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Global COE Program-Kyushu University

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

NEWSLETTER

九州大学グローバル COE プログラム

マス・フォア・インダストリ教育研究拠点 ニュースレター

2011.1 Vol.

4

Global COE Program-Kyushu University

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

NEWSLETTER

マス・フォア・インダストリ研究所(IMI) 開所式 ■開催日:2011年4月5日(火) ■場所:ハイアット・リージェンシー・福岡 ■URL:http://www.math.kyushu-u.ac.jp/ ■講演者:森 重文(京都大学数理解析研究所)、 滝 順一 (日本経済新聞社)、寶木 和 夫(㈱日立製作所 横浜研究所)、橋本 操(新日本製鐵㈱ 先端技術研究所)、 Klaus Schmidt(シュレディンガー数理物 理学研究所)、西成 活裕(東京大学先 端科学技術研究センター) 他 「拡がっていく数学」 平成22年度 数学・数理科学と諸科学・産 業技術分野の連携ワークショップ「CGに よる可視化と数学」 ■開催日:2011年3月7日(月) ■場所:学術総合センター中会議場3・4(東京 都千代田区一ツ橋) ■URL:http://gcoe-mi.jp/plan/pl_inner/id:53 ■講演者:安生健一((株)オー・エル・エム・デジ タル)、今給黎隆((株)バンダイナム コゲームス)、高橋成雄(東京大学)、 佐伯 修(九州大学)、足立吉隆(物 質・材料研究機構)他 ■主催:文部科学省、九州大学 九州数学史シンポジウム ■開催日:2011年2月14日(月)-16日(水) ■場所:九州大学 大学院数理学研究院(伊都キャンパス) ■URL:http://www.math.kyushu-u.ac.jp/news/view/167 ■講演者:佐々木 力(東京大学,日本オイラー研究所)、公田 藏(立教大 学)、高瀬正仁(九州大学,日本オイラー研究所)、森本光生(四日 市大学,関孝和数学研究所)、小林龍彦(前橋工科大学)、小川 束 (四日市大学,関孝和数学研究所)、杉本敏夫(日本女子大学)、真 島秀行(お茶の水女子大学)、三浦伸夫(神戸大学,日本オイラー 研究所)、牧野哲(山口大学)他 ■世話人:高瀬 正仁 (九州大学数理学研究院) The Eve of IMI & ESI, Ito One Day Workshop —Building a Bridge between Mathematics and Physics— ■開催日:2011年3月29日(火)

■場所:九州大学 大学院数理学研究院(伊都 キャンパス)

■講演者:Klaus Schmidt (Erwin Schroedinger Institute: ESI),Yasuo Watatani (FM), Yasuro Gon (FM), Tomoyuki Shirai (IMI),Yasuaki Hiraoka (IMI), Hayato Chiba (IMI), Kenji Kajiwara (IMI) ■世話人:Shin-Ichiro Ei (IMI), Yasuhide Fukumoto

(IMI), Masato Wakayama (IMI)

九州代数的整数論2011

(Kyushu Algebraic Number Theory 2011) ■開催日:2011年2月17日(木)-19日(土) ■場所:九州大学 大学院数理学研究院(伊都キャンパス) ■URL:http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~s-yokoyama/KANT2011/ ■講演者:新井 啓介 (東京電機大学)、今井 直毅 (京都大学数理解析研究 所)、岡本 亮彦 (早稲田大学)、小関 祥康 (九州大学)、白根 竹人 (首都大学東京)、高井 勇輝 (名古屋大学)、高倉 裕 (九州大学)、 中村 健太郎 (慶應義塾大学)、原田 新也 (Korea Institute for Advanced Study)、平之内 俊郎 (広島大学)、三柴 善範 (九州大学)、山上 敦士 (京都産業大学)、横山 俊一 (九州大学)、吉田 学 (九州大学) 他 ■世話人:小関祥康(九州大学大学院数理学府)、高倉裕(九州大学大学院 数理学府)、横山俊一(九州大学大学院数理学府)

第5回 札幌・福岡幾何学セミナー

■開催日:2011年2月21日(月)-23日(水) ■場所:北海道大学学術交流会館 ■URL:http://www.math.sci.hokudai.ac.jp/sympo/geometry/11.html ■講演者:石川剛郎(北海道大学理学研究院)、高田敏恵(九州大学数理 学研究院) ワークショップ「連続体力学の現象と数理」 ■開催日:2011年2月21日(月)-23日(水) ■場所:九州大学 西新プラザ ■URL:http://sites.google.com/site/comfosws2011/ ■研究会幹事:木村正人(九大数理),田上大助(九大数理) Low dimensional topology and number theory III ■開催日:2011年3月14日(月)-17日(木) ■場所:九州大学 西新プラザ

■URL:http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~morisita/workshop.html ■講演者:

■主催者:

Workshop on Lefschetz fibrations, broken Lefschetz fibrations and related topics ■開催日:2011年3月29日(火)-30日(水) ■場所:九州大学 西新プラザ ■講演者:遠藤久顕(阪大理)、久野雄介(広島大理)、門田直之(阪大理)、 足利正(東北学院大工)、矢口義朗(広島大理)、田中俊輔(阪大 理)、早野健太(阪大理) ■世話人:佐藤好久(九州工業大学)、濱田法行(九州大学)

活動の予定

編集・発行: 九州大学グローバルCOEプログラム「マス・フォア・インダストリ教育研究拠点」

〒819-0395 福岡市西区元岡744 九州大学伊都キャンパス数理学研究教育棟GCOE事務室 TEL:092-802-4404 FAX:092-802-4405  E-mail:coe@math.kyushu-u.ac.jp URL:http://gcoe-mi.jp/ 印刷:城島印刷株式会社    〒810-0012 福岡市中央区白金2-9-6    TEL: 092-531-7102 FAX: 092-524-4411    URL: http://www.kijima-p.co.jp

研究集会

レクチャーノート…冊子の送付ご希望の方は         coe@math.kyushu-u.ac.jpまでご連絡ください。 Vol.23 Title: 多重ゼータ値入門  Author: 荒川恒男,金子昌信 Vol.24

Title: Notes on Integral Geometry and Harmonic Analysis Author: Fulton B. Gonzalez

Vol.25

Title: Discrete Constant Mean Curvature Surfaces via Conserved Quantities Author: Wayne Rossman

Vol.26

Title: Perfect Matchings and Applications Author: Mihai Ciucu

Vol.27

Title: Forum "Math-for-Industry" and Study Group Workshop Information Security, Visualiza-tion, and Inverse Problems, on the Basis of Optimization Techniques

Editor: Faculty of Mathematics, Kyushu University Vol.28

Title: Modular Forms, Elliptic and Modular Curves, Lectures at Kyushu University 2010 Author: Andreas Langer

出版物

Fumiya Amano (Kyushu University)、Stephan Baseilhac (Universite Montpellier 2)、Jinseok Cho (Waseda University)、 Hiroyuki Fuji (Nagoya University)、 Hidekazu Furusho (Nagoya University)、 Kazuo Habiro (Kyoto University, RIMS)、 Shinya Harada (Korea Institute for Advanced Study)、 Kazuhiro Hikami (Naruto University of Education)、Akishi Kato (University of Tokyo)、Takahiro Kitayama (University of Tokyo)、Thang Le (Georgia Institute of Technology)、 Anton Mellit (University of Cologne)、Norihiko Minami (Nagoya Institute of Technology)、Kathleen Petersen (Florida State University)、Jean Raimbault (Institut de Jussieu)、Adam Sikora (SUNY, Buffalo)、Daniel Silver (University of South Alabama)、Akihiro Tsuchiya (University of Tokyo, IPMU)、Takeshi Torii (Okayama University)、Susan Williams (University of South Alabama) Toshitake Kohno (University of Tokyo)、Masanori Morishita (Kyushu University)

FM, IMI は4月以降の所属を表す: FM=数理学研究院、IMI=マス・フォア・インダストリ研究所 い ま ぎ れ

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 私の専門分野は数値解析学で、自然界や 社会システムにおける様々な現象に対する 数理モデルを、計算機を用いて厳密に解析 することが主な研究テーマである。興味深 い現象の多くは非線形的な振る舞いをする ことが多く、数理モデルとしては非線形偏 微分方程式で記述される。私の興味の対象 は,非線形偏微分方程式およびそれに付随 するスペクトル問題に対する計算機援用証 明である。計算機援用証明とは、数値的検 証法や精度保証付き数値計算法とも呼ば れ、数値的手法と解析的(理論的)手法を組 み合わせることにより、数学的に厳密な証 明を計算機上で実現するものである。計算 機による数値シミュレーションの信頼性とと もに、理論的な証明が困難な数学上の問題 に対して計算機を援用して証明する方法と しても注目され、近年急速にその重要性を 増しつつある。私はこれまでの十数年間に おいて、微分方程式に関連する計算機援用 証明の分野で様々な結果を得てきた。最新 の成果として1次元シュレディンガー作用 素のスペクトルギャップにおける離散スペ クトルの非存在範囲の証明を挙げる。バン ド構造の本質的スペクトルを持つ作用素に 関して、そのスペクトルギャップにおいて離 散スペクトルが存在するか否かを厳密に解 析することは、数学的にも固体物理におけ る応用上も大変重要な問題であるが、私が 知る限り、現在投稿中の論文で提案した計 算機援用証明が世界で唯一の手法である。  現在、ナノテクノロジーへの応用が期待 される光子結晶におけるスペクトル問題 や、吊り橋における進行波の安定性問題、無 限領域におけるNavier-Stokes方程式に対す る計算機援用証明に取り組んでいる。いず れも解決すべき問題が山積している難問で あるが、その分やりがいも大きく、Computer Assisted Proofの成功を目指して日々努力し ている。  マス・フォア・インダストリ研究拠点のMIリ サーチャーを務めております。2008年10 月から一年間を大学で研究した後、2009 年10月から2010年9月までの一年間、富 士通研究所(神奈川県川崎市)に派遣研究 員として出向き、暗号の安全性に関する研 究を行っていました。私の専門分野は保型 形式で、楕円曲線とも関係が深いことから 楕円曲線暗号への応用が期待でき、このよ うな共同研究が行われる運びとなりました。 本GCOEプログラムの目標の1つは産業界 において解決が望まれる数理的問題に取り 組むことによって得られる新たな数学的分 野の構築です。その中でMIリサーチャーの 役割は企業と共同研究によって、産業界で 必要な数学を肌で感じ、数理的問題の解 決、数学分野の構築を目指すというもので す。私の場合、楕円曲線暗号に関わる問題 に対し、保型形式という新しい視点 からの解決を目指すことで、新たな 知見を与えることが今回の共同研 究の目標でした。  楕円曲線暗号は有限体上の楕円 曲線を用いた暗号ですが、これを有 理数体上にうまく持ち上げることが できたとき、暗号を簡単に解読でき ます。一方で、保型形式は有理数体 上の楕円曲線との対応を持ってい て、この性質を楕円曲線暗号の解読 に利用できるのではないかと期待できま す。この保型形式と楕円曲線を対応させる 理論がEichler-Shimura理論であり、これは具 体的に計算が可能です。そこで、この方法で 得られる楕円曲線の場合に適応できる暗号 の解読方法がないかを探りました。実際、 MOV攻撃と呼ばれる楕円曲線上のペアリン グを用いた特別な場合に有効な攻撃方法と 相性が良く、それ以外にも、ペアリングフレ ンドリ曲線と呼ばれるペアリング暗号に必 要な楕円曲線の生成法にも有効であること が分かりました。  楕円曲線暗号は既に数学的各方面から の研究が進んでいますが、保型形式を用い た研究はまだまだこれからだと思います。 研究が進めば、一般の楕円曲線暗号の解読 の可能性も秘めていると思っています。

MIリサーチャー

安田 貴徳

科学技術振興機構さきがけ

長藤 かおり

研究者紹介

研究者紹介

(数理学研究院 准教授) (数理学研究院 教授、副学長) 保型形式という新しい視点から 楕円曲線暗号の安全性評価を 研究する。  グローバルCOEプログラム「マス・フォ ア・インダストリ教育研究拠点」の構想段 階から計画され、具体的準備を進めてま いりましたマス・フォア・インダストリ研究 所が、昨年11月の大学決定により、今春 4月に、現在の数理学研究院を改組し設 置される運びとなりました。英語名を Institute of Mathematics for Industry, Kyushu Universityとし、IMI(あるいはMI研究所)を 略称とします。  設置構想は、本拠点のさきがけとなっ た文部科学省21世紀COEプログラム 「機能数理学の構築と展開」において、 当時の数理学研究院長・拠点リーダーの 中尾充宏先生が、博士課程の学生に広 い視野を持つ機会を提供し、博士号取 得後の新しいキャリアパスを拓こうと、 企業への長期インターンシップを計画 されたことに起源があります。その後、 目指す活動の一翼を担うため「産業技 術数理研究センター」が学内共同教育 研究施設として設置されました。設置時 の2007年には、既にその将来像とし てIMIが検討されています。  さてIMIは、以下の3部門 ・数学テクノロジー先端研究部門(Advanced Mathematics Technology)、 ・応用理論研究部門(Applied Mathematics) ・基礎理論研究部門(Fundamental Mathematics) と客員部門・技術連携窓口からなりま す。IMIには、数学を軸に産業界との共同 研究を推進する研究者をはじめ、応用・ 純粋数学の垣根を超え幅広い数学分野 で活躍する専任教員が24名所属しま す。本質的な数学研究はいつか役立つ と信ずるに足る多くの例があるとおり、 歴史は、顕在化した需要への対応のみ では、社会が真に求める要請に応えるこ とができないことを示しています。マス・ フォア・インダストリは、未来の産業数学 をも視野におく研究領域であり、このこ とがIMIにおいて基礎的研究を重要視す る大きな理由です。  九州大学では、学府・研究院制度とい う組織編成を行っており、教員はすべて 研究院か研究所等に所属し、学府は大 学院の教育組織とされています。よって 今後も、IMIと数理学研究院の教員が一 丸となって、数理学府の教育(さらには 理学部数学科、全学共通科目等)を担っ て行きます。またとくに、IMI所属教員は、 大学・研究所のみならず、産業界におい て数学をベースとし活躍する研究者育 成を目指すことになります。  当拠点では、密度の濃い研究集会・ ワークショプやスタディー・グループの開 催、長期インターンシップ運営、共同研 究などにおいて、各方面からの指折り数 えるには困難なほど多くの方々に支えら れ、その活動を進めてまいりました。最 近公表された中間評価での高い評価 や、並行しその1年前より推進した大学 院GPプログラム「産業技術が求める数学 博士と新修士養成プログラム」のきわめ て高い最終評価は、今後の活動に対す る大きな期待の現れであると心を引き 締めています。また2008年に、OECD が、その Global Science Forum の中で、 “Mathematics in Industry”なる報告書を作成 し、数学がいかに現代の広範な学術・技 術開発分野において必要となっている か、にもかかわらず、それに対応できる 数学者や数理科学者がいかに不足して いるかを世界に示しました。こうした国 際状況も踏まえ、IMIでは、数学の産業 応用に資する先端研究を行うとともに 諸科学との連携研究を進めてまいりま す。同時に、本プログラム事業推進担当 者とIMI教員は、その将来を担う研究人 材育成に最大限の能力を発揮すべく 日々研鑽に努めて行く所存です。  IMIは、京都大学数理解析研究所、統計 数理研究所に続くわが国3番目の数学 分野の研究所として、マス・フォア・インダ ストリの理念のもと、国際的にも類がな い研究所として誕生いたします。関係各 位のこれまでのご協力に深く感謝申し 上げるとともに、今後ますますのご支援 をお願いする次第です。

拠点リーダー 

若山 正人

「マス・フォア・インダストリ研究所」

設立を直近に

(2)

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

NEWSLETTER

 本GCOE事業の一環として2010年10月 21日(木)から23日(土)まで福岡ヒルトン ホテルと福岡ソフトリサーチパークにて フォーラム「マス・フォア・インダストリ」 (FMI2010)を開催しました。本年のフォー ラムでは、情報セキュリティ、可視化技術、逆 問題の3本柱をテーマとして、産業界と数 学の新たな連携と研究推進を目指しまし た。この3分野で世界的に活躍されている 研究者による3件の基調講演と15件の招 待講演を行い、相互の数学的問題を最適化 技法が底流に貫く形で発表および議論を進 めました。講演者は、アジア・パシフィックか ら(韓国、中国、台湾、シンガポール、オース トラリア、ニュージーランド、ハワイなど)を 中心に、ドイツ、米国本土からも招待し、所 属機関としては大学からだけでなく産業界 (NVIDIA、Weta Digitalなど)や国立研究所(シン ガポール情報通信研究所、オーストラリア 科学産業研究機構など)と幅広いものとな りました。FMI2010フォーラムの参加者は 合計92名(産業界が14名、博士・修士課程 の学生が29名)におよび、講演の質疑応答 では産業界からも数学技術の応用可能性 などに関して多くの質問が出され、会議中 を通して各分野で活発な研究交流が行われ ました。写真は本年のフォーラムでの講演 の様子を写したものです。 (数理学研究院 高木剛 教授)  フォーラム(FMI2010)に引き続いて、場 所を東京大学大学院数理科学研究科に移 して、10月25日∼29日の日程で、スタ ディ・グループワークショップ(SGW)が開催 されました。「スタディ・グループ」は、企業研 究者と大学の数学研究者および大学院生 が一か所に集まって短期間の合宿を行い、 企業が抱える未解決問題の解決を目指す もので、長期インターンシップと並んで、数 学 の 産 学 協 働 推 進に極 めて有 効です。 1968年にオックスフォードで始まって、 年々盛んになり、今では毎週のように世界 のどこかで開かれています。文部科学省か ら特別経費の支援も得て(H22-H27)、日 本でもようやく本格的なスタディ・グループ が実施される運びとなりました。その記念 すべき第一回です。  FMI2010での講演とSGWでの問題提供 の両方を行った講師もいて、情報セキュリ ティ、可視化、逆問題が主要なテーマです。 初日から2日目の朝にかけて、大講義室で、 海外企業1社(Weta Digital)、海外2国立研究 機関(インド工科大学、オーストラリア科学 産業研究機構)、国内企業6社(日立、東芝、 OLMデジタル、新日鐵、花王、武田薬品)から 問題の提示がありました。2日目以降、参加 者は解きたい問題を選び、セミナー室に別 れて思い思いに問題解決に挑みました。参 加者は全部で120名を越え、うち大学院生 がその半数を占めます。人数の濃淡こそあ りましたが、どの問題も熱心に食い付かれ ました。写真は情報セキュリティの問題に取 り込み中の一コマです。最終日の午後3時 から、再び大講義室に集合して、各部屋での 取り組みの成果について、主として大学院 生によるプレゼンテーションが行われまし た。学生たちは短期間に驚くほど良く問題 を消化し、解決につながるアイデアを出した 者もいます。何より、参加者がみな楽しんだ 様子が伝わってきて、主催者を勇気づけて くれました。問題出題者にも概ね好評で、 「担当した学生をインターンシップに呼びた い」という声も届いています。プレゼンテー ションのスライドは、公表可能な部分をCOE レクチャーノートVol.31として出版しました。 SGWは来年度以降も続けます。運営に改善 を加えながら、より実質的な形態を目指し ていきたいと思います。 (数理学研究院 福本康秀 教授) (FMI2010ホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/) (SGWのホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/studygroup.html)

フォーラム

「マス・フォア・インダストリ」

03

スタディ・グループワークショップ

 このユニットでは、可積分系、量子系の統計 力学、特殊関数の代数解析などを専門とする 事業推進担当者(落合啓之、梶原健司、松井 卓、吉田正章)が中心となって事業を推進し ております。  ユニット名が表すように他のユニットと違 い、直接、民間企業と直接共同研究するとい うよりは従来型の純粋数学の研究を行ってお りますが、このGCOEプログラムが、既存の工 学部系の研究、大学院生教育と差別化される 数学科発の試みであることの象徴でありま す。しかしながら「従来型の純粋数学」と言っ ても他のユニットの研究と関連する研究を 行っており、20世紀に流行したような抽象的 な一般論を展開するのではありません。例と して可積分系の研究を取り上げてみます。  可積分系の研究は非線形波動「ソリトン」 の研究に端を発し、非線形微分方程式が厳密 に解けるという「可積分性」の背後にある数 理的構造が主な対象となっています。ある時 点までは非線形波動方程式における可積分 性は、名人芸によって運良く複雑な方程式が 解けるというマジックに依存すると思われて いました。しかし現在では、その名人芸の背 後には「無限自由度の対称性によって支えら れた無限次元の空間」の数理があり、背後の 数理を深く理解することによって、可積分系 は流体力学だけでなく微分幾何学,代数幾何 学など多くの分野への応用がなされていま す。例えば平均曲率一定の曲面の研究はそ の良い成果ですが、このGCOEプログラムの研 究・教育活動の目玉である可視化と深く関係 します。21世紀になって可積分性の構造を 保存する形で離散化した非線形システムの 研究が盛んになりました。離散化は非線形シ ステムの高精度なシミュレーションなど応用 上も重要ですし、離散化された対象の背後に しばしば新しい数理的構造があるため数学的 にも興味深いです。このGCOEプログラムがは じまると当初想定していなかった共同研究も 吉田正章、佐々木武(元神戸大)、山田光太郎 (東工大)、離散微分幾何のWayne Rossman(神 戸大)、Tim Hoffmann(ミュンヘン工大)の間では じまりました。一言で言えば、複雑な曲面をコ ンピューター上良いグラフィックスを表示す るためには数学的背景を考慮した離散化が 必要となり、そのためには微分幾何、可積分 系、特殊関数の専門家の協力が必要となった ということです。九州大学応用力学研究所と 共催で非線形波動現象に関連する研究集会 を3度開催しましたが、非線形波動現象の背 後にある可積分性の研究はかつて以上に大 きな広がりがあることが分かり、研究教育活 動に活気を得ております。  次に私自身の活動に関した事を述べます。 もともと無限自由度の量子系の数学的な問 題に興味を持って来ましたが、この分野で非 常に重要かつ解決困難とされる問題が、いく つかあります。ある意味で最も成功し、かつ 敗北と言えるのは量子電磁気学の繰り込み 理論です。量子電磁気学は、物理理論として は半世紀以上前に定式化され繰り込み理論 と組み合わせた摂動理論による計算で、ある 種の物理現象を非常に良い精度で説明する 事が出来ます。しかしながら繰り込み理論は 無限大から無限大をひくという数学的に意味 のない操作が含まれるため、何とか量子電磁 気学を数学として意味のあるものにしようと いう努力が前世紀後半に行われました。構成 的場の量子論と呼ばれる分野で、研究に直 接、自分が関わったわけではありませんが、最 終的に目標とする数学的内容は、あまりにも 複雑で常人の入る余地がない研究分野で あったことは間違いないと思います。当初の 目標が20世紀中に実現出来なかったという 点では数理物理の敗退の歴史とも言える場 の量子論なのですが、繰り込み理論の考え方 自体は元の問題とは別の様々な研究分野で 形を変えながら応用されることが分かってい ます。統計力学における臨界現象がその最初 の応用ですが、力学系、非線形放物型偏微分 方程式の解の挙動などが、その例です。この ような繰り込み群理論の多面的な側面を明 らかにすることを目的として2009年11月に 九大西新プラザにて国際研究集会「数学的 場の量子論とくりこみ理論」を開催しました。 「繰り込み」と直接、自分の研究がつながるの は量子スピン系における「密度行列繰り込み 群」です。量子スピン系は磁性体などの統計 力学的模型ですが数学的には「密度行列繰り 込み群」は、ある対称性をもつ非常にサイズ の大きい行列の最小固有値に対応するベク トルを数値解析的に求めるための手法です。 しかし経験的に「密度行列繰り込み群」の適 用限界があることは、分かっておりました。こ の一年くらいの研究で分かりつつあるのは上 記の適用限界と量子情報の分野で3年ほど 前に話題になったエントロピーの面積則、お よび無限自由度の量子系内の2つの部分系 から無限に多くのmaximally entangled stateを抽 出可能条件が、ほぼ等価であるということで す。高次元の格子またはグラフ上では数学的 成果は、皆無であり、今の所、この方向の研究 が実際の物作りに役立つかどうかは不明です が、何か面白い数学的対象が背後にあると期 待して研究を進めております。

松井 卓

ユニット紹介/

機能数理の基礎

(数理学研究院 教授) Airy方程式の双曲的Schwarz写像の離散化

02

04

 私は昨年3月まで九大数理に在籍してお り、GCOEの事業推進担当者の一人でもあり ました。しかしながら、4月に母校でもある 佐世保高専に赴任して以来、日常的にはほ とんど別世界に住んでいるような立場で過 ごしております。九大時代、そして拠点リー ダーとして進めた21世紀COEプログラム も、今は何か遠い昔の出来事のような気が していますが、あらためて記憶をたどってみ たいと思います。  私が2002年7月に数理学研究院長を 命ぜられて間もなく、当時の21世紀COEプ ログラムに対して数理としてどう臨むか、そ の対応を迫られることになりました。九大独 自の特徴を出さねば「勝ち目」はないという 周囲からの強い示唆もあり、応用関係の研 究を中心として企画することになりました。 その名称も、月並みではよくないということ で「機能数理学の構築と展開」とし、「産業 界を含めた社会に役立つ新たな数理学と その若手研究者を創り出す」という構想を 立てたのでした。  こうして首尾よく採択された九大のCOE プログラムでしたが、その趣旨に添って博士 レベルの人材を育成することは、決して容 易ではありませんでした。当時COE等のポス ドクをはじめとする任期付きポジションはか なり増えましたが、反面、大学等における終 身雇用型のポジションは、既に減少の一途 を辿っていました。この社会情勢を反映して か、COE経費によるRA手当支給などの優遇 措置を設けても、残念ながら博士課程進学 の十分なインセンティブとはなりませんで した。一方でCOEの計画調書には、プログラ ム終了時までに大学院の新しい専攻(機能 数理学専攻)を設置すると明記していまし たから、そのことへの具体的対応も差し 迫った問題でした。そういった条件の中で、 私には博士課程の充実に向けてとるべき方 策は、博士の学位取得後に産業界への進出 を目ざすルート作りを行う以外にないよう に思えました。そこで着想したのが、博士課 程大学院生の企業等における3ヶ月以上の 長期インターンシップという考えでした。当 時数理の就職担当をされ、数理的人材の社 会貢献に関心の深かった佐藤栄一先生と は、その頃いろんな観点からずいぶん議論 したように思います。そして基本的なコンセ プトがほぼ見えてきた段階で、数理のほと んどの教授の方々に戸別訪問して、その構 想の是非についてご意見を伺いました。各 先生方は、様々な角度から貴重なご意見を 下さいましたが、基本的な方向にはすべて の先生にご賛同いただけたと思っておりま す。勿論、その効果に疑問を呈する方もあり ましたが、構想全体を否定するものではあ りませんでした。  インターンシップの引受先の開拓にも苦 心しました。なにせ「数学」と聞いただけで 「難しいことをやっている」と受け取られ、ま してやそのドクターと言ったとたんに「そん な無茶苦茶な・・・」と絶句されるような場面 に出くわすこともしばしばでした。しかしな がら、九大数学科出身の先輩達や、個人的 な知り合いのいる民間会社との接触、ある いは九大と包括的連携協定を結んでいる 企業への、知財本部のスタッフを通じた協 力依頼などにより、次第に引き受け可能な 企業は増えていきました。そして平成16年 12月新博士課程構想検討委員会を発足さ せて具体的な検討に入り、平成18年4月 に、3ヶ月以上の長期インターンシップを義 務づけ、その成果を学位の審査要件にする という前代未聞(?)の博士課程「機能数理 学コース」がスタートしたわけです(図参 照)。その導入がスムーズであったのは、イ ンターンシップのコーディネーターとして、 川崎英文先生が、学生、教員、企業の間に 立って奔走していただいたことも大きかっ たと思います。  その後、平成18年7月私からバトンを引 き継いだ前研究院長の若山正人先生は、私 が描いていた以上に、その構想を積極果敢 に推進して下さいました。そして産業技術 数理研究センターの設置からグローバル COEプログラム「マス・フォア・インダストリ教 育研究拠点」の採択へと展開し、九州大学 を我が国における数学と産業連携の中心に まで高められました。この4月には、待望の MI研究所が発足の運びであるとお聞きし、 まことに素晴らしいことであり、心からその 発展を祈っております。  

佐世保工業高等専門学校 校長・九州大学名誉教授

ユニットリーダー

中尾 充宏

博士課程「機能数理学コース」のスタートを回顧して

(21世紀COEプログラム「機能数理学の構築と展開」元拠点リーダー)

(3)

Global COE Program-Kyushu University

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

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 本GCOE事業の一環として2010年10月 21日(木)から23日(土)まで福岡ヒルトン ホテルと福岡ソフトリサーチパークにて フォーラム「マス・フォア・インダストリ」 (FMI2010)を開催しました。本年のフォー ラムでは、情報セキュリティ、可視化技術、逆 問題の3本柱をテーマとして、産業界と数 学の新たな連携と研究推進を目指しまし た。この3分野で世界的に活躍されている 研究者による3件の基調講演と15件の招 待講演を行い、相互の数学的問題を最適化 技法が底流に貫く形で発表および議論を進 めました。講演者は、アジア・パシフィックか ら(韓国、中国、台湾、シンガポール、オース トラリア、ニュージーランド、ハワイなど)を 中心に、ドイツ、米国本土からも招待し、所 属機関としては大学からだけでなく産業界 (NVIDIA、Weta Digitalなど)や国立研究所(シン ガポール情報通信研究所、オーストラリア 科学産業研究機構など)と幅広いものとな りました。FMI2010フォーラムの参加者は 合計92名(産業界が14名、博士・修士課程 の学生が29名)におよび、講演の質疑応答 では産業界からも数学技術の応用可能性 などに関して多くの質問が出され、会議中 を通して各分野で活発な研究交流が行われ ました。写真は本年のフォーラムでの講演 の様子を写したものです。 (数理学研究院 高木剛 教授)  フォーラム(FMI2010)に引き続いて、場 所を東京大学大学院数理科学研究科に移 して、10月25日∼29日の日程で、スタ ディ・グループワークショップ(SGW)が開催 されました。「スタディ・グループ」は、企業研 究者と大学の数学研究者および大学院生 が一か所に集まって短期間の合宿を行い、 企業が抱える未解決問題の解決を目指す もので、長期インターンシップと並んで、数 学 の 産 学 協 働 推 進に極 めて有 効です。 1968年にオックスフォードで始まって、 年々盛んになり、今では毎週のように世界 のどこかで開かれています。文部科学省か ら特別経費の支援も得て(H22-H27)、日 本でもようやく本格的なスタディ・グループ が実施される運びとなりました。その記念 すべき第一回です。  FMI2010での講演とSGWでの問題提供 の両方を行った講師もいて、情報セキュリ ティ、可視化、逆問題が主要なテーマです。 初日から2日目の朝にかけて、大講義室で、 海外企業1社(Weta Digital)、海外2国立研究 機関(インド工科大学、オーストラリア科学 産業研究機構)、国内企業6社(日立、東芝、 OLMデジタル、新日鐵、花王、武田薬品)から 問題の提示がありました。2日目以降、参加 者は解きたい問題を選び、セミナー室に別 れて思い思いに問題解決に挑みました。参 加者は全部で120名を越え、うち大学院生 がその半数を占めます。人数の濃淡こそあ りましたが、どの問題も熱心に食い付かれ ました。写真は情報セキュリティの問題に取 り込み中の一コマです。最終日の午後3時 から、再び大講義室に集合して、各部屋での 取り組みの成果について、主として大学院 生によるプレゼンテーションが行われまし た。学生たちは短期間に驚くほど良く問題 を消化し、解決につながるアイデアを出した 者もいます。何より、参加者がみな楽しんだ 様子が伝わってきて、主催者を勇気づけて くれました。問題出題者にも概ね好評で、 「担当した学生をインターンシップに呼びた い」という声も届いています。プレゼンテー ションのスライドは、公表可能な部分をCOE レクチャーノートVol.31として出版しました。 SGWは来年度以降も続けます。運営に改善 を加えながら、より実質的な形態を目指し ていきたいと思います。 (数理学研究院 福本康秀 教授) (FMI2010ホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/) (SGWのホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/studygroup.html)

フォーラム

「マス・フォア・インダストリ」

03

スタディ・グループワークショップ

 このユニットでは、可積分系、量子系の統計 力学、特殊関数の代数解析などを専門とする 事業推進担当者(落合啓之、梶原健司、松井 卓、吉田正章)が中心となって事業を推進し ております。  ユニット名が表すように他のユニットと違 い、直接、民間企業と直接共同研究するとい うよりは従来型の純粋数学の研究を行ってお りますが、このGCOEプログラムが、既存の工 学部系の研究、大学院生教育と差別化される 数学科発の試みであることの象徴でありま す。しかしながら「従来型の純粋数学」と言っ ても他のユニットの研究と関連する研究を 行っており、20世紀に流行したような抽象的 な一般論を展開するのではありません。例と して可積分系の研究を取り上げてみます。  可積分系の研究は非線形波動「ソリトン」 の研究に端を発し、非線形微分方程式が厳密 に解けるという「可積分性」の背後にある数 理的構造が主な対象となっています。ある時 点までは非線形波動方程式における可積分 性は、名人芸によって運良く複雑な方程式が 解けるというマジックに依存すると思われて いました。しかし現在では、その名人芸の背 後には「無限自由度の対称性によって支えら れた無限次元の空間」の数理があり、背後の 数理を深く理解することによって、可積分系 は流体力学だけでなく微分幾何学,代数幾何 学など多くの分野への応用がなされていま す。例えば平均曲率一定の曲面の研究はそ の良い成果ですが、このGCOEプログラムの研 究・教育活動の目玉である可視化と深く関係 します。21世紀になって可積分性の構造を 保存する形で離散化した非線形システムの 研究が盛んになりました。離散化は非線形シ ステムの高精度なシミュレーションなど応用 上も重要ですし、離散化された対象の背後に しばしば新しい数理的構造があるため数学的 にも興味深いです。このGCOEプログラムがは じまると当初想定していなかった共同研究も 吉田正章、佐々木武(元神戸大)、山田光太郎 (東工大)、離散微分幾何のWayne Rossman(神 戸大)、Tim Hoffmann(ミュンヘン工大)の間では じまりました。一言で言えば、複雑な曲面をコ ンピューター上良いグラフィックスを表示す るためには数学的背景を考慮した離散化が 必要となり、そのためには微分幾何、可積分 系、特殊関数の専門家の協力が必要となった ということです。九州大学応用力学研究所と 共催で非線形波動現象に関連する研究集会 を3度開催しましたが、非線形波動現象の背 後にある可積分性の研究はかつて以上に大 きな広がりがあることが分かり、研究教育活 動に活気を得ております。  次に私自身の活動に関した事を述べます。 もともと無限自由度の量子系の数学的な問 題に興味を持って来ましたが、この分野で非 常に重要かつ解決困難とされる問題が、いく つかあります。ある意味で最も成功し、かつ 敗北と言えるのは量子電磁気学の繰り込み 理論です。量子電磁気学は、物理理論として は半世紀以上前に定式化され繰り込み理論 と組み合わせた摂動理論による計算で、ある 種の物理現象を非常に良い精度で説明する 事が出来ます。しかしながら繰り込み理論は 無限大から無限大をひくという数学的に意味 のない操作が含まれるため、何とか量子電磁 気学を数学として意味のあるものにしようと いう努力が前世紀後半に行われました。構成 的場の量子論と呼ばれる分野で、研究に直 接、自分が関わったわけではありませんが、最 終的に目標とする数学的内容は、あまりにも 複雑で常人の入る余地がない研究分野で あったことは間違いないと思います。当初の 目標が20世紀中に実現出来なかったという 点では数理物理の敗退の歴史とも言える場 の量子論なのですが、繰り込み理論の考え方 自体は元の問題とは別の様々な研究分野で 形を変えながら応用されることが分かってい ます。統計力学における臨界現象がその最初 の応用ですが、力学系、非線形放物型偏微分 方程式の解の挙動などが、その例です。この ような繰り込み群理論の多面的な側面を明 らかにすることを目的として2009年11月に 九大西新プラザにて国際研究集会「数学的 場の量子論とくりこみ理論」を開催しました。 「繰り込み」と直接、自分の研究がつながるの は量子スピン系における「密度行列繰り込み 群」です。量子スピン系は磁性体などの統計 力学的模型ですが数学的には「密度行列繰り 込み群」は、ある対称性をもつ非常にサイズ の大きい行列の最小固有値に対応するベク トルを数値解析的に求めるための手法です。 しかし経験的に「密度行列繰り込み群」の適 用限界があることは、分かっておりました。こ の一年くらいの研究で分かりつつあるのは上 記の適用限界と量子情報の分野で3年ほど 前に話題になったエントロピーの面積則、お よび無限自由度の量子系内の2つの部分系 から無限に多くのmaximally entangled stateを抽 出可能条件が、ほぼ等価であるということで す。高次元の格子またはグラフ上では数学的 成果は、皆無であり、今の所、この方向の研究 が実際の物作りに役立つかどうかは不明です が、何か面白い数学的対象が背後にあると期 待して研究を進めております。

松井 卓

ユニット紹介/

機能数理の基礎

(数理学研究院 教授) Airy方程式の双曲的Schwarz写像の離散化

02

04

 私は昨年3月まで九大数理に在籍してお り、GCOEの事業推進担当者の一人でもあり ました。しかしながら、4月に母校でもある 佐世保高専に赴任して以来、日常的にはほ とんど別世界に住んでいるような立場で過 ごしております。九大時代、そして拠点リー ダーとして進めた21世紀COEプログラム も、今は何か遠い昔の出来事のような気が していますが、あらためて記憶をたどってみ たいと思います。  私が2002年7月に数理学研究院長を 命ぜられて間もなく、当時の21世紀COEプ ログラムに対して数理としてどう臨むか、そ の対応を迫られることになりました。九大独 自の特徴を出さねば「勝ち目」はないという 周囲からの強い示唆もあり、応用関係の研 究を中心として企画することになりました。 その名称も、月並みではよくないということ で「機能数理学の構築と展開」とし、「産業 界を含めた社会に役立つ新たな数理学と その若手研究者を創り出す」という構想を 立てたのでした。  こうして首尾よく採択された九大のCOE プログラムでしたが、その趣旨に添って博士 レベルの人材を育成することは、決して容 易ではありませんでした。当時COE等のポス ドクをはじめとする任期付きポジションはか なり増えましたが、反面、大学等における終 身雇用型のポジションは、既に減少の一途 を辿っていました。この社会情勢を反映して か、COE経費によるRA手当支給などの優遇 措置を設けても、残念ながら博士課程進学 の十分なインセンティブとはなりませんで した。一方でCOEの計画調書には、プログラ ム終了時までに大学院の新しい専攻(機能 数理学専攻)を設置すると明記していまし たから、そのことへの具体的対応も差し 迫った問題でした。そういった条件の中で、 私には博士課程の充実に向けてとるべき方 策は、博士の学位取得後に産業界への進出 を目ざすルート作りを行う以外にないよう に思えました。そこで着想したのが、博士課 程大学院生の企業等における3ヶ月以上の 長期インターンシップという考えでした。当 時数理の就職担当をされ、数理的人材の社 会貢献に関心の深かった佐藤栄一先生と は、その頃いろんな観点からずいぶん議論 したように思います。そして基本的なコンセ プトがほぼ見えてきた段階で、数理のほと んどの教授の方々に戸別訪問して、その構 想の是非についてご意見を伺いました。各 先生方は、様々な角度から貴重なご意見を 下さいましたが、基本的な方向にはすべて の先生にご賛同いただけたと思っておりま す。勿論、その効果に疑問を呈する方もあり ましたが、構想全体を否定するものではあ りませんでした。  インターンシップの引受先の開拓にも苦 心しました。なにせ「数学」と聞いただけで 「難しいことをやっている」と受け取られ、ま してやそのドクターと言ったとたんに「そん な無茶苦茶な・・・」と絶句されるような場面 に出くわすこともしばしばでした。しかしな がら、九大数学科出身の先輩達や、個人的 な知り合いのいる民間会社との接触、ある いは九大と包括的連携協定を結んでいる 企業への、知財本部のスタッフを通じた協 力依頼などにより、次第に引き受け可能な 企業は増えていきました。そして平成16年 12月新博士課程構想検討委員会を発足さ せて具体的な検討に入り、平成18年4月 に、3ヶ月以上の長期インターンシップを義 務づけ、その成果を学位の審査要件にする という前代未聞(?)の博士課程「機能数理 学コース」がスタートしたわけです(図参 照)。その導入がスムーズであったのは、イ ンターンシップのコーディネーターとして、 川崎英文先生が、学生、教員、企業の間に 立って奔走していただいたことも大きかっ たと思います。  その後、平成18年7月私からバトンを引 き継いだ前研究院長の若山正人先生は、私 が描いていた以上に、その構想を積極果敢 に推進して下さいました。そして産業技術 数理研究センターの設置からグローバル COEプログラム「マス・フォア・インダストリ教 育研究拠点」の採択へと展開し、九州大学 を我が国における数学と産業連携の中心に まで高められました。この4月には、待望の MI研究所が発足の運びであるとお聞きし、 まことに素晴らしいことであり、心からその 発展を祈っております。  

佐世保工業高等専門学校 校長・九州大学名誉教授

ユニットリーダー

中尾 充宏

博士課程「機能数理学コース」のスタートを回顧して

(21世紀COEプログラム「機能数理学の構築と展開」元拠点リーダー)

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Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

Education and Research Hub for Mathematics-for-Industry

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 本GCOE事業の一環として2010年10月 21日(木)から23日(土)まで福岡ヒルトン ホテルと福岡ソフトリサーチパークにて フォーラム「マス・フォア・インダストリ」 (FMI2010)を開催しました。本年のフォー ラムでは、情報セキュリティ、可視化技術、逆 問題の3本柱をテーマとして、産業界と数 学の新たな連携と研究推進を目指しまし た。この3分野で世界的に活躍されている 研究者による3件の基調講演と15件の招 待講演を行い、相互の数学的問題を最適化 技法が底流に貫く形で発表および議論を進 めました。講演者は、アジア・パシフィックか ら(韓国、中国、台湾、シンガポール、オース トラリア、ニュージーランド、ハワイなど)を 中心に、ドイツ、米国本土からも招待し、所 属機関としては大学からだけでなく産業界 (NVIDIA、Weta Digitalなど)や国立研究所(シン ガポール情報通信研究所、オーストラリア 科学産業研究機構など)と幅広いものとな りました。FMI2010フォーラムの参加者は 合計92名(産業界が14名、博士・修士課程 の学生が29名)におよび、講演の質疑応答 では産業界からも数学技術の応用可能性 などに関して多くの質問が出され、会議中 を通して各分野で活発な研究交流が行われ ました。写真は本年のフォーラムでの講演 の様子を写したものです。 (数理学研究院 高木剛 教授)  フォーラム(FMI2010)に引き続いて、場 所を東京大学大学院数理科学研究科に移 して、10月25日∼29日の日程で、スタ ディ・グループワークショップ(SGW)が開催 されました。「スタディ・グループ」は、企業研 究者と大学の数学研究者および大学院生 が一か所に集まって短期間の合宿を行い、 企業が抱える未解決問題の解決を目指す もので、長期インターンシップと並んで、数 学 の 産 学 協 働 推 進に極 めて有 効です。 1968年にオックスフォードで始まって、 年々盛んになり、今では毎週のように世界 のどこかで開かれています。文部科学省か ら特別経費の支援も得て(H22-H27)、日 本でもようやく本格的なスタディ・グループ が実施される運びとなりました。その記念 すべき第一回です。  FMI2010での講演とSGWでの問題提供 の両方を行った講師もいて、情報セキュリ ティ、可視化、逆問題が主要なテーマです。 初日から2日目の朝にかけて、大講義室で、 海外企業1社(Weta Digital)、海外2国立研究 機関(インド工科大学、オーストラリア科学 産業研究機構)、国内企業6社(日立、東芝、 OLMデジタル、新日鐵、花王、武田薬品)から 問題の提示がありました。2日目以降、参加 者は解きたい問題を選び、セミナー室に別 れて思い思いに問題解決に挑みました。参 加者は全部で120名を越え、うち大学院生 がその半数を占めます。人数の濃淡こそあ りましたが、どの問題も熱心に食い付かれ ました。写真は情報セキュリティの問題に取 り込み中の一コマです。最終日の午後3時 から、再び大講義室に集合して、各部屋での 取り組みの成果について、主として大学院 生によるプレゼンテーションが行われまし た。学生たちは短期間に驚くほど良く問題 を消化し、解決につながるアイデアを出した 者もいます。何より、参加者がみな楽しんだ 様子が伝わってきて、主催者を勇気づけて くれました。問題出題者にも概ね好評で、 「担当した学生をインターンシップに呼びた い」という声も届いています。プレゼンテー ションのスライドは、公表可能な部分をCOE レクチャーノートVol.31として出版しました。 SGWは来年度以降も続けます。運営に改善 を加えながら、より実質的な形態を目指し ていきたいと思います。 (数理学研究院 福本康秀 教授) (FMI2010ホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/) (SGWのホームページ: http://fmi2010.math.kyushu-u.ac.jp/studygroup.html)

フォーラム

「マス・フォア・インダストリ」

03

スタディ・グループワークショップ

 このユニットでは、可積分系、量子系の統計 力学、特殊関数の代数解析などを専門とする 事業推進担当者(落合啓之、梶原健司、松井 卓、吉田正章)が中心となって事業を推進し ております。  ユニット名が表すように他のユニットと違 い、直接、民間企業と直接共同研究するとい うよりは従来型の純粋数学の研究を行ってお りますが、このGCOEプログラムが、既存の工 学部系の研究、大学院生教育と差別化される 数学科発の試みであることの象徴でありま す。しかしながら「従来型の純粋数学」と言っ ても他のユニットの研究と関連する研究を 行っており、20世紀に流行したような抽象的 な一般論を展開するのではありません。例と して可積分系の研究を取り上げてみます。  可積分系の研究は非線形波動「ソリトン」 の研究に端を発し、非線形微分方程式が厳密 に解けるという「可積分性」の背後にある数 理的構造が主な対象となっています。ある時 点までは非線形波動方程式における可積分 性は、名人芸によって運良く複雑な方程式が 解けるというマジックに依存すると思われて いました。しかし現在では、その名人芸の背 後には「無限自由度の対称性によって支えら れた無限次元の空間」の数理があり、背後の 数理を深く理解することによって、可積分系 は流体力学だけでなく微分幾何学,代数幾何 学など多くの分野への応用がなされていま す。例えば平均曲率一定の曲面の研究はそ の良い成果ですが、このGCOEプログラムの研 究・教育活動の目玉である可視化と深く関係 します。21世紀になって可積分性の構造を 保存する形で離散化した非線形システムの 研究が盛んになりました。離散化は非線形シ ステムの高精度なシミュレーションなど応用 上も重要ですし、離散化された対象の背後に しばしば新しい数理的構造があるため数学的 にも興味深いです。このGCOEプログラムがは じまると当初想定していなかった共同研究も 吉田正章、佐々木武(元神戸大)、山田光太郎 (東工大)、離散微分幾何のWayne Rossman(神 戸大)、Tim Hoffmann(ミュンヘン工大)の間では じまりました。一言で言えば、複雑な曲面をコ ンピューター上良いグラフィックスを表示す るためには数学的背景を考慮した離散化が 必要となり、そのためには微分幾何、可積分 系、特殊関数の専門家の協力が必要となった ということです。九州大学応用力学研究所と 共催で非線形波動現象に関連する研究集会 を3度開催しましたが、非線形波動現象の背 後にある可積分性の研究はかつて以上に大 きな広がりがあることが分かり、研究教育活 動に活気を得ております。  次に私自身の活動に関した事を述べます。 もともと無限自由度の量子系の数学的な問 題に興味を持って来ましたが、この分野で非 常に重要かつ解決困難とされる問題が、いく つかあります。ある意味で最も成功し、かつ 敗北と言えるのは量子電磁気学の繰り込み 理論です。量子電磁気学は、物理理論として は半世紀以上前に定式化され繰り込み理論 と組み合わせた摂動理論による計算で、ある 種の物理現象を非常に良い精度で説明する 事が出来ます。しかしながら繰り込み理論は 無限大から無限大をひくという数学的に意味 のない操作が含まれるため、何とか量子電磁 気学を数学として意味のあるものにしようと いう努力が前世紀後半に行われました。構成 的場の量子論と呼ばれる分野で、研究に直 接、自分が関わったわけではありませんが、最 終的に目標とする数学的内容は、あまりにも 複雑で常人の入る余地がない研究分野で あったことは間違いないと思います。当初の 目標が20世紀中に実現出来なかったという 点では数理物理の敗退の歴史とも言える場 の量子論なのですが、繰り込み理論の考え方 自体は元の問題とは別の様々な研究分野で 形を変えながら応用されることが分かってい ます。統計力学における臨界現象がその最初 の応用ですが、力学系、非線形放物型偏微分 方程式の解の挙動などが、その例です。この ような繰り込み群理論の多面的な側面を明 らかにすることを目的として2009年11月に 九大西新プラザにて国際研究集会「数学的 場の量子論とくりこみ理論」を開催しました。 「繰り込み」と直接、自分の研究がつながるの は量子スピン系における「密度行列繰り込み 群」です。量子スピン系は磁性体などの統計 力学的模型ですが数学的には「密度行列繰り 込み群」は、ある対称性をもつ非常にサイズ の大きい行列の最小固有値に対応するベク トルを数値解析的に求めるための手法です。 しかし経験的に「密度行列繰り込み群」の適 用限界があることは、分かっておりました。こ の一年くらいの研究で分かりつつあるのは上 記の適用限界と量子情報の分野で3年ほど 前に話題になったエントロピーの面積則、お よび無限自由度の量子系内の2つの部分系 から無限に多くのmaximally entangled stateを抽 出可能条件が、ほぼ等価であるということで す。高次元の格子またはグラフ上では数学的 成果は、皆無であり、今の所、この方向の研究 が実際の物作りに役立つかどうかは不明です が、何か面白い数学的対象が背後にあると期 待して研究を進めております。

松井 卓

ユニット紹介/

機能数理の基礎

(数理学研究院 教授) Airy方程式の双曲的Schwarz写像の離散化

02

04

 私は昨年3月まで九大数理に在籍してお り、GCOEの事業推進担当者の一人でもあり ました。しかしながら、4月に母校でもある 佐世保高専に赴任して以来、日常的にはほ とんど別世界に住んでいるような立場で過 ごしております。九大時代、そして拠点リー ダーとして進めた21世紀COEプログラム も、今は何か遠い昔の出来事のような気が していますが、あらためて記憶をたどってみ たいと思います。  私が2002年7月に数理学研究院長を 命ぜられて間もなく、当時の21世紀COEプ ログラムに対して数理としてどう臨むか、そ の対応を迫られることになりました。九大独 自の特徴を出さねば「勝ち目」はないという 周囲からの強い示唆もあり、応用関係の研 究を中心として企画することになりました。 その名称も、月並みではよくないということ で「機能数理学の構築と展開」とし、「産業 界を含めた社会に役立つ新たな数理学と その若手研究者を創り出す」という構想を 立てたのでした。  こうして首尾よく採択された九大のCOE プログラムでしたが、その趣旨に添って博士 レベルの人材を育成することは、決して容 易ではありませんでした。当時COE等のポス ドクをはじめとする任期付きポジションはか なり増えましたが、反面、大学等における終 身雇用型のポジションは、既に減少の一途 を辿っていました。この社会情勢を反映して か、COE経費によるRA手当支給などの優遇 措置を設けても、残念ながら博士課程進学 の十分なインセンティブとはなりませんで した。一方でCOEの計画調書には、プログラ ム終了時までに大学院の新しい専攻(機能 数理学専攻)を設置すると明記していまし たから、そのことへの具体的対応も差し 迫った問題でした。そういった条件の中で、 私には博士課程の充実に向けてとるべき方 策は、博士の学位取得後に産業界への進出 を目ざすルート作りを行う以外にないよう に思えました。そこで着想したのが、博士課 程大学院生の企業等における3ヶ月以上の 長期インターンシップという考えでした。当 時数理の就職担当をされ、数理的人材の社 会貢献に関心の深かった佐藤栄一先生と は、その頃いろんな観点からずいぶん議論 したように思います。そして基本的なコンセ プトがほぼ見えてきた段階で、数理のほと んどの教授の方々に戸別訪問して、その構 想の是非についてご意見を伺いました。各 先生方は、様々な角度から貴重なご意見を 下さいましたが、基本的な方向にはすべて の先生にご賛同いただけたと思っておりま す。勿論、その効果に疑問を呈する方もあり ましたが、構想全体を否定するものではあ りませんでした。  インターンシップの引受先の開拓にも苦 心しました。なにせ「数学」と聞いただけで 「難しいことをやっている」と受け取られ、ま してやそのドクターと言ったとたんに「そん な無茶苦茶な・・・」と絶句されるような場面 に出くわすこともしばしばでした。しかしな がら、九大数学科出身の先輩達や、個人的 な知り合いのいる民間会社との接触、ある いは九大と包括的連携協定を結んでいる 企業への、知財本部のスタッフを通じた協 力依頼などにより、次第に引き受け可能な 企業は増えていきました。そして平成16年 12月新博士課程構想検討委員会を発足さ せて具体的な検討に入り、平成18年4月 に、3ヶ月以上の長期インターンシップを義 務づけ、その成果を学位の審査要件にする という前代未聞(?)の博士課程「機能数理 学コース」がスタートしたわけです(図参 照)。その導入がスムーズであったのは、イ ンターンシップのコーディネーターとして、 川崎英文先生が、学生、教員、企業の間に 立って奔走していただいたことも大きかっ たと思います。  その後、平成18年7月私からバトンを引 き継いだ前研究院長の若山正人先生は、私 が描いていた以上に、その構想を積極果敢 に推進して下さいました。そして産業技術 数理研究センターの設置からグローバル COEプログラム「マス・フォア・インダストリ教 育研究拠点」の採択へと展開し、九州大学 を我が国における数学と産業連携の中心に まで高められました。この4月には、待望の MI研究所が発足の運びであるとお聞きし、 まことに素晴らしいことであり、心からその 発展を祈っております。  

佐世保工業高等専門学校 校長・九州大学名誉教授

ユニットリーダー

中尾 充宏

博士課程「機能数理学コース」のスタートを回顧して

(21世紀COEプログラム「機能数理学の構築と展開」元拠点リーダー)

参照

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