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波圧・波力同時計測による衝撃的な津波荷重の計測方法

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Academic year: 2022

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波圧・波力同時計測による衝撃的な津波荷重の計測方法

鹿島建設(株) 正会員 ○鈴木一輝 福山貴子 秋山義信 高橋俊彦 内藤 晃 東京海洋大学 フェロー会員 池谷 毅 国土技術政策総合研究所 岩田善裕 首都大学東京 壁谷澤寿一 建築研究所 奥田泰雄

1.はじめに

水理模型実験では,分力計により津波波力を測定す ることが多い.しかし,衝撃的な荷重を測定する場合 には,計測系自身の振動が測定値に影響を与える恐れ がある.計測系の振動影響を除去する方法としては,

谷本ら 1)の方法やローパスフィルタが用いられるも のの,計測系の固有振動数の値によっては,影響を十 分に除去できない場合がある.そこで,本稿では,津 波波力に関する水理模型実験を実施し,波圧計と分力 計の同時測定値から衝撃的な津波荷重を計測する方 法について検討を行った.

2.水理模型実験の概要

本実験は,任意の長周期波を造波可能なポンプ式津 波造波装置を有する水路(鹿島建設(株)技術研究所・

マルチ造波水路)にて,想定模型縮尺1/100の無歪フ ルード相似則に基づき実施した(図-1).アクリル製 直方体模型(幅250 mm×奥行き250 mm×高さ420 mm)を陸上部に設置し,模型周辺の浸水深と流速を 計測するとともに,防水型3分力計(日章電気社製)

と超小型波圧計(模型前面に8個,背面に6個;SSK 社製)を用いて,模型に作用する津波波力と波圧を同 時計測した(サンプリング周波数:500Hz).分力計 と波圧計の設置状況は図-2のとおりである.本実験 で作用させた津波は,模型設置位置の最大浸水深

hi=9.4cm,フルード数 Fr=2.3 となる波とした.通過

波検定時の模型設置位置での浸水深とフルード数時 系列変化は図-3に示すとおりである.

図-4 に,分力計測定値 FLと波圧計の測定値から 求めた波圧積分波力 Fpの時系列変化を示す.津波作 用直後に,計測系の振動の影響で,分力計波力 FLは 大きく振動している.また,波圧積分波力Fpも振動 の発生がみられる.これは,模型の振動に伴う付加質 キーワード: 衝撃荷重,津波波力,水理模型実験

連絡先 〒182-0036 東京都調布市飛田給2-19-1 鹿島建設()技術研究所 TEL042-489-6522 図-1 実験概要図

図-2 分力計(左)・波圧計(右)設置状況

図-3 通過波検定時における模型設置位置の浸水深と フルード数の時系列

【陸上部;通過波検定実験時】 【陸上部;波力実験時】

三分力計 建築物模型

模型前面

波圧計

土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

‑339‑

Ⅱ‑170

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量の影響と考えられる.図-5に,分力計波力と波圧計波力のスペクトル分布を示す.分力計波力と波圧計波 力ともに,計測系の固有周波数である10Hz付近でピークが認められる.

3.衝撃的な津波荷重の計測方法

分力計波力と波圧積分波力を用いて,計測系の振動成分を除去し,模型に作用する波力(入力荷重)を,求 める単純なモデルを考える.谷本ら1)と同様に,津波力作用時の模型の運動を一自由度の振動系とし.入力荷

重をF(t),変位をx(t)とすると,分力計波力FLは式(1)で表される.波圧積分波力Fpは,付加質量の影響が

含まれるとして式(2)となる.式(1)と式(2)の差をとると,式(3)が得られる.

( m m ) x c x t

F

F

L = i( )− + ′ −  ··· (1)

F

P =

F

i(

t

)−

m

x

 ··· (2)

x c x m F

F

F

LP = Lp = −  ··· (3)

ここで,m′は付加質量,cは減衰定数である.

式(3)をフーリエ変換し整理すると,変位 x(t)のフ ーリエ変換 x

~( f )は式(4)で表される.式(4)を逆変

換することにより,変位x(t)を得る.

( ) f m i ( ) f c f F

x

L p

p

p

2

2

~ )

~(

2

= ··· (4)

x

~(f)が既知であれば,x・・(t),x

(t)も算出可能であること

から,求めた x

・・(t),x(t),x(t)を式(1)または式(2)

に代入することにより,計測系の振動影響を除去した

入力波力F(t)を得ることができる.

4.衝撃荷重の推定

図-4に示した波形を用いて入力荷重の推定を行う.

解析対象は344秒以降の8192点(16.384秒間)のデー タを使用し,本推定では,算出した x

・・(t)を式(2)に代

入することにより,入力荷重の推定した.なお,本推 定に際しては,付加質量は,対象期間一定として,m′

=1.5[kg]を用いた.図-6に推定結果を示す.推定結果 をみると,津波の到達直後に,分力計波力ではみられ ない,短周期の衝撃的な力が明確に表れている.また,

分力計波力と波圧積分波力でみられた振動は,推定値 には,除去されている様子がみてとれる.したがって,

提案した単純なモデルによって,分力計および波圧計 では,厳密に測定することができない衝撃的な津波荷 重を推定できているといえる.また,推定された衝撃 荷重は,分力計波力より小さいことから,分力計によ る計測は安全側の値をとることがわかった.なお,模 型に加速度計などを設置し,模型の運動(変位,加速 度)を直接測定することにより,より精度良く,入力 荷重を推定することができると考えられる.

参考文献

1) 谷本勝利,高橋重雄,吉本靖俊:衝撃波圧とその特性について,第30回海岸工学講演会論文集,pp.317-322,1983.

図-4 分力計波力と波圧積分波力の時系列

図-5 分力計波力と波圧積分波力のスペクトル分布

図-6 入力荷重の推定値 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)

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参照

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