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ツシマウラボシシジミ保全活動への意見交換

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Academic year: 2021

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ツシマウラボシシジミ保全活動への意見交換

~対馬高等学校ユネスコスクール部学生との交流 ワークショップ~

佐藤 安未加

1.はじめに

2019年度の対馬アクションリサーチ合宿の3日目に、対馬高等学校ユネスコスクール部 の学生と交流ワークショップを行った。ワークショップでは、3 班に分かれ、①ツシマウ ラボシシジミの保全活動を通して感じたこと・学んだこと、②自分たちにできること、③ みんなでやってみたいこと、の3つをテーマに意見交換を行った。本レポートでは、その 概要と結果、そしてワークショップを通した考察について述べる。

2.ワークショップの概要

2019918日の17時~18時に対馬市役所でワークショップが行われた。参加者は、

対馬高校ユネスコスクール部の生徒 7 名と立教大学社会学部阿部治ゼミの学生 7 名であ る。高校生と大学生が3班に分かれ、5~6人が一組となり「えんたくん」を用いて各班上 記①~③について話し合った。ワークショップの目的は、大学生と高校生が上記①~③の 3 つのテーマについて意見交換を行うこと、また、互いの意見の違いや共通点を認識し、

ツシマウラボシシジミ保全活動への考えを深めることである。

3.ワークショップでの意見

ワークショップでは次のような意見が出た。

①ツシマウラボシシジミ保全活動を通して感じたこと・学んだことというテーマでは、

高校生と大学生ともに、保全活動への人手不足と活動が重労働であるという理由から「活 動の持続性が課題である」というものである。肯定的な意見で共通していたのは、高校生 など若者が活動に参加することで「対馬市が活性化するのではないか」というものだった。

互いの意見の違いとして、高校生は主に、「ツシマウラボシシジミを守りたい」という保 全活動への意欲が増したことについて着目していたのに対し、大学生は主に保全活動の困 難さに着目していた。

②自分たちにできることというテーマでは、高校生と大学生ともに、「情報発信をする こと」という意見が挙がった。具体的には、「SNS を利用して保全活動の様子を島内外へ 伝えること」や、「活動を対馬高校の生徒や地域へ発信すること」であった。その他に、

高校生は、「対馬の自然を大切にする」、「ツシマウラボシシジミの餌を生産する」など の意見が出た。大学生は、「保全活動や対馬の自然環境に関心を向けること」、「活動へ 寄付を行うこと」という意見が出た。ここでは、島内に住む高校生と、島外に住む大学生

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という視点から、内側からのアプローチと外側からのアプローチというように意見の違い がみられた。

③みんなでやってみたいことというテーマでは、高校生と大学生ともに、「ボランティ ア活動に参加し、植林や食草の植え替えを行いたい」という意見が挙がった。意見の違い として、高校生は、「ツシマウラボシシジミや幼虫の観察を行っていきたい」という活動 そのものへの意欲を示す意見が多かったことに対し、大学生は、「保全活動の情報発信を 積極的に行いたい」という情報発信に関する意見が多かった。

4.結果

①~③の3つのテーマについて話し合った結果、保全活動を続けていく困難さと蝶が減 少していることへの危機感を感じつつも、だからこそ、自分たち若者が主体的に動いてい く必要があるという活動への参加意欲を再確認することができたと思う。しかし、ワーク ショップで保全活動への意見交換をした後に、学生間で“ワークショップ後の意識の変化”

について話し合いを行わなかったことは今後の課題としたい。

高校生と大学生が意見交換を行うことで、高校生は、保全活動に参加するだけでなく、

島外へ活動の情報発信をしていくことも重要であることを学び、大学生は、島内では保全 活動が知られていることを想像していたが、実際は、島内でも活動への関心の度合いに差 があることを学ぶなど、自分たち自身が気付いていない視点が多くあることを自覚するこ とができた。大切なことのうちの一つは、保全活動を自分たちの中で完結させるのではな く、いろいろな人と交流し情報発信・情報共有を行うことだと感じた。

5.考察

ワークショップで話し合いに参加したことによって、保全活動を持続可能なものにして いくためには、活動への参加方法を柔軟に考えると良いと感じた。なぜなら、対馬は離島 でアクセスが容易でないという特性があるからだ。だからこそ、直接的参加ではなく、間 接的参加という方法も重要になると思う。具体的には、東京でツシマウラボシシジミが好 む食草の種から苗を育て、それを対馬に送り、対馬で植え込みを行うことや、SNS を利用 し情報交換会を行うなどである。このように、対馬に直接訪れる以外の方法でも参加可能 とすれば、より広範囲で幅広い世代の関心を保全活動に向けることができ、結果として持 続可能な保全活動につながっていくと考えた。

(さとう・あみか 立教大学社会学部現代文化学科 3 阿部治ゼミ)

参照

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