバリ島には他にアマン ヌサ・アマン キラの 軒が存在する。 ⑦ペルティウィ リゾート&スパ 筆者らウブド地区での宿泊ホテルである。著 名人が宿泊した、由緒あるホテルである。近隣 の観光専門学校・高校の学生が多数実習を行っ ていた。 ⑧ザ・ロイヤル・ビーチ・スミニャック かって帝国ホテルが運営受託していた旧バリ インペリアルホテル。現在はフランスのホテル チェーン・アコーグループの傘下にある。部屋 はヴィラとビルデイングの タイプ。規模は大 きくないが、バリの情緒を感じさせる落ち着い たホテルである。 Ⅲ インドネシアのインバウンドの現状と 課題 .インドネシアのインバウンドの現状 万 千以上の島々から成り、約 億 千万 人と世界第 位の人口を誇るインドネシアは、 以上の民族が継承する伝統文化や大自然な ど多様性に富む観光資源をベースに、国を挙げ てインバウンドの振興を図っている。 とくに、世界有数のリゾート地として知られ るバリ島の人気は高い。また、ボロブドゥール 寺院遺跡群やプランバナン寺院遺跡群などの文

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化遺産のほか、世界最大のトカゲ、コモドオオ トカゲの生息地として知られるコモド国立公園 などの自然遺産など合わせて つの世界遺産も 有する。インドネシアの魅力溢れる歴史的建造 物や伝統文化、自然景観は世界中の観光旅行者 を惹きつけ、訪れる外国人訪問者数は着実に増 加している。 しかし、一方で 年に起こったバリ爆弾テ ロ事件以来の治安の問題、衛生インフラの未整 備、イスラム教国に対する不安など、インバウ ンド振興にとりマイナスとなるイメージを完全 には払拭しきれていない。 図 は、インドネシアへの外国人訪問者数の 推移である。図が示すように外国人訪問者数は 着実に伸びを示し 年に 万人を超え、 年は , 千人と過去最高となった。この 年の数値は、世界ではスイス( , 千人)に次 ぐ 位で、アジアにおいては日本( , 千人) に次ぐ 位となる。決して小さな数値ではない が、隣国マレーシア( , 千人)、シンガポー ル( , 千人)と比較すると見劣りがする。 表 は、インドネシアへの国・地域別の外国 人訪問者数を表したものである。トップはフェ リーで容易に往来のできる隣国のシンガポール インドネシアへの外国人訪問者数推移(万人) 出典:インドネシア共和国観光省統計 インドネシアへの外国人訪問者数(国・地域別、 (人) 出典:インドネシア共和国観光省統計

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で , 千人、シェアは %である。 位は国 境を接する隣国マレーシアで , 千人、シェ アは %である。この隣国で経済交流の大きな 国が 万人を超え、両国を合わせると外国 人訪問者の %を占める。また、 位は同じく 隣国となるオーストラリアで 千人、シェア は %となる。前年比を見るといずれの国も増 加している。 位は中国の 千人で、前年から %増加 している。中国は経済発展を背景に富裕層だけ でなく中間層の海外旅行志向が高まっており、 アジア各国で見られる現象である。 位に日本 が登場する。 千人で、インドネシアのイン バウンドの中において大きな位置を占めている ことがわかる。 位は海外旅行志向の高まりが 継続している韓国で 千人である。以下、米 国、イギリス、台湾、インドが 万人台で続く。 近隣諸国だけでなく欧米からの訪問者も決して 少なくない。 各国のインドネシアへの訪問者がどの地域を 訪れているのかを見ていく。表 は、インドネ シアへの入国地別の外国人訪問者数を表したも のである。全体では最大の観光地であるバリ島 が %を占め、首都ジャカルタは %に留まっ ている。バリ島への訪問者のほとんど観光旅行 であり、ジャカルタへ訪問者の多くはビジネス 客であると思われる。 国別にみると、シンガポールは「その他」が 圧倒的多く、これはフェリーでつながり日帰り も可能な、インドネシアのリゾート地ビンタン 島やバタム島への入国と思われる。観光旅行者 だけではなく日常的な経済交流が盛んに行われ ている。同様に、マレーシアも「その他」が半 数以上を占める。マラッカからフェリーでスマ トラ島に結ばれており、国境も接している。こ の 国が「その他」のシェアを引き上げており、 この 国をのぞくとバリ島、ジャカルタのシェ アはかなり上がる。 オーストラリアは %がバリ島である。ほと んどがリゾート地を楽しむ観光旅行者である。 日本はジャカルタとバリ島が共に %強と拮抗 しているが、ジャカルタはビジネス、バリ島は 観光とはっきり分かれている。中国、韓国、米 国、イギリス、台湾も同様に ∼ %がバリ島 であり。インドネシアのインバウンドのデステ ィネーションとしてバリ島の存在感が大きいこ とが良く分かる。 表 は、日本人訪問者の入国地別訪問者数を 表したものである。前述のとおり、ジャカルタ とバリ島が共に 万人強で。全体の %強を占 めている。次が、近年日本でも知名度が上がっ ているピーチリゾートであるビンタン島とシン インドネシアへの入国地別外国人訪問者数(国・地域別、 (人) 出典:インドネシア共和国観光省統計

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インドネシアへの入国地別日本人訪問 者数( 出典:インドネシア共和国観光省統計 ガポールからほど近いバタム島が続き、それぞ れ %程度のシェアとなっている。ともにシン ガポールから入国する。シンガポール観光とセ ットで訪れる観光旅行者が多い。また、バタム 島は日本の企業も進出している。その他の地域 は僅かの入国者しかいない。 .インドネシアのインバウンドの取組み インドネシアの観光開発は外貨獲得の重要な 手段として、スハルト政権の第一次 ヶ年計画 の国家的プロジェクトとして位置づけられ、 年代末の原油価格低落によるオイル危機以 後に本格的に取り組まれた。つまり石油依存型 の経済からの脱却を図る重要な柱として観光、 特にインバウンドに注力し始めたのである。 今回の研究視察旅行の取材で訪れた、インド ネシア共和国観光省高官によると次のような観 光政策を 年から実施、一定の成果を残して きたと述べている。 まず、観光省が重点的に誘客促進をする国・ 地域として、表 のように 市場をターゲット としている。主要市場は、シンガポール、マレ ーシア、オーストラリアで、いずれも隣国であ り、現在の訪問者数上位 カ国である。次の優 先順位となる第 市場は、中国、日本、韓国、 フィリピン、台湾の近隣のアジア諸国と米国、 イギリス、フランスの欧米の先進国が並んでい る。さらに、振興市場として、訪問者の伸びが 期待されるインド、中東地区とオランダ、ドイ ツ、ロシアの欧州諸国を入れている。 実績の高い隣国を最重点市場とし、海外旅行 者の多いアジア諸国、欧米先進国を次のターゲ ットとし、さらにイスラム諸国の多い中東地区 を入れている。バランスのとれた順位付けと言 えよう。 インドネシア政府は、現在すでに観光訪問ビ ザ免除国であるアセアン ヶ国にチリ、香港、 マカオ、モロッコ、ペルー、エクアドルに加え、 観光省が注力するインバウンド 主要 市場 出典:インドネシア共和国観光省ヒヤリ ングによる

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年初頭より日本、中国、韓国、ロシア、オ ーストラリアに対しても観光訪問ビザ免除を計 画していると発表している。インドネシアへの 外国人訪問者数増加率を引き上げるという政府 の強い意志の現れである。また、中東地区など のイスラム教徒観光客の誘致を本格化する方針 を示している。拡大が予測される世界のイスラ ム教徒による観光需要を、イスラム教国である インドネシアが受け皿になろうとしている。 日本人観光旅行者だけではなく、多くの国の 観光旅行者がバリ島の訪問に集中していること が大きな課題として、インドネシアの観光地の 多様化をはかる方針を示している。表 の の デスティネーションを旅行先の選択肢としてア ピールしている。これらのデスティネーション に対しては空港の整備などを実施し、ガルーダ・ インドネシア航空(GA)が国内線を拡張しアク セスも向上している。各国の旅行会社に対して これらデスティネーションへの商品造成を訴え、 旅行会社、メディア向けに同地域への FAM ツ アーも実施している。これらのプロモーション の効果もあり、ダイビングスポットとして有名 なブナケン(北スラウェシ)やラジャ・アンパ ット(西パプア)などへの日本人訪問者が増加 した。 さらに次の つのテーマを設定し、それぞれ の素晴らしさを積極的にアピールしている。

① Culture & Heritage(文化と世界遺産) ② Nature & Ecotourism(自然とエコツー

リズム)

③ Sport & Recreation(スポーツとレクリエ ーション)

④ Cruise ship(クルーズ)

⑤ Culinary & Shopping(グルメとショッピ ング)

⑥ Health & Wellness(健康と美容) ⑦ MICE とくに、ダイビングやサーフィン、ゴルフな どの「スポーツとレクリエーション」とスパ、 エステなどの「健康と美容」に注力している。 スポーツとレクリエーションはシニア世代、美 容と健康ではヤング層の取り込みを図ろうとし 観光省が注力する主要 デスティネーション 出典:インドネシア共和国観光省ヒヤリングによる

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ている。また、国際都市ジャカルタや人気のバ リ島の他、ジョグジャカルタ、スラバヤ、マカ ッサル、マナド、バタムなどを MICE 主要 都 市として指定、国際レベルの会議や展示会の開 催など MICE の拡大を目指している。 インドネシア政府はこれら明確な方針のもと インバウンドの振興に取り組み、 年までに、 年の 万人という訪問者数見込みの倍に 当たる、 , 万人達成を目標に掲げている。 .インドネシアのインバウンドの課題と可能性 今回の研究視察旅行でジャカルタ、バリ島を 中心に視察、取材、ヒヤリングをして感じた課 題は次のようなものである。 第 は、バリ島への集中である。バリ島に関 しては世界有数なビーチリゾート地であるとと もにウブドなど伝統と芸術を表現できる地域も あり申し分ないデスティネーションと言えるが、 他地域への訪問は決して多くないようだ。それ は広報不足、国内交通インフラの問題などによ るものと思う。 第 は、衛生インフラの課題である。上下水 道、トイレなどの問題であるが、国民全体の保 健衛生観念に係わることである。ホテルなどで 感じることはないが、インドネシア同様に経済 発展をしている他の東南アジア諸国と比較して も不安に感じることが多く、日本人だけでなく 外国人訪問者増加の障害になる。実際、不衛生 な生活による下痢のために死亡するインドネシ アの子供は一年間に 万人を超えているという。 第 は、 年に起こったバリ爆弾テロ事件 のような大きい保安上の問題から強盗、盗難な どの治安上の問題である。観光旅行者保護を主 務とする観光警察部門が観光地を所轄する警察 署の中に設けられるなど改善が進み、実際に危 険を感じることは少ないが多くの観光旅行者に とりいまだ払拭できない負のイメージである。 しかし、インドネシアは、多様な文化からな り、豊かな自然に恵まれた、アジアの中でも独 自の観光資源が豊富にある魅力的な国であり、 インバウンド拡大のポテンシャルは極めて高い。 「神々が微笑み、芸術が花開く魅惑の楽園」 「無限の魅力を秘めた神々の棲む楽園」「癒し と幻想の楽園」、これらはインドネシアをアピ ールするキャッチコピーであるが、いずれもバ リ島のイメージそのものである。多様な文化、 伝統、豊かな自然をアピールする必要があるだ ろう。「多彩な民族と未知なる文化のたびへ」 のキャッチコピーの方が言い表しているかもし れない。「多様性」が最大のテーマであり売り である。政府が示している のデスティネーシ ョンの特徴と素晴らしさをアピールするととも に、観光旅行者が安全、快適にアクセスし、滞 在できることを示す必要があるだろう。 日本、中国、韓国、ロシア、オーストラリア に対する観光訪問ビザ免除は、インドネシアの インバウンドを加速的に拡大させる可能性があ る。ただ、日本人にとってインドネシアのビザ は到着空港で簡単に取得できるものである。ガ ルーダ・インドネシア航空利用の場合は成田空 港で取得できる。もともと、渡航への大きなハ ードルにはなっていなかった。しかし、この カ国にとってはイメージとして行きやすい国に なることは間違いない。さらに、中東地区など のイスラム諸国への誘客促進はインドネシアの 優位性を示せる。 観光省は前述した つのテーマのうち「スポ ーツとレクリエー シ ョ ン」「健 康 と 美 容」と 「MICE」に傾注することを表明しているが、 インバウンド先進国である東南アジア諸国との 差別性が出ていない。むしろ、最大の特徴であ る多様な「文化」すなわち豊富なデスティネー ションのアピールをすべきだと考える。さらに 島ごとに異なる豊富な自然とそこで営まれる暮 らしに焦点を当てた「エコツーリズム」、島々 を巡る「クルーズ」などは明確に優位性を示す ことのできる観光資源となりうると考える。そ れらを打ち出す中で、インバウンドの少なから

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ず障害となっている「衛生」「治安」問題を払 拭する継続的かつ大胆な努力をすることが重要 である。 Ⅳ インドネシアのインバウンド観光地 .ジャカルタとジャワ島 ⑴ジャカルタ 今回の研究視察旅行で、インドネシア共和国 観光省へ取材するために最初に訪れた都市であ る。インドネシアの首都ジャカルタは、人口 , 万人を擁する東南アジア有数の国際都市 である。政治、経済の中心地として、日本人を はじめ世界中のビジネスマンが訪れ、在住して いる。 もともとスンダ・クラパという小さな港町だ ったこの場所は、マラッカ(マレーシア)との 交易やオランダの植民地時代を経て、 世紀後 半から国家の中心都市として発展した。近代都 市として発展を続けているが、一方歴史的建造 物なども多く残っている。ホテルは充実してい るが、他の東南アジアの首都に感じられる観光 的な魅力には乏しい。 主な観光スポットは、独立記念塔モナス、ム ルデカ広場、故スカルノ大統領の住んだ大統領 宮殿、ジャラン・タムリン通りのショッピング センターなどである。 ⑵ジャワ島の観光地 万数千の島々からなる群島国家であるイン ドネシアの中心となるのが首都ジャカルタのあ るジャワ島である。他の島からも多くの人が移 り住み、現在ジャワ島の人口はインドネシア全 体の 割を占めている。政治、経済の中枢とし て繁栄を続けながらも、世界遺産に登録されて いる遺跡も数多く残され、民族性に富んだ王宮 文化の美しさを今なお継承している観光地が点 在する。 王宮文化が残る古都ジョグジャカルタ、ジョ グジャカルタより ㎞、大乗仏教の石造りの建 造物、精緻な壁画が刻まれた回廊、世界遺産に も登録されているアジアでも最大の仏教遺跡と 言われる神秘の仏教遺跡ボロブドゥール古代遺 跡、ジョグジャカルタよりバスで約 分、およ そ ㎞四方にわたって、いくつもの遺跡が残る 巨大な寺院群でヒンドゥー教の遺跡としてはイ ンドネシア最大級の燃え立つヒンズー教遺跡プ ランバナンなどがある。また、ジャワ島中央部 に位置するソロは、ジャワ島最大の川「ソロ川」 のほとりにあり、美しいメロディで歌われたブ ンガワン・ソロの歌でも知られる古都である。 .バリ島 美しい近代的なビーチリゾートと数々の伝統 的な寺院、自然景観が共存する、インドネシア において日本をはじめとする外国人旅行者に最 も人気のある観光地である。壮大な自然と豊か な文化に恵まれたバリは、“プラウ・デワタ” (神々の住む島)として知られている。今回研 究視察旅行で訪れたが、世界的に観光地として のパワーを各所で実感することができた。 バリ島には、バリ土着の信仰とインド仏教や ヒンドゥー教が習合した信仰体系「バリ・ヒン ドゥー教」が主流宗教として定着し、バリの人々 の %以上がこの教えに従って生活を送ってい る。バリ・ヒンドゥー教が生活の一部となって いるバリの人々にとって、寺院祭礼のために装 飾し食物を供えることと同じく、舞踊を奉納す ることも神々と交わるための重要な役割となっ ており、バリス、ケチャ、バロンなど多くの伝 統舞踊があり、旅行者も観賞することができる。 美しい夕日のスポットとして知られるクタ・ レギャンは、 年代後半、ネパールのカトマ ンズ、アフガニスタンのカブールとともに、ヒ ッピーたちに「3K」と呼ばれていた三大聖地の ひとつであった。今日ではサーファーたちのメ ッカであり、多くの若者が訪れている。 ヌサドゥアは、インドネシア政府の開発計画

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によってバリで最初に開発された大型リゾート タウンである。ヤシの木が生い茂る巨大な公園 のような広い敷地の中に建ち並ぶ高級ホテルや 白妙のビーチ、珊瑚礁のラグーンなど、別世界 のリゾート空間が広がっている。バリ島で最も 古くから愛されたリゾートエリア、サヌールは バリで最初に大型ホテルが建てられた場所であ り、海外から多くの芸術家たちが滞在し、芸術 の中心地として知られている。昔ながらの情緒 漂う静かな雰囲気を求めてやってくる欧米から の観光旅行者が多い。 ウブドはアートと芸能の中心地として世界的 な知名度を上げた芸術村である。毎晩のように 伝統舞踊の公演が開かれ、町中には伝統絵画か ら現代アートまで幅広い芸術作品を展示したギ ャラリーや美術館も多くあり、お洒落なショッ プやレストランが立ち並び多くの観光旅行者を 迎え入れている。また、緑が豊かな丘陵と渓谷 の間に広がる美しいライステラス(棚田)の景 観は素晴らしく、高級ホテルが点在しリピータ ーや長期滞在者からの人気を集めている。 .その他の観光地 ⑴スマトラ島 インドネシアの西端にあるスマトラ島には、 東南アジア最大の湖トバ湖や火山に囲まれた高 原の街ブキティンギなどの観光スポットをある。 絶滅危機に瀕するオランウータンやスマトラタ イガーが生息する地としても知られている。近 年では温泉や世界レベルのゴルフコースなども 整備され、“小さな楽園”と高く評価されてい るという。 ⑵カリマンタン を超える先住民たちの生活に触れること ができる島。カリマンタンは、世界で 番目に 大きな島ボルネオ島の 分の を占めており、 ケニャ族、カヤン族、ガジュ族、イバン族をは じめとする多くの種族が暮らしている。マレー 語で「森の住人」という名を持つオランウータ ンが豊かな熱帯の林に生息している。タンジュ ン・プティン国立公園でオランウータンに会う ことができる。マハカム川の川下りの船旅で、 雄大な景観、未知の文化、流域の人々の伝統的 な生活様式に触れることもできる。 ⑶ヌサ・トゥンガラ ヌサ・トゥンガラとは「南東の島々」を意味 する言葉で、大小約 , の島々が横に長く連 なっている諸島である。サーファーの聖地スン バワ島、コモドオオトカゲが生息するコモド島 などそれぞれ島ごとの個性があり多様な民族が 生活している。周囲に浮かぶリンチャ島とパダ ル島とともに国立公園に指定され、 年には 世界自然遺産として登録された。観光の一番の 目玉はやはりコモドオオトカゲである。白亜紀 にまでさかのぼる誕生の起源を持つこの古代生 物が今なお生き残っているのは、この島周辺の 非常に激しい潮流が外界から生態系を隔絶した ためと言われている。 ⑷ロンボク島 バリ島の東約 ㎞、真珠のように輝く海に浮 かぶロンボク島は白妙の美しいビーチが数多く 存在するリゾートの島である。島の海岸部全体 がダイビングやシュノーケリングのスポットで 多くのダイバー憧れの地でもある。この島の最 大の魅力はビーチと海。「第二のバリ島」とし て観光開発が進められているが、まだ静かで島 本来の素朴さを残しているのが魅力である。 ⑸ビンタン島・バタム島 日本でも知名度が上がっているビーチリゾー トであるビンタン島とシンガポールからほど近 いバタム島、ともにインドネシアのリアウ諸島 州に属する島である。ビンタン島はシンガポー ルからフェリーで 分のリゾートアイランドで、 シンガポールとインドネシア両国政府の共同プ

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ロジェクトにより開発され、現在もリゾート開 発が進んでいる。高級ホテルがあり、マリンス ポーツ、ゴルフ、スパなどが楽しめる。ともに シンガポール観光とセットで訪れる観光旅行者 が多い。 Ⅴ バリ島ホテル事情の変化と特徴 .バリ島ホテル事情の変化 バリ島は独立前最初の観光ブームが起こり、 その後 年代以降 度の大きな観光政策の転 換をみた。第 期の観光政策は、当初中央政府 が主導した(観光化基礎形成期:バリ島の国際 観光を優先的に第 次 ヵ年計画 ∼)。第 期は観光客急増期を過ぎたのち、バリ州政府 に主導権が移り、生活観光、文化観光に拡大し た。但し、スハルト政権末期の政情不安・津波・ 年、 年のバリ島爆弾事件などにより観 光客停滞・縮小期が約 年続いた。 年リー マンショックの後、観光客は回復し 年には APEC が開催されるなど現在拡大期に入って いる。今日 MICE 関連施設では首都ジャカル タを凌駕している。(図 ) 海外訪問客数とバリ島ホテル軒数推移(軒・人)

出所:Number of Foreign Visitors ∼ :BADAN PUSAT STATIK Republik Indonesia(=BPS : Statistics Indonesia of The Republic Indonesia)

Number of Accomodations : BADAN PUSAT STATIK, Statistical Yearbook of Indonesia( ∼ )をもとに筆者作成。

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.バリ島ホテル事情の特徴 ⑴ホテル軒数はインドネシア国内トップの州で ある。 バリ島のホテルは①★付高級ホテル( ∼ ★)、②中級ホテル、③エコノミーホテルの カテゴリーに分類される。超高級から格安のエ コノミーホテルまで取り揃えているため、ホテ ル軒数の量的拡大のみならず富裕層から国内客 やバックパッカーまで幅の広い需要に対応でき カテゴリーの面でも多彩である。 ⑵小規模の傾向にある。 バリ島では最大級規模のホテルでも 室ほ どしかない。エコノミーランクに至っては平均 部屋と小規模である。超高級ホテルのアマン ホテルグループの 室規模は別格としても、 − 年の新設 ★ホテル 軒を例にすると ∼ 室レベルであり近年の高級ホテルにそ の傾向が著しい。この点がビルの立ち並ぶハワ イやシンガポール等の観光地とは大きく異なる 点である。「椰子の木以上の高さの建物を建て ない」とした第 代イド・バグス・マントラ州 知事の「周囲の景観との一体感を大切にする基 本」が守られている。 ⑶サービスレベルを維持する人材が豊富である。 高校・専門学校や STP Nusa Dua Bali 国立 観光大学)等から毎年約 , 人の卒業生を観 光産業に輩出している。教育訓練された人材を 確保できている。よいサービスとは「いつでも どこでも、サービスマンによるブレが無く、提 供されるサービスの最低基準のレベルが高い」 があげられるだろうが、その点で優秀なるホテ ルが多いのはそれを支える人材が多い結果とい える。しかし近年、海外のクルーズ、ホテル・ レストラン、スパ他観光産業などの職場に人材 流失している。賃金の低さが一因と考えられる。 主に男性が米国、イタリア、スペインなどで働 いている。バリ島の最低賃金はインドネシア全 国平均より低く、トップ水準のジャカルタ特別 州より 年では 万ルピア以上の差がある) ⑷「最後の楽園」「神々の住む島」のイメージ戦略。 バリ島が世界的に有名になったのは 年の パリ万国博覧会において植民地オランダ・セク ションでガムランの生演奏が紹介された以降で ある。「最後の楽園」「神々の住む島」と欧米人 が憧れ続けているバリ島の魅力はその自然に加 え、文化・芸術があげられることが多い。しか し、元々のバリ伝統文化そのままというよりも、 ホテル カテゴリーの比較表( 年度バリ島比較) ①★付高級ホテル ( ★∼ ★) Berbintang(=星付) ②中級ホテル (ジャスミンホテル) Melati(=ジャスミン) ③エコノミー Pondok Wisata (=観光コテッジ) 客室料金帯( 泊) ¥ , ∼ ¥ , ∼ ¥ , ∼ 平均客室数 室 室 室 室当り従業員数 .人) .人 該当資料・数値なし 総軒数と総室数 軒 , 室 , 軒 , 室 , 軒 , 室 − 年の 年間の特徴 軒数は 軒 %の増加。ただ し 軒当りの室数は減少し小 型化の傾向が見られる。(平均 室 %減少している。) 総軒数は 軒 %の微増。た だし総室数は減少し小型化し ている。( 軒当り平均室数 室から 室に減少している。) 軒当り室数の平均 室は変 わらないものの、総軒数が増 大した。(総軒数 軒 %増。 一方総室数は 室 %増大 している。)

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欧米人という他者の視線によって創造され、多 分に理想化された「創られた伝統」観光文化の 側面も指摘できるという説もあり定着しつつあ る。バリ伝統文化は保存より以上に発明されて いるとさえ言われる。バリ島のローカルな領域 に閉じこもっていたわけではなくその逆に近い というのである。バリ島文化は年々変化してい る。その点は 年以来毎年開催され、今年で 回目を迎えた「バリ芸術祭」のプログラムに 従来の伝統舞踏に加えバリポップやコンテンポ ラリー音楽が盛り込まれている点からも明らか である。高級ホテルは、村落の更に小さな単位 であるバンジャール(=Banjar 集落)と契約を 結び観光ショーを提供してバリ文化の一端を発 信している。 ⑸バリ島のライフスタイルを観光する。 年に始まる「伝統観光村」のコンセプト は、従来のヌサ・ドア開発のような日常と隔離 された地域を造成するのではなく、バリの日常 生活を観光客に披瀝するための観光開発である。 インドネシア全国 箇所の伝統観光村のうちバ リ島及び隣州だけで 件と約半数を占めている。 コンセプトの代表例として高級ホテルの場合で は 年開業のアマンダリであり、近年水田の 中にあって景観を楽しむように建てられた中級 ホテルたちである。いまや世界中の高級リゾー トの代名詞となったアマングループのコンセプ トは「ワイルド&ラグジュアリー」であり、創 業者エイドリアン・ゼッカはいみじくも「私は ホスピタリティ産業ではなく、ライフスタイル・ ビジネスをしているのです)」と語っている、 正にバリ島のライフスタイルを観光するコンセ プトである。贅沢で、心地よくて、快適なるも の。具体的には、ライステラスを借景とした建 物、その後バリ島のホテルの代名詞ともなった インフィニテイプール、日本旅館の「離れ」か ら着想を得たとされるヴィラスタイルの客室、 広いテラス、バリ(アジアン)テイストのイン テリアなどその後のアジアンリゾートの嚆矢と なったコンセプトを指す。 ⑹異国・異空間の演出。 ビジネス客の多いジャカルタが平均宿泊日数 泊強であるのにバリ島のホテルでは平均 ∼ .泊であり滞在型ホテルを志向している。イ スラム教国インドネシア国内にあってバリ島の バリ・ヒンドウー教の存在は、バリ島をして「異 国」「外国」との異空間を演出している。ほぼ 年中開催されている宗教儀式やバリ人の生活 そのものが観光となっている。また世界文化遺 産となったスバックシステムや歴史的な場所や 建造物も多く、その近辺でホテルが建設されて いる。 ⑺国内客の増大。 ただし、最近の 年間は観光客の滞在日数が 縮少している。LCC 増便や爆弾事件以降振替 休日・有給休暇奨励制度などの休日増大政策に よる国内客の増大が主原因である。それはまた、 イスラム教客増大を意味し食事・祈祷室などイ スラム教徒への対応も求められるようになった。 .バリ島ホテル事情のまとめ バリ島は観光開発を地域限定のスポット開発 から全島観光化に変化させてきた。その結果ホ テル業も全土に拡大した。また観光客の増大は、 従来の高級ホテル利用者だけでなく中間層や国 内客の増大によるものである。彼らの需要に対 応すべくホテルのカテゴリーも中級・エコニミ ーが増えた。バリ島の景観や文化芸術はバリ観 光の大きな魅力である。「パラダイスの島」を 求めて訪れる海外観光客、ちょっと外国気分を 味わえる増大する国内中産階級客そのいずれに も対応できるよう新たにバリ文化を創造・保 全・育成の努力が必要である。それがとりもな おさずバリ島のホテル産業隆盛の礎である。

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Ⅵ インドネシアの航空政策 .インドネシアの航空事情 ⑴概況 IATA の分析によると、 年までには世界 の約半分の航空市場を東南アジア地域が占める という)。とりわけインドネシアは、約 億 千万人に上る世界第 位の人口と、日本の約 倍の国土面積を有することから、特に注目度が 高い。さらに、インドネシアは、 万 千を超 える島々からなる世界最大の島嶼国家であるた め、飛行機が有力な移動手段であり、潜在的需 要が大きいのは明らかである。その上、経済の 急速な成長も追い風となり、同国の航空市場は、 より一層の成長が見込まれているのである。 インドネシアの航空会社といえば、ガルーダ・ インドネシア航空 Garuda Indonesia Airlines が圧倒的な存在感を示している。ガルーダ航空 は、主要な国際路線をもつインドネシアのナシ ョナル・フラッグ・キャリアであり、国内唯一 のスカイチーム・メンバーでもある。日本就航 から 周年、ANA とのコードシェア便も運航 している。また、 年度のエアライン・スタ ー・ランキング(英国スカイトラック社))で は、最高評価である「 スター」を獲得した上、 更に「World’s best Airline Cabin Staff in

」でも堂々 位という、紛れもなくインド ネシアを代表するエアラインである。 このように、同社の海外での知名度は抜群に 高いといえるが、実は、インドネシア最大規模 の航空会社といえば、格安航空会社(LCC)の 「ライオン・エア Lion Air」である。また、旅 客数と座席占有率で言えば、「インドネシア・ エアアジア Indonesia AirAsia」が、国際線市 場における国内トップのシェアを維持している が)、このエアラインもまた LCC である。 このように、インドネシア航空産業の特徴は、 LCC の事業展開が特に活発であるという事に ある。世界 大 LCC 空 港)の 一 つ、ジ ャ カ ル タ・スカルノハッタ国際空港を擁していること がその裏付けともいえるが、実際、インドネシ ア発着便の運航席数に占める LCC の割合は、 国内線で %、国際線では %だという)。こ れは ASEAN 加盟国の中で、国内線ではフィ リピン( %)に続く 位、国際線ではマレー シア( %)に次ぐ 位。国内線と国際線の合 計では %と、ASEAN では首位となる )。LCC 市場の拡大が、インドネシア航空産業の成長を 後押ししているといえるだろう。ガルーダ・イ ンドネシア航空はフルサービスのエアラインで あるが、同時に LCC の Citilink を子会社とし て展開し、LCC 市場の開拓を進めてきたこと も、注目に値する。 この流れは、航空事業参入自由化に契機があ る。インドネシアにおいては、アジア経済危機 からの回復の兆しが見え始めた 年以降、政 府が新規航空企業の路線開設を積極的に認める 航空規制緩和政策を進めた。多くの新興航空会 社が市場に参入し、競合路線が増えたことによ り、国内線の航空運賃水準は劇的に低下すると ともに、航空需要が急速な伸びを見せ、航空交 通量は著しい増加に転じた。 自由化から最初の 年で、AOC )を持つ 航空会社は 社に上り、その後も航空会社の数 は増え続けたのである。 ⑵安全性の問題 ∼ 年、当時インドネシア第 位の規 模であった「アダム航空 Adam Air」に、事故 が重なったことを受けて )、インドネシア航空 業界の安全管理体制が国際的に糾弾された ) その結果、監督官庁である DGCA(Directorate General Civil Aviation インドネシア運輸省航 空総局)の評価が、アメリカ連邦運輸局(FAA) により 年 月、国際航空安全評価(IASA) プログラムの「カテゴリーⅡ」に引き下げられ た )。また、EU は 年 月、インドネシア

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の航空会社 社の EU 域内での運航を全面的に 禁止した。 この措置は、 年に一部解除されたものの、 ガルーダ航空、エアファスト、マンダラ航空、 インドネシア・エアアジア、プレミエアーの都 合 社を除くインドネシアの航空会社は、いま だにヨーロッパへの乗り入れを許可されていな い。これは、安全管理体制に引き続き課題を残 しているからに他ならないのであり、早急な改 善が求められるところである。 ガルーダ航空は 年にヨーロッパ線を復活 できたものの「危ないエアライン」というイメ ージからの脱却に苦心することになる。しかし、 同年、スカイトラック社のワールド・エアライ ン・アワードで、「世界で最も改善された航空 会社」として評価され、更に 年には「 ス ター」の最高評価を受けるまでになった。この 評価の V 字回復には、相当な企業努力があっ たに違いないが、企業単独というよりは、国の 威信をかけ、挙国体制で抜本的安全管理に注力 した結果に他ならない。 年 月現在、イン ドネシア国家 が 保 有 し て い る 同 社 の 株 式 は . %という事情が見え隠れする。 そして、その裏では、日本の OED も大きな 貢献をしているのである )。価格競争に伴う需 要の増加と航空会社の急増に伴うフライト数の 増加に対して、航空関連職員や規制当局職員の 供給や能力の向上が追いつかない状況を打破し、 航空安全監督の強化を行うための技術協力が要 請されたのであった ) 諸外国に比して緩い印象が否めなかった新規 航空事業参入の許認可基準を厳格化(最低保有 機数を 機から 機へ、運休期間を短く制限な ど)することにより、かなりの数の AOC 認 可が取り消された。そしてついに、 年 月 には、新規航空会社の認可を中断するに至った。 DGCA が ICAO 理事国への復帰を目指した取 り組みであるという ) .今後の課題と展望 Indonesia 国運輸省航空総局(DGCA)元技 術顧問の伊佐田剛氏によると、インドネシアの 航空業界は、 年までを途上国段階とすれば、 年 月のインドネシア・エアアジア 便 事故までが新興国段階、そしてこの事故を機に 航空システムの近代化が図られることで、先進 国段階へと進化すべき時期が到来しているとい えるだろう。 例えば、Lion Air の現在の保有機材数は、注 文済み機材数を含めれば 機にも及んでい る )。因に JAL や ANA の保有機材数は 代であるが、 機規模の保有機材数を誇るの は、世界中でも唯一デルタ航空のみであること から、Lion Air は近い将来、世界のトップクラ スの航空会社になるのは確実と言われている ) 政府は 年までに , 万人の観光客を誘 致するとしていることからも、DGCA をはじ めとした関係諸機関は、その受け入れ体制の構 築を急ぐ必要がある。航空会社の許認可の厳緩 の問題に留まらない、航空行政の刷新と広範囲 な輸送システムと運用の近代化が新政権の下で 急浮上しているのである。インドネシア・エア アジア 便事故から発覚した路線許可の不完 全さや無秩序ともいえる管制運用実態、さらに 年 月に起きた Lion Air 全便に関わる記 録的な遅延などは、氷山の一角と言えるものか もしれない ) 同時に、輸送を補完する空港や高速道路、陸上 交通に関してもインフラ整備が求められている。 インドネシアの主な空港は、Medan、Soekarono-Hatta、Bali、Makasaar、Manado 等があげら れるが、特に、Soekarono-Hatta スカルノ・ハ ッタ空港における国際線から国内線への乗り継 ぎに関する評判が悪い。 現在、スカルノ・ハッタ国際空港の拡張プロ ジェクトが、JICA の指揮の元、日本企業群か らの支援を受けて進行中である。ターミナル と の間をつなぐ駐車場スペース、鉄道駅を含

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む統合型ビルディング、カーゴ専用ターミナル、 ターミナル( ・ ・ )間を接続する Auto-mated People Mover(自動旅客運送システム) が 年頃までに完成予定とのこと。これによ り、空港場内での旅客の移動はここ 年程で抜 本的に改善される見通しという。その後、鉄道 駅、市内直通の鉄道、第 滑走路建設、第 タ ーミナルの建設、商業エリア建設等が計画され ていることから )、スカルノ・ハッタ国際空港 が、国際水準の空港に変貌する日も近いと思わ れる。 さらにジャカルタの首都圏東部ブカシ・カラ ワン地区と首都圏西部タスカルノ・ハッタ空港 北西部に、民間資金による新空港が / 年着工予定である。両新空港は、いずれも空港 都市構想を持つ計画であり、同時に、ジャカル タ市圏内への一極集中を周辺分散するデザイン が施されている。 年新政権の元、初めて観光を単独で担当 する観光省が発足した。ジョコ・ウイドド新政 権がインドネシア・ツーリズムの潜在力に大き な期待を持っている事の現れである。観光省は 海事調整省のコーディネートの元で、運輸省、 海洋水産省、鉱物資源省と連携をとる事になる が、アリフ・ヤフヤ観光大臣は、インドネシア 国営企業テレコムの出身で、最新のデジタルテ クノロジーを駆使する重要性を説いている ) 観光の発展を促進する上で、航空行政の整備 は観光省にとっても重要な案件である。運輸省 との連携の中で、共通の課題であるインフラ整 備、情報通信テクノロジーの活用により、航空 行政も国際スタンダードに向けての経営改革が 進められる事を期待したい。 折しも 年は、ASEAN 共同体発足の年で あり、オープンスカイ元年でもある。ASEAN における重要な役割を果たすためにも、インド ネシアの航空輸送業界が健全に成長し、インド ネシア・ツーリズムの更なる発展に寄与するこ とが求められている。 Ⅶ まとめ インドネシアは、日本同様の島国であるが、 万 千を超える島々から成り、約 億 千万 人という世界第 位の人口は、日本よりも遙か に大きな国である。国民の平均年齢も 歳と若 い、強大なパワーを持つインドネシアは、島嶼 国家であるため航空会社の需要がかなり高い。 フラッグキャリアのガルーダ航空を筆頭に、よ り一層の成長が見込まれている。また、ライオ ン・エアなど、多くの格安航空会社(LCC)が 事業に参入してきているのが特徴である。 国内経済の発展と、航空事業自由化に伴う航 空運賃の低下は、インドネシアの国内航空需要 の著しい伸びをもたらすと共に国際線の航空交 通量をも増大させてきた。その後押しもあって、 外国人訪問者数はこの 年ほどの間に約 倍に 増加している。しかしその総数は、 万人程 度であり、まだまだ物足りないといえる。イン ドネシア観光省は、今後この外国人観光客を、 シンガポールやマレーシア並みの , 万人ま で増加させることを目標にしている。そのため に、観光省は のデスティネーションと つの テーマを設定し、バリだけではないインバウン ドの振興に取り組み始めている。 これらの数字は、我が国の目標とする数字と 近似している。観光客を誘致するために必要な ホテルの数もだいぶ増加してきているようであ る。特に滞在型リゾートを目指すバリ島におい ては、施設数が数百軒単位で増加している。た だ、「ヤシの木以上の高さの建物は建てない」 との方針のもと高層ホテルはなく、敷地面積は 広くとも、客室数は 室程度で多くはないこ とが、劇的に観光客を増加させるネックになる のではないだろうか。もっとも、日本のホテル の平均宿泊数に比して、バリは海外客で平均 . 泊から .泊、国内客ですら .泊から .泊と、 倍近く長い。訪問者数に比して総宿泊数の多

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い点が利点としてあげられる。いかに稼働率を 上げるかが重要であろう。 バリのクタ地区では、 年と 年に 度 も爆弾事件が起き、多くの観光客の命が失われ た。しかし、ヌサドゥア地区を隔離し、厳重な 警備態勢を敷くなど安全の確保に努めた結果、 海外観光客数も事件前を凌駕しつつある。この 事件は政府に国内旅行客を増加させるため、数 多くの施策を講じさせた。これらの対策が国内 航空事業の発展につながったようである。 日本としても大いに参考にすべき点として、 観光専門学校の充実があげられる。特に国立の 養成施設が、優秀な観光サービスに従事する人 材を輩出している。ただしこれらの人材は、イ ンドネシア国内で就職するものは少なく、男性 は賃金の高い米国、イタリア、スペインへ、女 性はマレーシアやシンガポールなどへ出稼ぎに 出ており、人材流出が起きてしまっていること が残念である。インドネシアが今後外国人観光 客を劇的に増加させていくには、ジャカルタの 交通渋滞に代表される交通インフラの整備、上 下水道等衛生インフラの整備、治安の確保が絶 対的な要件であろう。 我々観光立国政策研究会は、今後も、アジア を中心とした地域の観光を研究することで、我 が国の観光立国政策に寄与していきたいと考え ている。 謝辞 インドネシア政府観光省高官との会談の場を 持てたのは、本学職員の宮下元氏と奥様である 宮下イメルダさんの尽力によるものであり、こ の場を借りて心から謝意を表したい。 ★付ホテルは ★から始まるが ★∼ ★ホテル は つを合わせても軒数は %台であり海外コン サルテイング会社が示す多くの統計資料も ★∼ ★ホテルを対象にしているのが実状である。一 般的には従業員/客室数= が高級ホテルといわ れる。例えば、アマンダリの場合客室数 室に対 して従業員数は 人 室当り . 人。日本の代 表的旅館「俵屋」でさえ、 室に対して 人 室 当り . 人に留まる。 ★∼ ★ホテルの場合、 ¥ , ∼、 .人以上であることは容易に類推 できる。

STP Nusa Dua Bali の在校生 名。その外バ

リ島には合計観光系 校が存在する。

BADAN PUSAT STATIK “Growth of Regional

Minimum Wages/Province in Indonesia”, “CPI Nominal Wage and Real Wage Index of Pro-duction Workers in Below Supervisory Level

‐ ”.

「ワイルド&ラグ ジ ュ ア リ

ー」ILTM(Interna-tional luxury Travel Market)Asia の特別功労 賞受賞スピーチ、 .。自然と対峙するのでは なく、自然を取り入れ自然と共生するとの自然観。

“Market Developments Outlook” IATA-Economic

& Analisis 2013英国に拠点を置く航空サービスリサーチ会社。各 国の国際空港や航空会社の評価を毎年発表してお り、そのレポートは影響力が大きい。 )巣内尚子( 「ガルーダ、ライオン、エアア ジア 沸騰するインドネシア航空市 場」 、WE-BRONZA、 . 。主たる国際路線は、殆どが ガルーダ航空によるオぺレーションであり、LCC による国際線はシンガポール線が主で、スマトラ 島のメダンや地方都市からマレーシアのクアラン プールおよびその周辺の都市を結ぶ路線などであ る。需要の小さい国際路線を航空会社は年々需要 の大小により、運航の中断、再開を繰り返してい るとみられている。 )クアラルンプール国際、バンコク・ドンムアン、 ジャカルタ・スカルノハッタが世界 大 LCC 空 港であるが、全てが東南アジア地域に集中してい る。

航空経営研究所( 「CAPA Aviation Outlook

SE Asia」、 年 月 日。

巣内尚子( 「ガルーダ、ライオン、エアア

ジア 沸騰するインドネシア航空市 場」 、WE-BRONZA、 . 。

インドネシア航空総局(Civil Aviation

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社に与える認証コード。Air Operator Certificate の略称。他に 人以下の規模かチャーター便 の運航会社に与える AOC がある。 ) 年 月、 年 月、 年 月と事故が続 いた。特に 年 月はアダム航空 便墜落事 故で乗客乗員全員死亡。安全を軽視する会社側の 姿勢が問題となる。 )上記脚注のアダム航空の事故のみならず、それま での 年間( ‐ 年)に 件の航空機事故 が発生している。 )IASA プログラムとは、米国へ乗り入れしている、 または、乗り入れが見込まれる航空会社を監督す る立場となる航空当局について評価する FAA 独 自の評価活動のこと。 評価結果として、 つのカテゴリーに分類し、公 開している。カテゴリーⅠは ICAO 基準に準拠し ていることを意味する。カテゴリーⅡは準拠して ないことを意味し、新規に米国路線を設定するこ とは不可能となる。カテゴリーⅡとなる観点は、 当該国法規則が不十分、航空会社に対する監督能 力不足、航空当局の業務体制の不備が挙げられる。 評価基準は国際民間航空機関が定める世界共通基 準(ICAO 基準)に準拠しているかどうかであり、 米国基準ではないとされている。 )JICA による「航空機及びその運航の安全確保能 力強化プロジェクト( .∼ . )」、「航空 安全政策向上プロジェクト( .∼ .)」。 前者は、価格競争に伴う需要の増加と航空会社の 急増に伴うフライト数の増加に対して、航空関連 職員や規制当局職員の供給や能力の向上が追いつ かない状況となっており、国内のみならず、国際 的にも安全性の信頼度が低下していることから、 インドネシア政府は、航空安全監督の強化を行う ため、我が国に対して技術協力が要請された。後 者は、インドネシアの航空交通の安全性向上を目 指して、次世代航空保安システム(新 CNS/ATM) および航空機運航の安全監督分野に お け る、 DGCA(運輸省航空総局)と CATC(運輸省教育 訓練庁航空教育訓練センター)の能力強化を支援 するプロジェクト。日本側から総額約 .億円と 専門家チームを派遣して現在も進行中。 )小熊仁( 「ASEAN における航空輸送と空港 整備の展開」『運輸と経済 第 巻第 号』 .。 )Indonesia 国運輸省航空総局(DGCA)元技術顧

問の伊佐田剛氏(NPO AFFA ASIA メンバー) への取材( ..)による。 )ライオン航空は、 年 月、インドネシアを訪 問したオバマ大統領の同席のもと、ボーイング社 と航空機 機の購入契約を結んだ。契約額は総 額 億米ドル。この数字は、発注数、金額とも にボーイング社史上最高の契約であるという。さ らに 年 月には、仏パリのエリゼ宮でオラン ド大統領の見守る中、エアバス社と旅客機 機 の購入契約に調印。契約総額は計 億ユーロ(約 兆 億円)に達する見込みである。 )注 に同じ。注 に同じ。 ) 「スカルノハッタ空港の拡張計画(∼ 年)の舞 台裏には日本がいた」Butler-Japan.asia . 。 )インドネシア共和国観光省公式ページ ニュース レター . 。 主要参考文献 倉沢愛子・吉原直樹編( )『変わるバリ 変わら ないバリ』勉誠出版 JTB パブリッシング( )『バリ島(タビトモ)』 JTB パブリッシング 地球の歩き方編集室( )『地球の歩き方 インド ネシア ∼ 』ダイヤモンド社 婦人画報( )「京都・俵屋、バリ島・アマンダ リ 二つの宿に“もてなしの心”をさぐる」『婦 人画報』 月号婦人画報社 村井吉敬・佐伯奈津子・間瀬朋子( )『現代イ ンドネシアを知るための 章』明石書店 山口由美( )『アマン伝説 創業者エイドリア ン・ゼッカとリゾート革命』文藝春秋

表 インドネシアへの入国地別日本人訪問 者数( ) 出典:インドネシア共和国観光省統計 ガポールからほど近いバタム島が続き、それぞれ %程度のシェアとなっている。ともにシンガポールから入国する。シンガポール観光とセットで訪れる観光旅行者が多い。また、バタム島は日本の企業も進出している。その他の地域は僅かの入国者しかいない。 .インドネシアのインバウンドの取組み インドネシアの観光開発は外貨獲得の重要な 手段として、スハルト政権の第一次 ヶ年計画 の国家的プロジェクトとして位置づけられ、 年代末の原油価格低落

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写真① ⻄側路盤整備完了 写真② 南側路盤整備完了 写真④ 前室鉄⾻設置状況 写真⑤

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4 4の「分析の方法」には、JIS A 1481 シリーズ1から4まで、ISO 22262 シリーズ1及び2、 「建 材中の石綿含有率の分析方法について」 (平成 18 年8月