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Key words: Pseudomonas aeruginosa, Hospital infection, Clinical study

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昭 和63年12月20日 1111 Rmdomonas aeruginosaに よ る 院 内 感 染 の 検 討 1.臨 床 的 検 討 札幌医科大学泌尿器科教室(主 任:熊 本悦明教授) 広 瀬 崇 興 熊 本 悦 明 酒 井 茂 西 島 紀 子 (昭和63年5月17日 受付) (昭和63年7月7日 受理)

Key words: Pseudomonas aeruginosa, Hospital infection, Clinical study 要 旨 1976年 か ら1987年 ま で に お け る 当 科 入 院 症 例 のPaeruginosaに よ る尿 路 感 染 症 の 院 内 感 染 に つ い て 検 討 し た と こ ろ 以 下 の こ とが 判 明 した.1)本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 の発 症 頻 度 は 各 年 度 の 入 院 総 数 の うち 1976年 は15.9%で あ っ た が1983年 に は4.5%ま で 減 少 した 後,や や 増 加 し,1987年 は5.1%で あ っ た.2) 留 置 カ テ ー テ ル を有 す る複 雑 性 尿 路 感 染 症 の 本 菌 分 離 頻 度 は14.3%と 高 値 で あ った.3)入 院 時 の 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 率 は1.4%∼13.9%,退 院 時 の そ れ は5.0%∼20.7%で あ り,退 院 時 の 方 が 高 率 で あ った.4) 尿 と糞 便 分 離 の 本 菌 の 血 清 型 分 布 の 年 次 変 遷 は 同 様 に推 移 して い た.5)入 院 時 に 糞 便 中 の 本 菌 が 陰 性 で 入 院 中 に 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 を 発 症 し た 症 例 の 頻 度 は5.7%で あ っ た の に 対 し,入 院 時 に 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 症 例 の そ れ は16.9%と 高 値 で あ っ た.し か し,そ の 頻 度 はPolymixin-Bを 経 口投 与 さ せ 糞 便 中 の 本 菌 を 陰 性 化 させ る と2.0%ま で 減 少 し た.6)入 院 時 に 糞 便 中 の 本 菌 が 陰 性 で,か つ 入 院 中 に 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 が 発 症 した 症 例 で は 退 院 時 の 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 率 は15.1%と 高 値 で あ った が,入 院 中 に尿 路 感 染 症 の 発 症 が な い 症 例 で は,そ の 頻 度 は5.1%と 低 値 で あ っ た.7)入 院 期 間 中 に 尿 お よ び 糞 便 か ら本 菌 を 検 出 し た 症 例 の そ れ ぞ れ の 血 清 型 を 比 較 す る と,尿 と糞 便 の 本 菌 の 血 清 型 が 同 一 型 で あ る 場 合 が 38.9%に 認 め ら れ,こ の こ と に よ り,Paeruginosaに よ る 院 内感 染 の うち40%前 後 が 自己 感 染 に よ る も の で あ る こ とが 示 唆 され た. 緒 言

Pseudomonas aeruaginosa(以 下P.aeruginosa) に よ る 院 内 感 染 に つ い て,我 々 は 従 来 か ら 病 棟 内 の 交 叉 感 染 に よ る も の と,自 己 感 染 に よ る も の, つ ま り糞 便 中 の 本 菌 が 感 染 源 と な り尿 路 に 移 行 し 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 を 発 症 す る場 合 が あ る こ と を 報 告 し て き た1)2).今 回,我 々 は1976年 か ら1987 年 ま で12年 間 の 当 科 入 院 症 例 のP.aeruagino8aに よ る 尿 路 感 染 症 と糞 便 中P.aeruginosa検 出 と の 関 係 を 血 清 型 の 比 較 な ど を 行 う こ と に よ り,P aemginosaに よ る 泌 尿 器 科 病 棟 内 の 院 内 感 染 に つ い て,詳 細 に 検 討 し た. 対 象 お よ び 方 法 1)対 象 症 例 1976年 か ら1987年 ま で12年 間 の 入 院 症 例 で 膿 尿 5個/hpf以 上 と 尿 中P.aeruginosa菌 数104CFU/ ml以 上 を 有 し た 症 例 で あ る.1976年46例,1977年 32例,1978年25例,1979年20例,1980年21例,1981 年15例,1982年14例,1983年11例,1984年19例, 1985年20例,1986年20例,1987年15例 計258例 で あ る.な お 株 数 は1症 例1株 と し た. 2)細 菌 学 的 検 討 (1)尿 中Paemginosaの 細 菌 学 的 検 査 法 入 院 時 と 入 院 中 適 時,尿 よ りPaeruginosaの 別 刷 請 求先:(〒060)札 幌 市 中央 区 南1条 西16丁 目 札 幌 医科 大 学 泌 尿器 科 教 室 広 瀬 崇興

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分 離 培 養 同 定 検 査 を 行 っ た.同 定 は1983年7.月 ま で はminitek(BBL),そ れ 以 降 はMS-2AVANT-AGE(ABBOTT)を 使 用 し て 行 っ た.さ ら に NAC(Nalidixic-acid-Cetrimide)寒 天 培 地 に 発 育 す る か,ま た は41℃ で の 発 育 試 験,Hugh菌 Leifsonのoxidation-fermentation試 験,aceta-mideを 用 い たacylamidase試 験 の 成 績 に よ る 同 定 も 行 っ た. (2)糞 便 中Paeruginosaの 細 菌 学 的 検 査 法 上 記 期 間 の 全 入 院 症 例 に 対 し 原 則 的 に 入 院 時, 退 院 時,そ の 他 入 院 中 適 時 に 糞 便 中 のPaerugi-nosaを 検 出 し た.分 離 培 養 は 少 量 の 糞 便 を 生 理 食 塩 水 で 希 釈 し,NAC寒 天 培 地 に 接 種 し,37℃ 24∼48時 間 培 養 し,尿 と 同 様 な 方 法 で 同 定 を 行 っ た. (3)Paeruginosaの 血 清 型 別 の 方 法 血 清 型 別 は 緑 膿 菌 診 断 用 免 疫 血 清(デ ン カ 生 研 製)を 用 い て,そ の 使 用 法3)に 従 っ た. 3)Polymixin-Bの 経 口投 与 入 院 時 に 糞 便 か らP.aeruginosaが 検 出 さ れ た 場 合 は 原 則 的 にPolymixin-Bを1日150万 単 位3 分 服 で5日 か ら7日 間 経 口 投 与 さ せ た. 結 果 1)入 院 症 例 尿 路 感 染 症 分 離 菌 頻 度(Fig.1) 当 科 入 院 尿 路 感 染 症 症 例 のPaerugino3a分 離i (≧104CFU/ml)頻 度 は,1976年 の19.2%か ら1980 年 の9.2%ま で 減 少 傾 向 を 示 し た が,そ の 後 は10% 前 後 に 安 定 し て い た. 2)尿 路 感 染 症 の 病 態 別 に よ るPaeruginosa 分 離 頻 度(Fig.2) 外 来,入 院 を 含 む 尿 路 感 染 症1,835症 例 を1群 (単 純 性 尿 路 感 染 症),II群(留 置 カ テ ー テ ル を 有 し な い 二複雑 性 尿 路 感 染 症),III群(留 置 カ テ ー テ ル を 有 す る 複 雑 性 尿 路 感 染 症)の3つ の 群 に 分 け, そ れ ぞ れ の 病 態 別 分 離 菌 の 菌 種 分 布 を 検 討 し た. 本 菌 は1群 で は2.3%,II群 で は8.0%で あ る が, 複 雑 性 の よ り高 い 留 置 カ テ ー テ ル を 有 す るIII群 で は14.3%と そ の 分 離 頻 度 は 高 値 と な っ た. 3)P.aeruginosaに よ る 尿 路 感 染 症 発 症 率 の 年 次 変 遷(Fig.3) 当 科 入 院 症 例 の うち 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 の 発

Fig. 1 Annual changes in ratios bacterial species in urinary tract infection(In patients)

症 率 は1976年 の15.9%(46例)が 最 も 高 頻 度 で あ っ た が 漸 減 し,1983年 に は4.5%(11例)と 最 低 に な っ た.そ の 後,1985年 に は6.4%(20例)と や や 増 加 し,1986年 は6.1%,1987年 は5.1%で あ っ た.入 院 時 す で に 感 染 し て い た 移 入 株 に よ る 尿 路 感 染 症 の 症 例 は5∼11例 で,年 度 に よ る 変 動 は ほ と ん ど み ら れ な か っ た.し か し,入 院 後 に 尿 路 感 染 症 が 発 症 し た 症 例 は1983年 ま で は 著 明 に 減 少 し た も の の,1984年 か ら 増 加 し,1985年 に は5.1%(16例) と な っ た が1986年3.6%(12例),1987年3.2%(9 例)と 再 び 減 少 し た. 4)入 院 時 お よ び 退 院 時 の 糞 便 中Paemginosa 陽 性 率(Fig.4) 入 院 時 の 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 率 は1.4%∼13.9% の 間 で,退 院 時 の 陽 性 率 は5.0%∼20.7%の 間 で 変 動 し て い た が い ず れ も漸 減 傾 向 に あ り,ま た1977

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昭 和63年12月20日 1113

Fig. 2 Ratios of bacterial species according to the type of urinary tract infection (1982-1986)

I

II

III

Fig. 3 Annual incidence of cases yielding urinary P. aeruginosa in urological wards(In patients)

年 を 除 い て 退 院 時 の 方 が 高 値 で あ っ た. 5)尿 分 離P.aeruginosaの 血 清 型 分 布 の 年 次 変 遷(Fig.5) 尿 分 離 本 菌 の 血 清 型 分 布 は1976年,1977年 で は C,E,G型 株 を 検 出 し,特 に 入 院 後 感 染 株 で 多 か っ た.1978年 か ら はC,E型 株 が 減 少 し,そ れ に 対 し A,B,G型 株 を 検 出 し,E,F,I型 株 も 数 株 ず つ 持 続 し て 検 出 し た.ま た,1984年 か ら1986年 ま で

Fig. 4 Annual incidence of cases yielding fecal P. aeruginosa in urological wards(In patient 1976-1987) はA,B,C型 株 の 他 にM型 株 を 検 出 し た が1987 年 に はF,M型 株 が 多 か っ た. 6)糞 便 分 離P.aeruginosaの 血 清 型 分 布 の 年 次 変 遷(Fig.6) 糞 便 分 離 本 菌 の 血 清 型 分 布 は,1976年 に はE, G,B,C,D型 株 を 中 心 に 検 出 し た.し か し,1978 年 か ら はC,D,E型 株 が 減 少 し,G,B型 株 の 急 増 が み ら れ た.1980年 に はA型 株 が 増 加 し た が, 1982年 か ら はB型 株 が 減 少 し,1985年 ま でA,G

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型 株 が 持 続 し,1985年 か ら はI型 株 が 増 加 し,1986 年,1987年 はG型 株 が 減 少 し,A,I型 株 が増 加 し た. 7)入 院 時 糞 便 中P.aerugimsa検 出 の 有 無 と 入 院 中P.aemginosaに よ る尿 路 感 染 症 発 症 の 関 係(Fig.7) 入 院 時 に 糞 便 中 の本 菌 が 陰 性 症 例 で 入 院 中 に 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 を 発 症 し た 頻 度 は2,747例 中

Fig. 5 Annual changes in serotype distribution of urinary P. aeruginosa in urological wards

157例(5.7%)で あ っ た.そ れ に 対 し,入 院 時 に 糞 便 中 の 本 菌 が す で に 陽 性 症 例 で,無 処 置 の 後, 入 院 中 に 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 を 発 症 し た 頻 度. は,71例 中12例(16.9%)と 有 意(x2:p<0.01) に 高 値 で あ っ た.し か し,入 院 時 に 糞 便 中 の 本 菌 が 陽 性 症 例 の う ち 自 己 感 染 の 予 防 と し てPoly-mixin-Bを150万 単 位,5∼7日 間,経 口 投 与 さ せ る こ と に よ り,入 院 中 に 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 を

Fig. 6 Annual changes in serotype distribution of fecal P. aeruginosa in urological wards

Fig. 7 Incidence of cases yielding urinary P. aeruginosa during hospitalization in relation to fecal finding at admission(1976-1987)

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昭和63年12月20日 1115

Fig. 8 Positive rate at discharge of fecal P. aeruginosa in patients who associat-ed with or without urinary tract infection due to P. aeruginosa during hospitali-zation(patients not yielding fecal P. aeruginosa at admission)(1976•`1987)

Fig. 9 The time of isolation of both urinary and fecal P. aeruginosa isolated

from 64cases during hospitalization (1976•`1987)

: with indwelling catheter

: without indwelling catheter

():No.ofcases

Fig. 10 Relationship between the time of isolation and incidence of same ser-otype of P. aeruginosa isolated from 54cases yielding both urinary and fecal P. aeruginosa during hospitalization(1976-1987)

():No.ofcases 発 症 し た 頻 度 は,99例 中2例(2.0%)で あ り,有 意 (x2:p<0.01)に 尿 路 感 染 症 の 発 症 率 を 低 下 さ せ る こ と が で き た. 8)入 院 中 のPaeruginosaに よ る 尿 路 感 染 症 発 症 の 有 無 と 退 院 時 の 糞 便 中1raemginosa陽 性 率(Fig.8) 入 院 時 に糞 便 中 の本 菌 が 陰 性 症 例 で,か つ 入 院 中 に 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 が 発 症 した 症 例 の退 院 時 の 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 率 は186例 中28例(15.1%) で あ った.そ れ に 対 し,入 院 中 に本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 が 発 症 し なか っ た症 例 の 退 院 時 の 糞 便 中 の 本 菌 陽 性 率 は2,409例 中122例(5.1%)で あ り,有

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意(x2:p<0.01)に 高 値 で あ っ た. 9)入 院 期 間 中 にPaeruginosaに よ る 尿 路 感 染 症 を 有 し,か つ 糞 便 中Paeruginosa陽 性 で あ っ た64例 のPaeruginosa検 出 時 期(Fig.9) 本 菌 の 院 内 感 染 の 状 況 を 把 握 す る た め に,(a) 入 院 時 同 時 陽 性 症 例 群,(b)糞 便 陽 性 後 に 尿 路 感 染 症 が 発 症 し た 症 例 群,(c)尿 路 感 染 症 発 症 後 に 糞 便 陽 性 と な っ た 症 例 群 の3群 に 分 け た.(a)群 は10例(15.6%),(b)群 をま16{列(25.0%),(c) 群 は38例(59.4%)で あ り,(c)群 が 最 も 多 か っ た.ま た そ れ ら の90%以 上 が カ テ ー テ ル 留 置 症 例 で あ っ た. 10)入 院 期 間 中 に 尿 お よ び 糞 便 か らPaeru4 nosaを 検 出 し た 症 例 に お け る 血 清 型 の 比 較(Fig. 10) 尿 お よ び 糞 便 か ら 分 離 さ れ た 本 菌 の 血 清 型 別 を 行 い 得 た54例 に つ い て 調 べ る と,(a)群 の 同 時 陽 性 群9例 で は 同 一 血 清 型 が4例(44.4%)で あ っ た.(b)群 の 糞便 陽 性 後 に 尿 路 感 染 症 を 発 症 し た 13例 で は 同 一 血 清 型 が3例(23.1%)で あ っ た. (c)群 の 尿 路 感 染 症 の 後 に 糞 便 陽 性 に な っ た32例 で は 同 一 血 清 型 が14例(43.8%)で あ っ た.す な わ ち,そ れ ら54例 を 合 計 す る と,21例(38.9%) が 尿 と 糞 便 か ら 分 離 さ れ た 本 菌 が 同 一 血 清 型 で あ っ た. 考 察 Paeruginosaは 本 来,平 素 無 害 菌(opportunis-tic pathogen)と 呼 ば れ,特 に 水 分 の あ る 環 境 に よ く 分 布 し て い る 細 菌 で あ る4).本 菌 に よ る 感 染 症 は,抵 抗 減 弱 宿 主(compromisedhost)に 対 す る 院 内 感 染(hospitalacquiredinfection)つ ま り 日 和 見 感 染(oPPortunisticinfection)と し て 重 要 な 位 置 を し め て い る5)6).本 菌 は 一 般 の 健 康 人 に 対 し て は 病 原 菌 と な りに く い こ と は よ く知 ら れ て い る が,泌 尿 器 科 症 例 に お い て も 化 学 療 法 を 受 け た り, 留 置 カ テ ー テ ル を 有 す る 複 雑 性 の 高 いcom-promisedhostに 対 し て は 病 原 性 を 発 揮 し て 宿 主 を 重 篤 に 至 ら し め る 場 合 が あ る. そ こ で 我 々 は,そ の 院 内 感 染 を 予 防 す る 目的 の た め に 本 菌 の 疫 学 的 検 討 を 行 っ て 来 た. そ し て,特 に 病 棟 内 の 環 境 汚 染 を 介 す る 交 叉 感 染crossinfection(=外 因 性 感 染exogenous infection)お よ び糞 便 中 の 本 菌 が感 染 源 とな り尿 路 感 染 症 を発 症 す る 自己 感 染self infection(=内 因 性 感 染endogenousinfection)が そ の 原 因 と し て 重 要 で あ る こ と と,そ れ らに対 す る具 体 的 な 予 防 対 策 に つ い て 報 告 して 来 た1)2)・今 回 は1976年 か ら1'87年 ま で の12年 間 に お け る 当 科 入 院 症 例 の 本 菌 に よ る 尿 路 感 染 症 と糞 便 中 の本 菌 分 離 状 況 の 把 握 を 行 い,そ の院 内 感 染 予 防 対 策 の 徹 底 した 維 持 の 重 要 性 を 感 じた た め 考 察 して み た. 1)尿 路 感 染 症 分 離 菌 のPaeruginosa分 離 頻 度 入 院 症 例 に お け る尿 路 分 離 菌 の うち本 菌 分 離 頻 度 の報 告 と し て,西 村6)は1981年 以 前 の 諸 家 の 報 告 を集 計 し,11.8%∼42.4%で あ った と報 告 し て い る.そ の 後 の 報 告 で は 松 本 ら7)は1974年 に は 25%で あ った も の が 漸 減 し,1984年 に は11.1%で あ った と報 告 し,宮 田 ら8)は1979年 の25.4%か ら 増 加 傾 向 を 示 し,1982年 で は44%ま で 増 加 した が 1'83年 に は16.6%と 減 少 した こ とを 報 告 し,ま た 永 友 ら9)は22.5%,石 神10)は20%,薩 田 ら11)は 11.3%で あ った と報 告 し て い る. 今 回 の結 果 で は,1976年 か ら1978年 ま で は15% 前 後 で あ った が,そ の 後 減 少 傾 向 を 示 し,近 年 で は10%前 後 に安 定 して お り他 施 設 よ り もや や 低 い 分 離 頻 度 で あ った が,依 然 と して 尿 路 感 染 症 の 重 要 な起 炎 菌 に は違 い な い. 2)尿 路 感 染 症 の 病 態 別 に よ るP.aeruginosa 分 離 頻 度 単 純 性 尿 路 感 染 症 で の 本 菌 分 離 頻 度 は2.3%で あ った が,複 雑 性 の 高 い 留 置 カ テ ー テル を有 す る 複 雑 性 尿 路 感 染 症 症 例 で は14.3%で あ っ た.し た が っ て,本 菌 は留 置 カテ ー テ ル を 有 す る よ うな, 尿 路 の 複 雑 性 の 高 いcompromisedhostに お い て,そ の 分 離 頻 度 が 高 い た め,こ れ ら症 例 に 対 し て は特 に 本 菌 が 感 染 しな い よ うな 注 意 を払 う必 要 が あ る. 3)入 院 症 例 に お け るPaerugimsaに よ る 尿 路 感 染 症 発 症 率 の年 次 変 遷 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 の 発 症 率 は1976年 で は 入 院 総 数 の15.9%(46例)で あ り,そ の 後 漸 減 し,

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昭和63年12月20日 1117 1983年 に は4.5%(11例)ま で 減 少 した.し か し, 1'85年 に は6.4%(20例)と 若 干 増 加 後,1'87年 に は5.1%(15例)と 再 度 減 少 した.さ ら に詳 し く分 析 す る と,入 院 時 す で に 感 染 して い た 移 入 株 に よ る尿 路 感 染 症 症 例 数 は ほ と ん ど変 動 が なか っ た. しか し,入 院 後 に 尿 路 感 染 症 が 発 症 し た 症 例 は 1976年 に は12.1%(35例)で あ り,そ の後 漸 減 し, 1983年 に は1.2%(3例)に ま で減 少 した. こ こ まで の減 少 の 理 由 と して は,以 下 に 述 べ る よ うな 院 内 感 染 予 防 対 策 が 当 科 に お い て徹 底 した た め と考 え られ た.1)本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 の 早 期 診 断,治 療 お よ び 予 防,2)留 置 カ テ ー テ ル の 管 理,3)医 療 従 事 者 と患 者 へ の 教 育 と啓 蒙,4)病 棟 内 環 境 へ の 対 策 で あ る. 具 体 的 に 述 べ る と,1)に つ い て は入 院 時 に す べ て の症 例 に 対 し検 尿 と尿 培 養 を 行 い本 菌 を検 出 した 場 合 は す ぐに 感 受 性 の あ る抗 菌 薬 剤 を 投 与 し,病 棟 内環 境 汚 染 を 防 い で い る.さ ら に入 院 時 に す べ て の 症 例 に対 し,糞 便 中 の 本 菌 の 検 出 を 行 い 陽 性 症 例 に 対 し て はPolymixin-Bを 経 口投 与 させ,糞 便 中 の 本 菌 を陰 性 化 させ 自己 感 染 お よび 病 棟 内 環 境 汚 染 を 防 い で い る.2)に つ い て は カ テ ーテ ル の抜 去 を で き る だ け 早 期 に行 うこ と と, 留 置 カ テ ー テ ル は 完 全 閉鎖 式 導 尿 装 置(complete closed drainagesystem)12)13)を 用 い て い る.さ ら に カテ ー テ ル 周 囲 と尿 道 との 間 か らの上 行 感 染 を 予 防 す る 目的 で 抗 菌 薬 剤 を含 む コ リマ イ フ ォー ム (R)を塗 布 した ガ ー ゼ で 尿 道 口周 囲 を覆 って い る. 3)に つ い て は,本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 症 例 が 判 明 した場 合 は直 ち に,医 療従 事 者 に対 して は 病 棟 管 理 板 と患 者 の経 過 観 察 表 に表 示 させ,ま た 患 者 自身 と付 き添 い に 対 して も院 内感 染 につ い て 教 育 と啓 蒙 を 行 い,本 菌 に よ る院 内感 染 が 広 が ら な い よ うに して い る.4)に つ い て は,本 菌 は病 棟 内 で も特 に 水 分 の あ る 流 しや 床 に常 在 す る傾 向 が あ り,そ れ らの 場 所 の 清 掃 と消 毒 を徹 底 して い た. しか し,1984年 と1985年 の入 院 後 の 発 症 率 が 増 加 して い た た め,こ の原 因 を 考 え た と ころ,1983 年8月 の新 病 棟 移 転 に 伴 い,医 療 従 事 者 に よ る3) 4)の 上 記 諸 対 策 が 徹 底 され な くな った こ とが考 え られ た た め,1986年 の 初 め に再 び 予 防 対 策 を徹 底 させ た と ころ,そ の 発 症 率 を1987年 の3.2%ま で 減 少 させ る こ とが で きた.し た が っ て,予 防 対 策 の徹 底 した 維 持 が 重 要 で あ る こ とが 痛 感 させ られ た. 4)入 院 時 と退 院 時 の 糞 便 中Paeruginosaの 検 出頻 度 入 院 時 糞 便 陽 性 率 で は,1976年 の13・9%を 最 高 に1986年 の1.4%ま で 減 少 して い た.こ の 値 は一 般 環 境 に お げ る本 菌 の汚 染 を反 映 して い る と考 え ら れ るが,Ringenら14)の 報 告 の11.1%よ りも近 年 の 値 は 低 値 で あ った.こ れ に 対 し,退 院 時 糞 便 陽 性 率 で は1'77年 を 除 き,入 院 時 の 陽 性 率 よ りも高 値 で あ り,今 回 の 検 討 期 間 で は5.0∼20.7%で あ った が,近 年 は5∼8%に 安 定 して い た.退 院 時 陽 性 率 の 高 値 の原 因 は 入 院 中 に病 棟 環 境 に生 息 す る本 菌 が 経 口的 に摂 取 され,腸 管 内 に 定 着 す る こ と に よ る と考 え られ る15)が入 院 中 の 抗 菌 薬 剤 の使 用 も 影 響 して い る か も しれ な い2)16). 5)尿 と 糞便 分 離Paerugimsaの 血 清 型 分 布 の年 次 変 遷 本 菌 の 尿 と糞 便 間 の 移 行 性 を よ り明 らか に す る た め に そ れ ぞ れ の株 の 血 清 型 を比 較 検 討 した. a)尿 分 離 本 菌 の血 清 型 分 布 の年 次 変 遷 1982年 山 田 ら17)は,多 施 設 で の 尿 分 離 本 菌 の 血 清 型 分 布 を ま とめ て お り,施 設 差 は あ る も の の, G,B,E,F型 株 を 多 く検 出 した と報 告 して い る. また,1983年 大 井 ら18)はG,E,B型 株 を 多 く検 出 した と報 告 して い る.今 回 我 々 は12年 間 の 推 移 を 調 べ た が,1976年 と1977年 で は入 院後 感 染 症 か ら C,E,G型 株 を 多 く検 出 した が,1978年 か ら はA, B,E,G型 株 を 中心 に 検 出す る よ うに な り,1984 年 か らはA,B,C,G,M型 株 を検 出 し,特 にM 型 株 の 増 加 が特 徴 的 で あ った.し か し,こ のM型 株 の 病 棟 内侵 入 経 路 を 明 らか に す る こ とは で き な か った が,重 な った 時 期 に 分 離 され た た め 交 叉 感 染 に よ る増 加 が 考 え られ た. b)糞 便 分 離 本 菌 の 血 清 型 分 布 の 年 次 変 遷 以 前,入 院 症 例 に お け る尿 と糞 便 か ら分 離 され た 本 菌 の 血 清 型 分 布 は か な り類 似 して い る と報 告 した2).今 回 は12年 間 の推 移 を 検 討 した が,や は り 血 清 型 分 布 の 年 次 変 遷 は 全 体 的 に 同 じ よ うに 変 動

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し て い た. す な わ ち,糞 便 分 離 株 は前 述 した 尿 分 離 株 の 分 布 と類 似 して お り1976年 と1977年 で はB,E,G型 株 を 中 心 に検 出 し1978年 か らはA,B,E,G型 株 を多 く,1984年 か らはA,B,G,1,M型 株 を 多 く検 出 した. した が っ て,尿 と糞 便 中 の 本 菌 は密 接 な 関 係 が あ り,あ る時 期 に 病 棟 内 で特 定 の血 清 型 が 流 行 す る可 能 性 が 考 え られ た. 6)入 院 時 糞 便 中P.aeruginosa検 出 の 有 無 と 入 院 中Paerugimsaに よ る 尿 路 感 染 症 発 症 の 関 係 糞 便 中 の本 菌 が 尿 路 に 移 行 し て尿 路 感 染 症 を発 症 す る可 能 性 を よ り明 らか にす る た め に 入 院 時 の 糞 便 中 本 菌 の有 無 と入 院 中 の 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 の 頻 度 との 関 係 を調 べ た. 入 院 時 糞 便 陰 性 症 例 の うち,入 院 中 に本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 が 発 症 し た 頻 度 は2,747例 中157例 (5.7%)で あ った の に 対 し,入 院 時 糞 便 陽 性 症 例 で は,無 処 置 の 場 合 の 発 症 頻 度 は71例 中12例 (16.9%)と 高 頻 度 で あ っ た. しか し 自己 感 染 に よ る尿 路 感 染 症 の 予 防 と して Polymixin-Bを 経 口投 与 させ 糞便 中 の 本 菌 を 陰 性 化 させ る こ とに よ り,そ の発 症 率 は99例 中2例 (2.0%)と 激 減 させ る こ とが で きた. した が って,糞 便 中 の 本 菌 は 自己 感 染 に よ る尿 路 感 染 症 の 感 染 源 に な り得 る と言 うこ と と,そ の 予 防 対 策 と してPolymixirトBを 経 口投 与 させ る こ とに よ り,そ の発 症 を か な り抑 制 させ る こ とが で き る と考 え られ た. 7)入 院 中 のP.aeruginosaに よ る尿 路 感 染 症 の 有 無 と退 院 時 の 糞 便 中P.aeruginosa陽 性 率 と の 関 係 尿 か ら糞 便 へ の移 行 性 を 明 らか にす る た め に入 院 中 の 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 の 有 無 と退 院 時 糞 便 陽 性 率 との 関 係 を 調 べ た. 入 院 時 糞 便 陰 性 症 例 に お い て 入 院 中 に 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 が発 症 した 症 例 で は 退 院 時 糞 便 陽 性 率 が186例 中28例(15.1%)で あ った の に 対 し,入 院 中 に 本 菌 に よ る尿 路 感染 症 が 発 症 しな か った 症 例 で は,退 院 時 糞 便 陽 性 率 は2,409例 中122例 (5.1%)で あ った. した が って,入 院 中 に 本 菌 に よ る尿 路 感 染 症 を 発 症 した 症 例 は尿 か ら手 指 や 病 棟 環 境 を 介 して 経 口的 に本 菌 が 摂 取 され る機 会 が 多 くな り,糞 便 中 に定 着 す る頻 度 が高 くな る と考 え られ た19). 8)Paeruginosaに よ る尿 路 感 染 症 お よ び糞 便 中Paeruginosa陽 性 症 例 の検 討 尿 と糞 便 の両 方 か ら本 菌 を 検 出 した64例 につ い て検 討 した. a)分 離 時 期 の 関 係 入 院 期 間 中 に 本 菌 を尿 と糞 便 の両 方 か ら検 出 し た64例 の そ れ ぞ れ の 検 出 時 期 につ い て 調 べ た と こ ろ,入 院 時 す で に 両 方 陽 性 症 例 が10例(15.6%), 糞 便 陽 性 後 に 尿 路 感 染 症 が 発 症 し,本 菌 が 糞 便 か ら尿 路 に移 行 した 可 能 性 が 考 え られ る症 例 が16例 (25.0%),逆 に 尿 路 感 染 症 が 発 症 した 後 に糞 便 中 の 本 菌 が 陽 性 化 し,尿 か ら糞 便 中 に 移 行 した 可 能 性 が 考 え られ る症 例 が38例(59.4%)で あ った. した が って,本 菌 の 尿 と糞 便 との 移 行 性 に つ い て 考 え る と,尿 か ら患 者 の 手 指 や病 棟 環 境 を 介 し て 経 口的 に 腸 管 内 に 入 り定 着 す る頻 度 の方 が,糞 便 か らそ の 患 者 の手 指,衣 類,留 置 カ テ ー テ ル 等 を 介 し て尿 路 に移 行 す る頻 度 よ りも高 い こ とが 考 え られ た. b)同 一 症 例 の 尿 と糞 便 か ら検 出 され たPaer-uginosaの 血 清 型 の 比 較 前 述 した よ うに本 菌 は 尿 路 と腸 管 間 の移 行 性 が 考 え られ,同 一 症 例 か ら検 出 さ れ た そ れ ぞ れ の 血 清 型 を 比 較 す る こ とは 院 内 感 染 を 解 明 す る た め に も重 要 な こ とで あ る と考 えた. そ れ ぞ れ の 血 清 型 が 同 一 で あ る頻 度 は そ れ ぞ れ の 出 現 時 期 の 違 い に よ り23.1∼44.4%で あ った が,全54例 を合 計 す る と38.9%で あ った.し た が っ て,血 清 型 が 同一 の場 合 は尿 と糞 便 間 の移 行 に よ る 自己感 染 の 可 能 性 が 高 く考 え られ た.一 方,血 清 型 が異 な った 場 合 は,交 叉 感 染 に よ る場 合 と, 糞 便 中 に 複 数 の血 清 型 株 が 混 合 感 染 して い る可 能 性 な どが 考 え られ た. 以 上 よ り,Paerugimsaに よ る院 内 感 染 は,自 己 感 染 と交 叉 感 染 の 両 方 に よ る もの が あ り,そ れ を予 防 す るた め に は す べ て の 医 療 従 事 者 に よ る前

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昭 和63年12月20日 1119 述 し た よ う な 予 防 対 策 の 徹 底 が 必 要 で あ り,そ れ ら を 維 持 し 続 け る こ と が 重 要 で あ る こ と が 考 え ら れ た. 稿 を 終 え る に あ た り,細 菌 検 査 の 御 協 力 を い た だ い た 札 幌 医 科 大 学 検 査 診 断 部 細 菌 検 査 係 の 諸 先 生 に 謝 意 を 表 し ま す. 文 献 1) 水 戸 部 勝 幸: 院 内 感 染 に 関 す る 臨 床 的 研 究. 第1 報. Pseudomonas aeruginosa感 染 症 の 疫 学 的 検 討. 日 泌 尿 会 誌, 67: 333-358, 1976. 2) 宮 本 慎 一, 熊 本 悦 明, 西 尾 彰, 広 瀬 崇 興, 永 井 龍 夫: Pseudomonas aeruginosaに よ る 院 内 感 染 の 研 究. 第2報. 糞 便 中Pseudomonas aeruginosa とPseudomonas aeruginosa尿 路 感 染 症 の 関 連 性. 日泌 尿 会 誌, 73: 1083-1107, 1982. 3) 縁 膿 菌 研 究 会: の せ ガ ラ ス 凝 集 反 応. 第10回 縁 膿 菌 研 究 会 講 演 記 録, 175-176, 1976.

4) Hoadley, A. W.: Pseudomonas aeruginosa in surface waters. In. Pseudomonas aeruginosa, Raven Press, New York, 1977, p.31-57. 5) Moody, M. R.: Effect of acquisition on the

incidence of Pseudomonas aeruginosa in hospitalized patients. In. Pseudomonas aer-uginosa, Raven Press, New York, 1977, p.111 -132 . 6) 西 村 洋 司: 尿 路 感 染 症. 最 新 医 学, 36: 1764 -1769 , 1981. 7) 松 本 哲 朗, 高 橋 恵 一, 田 中 誠, 関 成 人, 佐 間 俊 治, 小 藤 秀 嗣, 熊 沢 浄 一: 尿 路 感 染 分 離 菌 の 年 次 変 遷(第12報). 西 日泌 尿, 47: 777-788, 1985. 8) 宮 田 和 豊, 古 川 正 隆, 岸 幹 雄, 水 野 全 裕, 沖 宗 正 明, 赤 沢 信 幸, 公 文 裕 己, 大 森 弘 之: 過 去5年 間 (1979-1983年) の 尿 路 感 染 症 分 離 菌 の 臨 床 的 検 討. 西 日泌 尿, 47: 431-442, 1985. 9) 永 友 和 之, 棚 田 敏 文, 斎 藤 康, 新 川 徹 長 田 幸 夫, 石 沢 靖 之, 大 滝 幸 哉, 島 田 雅 巳: 尿 路 感 染 分 離 菌 の 年 次 的 変 遷(第2報). 西 日泌 尿, 43: 713 -718 , 1981. 10) 石 神 嚢 次: 尿 路 感 染 症 ― と くに 縁 膿 菌 感 染 症 ―. 実 験 治 療, 581: 8-9, 1982. 11) 薩 田 清 明, 黒 川 顕, 大 塚 敏 文: 本 学 救 命 救 急 セ ン タ ー に お け る 細 菌 学 的 検 討 . 第II報. 特 に 縁 膿 菌 の 血 清 型 と感 受 性 分 布 に つ い て. 感 染 症 誌, 57: 195-204, 1983. 12) 熊 沢 浄 一, 中 牟 田 誠 一, 百 瀬 俊 郎: Closed drairn-age system(閉 鎖 式 持 続 導 尿 装 置) の 使 用 経 験. 西 日 泌 尿, 38: 660-668, 1976.

13) Kunin, C. M.:"Detection, prevention and man-agement of urinary tract infection". 3rd ed. Lea & Febiger, Philadelphia, 1973, p.153-202. 14) Ringen, L. M. and Drake, C. H.: A study of the

incidence of pseudomonas aeruginosa from va-rious natural source. J Bacteriol., 64: 841-845, 1952.

15) Levison, M. E.: Factors influencing coloniza-tion of the gastrointestinal tract with pseu-domonas aeruginosa. In. Pseupseu-domonas aerugi-nosa, Raven Press, New York, 1977, p.97-109.

16) Buck, A. C. and Cooke, E. M.: The fate of ingested pseudomonas aeruginosa in normal persons. J. Med. Microbiol., 2: 521-525, 1969. 17) 山 田 規 恵, 磯 野 美 登 利, 渡 辺 邦 友, 上 野 一 恵: 多 施 設 に お け る 尿 路 感 染 症 由 来 のPseudomonas aeruginosaの 血 清 型 の 分 布Serovarレ ベ ル で の 菌 交 代. Chemotherapy, 30: 806-811, 1982. 18) 大 井 好 忠, 後 藤 俊 弘, 川 畠 尚 志, 岡 元 健 一 郎: 縁 膿 菌 に 関 す る 基 礎 的 研 究 ― 尿 路 分 離 菌 の 血 清 型 別, elastase, protease産 生 能 と試 験 管 内 混 合 培 養 成 績 ―. 西 日泌 尿, 45: 937-947, 1983. 19) 薩 田 清 明, 黒 川 顕, 大 塚 敏 文: 本 学 救 急 医 学 教 室 救 急 セ ン タ ー に お け る 細 菌 学 的 検 討. 第IV報. 院 内 感 染 の 立 場 か ら み た 縁 膿 菌 に つ い て. 感 染 症 誌, 58: 91-98, 1984.

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The Study on Pseudomonas aeruginosa Infection in a Hospital ―1 . Clinical Study•\

Takaoki HIROSE, Yoshiaki KUMAMOTO, Shigeru SAKAI & Noriko NISHIJIMA

Department of Urology, Sapporo Medical College (Director: Prof. Y. Kumamoto)

We studied retrospectively the hospital acquired P. aeruginosa infection of the urinary tract in

hospitalized patients with urological disease during the 12 years from 1976 to 1987.

The results were as follows:

1. P. aeruginosa was isolated with the highest frequency in 1976(15.9%, 46/289 Pts.) for

hospitalized patients with urinary tract infection. Various preventive measures decreased this

frequency to 5.1%(15/291 Pts.) by 1987.

2. P. aeruginosa was isolated with the highest frequency among patients with complicated

urinary tract infection, in those with indwelling catheters(14.3%, 50/350 Pts.).

3. P. aeruginosa in feces was isolated from 1.4%-13.9% of the patients at the time of admission,

increasing up to 5.0%-20.7% at discharge. However, these rates tended to decrease in recent years.

4. The annual changes of serotype distribution of P. aeruginosa isolated from urine and feces

were similar. Although serotype C, E and G were dominant in 1976 and 1977, serotype A, B and G

became dominant since 1978, with serotype E decreasing remarkably.

5. During hospitalization, urinary tract infection was found in 16.9%(12/71 Pts.) of the patients

with P. aeruginosa isolated in their feces at the time of admission. In contrast, only 5.7%(157/2747

Pts.) of those without P. aeruginosa in their feces had the infection during hospitalization. The rate of

urinary tract infection(16.9%) decreased to 2.0%(2/99 Pts.) when oral administration of Polymyxin-B

eliminated the P. aeruginosa isolated from feces at the time of admission.

6. Among the patients without P. aeruginosa in their feces at the time of admission, the higher

isolation rate(15.1%, 28/186 Pts.) of P. aeruginosa in feces at discharge was observed in those having

urinary tract infection upon admission than(5.1%, 122/2409 Pts.) those without it at that time.

7. Comparing the serotype of P. aeruginosa isolated from urine with feces, the identical serotype

was found in 38.9%(21/54 Pts.) of the patients with both urinary and fecal P. aeruginosa. This result

suggested that appoximately 40% of acquired hospital infection of P. aeruginosa was caused by self

infection, while the remaining 60% was by cross infection.

Fig.  1  Annual  changes  in  ratios  bacterial  species in  urinary  tract  infection(In  patients)
Fig.  2  Ratios  of  bacterial  species  according  to  the  type  of  urinary  tract  infection (1982-1986)
Fig.  6  Annual  changes  in  serotype  distribution  of fecal  P.  aeruginosa  in  urological  wards
Fig.  10  Relationship  between  the  time  of  isolation  and  incidence  of  same  ser- ser-otype  of  P

参照

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