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(1)

Measurement of Apparent Viscosity of Various Fluids by Using B-Type and

Vibration-Type Viscometers

Takamasa M

ori*,***,†

, Shohei M

oriyaMa*

, Takuto N

akagawa*

, and JunIchiro T

subaki**,***

1)Department of Chemical Science and Technology, Faculty of Bioscience and Applied Chemistry, Hosei University 2)Nagoya Industrial Science Research Institute 2-10-19, Sakae, Naka-ku, Nagoya, Aichi, Japan, 460-0008 3)Hosei University Institute for Slurry Engineering 3-7-2, Kajino-chou, Koganei-shi, Tokyo, Japan, 184-8584

The apparent viscosities of non-Newtonian fluids such as alumina, graphite slurries and carboxymethyl cellulose, starch solutions were measured by using a B-type and a vibration-type viscometers and the measured apparent viscosities were compared to those measured by a coaxial cylinder rotational viscometer, which is an absolute measurement device. It was shown that the measured values of B-type viscometer could be larger or smaller than those of the coaxial cylinder ro-tational viscometer when measuring various samples including dilatant fluids. It was also found that the difference between the measured viscosities by the coaxial cylinder rotational viscometer and B-type viscometer became larger as the n value determined by curve fitting of the flow curve was apart from 1.0. In addition, it was found that the measured values of the vibration-type viscometer were always extremely smaller than those of the coaxial cylinder rotational viscometer, indicat-ing that the particles or polymers in the sample should not follow the movement of the vibrator. From the extensive mea-surement of apparent viscosity, we can conclude that the apparent viscosities measured not by the vibration-type viscome-ter but by B-type viscomeviscome-ter has a good connection with those measured by the coaxial cylinder rotational viscomeviscome-ter.

Key Words: Apparent viscosity / B-type viscometer / Vibration-type viscometer / Coaxial cylinder rotational viscometer

B 型粘度計及び振動粘度計による種々の流体の見かけ粘度測定

森 隆昌

*,***,†

,森山 将平

*

,中川 琢登

*

,椿 淳一郎

**,*** (原稿受理:2017 年 3 月 7 日)

1. 緒   言

 スラリーの流動性は,スラリーの攪拌,輸送などのプロセ スを制御する上で必要不可欠な特性であり,流動性の評価は 工業的に非常に重要である.また,スラリー中の粒子分散・ 凝集状態を評価する上でも,スラリーの流動特性は重要な指 標の 1 つとなる.セラミックス成形などの工業プロセスで用 いられるスラリーは非ニュートン性を示すことが多いため, スラリーの流動性の指標としては,スラリーの見かけ粘度が 広く用いられている 1,2).スラリーの見かけ粘度の測定方法と しては,JIS Z 8803 3) に示されているような溶液の粘度測定 法と同様の装置・手法が用いられる.スラリーの見かけ粘度 測定に使用されている市販装置としては,Fig. 1 に示すよう に,主に回転粘度計(共軸二重円筒型回転粘度計もしくは コーンプレート型回転粘度計),単一円筒型粘度計(B 型粘 度計),振動粘度計があげられる.見かけ粘度はスラリーに せん断を加えたときのせん断応力とせん断速度から算出され るため,粘度測定ではこのせん断応力とせん断速度を求める 必要がある.  先述の粘度測定装置の中で,回転粘度計のみが,装置の ローターのサイズ及び形状からせん断速度を算出することが でき,せん断応力とせん断速度の両方を直接求めることがで きる 3-5).これに対して,B 型粘度計及び振動粘度計は,せん 断速度を直接算出することはできず,後述するようにニュー トン性の標準溶液による測定から,それぞれの測定条件にお けるせん断速度を推定し,相当せん断速度としている 3,6,7)  一般的に,非ニュートン流体では流体によって速度分布が 異なるため,B 型粘度計のように,ある流体で決定した補正 係数は原則として異なるレオロジー特性を有する流体には適 応できない.また,同様の理由で,振動粘度計のように,粘 度既知の流体(標準溶液)で測定した結果から求めたせん断 速度を相当せん断速度として他の流体にも適用するのは適当 ではない.それにもかかわらず,実際のスラリーを取り扱う 産業現場では,上述のように,ニュートン性の標準溶液によ る測定から求めた相当せん断速度を使用しているのが現状で ある.

©2017 The Society of Rheology, Japan

Article

† Tel&Fax : +81-42-387-6142, E-mail : [email protected] * 法政大学生命科学部環境応用化学科 〒 184-8584 東京都小金井市梶野町 3-7-2 ** 名古屋産業科学研究所 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄 2-10-19 *** 法政大学大学院スラリー工学研究所 〒184-8584 東京都小金井市梶野町 3-7-2

(2)

 しかしながら,回転粘度計と B 型粘度計及び振動粘度計 とには先述のような決定的な違いがあり,同一のスラリーで あっても,それぞれの測定装置で求めた見かけ粘度は完全に は一致しない.そのため,それぞれの装置で測定した見かけ 粘度がどの程度の差があるのかを明らかにし,スラリー評価 を実施する上で問題がないのかを検証することは工業的に重 要である.しかしながら,回転粘度計と B 型粘度計及び振 動粘度計の測定結果がどの程度一致するのかを同一のサンプ ルで実際に比較検討した例は少ない 8-10)  このような現状において,著者らは前報 8)で,回転粘度計 の 1 つである B 型粘度計に着目し,B 型粘度計により求め た見かけ粘度と共軸二重円筒型回転粘度計により求めた見か け粘度の関係を議論した.その中で,B 型粘度計で測定した 見かけ粘度が共軸二重円筒型回転粘度計により求めた見かけ 粘度よりも大きくなること,特に測定する流体の非ニュート ン性が大きくなるほど,両者の差が大きくなることを明らか にした.しかしながら,非ニュートン性の流体のうち,シア シニング性の流体のみを対象にしているため,ダイラタン シー性の流体までを含めた幅広い流動パターンの流体に対し てもこのような傾向が成り立つのかはまだ解明できていない. さらに,前報においては,振動粘度計に関する検討は行って おらず,過去にも回転粘度計と振動粘度計の測定結果の関係 性を検討した研究例 9,10) は少ない.そこで本報では,さまざ まな流動パターンを示す非ニュートン性の流体について,B 型粘度計,振動粘度計及び回転粘度計で見かけ粘度を測定し, 測定装置の違いが見かけ粘度測定結果に及ぼす影響を検討す る.

2. 理論 −相当せん断速度の算出方法−

 共軸二重円筒型回転粘度計については,内筒と外筒の比が 十分に小さければ,せん断速度が位置によらず一定と見なす ことができ(JIS 3) では内筒と外筒の比が 1.1 以内とされてい る),せん断速度及びせん断応力ともに測定から直接求めら れるが,B 型粘度計及び振動粘度計については,せん断速度 が求まらないため,ともにあらかじめニュートン性の標準液 を測定し,相当せん断速度を算出,使用する.以下にそれぞ れの装置の相当せん断速度の求め方を記す. 2.1 B 型粘度計  前報 8) でも報告したように,B 型粘度計における相当せん 断速度は,粘度既知のニュートン流体(粘度標準液)をロー ターの回転数を変えてあらかじめ測定しておくことで算出す ることができる 6).B 型粘度計では Fig. 2 6) に示すように,ス プリングを介してモーターに接続されたローターを,試料中 で回転速度 ω [rad・s−1] で回転させたときに生じるスプリング のねじれ角 θ [rad] を測定している.そのときのせん断応力 τ [Pa] は τ=k1θ で,相当せん断速度 ˙γe,B [s−1] が ˙γe,B=k2ω とする と,見かけ粘度 μapp,B [Pa・s] は次式から算出できる.

μapp,B= kk1θ

2ω (1)

Fig. 1 Schematic illustration of viscometers used in this research.

Fig. 2 Outline of internal structure of B-type viscometer.

(3)

粘度既知のニュートン流体(粘度標準液)をサンプルとして, ω を変えて θ を測定し,ω と θ をプロットすると,得られた 直線の傾きから k1/k2の値を求められる.k1の値は装置カタ ログ 4) などに記載されているので,k 2の値を算出でき,相当 せん断速度を求めることができる.今回の実験では Fig. 3 に 示す M1~M4 ローターに対して,粘度標準液 JS100, 500, 2000(日本グリース)を用いて相当せん断速度を求めた.各 ローターのそれぞれの回転数における相当せん断速度を Table I に示す. 2.2 振動粘度計  振動粘度計の相当せん断速度は,あらかじめ粘度標準液を 粘度測定と同一の条件(振動数,振幅)で振動子を振動させ, 測定された振動子の駆動力からせん断応力を求め,標準液の 粘度で除することで算出される 9-11).市販の振動粘度計では 振動子の駆動力を測定することはできないが,装置メーカー より測定結果が公開されており,各測定条件に対応するせん 断 速 度 を 参 照 す る こ と が で き る. そ こ で 本 報 で は, Fig. 4 11) のように示されている,今回使用した装置の測定条 件である振幅 0.4 mm のデータをカーブフィットすることに より求めた次式から相当せん断速度を算出した. ˙γe,V=306 · (μapp,V)−0.444 (2)

3. 実験方法

3.1 実験試料及び調製 3.1.1 B 型粘度計との比較のためのスラリー調製  さまざまな流動特性を持つサンプルとして,アルミナ,グ ラファイトスラリー及びカルボキシメチルセルロース(以下 CMC と略す),片栗粉懸濁液を用意した.  アルミナスラリーはボールミル混合により調製した.試料 粉体は易焼結アルミナ(AES-11E,平均粒子径 0.48 μm,住 友化学)で,分散剤にはポリカルボン酸アンモニウム(セル ナ D-305,中京油脂)を使用した.分散剤添加量は 4.0 mg・ g−1Al 2O3,粒子濃度は 35, 40, 45 vol% とした.所定量のアル ミナ,分散剤,蒸留水を混合し,アルミナボール 400 g とと もにポリエチレン製ポット(内容量 1 L)に入れ,1 h ボー ルミル混合した.  グラファイトスラリーは自転・公転ミキサー(あわとり練 太郎 ARE-300,シンキー)により調製した.試料粉体はグ ラファイト(平均粒子径 4 μm,伊藤黒鉛工業)で,分散剤 には CMC(平均分子量 100,000,東京化成)を使用した.分 散剤添加量は 10 mg · g−1Graphite,粒子濃度は 20, 21, 22 vol% とした.所定量のグラファイト,分散剤,蒸留水を樹脂製の ポット(内容量 300 mL)に入れ自転・公転ミキサーにセッ トし,自転 60 rpm,公転 1,200 rpm の条件で,5 min 混合し た.  CMC 水溶液は,超音波バス中で手攪拌することで調製し た.蒸留水に所定の濃度になるように CMC を溶解した.超 音波バス中で 1 h 手攪拌した後,さらにスターラーで 1 h 攪拌 し CMC 水溶液を調製した.CMC 濃度は 1.0, 2.0, 3.0 mass% とした.  片栗粉懸濁液は市販の食用片栗粉を蒸留水に加え,自転公 転ミキサーで自転 60 rpm,公転 1,200 rpm の条件で 5 min 間 混錬することで調製した.片栗粉の粒子濃度は 57.0,57.5, 58.0 mass% となるようにした. 3.1.2 振動粘度計との比較のためのスラリー調製  3.1.1 と同様に,アルミナ,グラファイトスラリー及び CMC,片栗粉懸濁液を調製し,振動粘度計による粘度測定 に使用した.アルミナスラリーは 3.1.1 と同様に,ポリカル ボン酸アンモニウム添加量は 4.0 mg · g−1 Al2O3とし, 粒子濃 度は 35, 40, 45 vol% とした.グラファイトスラリーは CMC 添 加 量 は 10 mg · g−1 Graphite と し, 粒 子 濃 度 は 18, 19, 20, 22 vol% とした.CMC 水溶液は濃度を 0.5-3.0 mass% の間で 調整し,片栗粉懸濁液では濃度を 57, 58, 59, 60 mass% とな るようにした.  さらに詳細にメカニズムを検証するために以下のサンプル についても測定を行った.まず,粒子径の異なるアルミナ研 磨材でスラリーを調製した.試料粉体として,アルミナ研磨 剤(WA,密度 3,960 kg · m−3,富士見工業),分散剤にポリ カルボン酸アンモニウム,分散媒には蒸留水を使用した.粒 子 濃 度 を 15 vol% と し て, 平 均 粒 子 径 を 0.5, 1.2, 2.0, 3.0, 4.0 μm と変化させた.所定の濃度に調製した分散剤溶液と, アルミナ粒子をポリエチレン製ポット(内容量 1 L)にアル ミナボール 240 g とともに投入し,2 h ボールミル混合した.  また,密度が異なる粒子として,公称粒子径が等しいシリ カ及びジルコニのアスラリーを調製した.試料粉体はシリカ

Table I. Summary of equivalent shear rates for each experimental condition.

(4)

粒子(公称粒子径 10-15 nm,密度 2,200 kg/m3,TECNAN), ジ ル コ ニ ア 粒 子( 公 称 粒 子 径 10-15 nm,5,680 kg/m3 TECNAN),分散媒には蒸留水を使用した.分散剤は添加せ ず,粒子濃度を 1.5 vol% とした.所定量の試料粉体と蒸留 水を混合し,氷冷しながら超音波ホモジナイザーで 5 min 超 音波を照射しスラリーを調製した. 3.2 粘度測定 3.2.1 共軸二重円筒型回転粘度計と B 型粘度計の比較  調製したスラリー及び溶液の流動曲線及び見かけ粘度を, 共軸二重円筒型回転粘度計(RheolabQC, Anton Paar),B 型 粘度計(TVB-10M, 東機産業)で測定した.今回実験で使用 した共軸二重円筒型回転粘度計の内筒と外筒の比は 1.08 で, 先述の JIS 3)で定められた 1.1 以内を満たしている.調製した スラリーを 3 つにわけ,ほぼ同じタイミングで共軸二重円筒 型回転粘度計及び B 型粘度計による粘度測定を実施した.  B 型粘度計による見かけ粘度の測定は,ポリエチレン製の シリンダーで行った.試料によって見かけ粘度の値が異なる ため,試料ごとに適正なローター及び回転数を選択し,測定 を行った.同一ローター,回転数で 10 min 見かけ粘度を測 定した.全試料について使用したローターの一覧を Table II に示す.  共軸二重円筒型回転粘度計による流動曲線の測定において は,まず,B 型粘度計の見かけ粘度測定時の相当せん断速度 までせん断速度を 1 min あたり 8.3 s−1の割合で上昇させ,そ の間のせん断応力の変化を測定した.その後,スラリーを入 れ替え,B 型粘度計による見かけ粘度測定時の相当せん断速 度と同じ値でせん断速度を固定し,せん断応力の変化を 10 min 測定した.測定中は測定セルの温度を 25 ºC 一定とし た.  なお,B 型粘度計の測定においては,サンプルの見かけ粘 度が測定レンジに入っている限りは複数の回転数で測定を実 施した.ただし,調製条件によってはバラツキが大きいサン プルも存在したため,回転粘度計で測定した見かけ粘度と B 型粘度計で測定した見かけ粘度を比較する場合は,同一バッ チのスラリーの測定結果のみを比較することとした. 3.2.2 共軸二重円筒型回転粘度計と振動粘度計の比較  調製したスラリー及び溶液の流動曲線及び見かけ粘度を, 共 軸 二 重 円 筒 型 回 転 粘 度 計 及 び 振 動 式 粘 度 計(SV-10, A&D)で測定した.  振動粘度計による見かけ粘度の測定は,Fig. 5 に示すサイ ズの樹脂製試料セル(内容量 35 mL)を用いて行った.2 枚 の板バネを振動数 30 Hz,振幅 0.4 mm で 10 min 振動させ, 見かけ粘度を測定した.  共軸二重円筒型回転粘度計による見かけ粘度の測定におい ては,まず,振動粘度計の測定時の相当せん断速度までせん 断速度を 1 min あたり 8.3 s−1 の割合で上昇させ,流動曲線を 測定した.その後,スラリーを入れ替え,振動粘度計の測定 時の相当せん断速度と同じ値でせん断速度を固定し,せん断 応力の変化を 10 min 測定した.

4. 実験結果

4.1 一定せん断速度における見かけ粘度測定  Figs. 6, 7 に共軸二重円筒型回転粘度計,B 型粘度計及び振 動粘度計で,せん断速度一定で測定した見かけ粘度の経時変 化を示す.図では代表的な結果を示してある.B 型粘度計及 び振動粘度計では,いずれのサンプルでも見かけ粘度の変動 はそれほど見られない.これに対して共軸二重円筒型回転粘 度計では,アルミナ,CMC,グラファイトのスラリーでは, 多少の変動はあるものの,測定値は時間によらずほぼ一定で あるが,片栗粉懸濁液では,回転粘度計の測定時に見かけ粘 度が大きく減少している.これは片栗粉懸濁液のダイラタン シー性が強いために,共軸二重円筒型回転粘度計の狭い ギャップにサンプルを注ぎ入れたときに固まり,測定中にせ ん断によって形成された構造が破壊されたためと考えられる. いずれのサンプルでも 10 min 後には見かけ粘度はほぼ一定 の値に落ち着いていることから,共軸二重円筒型回転粘度計

Table II. Summary of rotor No. of B-type viscometer used for each slurry and solution.

(5)

と B 型粘度計及び振動粘度計の測定値を比較する場合には, 10 min 後の測定値を使用することとした. 4.2 流動曲線の測定  Figs. 8, 9 に B 型粘度計との比較実験に使用したアルミナ スラリー及び CMC 水溶液の流動曲線測定結果を示す.図中 の A,B は測定時の最大せん断速度の違いを示しており,B の方が A よりも最大せん断速度が大きい.これは B 型粘度 計の測定において回転数を変えて測定を行った場合の,それ ぞれの回転数の相当せん断速度に対応している(Table II 参 照).アルミナスラリーでは降伏値が確認されたが,CMC 水 溶液ではほとんどの場合,降伏値は確認されなかった.いず れの試料も上に凸の曲線を描いており,せん断速度が増加す ると見かけ粘度が低くなるシアシニング性を示していること がわかる.  Figs. 10, 11 には B 型粘度計との比較実験に使用したグラ ファイトスラリー及び片栗粉懸濁液の流動曲線測定結果を示 す.図中の A,B は Figs. 10, 11 と同様に,測定時の最大せん 断速度の違いを示している.グラファイトスラリーにおいて は粒子濃度が 22 vol% で流動曲線に降伏値が見られ,下に凸 の曲線を描いている.ダイラタンシー性が発現する 22 vol% のスラリーについては,均一に混合することが難しいため, 他のスラリーに比べて再現性が悪くなっているものと考えら れる.片栗粉懸濁液についても,流動曲線は下に凸の曲線に なっており,ダイラタンシー性が発現していることが見てと れる.片栗粉懸濁液においては,せん断応力が激しく不連続 に上下しているのが,これは粒子間の潤滑水の枯渇とそれに 伴って形成された粒子間結合の破壊が断続的に繰り返された ためではないかと推察される.  振動粘度計との比較のために使用したアルミナ,グラファ イトスラリー及び CMC,片栗粉懸濁液についても,上記の B 型粘度計との比較のために使用したスラリー及び水溶液と 同様の流動パターンの傾向を示した.

5. 考   察

 Fig. 12 にはシアシニング性を示すアルミナスラリー, CMC 水溶液について,Fig. 13 にはダイラタンシー性を示す グラファイトスラリー,片栗粉懸濁液について B 型粘度計 及び振動粘度計により測定した見かけ粘度と,回転粘度計に より測定した見かけ粘度の比較を示す.プロットはすべて同 じせん断速度(B 型,振動粘度計の場合は相当せん断速度) の測定結果を比較したものである.  シアシニング性を示すサンプル(Fig. 12)について見てみ

Fig. 6 Comparison of apparent viscosities measured with rotating and B-type viscometers. Samples were (a) alumina 40 vol%, (b) CMC 2%, (c) graphite 21 vol% and (d) potato starch 57 mass%. Shear rates were 12.4 and 28.5 s−1 in (a) and (b), 12.4 and 24.8 s−1 in (c) and (d).

Fig. 7 Comparison of apparent viscosities measured with rotating and vibrat-ing viscometers. Samples were (a) alumina 45 vol% and (b) potato starch 58 mass%.

Fig. 8 Flow curves of alumina slurries. (A : low shear rate and B : high shear rate)

Fig. 9 Flow curves of CMC solutions. (A : low shear rate and B : high shear rate)

(6)

ると,CMC 水溶液では B 型粘度計の測定値と回転粘度計の 測定値がほぼ一致しているが,アルミナスラリーでは B 型 粘度計の測定値の方が回転粘度計の測定値よりも大きくなる 傾向がある.一方で,振動粘度計の測定値は全体的に回転粘 度計の測定値よりも小さく,サンプルによっては 2 桁以上小 さくなっている.  ダイラタンシー性を示すサンプル(Fig. 13)について見て みると,シアシニング性のサンプルとは対照的に B 型粘度計 の測定値の方が回転粘度計の測定値よりもおおむね小さくな る傾向が見られた.過去の研究では,ローターの端面の影響 とエッジ効果によって,B 型粘度計の測定値が回転粘度計の 測定値よりもやや大きくなることは報告されてきた 12-14).し かしながら,ダイラタンシー性のサンプルの測定において, B 型粘度計の測定値が回転粘度計の測定値よりも小さくなる ことは見いだされておらず,今回幅広い流動パターンをもつ サンプルを測定したことによって明らかとなったことである.  一方,振動粘度計の測定値はシアシニング性を示すサンプ ルと同様に回転粘度計の測定値よりも小さくなる傾向が見ら

Fig. 10 Flow curves of graphite slurries. (A : low shear rate and B : high shear rate)

Fig. 11 Flow curves of potato starch solutions. (A : low shear rate and B : high shear rate)

Fig. 12 Comparison of apparent viscosities of shear thinning samples. (open mark : µV, solid mark : µB)

Fig. 13 Comparison of apparent viscosities of shear thickening samples. (open mark : µV, solid mark : µB)

れた.したがって,B 型粘度計と振動粘度計では,回転粘度 計の測定値とのずれ方が異なることから,以下ではそれぞれ の粘度計について考察する. 5.1 共軸二重円筒型回転粘度計と B 型粘度計の比較  Figs. 12, 13 から,B 型粘度計の測定値と回転粘度計の測定 値の関係には,シアシニング性,ダイラタンシー性といった サンプルの流動パターンが影響していることが考えられる. そこで,Figs. 8~11 に示した流動曲線の流動パターンの違い について,前報 8) と同様に以下に示すべき乗則モデル 15) に降 伏値の影響を考慮した(3)式でカーブフィットすることに より定量化した. τ=K˙γn+τ c (3) カーブフィッティングにより求めた K,n,τcの値を Table III に 示す.粘度計の測定値に及ぼす影響を検討するにあたり,流 動パターンに関連する指数 n に着目した.B 型粘度計の測定

(7)

Fig. 14 Relationship between µB* and n.

Fig. 15 Relationship between µV* and n.

から求めた見かけ粘度 μapp,Bを,回転粘度計で測定した流動曲 線から求めた見かけ粘度 μapp,R で除した粘度比 μ*B=μμapp,B app,R を, フィッティングで求めた指数 n に対してプロットしたものを Fig. 14 に示す.図から指数 n の値と粘度比 μ* Bの間にはまず まずの相関(相関係数 R = 0.89)が見られ,せん断速度が 10 ~30 s−1の範囲では,以下の実験式で表されることが分かっ た. μ* B=1.96-0.72n (4) したがって B 型粘度計の測定値は,シアシニング性からダ イラタンシー性まで幅広い流動パターンのサンプルにおいて 絶対測定である回転粘度計の測定値とまずまず相関すること が示された.前報 8) と関係式がやや異なること及び相関係数 が高いことは,本報で測定法を変更したことによるものと考 えられる.すなわち,本報では,異なる粘度計で見かけ粘度 を測定する際に,サンプルに加えるせん断の履歴を極力同じ にするようにしたために,高い相関が得られたものと考えら れる.しかしながら,ニュートン性を示すサンプルであって も粘度比は 1 になっておらずバラツキがあることからも,B 型粘度計の測定から回転粘度計の測定値を精度良く推算する ことは難しいと言える. 5.2 共軸二重円筒型回転粘度計と振動粘度計の比較  Fig. 15 に B 型粘度計の場合と同様に,振動粘度計の測定 値と回転粘度計の測定値の比の値 μ* V=μapp,V μapp,R と,流動曲線か ら求めた指数 n との関係を示す.流動曲線のカーブフィット の結果は Table IV に示してある.B 型粘度計の場合とは異な り,指数 n の値との間に明確な関係性は見られず,いずれの 流動パターンのサンプルにおいても比の値は 1 より小さくな ることがわかった.これは,粒子分散系スラリーや高分子溶 液を振動粘度計で測定すると,振動子の振動に液中の粒子や

Table III. Fitting parameters of Eq.(3) for all samples used in experiment of

(8)

高分子が追随できていないことが示唆されている.  そこで,粒子分散系スラリーに着目し,さらに詳細に検討 した.粒子は以下の(5)式に示す緩和時間 tRによって液中 での慣性の大きさを表すことができる. 16) すなわち緩和時間 が大きいものほど慣性の影響が大きく,振動子の振動に追随 しづらくなると予想される. tR=

(

ρp+ρ1/2

)

x 2 18μ (5) Fig. 16 に振動粘度計の測定値と回転粘度計の測定値の比と 緩和時間との関係を示す.サンプルは,粒子径及び粒子密度 を変化させたスラリーである.まず粒子密度が異なるジルコ ニアとシリカを比較すると,密度の大きいジルコニアの方が, 粘度測定値の比が小さくなっている.一方,粒子径が異なる アルミナスラリーを見てみると,粒子径が大きくなるほど, 粘度測定値の比は小さくなっている.したがって,粒子の密 度が大きくなる,あるいは,粒子径が大きくなる,いずれの 場合も緩和時間が大きくなるが,どちらの場合も同様に粘度 測定値の比の値は小さくなっており,この現象は緩和時間で 整理できることが示された.したがって,振動粘度計の測定 値のずれは,液中の粒子や高分子が振動子の振動に追随でき なかったために起こったことであると考えられる.すなわち, 粒子分散系スラリーや高分子溶液の粘度測定に振動粘度計を 使用するのは困難であると言える.

6. 結   論

 さまざまな流動パターンを示す非ニュートン性のスラリー 及び水溶液を,回転粘度計及び B 型粘度計,振動粘度計で 見かけ粘度を測定し比較した結果,以下のことが明らかと なった. (1)シアシニング性を示すスラリー・溶液について,B 型 粘度計で測定された見かけ粘度の値は,回転粘度計で測定さ れた見かけ粘度の値よりも大きくなる.一方,ダイラタン シー性を示すスラリー・溶液の B 型粘度計により測定され た見かけ粘度の値は,回転粘度計で測定された見かけ粘度の 値より小さくなる.したがって,B 型粘度計と回転粘度計の 粘度測定値の比の値は,べき乗則モデルの指数 n とまずまず の相関があり,せん断速度 10~30 s−1 の範囲では μ* B=1.96- 0.72n という関係式で表される. (2)上記のように,シアシニング性を示すスラリー・溶液 については,B 型粘度計で測定された見かけ粘度の値が,回 転粘度計で測定された見かけ粘度の値よりも大きくなり,ダ イラタンシー性を示すスラリー・溶液については,B 型粘度 計により測定された見かけ粘度の値が,回転粘度計で測定さ れた見かけ粘度の値より小さくなる理由は,相当せん断速度 を算出するための過程が非ニュートン性流体には適用できず, 算出された相当せん断速度が実際のせん断速度よりも低く見 積もられているためであると考えられる. (3)振動粘度計で測定された見かけ粘度は,スラリーや溶 液の流動パターンに関係なく,すべての場合で,回転粘度計 で測定された見かけ粘度よりも極端に小さくなる.さらに振 動粘度計の測定値の回転粘度計の測定値に対するずれは,粒 子の緩和時間の増加とともに大きくなる.したがって,振動 子の振動に液中の粒子や高分子が追随できないと考えられる.  以上の結論から,スラリーや高分子溶液の見かけ粘度測定 において,振動粘度計の測定値から,回転粘度計の測定値を 推定することは困難である.また B 型粘度計についても, 粘度比と指数 n との間にまずまずの相関が見られたものの, バラツキがあるため,比較的粘度の近いサンプルを評価・識 別する場合には注意が必要であると考えられる.

謝   辞

 本研究の一部は,A-STEP 産業ニーズ対応タイプ「セラ ミックスの高機能化と製造プロセス革新」の助成のもとで実 施しました.ここに記して謝意を表します.

NOMENCLATURE

K : viscosity constant in Eq. (3) (Pa · sn )

n : viscosity index in Eq. (3) (-) x : particle diameter (m) ˙γ : shear rate (s−1 )

˙γe,V : equivalent shear rate of vibration viscometer (s−1)

μ : viscosity (Pa · s) μapp,B : apparent viscosity measured by B-type viscometer (Pa · s)

μapp,R : apparent viscosity measured by rotational viscometer (Pa · s)

μapp,V : apparent viscosity measured by vibration viscometer (Pa · s)

μ*

B : ratio of apparent viscosities

(

=μapp,Bapp,R

)

(-)

μ*

V : ratio of apparent viscosities

(

=μapp,Vapp,R

)

(-)

τ : shear stress (Pa) τc : yield stress (Pa)

tR : particle relaxation time (s)

x : particle size (m) ρp : particle density (kg · m−3)

ρ1 : medium density (kg · m−3) Fig. 16 Relationship between the ratio of apparent viscosities and the particle

(9)

REFERENCES

1) Mewis J, Wagner N, “Colloidal Suspension Rheology”, (2012), pp 18-25, Cambridge University Press, Cambridge. 2) Reed J, “Principles of Ceramics Processing” 2nd ed, (1995),

pp 182-189, Wiley, NY. 3) JIS Z8803 (1991).

4) McKennell R, Anal. Chem., 28, 1710 (1956). 5) Slattery JC, J. Colloid Sci., 16, 431 (1961). 6) Kawasaki T, New Food Industry, 22, 57 (1980).

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8) Asai K, Ichiyanagi M, Satone H, Mori T, Tsubaki J, Ito Y, J.

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15) Nakae T, “Reorojikogaku to Sono Ouyougijyutsu”, (2001), p13, Fuji Technosystem, Tokyo.

16) Tsubaki J, Suzuki M, Kanda Y, “Ryushi Funtai Kogaku”, 2nd ed., (2016) pp 93-96.

Fig. 3  Rotors and cylinder for measurement of B-type viscometer.
Fig. 4  Equivalent shear rate for the vibration viscometer.
Fig. 5  Sizes of the vibration viscometer and measuring cell.
Fig. 7   Comparison of apparent viscosities measured with rotating and vibrat- vibrat-ing  viscometers
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参照

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