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中国の高齢者福祉入所施設のあり方に関する研究

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中国の高齢者福祉入所施設のあり方に関する研究

著者 徐 ?

雑誌名 評論・社会科学

号 91

ページ 107‑126

発行年 2010‑03‑15

権利 同志社大学社会学会

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012235

(2)

〔論 文〕

中国の高齢者福祉入所施設 のあり方に関する研究

徐 ! (シウ ロン)

同志社大学大学院社会学研究科・博士後期課程

1.は じ め に

1980年代末ごろから始まった人口構造の変化に伴い,中国の高齢化はいっ そう加速している。社会体制・経済体制の転換につれて,世帯構造が大きく変 化し,高齢者世帯や後期高齢者が急増してきた。これにより高齢者の扶養・介 護の必要性が高まり,喫緊の課題となっている。そのため,中国政府は社会保 障改革の中で,国家の責任から国家・企業・個人への責任の転換によって,国 家負担の軽減を図り,国民の社会保障への関心の高まり,及び一部民間企業の 社会福祉業界への参入などの経験から,「社会福祉の社会化(1)」を提唱してき た。

2000年4月に,広州で「全国社会福祉の社会化に関する工作会議」(以下会 議)が開催され,全国での「社会福祉の社会化」の新たなピークを迎えた。

「会議」では2005年までに,公設公営社会福祉施設を手本に,公・民の多様な 形態の施設を中核にすえ,地域福祉サービスを補助として,家族扶養を基盤に する社会福祉サービスネットワークの設立という目標が明確にされた。同時 に,投資主体の多元化,サービス対象者の普遍化,運営体制の市場化,サービ ス内容の多様化,サービス提供者の専門化とボランティアの補充等の要求が出 された。高齢者福祉分野において,「家庭を基盤に,コミュニティをよりどこ

────────────

2009年10月15日受付,査読審査を経て2010年1月20日掲載決定

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ろに,施設を補完に」した高齢者福祉サービス体系の設立も提唱された(中国 網ホームページ,2003)。高齢者福祉施設についても,政府が高齢者福祉施設 の社会化に関する政策を打ち出した。そのため,高齢者福祉施設が年々増えて きた。「2008年中国民政事業発展統計報告」によると,2008年末まで,全国の 高齢者福祉入所施設が合計3万5632ヶ所,ベッド数が234.5万床,2001年の

124.7万床から88.1% 増えた。2004年以降毎年10% 以上の成長率で増加して

いる。

高齢者福祉施設の増加は,高齢化問題が政府の正式な議事に上り,また地域 における高齢者福祉サービスの展開につれて,社会全体の高齢者及び高齢化問 題に対する関心を喚起した,という極めて重要な社会的な意義をもたらした。

2008年末現在,65歳以上の高齢者は総人口の8.3% を占め,1億人以上である

(2008年国民経済和社会発展統計公報)。もし,3〜5% の高齢者が施設に入所 希望とすれば,300〜500万床のベッドが必要であろう,しかし,現状として 高齢者福祉施設のベッド数が明らかに不足しているが,施設の入所率が低いと いうことも事実である(楊,2002;桂,2008)。「高齢者福祉施設の需給のアン バランスと同時に,利用率が低い」という問題は一体どのような背景の下で発 生し,どのような要因があるのか,そしてどのような方法で解決できるのであ ろうか。本稿は以上の問題意識をふまえ,高齢者福祉入所施設を対象に,まず 先行研究を通して,今までの高齢者福祉施設に対する研究の課題を指摘し,そ して高齢者福祉入所施設の現状と問題点を考察する。その上で,今後科学的・

計画的に施設を設立するために,高齢者が施設に入所するキーとなる要因を抽 出する。さらに,キーとなる要因を用いた要因モデルを考案し,高齢者福祉入 所施設のあり方を検討する。

2.先 行 研 究

中国が高齢化社会へ突入してわずか10年間であるが,人口高齢化の問題は 研究者及び政府の関連部門の注目を集めている。高齢化が進むにつれ,家庭に

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おける高齢者の扶養機能が弱体化し,高齢者の在宅サービスと施設サービスに 対するニーズが高まってきた。そのため,現在の高齢者福祉施設が高齢者のニ ーズに対応できるかという課題は研究者の注目となっている。また,近年の人 口高齢化の急速な発展により,高齢者ケアの問題は緊迫してきたため,中国の 研究者による高齢者のケアサービスに関する研究も増えている。しかし,高齢 者ケアサービスの提供場所としての高齢者福祉入所施設の分類に関する研究は 少ない,とりわけ,施設の代替機能についての今後のあり方に関する専門的な 研究は白紙状態に留まっている。

現在,高齢者福祉施設に関する研究テーマは主に2つある。1つは高齢者が 施設に入所する影響要因の分析に関する研究である。影響要因というのは高齢 者の施設への入所希望を促す要因である。ここで論じられている要因について は主に3種類に分けられる。1つ目は高齢者の年齢と自立能力である。つまり 加齢に伴って自立能力が低下し,支援・介護の必要度が高まり,高齢者の入所 希望を促す(唐,1996;彭・秦,2002;龍・風,2007)。2つ目の要因は高齢 者が利用可能な家族の扶養能力である。世帯規模の縮小によって,家庭の高齢 者扶養機能は次第に弱体化してきた。また子どもの数が減ることによって,全 体的に高齢者が利用できる世帯内の人的資源は減少し,多くの高齢者にとって 施設サービスあるいは,在宅サービスの利用を促した。(王・秦,2003;唐,

1996;尹,2008;鄭・黒田,2008)。上記の2つの要因によって,社会により 多くのサービスの提供が求められ,施設の設立も要請された。3つ目に,個人 の経済能力は施設への入所ニーズを有効な消費ニーズへ転換させる主要な要因 である。社会保障制度が比較的に整備された福祉先進諸国と比べ,中国高齢者 の所得保障による収入は極めて限られている。これは高齢者がサービスを購入 する際に,経済力の不足でニーズを満たすことを諦めることにつながる。もち ろん,経済力の異なる高齢者によって福祉施設及びサービスに対する要求も異 なる。つまり高齢者及びその家族の費用負担能力も高齢者が施設に入所するか どうかを左右している(彭・秦,2002;孫・葛,2004;龍・風,2007;鄭・黒 田,2008)。その他に,高齢者の学歴や職業,性別や結婚状況,病歴や利用す

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る社会保障制度などを影響要因として研究する研究者もいる。実際これらの要 因はいずれも以上の3要因と関連するが,地域間の格差が大きいため,統一し た影響要因を導くことはできなかった。高齢者福祉施設に関するもう1つ主な 研究テーマは高齢者福祉施設の需要と供給についてのアンバランスに関する研 究である(唐・王,1999;孫・彭2001)。

これらの先行研究の検討を通して,高齢者福祉施設におけるサービスの需要 と供給とのアンバランスの差が大きいことが分かった。また,研究の視点が違 っても,研究結果は高齢者福祉施設のニーズに対して多くの要因が複合的影響 していることが明らかになった。この要因には高齢者の年齢,自立度,子ども の数,経済能力,性別,婚姻状況,職業,社会的関係及び心理状況などが含ま れる。つまり,高齢者の家族構成員の特徴によって,高齢者福祉施設入所へ異 なる影響をもたらす。一方で,先行研究から以下の4点の課題もみられた。

①高齢者福祉施設の需給に関する研究はほとんど特定の地域に限られてい る,しかも医学的な視点からの検討が多い。これは地域格差の大きさを配慮し た結果であろう。

②先行研究を通して分かったことは,高齢者が福祉施設に入所する影響要因 は様々であるが,どの要因の影響力が大きいか,どの要因が最も大きい要因で あるか,究明されていないし,各地での研究結果もそれぞれである。

③高齢者福祉施設の設立に関する研究は動態的な調査が行われていない。多 くの研究は現在の高齢者のニーズと施設の供給の差にしか注目していない,高 齢者世代の動態的な傾向を無視している。

④高齢者福祉施設の設立や計画がされる際,高齢者からの影響要因は注目さ れているが,この要因あるいはニーズが,施設の機能と関連して研究されるこ とはなかった。つまり,施設が設立される際に,高齢者のニーズの多様性が無 視されている。

従って,現在中国の多くの地域では,高齢者人口の発展傾向を十分把握して いない。高齢者施設の設計と設立は,高齢者のニーズや現状及び意識に対する 調査はないまま,高齢者を同質的な対象として,中央政府や上級政府の指示に

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従って行われている。そのため,高齢者福祉施設の需要が満たされていないと 同時に,施設の利用率も低いという矛盾が現れているのだと考察される。

3.高齢者福祉入所施設の現状と問題点

(1)高齢者福祉施設の定義と分類

中国国内では,高齢者福祉施設の定義や分類に関する専門的な研究は少な い。研究者や政府の関連部門の官僚の間では,施設に関して,特別に定義する 必要はないと認識されていることが多い。例えば,2001年3月に中国民政部 が高齢者福祉施設の専門的な管理を強化するため,公布した「老人福祉施設設 置基準」のなかにも,高齢者福祉施設とは何かという専門用語の検討はなかっ た。政府の法律・政策において,唯一社会福祉施設に関する論述は「社会福祉 施設管理暫定方法」の第2条である。そこに,「社会福祉施設とは,国家,社 会組織,個人が設立した,高齢者や障害者及び孤児のために養護,リハビリ,

管理代行などのサービスを提供する施設を指す」と記している。

そのため,多くの研究者は,高齢者福祉施設は高齢者養護施設と捉えてい る。ある研究者は,60歳以上の高齢者の養老と介護を提供するための,施 設,場所及び設備であると定義している(姜,2001:査,2007)。また,他の 研究者は,高齢者福祉施設は高齢者の生理的,心理的な特徴に基づいて設計し た,高齢者のためにサービスを提供する施設であると認識している。そのた め,高齢者福祉施設は高齢者の様々な物質的,医療及び社会サービスのニーズ を満足させるために,設立した一連の設備であると定義している(孫ほか,

2001)。

現在,中国に存在する高齢者福祉施設は「老人福祉施設設置基準」によって 定められた施設の種類がある(表1)。しかし,全国各地で要介助高齢者(2)を対 象とする護老院(日本の老人養護施設に当たる)と,要介護高齢者(3)を対象と する護養院(日本の特別養護老人ホームに当たる)は実質単独では存在してい ない。その該当する対象者やサービスは高齢者社会福祉施設や養老院(老人

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院)や敬老院(Homes for the Elderly in the Rural Areas)等の中に混在してい る。以上のような種類の高齢者福祉施設に関する分類は以下の2つの基準があ る。1つは高齢者が福祉サービスを利用する場所によって,①地域における高 齢者公共施設(高齢者活動センター,托老所やリハビリ室など),②養老施設

(養老院(敬老院),高齢者社会福利院,高齢者アパート,高齢者護理院など)

がある(孫,彭,2001)。2つ目の基準は,施設の機能によって,大まかに① 物質生活福祉施設,②医療保健施設及び③文化サービス施設など3種類に分け られる。その典型的な施設としてそれぞれ以下のとおりである。物質に関する 生活福祉施設としての福利院や養老院において,生活保障がない高齢者を若干 名収容し,その上で,一般高齢者の収容まで利用者範囲を拡大している。主に 日常生活のケアや医療保障及び精神的援助などのサービスを提供する。医療保 健施設に関しては,主に政府の出資によって設立した高齢者のリハビリ・療養

1 中国高齢者福祉サービスの分類

施設種類 対象者 サービス

高齢者社会福利院(Social Welfare Institution for the Aged)

「 三 無 老 人(4)」, 自 立 高 齢 者(5),介助高齢者,介護高齢 者

日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 養老院(老人院)(Homes

for the Aged)

自立高齢者,介助高齢者,介 護高齢者

日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 高齢者アパート(Hostels

for the Elderly)

自立高齢者 食事,清潔衛生,レクリェー ション,医療保健など 護 老 院 (Homes for the

Device-aided Elderly)

介助高齢者 日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 護養院(Nursing Homes) 介護高齢者 日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 敬老院(Homes for the Eld-

erly in the Rural Areas)

農村部の「三無老人」,「五 保(6)老人」,その他の高齢者

日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 托 老 所 (Nursery for the

Elderly)

都市部の社区における全ての 高齢者

日常生活,レクリェーシ ョ ン,リハビリ,医療保健など 高齢者サービスセンター

(Center of Service for the Elderly)

都市部の社区における全ての 高齢者

レクリェーション,リハ ビ リ,医療保健,訪問サービス など

出所:民政部,2001より筆者作成。

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高齢者福祉施設体系 

福祉型 福祉型 

公営 民営

福祉型  産業型  非営利団体

運営  

営利 運営 行政(市・区・県・

郷・鎮)運営  非営利公益

医療団体運営 

医療型 

施設がある。また,経済条件が比較的に良い,且つ高齢者が多い地域において は,コミュニティあるいは企業が設立した高齢者のみ利用する文化・教育・娯 楽・体育活動を行う,高齢者活動ステーション(センター)がある(姜,

2005)。

また,民政部が提唱した「社会福祉の社会化」により,1990年代半ばから 高齢者福祉サービスへの民間参入が認められ,それにともなって,速いスピー ドで発展してきた高齢者福祉施設の設立においては,民間資金が大きな比率を 占めている。そのため,運営主体からみると,高齢者福祉施設は図1に示した ように,大きく公営施設と民営施設と2種類に分けられる。そして,公営施設 においてはまた,非営利公益医療団体が運営する医療系の医療型施設(現在,

中国では老人病院,高齢者介護院がある)と地方政府が運営する福祉系の福祉 型施設に分けられている。民営施設においては非営利団体が運営する福祉型施 設と,営利団体が運営する産業型の施設がある。また,政府が設立し,民間非 営利団体が運営する,いわゆる「公設民営」の福祉型の施設も存在する(買,

2008:沈,2007)。施設が属する行政のレベルから見ると,表1で示した高齢

者社会福祉施設は省・市・区レベルがあり,敬老院は街道・郷・鎮レベルがあ る。以上の2種類の施設は公営施設である。養老院や高齢者アパートは民営の

1 運営主体からみる高齢者福祉施設体系 注:政府が設立,民間非営利団体が運営という新しい方式。

出所:筆者作成。

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ものが多い。

以上の定義からも分かるように,現在の施設では依然として,福祉施設の社 会化の進展に伴って,施設への入所対象は三無老人や五保戸だけではなく,一 般高齢者まで拡大してきたにもかかわらず,入所高齢者を救貧的・救済型の対 象者として扱っている。つまり,それぞれの高齢者のニーズを無視し,高齢者 世代が画一的視されている。そのため,分類されているはずの施設におけるサ ービスは全く同じである。

筆者は高齢者福祉施設は,家庭の養老機能が低下あるいは対応できない時,

代替あるいは補助の役割を担う目的で設立すべきだと考える。そのため,以上 の2種類の分類基準を統合して,高齢者が自宅で暮らしていけるように自分の ニーズに合わせて,利用できる施設の設立が大切であると思われる。したがっ て,まず高齢者の自己決定で「生活の場」として,高齢者福祉施設を①養老院 や敬老院などのような入所施設と,②リハビリセンターやデイーサービスセン ター(日托)などのような通所施設に分けるべきと考えている。しかし,家庭 であれ,施設であれ,生活の場としては生活者のニーズを満すことは最大の目 的であるため,高齢者のニーズに対応できるような高齢者福祉施設が求められ るはずである。そのため,通所施設はもちろんであるが,高齢者の多様なニー ズに応じて,それぞれの機能を細分化した上での高齢者福祉入所施設を設立す ることがこれからの高齢者福祉サービスの提供においては求められるであろ う。

(2)高齢者福祉入所施設の現状と問題点

2008年末現在,中国の高齢者福祉入所施設は合計3万5632か所,ベッド数

が234.5万床,65歳以上の高齢者総人口1億956万人(2008年末)の2.14%

に達したが,3% の高齢者が施設に入所を希望するとすれば,94.183万床が足 りなくなる。しかし,2008年の入所者数は189.6万人であり,ベッドの利用率

がわずか80.85% しかない(表2)。このデータから,中国の高齢者入所施設は

すでに飽和状態になったことを説明できるであろうか。欧米及び日本など福祉

―114 ―

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先進国の経験から見れば,5〜7% の高齢者が施設に入所しているが,中国の 高齢者福祉サービス事業の発展状況や社会経済の発展水準及び,中国人の伝統 的な考え方などの影響で,現在の中国高齢者福祉入所施設ではこの入居率に達 していないと考えられる。しかし,計画的に施設を建てるために,最低限の入 居率は把握しなければならない。高齢者は加齢に伴って,健康状況が悪化し,

自立能力が低下することは研究者の共通の認識となっている。そこで,本稿で は以下の「年齢モデル」(陳,2004)というモデルを用いて,その需要数を予 測する。

「年齢モデル」

ベッドの需要数=60〜69歳人数×0.8%+70〜79歳人数×2%

+80歳以上人数×8%

表3は筆者が2008年の中国統計年鑑のデータより算出した結果である。こ の予測から分かるように,予測上の誤差を除いても,上記のモデルで予測した 高齢者福祉入所施設のベッド数には需要数に対してまだ不十分である。しか

3 2007年60歳以上高齢者人口と予測ベッド数

単位:人,万床

2007年 60〜69歳 70〜79歳 80歳以上 合計

人数 1億94万 6025万 1905万 1億8024万 予測ベッド数 80.752 100.5 152.4 333.652 出所:2008年中国統計年鑑より筆者算出。

2 高齢者福祉入所施設の利用状況

(単位:万床,万人,%)

年 2005 2006 2007 2008

ベッド数 131.4 153.5 212.8 234.5

入所者数 99.1 120.3 171.9 189.6

入所率 75.42 78.37 80.78 80.85

出所:各年の中国民政事業発展統計報告より筆者算出。

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し,なぜ入所需要を満たしていないのに,施設が十分利用されない(表2)と いう矛盾が現れるか。これは施設の設立に関する科学的な計画が欠けているか らではないかと思われ,以下の3つの要因が考えられる。

①認識の不足

現在,政府が高齢者福祉施設の設立計画の重要性に対する認識不足は高齢者 福祉施設の発展を阻害している。これは上述した高齢者福祉施設の需給のアン バランスによって証明できる。

その認識不足の理由は数多く存在している。その中でも各部門の利益分配は 最も重要な要因であろう。多くの地域において高齢者福祉事業は資金を待つ状 態にある。政府の限られた財政補助は各地方政府部門が高齢者福祉事業を展開 する要因となり,金があれば行動するが,なければ動かない(姜,2005),そ のため,高齢者福祉事業が進まない。また,施設サービスでは投資が大きく利 益回収が遅いため,現在中国全土において高齢者福祉に関しては,在宅福祉サ ービスが注目されている。

②必要な計画の不在

従来,中国の高齢者福祉施設の設立は基本的には中央政府の統一した指示で 行われる。地方での施設の設立は,一般的には何の計画もなく,主観的かつ随 意的に行われる。例えば,民政部が2000年に公布した「地域での社会福祉施 設設置計画を展開するに関する通知」にも,社会福祉の社会化を展開する過程 において,必要な計画が欠けていることを指摘している。しかし,高齢者福祉 施設の数量や人員配置やサービスの提供などに関する明確な規定はいまだにな いまま,福祉サービスの供給体系の混乱に拍車をかけ,高齢者の福祉利益は保 障されないままになっている。

③方法論の不在

現在,中国の各地において施設の設立に関する計画の目的はそれぞれで,提 供するサービスも様々であり,明確な理論指導もなければ,科学的な方法もな い。例えば,高齢者福祉施設の設立に関する計画において,施設の需要量やそ の計算方法,そしてその理論的な依拠等の課題について,各地の政府の間に統

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一した認識はないままである。

以上のことが要因となり,各地では中央政府に従って,高齢者世代の多様性 や地域性を無視し,高齢者のニーズの多様性を画一的にとらえて,高齢者福祉 施設を一律に企画し,設立している。そのため,2006年の中国高齢者の状況 に関する追跡調査によると,高齢者の入所希望がわずか15.99% しかいないと いうような状況になっている(郭・陳,2009)。また,現在中国の高齢者福祉 施設の分布が均一ではないので,郊外の施設の利用率は都市部のそれより低く なっている(桂,2008)。

また,上海市民政局他(2006)の調査によると,上海市高齢者の中で高所得 高齢者(1.7%)と所得がない高齢者の割合は低く,高齢者の77.1% は低額所 得者であることが分かった。しかし,このような状況にもかかわらず,上海市 の高齢者福祉施設(特に国営高齢者福祉施設)では,健康状態が良い高齢者 と,経済的に豊かな高齢者しか入居できない現象がみられる。また,高齢者の 資格と経歴が入所条件の基準となる施設もある。そのため,体が不自由で要介 護状況にある高齢者や,生活が厳しく要援助状況にある高齢者が養老施設に入 居できない状況が現実に存在している。

その上に,市場競争原理に基づいて,運営主体別の養老施設間の公・民格差 による競争が起こっている。つまり,公営施設は財源については困らないた め,利用料金が最低限まで抑えられる。しかし,民営施設は政府からの一次的 なわずかな補助以外に,全て経営者がその財源を確保しているため,利用料金 は公営施設のように抑えられない。この結果,公営施設においては待機率が高 い一方,民営施設では空ベッドが多くなるという資源利用の偏りが現れてい る。また政府から公営と民営施設への不平等な財源補助もその競争に拍車をか けている。

以上が施設の設立に関する科学的な計画が欠けていることによってもたらさ れた,「施設の需要を満たしていないのに,利用率が低い」という矛盾である。

中国の高齢者入所施設の現状として,上述したように医療系の老人病院や高 齢者介護院と,福祉系の高齢者社会福祉施設や敬老院などがある。現在,医療

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系の高齢者入所施設はほとんど要介護度が高い高齢者を収容している。福祉系 の施設では公営施設は三無老人や五保戸など要救済対象に,民営施設では一般 高齢者を主な対象者として入所させている。しかし,表1の基準には定められ ているが,現状としては中国の高齢者福祉入所施設はいまだに日本のような機 能別に設立されていない。したがって,同一施設の中で,高齢者の身体状況に よって,養護部と介護部を設置し,要介助・要介護別に利用サービスをそれぞ れ提供している。養護部ではこれまでの生活保護の機能を引き継ぎ,生活保護 を受けた貧困高齢者を無料で受け入れている。養護部の運営資金は地方政府の 助成金で賄われている。一方,介護部では,入所条件を問わず,入所希望があ れば受け入れている。しかし,介護部は運営資金に政府の助成金を使うことで きず,施設の建物や設備の利用のみ認められている。介護部の入所者の利用費 用は実費扱いとなる。この同一施設内に無料サービスと有料サービスの二重体 制は新たな差別であると様々な批判を浴びせられている(沈,2007)。

多くの高齢者福祉入所施設に関する研究の中で,問題点として最も取り上げ たのは,サービスの供給が需要に追いついていないことである(唐ほか,

1999:孫ほか,2001:彭ほか,2006:査,2007)。しかし,筆者はそうでもな いと考えている。なぜかというと,Waley Pressの「Push-Pull」理論による と,高齢者の入所希望を影響する要因は多く考えられる。例えば,中国国内に 施設サービスと在宅サービスとの相互補完の体系の中で,現状として,在宅サ ービスの不足も施設サービスの供給不足の一因であると考えられる。すなわ ち,理論的にいえば,施設の「引力」が十分ある時,すべての高齢者が入所を 選ぶであろう(彭ほか,2006)。政策の決定者にとって,高齢者福祉施設の設 立は大量の投入が必要のため,資源の充分な利用という目的で,高齢者のニー ズに合った施設の設立が最も重要であろう。しかし,筆者はこの問題点より も,「高齢者福祉施設のサービスの供給が需要に追いついていないにもかかわ らず,利用率が低い」という問題点の方が深刻であると考えている。なぜな ら,この問題を解決しなければ,極めて重要な福祉資源が無駄にされるからで ある。したがって,これこそは現在中国の高齢者福祉入所施設における最も根

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本的な問題点である。

そのため,この問題点を解決するために,高齢者のニーズに応じて入所者を 細分化し,企画的に機能別に施設の等級を設定していくことが必要であると考 えている。なぜなら,機能別に施設の等級を設定すれば,同一施設内の二重体 制は避けられ,要介助,要介護または自立できる高齢者のそれぞれのニーズが 満足させられるし,衝突もないし,施設側も入所者選びをやめるからである。

また,運営主体を問わずに,機能別に施設の等級を設定すれば,運営主体別の 同タイプの高齢者福祉施設の市場競争は,同様な性質・類型・規模などによる 養老施設間での平等な相互競争になる。これによって同等級の高齢者福祉施設 の格差がなくなるため,各高齢者福祉施設はサービス項目で他の施設との差別 化を図っていく。同じように,地域間の同等級の高齢者福祉施設の平等な競争 も予測できる。しかし,これはどの要因でどういう基準で機能別に施設の等級 を設定すればよいのか。次節でこれについて検討したい。

4.中国の高齢者福祉入所施設のあり方

(1)入所の影響要因に関する分析

高齢者が施設への入所に影響する要因は様々である。主に高齢者の年齢,性 別,学歴,収入,職業,婚姻状況,家庭内の人的資源,健康状況,自立能力

(度)などがある。一方,施設の設立の面においても,これらの要因の影響が 考えられる。しかも1つの要因だけではなく,場合によっては複数の要因によ ることも考えられる。本稿では上記の高齢者自身のそれぞれの特徴の分類によ って,要因モデルとして「総合的な方法論」で施設への影響要因を分析してみ たい。

本稿では高齢者の入所を前提とするため,高齢者の性別,婚姻状況及び家庭 内の人的資源等3要因を除く。その他年齢,学歴,収入,職業,健康状況及び 自立能力(度)について,2つのグループに分けられる。すなわち,年齢・健 康状況・自立能力というグループ①と,学歴・収入・職業というグループ②で

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ある。グループ①は,3要因とも高齢者の健康と関わる。なぜかというと,前 述もしたように例外もあるが,高齢者の年齢と健康状況及び自立能力(度)と 負の相関関係がある。つまり,加齢に伴って,多種の病気にかかりやすくな り,健康状況が悪化し,自立能力が低下する。そのため,グループ①のキーワ ード要因は「自立能力」とする。それと対応に自立能力の高さから順に,「自 立」,「介助」,「介護」と3等級にする。

一方,グループ②について,それぞれ高齢者の経済状況に関連する要因であ ることが分かる。そのため,グループ②が意味するのは「経済状況」である。

もちろん,年齢要因と同様に経済状況を高齢者の経済負担能力に基づいて等級 に分ける必要がある。本稿ではモデルとして経済負担能力を低,中,高という 3種類に分ける。そして本稿では施設入所へのキーとなる要因として,自立能 力と経済負担能力を扱う。

(2)要因モデルによる今後のあり方

彭氏が提言した高齢者の経済状況による等級別の「救済型,福祉型,市場 型」施設の設立(彭,2006)というモデルもあるが,今後中国高齢者の急増,

とりわけ後期要介護高齢者の増加,及び現在中国における人口高齢化と経済発 展のアンバランスによって,このような単一要因モデルによる設計された施設 は不十分であり,高齢者のニーズに対応できない。そのため,多要因による混 合型のモデルによる設計が重要である。

本稿で考案した「自立能力−経済負担能力」要因モデルは図2で示したよう に以下の9種類の高齢者に分けられる。

Ⅰ 経済負担能力低・自立能力低 Ⅱ 経済負担能力低・自立能力中

Ⅲ 経済負担能力低・自立能力高 Ⅳ 経済負担能力中・自立能力低

Ⅴ 経済負担能力中・自立能力中 Ⅵ 経済負担能力中・自立能力高

Ⅶ 経済負担能力高・自立能力低 Ⅷ 経済負担能力高・自立能力中

Ⅸ 経済負担能力高・自立能力高

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以上の「自立能力−経済負担能 力」要因モデルによって,本稿で は表4で示したような機能別等級 施設を考案した。まず,高齢者の 自立度により,高齢者福祉施設サ ービス機能を①自立,②要支援,

③要介護,④重度要看護等4種類

に分ける。それぞれ対応したサービスを提供する。施設はサービス機能別に運 営することも,各サービス機能を統合して運営していくことも可能である。統 合運営の場合には,今後要介護高齢者の急増という状況から考えれば,各サー ビス機能別ベッド数の割合を複合型・介護型65%・介助型30%・自立型5% とする。また,評価基準に基づいて,高齢者福祉入所施設を救済型,福祉型,

市場・療養型へと3等級に分ける。公営や地域公共サービスの高齢者施設を経 済負担能力が低い高齢者用(一般利用者の可能)に設定し,また,経済負担能 力が高い高齢者を対象とした少量の中・高級営利高齢者施設の設置を奨励しな ければならない。

しかし,このように高齢者が「救済型」の施設に入所するか,「市場・療養 型」の施設に入所するかの分類はまた差別につながる可能性があるので,筆者 は自立可能な高齢者のために,地域に点在する高齢者住宅または高齢者専用賃 貸住宅を建設することを提言する。これは現在中国政府が提唱しているコミュ ニティ・ケアの発想と一致し,また,地域の社会資源も利用できる。そして,

経 済 負 担 能 力

高 Ⅶ Ⅷ Ⅸ

中 Ⅳ Ⅴ Ⅵ

低 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

低 中 高

自立能力

2 「自立能力−経済負担能力」要因モデル 出所:筆者作成。

4 機能別等級施設

複合型 重度要看護・要救済高齢者 重度要看護・中所得高齢者 重度要看護・高所得高齢者 介護型 要介護・要救済高齢者 要介護・中所得高齢者 要介護・高所得高齢者 援助型 要支援・要救済高齢者 要支援・中所得高齢者 要支援・高所得高齢者 自立型 自立可能・要救済高齢者 自立可能・中所得高齢者 自立可能・高所得高齢者

救済型 福祉型 市場・療養型

出所:筆者作成。

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(17)

要介助・要介護の高齢者については,福祉先進諸国の高齢者福祉施設の分類を 参考に,①基本的日常生活をサポートする施設(介助院),②介護サービスを 提供する施設(介護院),③終末期高齢者に対する施設(ホスピス),④高齢者 の多様なニーズに応える高齢者アパートなどの高齢者福祉施設構成を目指す。

その構成体制は表5に示したようである。介助院・介護院・ホスピスは非営利 の社会福祉施設として位置づけられ,高齢者の基本的な養老ニーズに応えるた めに存在する施設である。高齢者アパートは営利目的で運営され,産業として 位置付けられ,高齢者の特別なニーズを満足させるための施設である。現状で は,政府は前者3種類の施設に対しては,資金援助を含めた積極的な政策支援 を推進しなければならない,一方,後者に対しては,政策・法規による指導が 必要である。そして,今後コミュニティ・ケアの発展を視野に入れて,地域で の要介助・要介護などのケア付き住宅やグループホーム及び,小規模・多機能 施設の建設も必要であろう。もちろん,経済負担能力が低い高齢者のために,

サービスの購入も援助しなければいけない。

5.お わ り に

本稿は中国の高齢者福祉入所施設の現状を考察し,施設サービスの需給のア ンバランスと同時に,利用率が低いという矛盾に焦点を当て,その根本的な要 因を考察した。そして,各地では中央政府に従って,高齢者世代の内部構造や 地域性を無視し,高齢者を同質視し,高齢者福祉施設の設立に対して一律に企

5 高齢者福祉施設の構成体制

施設類型 運営方式 基本サービス内容 政府支援 介助院 非営利 介助サービス 資金援助を含めた優遇政策 介護院 非営利 介護サービス 資金援助を含めた優遇政策 ホスピス 非営利 終末期医療・介護 資金援助を含めた優遇政策 高齢者アパート 営利 各種多様なサービス 政策・法規による指導 出所:筆者作成。

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画しているという点を明らかにした。そして,この問題点を解決するために,

「自立能力−経済負担能力」要因モデルを考案し,今後中国高齢者福祉入所施 設のあり方として,機能別等級施設の設立を提案した。しかし,高齢者の格差 を考慮し,「救済型」,「福祉型」,「市場・療養型」を設置することは適切では ないと考えられる。また,今後中国でのコミュニティ・ケアの発展を考慮した 上,自立可能な高齢者のためには地域に点在する高齢者住宅あるいは高齢者専 用賃貸住宅の建設を提案し,要介助や要介護の高齢者のためには,高齢者の健 康と経済の状況によって,非営利の社会福祉施設としての介助院・介護院・ホ スピス及び営利型の高齢者アパートの設置を提言した。もちろん,将来コミュ ニティ・ケアの発展に従って,地域での要介助・要介護などのケア付き住宅や グループホーム及び,小規模・多機能施設の建設も必要であろう。

しかし,このモデルにおける高齢者の自立能力と経済負担能力を判断する基 準を定めることは重要な課題である。なぜなら,現在中国において高齢者の自 立能力を評価する統一した基準はまだ定めておらず,経済状況については高齢 者の間だけではなく,全国各地に格差が存在しているからである。また,本稿 の提言はあくまでも,現行施策が直面している①要介助・介護高齢者の急増,

②財政の不十分,③老人病院に社会的入院の高齢者の増加,④在宅福祉サービ ス施策の量的不足,⑤家庭における介護機能の低下,⑥高齢者の所得保障が低 いこと及び格差などの問題点に対する,試論的な考案である。なぜなら,各サ ービスの統合的運営自体は問題がないが,経済状況が異なる高齢者に対する違 う補助基準が社会福祉制度に不平等をもたらす。

中国の介護制度の現状は,一般高齢者向けの施策は存在していない。政府の 老人病院や医療系の高齢者介護院の設立の提唱から,介護という分野が医療か ら分離し,独立させる必要に対する認知がないことが分かる。いまだに,治療 以外の病人の世話については,看護師や介助員や保母や家族が分担して行うこ とが多い。退院後のケアは専ら家族に委ねられている。日本の経験から分かる ように,高齢者の増加に介護制度の立ち遅れは今後より一層厳しい状況に陥 る。それゆえに,介護保障制度の設立は急務となるであろう。もちろん,この

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中で政府の役割は最も重要である。「社会福祉の社会化」という指導思想によ って,政府の役割の退化が正当化されてはならない。

⑴ この社会化は中国語であり,官主導だった福祉を社会全体で担っていくことを要 請し,「官から民へ」の移行に近い意味で使われている。即ち社会福祉への民間 参入を求めている。市場化にも近い意味をもつが同義ではない。

⑵ 「老人福祉施設設置基準」の定義によると,要介助高齢者とは日常生活におい て,手すりや,杖,車いす,リフト等の補助道具に頼っている者である。

⑶ 「老人福祉施設設置基準」の定義によると,要介護高齢者とは日常生活を他人か らの介護に頼っている者である。

⑷ 60歳以上の①法定の扶養義務者がいない者,あるいはその扶養義務者がいるが扶 養能力がない者,②労働能力がない者,③生活に必要な所得がない者を指す,社 会孤老とも言う。

⑸ 老人福祉施設設置基準」の定義によると,自立高齢者とは日常生活を他人に頼ら ず,完全に自分ですることができる者である。

⑹ 三無老人の衣(服)・食(事)・住(宅)・医(療)及び葬(式)の5つの保障を 指す。

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The Research on Ideal Way of Long-term Care Social Welfare Institution for the Aged in China

Xu Rong

Concerning the main research, by looking at previous researches, I want to pay attention to the factors of influence on the elderly which make use of institutions, but it became clear that researches about the connection between the elderly’s needs and the functions of institutions are rare. I understood by using the verification to- wards the Chinese present condition and problems that at the time of the construc- tion of the present institutions they were aiming at uniforming the condition of the elderly.

Therefore a gap appeared between the elderly’s needs and the supply and de- mand of the institutions. Therefore, to solve this problem, I want to extract in my main research the main factors out of the many factors that make elderly enter an in- stitution and think of an「Condition-Economy」elemental model, by identifying the future state of Chinese welfare institutions.

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参照

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