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ヒマワリ及びコスモスの肥大と組織構造に及ぼす重 力の影響(続)

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(1)

奈良教育大学学術リポジトリNEAR

ヒマワリ及びコスモスの肥大と組織構造に及ぼす重 力の影響(続)

著者 佐藤 一郎

雑誌名 奈良学芸大学紀要

巻 4

号 2

ページ 53‑66

発行年 1954‑12‑25

その他のタイトル The Unilateral Effect of the Gravity upon the Growth in Thickness and Tissue Structure of Some Chrysanthemum Plants

URL http://hdl.handle.net/10105/5056

(2)

(5・−り

ヒマワリ及びコスモスの肥大と組織構造 に及ぼす重力の影響(続)

佐  藤  一  郎 (生物学教室)

(昭和29年9月1日受理)

緒     昌

(1)ヒマワリについて

1.実験材料と契鰻方法 I.契 玲 結 果

(1)直竜胚軸と水平胚軸との肥大の比終 日 博文胚軸の解剖的構造

(3)水平胚軸の解剖的構浩

担)コスモスについて 1.実験材料及方法 T.契 取 結 果

(1)頂:立胚軸の解普拍勺構造 物 水平胚軸の肥大と解音曲勺構造

(3)直売茎と水平茎との肥大並びに組織構造の比較

(割 考  察

(4)摘  要

ヽ′

(3)水平胚軸の解剖的構造

表皮及皮層一表皮細胞イ第1阿A花B,(・P)は上下両側共直立胚軸のそれノ(第2園A,PP)に比 し.、一層扁平であって交層分裂が認められる。その大さは、下側の方が可なり大きい。

皮層の細胞は上下両側共10〜12同位あって、表層ニ;〜4層が惇角組織をなし、細胞間隙た示す ことは、直立胚軸の場合に異ならぬ。而して水平降軸上側のもの(第引男A,COl)は直立胚軸の もの(第2図A,COl)に比し、扁平大形であり、下側のもの(第二;図B,ぐ01)は楕円状をなして 更に大きい。叉、下側つ皮岡は、第1図Bにみるように、深部に至るに従って次第に大形とな り、その際、放射方向に伸びて六角形乃至多角形(第.㌢図0,pRr)となるが、上側(第3図C,Par)

にはそのように斧しい移り変りが認められない。叉、皮層深部の細胞には上下両側共に交層分裂 が起っている。故に水平操作は表皮や皮層の細胞に対しては細胞暦数を増加させるよりも、むし ろ交層分裂を促がして、その周を増大させると共に、細胞を伸展させるように影響を与えるものと 解される.乳管の開口(第二;図C及D,rlrゴ…r5)も上下両側のものが共に直立胚軸のもの(第

2図B,rlr2・・・r5)より天きいが、下側ではそれが一層大きい。

澱粉樽の細胞は、直立胚軸(第2図B,SJ)では債に長いのに対し、水平胚軸(第㍍図C及P,SS)

では碇に長く伸びて、並層的に分裂を起しているが、その程度は下側に於て著しい。

素足学芸大学紀要  第4篭第2号  昭和2ヲ年12月20日

(3)

(54) 佐  藤  一  郎

維管束一〜師部の繊維組積は水平胚軸の上下両側共(第3図C及D,f)殆んど差なく、50《60個 位の繊維細胞が集団をなし、個々の細胞は市立胚軸のそれ(第1図A,rl,r2)よりも大きい。水平 胚軸だけについてみれば、下欄の細胞 第日可P,r)は上側のもの(寛3阿C,r)よりも易少大

きい。

飾部は水平胚軸の上下両側共(第1図11コ花F,ph)、直立胚軸のそれ(第2間C,ph)よりも多 少厚く、その状態は上側と直立胚軸とがよく似七いる。然るに下側では、細胞が精々四境を帯 び、その程度は洗部ほど著しくなって多くの細胞間隙を示すに至る(第3図P,is)。叉、上下両 側の肺部に於て形成層に近い部分の処々に細胞質の濃い細胞があり、乳管を形成しつつあること が認められる(第3図E及P,r)。

形成層帯に於ける細胞の層敷、並びに大きさ等については、水平胚軸が直立胚軸に勝るが、水 平胚朝だけについてみれば、第3図E,e几及びP,Caにみるように、部分的に様々であって特 定の相違を見出し難い。又、維管束問形成層についても、上下両側共に4〜5層の細胞からなる 部分が多く、両者間に殆んど神速がない。散に、形成層に於ける分裂の進行はこの場合殆んど差 がないと見る方が妥当であろう。

然し既記の通り、水平胚軸の下半部には維管束問形成層に由来する新維管束が多数にあって、

木化した細胞も多数に形成されているのに、上半の当該部にはかかる変化が未だ僅かにしか認め られない(第1図B)。故に、水平胚軸に於ける木部の形成及び木質化は下側の方に促進される ものと考えられる。

何、ヒマワリでは水平胚軸の上下両側に於ける木部に組織構竃の差異が判然と認められる。即 ち、上側では形成層から分化した許りの細胞(帯封図1㌔Xy)が寄木細工をみるかのように、互 に入り組んで怠り、更に深部の細胞(第二;図E,XY)は多角形となって相互に緊密な結合を示 し、その状態は直立胚軸の場合(第2図C,Ⅹγ,ⅩY)によく似ている。然るに、下側では分化した 許りの細胞数屑(第㌢図P,Ⅹy)がPj味な帯びて細胞間隙(第3図P,is)を随所に残す。この 状態は木化の可なり逓んだ細抱よりなる内方にまでも見られる(第二;図P,XY)。

木部に於ける上記の構造的相違は同利のコスモスの外、トマト(未発表)、トウゴマ(1952)等 の水平主軸の下側にも認められる。叉、尾中氏(l刑羊)は針華樹の水平執・こ於けるアテ材の形成 に当っても、このような組純の変化が認められることを報じてレ、る。恐らく、この現象は主軸が 水平位におかれたために廻る生長オルモンク二)不同分布に基いて横断的極性が成立したことを示す 事実の一つと解し得よう。

髄一一水平胚軸の上下両柳に於ける髄の構篭的差異については歴に前項に述べた。

以上の如く、本冥験に用いた幼胚軸では水平位に固定された場合の上下両側に於ける維管束 中、木部の形成に相違あるや、否やについて明確な結果が得られなかった。木部の形成発達に関 し、上記の実験材料よりも、精々生育の進んだものにつき、7日間相即2日〜6月19円)前と 同機に処理し、胚軸並びに茎の第1箱問中央部を観察したが、この場合も、胚軸の古くから形成

されている維管束については上、(第4図A)下(第4図B)両柳とも木部の厚さに殆んど差が認

められなかった。然し上側の木部細胞は細小であって細胞膜が薄く、下側のそれは楕々粗大であ

って細胞膜も厚い。叉フロログルシン塩酸に対し、上側の木部よりも下側のものの方が多少強い

反応を呈する。維管束問に形成された木部は明かに下側(弟4図BノⅩyJに於て厚く、上側(第

4図A,Ⅹy)に於て薄い。よって、木部の形成量と木化度とは下側に於て促進されることが確か

である。

(4)

ヒマワリ及びコスモスの肥大と肺繊構造に射捜す貢力の影響(統) (矩)

佃、直立茎の横断面ではその維管束に構成を男握する2植項があって、各々交互に配置されて いる(第5図A)。即ち1つ(第う図A,、つけ木部の細胞がすべて木化し、導管も多数にあって3 角状に大きくなるが、その福部繊維組織の形成が極めて低いのに対し、他の1つ(第月対人Ⅴ)

は、木部に於ては深部の細胞にのみ木化が起り、導管に乏しく、細長い形状をなし、その筋部繊 維組織がよく発達して多数の木化細抱からなっている。水平茎の上側(第射園且乱)ではこれら の椎骨東が概して小さく、且つ相互に近拝して密に生するのに、下側(第5図耳b)では稗々大 きく且つ相互が離れて粗に形成される。このような変化に伴い師部中に生する乳管も、上側に蜜 に、下側に粗に分布することは胚軸(第4図A乃埠r)の場合と同様である。

(2)コスモスについて I 実験材料及方法

材料として酢;〜4節迄生じているコスモスの幼音を地際から倒してヒマワリ苗の場合と同様 に、水平位に5日間(0月2相〜6月2和)固定し、その胚軸並びに茎の第1節の中央部の横断 面について組織構造並びに肥大の状況を観察し、対照個体に比較した。処剰固体は20本余りであ ったが、その傾向はすべて同様であった。紳轍の染色はヒマワリの場合に準じた。

∬ 実 験 結 果 1)直立主軸の解剖的構造

コスモスの直立肺軸の横断面(第6園A)は略♪四角形をなし、その角隅に1個すつ維管束を 配置する(第6園A.Ⅴ)こと、前報ノ、ツカの場合(佐藤1鮮1)に似ている。その内部構造は次の 通りである。

表皮及び皮層一表皮(第7図A,PP)は1層の扁平な細鞄からなり、殆んどすべてが交層分裂 を起している。皮層(笥7園A,CO)では表層の細胞1〜2層が切線方向に扁平であるけれども、

その深部3−4同位は球叉は楕円状をなして甚だ不規則に配列し、且つあらゆる方向に分裂しつ つあり、広両円抱間隙が囁所に認められる。甘こその同数を明瞭に東定し堆い。その細胞膜は表 皮及びその直下1〜2闇の皮同細胞のものカ胡′ら摩い程度であって、他はすべて薄膜の柔細抱と なっている。角隅の皮屑濯1mこは柵抱質を多愚こ含んで、多くは2分裂している数個の小細胞に取 囲まれた乳管(第L3図A,r.第7間A,r)がLl〜1個計り横に並ぶ。その開口L/3:四辺形をなすも のが多く、ヒマワリの場合とよく似ている。乳管の列の内方は澱粉稗となるが、その繊維細緻に 持する細抱(第7図A,即)は放射方向に伸びて、多くは並層分裂をなしていろ。然し、側面に於 ける澱粉欄の細胞は扁平な楕仰天を呈し、多くは交屑的に分裂をなす。

維管束一維管束は現記のように、4個あって角隅を占め、それらの中間、即ち側面で融匪管東 内形成層に由来する新しい′ト維管束が処々に認められる(第6図A)。

髄一髄は主軸の中心から放射方向に僅かに長い細胞からなり(第6図A,Pリ、小さな細胞間隙 を存している。

2)水平胚軸の肥大と解剖的栴竃

水平胚軸は直立匝軸に比して著しく肥左する。而してコスモスの直立胚軸の横断面は上に述べ

た通り、略々正方形をなすから、これを水平位に保った場合には、1側面が水平な位置をとる場

合から1角隅が頂点を占める場合まで種々あり、その各場合に応じて主軸の横断面の形状が精々

変ってくろことは前報(佐藤1酪1)ノ、ツカ茎の場合に似ている。然しコスモスの胚軸では、ノ、ツ

カ茎の如く、その角隅の皮屑は特別に発博した犀角組織を形成せず、皮層表層が全周に亘って略

(5)

(邦) 佐  藤  一  郎

々同様の厚さの細抱膜を持つ。故に同じく水平操作を行った場合、両者の横断両における形状に 異なる所が見られる。即ち、横断面が四角形をなすとはいえ、バツカの場合は茎であり、コスモ

スの場合は胚軸であるから、これらを比較すろ事は如何かとも考えられるが、直立仕にあるもの の横断面の形が等しくとも、これに彷く甫力の作用方向が変更された場合に起る柑断面の形状の 変化が、如何にその組織購読、時に機械組織の配置と深い関連髭もつかを考察する上からは、両 者を比較することも有意義であり、興味深いものと考えられる。故に、これについては更に検討 の上、改めて記載するつもりである。叉、コスモスの茎は、後述するように、ノ、ツカの茎とは横 断両の形状及び内部の偶唐を著しく異にすろから、水平位に固定された場合、肥大の様式がノ、ツ カとは自ら異ってくる。今、1側面が水平になるように固定されたコスモスの胚軸の横断耐を示 すと、第6図Bに見るように、上側面が円く膨出するのに対し、下側両は直立位にあろものと二大差 なレ㍉ノ但し、直立胚軸では皮層は角隅部に於いて薄く(第6図A,a)、側面に於いて厚い(第6 図八,b)が、水平肺軸の下側面では、却って角隅部に於いて厚く(簡∩図B,孔)、側面に於いて 薄くなる(第6図R㍉−)。叉1つの角隅を頂点においた際には、菱形となる。(第0図(〕)而して 直立位にあった当時の中心点が判然としている(第11図B放C,C)から、この点を通る縦軸を上半 部と下半部に分けてみれば、水平胚軸の何の場合でも、上半部は下半部よりも大となる。即ち、

コスモスの水平主軸では上半部が下半部よりも長く伸びるのである。その程度は第8図Cの場合 の方が第G図Bの場合よりもこ汗しいが、更に髄だけについてみれば、このことが一層判然とする であろう。以上により、水平胚軸の肥大の様式はヒマワリの場合とよく一致するものと見倣し得

る。次に、水平胚軸の上下雨間に於ける各組織の状況につき、第0図Bの如き場合を主として記 すと、下記の通りである。

表皮及び皮屑一上側の表皮(第7囲B,PP)及び皮屑(第7図玉,CO)の細胞は直立胚軸に比し て一層扁平となり、細的間隙も縮小されている。かくて上側の皮屑は直立胚軸のものよりも稗々 薄くなる。(第0図A,B及C,CO)。

皮層表層の細胞2〜3屑は、深部のものよりも醐勾膜が厚くなっているが、トマト、ヒマワリ 等、軌に述べた多くのものに比して極めて荘いと見徹される。師部繊維組繊r第7閣敢F)に拝 する澱粉稗の細胞(第7図B,S弓)は直立杯軸のものに比して多少長大である。これに対し下側の 角隅部(第fi囲B及C)では一般lて細粒が大形となる。榔こ、表皮下層を除く皮層の細胞が拝し く膨大して、大きな細胞間隙が現われる(畠7図C,CO及is)。叉、乳管(第7図B及C,r)も大 きくなり、澱粉鞘の細抱(第7図B及C、SS)は拝しく伸長してくるため、この部の細胞はすべ て放射方向に並列することが、弟星図lL甘びCの下側の部分に明瞭に認められろ。但し、第ri 図 B の下側面の皮層部分はその両側にある角隅に比し、却って薄くなる。これは下側面では、

亜表皮の下1車2屑の細胞がかなりに小さく、更に涯部に於ける柔細胞の層、敦がやや少いためで ある。然し澱粉稗の細胞は上側並びに直立胚軸のものに比し、かなりに長 ̄八二となっている。

水平胚軸の上側から横側面に及ぶ皮層には、細胞間隙の天なるものが既に認められるし、又第 指図 Cの如き場合には、澱粉鞠の細胞が供側面の維管束の部分から1、瀾匿かけて、次掛こ放射 方向に長さを増すようになっている。

維管束一直立杯軸のヰ角隅を占める各維管束に相当する水平肺軸の維管束は陣軸の肥大するに

従い、著しく発達してくるけれども、その上下両側に於ける太さに差がないこと、ヒマワリの場

合と同様である。叉、推管東内形成層も上下両側共に略々同大の細胞う〜日岡からなり、その分

裂の1重度に差がないようである。細部の繊惟組織をなす細胞同数も、えその木化状況も上下両側

(6)

ヒマワリ及びつスモスの肥大と捕結構葦に華ぼす罫力の影響(韓)  (57)

共に略々同様である。木部の発達の辞度についても同作である。尤も、水平肝軸の下側には前報ト マト(佐藤1950)の水平茎と同ドく発憤してくるが、その原基が生する部分の木部では細胞の配 列が組になって、セルローで反応と且するに至る。かかる部分を除けば、その水化睦にも、上下 両側に未だ相違が認められない。又、ヒマワリの水平胚柚榊に押肯ではないが、分化後、間もない 細包、即ち形成層帯から木部の中央近くまでの紳領ま、上側では種々小さく多角形をなしで密に 配列し、下側の当該部では細拗ミ放射方向に珊ノナ長く楕剛犬をなし、且つ処々に紺勾間隙を示す 部分もあって、細抱が粕に並ぶことが認められる。(とてワリの木部参照)。このような相違はトマ ト(佐藤1050)、トウゴマ 匪藤1肺1)等にも認められろが、ヒマワリに於いては甚だ匪汗である 事、既記の通りである。

次に、維管束問の形成層では細胞が上半部(第8園B,ぐa)に於いて細小、下半部に於いて粗 大となり、(第8図C,ea)これから生すろ木部(簡只図B及C,XY)は上側に少く、下側に多 い。而して市立肺軸(第8、図人,XY)ではそれらの中間程度にある。又鼓に生する新維管束も上 半部よりも丁半部に多く、 且つ下側に偏して形成されたもの程、発拝が早く、末化細陶の形成も 多い。(第6図B,Cの横側面皮下側惨「照)。以上の諸点から察すれば、生育が進むに従って、コ スモスの場合も、ヒマワリの水平主軸と同じく、その木部の形成と木質化とは下側に於いて、よ

り一層促進されるものと見徹される。

随lコスモスの晩は主軸の大部分を占め、その細附が大きく、(第6問A,pi)、主軸の肥大は 主として髄の増大によるといってよい。哩記の通り、直立位にあった当時、髄の中央を占めてい た細胞は水平操作後に於いても形状に変化をきたさない(第6園A,B竣C,C)けれども、その 上側撒び下側にある細抱は夫々放射方向に伸びて細長い形となり、その得度は上側に於いて著し く、叉胚軸の角隅を頂点にして水平操作を行った場合(第6図C)の方が側面を上にした場合(第 指図B)よりも、一層顕著である。

上に述べた2僕の水平操作により、胚軸の横断面が形状を全く異にするのは、主として維管束 の配帯と髄細抱の増殖肥大との関係に基くものと考えられる。

男 直立茎と水平茎との肥実並びに組織肝丑の比較

直立茎の横断面は第9図Aに見る如く、俵状1はビール得状をなし、4個の大なる維管束(第 9阿A,Ⅴ)の間に′トさな維管束(第0図人,1うが形成され、それぞれ筋部繊維組織(第9図A,P 及r)を具冬ている。髄細抱(第!1図A,1}i)は略々G角形をなす。

水平茎は直立茎よりも著しく肥大し、その横断面の形榊は水平位に固定された際、犬なる維管 束の1つが頂点を占めるか、その2っ穀雨例にして1側面が上制を占めるかにより、多少異なる

ことは胚軸の場合と同様である。而して前の場合では、第9図 B にみるように酉洋梨型を呈す る。後の場合、もし、短い方の1側面が水平位を占めるときは、第8図]うに似た形となるが、

その横側面が引き伸ばされて上下に長くなる。叉、長い方の1側面が水平位を占めるときも、第6 図Bに似た形となるが、その下側は僅か半ら膨出するので、上側と下側との芳異が目立たなく なる外、時にはそれらの何れの場合にも、上下両側の差異が第リ図 日に見ろように皮屑の厚さ

と髄細胞の形状の上にだけ現われ、横断面圭体の形状の上には殆んと現われ心こともある。要す るに、茎の場合は胚軸に比して水平操作に伴う重力の作用方向転換の影聖を横断面の上に現わす 程度が弱いといえる。これは茎では皮屑が極めて薄いことと、辞育東が圭周に雄に−一様に分布さ れているため、主軸の大部分を占めろ梅の里大が胚軸の場合リノように、基糾封こ−一方向にのみ肥

大させるように影響することが機械的に抑えられろことによると解封tろ。

(7)

(う.q) 佐  藤  一  郎

水平茎と直立茎とを構造上、二箸しい点について比較すれば、次の通りである。

表皮及び皮層一一直立草の表皮細包(墳1咽A,PP)は扁平であって、交闇分裂をなすものも・僅 かながら認められる。水平茎(第10閃B及C)では細胞が瑚笠的に大きくなるが、上側(御咽

埠㍉甲)では直立茎よりも福平であり、 ̄日射(卿0図(二,(・1−)では黄も大形であって醐包の高さ も大きい。而して水平茎の皮膚では上下両側華、殆んどすべての細抱に交層分裂が認められる0

皮屑(第10図A,B及C)はう層位の細胞を寝て澱粉稗(第10図A,B及C,SS)に移る。皮層 表層の2−3層は犀角組織をなすが、直立茎(第10図A,Cl)ではその細胞膜がかなりに厚く、深 部の剰同胞(第10図A,CO)は球状をなし、大なる細胞間隙(第10図A,is)を生する。水平茎の 上側に於ける犀角組織の細胞(弟10図耳cl)は扁平となるが、下欄では細胞がすべて膨大し、膜 壁は薄くなる。然しその表層(第10図C,Cl)は明らかに犀角組織となる。細胞間隙も下側のもの

(第10図C,is)は直立薯のものと同様に大形であって、上側のもの(第10図B,is)はそれらに比 し造かに小さい。

直立茎の澱粉牌の細胞(第10囲A,声S)は晴々球状を呈する。然し、水平茎では、これが上7両 側(第10図B,及C,SS)共に甚だ大形となり、その横側画から下側にかけては放射方向に精々長

くなる傾向を示すが、肺軸の場合(第7図B,及C,SS)ほどに著しくない。

水平茎に於いても維管束は直立茎のそれに此し太さを増すが、水平茎だけについては、上下両 側の相違が殆んと認められない(第9図B参照D。

髄一直立茎の髄(第9図A,pi)は略々6角形をなす細抱からなり、概して犬なるものが中央 部に多く見られる。然し水平茎(第9図B,Pi)では中央部よりも、むしろその間師に大きいも のが多い。而してその上側のものほど上下軸の方向に長く伸びている点は、肝軸の場合と同様で

ある。

(3)考     察

以上に述べたようにヒマワリ、コスモスの主軸を重力の作用方向に対し、直角に件つことによ って起される舶繊構造の変化並びに肥大の襟式は、前報トマト(佐藤1r坑0)の場合と略々同様の 傾向を示すのみならす、暗皇内に於て水平操作をなすか、或は露地にある箱種苗につレ、て箱のま ま倒して主軸を水平に保っても、上記と略々同じ結果が認められる。従ってその原岡は光線、湿 度にあるよりも、むしろ主軸に幼く昏力の作用方向の転換に伴って生長オルモンの分布に不同を

生することにあるものと考えられる。

館ヒマワリ、コスモス等の水平主軸の髄の上下両側に於ける発達の相異は極めて抑晋である が、同様の傾向はトマト、トクゴマ等にも認められる。更に、ノリアサ等では反層木部共、上側 肥大をなし、髄に於いても、上記の植物の如くに上半部の細胞が伸長こそしないけれども、かな りに大きくなる。このように水平に固定された際に肥大様式を異にする種物に於レ、て、髄だけが 何れも上側に肥大するのは、或は生長ホルモ/を活性化する酵素類の分量或は分布が組紗こよっ て異なるのではないかともみられ、興味あることである。これについては今後の研究を要する点

が多い。

摘     要

1)とてワリ及びコスモスの主軸を水平位に固定すれば、それぞれ直立位にあるものよりも肥

大が著しく、その横断面の形状は一下記の如く主軸の部分並びに内部組織の状態によって多少異な

(8)

ヒマワリ及びコスモスの肥大と組織構造に及ぼす重力の影響(統)  (59)

るが、全休としては下側把大型に属すると見倣される。

礼 ヒてソリの水平胚軸の構断面は閂に近い形となる。これはその皮層が下側に肥大するのに 対.し醇細胞が上側に伸長して相殺する結果である。

b.ヒマワリの水平茎の構断面は上下に長い楕円形となるが、これは皮層の下側に肥大する程 度が比較的少いのに対し、駐細胞の上側に伸長する程度が著しいことによる。

C.コ1モスの胚軸の1側面を上にして水平位に保てば、上側画が上方に円く轡曲凸出し、1 角隅を斑点にして水平位に保てば、上半が細く、下半の広レ、不正菱形となる。これは共に皮層が 下側に肥 ̄ノこするけれども、精細抱が上側に伸長する程度が菅しレ、ことに基く。

d・コ1モスの主茎を水平位に固定した際に起る横断面の形状の変化は胚軸の場合と略々同じ 傾向をとるが、時には皮層、駈等の細胞の形状に上下両側の差がみられるだけで、横断面の形状 は直立茎と実美ない場合も起る。これは茎に於いては胚軸と異なり、その皮層が薄いことと、小 さな維管束が仝周に多数分布して、駈細胞の上側に向う一方的伸長の影響を機械的に抑えること とによると解される。

2)水平主軸の上下両側に於ける組織構造についてはヒマワリもコスモスも、共に似た傾向を 示す。そC/.)著しい点を挙げると次のようである。

乱 皮層の細胞は下期に於いて上側よりも一層大きくなるが、細胞膜は道に薄くなる。然し下 側に於ても厚角組織の特徴を失うことはない。かくて下側は上側に此して大いに厚くなるが、そ の細胞層榔こ差はない。

b・維管束は上り紬こ軋こ、下側に粗に形成される。木部の形成と木質化とは下側に於いて、上 職に於けるよりも一層促進される。叉、上側の木部細胞は小さく、その膜壁は薄く蜜に並ぶのに 対し、下側では逆の状態を示す。形成層から分化した許りの細抱は上側に於いて対照と異ならぬ が、下側では円味をおびて細胞間隙を示す。

C.鮎の上半部の細胞は上方に向って伸長し、下半部のものはもとの形態を保つ。故にその 肥大は上側に向う。

3) とてワリ及びコスモスの水平主軸の示す下側肥大は主軸に対する重力の作用方向の転換に より、体内の生長オルモンが下側に多く音頭されることによる。而して生長ホルモンが作用する に当っては種々の酵素との関連に於いて力を現わすものであるから、本実験結果にみるように水 平主軸の組織各部に於ける肥大の様式が一致しないのは、或はか」る酵素類が組積によって分量 叉は分布を異にすることによるものかも知れない。

文     献 昆中文彦(1947)アチの研究 京都大学木材研究所報告第1巻第1号

佐藤一郎(1950)茎の旭微発達二及はす物理的条件の影響(特に重力の影響)日本作物学会記事、第20篭、

第3−4号

柁藤一郎(195りトウゴマの蛮力更怪に関する契瞼組織学的所望 日本作物学会記事第22雀第3−4号

(9)

(bo) tfe m - m Resume

The Unilateral Effect of the Gravity upon the Growth in Thickness

and Tissue Structure of Some Chrysanthemum

Plants

Itiro SATO (NARA GAKUGEI UNIVERSITY)

I) The axes of sunflower plant, Helianthus annuns, and cosmos plant, Cosmos bipinnatus, when held up horizontally, grow more in thickness than those of vertical ones, and judging from their shapes of cross sections as well as their histological structures, it may be regarded that both of them should be classified as a type of hypotrophieal growth in general.

a) The cross section of the horizontal bypocotyl of sunflower plant presents nearly a round shape as the result of counterbalance in which the cortex at the lower side becomes thicker on one hand, and the cells in the upper part of pith elongate upward more than the opposite side, on the other hand, respectively.

b) The cross section of the horizontal stem of sunflower plant show an elliptical shape in which the longitudinal axis is longer than the transversal one. This is due to the fact that the extent of upward elongation of the cells is very conspicuous in the upper part of pith, while the extent of growth in thickness of cortex is comparatively little in the lower side.

c) In the horizontal hypocotyl of cosmos plant of which one side was brought to the upper, that side curves and projects upward as it is forming a dome and when one corner is brought to the upper, its cross section presents a diamond shape in which the upper part is more narrow and the lower pai't wider. This is due to the fact that in both the hypocotyl and vtem the pitli cells elongate remarkably upward, though the cortex grows more in thickness at the lower side than at the upper.

d) The change in a shape of the cross section of the stem of cosmos plant which is brought about when the stem is maintained horizontally, has a same tendency to that of a hypocotyl treated alike, but it occurs occasionally the case in which

it does not much differ from the shape of the cross section of the stem kept vertically, apart from the difference in the shape of cortical and pith cells between the upper and the lower side. This will be attributable to the fact that the cortex is thinn and the effect of an upward elongation of the pith cells in the upper part are mechanically suppressed on account of a dense arrangement of smaller vascular bundles all around the periphery in the stem.

II) The horizontal axes of both thesunflower and the cosmos plants have a similar tendency on the tissue structures. The noticeable points shown on the cross sections are as follows.

a) While the cortex in the upper side is composed of smaller cells with thicker

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walls, that in the lower side is composed larger cells with thinner walls, but does not lose the characteristic features as eollencliyni. Thus, the thickness of the cortex in the lower side becomes thicker than that in the upper side, though the number of cell layers does not differ between both sides.

b) The vascular bundles are densely formed in the upper side, sparsely in the lower side. The xylem formation and its lignification are more accelerated in the upper side than in the lower. The xylem cells in the upper side are smaller, their walls thicker and arrange more densely than those in the lower side. The cells which are differentiated from cambium in the upper side has a like appearance with those shown in the control plant, but these in the lower side are roundish and show the intercellular spaces.

c) As the cells in the upper part of the pith elongate upward and those in the lower part maintain an original shape, the pith grows upward.

Ill) The hypotrophy shown by the horizontal axes of sunflower and cosmos plants will be due to the fact that the growth hormones are much accumulated in the lower side of the plant axis followed by a change in the direction of gravity to it. Since the growth hormones come to be effectual in connection with some enzymes, the fact that the mode of growth in thickness which is shown by the horizontal axis is different at every tissue, as seen in the present experiments, may be depend upon the dissimilarity of quantity and distribution of such enzymes in every tissue.

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参照

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