• 検索結果がありません。

はじめに 今日の石油産業 は 消費者の皆様をはじめ広く関係各位に向けて 石油産業の現状や業界の取り組みについて最新の情報をお知らせするために毎年作成しているものです 昨年より編集方針を改め 掲載資料については直近年度末までの実績 情勢を反映させるべく 9 月に刊行することとしました この1 年におい

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "はじめに 今日の石油産業 は 消費者の皆様をはじめ広く関係各位に向けて 石油産業の現状や業界の取り組みについて最新の情報をお知らせするために毎年作成しているものです 昨年より編集方針を改め 掲載資料については直近年度末までの実績 情勢を反映させるべく 9 月に刊行することとしました この1 年におい"

Copied!
48
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

今日の石油産業

2018

(2)

『今日の石油産業』は、消費者の皆様をはじめ広く関係各位に向けて、石油産業の現状や

業界の取り組みについて最新の情報をお知らせするために毎年作成しているものです。

昨年より編集方針を改め、掲載資料については直近年度末までの実績・情勢を反映させる

べく、9月に刊行することとしました。

この1年においては、エネルギー供給構造高度化法に基づく3次告示や非化石エネルギー

源利用の判断基準が示され、第5次エネルギー基本計画が策定されるなど、石油を取り巻く

政策が進展しました。

本誌ではその様な動向について読みやすさを考慮し、簡潔に説明するよう適宜改訂して

います。本文中に掲載しきれなかった図表等は、巻末にデータ集としてまとめましたので

あわせてご参照ください。

本誌が石油および石油産業に対する正しい理解の一助となれば幸いです。

2018年9月

は じ め に

(3)

C O N T E N T S

第 1 章

第 2 章

第 3 章

第 4 章

第 5 章

国際石油情勢 ………

国内石油需給動向および流通販売 ……

石油産業に係わるエネルギー政策 ……

石油業界の環境安全対策 ………

石油業界の緊急時・大規模災害対策 …

3

6

7

13

14

21

22

27

28

33

34

44

45

46

巻末データ集 ………

石油関連日誌 ………

1

はじめに ………

(4)

地下に存在するすべての石油の量は「資源量(Resources)」といい、 この資源量のうち、既発見であり、かつ経済的・技術的に回収(採取) 可能な量を「埋蔵量(Reserves)」といいます。また、「可採年数(R/P)」は 現在の技術と価格の下で採掘可能であると考えられる石油埋蔵量 (R)をその年の石油生産量(P)で割ったものをいいます。1970年代には 可採年数は約30年と試算されていた時期もありましたが、技術革新 による新規油田の発見や採掘技術の進歩、原油価格の上昇等による 採算性の向上などから、最近の可採年数はOil & Gas Journal誌で 58年、BP統計で50年と試算されています。 このように、可採年数は技術の進歩や原油価格の上下によっても 変動する試算値であり、石油が枯渇する年数という意味合いのもの ではありません。 【探鉱技術の例】 (1)人工衛星と地上波を複合活用した測位システム……人工衛星と 地上局からの電波を組み合わせて、海上と海底の正確な位置を 測定できます。 (2)三次元(3-D)地震探査システム……高密度の地質データを処理 することにより、複雑な地下構造を立体的に把握することが可能 になります。 【採掘技術の例】 (1) 水平掘削技術……水平方向に10km以上も掘削できるため、1つ の油井から出る石油生産量は増加します。 (2) 水圧破砕法(ハイドロ・フラクチャリング)……シェール層(頁岩 層)の岩盤に超高圧の水を注入して、人工的な割れ目(フラク チャー)を作り、そこに大量の水と化学薬品を流し込んでガス/ オイル を 採 取 する技 術。シェー ル ガス・シェールオイルの採取等に用 いられています。 (関連図表P.34) (3) 大水深海洋石油開発システム……水深 3,000メートル(1万フィート)の大水深 にある海底油田からの生産が可能と なっており、今後は3,600メートル(1.2 万フィート)からの採掘技術を目標と しています。

第1章 国際石油情勢

❶ 石油の埋蔵量と可採年数について

❷ 石油の探鉱・開発技術の発達

■原油確認埋蔵量と可採年数の推移

2017 2016 2010 2005 2000 1995 1990 1985 1980 1975 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 原油確認埋蔵量 (R) 可採年数(R/P) 16,519 16,459 14,696 12,926 10,285 10,075 9,991 7,001 6,485 6,587 58 57 56 49 42 45 45 36 31 34 単位:年 単位:億バレル 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2016 2017 195 208 195 220 226 246 262 263 287 287 年間原油 生産量(P) 単位:億バレル

(5)

第1章 国際石油情勢

単位:百万バレル

■世界の原油確認埋蔵量と可採年数(2017年末現在)

出所:OGJ誌(2017年末号) 2017年末の世界の原油確認埋蔵量は約1兆6,519億バレル、 可採年数は58年となっており、確認埋蔵量の73.7%を OPEC諸国が、また48.9%を中東諸国が占めている。

可採年数

OPEC合計

確認埋蔵量:

1,217,880(73.7%)

可 採 年 数:

103年

非OPEC合計

確認埋蔵量:

433,970(26.3%)

可 採 年 数:

26

世界合計

確認埋蔵量

1,651,850(100%)

可採年数:

58

確認埋蔵量:油層内に存在する油の総量(原始埋蔵量)のうち、技術的・経済的に生産 可能なものを「可採埋蔵量」といい、通常「原始埋蔵量」の20∼30%程度といわれている。 可採埋蔵量のうち、最も信頼性の高いものを「確認埋蔵量」としている。 可採年数:ある年の年末の確認埋蔵量をその年の生産量で除した数値。例えば、「可採 年数50年」とあっても、今後、石油探査や掘削をはじめ、回収技術の進歩により既存油田の 埋蔵量が増えたり、新油田の発見などがあるため、その年数で石油が掘り尽くされるということ ではない。 OPEC諸国 25 68 33,096 (2.0%) 114 25,244 (1.5%) 37,453 (2.3%) 174 73 48,363 (2.9%) 266,208 (16.1%) 113 157,200 (9.5%) 103 101,500 (6.1%) 412 首長国連邦 UAE 91 97,800 (5.9%) 91 148,766 (9.0%) 20 80,000 (4.8%) 120 170,540 (10.3%) 中国 18 25,627 (1.6%) 48 30,000 (1.8%) 11 35,427 (2.1%) 非OPEC諸国 17 71,297 (4.3%) 13 12,634 (0.8%) 9 8,445 (0.5%) 302,250 (18.3%) (注): 1. 分割地帯はそれぞれサウジアラビア、クウェートに含まれる 2. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

■世界の原油生産量(2017年)

OPEC計

32,410

(41.2%)

世界合計

78,625

(100%)

非OPEC計

46,215

(58.8%)

ロシア 11,001(14.0%) サウジアラビア 9,965(12.7%) UAE 2,934(3.7%) イラク 4,474(5.7%) クウェート 2,707(3.4%) イラン 3,797(4.8%) ベネズエラ 2,010(2.6%) ナイジェリア 1,520(1.9%) リビア 760(1.0%) カタール 608(0.8%) その他OPEC諸国 3,635(4.6%) 中国 3.877(4.9%) イギリス/ノルウェー 2,612(3.3%) (注): 1. 分割地帯はそれぞれサウジアラビア、クウェートに含まれる 2. UAEはアラブ首長国連邦の略称 3. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある その他非OPEC諸国 12,975(16.5%) この他に、NGL(天然ガス液)が 石油同様に生産されている。 出所 : OGJ誌(2017年末号) 単位 : 千バレル/日 アメリカ 9,230(11.7%) カナダ 3,900(5.0%) ブラジル  2,620(3.3%)

(6)

IEA(国際エネルギー機関)が2018年3月に発表したレポートによれ ば、2017年の世界の石油需要は97.8百万バレル/日となりました。 2018年には主に非OECD諸国の石油需要が増加することなどから約 1.4%増加し、99.2百万バレル/日と前年の実績を上回る見込みです。 具体的には、中国が30万バレル/日、その他のアジア地域が50万 バレル/日程度増加し、非OECD全体としては140万バレル/日の増 加となる見込みです。これに対して2017年の世界の石油供給は97.4 百万バレル/日となりました。このうち非OPEC諸国の石油供給は 58.1百万バレル/日となり、2018年には北アメリカが前年よりも170万 バレル/日の増加となることなどから約3.1%増加し、59.9百万バレル /日となることが見込まれています。 中期的には世界の石油需要は、中国やアジアを中心とする非 OECD諸国の経済成長に伴って増加すると想定され、IEAの中期見 通し(2018年)によれば、2023年の需要は2017年に対して約7%増加 して、104.7百万バレル/日に達するものと見込まれています。これに 対して供給面では、非OPEC諸国の供給は2023年には2017年の58.1 百万バレル/日から約9%増加して、63.3百万バレル/日と見込まれ ています。 2017年度のWTI原油価格について、年度始めの4月3日は50.24ドル/ バレルでスタートしました。5月末にはOPEC総会で協調減産の延長 が決定されましたが、米国でのシェールオイルの生産増等から価格 上昇には繋がらず、6月21日には年度最安値である42.53ドル/バレル を記録しました。 7月に入ると、夏期のドライブシーズンで米国原油在庫が減少した ことや、OPEC・非OPEC産油国の協調減産が引続き順調に機能した こと等から油価は上方基調に転じました。 その後もクルド独立機運の高まり等、中東での地政学リスクの高 まりも下支えとなり、11月末のOPEC総会にて協調減産をさらに延長 することが決まった後、12月から世界的な原油在庫の減少を背景に 油価はさらに上昇し、年末の12月29日には60.42ドル/バレル となり、2 年半ぶりに60ドル/バレルに達しました。 年明け以降も上昇基調は続き2018年1月26日に年度最高値となる 66.14ドル/バレルを記録し、その後年度末まで60~65ドル/バレル前 今後の国際石油市場を中長期的に展望する上で、アジアや中東を 中心とする発展途上国の需給動向が非常に重要な要素となってい ます。IEAは、2017年版の世界エネルギー見通しの新政策シナリオに おいて、2040年の世界の石油需要が、16年/40年の年率ベースで 0.5%増の104.9百万バレル/日となる中で、中国は同1.3%増の15.5 百万バレル/日、インドが3.3%増の9.7百万バレル/日、中東が1.4% 増の10.7百万バレル/日となるとの見通しを発表しています。2035 年には、中国が世界最大の石油消費国へ浮上する一方、2025年頃から 需要の牽引役はインドに代わることとなります。米国はシェールオイ ル生産量の増加を受け、2020年代後半には石油の純輸出国になる とされています。

❹ 原油価格の動向

❸ 国際石油需給

❺ 中長期的な国際石油市場の見通し

■世界の石油需給

単位:百万バレル/日 2017 2018 OECD諸国 47.4 47.4 非OECD諸国 50.4 51.8 中国 12.5 12.8 その他のアジア 13.3 13.8 石油需要 合計 97.8 99.2 OECD諸国 24.1 25.8 米州 20.2 21.9 非OECD諸国 29.3 29.3 ロシア 14.4 14.4 非OPEC諸国 58.1 59.9 OPEC諸国 39.2 -石油供給 合計 97.4 -出所:IEA「Oil 2018」(2018年3月) (注): 需要にはマリンバンカー、精製用燃料、生だき用原油、非在来型およびその他の供給源から の石油、バイオ燃料を含む

(7)

第1章 国際石油情勢

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 出所:各種資料より石油連盟が作成 12 13 16 17 18 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 89 88 87 86 85 84 83 82 81 80 79 78 77 76 75 74 73 1972 年 14 15 単位:ドル/バレル ■原油価格の推移(月平均) ドバイ スポット価格 イラン・イラク 戦争勃発(9月) イラン革命(2月) OPEC・非OPEC の減産 イラクの クウェート 侵攻(8月) 同時多発テロの発生 イラン停戦受諾 標準原油廃止 第二次 オイルショック 第一次 オイルショック イラク戦争勃発 アラブの春 OPEC生産 水準を維持 ハリケーン「カトリーナ」 サブプライムローン問題顕在化 リーマンショック 第四次 中東戦争 (10月) サウジアラビア、 ネットバック販売開始 アラビアンライト ネットバック価格 アジアの 経済危機 OPEC増産 アラビアンライト スポット価格 アラビアンライト 公式販売価格

■世界の石油需要の見通し(新政策シナリオ)

百万バレル/日 国・地域          年 2000 2016 2025 2030 2035 2040 2016-2040 (注1) 北米 22.9 22.3 21.8 20.5 19.0 18.0 -0.9%  アメリカ 18.9 18.1 17.5 16.3 14.8 13.8 -1.1% 中南米 4.5 5.9 6.2 6.3 6.5 6.7 0.5%  ブラジル 1.9 2.4 2.5 2.7 2.8 2.9 0.8% 欧州 14.9 13.0 11.3 10.3 9.4 8.7 -1.7%  EU 13.1 11.1 9.2 8.2 7.2 6.5 -2.2% アフリカ 2.2 3.9 4.6 5.1 5.6 6.2 2.0%  南アフリカ 0.4 0.6 0.6 0.7 0.7 0.8 1.3% 中東 4.3 7.6 8.6 9.1 9.9 10.7 1.4% ユーラシア 3.1 3.9 4.3 4.4 4.4 4.4 0.6%  ロシア 2.6 3.2 3.4 3.4 3.4 3.3 0.2% アジア太平洋 19.4 29.6 34.8 37.0 38.3 39.2 1.2%  中国 4.7 11.5 14.5 15.4 15.5 15.5 1.3%  インド 2.3 4.4 6.3 7.5 8.7 9.7 3.3%  日本 5.1 3.7 3.0 2.7 2.4 2.1 -2.3%  東南アジア 3.1 4.7 5.8 6.2 6.4 6.6 1.4% 国際船舶向け需要(注2) 5.4 7.7 8.8 9.5 10.3 11.1 1.6% 世界合計 76.7 93.9 100.3 102.2 103.4 104.9 0.5% バイオ燃料需要(注3) 0.2 1.7 2.5 3.1 3.6 4.1 3.9% (注): 1. 期間平均 出所:IEA「World Energy Outlook2017」(世界エネルギー見通し)

2. 国際船舶・航空用燃料を含む 3. ガソリン・軽油換算

(8)

2016年度の最終エネルギー消費は、前年度比1.3%減の13,321PJ (ペタジュール)となり、6年連続で減少しました。エネルギー源別に見 ると、石油は前年度比2.3%減の6,442PJ(原油換算1億6,637万㎘)と なり、6年連続で減少した一方、電力は0.1%増の3,419PJ(原油換算 8,831万㎘)となり、4年ぶりに増加しました。 また、一次エネルギーの国内供給合計は19,836PJ、原油換算で 5億1,227万㎘と前年度比0.9%減となりました。その内、石油(LPG含 む)は7,877PJ(原油換算2億343万㎘)で、前年度比3.2%減となってい ます。供給に占めるシェアでは、前年度と比べ石油(LPG含む)が 40.7%から39.7%、石炭が25.8%から25.4%へ減少した一方、 天然ガスが23.3%から23.8%、原子力が0.4%から0.8%へ増加しま した。 電源構成としては、東日本大震災以降、原子力発電の稼働が停止 した分を石油等の火力発電が補ってきましたが、火力発電の中でも 天然ガスと石炭の供給量が増えたことから、2015年度には石油火力 の割合は再び1割を下回りました。 0 100 200 300 400 2010 2016 2015 2000 1990 1980 1975 1973年度 再生可能・ 未活用エネルギー 電力 天然ガス・都市ガス 石炭 石油 単位:原油換算百万㎘

■エネルギー源別最終消費の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」 (注): 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

287

286

271

350

408

380

344

349

41 43 38 42 196 182 26 32 38 28 37 24 35 24 3 3 3 0 0 1 1 1 1 38 48 39 71 1 89 97 88 88 8 11 9 15 22 30 29 29 181 195 226 187 166 170 36 0 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 年間発電電力量 2015 2016 2030 (見通し) 2010 2005 2000 1995 1990 1985 1980年度 単位:%、億kWh

■電源別発電電力量の推移

(注): 1.卸電力取引の一部など電源種別が特定できないもの 16.9 45.6 4.5 15.4 17.4 4,850 27.2 27.3 9.8 0.2 21.7 13.8 5,840 27.3 28.6 9.7 0.2 22.2 11.9 7,376 34.0 19.4 13.7 0.5 22.4 10.0 8,557 0.6 0.9 1.1 34.3 10.7 18.4 26.4 9.6 9,396 30.8 10.8 25.6 23.7 8.2 9,889 28.6 7.5 25.0 29.3 8.5 10,064 8,737 20∼22 3 26 27 22∼24 10,650 44.0 31.6 9.0 1.1 4.7 45.2 7.0 7.8 1.7 6.1 29.0 3.2 9.6 8,850 2014 0 10.6 31.0 46.2 9.0 3.29,101 地熱および新エネルギー (太陽光、風力など) 水力 天然ガス 石炭 石油等 原子力 その他 注1 0.2

第2章 国内石油需給動向および流通販売

❶ エネルギー需給実績

(9)

第2章 国内石油需給動向および流通販売

石油製品の供給は、石油製品を輸入する方法と、原油を輸入して 国内で石油製品に精製する方法(消費地精製方式)があります。わが 国の供給体制の根幹は消費地精製方式です。消費地精製方式は、 大型の原油タンカーで大量に原油を輸送することによりコストを低減 できること、国内の需要構造に合わせて石油製品の生産割合を一定の 範囲で調整できること、国内の環境基準等に適合した品質の調整が 容易であること、緊急時への対応に優位性があることなど多くのメリット を有しています。 わが国は原油のほぼすべてを海外から輸入しており、2017年度に 国内で産出した原油は55万㎘と、精製業者の原油処理量1億8,397 万㎘の0.3%、およそ1日分に相当する量に過ぎません。 0.6 1.0 1.0 0.4 0.8 1.1 3.0 3.0 1.6 1.6 0 100 200 300 400 500 600 2015 2016 2010 2030 (見通し) 2000 1990 1980 1975 1973年度 単位:%、原油換算百万㎘

■一次エネルギー供給(国内供給)の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」、見通しは「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)

387

371

411

507

567

516

512

586

489

30%程度 1.7 16.9 4.4 25%程度 18%程度 11∼10%程度 13∼14%程度 73.8 69.6 61.6 52.2 46.0 17.4 2.7 2.1 5.6 17.6 3.1 6.4 4.9 5.4 16.9 3.7 10.5 9.6 4.2 18.5 3.2 37.4 37.9 37.0 22.7 2.9 25.7 2.7 25.4 2.7 13.5 12.6 3.3 18.2 11.2 3.3 4.3 23.3 3.6 6.3 23.8 3.3 7.0 3%程度 石炭 天然ガス 石油 LPG 原子力 再生可能・ 未活用エネルギー 水力 (注): 1. 経済産業省は、製造部門の重油補正に係わる見直しを1990年に遡及して修正を行ったため、1990年以降のデータは前年までの資料から変更されている 2. 国内供給は、総供給から輸出供給と在庫変動を控除したもの 3. 四捨五入の関係により100%にならない場合がある 0 100 200 300 400 500 600 2010 2016 2015 2000 1990 1980 1975 1973年度 0.6 1.5 1.0 1.5 0.4 0.7 0.9 1.1 416 396 429 522 610 600 549 544 石油(LPGを含む) 石炭 天然ガス 原子力 水力 再生可能・ 未活用エネルギー 単位:%、原油換算百万㎘

■一次エネルギー供給(総供給)の推移

出所:経済産業省「総合エネルギー統計」 (注): 1. 経済産業省は、製造部門の重油補正に係わる見直しを1990年に遡及して修正を行ったため、1990年以降のデータは前年までの資料から変更されている 2. 四捨五入の関係により100%にならない場合がある 77.4 73.4 66.1 56.9 50.8 43.5 44.1 43.1 15.5 4.1 16.4 2.5 5.3 16.9 6.1 4.7 5.2 16.7 10.2 9.3 4.1 2.9 18.1 12.9 12.1 3.2 2.9 21.6 17.2 10.6 3.1 4.1 24.3 21.9 3.4 5.9 24.1 22.4 3.1 6.6

❷ わが国の石油供給体制

(10)

2017年度の原油輸入量は、1億8,509万㎘、前年度比3.1%減になり ました。地域別に見ると、中東地域が87.3%を占めています。原油の 輸入元を国別に見ると、輸入量の多い順に、サウジアラビア(全輸 入量の39.4%)、アラブ首長国連邦(同24.8%)、カタール(同7.6%)と なっており、上位2ヵ国で全輸入量のおよそ6割を占めています。 2017年度の燃料油生産量(重油消費量除く)は、1億7,128万㎘、 前年度比3.6%減となりました。石油製品は、原油からガソリン、灯油、 軽油、重油など複数の製品が一定の割合(得率)で同時に生産される (連産品)という特性があります。従って原油から特定の製品だけを 生産することは困難です。一方で、需要においてはガソリン、灯油、軽油 などのいわゆる「白油」の割合が増加しています。これに対応する方法 として、原油の種類によって得率が異なるため最適な原油を選択 したり、重油等を分解・改質して白油にする二次装置を用いています。 これらの結果、最終的な得率は、軽質留分は約40%、中間4品が約 45%、重質留分約10%となっています。なお、製品の生産以外にも、 輸出入や在庫調整などによっても需要に対応しています。

❸ 原油の輸入

❹ 石油製品の生産

■原油輸入量

1億 8,509万S

〈中東 87.3%〉

サウジアラビア 39.4% アラブ首長国連邦 24.8% カタール 7.6 クウェート 7.3% イラン 5.2% オセアニア 0.3% アフリカ 0.4% 北米 0.9% 東・中央アジア 1.1% バーレーン 0.1% イラク 1.9% オマーン 1.0% 東南アジア 2.2% 中南米 2.5% ヨーロッパ 5.3% 出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

■燃料油の生産量

単位:百万㎘ 出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」 300 200 100 150 250 50 0 1970 1980 1990 2000 2010 2017 年度 燃料油計 247(1973年度) 152(1987年度) 171(2017年度) ガソリン ナフサ ジェット燃料油 灯油 軽油 A重油 B・C重油 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 単位:%

■燃料油の得率

(注): 1.本項の得率は、各油種の生産量÷原油処理量によって求めた名目得率であり、半製品在庫の変動を加味した実質得率ではない 2.1951年度以降のC重油の生産量からは重油消費計(精製用自家消費燃料、A・B重油含む)を差し引いている 2016 93.3 2010 28.0 9.6 6.7 9.4 20.6 7.8 10.4 92.5 2000 23.5 7.5 4.4 11.7 17.4 11.9 15.3 91.5 1990 20.9 5.8 2.3 11.5 16.3 12.9 21.1 90.8 1980 15.1 9.2 2.0 10.4 9.4 9.1 36.0 91.2 1975 12.3 11.4 1.4 9.2 6.9 7.6 43.4 92.1 1973 10.7 12.1 1.5 8.9 7.0 7.2 44.3 91.7 1970年度 11.0 11.7 1.4 9.1 6.5 5.3 47.0 91.9 28.2 10.5 8.4 8.3 21.6 6.8 9.6 2017 28.9 9.8 8.0 8.5 22.6 6.8 93.8 2015 29.0 10.1 8.3 8.3 22.0 6.7 9.3 93.8 軽質留分 中間4品 重質留分 9.3

(11)

第2章 国内石油需給動向および流通販売

2017年度の石油需要は燃料油合計で1億7,475万㎘、前年度比 1.2%減になりました。下期の気温が前年より低かったことなどから 灯油は前年度比2.4%増、通年で物流需要があった軽油は前年度比 1.5%と増加しましたが、ガソリンは前年度比1.3%減、ジェット燃料油は 前年度比5.2%減、A重油は前年度比4.0%減となり、特にB・C重油は 大きく減少し、前年度比15.1%減となるなど、前年度の需要を下回る 結果となりました。 製品輸入は、消費地精製方式を採用するわが国において補完的な 石油の供給手段ですが、ナフサについては例外で、国内需要の約6割 を輸入製品で賄っています。これは、石油化学会社が独自に石油化 学原料であるナフサを輸入しているためです。 製品輸出について、2017年度の輸出数量で見ると、多い順にジェット 燃料油、軽油、B・C重油となりました。(関連図表P.38)ジェット燃料油 は国内需要の2倍程度を輸出しています。これは国内で国際線の航 空機に供給するジェット燃料油も輸出とみなされるためで、これらの 輸出分がジェット燃料油輸出の約7割を占めています。同様に、外航 船舶に日本で生産したB・C重油を供給した場合も輸出とみなされ、こ れらの輸出分がB・C重油輸出の半分以上を占めています。また、軽油 は近年オーストラリアへの輸出が増えており、2017年度は5割以上が 同国向けとなりました。なお、内需が減少傾向で推移する中、海外マー ケットの動向次第でガソリン等も輸出しています。

■国内生産に対する製品輸出の比率

年度 ガソリン ジェット燃料油 軽油 C重油 2010 3.8% 63.7% 25.7% 30.3% 2011 2.3% 67.9% 19.4% 26.8% 2012 2.2% 68.1% 16.5% 25.7% 2013 3.2% 67.9% 23.9% 27.0% 2014 5.8% 65.2% 20.6% 28.7% 2015 7.2% 67.8% 22.6% 35.8% 2016 5.8% 68.8% 21.4% 40.4% 2017 7.1% 67.3% 21.7% 41.6% 出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

■国内需要に対する製品輸入の比率

年度 ナフサ C重油 2010 58.3% 17.4% 2011 56.9% 31.1% 2012 58.5% 33.0% 2013 56.7% 31.1% 2014 61.0% 26.1% 2015 62.1% 24.4% 2016 57.3% 19.3% 2017 63.0% 22.1% 出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」

❺ 石油製品の需要

❻ 石油製品の輸出入

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 単位:千㎘

■わが国の石油製品別(燃料油)需要の推移

出所:経済産業省「資源・エネルギー統計」 (注):四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある 燃料油計 234,138 212,639 209,219 218,012 243,218 ナフサ 灯油 軽油 A重油 B・C重油 ジェット燃料油 1,673 2,059 2,967 3,739 4,611 ガソリン 36,240 21,930 16,759 19,306 111,007 27,223 32,031 21,663 15,997 18,992 92,903 28,995 26,297 23,566 21,564 21,083 79,199 34,543 31,423 26,701 37,680 27,066 46,623 44,783 47,686 29,924 41,745 29,516 31,364 58,372 245,405 4,849 43,988 30,017 45,452 28,796 40,675 51,628 236,109 5,129 49,388 28,265 37,116 27,780 27,009 61,421 196,019 5,153 46,699 20,349 32,891 15,42517,343 58,159 180,931 3,056 24,613 25,307 25,808 20,315 45,133 36,698 2000 2005 2010 176,931 5,278 44,797 16,257 33,326 11,98712,778 52,508 2016 174,747 5,002 51,833 45,100 16,642 33,820 11,504 10,846 2017 180,476 5,464 46,234 15,946 33,594 11,87114,241 53,127 2015 1990 1995 1980 1985 1975 1973年度

(12)

製油所で生産された石油製品は、製油所から直接または中継基地 である油槽所を経由して販売拠点であるSS(サービスステーション)や 需要家に輸送されます。この際の輸送手段は、届け先の立地、取扱量、 輸送距離などに応じて、内航タンカー・鉄道(タンク車)・タンクローリー などが利用されています。 内航タンカーによる輸送は、船舶により臨海地区間の海上輸送を 行うもので、製油所から油槽所への転送、または製油所・油槽所から 需要家への直接販売の際に利用されており、大量かつ長距離輸送に 優れています。輸送量は1隻当たり1,000~7,000㎘程度となります。 鉄道による輸送は、タンク車と呼ばれる専用貨車で編成された列車 により臨海地区の製油所から内陸地域の油槽所へ転送する際に利用 されており、内陸地域に対して一度に大量の石油製品を輸送すること が可能です。輸送量としてはタンク車1台当たり60㎘程度、1列車で 1,200㎘程度となります。 タンクローリーによる輸送は、自動車により陸上輸送を行うもので、 製油所・油槽所からSSや需要家への末端輸送の際に利用されてい ます。1台当たりの輸送量は約20㎘となっており、内航タンカー、タンク 車に比して少量ですが、機動性、柔軟性に優れているという自動車 輸送ならではの特性を有しています。 その他の輸送手段として、東京湾内の千葉港と成田空港間では約 47kmに及ぶパイプラインが設置されており、成田空港に対する航空 燃料の供給が行われています。 石油を消費者の元へ届けるため、こうした多様な輸送手段を活用 していますが危険物輸送という特性等から、内航タンカー船員やタン クローリー乗務員の人手不足が深刻化しており、今後の担い手の確 保が課題となっています。

原油を貯蔵するためのタンク

貯油能力 : 37,149千㎘ (2016年3月末現在)

製油所数 : 22ヵ所

石油製品を生産するための設備

精製能力 : 56万㎘/日 (352万バレル/日) (2018年6月末現在)

石油製品(燃料油)

を配送するためのタンクと輸送手段 

油槽所/貯油能力 : 12,619千㎘ タンク基数: 3,181基(2016年3月末現在) 内航タンカー : 544隻(2018年3月末) タンク車 : 1,410両(2018年3月末) タンクローリー : 6,598台(2016年3月末)

輸 送

石油製品(半製品を含む)を

貯蔵するためのタンク

貯油能力 : 32,391千㎘ (2016年3月末現在)

精 製

原油貯蔵・備蓄

製品貯蔵・備蓄

■石油のサプライチェーン(流通・物流経路)

原油輸入のためのタンカー

延運航隻数:658隻(2017年度) *隻数は平均船型を基に算出した推計値

輸 入

販 売

SS(サービスステーション)

30,747ヵ所(含・可搬式) (2018年3月末現在)

❼ 石油の物流

(13)

第2章 国内石油需給動向および流通販売

■ニーズの変化とセルフSSの増加 国内のガソリン販売量は、人口減少や自動車の燃費向上等の構造 的要因により、減少の傾向にあります。さらに、今後は電気自動車(EV) やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などの次 世代自動車の増加も見込まれています。 また、規制緩和により1998年4月にドライバーの給油作業を一定 の有資格者が監視する有人セルフ方式のSSが導入されて以来、フル サービスSSに比べて効率的な運営が可能であることから、その数は 増加し、2017年度末には9,928ヵ所、SS全体に占める普及率は約 32%になっています。最近では、元売・特約店・販売店が独自にセル フ化に意欲的に取り組んでいる一方で、販売量の減少等により、セル フSSであっても閉鎖されるものも現れ始めています。 こうした環境変化に対処するため、精製・元売会社、販売業界が一 体となって、SSにおける付加価値販売の強化と経営の効率化を推進 することが喫緊の課題となっています。石油各社では、SSにおける新 たな付加サービスの創出策として、コンビニエンスストア等他業種の 併設店舗の設置やカーリースの取り扱い 等、顧客利便性の向上に向けた施策に取 り組んでいます。また、効率的かつ安定的 なSS運営に向けて、石油連盟では、SSに関 する規制緩和について設備の進歩や海外 の規制状況等を踏まえた関係機関との意 見交換も継続的に実施しています。 一方、SSの安全対策として、ドライバー が自ら給油を行うセルフSSの増加に伴い、 給油中のガソリンの吹きこぼれや誤給油 が増加しているため、石油連盟などでは正 しい給油方法についてポスター等で周知 し、注意喚起を行っています。その他にも、 石油各社では、給油時の監視強化や、静電 気対策として給油ノズルの導電性の確保、 漏洩事故対策としてスプラッシュガードの 設置等、セルフSSにおける安全性の向上に 積極的に取り組んでいます。 ■SSを巡る環境問題への対応 環境問題への取り組みとして、土壌・地下水汚染問題の重要性を 踏まえ、石油連盟では油漏れの未然防止・早期発見を目的に「SS土壌 環境セーフティーブック」を作成しています。さらに、土壌と接する 地下埋設配管において、腐食等のリスクが低い合成樹脂配管等の 使用を促進する観点から、消防庁等の関係団体との協力により、樹脂 配管用耐火板接続ボックスを用いる際の施工方法について、2010年 3月に石連標準仕様を作成しました。 40,000 50,000 60,000 ヵ所 0 30,000 20,000 10,000

■給油所およびセルフ給油所の推移

出所:経済産業省、石油情報センター 給油所数 セルフ給油所 56,444 59,615 60,421 53,704 51,294 48,672 42,090 45,792 2008 2016 2017  年度末 31,467 30,747 9,856 9,928 38,777 2010 85 422 2,523 4,104 7,774 33,510 9,530 36,349 2012 2014 8,862 6,162 8,449 2006 2004 2002 2000 1998 1996 1994

❽ SSを巡る経営環境の変化

(14)

10年6月、地下タンクからの油漏れ事故への対策として、危険物の 規制に関する規則の一部が改正され、11年2月よりSS等に埋設され ている鋼製一重殻タンクは埋設年数や設計性能等に応じた漏えい 対策が義務付けられました。石油業界では今後も土壌汚染防止対策を 進めていきます。 ■SS過疎地問題 このような状況の中、特に石油製品の需要減少による競争激化と 地下タンク漏えい対策に係る重い負担などから、SS数はピークを迎え た94年度末の60,421ヵ所から17年度末には30,747ヵ所へと減少が 続いており、「SS過疎地問題」が懸念されています。生活圏内のSSが 少なくなることで、特に寒冷地で生活必需品となっている灯油や、 農林業用車両の燃料の供給が難しくなっている地域が増加しており、 社会問題としてマスコミにも取り上げられるようになりました。 17年度末には、市町村内のSS数が3ヵ所以下の「SS過疎地」は312 市町村となり、昨年度末から10市町村増加しました。 このような状況は、消費者の利便性を損なうだけでなく、災害時に 営業を停止せざるを得ないSSが発生した場合、地域住民への燃料 供給が極めて不安定化するなど、深刻な事態を招くことが懸念され ます。 20 0 40 60 80 100 120 140 90年 1月 7月91年1月 7月92年1月 7月93年1月 7月94年1月 7月95年1月 7月96年1月 7月97年1月 7月98年1月 7月99年1月 7月00年1月 7月01年1月 7月02年1月 7月03年1月 7月04年1月 7月05年1月 7月06年1月 7月07年1月 7月08年1月 7月09年1月 7月10年1月 7月11年1月 7月12年1月 7月13年1月 7月14年1月 7月15年1月 7月16年1月 7月17年1月 7月18年1月 7月

■わが国の原油CIF価格とガソリン小売価格

(消費税・ガソリン税・石油石炭税抜き)

の推移

出所:財務省、石油情報センター 単位:円/R

ガソリン小売価格

(税抜き)

全国平均

原油CIF価格

←96.3末 特石法廃止 ←01.12末 石油業法廃止 このため、15年3月、石油連盟および石油各社は、政府・関係機関と ともに「SS過疎地対策協議会」を設置しました。SS運営や設備に関す る課題の抽出および解決方策の検討を通じたSS事業者への協力の みならず、供給不安の解消に向けて努力する自治体への情報発信、 規制緩和の検討、相談窓口の設置、対策実施のコーディネート等を 行い、自治体や行政のリーダーシップの下、地域住民の方々のニーズを 正確に把握した上で、この問題に取り組んでいます。

■SS過疎市町村数の推移

年度末 SS 0ヵ所 SS 1ヵ所 SS 2ヵ所 SS 3ヵ所 (市町村)合計 2012年 7 60 81 109 257 2013年 8 63 81 113 265 2014年 10 66 96 111 283 2015年 11 71 100 106 288 2016年 12 75 101 114 302 2017年 10 79 103 120 312 出所:資源エネルギー庁

(15)

わが国の石油産業に対する規制は、1962年7月に制定された「石油 業法」を基本法として、安定供給を最優先に進められてきました。 その後制定された「石油備蓄法」、「揮発油販売業法(揮販法)」、「特定 石油製品輸入暫定措置法(特石法)」により、石油の輸入・生産・販売に わたる広範な規制が行われてきました。 しかし、わが国経済社会の国際化に合わせて石油関連の規制改革 も段階的に進み、96年3月の特石法廃止(石油製品の輸入自由化)、 01年12月末の石油業法廃止(需給調整規制の廃止)により、備蓄面や 品質面における規制を除けば、石油産業は完全に自由化されました。 2002年6月に制定された「エネルギー政策基本法」では、安定供給の 確保(Energy security)、環境への適合(Environment)、市場原理の 活用(Economic, Efficiency)の3つの基本方針(3E)が示されるとともに、 エネルギー政策の基本的な方向性を示す「エネルギー基本計画」の 策定が定められており、同計画は少なくとも3年ごとに内容の検討を 行うこととされています。 18年7月に閣議決定された第5次エネルギー基本計画は、東日本 大震災後に策定された第4次計画の骨子を維持した上で、17年8月に 経済産業省に設置された研究会「エネルギー情勢懇談会」における 2050年に向けた議論を踏まえて策定されました。 このため、新基本計画は、①第4次計画を受けて取りまとめられた 長期エネルギー需給見通し(2015年7月)における2030年のエネル ギーミックスの確実な実現へ向けて取り組みの更なる強化と、② 2050年のエネルギー転換・脱炭素化に向けて野心的な目標を掲げ、 複線的なシナリオの設計、という構成となっています。 ①30年に向けては、a)3E+S(Safety)原則の下、一次エネルギー構造に おける各エネルギー源の方向性は、再生可能エネルギーの主力電源 化への布石を打ち、原子力発電の可能な限りの低減、火力発電の高 効率化、b)石油については、「今後とも活用していく重要なエネル ギー源」であり、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」と位置 付け、供給網維持のため石油産業の経営基盤強化に向けた取り組 みが必要である、c)石油産業の事業基盤の再構築のため、コンビ ナート連携やデジタル技術の導入拡大による生産性向上とともに、石 化など他事業分野や海外事業への進出拡大への取り組みが重要で あるとされました。 緊急時石油二法 国民生活安定緊急措置法/石油需給適正化法 石油危機の経験を踏まえて制定 1973年12月 石油備蓄法 石油の安定供給確保の観点から制定 1976年4月 揮発油販売業法(揮販法) ガソリンなどの安定供給と品質管理の徹底などを目的として制定 1977年5月 特定石油製品輸入暫定措置法(特石法) ガソリン・灯油・軽油を一定秩序のもとで輸入を促進する観点から制定 1986年1月 二次精製設備許可の弾力化 1987年7月 ガソリンの生産枠(PQ)指導の廃止 1989年3月 灯油の在庫指導の廃止 1989年10月 SS建設指導と転籍ルールの廃止 1990年3月 一次精製設備許可の弾力化 1991年9月 重油関税割当制度(TQ)の廃止 1993年3月 原油処理指導の廃止 1992年3月 特石法の廃止 石油製品の輸入自由化 1996年3月 揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法) 揮発油販売業法の改正 ①強制規格、SQマークの導入 ②指定地区制度の廃止など 1996年4月 石油備蓄法改正 1996年4月 石油製品輸出承認制度見直し 包括承認制の導入・輸出の自由化 1997年7月 SSの供給元証明制度の廃止 1997年12月 有人給油方式のセルフSS解禁 1998年4月 石油業法の廃止  需給調整規制の廃止 2001年12月 石油の備蓄の確保等に関する法律(新石油備蓄法) 2002年1月 品確法の一部改正 特定加工業者の「登録制」「品質確認義務」 2009年2月 エネルギー供給構造高度化法(高度化法) 2009年8月 地下貯蔵タンクの漏洩対策の義務付け 2010年6月 高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する 石油精製業者の判断基準 2010年7月 高度化法に基づく非化石エネルギー源利用の判断基準 2017年度までの揮発油に混和するバイオエタノールの利用目標量設定 2010年11月 石油備蓄法改正 2012年11月

■石油関連規制と規制改革の推移

石油業法 原油輸入の自由化に対応、石油産業の基本法として制定 1962年7月 第 一 段 階 の 規 制 改 革 第 二 段 階 の 規 制 改 革 高度化法に基づく非化石エネルギー源利用の判断基準 2022年度までの揮発油に混和するバイオエタノールの利用目標量設定 2018年4月 高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する 石油精製業者の判断基準 減圧蒸留残渣油処理率を2021年度に7.5%程度まで引き上げ (3次告示) 2017年10月 高度化法に基づく原油等の有効な利用に関する 石油精製業者の判断基準 残油処理装置の装備率を2016年度までに50%程度まで引き上げ(2次告示) 2014年7月 重油分解装置の装備率を2013年度までに13%程度まで引き上げ(1次告示)

第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

❶ 石油関連規制の推移

❷ エネルギー基本計画

(16)

2009年7月、石油依存度の低減のみを目的とした従来の石油代替 エネルギー法を見直し、エネルギー供給事業者(電気、ガス、石油事業 者)に対して、非化石エネルギー源の利用を拡大するとともに、化石 エネルギー原料の有効利用を促進することを目的とした新法(エネ ルギー供給構造高度化法)が成立しました。石油精製業者に対しては、 わが国の重質油分解装置の装備率(10年度当時は10%程度)を13年 度までに13%程度まで引き上げることを目標として、各社の装備率に 応じて改善率を達成することを義務付ける「原油等の有効な利用に 関する石油精製業者の判断基準」が10年7月に告示されました(高度化 法1次告示)。石油精製各社は重質油分解装置の装備率向上のため、 ①常圧蒸留装置の削減、②重質油分解装置の新設・増強の組み合わ せで対応し、重質油分解装置の平均装備率は、13年度末時点で13% 程度まで向上しました。 また、14年7月には、目標指標である装備率の定義を従来の重質 油分解装置に、重油直接脱硫装置、流動接触分解装置、溶剤脱れき 装置を加えた残油処理装置装備率(14年度当時は45%程度)とし、 この装備率を16年度までに50%程度まで引き上げることを目標とした 高度化法2次告示が示されました。石油精製各社は装備率に応じて 改善率を達成することが義務付けられ、目標達成の手段として製油 所間の連携や事業再編による設備能力の融通も認められることと なりました。また、石油精製各社は目標達成のための具体的計画に おいて、設備最適化の基盤となる事業再編の方針も併せて示し、そ の取組状況を定期的に報告することとされました。石油精製各社に よる取り組みの結果、16年度末時点での残油処理装置の平均装備 率は50.5%となりました。 さらに、17年5月の総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会に おいて「重質油分解装置の有効活用(稼働率向上、製油所間連携、能 力増強等)を促し、より一層の重質油分解能力の活用を実現する」 という基本的考え方が示され、17年10月に高度化法3次告示が 示されました。目標指標として、特定残油処理装置への減圧蒸留残渣 油の通油量を減圧蒸留残渣処理率とし、この処理率を21年度に7.5% 程度まで引き上げることを目標としています。石油精製各社は、減圧蒸 留 残 渣 処 理 率 の 実 績に応じた 増 加 率を達 成 することが 義 務 付けられ、目標達成の手段として製油所間の連携も認められています。 ②50年に向けては、a)「より高度な3E+S」を評価軸として、最新の 技術動向と情勢から各選択肢の重点度合いを柔軟に修正・決定する ために科学的レビューメカニズムを用いてエネルギー転換を目指す、 b)エネルギー転換・脱炭素化が実現するまでの過渡期において、内外 で化石エネルギー源は一次エネルギーとしてなお主力、とされました。

❸ エネルギー供給構造の高度化に向けて

エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び

化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)

→ 判断基準に照らし取り組みの状況が著しく不十分な場合、経済産業大臣は当該事業者に対し、勧告・

命令の措置を講ずることができ、事業者は命令に違反した場合、罰則(100万円以下の罰金)を受ける。

基本方針

・・・経済産業大臣が策定

判断基準

特定のエネルギー供給事業者に対し、

①非化石エネルギーの利用

②化石燃料の有効利用

を義務付け

・・・経済産業大臣が策定

非化石エネルギーの利用

化石燃料の有効利用

【対象】電気事業者、ガス事業者、石油事業者

【対象】ガス事業者、石油事業者

判断基準に基づく計画の作成・届出・実施

(17)

第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

メジャーの世界的な再編の流れや、特石法廃止後の国内石油業 界の競争激化などを背景に、わが国石油産業においても、石油精製・ 元売会社の再編に向けた動きが活発化し、1999年4月の日本石油と 三菱石油の合併を契機にして、過去にない規模とスピードで再編が 進みました。 2002年6月にはエクソンモービルグループ4社がエクソンモービル 有限会社へ合併・統合されたほか、08年に入ると、原油価格高騰と エネルギー全体の競争激化を背景に、新日本石油が同年10月に九州 石油と合併し、さらに10年7月にはそれまで上流から精製、物流、燃料 電池、技術開発までの広範囲な部門で業務提携していたジャパン エナジーと経営統合しJX日鉱日石エネルギーが発足するなど、更なる 合理化・効率化に向けた集約化・経営努力が行われました。 また、12年6月、エクソンモービルジャパングループは日本国内に おける資本関係を変更し、新たに日本資本による東燃ゼネラル石油を 中心とする、東燃ゼネラルグループが始動しました。 15年には、更なる製品供給や物流の効率化による競争力の強化を 目指して、出光興産と昭和シェル石油、JX日鉱日石エネルギー※と東燃 ゼネラル石油がそれぞれ経営統合に向け基本合意に至ったことが 発表されました。17年には、2月にコスモ石油とキグナス石油が資本 業務提携契約を締結し、4月にはJXエネルギーと東燃ゼネラル石油の 統合会社であるJXTGエネルギーが発足するなど、業界再編の動きが 続いています。 ※発表後、2016年1月にJXエネルギーに社名変更

❹ 石油産業再編の動き

1次告示の概要(2010〜2013年度) 2次告示の概要(2014〜2016年度) 3次告示の概要(2017〜2021年度) 目的 内需減少に伴う供給過剰、内需の白油化シフト、原油の重軽格差拡大等を踏まえ、国内製油所の重質油分解能力の 向上を図る。 国内過剰供給構造を回避し、製油所間の連携等による設備 最適化等の事業再編を進める必要性を踏まえ、国内製油所の 残油処理能力の向上を図る。 IMO規制強化や電力用燃料の需要減少が見込まれる中、重 質油を分解することの重要性が高まる可能性を踏まえ、国 内製油所の残油処理能力の向上を図る。 内容 「重質油分解装置」の装備率向上を義務付け。各社は、装備率向上に向け、①常圧蒸留装置の能力削減、②「重質油分 解装置」の新設・増強の組み合わせで対応。 「残油処理装置」の装備率の向上を義務付け。各社は装備 率の向上に向け、①常圧蒸留装置の廃棄または公称能力 削減、②「残油処理装置」の新設・増強の組み合わせで対応。 減圧蒸留残渣油処理率の向上を義務付け。各社は特定残油 処理装置への減圧蒸留残渣油の通油量の増加で対応。 結果 国内の精製能力は過去10年間の最大である約489万バレル/日から約2割削減。国内製油所における重質油分解装置の 平均装備率は10%程度から13%程度まで向上。 各社の対応の結果、国内の対象製油所の残油処理装置の 平均装備率は45%程度から50.5%まで向上。 評価 各社による製油所の「選択と集中」各社の生産性向上や収益力向上に一定の成果。・設備最適化が促され、 国内製油所全体の残油処理装置の装備率向上について一 定の成果。他方、各社による対応が公称能力の削減に集中 したため、一部の製油所における柔軟な稼働を制限すること になる懸念もあり。

■エネルギー供給構造高度化法告示の概要について

<装備率の定義> <装備率の定義> <減圧蒸留残渣油処理率の定義> <装備率に対する改善率目標> 計画提出時装備率 目標改善率 10%未満 45%以上 10%以上13%未満 30%以上 13%以上 15%以上 <減圧蒸留残渣油処理率の増加率目標> 2014〜2016年度の 平均の処理率 2021年度における減圧 蒸留残渣油通油量の増加率 7.5%未満 5.0%以上 7.5%以上14.7%未満 3.5%以上 14.7%以上 2.0%以上 <装備率に対する改善率目標> 計画提出時装備率 目標改善率 45%未満 13%以上 45%以上55%未満 11%以上 55%以上 9%以上 ●重質油分解装置: ・ 残油流動接触分解装置(RFCC) ・ 残油熱分解装置(コーカー等) ・ 残油水素化分解装置(H-OIL) ●常圧蒸留装置能力の削減は廃棄による対応のみ。 ●特定残油処理装置: ・ 残油流動接触分解装置(RFCC) ・ 残油熱分解装置(コーカー等) ・ 残油水素化分解装置(H-OIL) ・ 流動接触分解装置(FCC) ・ 重油直接脱硫装置(直脱) ●連携等による対応も可能。 ●残油処理装置: ・ 残油流動接触分解装置(RFCC) ・ 残油熱分解装置(コーカー等) ・ 残油水素化分解装置(H-OIL) ・ 流動接触分解装置(FCC) ・ 重油直接脱硫装置(直脱) ・ 溶剤脱れき装置(SDA) ●常圧蒸留装置の能力削減は廃棄および公称能力 削減により対応。 ●連携等による能力融通も可能。 重質油分解装置の 装備率 = 重質油分解装置の能力 常圧蒸留装置の能力 減圧蒸留残渣油処理率 = 特定残油処理装置への減圧蒸 留残渣油の1日あたりの通油量 1日あたりの原油処理量 残油処理装置の 装備率 = 残油処理装置の能力 常圧蒸留装置の能力

(18)

これを受けて設置された「石油産業競争力研究会」の報告書(18年 7月)では、国内の石油需要減少の更なる加速、需要拡大が見込まれ るアジアでの競争激化やEV等の普及など海外の環境変化が見込ま れることから、これまで主に国内市場を意識してきた石油精製業は、国 際水準にギアチェンジすることが必要であるとして、①国内の石油精 製業の基盤維持、②柔軟で強靭な供給能力の確保、具体的にはa)エ キスポート・パリティの実現といった製油所・コンビナートの国際競 争力強化、b)石化や新事業領域への拡大といった事業ポートフォリ オの転換、c)石油のバリューチェーンの多角化にも資する海外事業 石油の重要性に鑑み、エネルギー基本計画等においても石油産業 の経営基盤強化の重要性が指摘されています。(エネルギー基本計画 の項を参照) 石油精製・流通分野の生産性向上の施策や環境整備のあり方を 検討する目的で設置された「石油精製・流通研究会」の最終報告書 (2017年4月)に基づき、資源・燃料分科会取りまとめ(2017年6月)において、 ①国内製油所の国際競争力強化、②国内石油精製業者による海外

❺ 石油産業の経営基盤の強化に向けて

出光興産 日本石油 新日本石油 三菱石油 大協石油 丸善石油 九州石油 日本鉱業(精製) 共同石油 昭和石油 昭和シェル石油 シェル石油 太陽石油 2002年7月社名変更 1985年1月合併 2008年10月 合併 2010年4月 統合 東燃ゼネラル グループ エッソ石油 モービル石油 東燃(精製) ゼネラル石油 三井石油 エクソンモービル グループ 2014年2月 資本譲渡 ※4 JX日鉱日石 エネルギー 2010年7月設立 ※7 ※8 ※5 太陽石油 キグナス石油 キグナス石油 昭和シェル石油 コスモ石油 出光興産 ※6 ※1 ※3 ※1 2017年5月 資本提携 2017年4月 統合 2016年12月 資本提携 日石三菱 1999年4月合併 ジャパンエナジー 1992年12月合併 東燃ゼネラル石油 2000年7月合併 エクソンモービル 2002年6月合併 コスモ石油 1986年4月合併 ※2 JXTG エネルギー

■日本の石油元売会社の再編動向(2018年7月現在)

石油元売会社:製油所を所有するか、石油精製会社と密接な資本関係がある等で製品売買契約を結び石油製品を仕入、自ら需要家に売るか特約店に卸売する会社(公式な定義はない) ※1 元売ではなく精製専業会社 ※2 1984年4月に2社の精製部門を分社化・統合した旧・コスモ石油を設立 ※3 1992年12月合併時の社名は日鉱共石、その後93年12月にジャパンエナジーに社名変更 ※4 2012年6月1日に東燃ゼネラル石油を中心とした新体制に移行(エクソンモービルはEMGマーケティングに社名変更) ※5 2014年2月4日に三井石油は東燃ゼネラル石油の子会社となりMOCマーケティングに社名変更  ※6 2015年10月1日、ホールディングス制に移行 ※7 2016年1月1日、JXエネルギーへ社名変更 ※8 2019年4月統合予定 ※9 上図で示した他に、各社間において精製・物流の提携を行っている

(19)

第3章 石油産業に係わるエネルギー政策

電気、ガス事業においても、段階的な規制緩和を通じ、市場メカニズ ムの導入による供給効率化が進められてきました。特に近年では、総合 エネルギー市場の創出を目指した「エネルギーシステムの一体改革」に より、電力・ガス市場の開放に向けた大きな進展が見られています。 電気事業については、東日本大震災による原子力発電所の事故や 電力需給のひっ迫等を契機として、電力システム改革に向けた検討 が開始され、13年4月、「電力システムに関する改革方針」が閣議決定 されました。 その後、改革方針に沿う形で段階的に電気事業法が改正され、15年 4月には「電力広域的運営推進機関(広域機関)」の設置、16年4月に は電力小売全面自由化がなされたほか、20年4月には送配電部門の 法的分離を行うこととされています。小売全面自由化後においては、 石油会社を含む多くの企業がそれぞれの強みを生かす形で電力小売 市場に参入し、さまざまな料金メニューやサービスを提供しています。 ガス事業についても、電力システム改革の議論を受けてガス市場の 総合的な改革を進める必要性が高まり、13年11月に設置された「ガス システム改革小委員会」において具体的な検討が開始され、15年1月 に報告書が取りまとめられました。 15年6月には、報告書の内容を踏まえたガス事業法改正案が成立 し、17年を目途にガス小売全面自由化、22年4月1日に都市ガス大手 3社の導管部門について法的分離を行うこととされました。その後、 ガス小売全面自由化の時期については17年4月1日からとされたことを 受け、現在では電力・ガスの両市場ともに小売全面自由化がなされて います。

❻ 関連エネルギー政策の動向

■エネルギーシステム改革の工程

2013年 4月2日 閣議決定 2015年4月1日【第1段階】 (2015年通常国会にて成立) 2016年4月1日【第2段階】 2020年4月1日【第3段階】 2017年4月1日 2015年9月1日 2022年4月1日 2015 2016 2017 2020 2022 2013年 11月13日 第 1 弾改正 電力 シ ス テ ム に 関 す る 改革方針 電力 シ ス テ ム 改革 ガ ス シ ス テ ム 改革 新規制組織 第 1 弾 改正法案成立 2015年 6月17日 電力 シ ス テ ム 改革第 3 弾・ ガ ス シ ス テ ム 改革等改正法案成立 第 2 弾改正 第 3 弾改正 電力広域的運営 推進機関設立 ①需要計画・系統計画のとりまとめ ②【平常時】区域(エリア)をまたぐ広域的な需給および系統の運用 ③【災害時等の需給逼迫時】電源の焚き増しや電力融通指示による需給調整 ④新規電源の接続受付、系統情報の公開 等 送配電部門の 法的分離 小売全面 自由化 電力取引監視等 委員会の設立 電力・ガス取引監視 等委員会へ改組 (ガスについても業務開始) 様 々な 料 金メニュー の 選 択 や 、電 力 会 社 の 選 択 を 可 能 に 電 力・ガス 市 場 の 厳 正 な 監 視 小売全面 自由化 ガス会社の選択を可能に 導管部門の法的分離(大手3社) 料金規制 の撤廃 競争状態が不十分な事業者においては料金規制を残す 料金規制の経過措置期間 (国が競争状況をレビュー) (経過措置終了)料金規制の撤廃 (法的分離と同時期かそれ以降のタイミング) 改革実施の工程 法改正の工程 (注) 電力システム改革第3弾およびガスシステム改革に係る法案において「検証規定」が設けられ、電力・ガスシステム改革の各段階において、法施行の状況やエネルギー基本計画の実施 状況、需給状況等について検証を行い、その検証結果を踏まえ、競争条件や資金調達等の観点から必要な措置を講じることとされた 【ガスシステム改革】 ① 小売全面自由化 ② ライセンス制の導入 ③ LNG基地の第三者利用 ④ ガス導管網の整備促進 ⑤ 保安の確保 ⑥ 大手3社の導管部門の法的分離・行為規制の制定 【電力システム改革第3弾】 ① 送配電部門の法的分離 ② 法的分離に必要な各種ルール(行為 規制)の制定 【熱供給システム改革】 参入規制の合理化等 (許可制から登録制へ) 【新たな規制組織の設置】 電力・ガス取引監視等 委員会の設立 【電力システム改革第2弾】 ① 小売全面自由化 ② 一般電気事業制度の見直し に伴う各種関連制度整備 (2014年通常国会にて成立) 第 2 段階、 第 3 段階 に つ い て も 方針 を 規定 ︵

        ︶ 検証 (注) (第2段階施行前) 検証 (第3段階施行前) 検証 (第3段階施行後 5年以内) 検証 (法的分離の施行前) 検証 (法的分離の施行後) 2014年6月11日 第 2 弾 改正法案 成立 【電力システム改革第1弾】 ① 広域的運営推進機関の設立 ② プログラム規定 等  (2013年臨時国会にて成立)

(20)

石油には多段階にわたって様々な税金が課税されています。まず、 石油製品の原料である原油、および石油製品が輸入された段階で、 関税(現行は輸入石油製品のみ課税)と石油石炭税が課せられ、さら に製品となり消費者にわたるまでに、それぞれの製品ごとにガソリン税 (揮発油税および地方揮発油税)、軽油引取税、航空機燃料税、石油 ガス税(自動車用のみ課税)という個別間接税が課されています。 これらの石油諸税約4兆3,200億円は、国税と地方税を合わせた 租税収入の約4.2%を占めます。この石油諸税に、消費税約1兆3,700 億円(石油諸税を含めた石油製品の売上高8%)を加えると、石油に かかる税金は、約5兆6,900億円になります。 たとえばガソリン1ℓ当たりの小売価格152円(2018年7月末現在) では、中味価格以外に、石油諸税(石油石炭税+ガソリン税)、消費税 (TAX on TAXを含む)がかかっているため、小売価格の45%が税金で ある計算になります。 1949年、戦後の一般的な財源需要に対応するため、戦前にあった 揮発油税が復活しました。54年には揮発油税を道路特定財源とする こととなり、翌年に創設された地方道路税(揮発油が課税対象)と 併せて全額を道路整備に充てることとされました。また、56年には、 揮発油と軽油の税負担均衡を目的に、地方税・道路特定財源として 軽油引取税が導入されました。その後、道路財源確保の要請等から、 74年に揮発油税・地方道路税を上乗せする暫定税率が適用され、76年 には軽油引取税に対しても適用されました。その後も、道路整備に 必要な財源の確保のためとして暫定税率は引き上げられ、石油諸税の 税率は、本則税率を大きく上回る水準に達しました。 89年、消費税の導入に際して、消費者の税負担が増えないよう既 存の個別間接税との調整措置(消費税に吸収し廃止、消費税分を軽 減し並課等)が講じられました。しかし、石油諸税は、道路特定財源と して使途が決まっていることを理由に、廃止や軽減は行われず、石油 諸税を含む販売価格に単純に消費税を上乗せすることとされました

❼ 石油に係る様々な税金

❽ 石油諸税の成り立ちと税率の推移

原油と製品輸入の段階 製品の段階 消費の段階

■石油諸税の多重・多段階課税(平成30年度予算)

LPガス ガソリン ナフサ 灯油 重油 その他 軽油 ジェット燃料油  8 原油 輸入 油製品 石油石炭税 (注2) 2,800円/㎘ 石油ガス税 9,800円/㎘ 160億円 ガソリン税(注4) 53,800円/㎘ 2兆5,793億円 軽油引取税 32,100円/㎘ 9,492億円 航空機燃料税(注4) 18,000円/㎘ 669億円 7,090億円 関 税(注3) 21億円

石油諸税計 約4兆3,200億円

合計 約5兆6,900億円

消費税 約1兆3,700億円 (注): (注1) (注1) うちTAX on TAX分 約2,600億円 税 率 税 収 1. 軽油引取税と航空機燃料税にはTAX on TAX(併課)はない。消費税収は石油連盟試算値 2. 石油石炭税は原油、輸入石油製品のほか、石炭、ガス状炭化水素(国産天然ガス、輸入LNG、輸入LPG等)が課税対象(掲載は原油および輸入石油製品の税率)。 税収には、石炭およびガス状炭化水素への課税分と、地球温暖化対策のための課税の特例による引上げ分が含まれる 3. 平成18年4月より原油関税(170円/㎘)は撤廃され、石油製品関税のみとなった。関税収入額は、28年度輸入実績に基づく石油連盟試算値 4. ガソリン税には、沖縄県に対する税率の軽減措置がある。航空機燃料税には、沖縄路線および特定離島路線に対する税率の軽減措置がある 5. 四捨五入の関係により合計が一致しない場合がある

参照

関連したドキュメント

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

この数字は 2021 年末と比較すると約 40%の減少となっています。しかしひと月当たりの攻撃 件数を見てみると、 2022 年 1 月は 149 件であったのが 2022 年 3

それでは資料 2 ご覧いただきまして、1 の要旨でございます。前回皆様にお集まりいただ きました、昨年 11

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

燃料取り出しを安全・着実に進めるための準備・作業に取り組んでいます。 【燃料取り出しに向けての主な作業】

・本計画は都市計画に関する基本的な方 針を定めるもので、各事業の具体的な

2018 年、ジョイセフはこれまで以上に SDGs への意識を強く持って活動していく。定款に 定められた 7 つの公益事業すべてが SDGs

 今年は、目標を昨年の参加率を上回る 45%以上と設定し実施 いたしました。2 年続けての勝利ということにはなりませんでし