キ ャンパスライフにおける学生 中心 の健康支援

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は しめ に

富 山大学 保 健管理 セ ンターは, 富 山大学 の学生 お よび職 員 の健康管理 ・健康増進 ・学生生活 支援 を 目的 とす る厚生補導機 関 と して,開 設以 来約25 年 に わ た って そ の役 割 を果 た して きた。 本 学 は

「富 山大 学 の理 念 」 に基 づ き,地 域 社 会 にお け る 学 術 文化 の発展 と, 人 材 養成 の主 翼 を担 う大学 と して そ の使 命 を果 たす べ く,「 富 山大 学 の基 本 目 標」 を掲 げて い る。 その 2 本 の柱 は,   1 ) 社 会人 職 業 人 と して の十 分 な知識 と能 力 を身 につ け させ る。 2)共 生 の精神 に支 え られ た豊 か な人 間性 を 育成 す る, の 2 点 と して ま とめ られて い る。今後, 長 期 にお け る保 健 管理 セ ンターの役割 は,   この基 本 目標 に貢 献 す る もので な けれ ば な らな い。

I   キ ャ ンパ ス ・ラ イ フ支 援 の 重 要 性 大学 は, 思 春期 か ら青年期 にか けて の学生 が, 一方では社会的存在 と して, もう一方では個性的,

自己実 現 的存在 と して, 育 ち, 学 び, 巣 立 って い くための, 時 間的,空 間的 な場 (フ ィール ド)を 提 供 す る。 この過程 お よび フ ィァル ドを, 「 キ ャ

ンパ ス ・ライ フ」 と呼 ぶ な らば,学 生 の 「キ ャ ン パ ス 0ラ イ フ」 を,有 意義 かつ意味 のあ る ものに す るため の支援体制 は,ま さに大学 存立 の基盤 を

キ ャンパスライフにおける学生 中心 の健康支援

国立大学法人における富山大学健康人間科学 セ ンター (仮称) (現 :富山大学保健管理 セ ンター)の 中期 目標 ・中期計画 (案)

斎藤 清 二,西 村優紀美,山 端 憲 子,角 間 純 子

Seiji Saito, Yukimi Nishimura, Noriko Yamahana, Junko Kakuma:

A Proposal of Student-centered Health Care in Campus Life

なす もので あ り,上 記 の基本 目標実現 のために最 も重 用視 され な ければ な らな い。

Ⅱ 学 生 の 健 康 支 援 は ど うあ るべ きか

キ ャ ンパ ス ・ライ フの基盤 と して,学 生 の全人 的健康 (ト ー タル ・ヘ ル ス)は もっと も重 要 な も の であ る。健康 とは,単 に病気 で ない, と い うこ とで はな い。WHOは ,身 体 的,社 会 的,心 理 的 に病 んで いない とい うことに加 え,ス ピ リチ ュア ル に健全 な状 態 で あ る ことを 「健康」 の条件 と し て提言 して い る。 ス ピ リチ ュアル とは,説 明 しに くい概念 で あ るが,「 人生 の意 味」,「 『いの ち』

の重要性 につ いて の気 づ き」,「生 きが い」 な ど と して理 解 され うる もので あ る。 さ らに,「 健康」

とは決 して他者 によ って管理 され る 「静 的 な状態」

で はな く,個 人 が現実 に生 きる実生 活 の現場 にお いて,そ の瞬間瞬間 にお いて生成 され る 「ダイナ ミックな命 の息吹」 で あ るとす る考 え方 もあ る。

ひ るが え って,現 代 の 日本 にお いて,青 年期 を 過 ごす大学生 の 「キ ャンパ ス 0ラ イ フ」 を概観 す る とき,学 業不適応,引 きこ もり,行 動 の病理 や 心 理 的障害 な ど, ト ー タル ・ヘル スの不全 を認識 せ ざ るをえ ない学生 の数 は決 して無視 で きない。

さ らに,セ ク シャル ・ハ ラスメ ン トや アカデ ミッ ク ・ハ ラス メ ン トの問題 な どに象徴 され る,キ ャ

著者所属 :富 山大学保健管理 セ ンター,Center fOr Health Care and Human Sciences,Toyama University.

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ンパ ス ・ライ フその もののが,学 生生活 を脅かす とい う状況 も決 して解決 されて いない。

この よ うに,「困 って い る学生」 に対 す る直接, 間接 の支援 体制 は決 して十 分 とは言 えず,保 健管 理 セ ンターを 中核 とす る,「 キ ャ ンパ ス ・ライ フ の支援体制」 の構築 は緊急 を要 す る課題 で あ る。

Ⅲ 学 生 中 心 の 大 学 」 に お け る トー タ ル ・ヘ ル ス支 援

21世紀 の大学 の キ ー ヮー ドと して,「 学 生 中心 の大学」 とい う概念 が提 唱 されて い る。 この 「学 生 中心 :student―centered」とい う言 葉 は,決 し て空虚 な概念 と して扱 われ る ことは許 され ない。

医 療 が 「患 者 中心 :patient―centered」で あ り, 企 業 が 「消 費者 中心 :consumer―centered」で あ

り,カ ウ ンセ リングが 「来談者 中心 :client―

centered」で あ るの と全 く同 じよ うに, こ の 「学 生 中心性」 は,実 際 に組 織 や機能 と して実践 され な けれ ばな らない。

医療 が 「患者 中心 」 で あ るた め に は,純 粋 な生 物学 的 医学 と して の方 法 論 だ けで は不 十 分 で あ る の と同 じよ うに,「学 生 中心 」 の 「トー タル ・ヘ ル ス支援」 を実行 す るため には,狭 い範 囲 での医 学 や公衆衛 生 学 だ けの方 法論 で は不十 分 で あ る。

「キ ャ ンパ ス にお け る トー タル ・ヘ ル ス支 援 」 の 方 法論 は,本 来 的 に学 際 的 で あ る必要 が あ る。 医 学 ,看 護学 ,臨 床 心 理学 ,社 会学 ,文 化人類 学 , 言語学,哲 学,倫 理学 ,情 報工学 ,教 育学 な どの, 幅広 い学 問的分野 との交流 と結集 が必要 とされ る。

それ ゆえ に,保 健管理 セ ンターの今後 の在 り方 を考 え る時,そ の第一 の存在意義 は 「キ ャ ンパ ス にお ける学生 の トー タル ・ヘ ルス支援」 で あ る こ とに疑 いはないが,そ の活動 を下支 えす るための 実 践 的研 究 活動 を欠 くことはで きず,ま た その成 果 を大学 全 体, さ らに は地域 社 会 に還 元 す るため の教育活動 を行 うことは,そ の使命 か ら考 えて必 須 の ことで あ る。 それ ゆえ に,今 後 速 やか に,現 行 の厚生補 導施 設 と して の 「保 健管理 セ ンター」

か ら,学 生 支援 の実践 0研 究 ・教育 を一 体 的 に行

う 「健康人間科学 セ ンター ( 仮称) 」への移行が 必要 とされ る。

Ⅳ   ト ー タ ル ・ヘ ル ス支 援 セ ンタ ー と して の 中 期 目標

1 ) 効 率 的 な健康支援 システムの構築

疾 病構造 の変化 によ り, 青 年 期 にお ける 「身 体 疾 患 有 病 率 」 は著 し く減 少 し,従 来 か らの

「健康診 断実施 の方 法論」 の有用性 が批判 され, 見 直 しの必 要性 が叫 ばれ て い る。 「根拠 に基 づ く医療 ( E v i d e n c e ―b a s e d   M e d i c i n e ) 」が普 及 し た現在,臨 床疫学 的 な観点 か ら健康診断 の実効 性 が再検 討 され る必要 が あ る。 同時 に, 最 近 問 題 が再燃 して きて い る感 染症 ( 結核 を含 む)対 策 につ いて も, 科 学 的 な根拠 に基 づ く有効 な シ ステムを構築 す る必要 が あ る。

2 ) 学 生相談 システムの充実

学 生 の キ ャ ンパ ス ・ラ イ フ に お け るQOL (生活 の質 )に 最 も大 きな影 響 を与 え るて い る の は,身 体 的 な健康 問題 と言 うよ りは,広 い意 味 で の,社 会 ・心 理 ・実 存 に関 す る問題 で あ る ことは明 らかであ る。 この よ うな問題 に苦 しむ 学 生 に対 す る援 助 と して最 も有効 な実 践 は,広 義 の カ ウ ンセ リングで あ る ことに も異論 はない。

カ ウ ンセ リングには, 日常生 活 に関 わ る一般 的 な相 談 か ら,心 理,精 神病理 的 な専 門 的対応 ま で,幅 広 い ものが含 まれ るが,学 生 が必要 と感 じた と きに,い つ で も,ど こで も対応 で きる体 制 が最 も効 果 的 な援 助 的対 応 で あ る。 セ ンター は, この よ うな システムの中核 的立場 に位 置付 け られ る組織 と して充実 させ る必 要 が あ る。

カ ウ ンセ リングは,場 所 と時間 を定 期 的 に共 有 す る,カ ウ ンセ ラー と ク ライ エ ン トの人 間 関 係 を通 じて行 われ る援助行為 で あ る。 そのため, きめ細 か い援助 を行 お うとすればす るほど,援 助者 側 の マ ンパ ワーを確保 す る ことが困難 にな

るとい う問題 が起 こる。少 ない人的資源の中で, きめ細 か い カ ウ ンセ リング体制 を充実 させ るた め に は,以 下 のよ うな幾 つか の方 策 が考 え られ

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る。

1 . 学 内処 置 によ る, 非 常勤 カ ウ ンセ ラ や イ ンテー カーの配 置, 増 員。

2 . 学 内教官 や事務組織,学 生相談室 との有 機 的 な連携。

3 . 大 学 院 や学部 との連携 によ る,学 生 によ る ピア ・カ ウ ンセ リング シス テ ムの構 築。

4 . セ ンターを,大 学 院生 や社 会人 のための カ ウ ンセ リング ・心理療法 の教育実習機 関 と して機能 させ,学 生 の支援実 践 と教育 ・ 研 究 を一 体化 させ る。

3 ) 職 員 の健康管理 システ ムヘ の参画

現 在 の ところ, 保 健管理 セ ンターの業務 の中 心 は学 生 へ の健康支援 で あ り, 職 員 の健康支援 シス テムヘ の関与 は明確 で ない。 セ ンター教官 は,職 員 の健康管理 医 の嘱託 を受 けて い るが, 職 員 の健康 管理 の責 任 は事 務部 門 にあ る。 また 本学 で は, 文 部 科学 共 済診 療 所 が, セ ンターの 施設 を借 用 す る形 で存在 して い るが, 職 員健康 支援 と しての役割 は全 く不十分で あ り, セ ンタ との責任分担 も不明確 であ る。独立法人化後 は, 職 員 の労 働 産業 衛 生 に関 して は, 人 事 院 で はな く労働基準 局 の基準適 用 を受 ける ことか らも, 早 急 に職 員 の健康 支援 システ ムの整 備 が必要 と

され と り,セ ンター はその中核 的協 力機 関 と し て位置付 け られ る必要 が あ る。

V   研 究 機 関 と して の 中 期 目標

健康 支 援 な どの実 践 現 場 にお け る研 究 は,   これ まで,ア ンケー ト調 査 や実 態調査 な どの方法論 に 限定 され て い る ことが多 く, 他 の領域 の研 究 に比 べ て学 問的 な価値 が低 い とされて来 た。 しか し, 近年 このよ うな常識 は過去 の ものにな りつつ ある。

医療, 病 気, 健 康, 精 神衛生 な どの諸 領域 を包括 す る上 位概 念 と して, 「 生 活世 界」 その もの を扱 うこの よ うな学 問領域 を, 健 康人間科学 ( H u m a n h e a l t h   s c i e n c e s ) とヽもゞことがで きよ う。

人間 とは, 大 き く分 ければ, 「生物 と して ヒ ト」

と して の側面 と,「個 々の意志 と感情 を持 ち,社 会

生 活 を営 み,互 いに交流 す る主体 と しての 『人間 (にん げん)』」 とい う側面 を合 わせ持 つ存在 であ る。

したが って,健 康人間科学 にお ける研究法 は,そ の対象 によ つて大 き く二 つ に分 け られ る。 その第 一 は,従 来 の医学 において中心的 に採用 されたき た,「生物 と して ヒ ト」 に焦点 をあてた 「生物科学 的 あ るい は生命 科学 的研究 法」 で あ る。 例 え ば遺 伝 子診 断 に基 づ く成 人 病 の予 防 に関 す る研 究 な ど が, この よ うな方法論 の典型 例 で あ る。 後 ほど触 れ るよ うに,富 山県 内国立 3大 学 の統合が実現 し, 真 の総合大学 と して の富 山大学 が ス ター トすれば, 医学系,生 命科学系 の学部 ,研 究科等 との連携 に よ り, こ の よ うな生命科学 的健康科学 の研究 に着 手 す ることが可能 とな る。

健 康科 学 にお け る第 二 の,そ して よ り斬新 で 重要 な研究法 は,「分割 で きない トー タルな存在 と して の人 間」 に焦点 をあて た研究法 で あ る。 この 新 しい研 究 の視 点 は 「人 間科 学 的研 究 法」 と呼 ぶ ことがで きる。 人間科学 的研究法 は, さ らに,客 観 的 で明確 な対 象 を研 究 す る方 法論 と,主 観 的 で 相 互交 流 的 な実 践現 場 で の事 象 を扱 う方 法論 に分 類 され る。 前 者 の代 表 と して,臨 床 疫学 的方 法論 (EBMを 含 む),行 動科学 的方法論 が あ る。

健 康 支援 の実 践 現場 にお いて最 も重要 な方 法 論 は,後 者 の 「相互交流 的で主観 的 で あい まいな も の」 を扱 う方法論 であ る。 なぜな らば,「相互交流 的 で主 観 的 で あ い まいな もの」 こそが,健 康 支援 の実践現場 にお け る現象 の大部 分 を しめ るか らで あ る。 この よ うな 「あい まいな もの」 は,従 来 の 科 学 的方 法論 の対 象 に はな らな い と考 え られて来 たが,そ の考 え方 は既 に過去 の もの にな りつつ あ る。現在, この領域 において,新 しい方法論が次 々 と開発 され,成 果 が報告 されて い る。 その多 くは

「質的な研究法 :qualitative research method」 呼 ばれ,実 践 現場 に密着 しつ つ,そ の成 果 が現 場 の実践 に フ ィー ドバ ックされ,直 接 役立 つ ことが 特 徴 で あ る。 代 表例 と して は,ナ ラテ ィブ ・アプ ローチ, エ ス ノグラフ ィー, グ ラウ ンデ ッ ド・セ オ リー ・アプ ローチな どが挙 げ られ る。 この よ う な方法論 を導入 す る ことによ り,セ ンターは,単

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な る実践 だ けの場所 で はな く, 他 の領域 の学部, 研究 科等 と も連携 しつつ, 有 意義 な研究 を進 めて い くフ ィール ドを提供 す る ことにな るで あろ う。

さ らに,   地域か ら研究生 を受 け入 れ る ことによ り, 社会教育 に も貢献す ることが可能 とな る。

この よ うな分野 にお け る,外 部 か らの研究費 の 獲 得 に対 す る努力 が早 急 に必要 とされ る ことは明

らかであ る。

VI 教 育 へ の 貢 献 に関 す る 中期 目標

過 去 の セ ンターは,厚 生補導機 関 と して位 置付 け られ て お り,セ ンター教官 が教育 にたず さわ る ことが制 限 され るとい う,あ る意 味で は馬 鹿 げた 状 況 が あ った ことは否定 で きな い。 しか し,大 学 教官 が教育 に貢献 すべ きであ ることは当然 であ り, 現在,セ ンター教官 は教養教育 のみ な らず,学 内 非 常 勤 講 師 と して学部 教 育,ま た統合予定 の近 隣 大学 の教育 に も積極 的 に関 わ って い る。 また,地 域 か ら研 究生 を受 け入 れ て,社 会教育 に も貢献 し て い る。 しか し, こ こで は,教 官個人 と してで は な く,セ ンター と しての教育 に対 す る貢献 の中期 目標 に触 れ た い。

セ ンター は先 に触 れ た,「 トー タル ・ヘ ル ス ・ ケ ア」 に関 す る教育 に責任 を持 ち,他 学部 や研究 科 と連携 しなが ら,独 自の カ リキ ュ ラムを実 施 し て い く必要 が あ る。一 つ は教養教育 と して の学 生 教 育 で あ り,特 に コ ミュニ ケー シ ョンに関 す る教 育 が重 要 で あ る と思 われ る。 も う一 つ重要 なの は

「ヘ ル ス ・ケ ア ・プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル」 の養 成 の た め の教 育 に貢 献 す る こ とで あ る。 こ こで言 う

「ヘ ル ス ・ケ ア ・プ ロ フ ェ ッシ ョナ ル」 とは,必 ず しも医療従事者 だ けを意味 して い るわ けで はな い。 現時点 で最 も重要 なの は,臨 床心理技術者 養 成 の ため の教 育 に対 す る,セ ンターの貢献 の可 能 性 で あ る。 セ ンターに は現 時点 で臨床心 理 士 資格 を もつ教官 が い る し,上 述 の よ うにセ ンターを カ リキ ュ ラムに必要 な演習施設 と して整備 す る こと も可能 と思 われ る。 しか し, こ のよ うな コースの 実 現 には,学 部 ,研 究科 の整備 と連 携 が必 須 で あ

り,セ ンターだ けでで きる ことで はない。 しか し なが ら,臨 床心理技術者 の資格認定 の ための大学 院 は全 国的 に希望者 が た いへん多 く,北 陸地 区 に は教育機 関が ほ とん どな い, とい うことを考 え る な らば,統 合予定 の近隣大学 や,学 内の学部,研 究科 との連 携 を視野 に入 れつつ,実 現 の可能性 を 探 るべ きで あ る と考 え る。

なお, これ はセ ンターの構想 にのみ関 わ る事項 で はないが,上 記 の よ うな教育 を円滑 に行 うため に,現 行 の よ うな教 官 の教 育 活 動 に関 す る制 限 (他の部 局 の教 育 に関 わ るため に は非 常 勤 講 師 や 兼 業 の手続 きが必要 で あ り,教 育 が本務 とみ な さ れ な い,あ るいは管理職 の教育 へ の貢献 が制 限 さ れ る,学 部,研 究科 で な ければ研究生 を受 け入 れ る ことはで きない,等 )は ,全 て撤廃 す るべ きで あ る。 教官 の全 て は,大 学 の全 て の教育 に関 われ るよ うにす るのが 当然 で あ る し,そ う しな ければ な らない。 それ を行 わ な い ことは,大 学 の国民 に 対 す る当然 の義務 の放 棄 で あ る。

附 )富 山 県 内 国 立 3大 学 統 合 後 の 保 健 管 理 セ ンタ ー の あ りか た に つ い て

富 山県 内国立 3大 学 の統合 は,そ の実現 に向 け て努力が なされて いるところであ り、現時点 で は, 平 成 17年 10月 を 目標 に統合 の合意形成 が進 め られ て い る。保健管理 セ ンターは,富 山大学 のみ な らず,富 山医科薬科大学 ,高 岡短期大学 に も設 置 され て い る重 複施設 で あ るため,統 合実現後 の 構 想 を全 く抜 きに した 目標,計 画 の設定 は現実 的 で な い。 そ こで,独 法化後 に三大学 の統合 が実現 され る ことを前提 と した,統 合後 の保健管理 セ ン ターの あ りか たにつ いて も述 べ たい。 なお,統 合 後 重 複施 設 に関 して は,現 在各 大学 問 で の意 見交 換 ,調 整 中で あ り,本 計 画 はその議論 のたた きだ い とな る もので あ る。

1)3つ の キ ャ ンパ スにお け る学生生 活支援 の重 要性

統合後 も, 3つ のキ ャンパ ス (以下,五 福 キ ャ ンパ ス,杉 谷 キ ャンパ ス,高 岡 キ ャ ンパ ス と仮

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に呼 ぶ)が 存続 す る ことは確実 で あ り,各 キ ャ ンパ スにお いて現在 に も増 して質 の高 い学生生 活支援 が行 われ な ければな らない。 したが って, 統 合 後 ,組 織 と して は セ ン ター を一 つ の組 織 (仮称 ,健 康 人 間科 学 セ ンター)と して一 本化 す る と して も,各 キ ャ ンパ スに,現 在 と同等 か それ以上 の機能 を有 す る分室 を設 置 す る必要 が あ る。

特 に,カ ウ ンセ リング機 能 は,す べ て の キ ャ ンパ スにおいて,さ らに充実 させ る必要 が あ る。

非 常 勤 カ ウ ンセ ラーの配 置,学 生 相 談 員 との連 携 な どが,今 まで に も増 して必 要 とされ る。

2)各 キ ャ ンパ スの特殊性 を生 か した研究教育 へ の参画

各 キ ャ ンパ スの特 殊性 に応 じて,各 分 室 に特 徴 的 な機 能 を持 たせ る こ とは,セ ンター機 能 を 全体 に高 め る ことにな る。 例 えば,杉 谷 キ ャン パ ス分室 において は,医 療系学部,研 究科 と附 属 病 院 が 同 キ ャ ンパ ス内 にあ る こ とか ら, これ らの施設 との緊密 な協 力 と交流 が可能 で あ る。

学生 サ ー ビスや健康 管理 に関 して も,医 療系 の きめ細 か いサ ー ビスが可能 で あ る。五 福 キ ャン パ スで は,人 文,教 育系 の学部 や研究科 との連 携が可能 であ る。教養教育 の充実 に伴 う五福 キ ャ

ンパ スで の低学年在籍 の学生 の増加 はおそ ら く 避 け られず, 日常 的 な生 活支援 の必要性 が益 々 高 ま るで あ ろ う。 高 岡 キ ャ ンパ スで は,芸 術系 の学 部 との連 携 に よ り,ユ ニ ー クな研 究 教 育 (例え ば芸 術 活 動 と健 康 増 進 との関連 に関 す る 研 究 や実践)が 可能 にな るだ ろ う。 ス クールバ スの運行 な どで,各 キ ャ ンパ ス間 の学生,職 員 の往来 が便利 になれば,例 え ば専 門 的医療 に関 わ る相談 や健康 支援 は杉 谷 キ ャ ンパ スを中心 と

して行 い,ソらヽ理相談 は五 福 キ ャ ンパ スに集 中 さ せ るとい うよ うな弾力 的 な運用 も可能 にな るだ ろ う。

3)統 合後 の新 セ ンター設立 へ向 けて重 複施 設 間 での調整

第 1回 3大 学 保 健 管理 セ ンター連絡会 (2003.2.

4,16:00‑17:30、於 富 山大 学 )に お いて、 以下 の 点 につ いて の合意 が な され た。

1.3大 学 の統 合 に伴 い、 3つ の キ ャ ンパ スの保 健管 理 セ ンターを一 つの新 たな組織機構 と して 統 合 す る。 新 組織 の名称 は今 後 検討 す る (こ こ で は仮 に 「新 セ ンター」 とす る)。

2。 現在 の 3つ の保健管理 セ ンターの業務 を継続、

さ らに発展充実 させ るため、 3つ の キ ャ ンパ ス に は、 それぞれ新 セ ンターの分室 を置 く。

3。 新 セ ンター設 置 の 目的 の第一 は、 キ ャ ンパ ス にお け る学生 の総合健康支援 とす る。 同時 に、

この の実践 を下支 えす るための研究、教育、地 域 貢献 を一 体 的 に行 う組織 と して新 セ ンターを 位 置 づ け る。 これ に伴 い、 従 来 まで の厚 生 補 導 に限定 され た組織 と して の規定 は撤廃 す る。

4.新 セ ンターは、上 記 の 目的 を達 す るため に、

新 大学 の諸 組 織 (学部 、 研 究 科 、 附属 病 院、研 究所 、 セ ンターな ど)と の、 連 携 、 協 力、 相互 交流 を積極 的 に行 う。

5。 新 セ ンター は、現 時点 で は他 の組織機構 (例 と して は学生総合 支援 セ ンターな ど)と の、機 構 的 な一 体 化 は構 想 しな い。 しか し、 将 来 の選 択肢 と して の可能 性 は留 保 す る。

6.独 立行政法人化後 に法律上必要 とされ る、職 員 の健 康 管 理 ・産 業衛 生 管理 につ いて は、 当該 責 任 部 局 (人事部 )と 緊密 な連携 を図 り、 これ に貢献 す る。

上 記 の合意事項 は、平成 15年 2月 13日開催 の、

3大 学統 合 に関 す る第 2回 研究所 ・セ ンター ワー キ ンググル ープの第 2回 会合 お いて報告 され、承 認 され た。 今後、 さ らに新 セ ンターの機構、運 営 規 約 な どにつ いての調 整 が な され る予 定 で あ る。

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参照

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