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企業行動の市場条件格差(産業内規模間)測定のた めの一つの試み

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(1)

企業行動の市場条件格差(産業内規模間)測定のた めの一つの試み

その他のタイトル An Econometric Analysis of the Inter‑scale Differentials of Entrepreneurs' Market Conditions

著者 浜田 文雅

雑誌名 關西大學經済論集

10

2

ページ 167‑185

発行年 1960‑09‑20

URL http://hdl.handle.net/10112/15555

(2)

167 

測定のための一つの試み

企業行動の市場条件格差︵産業内規模間︶

日本経済の構造的特殊性として︑しばしば企業規模の顕著な格差の存在が指摘される︒市場需要の変動に対する

各企業の反応のパターンが企業の規模と重大な関係があると考えられるからである︒小論は︑このような問題を企

業の市場条件格差の存在という視点から解明するための初期的接近を目標としている︒

市場条件格差の無い場合に予想される企業行動からのバイアスこそが前者の存在の証拠であるという推論に立つ

て︑右の格差の具体的な測定値を求めると共に︑その年次別の変動が景気変動と密接な関連性をもつていることを

明らかにした︒このことから︑景気変動が市場条件の格差を媒体として︑企業規模間における労働の物的生産性と

価値生産性との乖離に大きな影響力をもっていることが具体的に明らかになる︵第四節を参照︶︒

従来︑この種の問題を生産函数の構造特性値の統計的測定の問題に関連させて採り上げた代表的な労作として︑

J・マルシャックと

w. H

・アンドリゥス︵文献①参照︶が挙げられるが︑そこでは市場の独占度に焦点が絞られ

ている︒しかし︑小論は更に労働および資本設備の稼働率の格差および製品の品質格差によるバイアスをも合わせ

(3)

168 

b i

いるのである︒

a i ︒最後に︑小論におけるアグ ・チナリーの能力原理︵文献図参照︶の企業規模間への適用をイムて導入することを試みた︒この点では︑H.B

プリシットに想定していると考えることができる︒小論のもう︱つの特長は︑項目別費用函数を分析のトウールと

していることである︒すなわち︑労務費に関する費用函数と資本設備に関する費用函数を企業の費用極小原理より

誘導してこれを観察値と共通の次元に置くことができるからである

リゲーションに対する考え方を付け加えておきたいと思う︒第三節において﹁複合生産物﹂の概念を導入している

が︑生産函数そのものについてのアグリゲーションに関するクライン︵文献

m )

ナタフおよび

マゼット︵文献⑩︶等の議論とは本質的に異った視点に立つことに注意されたい︒すなわち市場

条件格差の問題を採り上げることによって︑右のアグリゲーションの問題は自動的に吸収︵回避ではなく︶されて

いま︑ある生産物の等質的な産出量を*知︑等質的な労働投入響を*

X i ︑等質的な資本設備投入量を*石︑

( T   1 , 2  )

をそれぞれ定数とすれば︑一っの基本的な公準を満たすためには*

X o ︑ *

X l および*知の間に次

( 1 )  

のような関係が成り立たなければならない︒すなわち︑

*

*

 

1

11

ll

1X

ob

l 

X2 

1 1  a

2X

ob

2  ; 

b1

  11

b2

"

"

1 

しかし︑実際に利用可能なデータによるbの推定値は殆んどの場合にーに等しくはならず︑その上︑非常に不安定

( 2 )  

である︒このような推定結果を逆に利用して︑労働と資本設備の投入規模の経済性の問題を陽表的に導入する試み

(4)

169 

④によって分かるように︑

S l および52がゼロであるという特殊な場合にのみ

b l および妬は

1となるのである︒②

③および④によって第一の困難は巧妙に解決されたが︑第二の困難すなわち︑bの推定値の不安定性は未解決であ

る︒規模係数

S l および52は︑それに科せられた仮説の性格上安定性が要求されるからである︒この第二の困難に対

0 0  

3) する積極的な打解策は筆者の知る限りでは皆無である︒

b l およびわの推定値が労働および資本設備の稼働率その他の変化を通じて生産物市場における価格および需要量

の変化の影響を受けていることは十分予想することができる︒そこで︑本稿では右のような所謂る市場条件の測定

を直接行なうことによって

b l およびわの安定的な推定を得るための手掛りをも求めることを試みた︒

a 1

* a 2

*

***

( 1 )

一次同次の等質的な投入産出に関する生産函数をぶ︒

11

.8

N1

N2

とし︑費用方程式を

K1

1e

]

TN

2とすれば生産函

( 4)  

5b

21

11

[

I

+  

S2

) 

れぞれ骨のおよび*

T

X o

*X

lおよび*

X z の実際の値を

X o

な関係が成り立つと仮定する︒すなわち︑

(2)e11e•g1X1

" 1  

1 1   Y•g2x2•2

gおよびSは定数である︒岡および⑧より︑①のbは次のように表わすことができる︵文献③参照︶︒すな

b1

  11

][

I +

 

S1

) 

(3

) 

* 

1+

B1

 

1

11

g1

X1

 

x t および年とすれば︑

* 

=g

2X

21

+B

2 

これらの変数の間に次のよう が貴重な成果を挙げている︵文献③参照︶︒労働単位量の投入を一パーセント増加すれば投入規模の増大による労働の効率が高まり︑同一の効率をもつ等質的な労働単位量を一パーセント以上に増加したのと同じ効果が得られるものと仮定し︵資本設備についても同様︶︑労働単位当りの実際に支払われる賃金が右の効率に見合うだけ増加するであろうと考えられている︒実際に支払われる賃金率をの︑設備の運転抵抗費をTとし︑右の等質的なのおよびTをそ

(5)

170 

二 ︑

企業行動の市場条件格差︵産業内規模間︶測定のための一つの試み︵浜田︶

数を制約条件とする費用

Kの極小化を満足する*

*  X l および*Xzは次のように表わすことができる︒すなわち︑

a1

‑ " ' 1    

e)R2 

* 

a1

t ︒ :

a 1   1 1

a2︵ 中

IR

; 2   11id211勺(叶)(〗

そこで︑等質的な労慟と資本設備の価格︵相対価格︶が一定ならば︑

aは定数となる︒

(2 ) 産業内規模別データによる

b

の推定値の時系列が景気変動の波と大体において歩調を合せていることは戦前の当該デー タによって確かめられている︵文献④を参照︶

0

(3)J・マルツヤックとw

.アンドリュウスによるこの種の試みはむしろ第一の困難の打解を試みたものであり︵文献田を・

参照︶︑またH

・メンダースハウゼンは第二の困難の存在を指摘するに止まつている︵文献固を参照︶︒

前節の①岡および③より︑次の関係が成り立つ︒すなわち︑

*

*  

(5

) 

C u X 1   1 1   eu•g1

X1

 "1

  X1

 11e•g1

X1

1 +•l=

X1

1   1 e  a 1   Xo  

*

*

 

(6

) 

1X 2  1 1  

1•g2X2"2X2

1 1   1•g2

X2

l+

s2

  11

T

11 Ta 2X 0

等質的な労働と資本設備の価格が一定であれば︑右の二つの関係式固および⑥から︑実際に支払われる賃金支払額

および設備運転抵抗費

(e

X1

)

および

(1

X2

)

はそれぞれ等質的な産出量*

X O

に比例しなければならない︒このこ

とを図示すれば第1図および第2図のようになる︒注意しなければならないことは︑右の関係が労働と資本設備の

( 1 )  

投入規模の経済性を考慮した上でも依然として成り立つという点である︒

更に二つの重要な問題が残されている︒その一っはデータとして得られる労働投入量および資本設備投入量には

( 2 )  

て︑現実の投入量の稼働率を考慮する必要がある︒先の固および向は適正投入量に関する式であるから︑向および 五八

---一—~—-~--—~----'

(6)

7 I 

rx,  WX1 

t1=Y* a2

* ー

e,;wa., 

JX

 

1は常に所謂る複合生産物の問題に当面している︒そこで︑

︱つの綜合化の便宜

⑥の

X l およびんは過剰部分を含まない︒

X l および︒んに置き換えられなけ

O K l

および︒

K R

はそれぞれ適正賃金支払額および適正資本設備運転抵

. . .  

抗費である︒労働および資本設備の現実の稼働率︵操業時間にあらず︶をそれぞ

111~1

X1

  ; X

2 11~2

X2

 

X1

1  1

e(

f1

X

1)

11

e  a

1  f

1

X0

5が ︑

=f

1

1 

T§

21

17

(5

2

X2

)1

17

̀a

2f

2

Xo

f;

2

11

52

1

mおよび⑧は線型関係式ではない︒他の一っは等質的な産出量*

X O

関するものである︒現実の生産物が一企業または一産業について全く等質的で

あると考えることは無意味であろう︒この種の計量分析においては︑われわれ

上の手段として生産金額が用いられる︒生産物の単価の差がその質の差を代表

するものと見倣すことによって生産金額による綜合化が行われるわけである

しかし︑生産金

(8

) 

(7

) 

故に︑酌および刷はそれぞれ︑︵ 

れもおよびむとすれば︑

こ ︑

, '

 

(5

)

ればならない︒

0 0

*

* e

11

1k

L1

1e

a1

X0

(6

)

0 0

*

* 

T§

21

1k

RI

I7

a2

Xo

 

(7)

企業行動の市場条件格差︵産業内規模間︶測定のための︱つの試み︵浜田︶

額を等質的産出量の代りに用いた場合には切および⑥の関係は果してどのようになるであろうか︒云うまでもな

く︑この問題は先の現実の稼働率の問題と共に︑実際の統計的推定によって逆に明らかにされるべき性質のものと

観察される事実︵次節参照︶を説明するための計測模

( 1 )

投入規模の経済性のみならず︑労働時間︵所定内および所定外︶および設備の操業時間︵技衛的適正操業時間およびそ れを超過する操業時間︶の選択が考慮される湯合にも︑一定の仮設的条件のもとではこの関係が変らないことは既に明

らかになっている︵文献⑥参照︶︒

(2

) 投入量の稼働率の適正値を決定するメカニズムの分析については文献 前節に示した関係式mおよび⑧に対する︱つの近似式として*

X O の代りに生産金額

5

る︒縦軸に

(e

N1

11

kL

)

または

(T

X2

11

k.

R)

を︑横軸に*ふを目盛り︑両軸に対応する観察値︵一定時点における企業別データ︶をプロットした結果は予想したように︑殆んどすべてのプロットが直線ではなく︑.原点を通つて上向`

きに背り反った曲線となることが分かる︒前節に述べたように︑線形とならない主な理由が企業間の労働および資

本設備の稼働率の差︵らの差およびむの差︶および生産物の品質差を含む価格差

(P

の差︶にあると予想することは妥

右に述ぺた一種のクロス・セクション・デークの示す経験法則を次のような対数線形式によって近似することが

型の組み立てを試みることにする︒ 考えられる︒そこで︑次節では︑右の議論を考慮しながら︑

(8)

173 

u l l

および四とそれぞれ一致しなければならない︒すなわち︑ * * 

ip 11 Po xo 7  aP  

Xo

 

q1

1

T ̲

aX

o 

( 10  

* * ~211f20

Xo"•

N0

 

ざ ︑

P211* 

aX

o 

nは次のように表わすことができる︒すなわち︑

* 

I I

. ド

61

aX

o 

1 0

2 0 および

P O

はそれぞれ

gg

およびPの基準値である︒関係式皿および⑫が前述の観察される事実

u e  

︵⑨および⑩によって近似される経験法則︶を可成り有効に説明できる仮説︵理論模型︶であるためには︑⑨および

n o i

U3 l 

* ~111e10

X o / £

1  

μt 

右の二式によって示された経験法則を説明するための仮説は︑前節の関係式⑦および⑥と二つの補足的な仮説に

よって次のように示すことができる︒すなわち︑切および⑧における*

X O に生産金額*

X O

KLIIS(謎1 Ro)11aL(Po~10)N 0 1 + "

' 1   +s  K. II S(

Pe

25

o)

11

aR

(P

o

N0 1

2 + s

(l0 

00 ) 

(9

) 

できよう︒すなわち︑

K.

11

L  a Xo EL   K. II S  R x° eR  

ag

=C

on

st

. 

0Lg

=C

on

st

. 

: ゞ . ... 

←  ‑ "  · · · • - - ヽ•一・."̲̲̲̲ :  ̲:̲ .•.

(9)

17

1) 

00 ) 

変化とは独立であり︑

µ~

 

X

1 1 Po~10Xo

1 1  

.Po~20Xo ⑱および閥において︑

( 1 9 )  

X 11(Po~20)N+µ27/;o 同様にして闘より︑

eR II I+ P2 +7

* X11(Po~10)N十王':、° そこで

* KL=aLXg11aL(Po~10)N

0 1 十ミ

1 + 1

* 

1 1 a . < /   Xo''-R=aR(Po~g、)ぷ012+q

ト *

z

p 1 + n X11(Po~1~ )g

Xo

 

E L  

gl l1 +μ

1  +

7

するーーをとり︑

る︒すなわち︑

UB l 

7がそれぞれゼロであるならば︑労働および資本設備の稼働率が産出量水準の

一定の稼働率知

( I I

( 1 1

叫叶︶ーこれを仮りに甚準稼働率と呼ぶことに

一方︑等質的な産出量*

X o は産出水準の如何を問わず基準価格の単価P

P O

に一致することにな

右の手続きによって誘導された関係式⑳には理論的な矛盾を含まないから︑

U S l

および聞の

C L および

C R

et 11 1+ P1 +7 Te R1 1]

IA

2+

q 

によって表わされると仮定することができる︒本稿末尾に掲げたデータによって測定した8の推定値は第1表に示

されている︒表において︑昭和二八年から三四年までの8の値には可成りの変動が観られる︒しかし︑昭和三0

( l n   6) 

~10=~20、またはぎ10

1 1

2 0

企業行動の市湯条件格差︵産業内規模間︶測定のための︱つの試み︵浜田︶

(10)

1表推定結果:綿紡、化繊部門(会社年鑑各年3月末データ)

19 1954 1955 1956 1957 1958 1959 

c~1, 0657196 1, 1040991 1. 0292291 1, 1650072 

標準偏差(0. 01953) (0. 06943) (0. 07750) (0. 07233) 

相関係数0. 9361 0. 9375 0. 9147 0. 9389 

€~。.87992270.8910524 0.8553179 1,0447860 

標準偏差(0. 02088) (0. 08186) (0. 08542) (0. 09910) 

相関係数0. 9061 o. 8820 o. 8656 0. 8759 

かりo. 0657196 0.1040991 o. 0292291 0.1650072 

有意水準0.510355%  1, 1634065 1, 1810920 1, 1654757 

(0. 02845) (0. 03289) (0. 03775) 

0.9827 0.9792 0.9741 

1. 0581859 1, 1262656 1, 1252809 

(0. 02724) (0. 03786) (0. 06063) 

0. 9809 0. 9702 0. 9425 

o. 1634065 0.1810920 0.1654757 

0. 15,l0.10.1%

+770.1200773‑0.1089476 ‑0. 1446881 0. 0447860 

有意水準0.1% 10% 1596 35%  0. 0581859 0.1262656 0.1252809 

596 0. 5596

flL‑Io. 1857969 o. 2130467 o.1739172 0.1202212 0.1052206 o. 0547264 o. 0401948 

CL 

標本数18 18 18 18 27 28 26 

<卦嵌しヒ酋Q把咽~ti:淀測(測媒こ盛脳臣)蔑製Q{,!Q(¥ Q揺,:(;,(縣田)‑l(Ii] 

(11)

176 

稿に明示した手続きの範囲では分 差を示している︒μの絶対値は本 稼働率と資本設備稼備率の格差の

3

肛の差すなわち企業規模間の労働 えた値が示され︑第十一行は肛と よび資本設備に関するμにりを加 から1を引いた値であり︑労働お

推定値 (c‑1)および (μ1‑μ2)の時系列変動

0.2 

0.15 

0.1 

0.05 

0.05 

0.1 

0.15 

` 

̀  

↓ 

l l

̀  

/

 

Y/

 

L  

{ ]

 

` 

)

¥ r ,

2

.I

 

` A

.

!

. I

I

. I

'

7

︵  

(  

︐  入 ︑

   

f

第九行は第一行および第四行の8 偏差を示している︒第七行および 下のカッコの中には推定値の標準 および

C R を ︑

それぞれの数値の 労働および資本設備に関する

CL 

表の第一行と第四行はそれぞれ 一年におけり8の激変については後に詳述する︒

および三一年を除けば︑

1953  1954  1955  1956  1957  1958  1959 

8の推定値の有意水準(e11]からの差の)は0•一。ハーセントから五。ハーセントであるから

8の推定値

される品質および価格マージン等の格差を示す特性値︶の時系列変動を示すものと考えることができよう︒昭和三0年三 8の時系列変動は市場条件格差(μ11稼働率の企業規模間格差を示す特性値︑刀11生産物の単価によって表わ

(12)

( g )

の弾力性係数は︑ ①μの経済理論的意味 そこで︑改めて右の二つの概念の意味を更に深く吟味してみよう︒μは云うまでもなく︑労働および資本設備の稼働率の企業規模間格差を示す特性値である︒

P ‑ I I

V o )

であり︑規模間の稼働率の格差が大きい程μの絶対値は大となるであろう︒何故ならば︑

は等質的な産出量に対する労働または資本設備の稼働率の逆数︵ど︶の弾力性係数だからであり︑稼働率そのもの

1を差し引いた

(P +q )

に突き当ることを免れない︒直接に推定されるのは これまでの議論では︑企業規模間の市場条件格差の変動を説明するために︑稼働率格差を示す特性値μと生産物

の品質および価格マージン格差を示す特性値りという二つの概念を用いている︒純理論的にはこれら二概念を明確

に区別することが必要であるが︑制約された統計的データの範囲での具体的な計測作業においては︱つの大きな壁

たものと考えてよいであろう︒すなわち︑

右の表を図示したものである︒

離不能であるが︑本稿の直接の目的である市拗条件格差の推定は表の第七行および第九行によって一応は達せられ

81からの有意差を明示しているからである︒第3

8(

11

]

P+ 7)  

これより容易に識別でぎるのは︑

μ 

μの理論的に可能な

(13)

178 

③物量生産性と価値生産性の乖離

* 

8E 

Xo

 

A1 11 4.

1 1.  

85

 

となるのである︒そこで︑

の稼働率は低い︑

は二つの部分に分けることができる︒すなわち︑

ooocor~

意図されない余剰能力

( 1 1

企業当持者にとつて不必要な遊休部分︶である︒前者が比較的安定した長期的な余剰部分で

あるのに対して︑後者は異常なー一定の比較的短期間に解消しようとする努力が払われるー余剰部分であると考え μの符号が正であれば︑稼働率そのものの弾力性係数('μ)は逆に負となる訳である︒仮

μの推定が可能であり︑その値が正であったとすれば︑それは︑産出規模の高い企業ほど労働または資本設備.

つまり︑余剰能力を十分に保持しているという推論が成り立つであろう︒周知の通り︑余剰能力

︱つは意図された余剰能力

( 1 1

適正余剰能力︶であり︑他の一っは

られる︒そこで︑最も注意すべき重要なことは︑前者の維持は勿論︑後者の恐らくは部分的な保障の必要から︑これ

( 1 )  

らの余剰能力に対するあらゆる種類の費用が当然生産物の価格に折り込まれているのであろうということである︒

7の経済理論的意味

11は生産物︵複合生産物︶の品質格差および価格マージン格差を示す特性値として定義されているが︑これは同時

0 0 0  

に︑複合生産物を抽象的な等質的生産物に換算する換算率の役割をも含んでいる︒ここに︑抽象的な等質的生産物

とは純理論的な概念であるが︑実際には︑ある特定の銘柄の特定の品質の製品であっても全く矛盾しない︒しかし

もう一っ注意すべきことは︑先きにも述べたように︑製品の価格マージンの格差も含まれているということである︒

この両者の分離ー具体的な測定におけるーが望ましいわけであるが現段階ではその一歩前で止つている︒

(14)

179 

(24) 

そこで︑⑨.皿両式によってCを測定し︑次に関式を測定すれば︑規模係数S

Sは市場条件格差の変動を

除去された値として求めることができる︒

x o ‑ X I  

l

m 1 m 2  

X1

1 1

0

1x

o

5 1

;  X

2 1

1ai

xz

+

S2  右の式の*

X O

E X O

を代入すれば︑ t︶ ・ ・ ,  11 

  /

/ ,

,

10

 

、’~‘,

`~

μ μ + '  

(

( '

( 

.  

・  

, . ,

'  

/ 

A μ . 9 /  

+1

1

/ / 

グ ︐

L  

,

(

(23) 

④生産函数の構造︒ハラメータの推定値に与える市場条件格差変動

の影響の除去

I I  

* I

*  

N+

 

S 2  

Xo

 

X2

  11

02

 

N+

SI•

X1

  1 1

1  a

  Xo

 

①式に③式を代入して整理すれば︑

1は労働の稼働率格差の弾力性値であるμ 

I I

X1

 

*

1

1

Po

l;

1

0X

o

X1

 

, , , ,   +n

  0

*

︐ 

X

o 

11

(P

oe

1

0)

X1

 

(μ

1  1 1

  ‑μ

1

)

六七

8

6は︑右の二つの理由から物量生産性と価値︵金額︶生産性の企業間格差の乖離の程度を示す指標を与

えることができる︒すなわち︑

︵閥式および第四節①を参照︶︒四を図示すれば次のようになる︒

ヽーー︶すなわち︑物量生産性

*X

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5 が大である程︑価値生産性は比例以上に大となる

. ' ー

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1  +SV0の場合︶︒そして︑両者の一致するのは

4 5 度の破線

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(I,(Q¥jj‑ギ匹II十兵m)

鈴匪似据←) J. Marschak and W. H. Andrews, Jr. "Random Simultaneous Equations and the Theory of Production," Econo‑

metrica, Vol. 12, July‑Oct., 1944 

(N) H.B. Chenery, "Engineering Production Function," Quarterly Journal of Economics, Vol. 63, Nov., 1949 

(er,)圏蛮凝「測挑赳測起Q;t.混」JI]田袖俎業誰与都臼n¥t,

('SI') ig:r三~~「制嵌案岨涸壊緑..\.I,\'Q感総送踏」JI]田捏帥宙~N都寸命

(Lr.>) H. Mendershausen, "On the Significance of Prof. Douglas'Production Function,''Econometrica, Apr◆, 1938 

(<O)苺誕「森<泰脳゜猫燃起,‑¥J磁桃堂巨,‑¥JQ躙糾認}gJ‑+<的村腐燃纏報0Lr.>0¥t>

(t‑‑) L. R. Klein "Remarks on the theory of aggregation", Econometrica Vol. 14 (1946) pp.303 ff. 

(co) K. May "The aggregation Problem in one industry model", ibid pp.285 ff. 

(er,) A. Nataf and R. Roy "Remarques et suggestion relatives aux nombres indices", ibid pp.330 ff. ぼ)B. D. Mudgett Index Numbers (New York, 1951) 

(;:::) T. M. Cassels ."Excess capacity and Monopolistic Competition", The Quarterly Journal of Econcmics, Vol. 51. 

(1937) pp. 426‑43 

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参照

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